JP2007298833A - 感光性樹脂組成物の製造方法、及びそれを用いたレリーフパターン - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性を有するレリーフ構造体を製造可能であり、塗布欠陥が著しく低減された感光性樹脂組成物の製造方法、及び該方法により得られた感光性樹脂組成物を用いたレリーフパターンを提供する。
【解決手段】(A)樹脂、(B)感光剤、(C)溶剤を含む固形分濃度30質量%以上のポジ型感光性樹脂組成物を0.1μm以下の中空糸フィルターで濾過する工程を含むポジ型感光性樹脂組成物の製造方法、及び該感光性樹脂組成物を用いて形成したレリーフパターン。
【選択図】なし

Description

本発明は感光性樹脂組成物に関し、より詳しくは、超小型電子技術の分野での応用に好適であり、アルカリ水溶液で現像可能な感光性樹脂組成物、該組成物製造方法及び該組成物を用いた半導体装置の製造方法に関する。
回路の高集積化、マイクロマシンの開発、半導体などの各種電子部品の表面保護膜、層間絶縁膜、バッファーコート膜用途に厚膜の感光性樹脂組成物の要求が高まっている。膜質の均一性、塗布性能の向上、膜中の光散乱防止のために、いずれの用途においても感光性樹脂組成物中のパーティクルの数が少ないことが好ましい。特に0.5μm以上のパーティクル数が1000個/ml以下になると散乱損失は少なく、パーティクルによる光散乱の影響を改善できる。
感光性組成物中のパーティクル含有量を少なくすることは、孔径の小さいフィルターで多数回ろ過を行うと達成できる。特許文献1(特開平5−186592号公報)に、樹脂のモノマー成分を混合溶解直後にろ過しその後重合を進行させることが開示されている。その際のフィルター孔径についても現在入手可能な最小孔径である0.2μm前後のものを使用することも公知である。しかし、フィルター被処理液のろ過流量とその粘度とのあいだには一般に対数反比例の関係があることから、30ポイズ以上の高粘度感光性組成物をろ過する場合には処理に長時間を要し、ろ過過程で粘度変化が進行するため製造上問題となる。そのため、通常高粘度組成物は0.3μm以上のフィルターを用いてろ過せざるを得ず、0.5μm以上のパーティクル含有量が1000個/ml以上となるため、電子部品材料、光学材料への適用は十分とは言えなかった。
このような問題を解決するために、特許文献1には、予め孔径0.2μm以下のフィルターでろ過処理した溶媒、樹脂のモノマー成分を使用して樹脂を合成し、さらに孔径0.2μm以下のメンブランフィルターによるろ過処理を行う方法が開示されている。しかし、この方法では前述したように最終ろ過処理を行う際に30ポイズ以上の高粘度感光性組成物の場合時間がかかるので粘度変化がおき実用的ではない。また、同じく特許文献1には、樹脂のモノマー成分の重合反応による溶液粘度の上昇が緩やかな場合、その樹脂の溶液粘度が30ポイズ以下である状態下に、孔径0.2μm以下のメンブランフィルターによるろ過処理によりパーティクルを除去する方法が開示されている。しかし、この方法では、大きなスケールで合成を行う場合、ろ過に時間がかかるとろ過中に粘度が30ポイズ以上に上昇して、ろ過できなくなる場合があり実用化が難かしい。特許文献2( 特開平7−292106号公報)は、組成物の調製方法によりパーティクルを低減する方法を開示している。しかしながら、すべての感光性樹脂組成物に適用できるものではなく製造適性も不十分であった。
本発明に適合する感光性組成物としては、特許文献3(特開2004−309777号公報)に開示される厚膜用化学増幅型ポジレジスト、特許文献4(特開2003−114531号公報)に開示される厚膜用化学増幅型ネガレジスト、特許文献4(米国特許第4,371,685号明細書)に開示される高耐熱性のポジ型感光性組成物、特許文献6(特開2000−284480号公報)に開示されるネガ型の感光性組成物等を挙げることができる。
特許文献4(米国特許第4,371,685号明細書)は、アルカリに可溶なPBO前駆体とジアゾキノン光活性化合物を含有するポジ型感光性組成物を開示している。
ジアゾキノン化合物はPBO前駆体が水性の塩基中に溶解するのを防止し、露光後、ジアゾキノン化合物は光分解を受け、PBO前駆体のアルカリ現像液への溶解を促進するイ
ンデンカルボン酸に転化する。
特開平5−186592号公報 特開平7−292106号公報 特開2004−309777号公報 特開2003−114531号公報 米国特許第4,371,685号明細書 特開2000−284480号公報
製造適性に優れる耐熱性を有するレリーフ構造体を製造可能であり、塗布欠陥の発生が顕著に低減された感光性樹脂組成物の製造方法、その製造方法により製造された感光性樹脂組成物を用いた半導体装置の製造方法を提供する。
(1)(A)樹脂、(B)感光剤、(C)溶剤を含む固形分濃度30質量%以上のポジ型感光性樹脂組成物を0.1μm以下の中空糸フィルターで濾過する工程を含むポジ型感光性樹脂組成物の製造方法。
(2)該樹脂(A)が、ポリイミド構造、ポリイミド前駆体構造、ポリベンゾオキサゾール構造及びポリベンゾオキサゾール前駆体構造からなる群より選ばれる1種または2種以上の構造を含む樹脂であることを特徴とする上記(1)に記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
(3)該樹脂(A)をポアサイズ0.2μm以下のフィルターで濾過した樹脂溶液として添加することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
(4)該樹脂(A)が、ナフトキノンジアジド基を含有するポリアミド樹脂であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
(5)該樹脂(A)が、酸分解性基を含むポリアミド樹脂であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
(6)該感光剤(B)が、ナフトキノンジアジド感光剤及び光酸発生剤から選択されることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法で製造した組成物を塗布工程、加熱処理工程、露光工程、及び現像工程で処理することにより得られるレリーフパターン。(8)該露光工程後、該現像工程前で、加熱処理をすることを特徴とする上記(7)に記載のレリーフパターン。
(9)該現像工程後、200℃〜400℃の加熱処理をすることを特徴とする上記(7)または(8)に記載のレリーフパターン。
本発明の感光性樹脂組成物の製造方法により調製された組成物により、塗布欠陥が少なく、耐熱性、機械特性、電気特性、耐薬品性に優れるレリーフ構造体を製造可能であり、半導体用途、特にバッファーコートとして好適に用いることができる。
本発明のポジ型感光性組成物の製造方法は、(A)樹脂、(B)感光剤、(C)溶剤を含む固形分濃度30質量%以上のポジ型感光性樹脂組成物をポアサイズ0.1μm以下の
中空糸フィルターで濾過することを特徴としている。
〔1〕中空糸フィルター
本発明の方法において使用する中空糸フィルターの中空糸膜の材質としては、ポリスルホン、ポリアクロニトリル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ(4−メチル−ペンテン−1)等のポリオレフィン、ナイロン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体等があげられる。特に好ましくは、ポリアクロニトリル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン、エチレンテトラフルオロエチレンを挙げることが出来る。
中空糸フィルターのポアサイズは、0.1μm以下であり、特に0.01μm以上0.1ミクロンμm以下が好ましい。即ち、パーティクルの捕集の点で上0.1μm以下であり、濾過速度の点で0.01μm以上が好ましい。
中空糸フィルターに使用する中空糸膜の製造法は特許第25274070号、特許第2533787号、特許第2550543号、特許第2553248号、特許第2572895号、特許第2592725号、特許第2622629号等に記載されている。また、その中空糸膜を用いフィルターカートリッジを製造する方法は特許第3641661号、特許第3641332号などに記載されている。
加圧濾過の圧力は、加圧により中空糸膜やフィルターハウジングや破損せず、また必要十分な濾過量が確保できれば、特に制限はない。好ましくは、0.05MPa〜1.0MPa、特に好ましくは0.1MPa〜0.7MPaである。加圧に使用するガスの種類としては、空気、酸素、窒素、不活性ガス(He、Ne、Ar、Kr)等が好ましい。感光性素材の酸化防止の観点で、これらの中では窒素、不活性ガスが好ましく、特に好ましくは窒素である。
濾過の際の組成物の温度は、0〜60℃が好ましく、10〜40℃がより好ましい。
液をフィルターに満たすときにエア抜きを適切に行うことが、濾過速度や濾過量を確保するために好ましい。更に、該エア抜きをした後に、弱い圧力で液とフィルターをなじませる作業を行うと、濾過速度や濾過量を確保に効果が高い。
〔2〕樹脂
本発明のポジ型感光性樹脂組成物が含有する樹脂(A)としては、例えば、ポリベンゾオキサゾール前駆体構造、ポリベンゾオキサゾール構造、ポリイミド構造、ポリイミド前駆体構造又はポリアミド酸エステル構造であって、これらの樹脂について特に主鎖又は側鎖に水酸基、カルボキシル基、又はスルホン酸基を持つ樹脂が挙げられる。
