JP5037970B2 - 電子部品収納基板 - Google Patents

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Description

本発明は、プリント配線板内に電子部品が収納された電子部品収納基板に関する。
近年、電子機器に搭載するプリント配線板の高密度化や信号処理の高速化に伴い、電子部品実装面積の削減や発生ノイズの低減を目的として、プリント配線板内に電子部品を収納した電子部品収納基板が用いられている。
プリント配線板内に収納される電子部品は、通常、市販されている表面実装型のチップ部品であり、チップ抵抗,チップコンデンサ,チップコイル等がある。
このようなチップ部品は、一般的に、長手形状を有し、長手方向の両端にそれぞれ電極部を備えている。
上述した電子部品収納基板の一例が特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載されているような電子部品収納基板によれば、プリント配線板を貫通する貫通孔を設け、この貫通孔内に、チップ部品が、その長手方向と貫通孔の中心軸が延在する方向とが一致するように収納された構成とすることにより、電子部品の実装面積の削減を図れるとするものである。
特開平9−312478号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているような電子部品収納基板では、電子部品のさらなる高密度実装化を図る際に、以下に説明する第1の課題及び第2の課題を有する。
ここで、電子部品収納基板において、電子部品のさらなる高密度実装化を図る際の第1の課題及び第2の課題について、図10を用いて説明する。
図10は、従来の電子部品収納基板において、電子部品のさらなる高密度実装化を図る際の課題を説明するための模式的断面図である。
まず、第1の課題について説明する。
図10に示す電子部品収納基板200は、主として、プリント配線板である多層配線板205と、この多層配線板205を貫通する貫通孔206内に収納された電子部品207とを備えている。
多層配線板205は、第1配線層201,第2配線層202,第3配線層203,及び第4配線層204の4層の配線層を有する4層配線板である。
第3配線層203及び第4配線層204は、電子部品207と電気的に接続する第1のランド208a及び第2のランド208bを備えている。
電子部品207は、その長手方向の各端部に第1の電極207a,第2の電極207bを備え、第1の電極207aが第3配線層203の第1のランド208aと半田210によって電気的に接続されており、第2の電極207bが第4配線層204の第2のランド208bと半田210によって電気的に接続されている。即ち、第1のランド208aと第2のランド208bとは半田210及び電子部品207を介して電気的に接続されている。
しかしながら、半田210が第3配線層203よりも基板外部に向かって突出しているため、例えば、他の電子部品211をこの半田210を跨いで多層配線板205に実装する場合、電子部品211が半田210と接触する虞がある。
電子部品211が半田210と接触すると、電子部品211が破損したり実装位置がずれて電子部品211と多層配線板205との電気的接続不良が発生する場合がある。
次に、第2の課題について説明する。
電子部品収納基板200では、貫通孔206内に収納された電子部品207と多層配線板205とを電気的に接続するために、他の電子部品211が実装される外層の配線層である第3配線層203や第4配線層204にランド208a,208bを設けなければならない。
従って、電子部品収納基板200では、外層の配線層203,204において、ランド208a,208bを含むランド近傍に、配線パターンや他のランドを設けることができないため、外層の配線層における電子部品のさらなる高密度実装化、並びに、外層の配線層における高密度配線化が困難であり、その改善が望まれる。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、外層の配線層における電子部品のさらなる高密度実装化及び高密度配線化が可能な電子部品収納基板を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本願各発明は次の手段を有する。
