JP2008122667A - 感光性樹脂組成物及び半導体デバイス - Google Patents

感光性樹脂組成物及び半導体デバイス Download PDF

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博 小松
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Abstract

【課題】優れた感光特性を持たせた感光性樹脂組成物及び半導体デバイスを提供する。
【解決手段】酸の作用を受けてアルカリ溶解性が変化する樹脂成分(A)、光反応により前記酸を発生する光反応性化合物(B)、溶媒(C)を含有してなる感光性樹脂組成物において、前記樹脂成分(A)として、不斉炭素部位を有し、かつ下記一般式(1):
Figure 2008122667

(式中X1は2〜4価の有機基、Y1は2〜6価の有機基、p、qは0または1から4の整数、R1は水素原子または炭素数1〜20の有機基であり、l、mは0または1〜2までの整数、nは2〜1000の整数である。ただし、R1は水素または1価の有機基である。)で示されるポリイミド前駆体あるいはポリベンゾオキサゾール前駆体からなる耐熱樹脂化合物を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、良好な絶縁性および機械的特性を有するとともに、優れた感光特性を持たせた感光性樹脂組成物及び該感光性樹脂組成物を用いた半導体デバイスに関する。
周知のように、半導体デバイス中の層間絶縁層などに使用される絶縁材料として、旧来、無機材料が使用されていた。近年にいたって、かかる無機材料の代わりに、ポリイミド樹脂等の耐熱性に優れた有機物材料が、その特性を活かして使用されてきている。
例えば、半導体集積回路の製造では、まず、半導体基板がその回路素子の所定部分を除いてシリコン酸化膜等の保護膜が被覆され、露出した回路素子上に第1導体層が形成される。前記半導体基板上に層間絶縁膜層が形成され、次に、感光性樹脂膜が前記層間絶縁膜層上に形成され、この感光性樹脂膜に所定部分の前記層間絶縁膜層が露出するように窓が設けられる。この窓部分の層間絶縁膜層は、酸素、四フッ化炭素等のガスを用いるドライエッチング手段によって選択的にエッチングされ、孔があけられる。この孔から露出した前記第1導体層を腐食することなく、前記感光樹脂層のみを腐食するようなエッチング溶液を用いて感光樹脂層が完全に除去される。さらに、前記層間絶縁層上に第2導体層を形成し、前記孔を介して前記第1導体層との電気的接続を行う。さらに、3層以上の多層配線構造を形成する場合は、上記の工程を繰り返して行い各層を形成する。
このような多岐に亘る工程、そして多種の材料の使用を前提とした半導体集積回路の製造においては、その製造コストの低減が求められており、その解決手段の一つとして、露光、現像によるパターン形成後も現像に必要であった部分のレジストを絶縁材料としてそのまま残して用いることができる耐熱感光性樹脂材料の開発が望まれていた。
そうした要求に対して、最近では、半導体製造プロセス短縮のために、樹脂自体に感光性を付与し、塗布、露光、現像により容易にパターン化硬化膜の形成を可能とした感光性ポリイミド、ポリベンゾオキサゾールが、半導体デバイス用の絶縁材料として、主流となりつつある。従来の感光性ポリイミドとしては、有機溶媒を現像液とし、露光部を不溶化するネガ型が主流であり、例えば、ポリイミド前駆体の酸官能基に対し、感光基を有する化合物を付加もしくは混合する方法(特許文献1)などにより得られる感光性ポリイミドが光架橋反応によりコントラストを作り出すネガ型の感光性ポリイミドとして提案されている。
一方、最近では、材料コストや環境保全の点からアルカリ水溶液現像の要求が高まって来ている。かかるアルカリ現像型の感光性樹脂材料としては、感光剤としてナフトキノンジアジド化合物を用い、酸官能基を有するポリベンゾオキサゾール前駆体をベース樹脂にしたもの(特許文献2)などが提案されている。
特開昭54−109828号公報 特公平1−46862号公報
前記感光性樹脂は、パターン形成後に高温で熱処理されることで、必要な物性が付与された強靭な硬化膜を形成する。硬化膜の特性としては、優れた機械特性と熱特性が要求され、特に半導体用途などでは高い特性値が求められる。かかる特性値がさらに高められた優れた品質の感光性樹脂組成物の提供が望まれているのが、現状である。
本発明は、前記従来の事情に鑑みてなされたもので、その課題は、良好な絶縁性および機械的特性を有するとともに、優れた感光特性を持たせた感光性樹脂組成物及び該感光性樹脂組成物を用いた半導体デバイスを提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明に係る感光性樹脂組成物は、樹脂成分(A)、光反応により酸を発生する光反応性化合物(B)、および溶媒(C)を含有してなる感光性樹脂組成物であって、前記樹脂成分(A)が、不斉炭素部位を有し、かつ下記一般式(1):
Figure 2008122667
(式中、X1は2〜4価の有機基、Y1は2〜6価の有機基、p、qは0または1から4の整数、R1は水素原子または炭素数1〜20の有機基であり、l、mは0または1〜2までの整数、nは2〜1000の整数である。ただし、R1は水素または1価の有機基である。)で示される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体あるいはポリベンゾオキサゾール前駆体、これら2種の前駆体の共重合体、および前記2種の前駆体の混合物から選ばれる少なくとも一種からなる耐熱樹脂であることを特徴とする。
前記光反応性化合物(B)としては、光反応によりカルボキシル基を発生させる化合物であることが、望ましい。
また、本発明に係る半導体デバイスは、前記本発明の感光性樹脂組成物により絶縁部分が形成されていることを特徴とする。
本発明により、良好な絶縁特性および機械特性を有するとともに、優れた感光特性を持たせた感光性樹脂組成物と、この感光性樹脂組成物を絶縁部分に用いた絶縁特性および機械特性に優れた半導体デバイスを安価に提供することが可能となった。
本発明にかかる樹脂組成物は、前述のように、樹脂成分(A)、光反応により酸を発生する光反応性化合物(B)、および溶媒(C)を含有してなる感光性樹脂組成物であって、前記樹脂成分(A)が、不斉炭素部位を有し、かつ前記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体あるいはポリベンゾオキサゾール前駆体、これら2種の前駆体の共重合体、および前記2種の前駆体の混合物から選ばれる少なくとも一種からなる耐熱樹脂であることを特徴とする。
以下に、前記各成分について、詳述する。
(樹脂成分(A))
本発明における前記樹脂成分(A)は、例えば、テトラカルボン酸二無水物および/もしくはジカルボン酸および/もしくは酸官能基を有するジカルボン酸と、ジアミンおよび/もしくは酸官能基を有するジアミンをポリマー構成要素としたポリイミド前駆体あるいはポリベンゾオキサゾール前駆体、これら2種の前駆体の共重合体、または前記2種の前駆体の混合物などの耐熱樹脂である。