樹脂(A)は、ポリイミド構造、ポリイミド前駆体構造、ポリベンゾオキサゾール構造、ポリベンゾオキサゾール前駆体構造からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
ナフトキノンギアジド基及び/又は酸分解性基を含有するポリアミド樹脂も好ましい。
なお、樹脂合成後の反応液、樹脂を改めて溶剤に溶解した溶液など、樹脂が溶媒に溶解した樹脂溶液をポアサイズ0.2μm以下のフィルターで濾過した溶液を用いて、感光性樹脂組成物を調製することが好ましい。
ポアサイズ0.2μmのフィルターとは、そのフィルター通すことで、0.2μm以上のポリスチレンラテックスパーティクルの捕集効率が99.999%以上であることを意味する。
一般式(2)で示される構造を含むポリアミド樹脂が好ましい。
Figure 2007298833
Xは2〜4価の有機基を表す。
Yは2〜6価の有機基を表す。
2は、水酸基、カルボキシル基、または−O−R4を表す。
mは0〜2の整数を表す。
3は、水酸基、カルボキシル基、−O−R4または−COO−R4を表す。
nは0〜4の整数を表す。
2及びR3の各々について複数ある場合は、同一でも異なっていてもよい。
4は、炭素数1〜15の有機基を表す。
Zは下記で示す基を表す。
Figure 2007298833
5及びR6は、独立に、2価の有機基を表す。
7及びR8は、独立に、1価の有機基を表す。
aは60〜100モル%、bは0〜40モル%であり、a+b=100モル%である。
一般式(2)で示される構造を含むポリアミド樹脂は、例えば、ジアミン、ジカルボン酸、及び酸無水物からなる。
一般式(2)で示される構造を含むポリアミド樹脂中のXは、2〜4価の有機基を表し、R2は、水酸基、O−R4で、mは0〜2の整数、これらは同一でも異なっていても良い。
Yは、2〜6価の有機基を表し、R3は水酸基、カルボキシル基、O−R4、COO−R4で、nは0〜4の整数、これらは同一でも異なっていても良い。ここでR4は炭素数1〜15の有機基である。
但し、R2およびR3の少なくともいずれかとして水酸基及びカルボキシル基の少なくともいずれかを有する。
また、後述のPBO前駆体(F)におけるように、R2としての水酸基がキノンジアジド基で保護されていてもよい。
一般式(2)で示される構造を含むポリアミド樹脂は、例えば、Xの構造を有するジアミン或いはビス(アミノフェノール)、2,4−ジアミノフェノール等から選ばれる化合物、必要により配合されるZの構造を有するシリコーンジアミンとYの構造を有するテトラカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物、ジカルボン酸或いはジカルボン酸ジクロリド、ジカルボン酸誘導体、ヒドロキシジカルボン酸、ヒドロキシジカルボン酸誘導体等か
ら選ばれる化合物とを反応して得られるものである。なお、ジカルボン酸の場合には反応収率等を高めるため、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール等を予め反応させた活性エステルの型のジカルボン酸誘導体を用いてもよい。
一般式(2)で示される構造を含むポリアミド樹脂において、Xの置換基としてのO−R4、Yの置換基としてのO−R4、COO−R4は、水酸基、カルボキシル基のアルカリ水溶液に対する溶解性を調節する目的で、炭素数1〜15の有機基で保護された基であり、必要により水酸基、カルボキシル基を保護しても良い。R4の例としては、ホルミル基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ターシャリーブチル基、ターシャリーブトキシカルボニル基、フェニル基、ベンジル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基等が挙げられる。
このポリアミド樹脂を約300〜400℃で加熱すると脱水閉環し、ポリイミド、又はポリベンゾオキサゾール、或いは両者の共重合という形で耐熱性樹脂が得られる。
一般式(2)におけるXとしては、例えば、以下の基を挙げることができる。2種以上を用いてもよい。
Figure 2007298833
式中、Aは、−CH2−、−C(CH3)2−、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−NHCO−、−C(CF3)2−、又は単結合である。
13はアルキル基、アルキルエステル基、またはハロゲン原子を表す。rは0〜2の整数を表す。複数のR13は同一でも異なっていてもよい。
14は、水素原子、アルキル基、アルキルエステル基、またはハロゲン原子を表す。
これら中で特に好ましいものとしては、以下の基を挙げることができる。
Figure 2007298833
9はアルキル基、アルキルエステル基、またはハロゲン原子を表す。rは0〜2の整数を表す。複数のR9は同一でも異なっていてもよい。
一般式(2)において、Yとしては、例えば、以下の基を挙げることができる。2種以上を用いてもよい。
Figure 2007298833
式中、Aは、−CH2−、−C(CH3)2−、−O−、−S−、−SO2−、−CO−、−NHCO−、−C(CF3)2−、又は単結合である。
15はアルキル基またはハロゲン原子を表す。rは0〜2の整数を表す。複数のR15は同一でも異なっていてもよい。
Figure 2007298833
これらの中で特に好ましいものとしては、以下のものが挙げられる。
Figure 2007298833

10はアルキル基またはハロゲン原子を表す。rは0〜2の整数を表す。複数のR10は同一でも異なっていてもよい。
Figure 2007298833
また、保存性という観点から、末端を封止することが望ましい。封止にはアルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を有する誘導体を一般式(2)で示されるポリアミドの末端に酸誘導体やアミン誘導体として導入することができる。具体的には、Xの構造を有するジアミン或いはビス(アミノフェノール)、2,4−ジアミノフェノール等から選ばれる化合物、必要により配合されるZの構造を有するシリコーンジアミンとYの構造を有するテトラカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物、ジカルボン酸或いはジカルボン酸ジクロライド、ジカルボン酸誘導体、ヒドロキシジカルボン酸、ヒドロキシジカルボン酸誘導体等から選ばれる化合物とを反応させて得られた一般式(2)で示される構造を含むポリアミド樹脂を合成した後、該ポリアミド樹脂中に含まれる末端のアミノ基をアルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を含む酸無水物又は酸誘導体を用いてアミドとしてキャップすることが好ましい。アミノ基と反応した後のアルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を含む酸無水物又は酸誘導体に起因する基としては、例えば、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2007298833
Figure 2007298833
これらの中で特に好ましいものとしては、以下のものを挙げることができる。
Figure 2007298833
これらは2種以上用いても良い。またこの方法に限定される事はなく、該ポリアミド樹脂中に含まれる末端の酸をアルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を含むアミン誘導体を用いてアミドとしてキャップすることもできる。
更に、必要によって用いる一般式(2)で示される構造を含むポリアミド樹脂のZは、例えば、以下のものが挙げらるが、これらに限定されるものではなく、又2種以上用いても良い。
Figure 2007298833
特にポリベンゾオキサゾール前駆体(PBO前駆体)としては、米国特許第4,371,
685号明細書、特表2002−526795号公報などに記載のものが挙げられる。
例えば、下記構造を有するポリベンゾオキサゾール前駆体ポリマー(G)を挙げることができる。
Figure 2007298833
式中、Ar1は4価の芳香族基、脂肪族基、複素環基またはこれらの混合基であり、A
2は場合によっては珪素を含んでも含まなくともよい、2価の芳香族基、複素環基、脂
環族基または脂肪族基であり、Ar3は2価の芳香族基、脂肪族基、複素環基またはこれ
らの混合基である。xは5〜1000を表し、yは0〜900を表す。
PBO前駆体の固有粘度は、25℃において、濃度0.5g/dL、NMP中で測定し、0.1〜0.7dL/gが好ましく、0.12〜0.6dL/gがより好ましい。
PBO前駆体は、一般的に10〜1000の重合度を有し、下記モノマー(A)、(B)、および(C)を塩基の存在下で反応させることにより合成される。
Figure 2007298833
式中、Ar1、Ar2、Ar3、xおよびyはすでに定義した通りであり、WはCl、O
R、またはOHであり、ここでRはアルキル基またはシクロアルキル基、例えば、−CH3、−C25、n−C37、i−C37、n−C49、t−C49、シクロヘキシルなど
である。
[(A)+(B)]/(C)の比は一般に約0.9〜1.1の間にある。モノマー(A)は[(A)+(B)]の約10〜100モル%であり、モノマー(B)は[(A)+(B)]の約0〜90モル%である。
なお、上記ポリマー(G)をジアゾキノンと反応させ、一部の水酸基がジアゾキノンでキャップされたPBO前駆体(F)としたものを使用してもよい。
Figure 2007298833
式中、Ar1、Ar2、Ar3は上記に定義した通りである。xは5〜1000を表す。
