JP2007297994A - 燃料供給用ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料吸入弁の耐久性の向上を図り、大流量の高圧燃料を安定的に圧送することができる燃料供給用ポンプを提供する。
【解決手段】燃料吸入弁において、バルブピストンは、つば部とは反対側の端部付近の外表面に、バルブピストンとスプリングシートとを固定するための止め具が係止される溝部を有し、スプリングシートは、バルブピストンが圧入される開口部を有するとともに、当該開口部の縁に沿って、止め具が係止される段部を有し、スプリングシートの開口部にバルブピストンを圧入した後、止め具をバルブピストンの溝部に係止させるとともに、スプリングシートをスプリングによって付勢して段部に止め具を係止させることによって、スプリングシートがバルブピストンに固定されており、溝部における付勢方向側の縁部又は段部における付勢方向とは反対側の縁部のうちの少なくとも一方と、止め具と、の間に間隙を設ける。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃料吸入弁を備えた燃料供給用ポンプに関し、特に、大流量の高圧燃料の圧送に適した燃料供給用ポンプに関する。
従来、ディーゼルエンジン等において、高圧の燃料を効率良く噴射するために、蓄圧器(コモンレール)を用いた蓄圧式燃料噴射装置(CRS: Common Rail System)が各種提案されている。
このような蓄圧式燃料噴射システムに用いられる燃料供給用ポンプの一例を図13に示す。かかる燃料供給用ポンプ410は、ポンプハウジング421にカム429を備えるとともに、カム429の上方にプランジャバレル415が装着される円柱空間421aを有し、当該円柱空間421aに装着されたプランジャバレル415の上方開口部に燃料吸入弁422が取り付けられている。また、プランジャバレル415の内部には、プランジャ423と燃料吸入弁422とによって閉塞された燃料加圧室425が形成され、さらに、燃料加圧室425に面する部分に、燃料吐出弁428につながる燃料通路431が設けられている。かかる燃料供給用ポンプ410において、燃料吸入弁422を介して燃料加圧室425に供給された燃料が、カム429の回転に伴って往復動するプランジャ423によって加圧された後、燃料吐出弁428を介してコモンレールに対して圧送される。
ここで、燃料供給用ポンプに用いられている燃料吸入弁422は、バルブボディ433と、一端につば部436を有し、バルブボディ433に摺動可能に保持されたバルブピストン435と、このバルブピストン435を閉弁方向に付勢するスプリング441と、バルブピストン435におけるつば部436が設けられた端部とは反対側の端部付近に固定され、スプリング441の一端を受けるスプリングシート437とを備えている(特許文献1参照)。かかる燃料吸入弁422は、燃料吸入孔を介して燃料溜り部433aに燃料が供給され、燃料加圧室425内の圧力と燃料溜り部433a内の圧力との差が所定の圧力値を超えた場合に開放されて燃料加圧室425内に燃料が供給される。一方、プランジャ423の上昇に伴って燃料加圧室425内の圧力が上昇するとともに、燃料溜り部433a内の圧力が低下することにより、バルブピストン435がバルブボディ433のシート部にシートされて閉弁される。
特開2004−211580号公報 (図1、図13)
しかしながら、特許文献1に開示された燃料供給用ポンプに用いられる燃料吸入弁は、組付上の理由から、バルブピストンとスプリングシートとが別体として構成されている。そして、この燃料吸入弁は、一般的には3〜4cm程度の大きさであるため、バルブピストンとスプリングシートとを固定する際に、簡易な固定方法として、レーザー溶接を採用している。したがって、バルブピストンの材料として溶接しやすい材料を選択する必要があり、高炭素鋼のような比較的強度の高い材料を採用することが困難であった。その結果、バルブピストンにおけるバルブボディにシートされる部分が磨耗しやすく、耐久性が乏しくなるおそれがあった。特に、蓄圧式燃料噴射装置をはじめとして、より高圧の燃料を大量に圧送させるべく、燃料供給用ポンプを高速回転させた場合には、バルブピストンの耐久性が過度に低下し、安定的に加圧処理ができなくなるおそれがあった。