1)プリント配線板(50)に長手形状を有する電子部品(60)が収納された電子部品収納基板において、前記プリント配線板は、その内部にて厚み方向に間隔をあけて設けられた第1及び第2の配線層(12,14)と、当該プリント配線板を前記第1及び第2の配線層を含んで貫通する円形断面の空隙部(46)と、を有すると共に、前記第1及び第2の配線層は前記空隙部の内面に露出した第1及び第2の露出端面を有し、前記電子部品は、直方体状をなし、その長手方向の長さが前記プリント配線板の厚みと略同じであり、前記長手方向の端部に電極部(62a,62b)を有すると共に、前記長手方向と前記空隙部の貫通方向とが略一致するように該空隙部内に全体が収納されており、前記電極部のうちの一方の第1電極部と前記第1の露出端面とは、前記第1電極部と前記第1の露出端面との間にて前記第1電極部の外周を囲むように形成された第1の環状電気接続層を介して電気的に接続され、前記電極部のうちの他方の第2電極部と前記第2の露出端面とは、前記第2電極部と前記第2の露出端面との間にて前記第2電極部の外周を囲むように形成された第2の環状電気接続層を介して電気的に接続されており、前記第2の環状電気接続層は、前記第2電極部と前記第2の露出端面との直の接点を含むことを特徴とする電子部品収納基板(80)である。
2)前記電子部品が収納された前記空隙部を塞ぐ絶縁部(58)を有し、前記絶縁部の表面と前記プリント配線板の表面とは互いに連続して略平坦な面を形成してなることを特徴とする1)項記載の電子部品収納基板である。
本発明によれば、電子部品収納基板において、外層の配線層における電子部品のさらなる高密度実装化及び高密度配線化が可能になるという効果を奏する。
本発明の実施の形態を、好ましい実施例により図1〜図8を用いて説明する。
図1は、本発明の電子部品収納基板に収納される電子部品について説明するための模式的断面図である。
図2〜図8は、本発明の電子部品収納基板の実施例における第1工程〜第7工程をそれぞれ説明するための模式的断面図である。
図9は、本発明の電子部品収納基板において他の電子部品が実装された場合について説明するための模式的断面図である。
<実施例>
まず、後述する電子部品収納基板80に収納される電子部品について説明する。
一般的に、電子部品収納基板に収納される電子部品は、市販されている表面実装型のチップ部品であり、このようなチップ部品として、チップ抵抗,チップコンデンサ,チップコイル等がある。
表面実装型のチップ部品は、その形状から、円筒形チップ部品と角形チップ部品とに分類されるが、所謂「0603」チップ部品や「0402」チップ部品と称される小型のチップ部品は、一般的に角形チップ部品であるため、通常、この角形チップ部品がプリント基板内に収納される電子部品として用いられる。
「0603」チップ部品とは、長さが約0.6mm,幅が約0.3mmであるチップ部品を称し、「0402」チップ部品とは、長さが約0.4mm,幅が約0.2mmであるチップ部品を称する。
ここで、一般的な角形チップ部品について、図1を用いて説明する。
図1に示すように、角形チップ部品60は、主の構成材料がセラミックである本体部61と、主の構成材料がSn(スズ)である電極部62a,62bとにより構成されている。
ここで、図1において、本体部61の長手方向の各端面を端面61a,61b、上側の面を表(おもて)面61c、下側の面を裏面61dとそれぞれ称することとする。
電極部62aは、本体部61の端面61aを覆うように表面61cから裏面61dに跨って形成されており、電極部62bは、端面61bを覆うように表面61cから裏面61dに跨って形成されている。
そこで、実施例では、後述する電子部品収納基板80に収納される電子部品として、長さL60が0.6mm,幅W60が0.3mm,厚さt60が0.3mmである「0603」角形チップ部品60を用いることとした。また、この角形チップ部品60の長手方向と直交する断面における対角長X60は0.42mmであり、内接円の最大直径R60は0.30mmである。
次に、実施例の電子部品収納基板80について、その製造過程毎に順次説明する。
[第1工程](図2参照)
まず、コア材2の両面に銅箔3a,3bが貼り合わされた、所謂、両面銅貼り板(単に、両面板という場合もある)1を準備する。
両面銅貼り板1として、市販のFR−4基板等を用いることができる。
コア材2は、ガラスクロスやガラス不織布等の絶縁シートにエポキシ樹脂等の絶縁性樹脂を含浸させたものであり、図2では、ガラスクロスを破線で模式的に表している。
実施例では、後述する電子部品収納基板80の厚さを0.65mmとするために、コア材2の厚さを0.4mm、銅箔3a,3bの各厚さを18μmとした。