yは0〜900を表す。bは0〜50を表す。
Zとしては、以下の基を挙げることができる。
Figure 2007298833
例えば、約1〜35モル%のジアゾキノンと反応させて、xが10〜1000でり、yが0〜900であり、bが0.10〜350とすることができる。
なお、ポリマー(G)および(F)の構成分であるモノマー(A)において、Ar1
4価の芳香族基、脂肪族基、または複素環基であり、例えば、以下の基を挙げることができる。
Figure 2007298833
式中、L1は−O−、−S−、−C(CF3)2−、−CH2−、−SO2−、−NHCO−
、または、下記の基を表す。
Figure 2007298833
0は、各々独立に、アルキル基またはシクロアルキル基(例えば、−CH3、−C25、n−C37、i−C37、n−C49、t−C49、シクロヘキシル基)を表す。
Ar1は、これらの基に限定されるものではない。さらに、モノマー(A)は2つまた
はそれ以上のモノマーの混合物であってよい。
前駆体(G)およびキャップされた前駆体(F)の構成分であるモノマー(B)では、Ar2は珪素を含んでいてもいなくてもよい、2価の芳香族基、複素環基、脂環族基また
は脂肪族基である。
Ar2を含むモノマー(B)には、例えば5(6)−ジアミノ−1−(4−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン(DAPI)、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノ−1,1′−ビフェニル、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミノジフェニルエーテル、2,4−トリレンジアミン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、3,4′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルケトン、3,3′−ジアミノジフェニルケトン、3,4′−ジアミノジフェニルケトン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−フェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(γ−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、2,3,5,6−テトラメチル−p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、メチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、2,5−ジメチルノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、1,10−ジアミノ−1,10−ジメチルデカン、2,11−ジアミノドデカン、1,12−ジアミノオクタデカン、2,17−ジアミノエイコサン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、3,3′−ジアミノジフェニルエタン、4,4′−ジアミノジフェニルエタン、4,4′−ジアミノジフェニルサルファイド、2,6−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノ−4−トリフルオロメチルピリジン、2,5−ジアミノ−1,3,4−オキサジアゾール、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ピペラジン、4,4′−メチレンジアニリン、4,4′−メチレンジ−ビス(o−クロロアニリン)、4,4′−メチレン−ビス(3−メチルアニリン)、4,4′−メチレン−ビス(2−エチルアニリン)、4,4′−メチレン−ビス(2−メトキシアニリン)、4,4′−オキシ−ジアニリン、4,4′−オキシ−ビス−(2−メトキシアニリン)、4,4′−オキシ−ビス−(2−クロロアニリン)、4,4′−チオ−ジアニリン、4,4′−チオ−ビス−(2−メチルアニリン)、4,4′−チオ−ビス−(2−メトキシアニリン)、4,4′−チオ−ビス−(2−クロロアニリン)、3,3′−スルホニル−ジアニリン、3,3′−スルホニル−ジアニリン、および、これらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。しかしながら、モノマー(B)がこれらに限定されないことを理解すべきである。
PBO前駆体(G)およびキャップされた前駆体(F)の構成分であるモノマー(C)では、Ar3は2価の芳香族基、脂肪族基、または複素環基であり、例えば以下の基が挙げられる。
Figure 2007298833
(式中、L2は、−O−、−S−、−C(CF3)2−、−CH2−、−SO2−または−N
HCO−である)
Ar3はこれらの基に限定されるものではない。さらに、モノマー(C)は2つまたは
それ以上のモノマーの混合物であってよい。
PBO前駆体(G)と反応させるジアゾキノン化合物としては、例えば、以下のものが挙げられ、複数用いてもよい。
Figure 2007298833
好ましい反応溶媒はN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、γ−ブチロラクトン(GBL)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチル−2−ピペリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン、およびジグリムである。最も好ましい溶媒はN−メチル−2−ピロリドン(NMP)およびγ−ブチロラクトン(GBL)である。 ジカルボン酸あるいはその塩化物またはエス
テルを、少なくとも1つの芳香族および/または複素環のジヒドロキジアミンと、そして場合によっては少なくとも1つのジアミンと反応させるために、慣用されている任意の反応が用いられてよい。好適なジカルボン酸の例は、4,4′−ジフェニルエーテルジカル
ボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸およびこれらの混合物からなる群から選択される。好適なジヒドロキジアミン化合物の例は3,3′−ジヒドロキシ−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジヒドロキシベンジジン、ヘキサフルオロ−2,2−ビス−3−アミノ−4−ヒドロキシフェニルプロパンおよびこれらの混合物である。反応は一般に約−10〜約30℃で約6〜48時間実施される。ジカルボン酸と(ジアミン+ジヒドロキジアミン)とのモル比は約0.9〜1.1:1である。
キャップされたPBO前駆体は、以下の反応に従って製造することができる。
Figure 2007298833
(式中、Zはすでに定義した通りである。)
ポリベンゾオキサゾールを光活性部分Cl−SO2−Zと反応させるための好適な任意
の方法が用いられてよい。一般に反応は、ピリジン、トリアルキルアミン、メチルピリジン、ルチジン、n−メチルモルホリンなどのような塩基の存在下で、約0〜約30℃で約3〜24時間実施される。最も好ましい塩基はトリエチルアミンである。
b/x比は一般的に0.01〜0.35、好ましくは0.02〜0.20であり、0.03
〜0.05が最も好ましい。
PBO前駆体の添加量は、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分(溶媒を除いた、最終的に得る硬化物を構成する成分の総量)に対して、一般的に50〜99質量%、好ましくは60〜95質量%である。
好ましいPBO前駆体として、一般式(A1−1)〜(A3−1)のいずれかで表されるPBO前駆体を挙げることができる。
(A1)一般式(A1−1)で表されるPBO前駆体
Figure 2007298833
Xは、一般式(A1−4)で表される4価の有機基を表す。
Yは、一般式(A1−2)又は(A1−3)で表される2価の有機基を表す。
一般式(A1−2)及び(A1−3)において、R1、R2、R3及びR4は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜4の有機基であり、R1とR2及び/又はR3とR4は、−O−、−S−、>C=Oから選ばれる基を含んでいてもよい炭素数1〜4の2価の有機基の組み合わせにより環状構造を形成してもよく、R1とR2が形成する環状構造及びR3とR4が形
成する環状構造は同一でも異なっても良い。
5及びR6は、各々独立に、炭素数1〜3の2価の有機基、−O−、−S−から選ばれる基である。
7、R8、R9及びR10は、各々独立に、水素原子又は炭素数1〜4の有機基であり、
7とR8及び/又はR9とR10は、−O−、−S−、>C=Oから選ばれる基を含んでい
てもよい炭素数1〜4の2価の有機基の組み合わせにより環状構造を形成してもよく、R7とR8が形成する環状構造及びR9とR10が形成する環状構造は同一でも異なっても良い
Zとしての基において、R11及びR12は、独立に2価の有機基を表し、R13及びR14は、独立に1価の有機基を表す。a及びbはモル分率を示し、a+b=100モル%、a=60〜100モル%、b=0〜40モル%である。
Figure 2007298833
一般式(A1−4)において、Aは、単結合、−CH−、−C(CH3)2−、−O−、
−S−、−SO2−、−CO−、−NHCO−又は−C(CF3)−を表す。
15は、水素原子、アルキル基、アルキルエステル基又はハロゲン原子を表す。