前記一般式(1)中のX1で示した2〜4価の有機基を有する化合物としては、テトラカルボン酸二無水物および/もしくは一般的なジカルボン酸および/もしくは酸官能基を有するジカルボン酸からなるものが挙げられる。
上記テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物等を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。なお、本発明で使用可能な上記テトラカルボン酸二無水物は、必ずしもここに挙げられたものに限定されるわけではない。
上記テトラカルボン酸二無水物の具体的候補化合物のうち、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、N−(トリメリット酸二無水物)−2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンが、耐熱性の高い良好な膜物性を得る上で好ましい。
前記一般式(1)中のX1で示した2〜4価の有機基を有する化合物である上記一般的なジカルボン酸(他に酸官能基をもたないもの)としては、例えば、3−フルオロイソフタル酸、2−フルオロイソフタル酸、3−フルオロフタル酸、2−フルオロフタル酸、2,4,5,6−テトラフルオロイソフタル酸、3,4,5,6−テトラフルオロフタル酸、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェニル−1,1’−ジカルボン酸、パーフルオロスベリン酸、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ビフェニレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−オキシジフェニル−1,1’−ジカルボン酸等を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。なお、本発明で使用可能な上記ジカルボン酸は、必ずしもここに挙げられたものに限定されるわけではない。これらジカルボン酸のうち、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−オキシジフェニル−1,1’−ジカルボン酸が、耐熱性の高い良好な膜物性を得る上で好ましい。
また、前記一般式(1)中のX1で示した2〜4価の有機基を有する化合物として、本発明の樹脂組成物のアルカリ溶解性を調整するために、アルカリ溶解性を示す酸官能基を有するジカルボン酸を用いることができる。かかる酸官能基を有するジカルボン酸としては、例えば、N−(トリメリット酸二無水物)−2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、N−(トリメリット酸二無水物)−2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、N−(トリメリット酸二無水物)−4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、N−(トリメリット酸二無水物)−2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、N−(トリメリット酸二無水物)−2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、N−(トリメリット酸二無水物)−2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、N−(トリメリット酸二無水物)−2,4−ジアミノフェノール、N−(トリメリット酸二無水物)−2,5−ジアミノフェノール、N−(トリメリット酸二無水物)−1,4−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシベンゼン等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。なお、本発明で使用可能な上記酸官能基を有するジカルボン酸は、必ずしもここに挙げられたものに限定されるわけではない。
上記酸官能基を有するジカルボン酸のうち、N−(トリメリット酸二無水物)−2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、N−(トリメリット酸二無水物)−2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、N−(トリメリット酸二無水物)−4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、N−(トリメリット酸二無水物)−2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、N−(トリメリット酸二無水物)−2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、N−(トリメリット酸二無水物)−2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンが、耐熱性の高い良好な膜物性を得る上で好ましい。
前記不斉炭素を有するポリイミド前駆体もしくはポリベンゾオキサゾール前駆体、これら2種の前駆体の共重合体、および前記2種の前駆体の混合物から選ばれる少なくとも1種である耐熱樹脂(樹脂成分(A))における不斉炭素は、不斉炭素部位を有する酸成分を用いることで導入可能となる。不斉炭素部位を有する酸成分としては、例えば、(R)−(−)−シトラマル酸、(S)−(+)−シトラマル酸、D−マリック酸、(−)−樟脳酸、(+)−樟脳酸、ジパラトルオイル−D−酒石酸、ジパラトルオイル−L−酒石酸、ジベンゾイル−D−酒石酸、ジベンゾイル−L−酒石酸、ジパラアニソイル−D−酒石酸、ジパラアニソイル−L−酒石酸、(R)−スピロ−[3,3]−ヘプタン−2,6−カルボン酸、(S)−スピロ−[3,3]−ヘプタン−2,6−カルボン酸、(−)−カンファン酸などが挙げられる。これらのうち(−)−樟脳酸、(+)−樟脳酸、(R)−スピロ−[3,3]−ヘプタン−2,6−カルボン酸、(S)−スピロ−[3,3]−ヘプタン−2,6−カルボン酸、(−)−カンファン酸が、良好な膜物性を得る上で好ましい。
これらの不斉炭素部位を有する酸成分は、単独で又は二種類以上を組み合わせて使用される。これら不斉炭素部位を有する酸成分の使用量は、前記X1を有するテトラカルボン酸二無水物および/もしくはジカルボン酸および/もしくは酸官能基を有するジカルボン酸成分100重量部に対して、通常1種類につき、1〜40重量部、組み合わせる場合は合計で1〜50重量部とされる。より好ましくは3〜20重量部の範囲で配合すると良い。