次に、両面銅貼り板1の所定位置に、両面銅貼り板1をその厚さ方向に貫通する貫通孔5を穿設する。この貫通孔5は、周知のドリル加工やレーザ加工等により穿設することができる。
実施例では、ドリル加工により、貫通孔5をその直径が0.2mmとなるように穿設した。
[第2工程](図3参照)
まず、銅箔3a,3bの各表面及び貫通孔5の内面に、例えば銅からなる第1のめっき層7a,7bを形成する。
この第1のめっき層7a,7bは、例えば、無電解銅めっきを行った後さらに電解銅めっきを行うことで形成することができる。
内面が第1のめっき層7a,7bで覆われた貫通孔5をIVH(Interstitial Via Hole)10と称す。
実施例では、銅箔3a,3bの表面上の第1のめっき層7a,7bの厚さをそれぞれ20μmとした。
次に、IVH10の内部に充填材9を充填する。
詳しくは、充填材9である孔埋め用インクを、例えばスクリーン印刷法により、IVH10の内部に充填させた後に硬化させる。その後、第1のめっき層7a,7bの各表面より突出して硬化した余分なインクを、例えばバフ研磨により除去することによって、充填材9の露出面と両面銅貼り板1の各表面とを、それぞれ、連続する略平坦な面にする。
孔埋め用インクとしては市販のものを使用することができ、孔埋め用インクを充填する他の充填方法としてロールコート法等を用いることができる。
[第3工程](図4参照)
フォトリソ法により、第1のめっき層7a及び銅箔3aを選択的にエッチングして、第1のランド部11を有する第1の配線層12を形成し、また、第1のめっき層7b及び銅箔3bを選択的にエッチングして、第2のランド部13を有する第2の配線層14を形成する。
第1の配線層12及び第2の配線層14は、IVH10を介して互いに電気的に接続されている。
また、第1のランド部11と第2のランド部13とは、コア材2を介して互いに対向する位置に形成されている。
なお、図4中の挿入図A4は、第1のランド部11近傍を図4における上側から見たときの平面図であり、挿入図B4は、第2のランド部13近傍を図4における下側から見たときの平面図である。
実施例では、第1のランド部11及び第2のランド部13の外形形状を円板状とし、第1のランド部11の直径R11及び第2のランド部13の直径R13をそれぞれ0.65mmとした。
上述の工程を経た両面銅貼り板1を両面配線板15と称す。
[第4工程](図5参照)
まず、第1の配線層12及び第2の配線層14をそれぞれ覆うように、両面配線板15の両面に第1の絶縁層17及び第2の絶縁層18を形成する。
第1の絶縁層17及び第2の絶縁層18は、絶縁性樹脂を、ロールコート法やスクリーン印刷法等の周知の方法を用いて塗布した後、硬化することによって得られる。
また、第1の絶縁層17及び第2の絶縁層18を形成する他の方法として、両面配線板15の両面に、プリプレグと銅箔とをそれぞれ熱圧着する熱プレス法や、樹脂シートをそれぞれ貼り付ける真空ラミネート法等を用いることもできる。
実施例では、ロールコート法を用いて、第1の絶縁層17及び第2の絶縁層18を、第1の配線層12及び第2の配線層14上の厚さがそれぞれ50μmとなるように形成した。
次に、第1の絶縁層17及び第2の絶縁層18の各所定位置にそれぞれレーザ加工を行って、第1の配線層12が露出するように有底穴23を形成し、第2の配線層14が露出するように有底穴24を形成する。
実施例では、有底穴23,24を、各開口径がそれぞれ90μmとなるように形成した。
その後、第1の絶縁層17及び第2の絶縁層18の各表面を覆うと共に有底穴23,24の各内面を覆うように、例えば銅からなる第2のめっき層26a,26bを形成する。この第2のめっき層26a,26bは、例えば、無電解銅めっきを行った後さらに電解銅めっきを行うことで形成することができる。
内面が第2のめっき層26a,26bで覆われた有底穴23及び有底穴24をLVH(Laser Via Hole)28及びLVH29と称す。
実施例では、第1の絶縁層17及び第2の絶縁層18の表面上の第2のめっき層26a,26bの厚さをそれぞれ25μmとした。
さらに、フォトリソ法により、第2のめっき層26aを選択的にエッチングして第3の配線層31を形成し、また、第2のめっき層26bを選択的にエッチングして第4の配線層32を形成する。
後述する収納部46が形成される領域には配線パターンが存在しないように、第3の配線層31及び第4の配線層32を形成する。
上述の工程を経た両面配線板15を4層配線板35と称す。
その後、4層配線板35の両面に、所定の開口部41a,41bを有するソルダーレジスト40a,40bを形成する。