一般式(A1−1)で示される構造を含むポリアミド樹脂は、Xの構造を有するビス(アミノフェノール)とYの構造を有するジカルボン酸或いはジカルボン酸ジクロライド、ジカルボン酸誘導体等から選ばれる化合物とを反応して得られるものである。なお、ジカルボン酸の場合には反応収率等を高めるため、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール等を予め反応させた活性エステル型のジカルボン酸誘導体を用いてもよい。
一般式(A1−1)のXとして、好ましいものとしては、3、3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニルが挙げられる。この構造は硬化後の樹脂構造が直線性を持つような構造を有しており、硬化フィルムの線膨張係数が小さくなり、Siウェハの線膨張係数に近くなるのでSiウェハの反りが少なくなる。
一般式(A1−1)のYとして、具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2007298833

これらの中で特に好ましいものとしては、1,1,3−トリメチル−3−フェニルインダン−4’,5−ジカルボン酸、6,6’ジカルボキシ−3,3,3’,3’テトラメチル−1,1’−スピロビインダンが挙げられる。この構造は樹脂構造中に縮合環を持つことにより耐熱性が付与されると同時に線膨張係数が小さくなりSiウェハの線膨張係数に近くなるのでSiウェハの反りが少なくなる。一方縮合環の一部には炭素環2重結合を含まず、更に樹脂構造が非対称または屈曲していることにより分子内、分子間の電荷移動が起こりにくくなり、光の吸収が抑えられることからi線に対する透明性が向上する。
硬化後の樹脂の線膨張係数は5〜45ppmであることが好ましい。硬化後の樹脂の線膨張係数が5ppmより小さくする事は難しく、硬化後の樹脂の線膨張係数が45ppmを越えるとSiウェハ等の基盤に反りが発生するようになる。
更に、必要によって用いる一般式(A1−1)のポリアミド樹脂のZとしては、例えば以下の構造が挙げられる。
Figure 2007298833
一般式(A1−1)のZは、例えば、Siウェハーのような基板に対して、特に優れた密着性が必要な場合に用いるが、その使用割合bは最大40モル%までである。40モル%を越えると樹脂の溶解性が極めて低下し、現像残り(スカム)が発生し、パターン加工ができなくなるので好ましくない。なお、これらX、Y、Zの使用にあたっては、有機溶剤への溶解性を上げる為、線膨張係数が大きくならない程度に2種類以上の混合物で共重合する事が可能である。
本発明においては、保存性という観点から、末端を封止する事が望ましい。封止にはアルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を有する誘導体を一般式(A1−1)で示されるポリアミドの末端に酸誘導体やアミン誘導体として導入することができる。具体的には、例えば、Xの構造を有するビス(アミノフェノール)とYの構造を有するジカルボン酸或いはジカルボン酸ジクロライド、ジカルボン酸誘導体から選ばれる化合物とを反応させて得られた一般式(A1−1)で示される構造を含むポリアミド樹脂を合成した後、該ポリアミド樹脂中に含まれる末端のアミノ基をアルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を含む酸無水物又は酸誘導体を用いてアミドとしてキャップすることが好ましい。アミノ基と反応した後のアルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を含む酸無水物又は酸誘導体に起因する基としては、例えば、以下の構造が挙げられる。
Figure 2007298833
Figure 2007298833

これらの中で特に好ましいものとして、以下の構造が挙げられる。
Figure 2007298833
これらの構造は、2種類以上用いても良い。またこの方法に限定される事はなく、該ポリアミド樹脂中に含まれる末端の酸をアルケニル基又はアルキニル基を少なくとも1個有する脂肪族基又は環式化合物基を含むアミン誘導体を用いてアミドとしてキャップすることもできる。
(A2)一般式(A2−1)で表されるポリベンゾオキサゾール前駆体
Figure 2007298833
式中、Uは4価の有機基を示し、Vは2価の有機基を示す。
Figure 2007298833

(式中、Mは単結合又は2価の基を示し、R21及びR22は各々独立にフッ素原子又は1価の有機基で、r及びsは各々独立に1〜4の整数である。)
この構造上の一般式(A2−1)中のアミド基又はOH基との結合手は全て芳香環上に存在する。
本発明において、一般式(A2−1)においてUで表される4価の有機基とは、一般に、ジカルボン酸と反応してポリアミド構造を形成する、2個のヒドロキシ基がそれぞれアミンのオルト位に位置した構造を有するジアミンの残基である。一方、一般式(A2−1)においてVで表される2価の有機基とは、一般に、ジアミンと反応してポリアミド構造を形成する、ジカルボン酸の残基である。
ここで、Mで示される2価の基としては−CH−,−C(CH−,−O−,−
S−,−SO−,−CO−,−(CF−等が好ましいものとして挙げられる。応力の観点からは単結合が最も好ましい。
また、R21及びR22で示される1価の有機基としては、炭素数1〜10の、アルキル基、アルキルエーテル基、フルオロアルキル基、フルオロアルキルエーテル基等が好ましいものとして挙げられる。r及びsの数としては、各々1〜2であることが好ましい。また、その結合位置としては、Mに対してオルト位であることが、透明性等の点で好ましい。
一般式(A2−2)で表される構造は、一般式(A2−3)で表される構造が好ましい。
Figure 2007298833
この場合、R21’、R21”、R22’及びR22”は各々独立に水素原子、フッ素原子および1価の有機基(炭素数1〜10の、アルキル基、アルキルエーテル基、フルオロアルキル基、フルオロアルキルエーテル基等)であるが、R21’及びR21”の少なくとも1つと、R22’及びR22”の少なくとも1つはフッ素原子又は1価の有機基であり、1価の有機基がさらに好ましい。
Mは単結合が、低応力で高透明性の重合体を与えることから最も好ましく、R21’、R21”、R22’及びR22”としては、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等が好ましい。
一般式(A2−2)で示される構造(一般式(A2−3)の構造を含む)を与えるジアミン成分としては、2,2’−ビス(トリフロオロメチル)−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ)ビフェニル、2,2’−ジメチル−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノ)ビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)スルホン等が挙げられ、同様のジカルボン酸としては、2,2’−ジメチル−4,4’−ビフェニルカルボン酸、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ビフェニルカルボン酸、4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ジメチルジフェニルエーテル等が挙げられる。
本発明で用いる一般式(A2−1)で表される繰り返し単位を有する芳香族ポリアミドは、前記、一般式(A2−2)で示される構造を有していればよいが、その他の構造のU又はVを有することができる。これらは、前記一般式(A2−2)で示される構造以外であり、2価又は4価の芳香族基又は脂肪族基が好ましく、炭素原子数としては4〜40のものが好ましく、炭素原子数4〜40の2価又は4価の芳香族基がより好ましい。
このようなUを与えるジアミン類としては、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミ
ノ−3−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル等が挙げられる。これらの化合物の中で透明性等の点で好ましい化合物として3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンが挙げられる。また低応力の点で好ましい化合物として3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、加えて下記構造が挙げられる。
Figure 2007298833
(YおよびZは各々独立して単結合又は2価の基を示し、前記2価の基としては−CH−,−C(CH−,−O−,−S−,−SO−,−CO−,−(CF−等が好ましいものとして挙げられる。)
これらの化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、このようなVを与えるジカルボン酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジカルボキシビフェニル、2,2’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジカルボキシテトラフェニルシラン、ビス(4−カルボキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(p−カルボキシフェニル)プロパン、5−tert−ブチルイソフタル酸、5−ブロモイソフタル酸、5−フルオロイソフタル酸、5−クロロイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族系ジカルボン酸、1,2−シクロブタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸等の脂肪族系ジカルボン酸などが挙げられる。これらの化合物の中で透明性等の点で好ましい化合物としてイソフタル酸、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、脂肪族系ジカルボン酸が挙げられる。