前記一般式(1)中のY1で表される2〜6価の有機基を有する化合物としては、一般的なジアミン(酸官能基を持たないもの)が挙げられる。このジアミンとしては、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’,3,3’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’,3,3’−テトラエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジ(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。なお、本発明で使用可能な上記ジアミンは、必ずしもここに挙げられたものに限定されるわけではない。これらのうち4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニルが、耐熱性の高い良好な膜物性を得る上で好ましい。
また、アルカリ溶解性を調整するために、前記一般的なジアミンの他にアルカリ溶解性を示す酸官能基を有するジアミンを用いることができる。かかる酸官能基を有するジアミンとしては、例えば、2,4−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸、3,3’−ジアミノビフェニル−5,5’−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル−5,5’−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルメタン−5,5’−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン−5,5’−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド−5,5’−ジカルボン酸またはそれらの異性体のようにカルボキシル基を1つ以上もつものか;あるいは4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、オキシビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4−ジアミノフェノール、1,4−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシベンゼン、N,N’−(4−アミノフェニルカルボニル)−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、N,N’−(3−アミノフェニルカルボニル)−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、N,N’−(4−アミノフェニルカルボニル)2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、N,N’−(3−アミノフェニルカルボニル)2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、N,N’−(4−アミノフェニルカルボニル)2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、N,N’−(3−アミノフェニルカルボニル)2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、N,N’−(4−アミノフェニルカルボニル)−オキシビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)、N,N’−(3−アミノフェニルカルボニル)−オキシビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)、N,N’−(4−アミノフェニルカルボニル)−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、N,N’−(3−アミノフェニルカルボニル)−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、N,N’−(4−アミノフェニルカルボニル)−2,4−ジアミノフェノール、N,N’−(3−アミノフェニルカルボニル)−2,4−ジアミノフェノール、N,N’−(4−アミノフェニルカルボニル)−1,4−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシベンゼン、N,N’−(3−アミノフェニルカルボニル)−1,4−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシベンゼンのようなフェノール基を有するもの等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。なお、本発明で使用可能な上記酸官能基を有するジアミンとしては、必ずしもここに挙げられたものに限定されるわけではない。
上記酸官能基を有するジアミンのうち、3,5−ジアミノ安息香酸およびフェノール基を有する4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、オキシビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4−ジアミノフェノール、1,4−ジアミノ−2,5−ジヒドロキシベンゼン、N,N’−(4−アミノフェニルカルボニル)−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、N,N’−(3−アミノフェニルカルボニル)−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、N,N’−(4−アミノフェニルカルボニル)2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、N,N’−(3−アミノフェニルカルボニル)2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、N,N’−(4−アミノフェニルカルボニル)2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、N,N’−(3−アミノフェニルカルボニル)2,2’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、N,N’−(4−アミノフェニルカルボニル)−オキシビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)、N,N’−(3−アミノフェニルカルボニル)−オキシビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)、N,N’−(4−アミノフェニルカルボニル)−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、N,N’−(3−アミノフェニルカルボニル)−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホンが、良好なアルカリ現像特性を得る上で好ましい。