そこで、本発明の発明者らは鋭意検討した結果、バルブピストンとスプリングシートとの固定方法として、溶接ではなく所定の止め具を用いた機械的な固定方法を採用するとともに、バルブピストン又はスプリングシートにおける止め具が係止される箇所を所定構造とすることにより、このような問題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、燃料供給用ポンプを高速駆動させて、大流量の高圧燃料を圧送する場合であっても、燃料吸入弁が損傷しにくく、耐久性の向上が図られた燃料供給用ポンプを提供することを目的とする。
本発明によれば、燃料を高圧化するための燃料加圧室と、燃料加圧室に燃料を供給するための燃料吸入弁と、を備えた燃料供給用ポンプであって、燃料吸入弁は、バルブボディと、一端側につば部を有するとともにバルブボディに摺動可能に保持されたバルブピストンと、バルブピストンを閉弁方向に付勢するスプリングと、バルブピストンにおける一端側とは反対側の端部付近に固定され、スプリングの一端を受けるスプリングシートと、を備え、バルブピストンは、反対側の端部付近の外表面に、バルブピストンとスプリングシートとを固定するための止め具が係止される溝部を有し、スプリングシートは、バルブピストンが圧入される開口部を有するとともに、当該開口部の縁に沿って、止め具が係止される段部を有し、スプリングシートの開口部にバルブピストンを圧入した後、止め具をバルブピストンの溝部に係止させるとともに、スプリングシートをスプリングによって付勢して段部に止め具を係止させることによって、スプリングシートがバルブピストンに固定されており、溝部における付勢方向側の縁部又は段部における付勢方向とは反対側の縁部のうちの少なくとも一方と、止め具と、の間に間隙を設けた燃料供給用ポンプが提供され、上述した問題を解決することができる。
また、本発明の燃料供給用ポンプを構成するにあたり、溝部又は段部の断面形状が円弧状であり、当該円弧を描く円の中心をバルブピストンの外表面位置からずらすことにより間隙を設けることが好ましい。
以下、本明細書において、「バルブピストンの外表面位置」とは、バルブピストンの軸線に対する周方向外側の表面位置、及び当該周方向外側の表面位置が延在すると想定したときに存在する面位置を意味する。
また、本発明の燃料供給用ポンプを構成するにあたり、溝部又は段部と止め具との間に、摩擦力発生部材を介在させることが好ましい。
また、本発明の燃料供給用ポンプを構成するにあたり、止め具が高弾性を有する合金からなるCリングであることが好ましい。
また、本発明の燃料供給用ポンプを構成するにあたり、バルブピストン及びスプリングシートが浸炭材又は軸受鋼からなることが好ましい。
また、本発明の別の態様は、燃料を高圧化するための燃料加圧室と、燃料加圧室に燃料を供給するための燃料吸入弁と、を備えた燃料供給用ポンプであって、燃料吸入弁は、バルブボディと、一端側につば部を有するとともにバルブボディに摺動可能に保持されたバルブピストンと、バルブピストンを閉弁方向に付勢するスプリングと、バルブピストンにおける一端側とは反対側の端部付近に固定され、スプリングの一端を受けるスプリングシートと、を備え、バルブピストンは、反対側の端部付近の外表面に、バルブピストンとスプリングシートとを固定するための止め具が係止される溝部を有し、スプリングシートは、バルブピストンが圧入される開口部を有するとともに、当該開口部の縁に沿って、止め具が係止される段部を有し、スプリングシートの開口部にバルブピストンを圧入した後、止め具をバルブピストンの溝部に係止させるとともに、スプリングシートをスプリングによって付勢して段部に止め具を係止させることによって、スプリングシートがバルブピストンに固定されており、溝部と止め具との接触部と、段部と止め具との接触部と、が付勢方向に対して斜め方向に結ばれる燃料供給用ポンプである。