また低応力の点で好ましい化合物として4,4’−ジカルボキシビフェニル、2,2’−ジカルボキシビフェニル、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、加えて下記構造が挙げられる。
Figure 2007298833
(YおよびZは各々独立して単結合又は2価の基を示し、前記2価の基としては−CH−,−C(CH−,−O−,−S−,−SO−,−CO−,−(CF−等が好ましいものとして挙げられる。)。
これらの化合物を、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、前記ポリアミドの式において、一般式(A2−1)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位を有していてもよい。
ポリアミドのアルカリ水溶液に対する可溶性は、フェノール性水酸基に由来するため、ヒドロキシ基を含有するアミドユニットが、ある割合以上含まれていることが好ましい。この場合、次式
Figure 2007298833
(式中、U及びVは一般式(A2−1)におけるU及びVと同様であり、Wは2価の有機基を示す。jとkは、モル分率を示し、jとkの和は100モル%であり、jが60〜100モル%、kが40〜0モル%である)で表されるポリアミドであることが好ましい。
ここで、式中のjとkのモル分率は、j=80〜100モル%、k=20〜0モル%であることがより好ましい。
Wで表される2価の有機基とは、一般に、ジカルボン酸と反応してポリアミド構造を形成する、ジアミンの残基であり、前記Uを形成するジアミン以外の残基であり、2価の芳香族基又は脂肪族基が好ましく、炭素原子数としては4〜40のものが好ましく、炭素原子数4〜40の2価の芳香族基がより好ましい。
このようなジアミン類としては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミ
ノジフェニルスルフィド、ベンジシン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン等の芳香族ジアミン化合物、この他にもシリコーン基の入ったジアミンとして、LP−7100、X−22−161AS、X−22−161A、X−22−161B、X−22−161C及びX−22−161E(いずれも信越化学工業株式会社製、商品名)等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これらの化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いる。
なお、この場合、Wも前記一般式(A2−2)で示される構造を有していることが好ましい。
また一般式(A2−1)で示される芳香族ポリアミドの末端基はUとVの仕込み比によってカルボン酸又はフェノール基を持つアミンとなる。必要に応じてポリマ末端に単独で又は2種のエンドキャップ剤を反応させて片末端又は両末端を飽和脂肪族基、不飽和脂肪族基、カルボキシル基、フェノール水酸基、スルホン酸基、チオール基としても良い。その際、エンドキャップ率は30〜100%が好ましい。
一般式(A2−1)で表されるPBO前駆体の分子量は、重量平均分子量で3,000〜200,000が好ましく、5,000〜100,000がより好ましい。ここで、分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線より換算して得た値である。
本発明において、一般式(A2−1)で表される繰り返し単位を有するポリアミドは、一般的にジカルボン酸誘導体とヒドロキシ基含有ジアミン類とから合成できる。具体的には、ジカルボン酸誘導体をジハライド誘導体に変換後、前記ジアミン類との反応を行うことにより合成できる。ジハライド誘導体としては、ジクロリド誘導体が好ましい。
ジクロリド誘導体は、ジカルボン酸誘導体にハロゲン化剤を作用させて合成することができる。ハロゲン化剤としては通常のカルボン酸の酸クロ化反応に使用される、塩化チオニル、塩化ホスホリル、オキシ塩化リン、五塩化リン等が使用できる。
ジクロリド誘導体を合成する方法としては、ジカルボン酸誘導体と上記ハロゲン化剤を溶媒中で反応させるか、過剰のハロゲン化剤中で反応を行った後、過剰分を留去する方法で合成できる。反応溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ベンゼン等が使用できる。
これらのハロゲン化剤の使用量は、溶媒中で反応させる場合は、ジカルボン酸誘導体に対して、1.5〜3.0モルが好ましく、1.7〜2.5モルがより好ましく、ハロゲン化剤中で反応させる場合は、4.0〜50モルが好ましく、5.0〜20モルがより好ましい。反応温度は、−10〜70℃が好ましく、0〜20℃がより好ましい。
ジクロリド誘導体とジアミン類との反応は、脱ハロゲン化水素剤の存在下に、有機溶媒中で行うことが好ましい。脱ハロゲン化水素剤としては、通常、ピリジン、トリエチルアミン等の有機塩基が使用される。また、有機溶媒としは、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が使用できる。反応温度は、−10〜30℃が好ましく、0〜20℃がより好ましい。
(A3)一般式(A3−1)で表されるポリベンゾオキサゾール前駆体
Figure 2007298833
式中、X1は芳香環を有する四価の有機基であり、Y1は二価の有機基であり、X1に結
合する2つのOHと2つのNHは、1つのOHと1つのNHを1組とし、各組のOHとNHは芳香環のオルト位に位置し、X1及びY1に含まれる芳香環の総数は3以下である。
なお、一般式(A3−1)で表されるPBO前駆体は、フッ素原子を含有しない場合は水酸基濃度が3.35mol/Kg以上、フッ素原子を含有する場合は水酸基濃度が2.00mol/Kg以上であることが好ましく、また、該PBO前駆体から形成される塗膜の膜厚10μmあたりの365nmの光線透過率が1%以上であることが好ましい。
前記PBO前駆体として、一般式(A3−2)で表される繰り返し単位を有するものが好ましい。
Figure 2007298833
式中、AとBは、各々独立に、各々の結合するベンゼン環と共役しない2価の基又は単結合を示し、R32、R33、R34及びR35は、各々独立に一価の基を示し、2つの矢印で示される結合はそれらが逆に結合していてもよいことを示す。
一般式(A3−1)において、X1は芳香環を有する四価の有機基であり、一般にジカ
ルボン酸と反応してPBO前駆体の構造を形成するジヒドロキシジアミンの残基である。X1に結合する2つのOHと2つのNHは、1つのOHと1つのNHを1組とし、各組の
OHとNHは芳香環のオルト位に位置する。X1で示される芳香環を有する四価の有機基
としては、芳香環(ベンゼン環、ナフタレン環など)を少なくとも1つ有する炭素原子数が6〜20の基が挙げられ、これはアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基等の各種置換基を有していてもよい。
また、Y1で示される二価の有機基は、一般にジヒドロキシジアミンと反応してPBO
前駆体の構造を形成するジカルボン酸の残基である。Y1で示される芳香環を有する二価
の有機基としては、芳香環(ベンゼン環、ナフタレン環など)を少なくとも1つ有する炭素原子数が6〜20の基が挙げられ、これは各種置換基を有していてもよい。芳香環は1つ有するものであることがアルカリ性水溶液に対する溶解性の点で好ましい。
一般式(A3−1)で示される繰り返し単位において、X1及びY1に含まれる芳香環の総数は3以下である。ここで芳香環の数が、4以上となると、低ウエハ応力とアルカリ水溶液に対する溶解性の両立が困難という欠点がある。また、本発明におけるPBO前駆体
は、フッ素原子を含有しない場合は水酸基濃度が3.35mol/Kg以上、好ましくは、4.0〜10.0mol/Kgであり、フッ素原子を含有する場合は水酸基濃度が2.00mol/Kg以上、好ましくは、3.0〜10.0mol/Kgである。この値がこれらの数値を下回ると、アルカリ水溶液に十分に溶解しないという欠点がある。
上記水酸基濃度は、樹脂の原材料の種類と量を基にして、繰り返し単位質量当たりの水酸基含有量(水酸基数/繰り返し単位の質量)として計算できる。
また本発明で用いるPBO前駆体は、そのPBO前駆体から形成されるプリベーク膜の膜厚10μmあたりの波長365nmの光線透過率が1%以上であることが好ましく、5%以上であることがより好ましく、10%以上であることがさらに好ましい。ここで、この値が1%未満であると、高解像度で形状の良好なパターンを形成できる感光性樹脂組成物が得られにくい。特に好ましい透過率は、10%〜80%である。PBO前駆体の膜は、PBO前駆体を溶剤に溶解した状態で基板に塗布し、乾燥して膜とすることにより製造できる。PBO前駆体の膜の波長365nmの光の透過率は、分光光度計(たとえば日立U−3410型、(株)日立製作所製)により測定することができる。測定時の膜厚が正確に10μmでない場合でも、ランベルトの法則に従い、10μmあたりの膜厚を換算することは可能である。