ソルダーレジスト40a,40bは、ロールコート法やスクリーン印刷法等の周知の方法を用いて形成することができる。
実施例では、感光性を有する液状またはインク状のソルダーレジストを、スクリーン印刷法を用いて、4層配線板35の一方の面に塗布して乾燥させ、さらに他方の面に塗布して乾燥させた後、フォトリソ法を用いて、第3の配線層31が露出してなる開口部41aを有するソルダーレジスト40aを形成し、また、第4の配線層32が露出してなる開口部41bを有するソルダーレジスト40bを形成した。
また、実施例では、第3の配線層31及び第4の配線層32の表面上のソルダーレジスト40a,40bの厚さをそれぞれ20μmとした。
また、必要に応じて、開口部41a,41bによって露出した第3の配線層31及び第4の配線層32の表面に、それぞれ金めっき処理等を施しても良い。
[第5工程](図6参照)
まず、上述の工程を経た4層配線板35に、貫通孔43を、その中心軸が第1のランド部11及び第2のランド部13の略中心をそれぞれ通るように穿設する。
貫通孔43は、ドリル加工等の周知の方法を用いて穿設することができる。
また、図6中の挿入図A6,B6に示すように、貫通孔43の孔径R43を、上述した角形チップ部品60の対角長X60(0.42mm)よりも小さく、かつ、短手方向の断面における内接円の最大直径R60(0.30mm)よりも大きい値とする。
なお、図6中の挿入図A6は、第1の径部44近傍を図6における上側から見たときの平面図であり、挿入図B6は、第2の径部45近傍を図6における下側から見たときの平面図である。
実施例では、貫通孔43の孔径R43を0.35mmとした。
次に、貫通孔43と同軸に、上述した角形チップ部品60の対角長X60(0.42mm)よりも大きい直径R44を有する第1の径部44を、ドリル加工により穿設する。
実施例では、第1の径部44を、4層配線板35における第1の絶縁層17側からその厚さ方向に、穿設する深さが4層配線板35の厚さの約3分の2となるように穿設した。
また、実施例では、第1の径部44の直径R44を0.45mmとした。
第1の径部44が形成されていない範囲の貫通孔43を、第2の径部45と称する。即ち、第2の径部45の直径R45は、貫通孔43の孔径R43(0.35mm)に相当する。
この第1の径部44と第2の径部45とが4層配線板35の厚さ方向に連接されてなる孔部46は、電子部品である上述の角形チップ部品60を収納する電子部品収納部46となる。
また、電子部品収納部46が形成されたことによりそれぞれリング状となった第1のランド部11及び第2のランド部13は、電子部品収納部46内面にそれぞれ露出した状態となる。
一般的に、ドリル加工に用いられるドリルは、その先端部がテーパ状になっているので、ドリル加工を用いて形成された電子部品収納部46は、第1の径部44と第2の径部45との境界部が、ドリルの先端部の形状に応じてテーパ状となる。
上述した第1工程〜第5工程により、電子部品である角形チップ部品60を収納可能なプリント配線板50を得る。
[第6工程](図7参照)
プリント配線板50の電子部品収納部46に、角形チップ部品60を、第1の径部44側から第2の径部45側に向かって挿入する。
角形チップ部品60を電子部品収納部46に挿入する際、第1の径部44の直径R44(0.45mm)が角形チップ部品60の対角長X60(0.42mm)よりも大きいので、角形チップ部品60と第1の径部44との厳密な位置合わせ精度を必要とすることなく、角形チップ部品60を第1の径部44に容易に挿入することができる。
そして、第1の径部44の内部に挿入された角形チップ部品60は、第1の径部44、及び、第1の径部44と第2の径部45とのテーパ状の境界部によって、第2の径部45に案内される。
また、第2の径部45に挿入された角形チップ部品60は、第2の径部45の直径R45(0.35mm)が、角形チップ部品60の対角長X60(0.42mm)よりも小さくかつ短手方向の断面における内接円の最大直径R60(0.30mm)よりも大きいので、角形チップ部品60を破損させることなく電子部品収納部46に強嵌合させることができる。
また、図7中の挿入図A7,B7に示すように、電子部品収納部46と角形チップ部品60とは間隙52を有して強嵌合している。
なお、図7中の挿入図A7は、第1の径部44近傍を図7における上側から見たときの平面図であり、挿入図B7は、第2の径部45近傍を図7における下側から見たときの平面図である。
[第7工程](図8参照)