本発明の燃料供給用ポンプによれば、バルブピストンとスプリングシートとを所定の止め具を用いた機械的な固定方法によって固定することにより、バルブピストンを構成する材料の選択の自由度が広がり、溶接に不向きな高強度の材料を選択することができるようになる。したがって、バルブピストンの強度が高められ、バルブボディに対してシートされる部分の磨耗を少なくすることができる。
また、止め具が係止されるバルブピストンの溝部又はスプリングシートの段部の少なくとも一方と止め具とを所定の接触状態とすることにより、燃料圧によるバルブピストンの押し下げ力やスプリングの付勢力等に起因して、止め具にせん断力が作用することを抑止して、止め具が破損することを防止することができる。
したがって、燃料吸入弁の耐久性が向上するため、ポンプを高速回転させて使用した場合であっても、大流量の高圧燃料を安定的に圧送させることができる。
以下、図面を参照して、本発明の燃料供給用ポンプに関する実施形態について具体的に説明する。ただし、かかる実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更することが可能である。
なお、各図中、同一の符号を付してあるものは同一の部材を示しており、適宜説明を省略する。
本発明の実施の形態は、燃料を高圧化するための燃料加圧室と、燃料加圧室に燃料を供給するための燃料吸入弁と、を備えた燃料供給用ポンプである。
本実施形態の燃料供給用ポンプは、燃料吸入弁が、バルブボディと、一端側につば部を有するとともにバルブボディに摺動可能に保持されたバルブピストンと、バルブピストンを閉弁方向に付勢するスプリングと、バルブピストンにおけるつば部が設けられた一端側とは反対側の端部付近に固定され、スプリングの一端を受けるスプリングシートと、を備え、バルブピストンは、反対側の端部付近の外表面に、バルブピストンとスプリングシートとを固定するための止め具が係止される溝部を有し、スプリングシートは、バルブピストンが圧入される開口部を有するとともに、当該開口部の縁に沿って、止め具が係止される段部を有し、スプリングシートの開口部にバルブピストンを圧入した後、止め具をバルブピストンの溝部に係止させるとともに、スプリングシートをスプリングによって付勢して段部に止め具を係止させることによって、スプリングシートがバルブピストンに固定されており、溝部における付勢方向側の縁部又は段部における付勢方向とは反対側の縁部のうちの少なくとも一方と、止め具と、の間に間隙を設けたことを特徴とする。
以下、本実施形態の燃料供給用ポンプを、それぞれの部材ごとに分けて具体的に説明する。
1.全体構成
本発明の燃料供給用ポンプの全体構成は特に制限されるものでは無いが、その一例を図1に示す。この燃料供給用ポンプ1は、燃料を加圧するプランジャ13が配置されるシリンダ(円柱空間)11b、11cを並列配置した、いわゆる列型のポンプであって、燃料を高圧化して圧送するポンプ本体部10と、燃料タンク(図示せず)から燃料を汲み上げるためのフィードポンプ3と、加圧する燃料の流量を調整するための調量弁5とを備えている。
なお、この燃料供給用ポンプ1の例は、二本のプランジャ13を用いて燃料を高圧化し圧送する構成であるが、より大容量の燃料を高圧処理するために、それ以上の数に増やすこともできる。
2.フィードポンプ
フィードポンプ3は、燃料タンク内の燃料を汲み上げて調量弁5に対して移送するための部位である。このフィードポンプ3は、例えば、カムシャフト23の端部に連結された駆動ギヤと、駆動ギヤと連結された従動ギヤとを含むギヤポンプ構造からなり、カムシャフト23と直結又は適当なギヤ比を介して駆動されている。このフィードポンプ3が駆動することにより、負圧を利用して、燃料が燃料タンクから吸い上げられ、調量弁5に対して移送される。
また、フィードポンプ3と燃料タンクとの間には、プレフィルタ(図示せず)が介在し、燃料タンク内の燃料に異物が混入している場合に、それらの異物が燃料供給用ポンプ1内に流れ込まないように、一次的に捕集することができる。