本発明の感光性樹脂組成物に用いられるPBO前駆体は、前記一般式(A3−2)で示される構造の繰り返し単位を有することが好ましく、これを全繰り返し単位の50%以上がより好ましく、全繰り返し単位の80%以上がさらに好ましく、約100%であることが特に好ましい。一般式(A3−2)において、A及びBはそれぞれ独立に、それらが結合するベンゼン環と共役しない2価の基であり、具体的には、カルボニル基、オキシ基、チオ基、スルフィニル基、スルホニル基、置換基を有してもよい炭素数1から5のアルキレン基、置換基を有してもよいイミノ基、置換基を有してもよいシリレン基、これらの基の組み合わせによってなる基などを例示することができる。
前記A及びBの説明において述べた、各基中に有してもよい置換基としては、1価の置換基及び2価の置換基が挙げられ、具体的には、枝分かれがあってもよい、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン(塩素、フッ素、沃素、臭素等)置換アルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基、炭素数1〜10のアルキニル基、フェニル基、ベンジル基等の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、炭素数1〜10のアルキルオキシ基、炭素数1〜10のハロゲン(塩素、フッ素、沃素、臭素等)置換アルキルオキシ基、シアノ基、ハロゲン原子(塩素、フッ素、沃素、臭素等)、ヒドロキシ基、アミノ基、アジド基、メルカプト基、各アルキル基の炭素数が1〜5のトリアルキルシリル基、炭素数2から5のアルキレン基、カルボニル基、カルボキシル基、イミノ基、オキシ基、チオ基、スルフィニル基、スルホニル基、各アルキル基の炭素数が1〜5のジアルキルシリレン基、さらにはこれらの組み合わせによってなる置換基などを例示することができる。中でも炭素数1〜5のアルキル基、同ハロゲン置換アルキル基、同アルキルオキシ基、同ハロゲン置換アルキルオキシ基、芳香族炭化水素基、炭素数2から3のアルキレン基がより好ましい。
A及びBとしては、各々独立に単結合,O,CH,C=O,Si(CH,C(CH,C(CF,C(CH)(CF),Si(OCH,C(OCH,C(OCF,C(OCH)(OCF)、S、SO、CH(CH)、CH(CF)、CH(OCH)、CH(OCF)、SiH(CH)及びSiH(OCH)から選択される基であることがi線透過性やウエハ応力を低減できる上で好ましい。
32、R33、R34及びR35で示される一価の基としては、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、CF、ハロゲン原子、COOH及びOHから選択される基であることがi線透過性やアルカリ水溶液に対する溶解性の点で好ましい。
本発明で用いるPBO前駆体は、ジヒドロキシジアミンとジカルボン酸又はそれらの誘導体とを、必要に応じて用いる有機溶媒中で、反応させることにより合成することができる。
好ましいジヒドロキシジアミン成分として、例えば、以下のものが挙げられる。
Figure 2007298833
Figure 2007298833
また、例えば、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンなどのジアミンを用いることもできる。
好ましいジカルボン酸成分として、2つのカルボキシル基がパラ位に結合した、ベンゼン環を1つ有するものが挙げられ、例えば、以下のものが好ましいものとして挙げられる。
Figure 2007298833
また、例えば、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,3’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,4’−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−4,4’−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−3,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−3,4’−ジカルボン酸等や、以下のものが挙げられる。
Figure 2007298833
Figure 2007298833
前記反応に使用する有機溶媒としては、生成するPBO前駆体を完全に溶解する極性溶媒が好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
前記PBO前駆体は、例えば、ジカルボン酸ジハライド(クロライド、ブロマイド等)と、ジアミンとを反応させて得ることができる。この場合、反応は脱ハロ酸触媒の存在下に、有機溶媒中で行うことが好ましい。ジカルボン酸ジハライドとしては、ジカルボン酸ジクロリドが好ましい。ジカルボン酸ジクロリドは、ジカルボン酸と塩化チオニルを反応させて得ることができる。
前記PBO前駆体の分子量に特に制限はないが、重量平均分子量で5,000〜100,000であることが好ましい。なお、分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ法により測定し標準ポリスチレン換算することなどにより測定することができる。
(A4)酸分解性基を含有するポリアミド樹脂
酸分解性基を含有するポリアミド樹脂としては、例えば、下記一般式(A4)で表される構造を有する樹脂を挙げることができる。
Figure 2007298833
(式中、k1は1または2の整数であり、k2は0または1の整数であり、k1とk2との合計は2であり;Ar4は4価の芳香族基、脂肪族基または複素環基あるいはこれらの混合物であり;Ar5は2価の芳香族基、脂肪族基または複素環基あるいはシロキサン基であり;Dは酸分解性基(酸に不安定な1価の基)であり;そしてnは20〜200の整数である)
Ar4は4価の芳香族基、脂肪族基、複素環基あるいはこれらの混合物であり、これには構造
Figure 2007298833
(式中X1は、−O−、−S−、−C(CF3)2−、−C(CH3)2−、−CH2−、−SO2−、−NHCO−、−C(=O)−および−C(=O)−C(=O)−、−C(=O)−O−、そして、下記の基を有する部分が含まれるが、これらに限られることはない。
Figure 2007298833
Zは独立に水素原子またはアルキル基である。mは独立に1〜6の整数を表す。
加えてAr4の一部は、ジアミン化合物の割合が0〜60モル%であり、ジアミンとジアミノジヒドロキシ化合物との合計が100%であるように、2価の芳香族、脂肪族または複素環のジアミン部分であってよい。
Ar5は2価の芳香族基、脂肪族基,複素環基、シロキサン基、またはこれらの混合物であり、これには構造
Figure 2007298833

および−C(=O)−C(=O)−、−C(=O)−O−、そして、下記で表される基(Zが水素原子またはアルキル基であり、pが1〜6の整数である。)
Figure 2007298833


(式中X2は、−O−、−S−、−C(CF3)2−、−C(CH3)2−、−CH2−、−SO2−、−NHCO−、および−C(=O)−である)を有する部分が含まれるが、これらに限定されない。ポリマーは1つまたはそれ以上の異なるAr4およびAr5基を含んでよい。
Dは、アセタール、ケタール、カーボネート、エーテル、シリルエーテル、t−ブチルエステルを含む部分、これらの混合物のような酸に不安定な好適な任意の1価の酸分解性基であり、例えば、下記構造を挙げることができるが、これらに限られることはない。
Figure 2007298833
〔3〕感光剤
感光性樹脂組成物が感光成分として含有する感光剤は、特に限定されないが、キノンジアジド感光剤、光酸発生剤が好ましい。
キノンジアジド感光剤は、特に限定されるものではなく、公知のキノンジアジド感光剤を用いることができ、ナフトキノンジアジド感光剤が好ましい。
o−キノンジアジド感光剤は、例えば、o−キノンジアジドスルホニルクロリド類とヒドロキシ化合物、アミノ化合物などとを脱塩酸剤の存在下で縮合反応させることで得られ
る。
前記o−キノンジアジドスルホニルクロリド類としては、例えば、ベンゾキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド等が使用できる。
前記ヒドロキシ化合物としては、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’,3’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン,2,3,4,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4b,5,9b,10−テトラヒドロ−1,3,6,8−テトラヒドロキシ−5,10−ジメチルインデノ[2,1−a]インデン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどが使用できる。
アミノ化合物としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンなどが使用できる。
o−キノンジアジドスルホニルクロリドとヒドロキシ化合物及び/又はアミノ化合物とは、o−キノンジアジドスルホニルクロリド1モルに対して、ヒドロキシ基とアミノ基の合計が0.5〜1当量になるように配合されることが好ましい。脱塩酸剤とo−キノンジアジドスルホニルクロリドの好ましい割合は、0.95/1〜1/0.95の範囲である。好ましい反応温度は0〜40℃、好ましい反応時間は1〜10時間とされる。