まず、電子部品収納部46と角形チップ部品60との間隙52に、所定の粘度を有する絶縁性樹脂54を、角形チップ部品60の電極部62a,62bと電子部品収納部46内面に露出した第1のランド部11及び第2のランド部13とをそれぞれ覆わないように充填する。
絶縁性樹脂54の充填量や塗布条件を最適化することにより、絶縁性樹脂54を、角形チップ部品60の電極部62a,62bと、電子部品収納部46内面に露出した第1のランド部11及び第2のランド部13とがそれぞれ覆われることなく、電子部品収納部46に充填することができる。
次に、未硬化状態の導電性材料56を、角形チップ部品60の電極部62a,62b、並びに、電子部品収納部46内面に露出した第1のランド部11及び第2のランド部13にそれぞれ接触すると共に間隙52及び角形チップ部品60を埋めるように、電子部品収納部46内に塗布する。
導電性材料56として、市販の銅ペーストや銀ペーストを用いることができる。
さらに、この導電性材料56を硬化させることにより、角形チップ部品60の電極部62aと電子部品収納部46内面に露出した第1のランド部11とが導電性材料56によって電気的に接続し、また、角形チップ部品60の電極部62bと電子部品収納部46内面に露出した第2のランド部13とが導電性材料56によって電気的に接続する。
従って、第1のランド部11と第2のランド部13とは、導電性材料56及び角形チップ部品60を介して電気的に接続される。
その後、絶縁性樹脂58を、各導電性材料56上に、それぞれ所定量塗布して硬化することにより、絶縁性樹脂58の表面とプリント配線板50の表面(実施例ではソルダーレジスト40a,40bの表面)とを、それぞれ、連続する略平坦な面にする。
上述した第1工程〜第7工程により、プリント配線板50の電子部品収納部46に角形チップ部品60が電気的に接続されて収納された電子部品収納基板80を得る。
ここで、上記電子部品収納基板80において、他の電子部品70を実装した場合について、図9を用いて説明する。
図9は、本発明の電子部品収納基板において、他の電子部品が実装された場合について説明するための模式的断面図である。
図9に示すように、電子部品収納基板80に他の電子部品70を半田72を用いて実装した際に、他の電子部品70が実装された範囲に対応する絶縁性樹脂58の表面と第1の絶縁層17の表面とは、連続する略平坦な面であるので、前述した第1の課題を解決することが可能になる。
また、何らかの原因で、仮に、他の電子部品70が絶縁性樹脂58の表面及び第1の絶縁層17の表面に接触したとしても、これら各表面は絶縁性を有しているため、ショート不良等の発生を防止することができる。
また、電子部品収納基板80によれば、他の電子部品70が実装される外層の配線層である第3の配線層31及び第4の配線層32に、収納された角形チップ部品60と接続するランドを設ける必要がないので、外層の配線層における電子部品のさらなる高密度実装化及び高密度配線化が可能になり、前述した第2の課題を解決することが可能になる。
また、図9には、他の電子部品70を、電子部品収納基板80の第3の配線層31側に実装したが、これに限定されるものではなく、第4の配線層32側に実装しても上述した効果と同様の効果を得ることができる。
本発明の実施例は、上述した構成及び手順に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形例としてもよいのは言うまでもない。
例えば、実施例では、電子部品収納部46を、直径の異なる2つの円柱状の径部を連接する構成とし、電子部品として角型チップ部品を用いたが、これに限定されるものではなく、内層の配線層がプリント配線板の内部に電子部品収納部の内面に露出して設けられ、この露出した内層の配線層と電子部品収納部に収納された電子部品の電極とが電気的に接続可能な構成であればよい。
但し、電子部品を電子部品収納部に収納した際に、実施例のように、電子部品と電子部品収納部との間隙を有する構成とすることにより、この間隙に絶縁性樹脂や導電性材料を充填することができるので、電子部品の電極間のショート不良やプリント配線板の内層の配線層間のショート不良をより防止することができ、また、電子部品の電極とプリント配線板の内層とをより良好に電気的接続することができる。
また、実施例の角型チップ部品の形状及び構成材料に限定されるものではない。
例えば、市販のチップ部品として、その電極が、チップ部品の4側面に亘って形成(実施例では2側面)されたものや、Ni(ニッケル)からなる下地層上にSn(スズ)層をめっき法等によって形成した2層構造のものがあるが、このようなチップ部品についても用いることができる。