3.調量弁
調量弁5は、ポンプ本体部10に取り付けられ、フィードポンプ3から移送されてきた燃料をポンプ本体部10の燃料加圧室14に移送する際に、その燃料量を調整するための部位である。この調量弁5は、例えば、比例制御弁を用いた構成とすることができる。この調量弁5によって、内燃機関が要求する燃料圧力に対応させて燃料量を調整し、ポンプ本体部10の燃料加圧室14に送り込むことができる。
4.オーバーフローバルブ
また、図示しないものの、燃料供給用ポンプは、フィードポンプと調量弁とをつなぐ燃料通路の途中から分岐して、調量弁と並列的に配置されたオーバーフローバルブを備えている。このオーバーフローバルブによって、調量弁に移送される燃料の圧力が規定値を超えたり、あるいは、調量弁に移送される燃料流量が規定量を超えたりする場合に、オーバーフローバルブを介して燃料タンク等に還流させることができる。
このとき、オーバーフローバルブ側に流れてきた燃料を、後述するポンプ本体部のカム室内に移送し、潤滑油として使用することもできる。これによって、カム室内の潤滑油として別途潤滑オイル等を供給することなく、燃料を有効活用できるとともに、燃料供給用ポンプ全体の大型化や構成の複雑化を防ぐことができる。
5.ポンプ本体部
(1)基本構成
ポンプ本体部10は、調量弁5を介して移送されてくる燃料を高圧化して、下流側のコモンレール等に圧送するための部位である。
ここで、図2に、図1の燃料供給用ポンプ1のXX断面を矢印方向に見た断面図を示す。この図2に示すように、ポンプ本体部10は、例えば、ポンプハウジング11と、ポンプハウジング11の円柱空間11b内に装着されたプランジャバレル12と、プランジャバレル12の内部空間12aに摺動保持されたプランジャ13と、プランジャ13の端部に係止されたスプリングシート19と、両端をプランジャバレル12及びスプリングシート19に係止され、プランジャ13を下方側に付勢するためのスプリング15と、プランジャ13及びカム21の間に介在し、カム21の回転に伴いプランジャ13を芯出ししつつ押し上げるためのタペット構造体18とを備えている。また、プランジャバレル12の内部空間12aの上方開口部には燃料吸入弁20が配置されるとともに、プランジャバレル12の内部空間12aから横方向に延びる燃料通路12bを介して、燃料吐出弁22が配置されている。
また、プランジャバレル12の内部空間12aの一部は、プランジャバレル12の内周面とプランジャ13と燃料吸入弁20とによって閉塞された燃料加圧室14を形成している。そして、燃料吸入弁20を介して供給される燃料が、当該燃料加圧室14内で、カム21の回転運動に伴って押し上げられるプランジャ13によって高圧化され、燃料吐出弁22を介して下流側のコモンレール等に圧送される。
(2)ポンプハウジング
ポンプハウジング11は、プランジャバレル12が装着されるとともに、プランジャ13、タペット構造体18、カム21等が収容される筐体である。このポンプハウジング11は、例えば、カム室11aと、カム室11aの上方に開口しプランジャバレル12が装着される円柱空間11bとを備えた構成とすることができる。
なお、円柱空間の数をはじめとするポンプハウジングの形態は、燃料供給用ポンプの種類に対応させて適宜変更することができる。
(3)プランジャバレル
プランジャバレル12は、ポンプハウジング11の円柱空間11bに装着され、内部空間12aにおいてプランジャ13を摺動保持するとともに、内部空間12aの上方開口部に燃料吸入弁20が配置される筐体である。また、プランジャバレル12の内部空間12aは、プランジャ13及び燃料吸入弁20とともに燃料を高圧化するための燃料加圧室14を構成する要素となる。
なお、燃料供給用ポンプの種類が、インラインタイプ及びラジアルタイプの場合には、それぞれのタイプに対応させて、プランジャバレルの形態を適宜変更することができる。
(4)プランジャ