反応溶媒としては、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、N−メチルピロリドン等の溶媒が用いられる。脱塩酸剤としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジンなどが挙げられる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物において、キノンジアジド感光剤の配合量は、露光部と未露光部の溶解速度差と、感度の許容幅の点から、PBO前駆体100質量部に対して、5〜100質量部が好ましく、8〜40質量部がより好ましい。
キノンジアジド感光剤としては、例えば、以下の構造を有する化合物を挙げることができる。
Figure 2007298833
Figure 2007298833
Figure 2007298833
(式中、Dは、独立して、Hまたは以下の基のいずれかである。)
Figure 2007298833
ただし、各々の化合物において少なくとも1つのDが、キノンジアジド基であればよい。
キノンジアジド感光剤は、市販のものを用いてもよいし、公知の方法にて合成してもよい。
光酸発生剤としては、例えば、トリアジン化合物、スルホネート、ジスルホン、オニウム塩、およびこれらの混合物がある。最も好ましいものは、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウム、ジアゾニウム、スルホキソニウムおよびこれらの混合物のようなオニウム塩である。やはり好ましい光による酸の生成剤には、g−ライン、i−ライン、248nm、および広帯域リトグラフィーで使用できるものがある。
なお、化学線波長への吸収を増大するために、感光性樹脂組成物に光増感剤または染料が添加することができる。光増感剤としては、例えば、フルオレノン誘導体、ナフタレン、アントラセン誘導体、クマリン、ピレン誘導体、ベンジル、フルオレセイン誘導体、ベンゾフェノン、ベンゾアントロン、キサントン、フェノチアジン、およびこれらの混合物が挙げられる。
〔4〕溶剤
本発明の感光性樹脂組成物は、少なくとも、感光剤及び樹脂を、溶媒中に溶解された溶液とし、好ましい塗布液として調製される。
溶剤としては、N−メチルピロリドン(NMP)、γ−ブチロラクトン(GBL)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチル−2−ピペリドン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド、2‐メトキシエタノール、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチル‐1,3‐ブチレングリコールアセテート、1,3‐ブチレングリコールアセテート、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、テトラヒドロフラン、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレンカーボネートなどがあげられるが、これらに限定されない。
好適な溶媒には、N−メチルピロリドン(NMP)、γ−ブチロラクトン(GBL)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチル−2−ピペリドン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレンカーボネート、およびこれらの混合物のような有機溶媒があるが、これらに限定されない。好ましい溶媒はγ−ブチロラクトンおよびN−メチルピロリドンである。最も好ましいのはγ−ブチロラクトンである。
本発明の感光性樹脂組成物中の全固形分濃度(乾燥後の膜を構成する全固形分に相当)は、30質量%以上、好ましくは30〜50質量%である。
濾過後、溶剤を添加して、一般的に15〜50質量%、好ましくは25〜45質量%として、塗布に用いてもよい。
〔5〕接着促進剤
本発明の感光性樹脂組成物は、接着促進剤を含有してもよい。好適な接着促進剤として、例えば、二無水物/DAPI/ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルシロキサン(BATS)ポリアミド酸コポリマー、アミノシラン、およびこれらの混合物がある。二無水物/DAPI/BATSポリアミド酸コポリマーを添加すると、接着特性が増大する。
二無水物/DAPI/BATSポリアミド酸コポリマーは以下の反応に従って、テトラカルボン酸二無水物(J)、BATSジアミンおよびDAPIジアミンの反応によって反応溶媒中で合成されることができる。
Figure 2007298833
(式中、R′は、4価の基である。)
テトラカルボン酸二無水物(J)はピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、
4,4′−ペルフルオロイソプロピリジンジフタル酸二無水物、4,4′−オキシジフタル酸無水物、ビス(3,4−ジカルボキシル)テトラメチルジシロキサン二無水物、ビス(
3,4−ジカルボキシルフェニル)ジメチルシラン二無水物、ブタンテトラカルボン酸二
無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、およびこれらの混合物で
あってよいが、これらに限定されない。
DAPI/BATSのモル比は、約0.1/99.9〜99.9/0.1である。好ましいモル比は約10/90〜40/60であり、最も好ましいモル比は約15/85〜30/70である。
好ましい反応溶媒は、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、γ−ブチロラクトン(GBL)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホランおよびジグリムである。最も好ましい反応溶媒はN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)およびγ−ブチロラクトン(GBL)である。
二無水物を上記の2つのジアミンと反応させるには、好適な任意の反応が用いられてよい。一般に、反応は約10〜約50℃で約6〜48時間実施される。二無水物とジアミンとのモル比は約0.9〜1.1:1であるべきである。
本発明の感光性樹脂組成物は、さらに、平坦化剤などの他の添加剤を含有することができる。
本発明におけるポジ型感光性樹脂組成物には、必要により密着性付与のための有機ケイ素化合物、シランカップリング剤、レベリング剤等の密着性付与剤を添加してもよい。これらの例としては、例えば、γ‐アミノプロピルトリメトキシシラン、γ‐アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ‐グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ‐メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、尿素プロピルトリエトキシシラン、トリス(アセチルアセトネート)アルミニウム、アセチルアセテートアルミニウムジイソプロピレートなどが挙げられる。密着性付与剤を用いる場合は、PBO前駆体100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
〔6〕パターン形成方法
本発明の感光性樹脂組成物を用いて、レリーフパターン(レリーフ像)を形成する方法としては、濾過後の感光性樹脂組成物を適当な基板上に塗布し(塗布工程)、基板上の塗布膜をベーキングし(加熱処理工程)、活性光線または放射線で露光し(露光工程)、現像液で現像すること(現像工程)でレリーフパターンを形成することができる。
なお、露光工程後、加熱処理を行うことが好ましく、また、現像処理後に、加熱処理(例えば、200〜400℃)を行うことが好ましい。また、現像された基板を、加熱硬化前にリンスしてもよい。
このように、本発明の感光性樹脂組成物により、加熱硬化後の厚みが所定厚み(例えば0.1〜30μm)になるように、半導体素子上に塗布し、プリベーク、露光、現像、加熱硬化して半導体装置を製造できる。
以下、レリーフパターンを形成する方法についてより詳細に説明する。
本発明の感光性樹脂組成物は、好適な基板上にコートされる。基板は、例えばシリコンウエーハのような半導体材料またはセラミック基材、ガラス、金属またはプラスチックである。コーティング方法には、噴霧コーティング、回転コーティング、オフセット印刷、ローラーコーティング、スクリーン印刷、押し出しコーティング、メニスカスコーティング、カーテンコーティング、および浸漬コーティングがあるが、これらに限られることはない。
該コーティング膜は、残留する溶媒を蒸発させるために、方法に応じて、約70〜120℃の高められた温度で数分から半時間予めベーキングされる。引き続いて、得られる乾燥フィルムはマスクを通して好ましいパターンで活性光線または放射線に露光される。活性光線または放射線として、X線、電子ビーム、紫外線、可視光線などが使用し得る。最も好ましい放射線は波長が436nm(g−ライン)および365nm(i−ライン)を有するものである。
活性光線または放射線への露光に続いてコートされ、露光された基板を約70〜120℃の温度に加熱するのが有利である。コートされ、露光された基板は短時間、一般的には数秒〜数分、この温度範囲で加熱される。本方法のこの段階は普通、露光後ベーキングと技術上称される。