前記不斉炭素を有するポリイミド前駆体もしくはポリベンゾオキサゾール前駆体、これら2種の前駆体の共重合体、および前記2種の前駆体の混合物から選ばれる少なくとも1種である耐熱樹脂(樹脂成分(A))における不斉炭素は、不斉炭素部位を有するジアミン成分を用いることで導入可能となる。不斉炭素部位を有するジアミン成分としては、例えば、(R)−(+)−1,1−ビナフチル−2,2−ジアミン、(S)−(−)−1,1−ビナフチル−2,2−ジアミン、(+)−1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミン、(−)−1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミンなどが挙げられる。
これらの不斉炭素部位を有するジアミン成分は、単独で又は二種類以上を組み合わせて使用される。これらの不斉炭素部位を有するジアミン成分の使用量は、前記Y1を有するジアミンおよび/もしくは酸官能基を有するジアミン成分100重量部に対して、通常1種類につき、1〜20重量部、組み合わせる場合は合計で1〜30重量部とされる。より好ましくは3〜20重量部の範囲で配合すると良い。
これらテトラカルボン酸二無水物および/もしくは一般的なジカルボン酸および/もしくは酸官能基を有するジカルボン酸と、一般的なジアミンおよび/もしくは酸官能基を有するジアミンを重合させることで、本発明の樹脂成分(A)である酸性官能基および/またはその誘導置換基を有する耐熱樹脂を得ることができる。例えば、テトラカルボン酸二無水物と一般的なジアミンおよび/もしくは酸官能基を有するジアミンを重合させることで、ポリイミド前駆体を得ることができる。また、活性化エステル化されたジカルボン酸および/もしくは酸官能基を有するジカルボン酸とフェノール酸官能基を有するジアミンを重合させることで、ポリベンゾオキサゾール前駆体を得ることができる。さらに、テトラカルボン酸二無水物および/もしくはジカルボン酸および/もしくは活性エステル化された酸官能基を有するジカルボン酸と、ジアミンおよび/もしくは酸官能基を有するジアミンを共重合させることでポリイミド/ポリベンゾオキサゾール前駆体の共重合体を得ることができる。
前記一般式(1)中のR1で示す水素原子または炭素数1〜20の有機基のような官能基を部分的に導入することで、本発明の樹脂組成物の現像時溶解性の制御、および/または光反応を利用したパターン加工が可能となる。前記官能基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロプロぺニル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキセニル、ノルボルニル、ノルボルネニル、アダマンチル、ベンジル、p−ニトロベンジル、トリフルオロメチル、メトキシエチル、エトキシエチル、メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエトキシメチル、ベンゾキシメチル、テトラヒドロピラニル、エトキシテトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、2−トリメチルシリルエトキシメチル、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、3−オキソシクロヘキシル、9−フルオレニルメチル、メチルチオメチル、アリルアルコール、2−メチル−2−プロペン−1−オル、クロチルアルコール、3−ブテン−1−オル、3−ブテン−2−オル、3−メチル−2−ブテン−1−オル、2−メチル−3−ブテン−1−オル、3−メチル−3−ブテン−1−オル、2−メチル−3−ブテン−2−オル、2−ペンテン−1−オル、4−ペンテン−1−オル、3−ペンテン−2−オル、4−ペンテン−2−オル、1−ペンテン−3−オル、4−メチル−3−ペンテン−1−オル、3−メチル−1−ペンテン−3−オル、2−へキセン−1−オル、3−ヘキセン−1−オル、4−ヘキセン−1−オル、5−ヘキセン−1−オル、1−ヘキセン−3−オル、1−ヘプタン−3−オル、6−メチル−5−ヘプタン−2−オル、1−オクタン−3−オル、シトロネロール、3−ノネン−1−オル、5−デカン−1−オル、9−デカン−1−オル、7−デカン−1−オル、1,4−ペンタジエン−3−オル、2,4−ヘキサジエン−1−オル、1,5−ヘキサジエン−3−オル、1,6−ヘプタジエン−4−オル、2,4−ジメチル−2,6−ヘプタジエン−1−オル、ネロール、ゲラニオール、リナロール、2−シクロヘキセン−1−オル、3−シクロヘキセン−1−メタノール、イソプレゴール、5−ノルボルネン−2−オル、5−ノルボルネン−2−メタノール、エチレングリコールビニルエーテル、1,4−ブタンジオールビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、カプロラクトン2−(メタクリロイロキシ)エチルエステル、ジカプロラクトン2−(メタクリロイロキシ)エチルエステル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレートなどが挙げられる。なお、本発明で使用可能な上記官能基としては、必ずしもここに挙げられたものに限定されわけではない。これら官能基を部分的に導入することで、本発明の樹脂組成物のアルカリ可溶性を制御することもできる。また、前記樹脂成分(A)を構成する重合体の末端に酸性官能基を有する場合には、これら酸性官能基を導入することも可能である。
上記具体的な官能基のうち、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、メトキシエチル、エトキシエチル、メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエトキシメチル、テトラヒドロピラニル、エトキシテトラヒドロピラニル,テトラヒドロフラニルが、本発明の樹脂組成物の溶解性を良好に制御する上で好ましい。
また、前記一般式(1)中のR2に、一般式(1)中の前記R1に導入可能とした前記官能基と同種の官能基を導入することで、本発明の樹脂組成物の現像時溶解性の制御、および/または光反応を利用したパターン加工が可能となる。また、これら官能基を部分的に導入することで、本発明の樹脂組成物のアルカリ可溶性を制御することもできる。さらに、前記樹脂成分(A)を構成する重合体の末端に酸性官能基を有する場合には、これら酸性官能基を導入することも可能である。
また、本発明の樹脂成分(A)は、その末端部がアミン官能基および/またはその誘導置換基、または酸性官能基および/またはその誘導置換基、またはそれら少なくとも一つを有する重合体、すなわち、その末端部の基として前記官能基および置換基が組み合わされた重合体のいずれかである。末端部のアミン官能基が一級アミンである場合には、副反応により感光性樹脂組成物の安定性が劣化するため、アミン官能基上の二つ水素原子のうち少なくとも一つは他原子もしくは他官能基で置換されている方が、感光性樹脂組成物としての安定性を得る上で好ましい。その置換割合は30%〜100%の範囲である方が十分な安定性を得る上でより好ましい。
前記アミン官能基から誘導される窒素上置換基としては、水素、アミド、イミド、カーバメイト、スルホニル、スルフェニル、ホスフィニル、アルキルシリルなどが挙げられる。これらのうち、アミド、イミド、カーバメイト、スルホニルが、より優れた硬化樹脂性質を得る点で好ましい。これら置換基は、下記一般式(2)〜(5)で表される。