プランジャ13は、プランジャバレル12の内部空間12aに摺動保持され、カム21の回転に伴って押し上げられ、燃料加圧室14内の燃料を高圧化するための部位である。また、プランジャ13の端部には、スプリング15の一端を受け、スプリング15の付勢力によってプランジャ13をカム21側へ引き下げるスプリングシート19が係止されている。そして、プランジャ13は、スプリング15の付勢力による下降力と、カム21の回転に伴う上昇力とによって、昇降自在に保持されている。
(5)燃料加圧室
燃料加圧室14は、プランジャバレル12内の内部空間12aにおいて、プランジャ13と燃料吸入弁20とによって閉塞され形成された小室である。かかる燃料加圧室14において、燃料吸入弁20を介して流入した燃料を、プランジャ13が高速駆動することによって、効率的かつ大量に加圧することができる。また、プランジャ13によって加圧された燃料は、燃料吐出弁22を介して、コモンレール等に供給される。
(6)カム
カム21は、一つあるいは複数のカム山を備え、カムシャフト23の回転に伴い、タペット構造体18を介してプランジャ13を上昇させるための主要素である。かかるカム21は、カム室11a内においてディーゼルエンジンに連なったカムシャフト23に取り付け固定されている。そして、カムシャフト23は、エンジンのクランクシャフトとギヤを介して連結されており、エンジンの駆動によってカム21が回転するように構成されている。
このカム21は、ポンプハウジング11の円柱空間11bの下方に位置し、かつカムシャフト23の軸線方向に所定の間隔をもって並列配置されている。
(7)タペット構造体
タペット構造体18は、プランジャ13とカム21との間に介在し、カムシャフト23の回転に伴うカム21の回転に対応して、プランジャ13の芯出しを行いながらプランジャ13を上下動させるための部材である。かかるタペット構造体18の構成については特に制限されるものではなく、例えば、図2に示すタペット構造体18は、スプリングシート19と、ローラ保持部16b及び摺動部16aからなるタペット本体部16と、ローラ17とから構成されている。これ以外にも、例えば、ローラを含まないタペットを用いることもできる。
(8)燃料吸入弁
燃料吸入弁20は、プランジャバレル12に設けられた内部空間12aの上方開口部に配置され、調量弁を介して移送されてくる燃料を燃料加圧室14に供給するための部位である。
本実施形態の燃料供給用ポンプ1における燃料吸入弁20周辺(図2中Aで示す部分)の拡大断面図を図3(a)に示し、さらに、図3(a)中のBで示す部分の拡大断面図を図3(b)に示す。
この図3(a)に示す燃料吸入弁20は、ホルダ部31と、バルブボディ33と、一端側につば部35aを有するとともにバルブボディ33に摺動可能に保持されたバルブピストン35と、バルブピストン35を閉弁方向に付勢するスプリング41と、バルブピストン35におけるつば部35aが設けられた端部とは反対側の端部付近に固定され、スプリング41の一端を受けるスプリングシート37とを備えている。また、ホルダ部31の外周面には、シールリング溝45が設けられ、当該シールリング溝45内に配置されたシールリング43によって、ホルダ部31とポンプハウジング11との間のシール性が確保されている。また、ホルダ部31の空間部31a内にはバルブピストン35の摺動面の潤滑性を確保するための潤滑油としての燃料が満たされており、空間部31aの上方からプラグ47が圧入され、潤滑用燃料を封じ込めている。さらに、バルブボディ33の外周方向(図中横方向)における、バルブボディ33とポンプハウジング11との間には、バルブボディ33の吸入路33bに流入する燃料の通過路としての間隙49が設けられている。この間隙49によって、バルブボディ33に放射状に設けられた吸入路33bから燃料を吸入することが可能になる。
かかる燃料吸入弁20において、バルブピストン35はスプリング41によって常時閉弁方向に付勢されている。そして、調量弁を介して移送される燃料が、間隙49及び放射状に形成された吸入路33bを通過して燃料溜り室33aに流れ込み、燃料加圧室14内の圧力と燃料溜り室33a内の圧力との差が所定の圧力値を超えた場合に開弁されて、燃料が燃料加圧室14内に供給される。その後、燃料溜まり室33a内の圧力が低下するとともに、燃料加圧室14内において、プランジャ13の上昇に伴い燃料加圧室14内の燃料が上昇すると、スプリング41の付勢力によって燃料吸入弁20が再び閉じられる。