また、実施例の第5工程において、ドリル加工によって電子部品収納部46を形成した際、電子部品収納部46内面にスミアが発生した場合は、このスミアを除去するデスミア処理を電子部品収納部46内面に施すようにしてもよい。
デスミア処理を電子部品収納部46内面に施すことにより、スミアが発生した場合においても、電子部品収納部46内面に第1のランド部11及び第2のランド部13を確実に露出させることができる。
また、実施例の第7工程において、絶縁性樹脂58の表面とプリント配線板50の表面とを、それぞれ、連続する略平坦な面としたが、これに限定されるものではなく、電子部品収納部46が絶縁性樹脂58で覆われており、かつ、絶縁性樹脂58の表面がプリント配線板50の表面よりも外部に突出していなければよいので、例えば、絶縁性樹脂58の表面がプリント配線板50の表面よりも凹んだ状態であってもよい。
本発明の電子部品収納基板に収納される電子部品について説明するための模式的断面図である。 本発明の電子部品収納基板の実施例における第1工程を説明するための模式的断面図である。 本発明の電子部品収納基板の実施例における第2工程を説明するための模式的断面図である。 本発明の電子部品収納基板の実施例における第3工程を説明するための模式的断面図である。 本発明の電子部品収納基板の実施例における第4工程を説明するための模式的断面図である。 本発明の電子部品収納基板の実施例における第5工程を説明するための模式的断面図である。 本発明の電子部品収納基板の実施例における第6工程を説明するための模式的断面図である。 本発明の電子部品収納基板の実施例における第7工程を説明するための模式的断面図である。 本発明の電子部品収納基板において、他の電子部品が実装された場合について説明するための模式的断面図である。 従来の電子部品収納基板において、電子部品のさらなる高密度実装化を図る際の課題を説明するための模式的断面図である。
符号の説明
1 両面銅貼り板、 2 コア材、 3a,3b 銅箔、 5 貫通孔、 7a,7b,26a,26b めっき層、 9 充填材、 10 IVH、 11,13 ランド部、 12,14,31,32 配線層、 15 両面配線板、 17,18 絶縁層、 23,24 有底穴、 28,29 LVH、 35 4層配線板、 40a,40b ソルダーレジスト、 41a,41b 開口部、 43 貫通孔、 44,45 径部、 46 電子部品収納部(孔部)、 50 プリント配線板、 52 間隙、 54,58 絶縁性樹脂、 56 導電性材料、 60 角型チップ部品、 61 本体部、 61a,61b 端面、 61c 表面、 61d 裏面、 70 電子部品、 72 半田、 80 電子部品収納基板、 R11,R13,R43,R44,R45,R60 直径(孔径)、 X60 対角長

Claims (2)

  1. プリント配線板に長手形状を有する電子部品が収納された電子部品収納基板において、
    前記プリント配線板は、
    その内部にて厚み方向に間隔をあけて設けられた第1及び第2の配線層と、
    当該プリント配線板を前記第1及び第2の配線層を含んで貫通する円形断面の空隙部と、
    を有すると共に、
    前記第1及び第2の配線層は前記空隙部の内面に露出した第1及び第2の露出端面を有し、
    前記電子部品は、
    直方体状をなし、その長手方向の長さが前記プリント配線板の厚みと略同じであり、
    前記長手方向の端部に電極部を有すると共に、前記長手方向と前記空隙部の貫通方向とが略一致するように該空隙部内に全体が収納されており、
    前記電極部のうちの一方の第1電極部と前記第1の露出端面とは、前記第1電極部と前記第1の露出端面との間にて前記第1電極部の外周を囲むように形成された第1の環状電気接続層を介して電気的に接続され
    前記電極部のうちの他方の第2電極部と前記第2の露出端面とは、前記第2電極部と前記第2の露出端面との間にて前記第2電極部の外周を囲むように形成された第2の環状電気接続層を介して電気的に接続されており、
    前記第2の環状電気接続層は、前記第2電極部と前記第2の露出端面との直の接点を含む
    ことを特徴とする電子部品収納基板。
  2. 前記電子部品が収納された前記空隙部を塞ぐ絶縁部を有し、
    前記絶縁部の表面と前記プリント配線板の表面とは互いに連続して略平坦な面を形成してなることを特徴とする請求項1記載の電子部品収納基板。
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