Figure 2008122667
(各式中、R3は1価の有機基であり、炭素原子数は1〜20のものが好ましい。式(3)中において、X3は酸素、硫黄もしくは窒素原子であり、X3が酸素原子もしくは硫黄原子の場合はn=1、窒素原子の場合はn=2である。)
上記R3としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロプロぺニル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキセニル、ノルボルニル、ノルボルネニル、アダマンチル、ベンジル、p−ニトロベンジル、トリフルオロメチル、メトキシエチル、エトキシエチル、メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエトキシメチル、ベンゾキシメチル、エトキシテトラヒドロピラニル,テトラヒドロフラニル、2−トリメチルシリルエトキシメチル、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、3−オキソシクロヘキシル、9−フルオレニルメチル、メチルチオメチルなどが挙げられるが、必ずしもこれらに限定されない。
上記酸性官能基および/またはその誘導置換基としては、前述の一般式(1)のR1、R2に示されるものが用いられる。
(光反応性化合物(B))
本発明の樹脂組成物に使用される光反応性化合物(B)は、感光剤であり、光の照射を受けると、酸を発生させる特性を有しており、本発明の樹脂組成物の光照射部におけるアルカリ水溶液への可溶性を増大させる機能を果たす成分である。その種類としては、o−キノンジアジド化合物、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩などが挙げられ、ここに挙げられた化合物に限らず、光により酸を発生する化合物であれば使用できる。
上記o−キノンジアジド化合物は、例えば、o−キノンジアジドスルホニルクロリド類とヒドロキシ化合物、アミノ化合物などとを脱塩酸剤の存在下で縮合反応させることで得られる。
上記o−キノンジアジドスルホニルクロリド類としては、例えば、ベンゾキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド等が使用できるが、必ずしもここに挙げられたものに限定されない。
上記o−キノンジアジドスルホニルクロリド類と反応させる化合物としては、感光特性の点から、ヒドロキシ化合物が好ましく、かかるヒドロキシ化合物としては、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’,3’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン,2,3,4,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4b,5,9b,10−テトラヒドロ−1,3,6,8−テトラヒドロキシ−5,10−ジメチルインデノ[2,1−a]インデン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどが使用できる。かかるヒドロキシ化合物は、必ずしもここに挙げられたものに限定されない。
また、上記アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩などとしては、例えば、ベンゼンジアゾニウム−p−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウム9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホナート、トリス(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、N−ナフタルイミドトリフルオロメタンスルホナート、p−ニトロベンジル−9,10−ジメトキシアントラセンー2−スルホナート、4−メトキシ−α―[[[(4−メチルフェニル)スルホニル]オキシ]イミノ]ベンゼンアセトニトリル、2−(2’−フリルエテニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが使用できる。かかるアリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩などは、必ずしもここに挙げられたものに限定されない。
これらの感光剤(B)は、単独で又は二種類以上を組み合わせて使用される。感光剤(B)の使用量は前記樹脂成分(A)の100重量部に対して、通常1種類につき、0.1〜40重量部、組み合わせる場合は合計で0.1〜40重量部とされる。より好ましくは1〜20重量部の範囲で配合すると良い。
本発明における溶媒(C)としては,ガンマブチロラクトン,N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、ジメチルイミダゾリジノン、N−アセチル−ε−カプロラクタム等の極性溶媒が好ましく、その他、これらの極性溶媒以外に、ケトン類、エステル類、ラクトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類、より具体的には、例えば、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等も使用することができる。これらの有機溶媒は、単独で又は二種類以上を組み合わせて使用される。ただし、本発明に使用可能な溶媒(C)は、本発明の感光性樹脂組成物の諸成分を溶解するものであれば、特にその種類を限定するものではない。
(その他の成分)
本発明の感光性樹脂組成物には、上記成分(A)(B)(C)以外に、シリコン基板に対する接着性増強剤として、シランカップリング剤を添加してもよい。また、添加成分として接着性増強剤を混合する代わりに、前記一般式(1)中のY部を構成する原料になるジアミンとしてジアミノシロキサンを用いて樹脂成分(A)を変性し、それによって、シリコン基板への接着性を増強することもできる。
上記シランカップリング剤としては、反応性の点からアルコキシシラン類が好ましく、例えば、ビニルトリメトキシシラン、N―(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N―メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N―(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N,N−ビス(3−(トリメトキシシリル)プロピル)エチレンジアミン、N―(3−トリメトキシシリルプロピル)ピロール、ウレイドプロピルトリメトキシシラン、(3−トリエトキシシリルプロピル)―t−ブチルカルバメート、N―フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3―イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、(フルフリルオキシメチル)トリエトキシシラン等が挙げられる。