このとき、バルブボディ33に摺動保持されたバルブピストン35の摺動面には、バルブボディ33の燃料溜り室33a又はホルダ部31の空間部31a内の燃料が入り込み、潤滑性が確保され、焼き付きを防止している。
ここで、本発明の燃料供給用ポンプにおける燃料吸入弁は、図3(b)に示すように、バルブピストン35が、つば部とは反対側の端部付近の周方向外表面に、バルブピストン35とスプリングシート37とを固定するための止め具40が係止される溝部51を有し、スプリングシート37は、バルブピストン35が圧入される開口部37aを有するとともに、当該開口部37aの縁に沿って、止め具40が係止される段部53を有し、スプリングシート37の開口部37aにバルブピストン35を圧入した後、止め具40をバルブピストン35の溝部51に係止させるとともに、スプリングシート37をスプリング41によって付勢して段部53に止め具40を係止させることによって、スプリングシート37がバルブピストン35に固定されており、溝部51における付勢方向側の縁部51a又は段部53における付勢方向とは反対側の縁部53aのうちの少なくとも一方と、止め具40と、の間に間隙Sが設けられていることを特徴とする。
より具体的には、従来の燃料吸入弁は、図13に示すように、バルブピストン435とスプリングシート437とをレーザー溶接することにより固定していたために、バルブピストン435の材料として、溶接による接合力が低い浸炭材や軸受鋼等を用いることができなかった。そのため、バルブピストン435の耐摩耗性が比較的低く、ポンプを高速回転させたり、燃料圧が高圧になったりするにつれて、バルブボディ433のシート部と接触する部分が損傷しやすく、耐久性に乏しいおそれがあった。また、スプリングシート437についても浸炭材等を用いることができず、スプリング441の受け面を損傷から保護するために、高硬度のシム(図示せず)を介在させる必要があった。
そのため、本発明の燃料供給用ポンプに用いられる燃料吸入弁は、図3(b)に示すように、燃料吸入弁20におけるバルブピストン35とスプリングシート37との固定方法として、所定の止め具40を用いた固定方法を採用している。したがって、浸炭材や軸受鋼等の比較的変形しにくい材料を用いてバルブピストン35やスプリングシート37を構成することができる。これにより、バルブピストン35の強度が高められ、ポンプを高速回転させたり、燃料圧が高圧になったりした場合であっても、安定的に燃料を圧送させることができる。また、スプリングシート37の強度も高められ、スプリング41の一端をスプリングシート37で直接受けることが可能になるため、シム等を介在させる必要がなくなり、部品点数を少なくすることができる。
図3(a)〜(b)に示す燃料吸入弁20は、図4(a)〜(d)にそれぞれ示すスプリングシート37、止め具40としてのCリング40A、バルブボディ33、バルブピストン35を用いて組み立てられている。
すなわち、まず、図5(a)に示すように、バルブボディ33にバルブピストン35を圧入するとともに、スプリング41をバルブボディ33の上面に配置する。次いで、図5(b)に示すように、スプリングシート37の開口部37a内にバルブピストン35を圧入するとともに、そのまま押圧してスプリング41を縮ませる。この状態で、図5(c)に示すように、Cリング40Aをバルブピストン35の溝部51に係止させた後、図5(d)に示すように、スプリングシート37をスプリング41によって付勢して、スプリングシート37の段部53にCリング40Aを係止させる。このように組み立てられて、スプリングシート37がバルブピストン35に固定されている。