次いで、該コーティング膜は水性現像剤で現像され、そしてレリーフパターンが形成される。水性現像剤には、無機アルカリ(例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア水)、1級アミン(例えば、エチルアミン、n−プロピルアミン)、2級アミン(例えば、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン)、3級アミン(例えば、トリエチルアミン)、アルコールアミン(例えば、トリエタノールアミン)、4級アンモニウム塩(例えば、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド)、およびこれらの混合物のようなアルカリ溶液がある。最も好ましい現像剤はテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドを含有するものである。加えて、現像剤に適当な量の界面活性剤が添加されてよい。現像は浸漬、噴霧、パドリング、または他の同様な現像方法によって実施されることができる。
場合によっては、レリーフパターンは次いで脱イオン水を使用してすすぎ洗いされる。次いで、耐熱性の大きいポリマーの最終的なパターンを得るために、レリーフパターンを硬化することによりオキサゾール環が形成される。硬化は耐熱性の大きい最終的なパターンを形成するオキサゾール環を得るように、ポリマーのガラス転移温度Tgで基板をベー
キングすることにより実施される。一般的には、約200℃を越える温度が用いられる。約250〜400℃の温度を用いるのが好ましい。
以下、実施例に基づき本発明をより詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
〔感光剤の合成〕
(1)キノンジアジドスルフォン酸エステルの合成例:フェノール化合物(b1)のキノンシジアジドスルフォン酸エステル(B1)の合成
3つ口フラスコに下記に示すフェノール化合物(b1)18.9gと1,4−シ゛オキサン200mLを加え均一になるまで溶解した。次に1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルフォニルクロリド13.4gを加え溶解した。反応容器を氷水で10℃まで冷却し、ついでトリエチルアミン5.6gを1時間かけて滴下した。滴下終了後12時間撹拌した。
次に、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフォニルクロリド13.4gを加え溶解した。反応容器を氷水で10℃まで冷却し、ついでトリエチルアミン5.6gを1時間かけて滴下した。滴下終了後4時間撹拌した。反応終了後蒸留水を加え析出した塩を溶解し30分撹拌し、希塩酸で中和した後、蒸留水1Lに晶析した。析出し濃黄色の粉体を濾取した。濾物をジオキサン200mLに再度溶解し、これを蒸留水1Lに晶析した。析出した濾物を濾過し、濾物を1Lの蒸留水で洗浄、濾過し、濃黄色の粉体である目的物(B1)33. 2gを回収した。得られた(B1)を高速液体クロマトグラフィー(Waters社製S1525)により分析した結果、フェノール化合物(b1)のエステル化物の純度は96%であった(検出波長254nm)。
Figure 2007298833
〔PBO前駆体樹脂の合成〕
(2)樹脂A−1の合成
3つ口フラスコ100mlに、3.85g(10.5mmol)のヘキサフルオロ−2,2−
ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1.70g(21mmol)のピリ
ジンおよび15gのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を添加した。すべての固体が溶解するまで溶液を室温で撹拌し、次いで氷浴内で0〜5℃で冷却した。この溶液に1.
02g(5mmol)のイソフタロイルクロライドおよび10gのNMP中に溶解した1.4
8g(5mmol)の1,4−オキシジベンゾイルクロライドを滴状に添加した。添加が完了
した後、得られる混合物を室温で18時間撹拌した。激しく撹拌した800mlの脱イオン水中で、粘稠な溶液を投入し、析出した白色粉体を濾過によって回収し、そして脱イオン水および水/メタノール(50/50)混合物によって洗浄した。真空下でポリマーを40℃において24時間乾燥させ、目的物である樹脂A−1を得た。収量はほとんど定量的であり、また樹脂A−1の固有粘度は25℃において0.5g/dLの濃度でNMP中で測定すると0.28dL/gであった。
(3)樹脂A−2の合成
上で得た樹脂A−1 5.42g(10.0mmol)のポリマーと50mlのテトラヒドロフラン(THF)を添加した。混合物を10分間撹拌しそして固形物を完全に溶解した。次いで、0.54g(2mmol)の1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライドを添加しそして混合物をさらに10分間撹拌した。0.20g(2mmol)のトリエチルア
ミンを30分で徐々に添加し、次いで反応混合物を5時間撹拌した。次いで、激しく撹拌した500mlの脱イオン水に反応混合物を徐々に添加した。沈殿した生成物を濾過によって分離しそして200mlの脱イオン水で洗浄した。この生成物にさらに600mlの脱イオンを添加しそして混合物を30分間激しく撹拌した。濾過の後、生成物を100mlの脱イオン水で洗浄した。単離された生成物を40℃で一晩乾燥させた。収率は90%であった。
(4)感光性樹脂組成物の調製と評価
樹脂A−1、樹脂に対して13質量%の感光剤B1、及び、樹脂に対して2質量%の下記密着促進剤C(アルコキシシラン化合物)をγ−ブチロラクトンに溶解し固形分濃度40質量%の溶液200gを作成した。この溶液を100gに分け、中空糸フィルター(キッツマイクロフィルター製フィルター径0.1μm)とテトラフルオロエチレン製カセット型フィルター(アドバンテック東洋製0.2μm)のそれぞれ用い、0.4MPaの圧力で濾過した時の濾過量と濾過時間を測定した(図1におけるA:カセット型膜フィルター、B:中空糸フィルター)。中空糸フィルターの方が、フィルターサイズが小さいにもかかわらず短時間で多くの液が濾過できた。
濾過したそれぞれ液をウエハーに塗布し、ウエハーの表面塗布欠陥を欠陥評価装置(KLA 2360)で評価したところ、中空糸フィルターで濾過したものは、テトラフルオロエチレン製カセット型フィルターで濾過したものに比べ、欠陥数が1/10以下であった。
(5)樹脂A−2をγ−ブチロラクトンに溶解し固形分濃度40質量%の溶液を作成した(樹脂溶液1)。この溶液をテトラフルオロエチレン製カセット型フィルター(アドバンテック東洋製0.2μm)で濾過した(樹脂溶液2)。
樹脂溶液2、感光剤B1(樹脂に対して13質量%)、及び、樹脂に対して2質量%の下記密着促進剤C(アルコキシシラン化合物)を混合し、固形分濃度が40質量%になるようにγ−ブチロラクトンを追加して感光性樹脂組成物(組成物1)を作成した。樹脂溶液1を用いた以外は組成物1と同様にして感光性樹脂組成物(組成物2)を作成した。組成物1及び2をそれぞれ中空糸フィルター(キッツマイクロフィルター製フィルター径0.1μm)を用い、0.4MPaの圧力で濾過した時の濾過量と濾過時間を測定した。
組成物1の方が、組成物2よりも短時間で多くの液が濾過できた。
濾過したそれぞれ液をウエハーに塗布し、ウエハーの表面塗布欠陥を欠陥評価装置(KLA 2360)で評価したところ、組成物1は、組成物2に比べ、欠陥数が1/50以下であった。
なお、濾過は23℃にて行った。
Figure 2007298833
各フィルターによる濾過速度を示すグラフである。

Claims (9)

  1. (A)樹脂、(B)感光剤、(C)溶剤を含む固形分濃度30質量%以上のポジ型感光性樹脂組成物をポアサイズ0.1μm以下の中空糸フィルターで濾過する工程を含むポジ型感光性樹脂組成物の製造方法。
  2. 該樹脂(A)が、ポリイミド構造、ポリイミド前駆体構造、ポリベンゾオキサゾール構造及びポリベンゾオキサゾール前駆体構造からなる群より選ばれる1種または2種以上の構造を含む樹脂であることを特徴とする請求項1の感光性樹脂組成物の製造方法。
  3. 該樹脂(A)をポアサイズ0.2μm以下のフィルターで濾過した樹脂溶液として添加することを特徴とする請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
  4. 該樹脂(A)が、ナフトキノンジアジド基を含有するポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
  5. 該樹脂(A)が、酸分解性基を含むポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
  6. 該感光剤(B)が、ナフトキノンジアジド感光剤及び光酸発生剤から選択されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法で製造した組成物を塗布工程、加熱処理工程、露光工程、及び現像工程で処理することにより得られるレリーフパターン。
  8. 該露光工程後、該現像工程前で、加熱処理をすることを特徴とする請求項7に記載のレリーフパターン。
  9. 該現像工程後、200℃〜400℃の加熱処理をすることを特徴とする請求項7または8に記載のレリーフパターン。
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