また、その他の成分として、コントラストを高める目的で溶解促進剤を使用することができる。この溶解促進剤としては、例えば、酸性官能基を含有する化合物が挙げられ、この酸性官能基としては、フェノール性水酸基、カルボン酸基、スルホン酸基が好ましい。かかる酸性官能基を有する溶解促進剤としては、例えば、メチレンビスフェノール、2,2−メチレンビス(4−メチルフェノール)、4,4−オキシビスフェノール、4,4−(1−メチルエチリデン)ビス(2−メチルフェノール)、4,4−(1−フェニルエチリデン)ビスフェノール、5,5−(1−メチルエチリデン)ビス(1,1−(ビフェニル)−2−オル)、4,4,4−エチリジントリスフェノール、2,6−ビス((2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル)−4−メチルフェノール、4,4−(1−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル)エチリデン)ビスフェノール、4,4−スルホニルジフェノール、(2−ヒドロキシ−5−メチル)−1,3−ベンゼンジメチロール、3,3−メチレンビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンゼンメタノール)、サリチル酸、マロン酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、マレイン酸、ジグリコール酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、3,3−テトラメチレングルタル酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−アダマンタンジカルボン酸、1,2−フェニレンジオキシ二酢酸、1,3−フェニレン二酢酸、1,4−フェニレン二酢酸、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−オキシジフェニルジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸、4―ヒドロキシベンゼンスルホン酸、等が挙げられる。これらの溶解促進剤は、単独で又は二種類以上を組み合わせて使用される。
さらに他の添加成分として、目的に応じて付加重合性化合物、溶解阻害剤、安定剤などを配合してもよい。
(パターン化絶縁性硬化膜の形成)
本発明の感光性樹脂組成物は、浸漬法、スプレー法、スクリーン印刷法、回転塗布(スピンコート)法等によって、シリコンウエーハ、金属基板、セラミック基板等の基材上に塗布され、形成された塗膜を適度に加熱乾燥することにより溶剤を蒸発させて、粘着性のない塗膜とすることができる。この塗膜上に、所望のパターンが描かれたマスクを通して活性光線又は化学線を照射する。照射する活性光線又は化学線としては、超高圧水銀灯を用いるコンタクト/プロキシミテイ露光機、ミラープロジェクション露光機、i線ステッパ、g線ステッパ、その他の紫外線、可視光源や、X線、電子線を用いることができる。この後、必要に応じて露光後加熱(PEB;post exposure bake)処理を行い、続いて現像を行う。前記塗膜の活性光線が照射された部分では、成分として含まれている光反応性化合物(B)から酸が発生し、その部分が現像液に可溶となる。活性光線を照射後、照射部を現像液で溶解除去することにより所望のパターンに前記塗膜がパターン化される。
上記現像液としては、有機溶媒、アルカリ水溶液が用いられる。有機溶媒現像液としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ヘキサメチルリン酸トリアミド、γ−ブチロラクトン、水、或いはアルコール類、ケトン類、エステル類、ラクトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類、より具体的には、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が、単独で又は二種類以上を組み合わせて使用される。
現像液として用いるアルカリ水溶液としては、苛性カリ、苛性ソーダ等のアルカリ金属水酸化物の水溶液、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、テトラエチルアンモニウムヒドロキサイド、コリン等の水酸化四級アンモニウム、エタノールアミン、プロピルアミン、エチレンジアミン等のアミン水溶液が用いられる。
現像後は必要に応じて水又は貧溶媒でリンスが行われる。例えば、リンス液としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルセロソルブ、水等が用いられる。
上記現像により得られたパターンを加熱することにより、感光剤と溶媒を除去した安定な高耐熱性ポリイミド又はポリベンゾオキサゾールのパターン化硬化膜を得る。
この時の加熱温度は、150〜500℃とすることが好ましく、200〜400℃とすることがより好ましい。この加熱温度が、150℃未満となっても、逆に500℃を超えても、膜の機械特性及び熱特性が低下する傾向がある。また、この時の加熱時間は、0.05〜10時間とすることが好ましい。この加熱時間が、0.05時間未満となっても、逆に10時間を超えても、膜の機械特性及び熱特性が低下する傾向がある。
次に、本発明の半導体デバイスの製造工程の一例を図を参照して説明する。図1は多層配線構造の半導体デバイスの製造工程図である。上から下に向かって、第1の工程(a)から第5の工程(e)へと一連の工程を表している。
図1において、回路素子を有するSi基板等の半導体基板1は、回路素子の所定部分を除いてシリコン酸化膜等の保護膜2で被覆され、露出した回路素子上に第1導体層3が形成されている。前記半導体基板1上にスピンコート法等により層間絶縁膜用の樹脂組成物液を塗布し、塗膜を形成し、この塗膜を適度に加熱乾燥させて、層間絶縁膜層4を形成する(第1の工程(a))。この層間絶縁膜用の樹脂組成物として本発明の感光性樹脂組成物を用いることもできる。
次に前記層間絶縁膜層4上にパターンマスク層5をスピンコート法等により形成する。このパターンマスク層5には、公知の写真食刻技術によって所定部分の層間絶縁膜4が露出するように窓6Aが設けられる(第2の工程(b))。前記パターンマスクを通して活性光線又は化学線を照射する。照射後、層間絶縁膜層5を加熱処理し、その後、アルカリ現像液により窓6A部分を溶解除去して、層間絶縁膜層5に窓6Bを開ける。次いで、第1導体層3を損なうことなく、パターンマスク層5のみを完全に除去する(第3の工程(c))。
さらに公知の写真食刻技術を用いて、第2導体層7を形成し、第1導体層3との電気的接続を前記窓6Bを介して実現する(第4の工程(d))。3層以上の多層配線構造を形成する場合は、上記の工程を繰り返して行い各層を形成することができる。
次に、表面保護膜層8を形成する。この表面保護膜を、本発明の感光性樹脂組成物液を用いて形成する。すなわち、前記層間絶縁膜層5と第2導体層7の上に本発明の感光性樹脂組成物液をスピンコート法にて塗布し、塗膜を加熱乾燥し、この乾燥塗膜にパターンマスクを用いて選択的に露光し、露光部分をアルカリ現像液にて溶解除去し、窓6Cを形成する。その後、乾燥塗膜を加熱硬化して表面保護膜層8を得る(第5の工程(e))。
本発明の感光性樹脂組成物は、良好な絶縁特性および機械特性を有し、しかも優れた感光特性を有しているので、上記のように、半導体デバイスの製造において、層間絶縁膜層や表面保護膜層などの絶縁部分に本発明の樹脂組成物を用いることにより、確かな品質の絶縁部分を簡易かつ低コストに形成することができる。その結果、本発明の樹脂組成物を用いて半導体デバイスを製造することにより、絶縁特性および機械特性に優れた高品質な半導体デバイスをより安価に提供することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。以下に示す実施例は、本発明を説明するための好適な例示に過ぎず、なんら本発明を限定するものではない。
(合成例1:本発明の樹脂成分(A)の調製)
攪拌機、温度計及び窒素導入管を備えた密閉反応容器中の100gの乾燥N−メチルピロリドンと20.6g(0.08mol)の4,4’−オキシビス(カルボキシフェニル)の溶液を0℃に冷却し、19.1g(0.16mol)の塩化チオニルを滴下し、滴下後30分間撹拌して、反応溶液(R−1)を得た。
次いで、攪拌機、温度計及び窒素導入管を備えた別の密閉反応容器中に、100gの乾燥N−メチルピロリドンと、40.3g(0.11mol)の2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンと、1.58g(0.02mol)のピリジンの溶液とを注入し、これを0℃に冷却し、これに2.09g(0.02mol)の塩化シクロプロパンカルボニルを滴下し、滴下後、室温下で30分間撹拌した。さらに15.82g(0.2mol)のピリジンを添加し、0℃に冷却した後、4.33g(0.02mol)の(+)−樟脳酸クロリド(不斉炭素部位を有する酸成分)を添加し、さらに先ほど得られた反応溶液(R−1)を30分間かけて滴下し、室温で30分間撹拌した。この反応混合物を2.0リットルのイオン交換水にて激しく撹拌しながら処理した。析出した固形物をさらにイオン交換水にて洗浄し、濾過フィルター上で吸引乾燥し、室温にて水分含有率が1.0重量%より少なくなるまで減圧乾燥して不斉炭素を有するポリマー(A−1)(樹脂成分(A))を得た。この不斉炭素を有するポリマー(A−1)の重量平均分子量は22200、分散は1.8であった。
(合成例2:本発明の樹脂成分(A)の調製)
攪拌機、温度計及び窒素導入管を備えた密閉反応容器中の100gの乾燥N−メチルピロリドンと13.3g(0.18mol)のn−ブタノールを入れ、27.9g(0.09mol)のビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物を加え、70℃で24時間攪拌し、エステル物を得た。この溶液を0℃に冷却し、21.4g(0.18mol)の塩化チオニルを滴下し、滴下後30分間撹拌して、反応溶液(R−2)を得た。
次いで、攪拌機、温度計及び窒素導入管を備えた別の密閉反応容器中に、100gの乾燥N−メチルピロリドンと33.0g(0.09mol)の2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンおよび15.82g(0.2mol)のピリジンを添加し、攪拌溶解した。この溶液を0℃に冷却し、2.17g(0.01mol)の(−)−カンファン酸クロリド(不斉炭素部位を有する酸成分)を添加し、さらに先ほど得られた反応溶液(R−2)を30分間かけて滴下した後、室温で30分間撹拌した。この反応混合物を2.0リットルのイオン交換水にて激しく撹拌しながら処理した。析出した固形物をさらにイオン交換水にて洗浄し、濾過フィルター上で吸引乾燥し、室温にて水分含有率が1.0重量%より少なくなるまで減圧乾燥して不斉炭素を有するポリマー(A−2)(樹脂成分(A))を得た。この不斉炭素を有するポリマー(A−2)の重量平均分子量は22900、分散は1.65であった。
(合成例3:比較の樹脂成分の調製)
攪拌機、温度計及び窒素導入管を備えた密閉反応容器中の100gの乾燥N−メチルピロリドンと25.8g(0.1mol)の4,4’−オキシビス(カルボキシフェニル)の溶液を0℃に冷却し、23.8g(0.2mol)の塩化チオニルを滴下し、滴下後30分間撹拌して、反応溶液(R−1)を得た。
次いで、攪拌機、温度計及び窒素導入管を備えた別の密閉反応容器中に、100gの乾燥N−メチルピロリドンと、40.3g(0.11mol)の2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンと、1.58g(0.02mol)のピリジンの溶液とを注入し、これを0℃に冷却し、これに2.09g(0.02mol)の塩化シクロプロパンカルボニルを滴下し、滴下後、室温下で30分間撹拌した。さらに15.82g(0.2mol)のピリジンを添加し、0℃に冷却した後、先ほど得られた反応溶液(R−1)を30分間かけて滴下し、室温で30分間撹拌した。この反応混合物を2.0リットルのイオン交換水にて激しく撹拌しながら処理した。析出した固形物をさらにイオン交換水にて洗浄し、濾過フィルター上で吸引乾燥し、室温にて水分含有率が1.0重量%より少なくなるまで減圧乾燥してポリマー(P−1)(比較の樹脂成分)を得た。このポリマー(P−1)の重量平均分子量は23900、分散は1.71であった。
(合成例4:比較の樹脂成分の調製)
攪拌機、温度計及び窒素導入管を備えた密閉反応容器中の100gの乾燥N−メチルピロリドンと14.8g(0.2mol)のn−ブタノールを入れ、31.0g(0.1mol)のビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物を加え、70℃で24時間攪拌し、エステル物を得た。この溶液を0℃に冷却し、23.8g(0.2mol)の塩化チオニルを滴下し、滴下後30分間撹拌して、反応溶液(R−2)を得た。
次いで、攪拌機、温度計及び窒素導入管を備えた別の密閉反応容器中に、100gの乾燥N−メチルピロリドンと、33.0g(0.09mol)の2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンと、15.82g(0.2mol)のピリジンとを添加し、攪拌溶解した。この溶液を0℃に冷却し、先ほど得られた反応溶液(R−2)を30分間かけて滴下した後、室温で30分間撹拌した。この反応混合物を2.0リットルのイオン交換水にて激しく撹拌しながら処理した。析出した固形物をさらにイオン交換水にて洗浄し、濾過フィルター上で吸引乾燥し、室温にて水分含有率が1.0重量%より少なくなるまで減圧乾燥してポリマー(P−2)(比較の樹脂成分)を得た。このポリマー(P−2)の重量平均分子量は24100、分散は1.69であった。
(合成例5:光反応性化合物(B)の調製)
攪拌機、温度計及び窒素導入管を備えた密閉反応容器中のトリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン14.6g(0.05mol)とナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド37.6g(0.14mol)および200gの乾燥N−メチルピロリドンの溶液に対し、トリエチルアミン14.2g(0.14mol)を冷却下で滴下反応させた、この反応混合物を濾過し、濾液を2.0リットルのイオン交換水にて激しく撹拌しながら処理した。析出した固形物をさらにイオン交換水にて洗浄し、濾過フィルター上で吸引乾燥し、室温にて水分含有率が1.0重量%より少なくなるまで減圧乾燥してオルトキノンジアジド化合物(B−1)(光反応性化合物(B))を得た。
(実施例1)
(感光性樹脂組成物の調製およびパターン硬化膜の作製)
攪拌機、温度計及び窒素導入管を備えた三口フラスコに(合成例1)で得られた樹脂成分(A):不斉炭素を有するポリマー(A−1)10gとγブチロラクトン(溶剤(C))15gを撹拌混合し、ポリマーを溶解させた後、さらに(合成例5)で得られた光反応性化合物(B):感光剤(B−1)1.0gを加えて室温下にて一昼夜撹拌溶解後、フィルタ濾過して、感光性樹脂組成物溶液を得た。この溶液を5インチシリコンウエハ上にスピンコートした後に乾燥して、5.0±1.0μmの塗膜を形成した。得られた塗膜に、レジストパターン膜(パターンマスク)を形成し、i線ステッパを用い、露光量を200〜1000mJ/cm2とし、露光した。これを1時間遮光箱内にて放置した後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド水溶液(アルカリ現像液)を用いてパドル現像した。その結果、その解像度は露光量800mJ/cm2で10μm(最小ライン幅)まで達し、良好なレリーフパターン(パターン化硬化膜)が得られた。
(硬化膜の評価)
前記感光性樹脂組成物溶液を5インチシリコンウエハ上にスピンコートした後に乾燥して15.0±1.0μmの塗膜を形成した後、得られた塗膜上に、コンタクトアライナーを用い、パターンマスクを形成し、1500mJ/cm2の露光量にて露光した。これを1時間遮光箱内にて放置した後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド水溶液を用いてパドル現像して10mm×80mmの短冊状のパターン化膜を得た。このウエハを窒素置換されたオーブンにて300℃1時間硬化ベークし、硬化膜を得た。フッ酸水溶液を用い、短冊状の薄膜をシリコンウエハより剥離し、乾燥した後、オートグラフを用い硬化膜の伸び率を測定した。この結果、硬化膜の伸び率は40%であった。
(実施例2)
(感光性樹脂組成物の調製およびパターン硬化膜の作製)
配合物として、合成例2で得られた樹脂成分(A):不斉炭素を有するポリマー(A−2)10gとγブチロラクトン(溶剤(C))15gおよび合成例5で得られた光反応性化合物(B):感光剤(B−1)を1.0g用い、それ以外は、実施例1と全く同様に処理したところ、その解像度は露光量700mJ/cm2で10μm(最小ライン幅)まで達し、良好なレリーフパターン膜が得られた。
(硬化膜の評価)
また、実施例1と同様な処理をして得られた短冊状の硬化膜をオートグラフを用い伸び率を測定した。この結果、硬化膜の伸び率は34%であった。
(比較例1)
(感光性樹脂組成物の調製およびパターン硬化膜の作製)
配合物として、合成例3で得られた比較の樹脂成分:ポリマー(P−1)10gとγブチロラクトン(溶剤(C))15gおよび合成例5で得られた光反応性化合物(B):感光剤(B−1)を1.0g用い、それ以外は、実施例1と全く同様に処理したところ、その解像度は露光量1000mJ/cm2で20μm(最小ライン幅)まで達し、レリーフパターン膜が得られた。
(硬化膜の評価)
また、実施例1と同様な処理をして得られた短冊状の硬化膜をオートグラフを用い伸び率を測定した。この結果、硬化膜の伸び率は12%であった。
(比較例2)
(感光性樹脂組成物の調製およびパターン硬化膜の作製)
配合物として、合成例4で得られた樹脂成分:ポリマー(P−2)10gとγブチロラクトン(溶剤(C))15gおよび合成例5で得られた光反応性化合物(B):感光剤(B−1)を1.0g用い、それ以外は、実施例1と全く同様に処理したところ、その解像度は露光量1200mJ/cm2で20μm(最小ライン幅)まで達し、レリーフパターン膜が得られた。
(硬化膜の評価)
また、実施例1と同様な処理をして得られた短冊状の硬化膜をオートグラフを用い伸び率を測定した。この結果、硬化膜の伸び率は9%であった。
前記実施例および比較例から明らかなように、その樹脂成分中に不斉炭素部位を有している本発明に係る感光性樹脂組成物は、不斉炭素部位を持たない樹脂成分を有する比較例の感光性樹脂組成物に比較して、感光特性が格段に優れており、得られる硬化膜の機械特性にも特段の向上が得られていることが分かる。
本発明の樹脂組成物は、優れた硬化樹脂性質を実現する感光性ポリイミド前駆体、またはポリベンゾオキサゾール前駆体、またはそれらの共重合体、またはそれらの混合物からなる耐熱樹脂を樹脂成分として有し、この樹脂成分に不斉炭素部位を有することを特徴としている。かかる特徴構成によって、本発明に係る樹脂組成物は、優れた感光特性を有し、良好な絶縁性および機械特性を有する硬化膜を形成することができる。したがって、本発明に係る感光性樹脂組成物を用いて半導体デバイスの絶縁部分を形成すれば、優れた絶縁特性および機械特性を有する半導体デバイスをより安価に提供することができる。
多層配線構造の半導体装置の製造工程図である。
符号の説明
1…半導体基板
2…保護膜
3…第1導体層
4…層間絶縁膜層
5…感光樹脂層
6A、6B、6C…窓
7…第2導体層
8…表面保護膜層

Claims (3)

  1. 樹脂成分(A)、光反応により酸を発生する光反応性化合物(B)、および溶媒(C)を含有してなる感光性樹脂組成物であって、
    前記樹脂成分(A)が、不斉炭素部位を有し、かつ下記一般式(1):
    Figure 2008122667
    (式中X1は2〜4価の有機基、Y1は2〜6価の有機基、p、qは0または1から4の整数、R1は水素原子または炭素数1〜20の有機基であり、l、mは0または1〜2までの整数、nは2〜1000の整数である。ただし、R1は水素または1価の有機基である。)で示される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体あるいはポリベンゾオキサゾール前駆体、これら2種の前駆体の共重合体、および前記2種の前駆体の混合物から選ばれる少なくとも1種からなる耐熱樹脂であることを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 前記光反応性化合物(B)が、光反応によりカルボキシル基を発生させる化合物であることを特徴とする請求項1記載の感光性樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物を使用したことを特徴とする半導体デバイス。
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