ただし、かかる固定方法を採用すると、スプリングの付勢力と、燃料溜まり室内の燃料圧力によるバルブピストンの押し下げ力とが、スプリングシートとバルブピストンとを互いに逆方向に押圧するため、バルブピストンの溝部及びスプリングシートの段部にそれぞれ係止される止め具には、バルブピストンの溝部のエッジと、スプリングシートの段部のエッジとによるせん断力が働きやすくなる。
そこで、本発明では、図3(b)に示すように、バルブピストン35の溝部51におけるスプリング41の付勢方向側(バルブピストン35のつば部とは反対側)の縁部51a、又はスプリングシート37の段部53におけるスプリング41の付勢方向とは反対側(バルブピストン35のつば部側)の縁部53aのうちの少なくとも一方と、止め具40との間に間隙Sを設けることにより、止め具40に作用するせん断力を低減させて、止め具40の破損を防いでいる。
言い換えるならば、バルブピストン35の溝部51と止め具40との接触部P1と、スプリングシート37の段部53と止め具40との接触部P2と、がスプリング41の付勢方向に対して斜め方向に結ばれるように構成されている。
例えば、図3(b)に示す燃料吸入弁は、バルブピストン35の溝部51におけるスプリング41の付勢方向側(図中上側)の縁部51aと止め具40との間、及びスプリングシート37の段部53におけるスプリング41の付勢方向とは反対側(図中下側)の縁部53aと止め具40との間に、それぞれ間隙Sが設けられている。これによって、図6に示すように、スプリング41の付勢力によるスプリングシート37から止め具40に作用する力と、燃料溜まり室内の燃料圧力によるバルブピストン35の押し下げ力によってバルブピストン35から止め具40に作用する力とが、斜め方向に向かって作用するようになり、止め具40に作用する力を、せん断方向から圧縮方向に変えられる。そして、一般に、同一の材料であれば許容せん断応力よりも許容圧縮応力の方が高いことから、止め具40の耐久性の向上が図られることになる。
このように、止め具に作用するせん断力を低減させるには、バルブピストンの溝部におけるスプリングの付勢方向側の縁部と止め具との間、又はスプリングシートの段部におけるスプリングの付勢方向とは反対側の縁部と止め具との間のいずれかにのみ間隙を設けても構わない。
例えば、図7(a)は、バルブピストン35の溝部51におけるスプリング41の付勢方向側(図中上側)の縁部51aと止め具40との間にのみ間隙Sを設けた例である。このように構成することによっても、スプリングシート37から止め具40に作用する力と、バルブピストン35から止め具40に作用する力とを、斜め方向に向かって作用させることができるようになる。したがって、止め具40に作用する力がせん断方向から圧縮方向に変えられ、止め具40に作用するせん断力を低減させて、耐久性を向上させることができる。
また、図7(b)は、スプリングシート37の段部53におけるスプリング41の付勢方向とは反対側(図中下側)の縁部53aと止め具40との間にのみ間隙Sを設けた例である。このように構成することによっても、スプリングシート37から止め具40に作用する力と、バルブピストン35から止め具40に作用する力とを、斜め方向に向かって作用させることができるようになる。したがって、止め具40に作用する力がせん断方向から圧縮方向に変えられ、止め具40に作用するせん断力を低減させて、耐久性を向上させることができる。
このように、バルブピストンの溝部におけるスプリングの付勢方向側の縁部と止め具との間や、スプリングシートの段部におけるスプリングの付勢方向とは反対側の縁部と止め具との間に間隙を設けるには、例えば、溝部又は段部の断面形状を、止め具の断面の直径よりも大きい直径の円弧状とし、当該円弧を描く円の中心をバルブピストンの外表面位置からずらすことにより、所定の間隙を設けることができる。
すなわち、バルブピストンの溝部の所定の縁部と止め具との間に間隙を設ける場合には、図8(a)に示すように、バルブピストン35の溝部51の円弧状の断面における円の中心位置Qを、バルブピストン35の外表面位置から外周方向外側に向けてずらすことにより、溝部51の曲率が止め具40の曲率よりも大きくなり、所定の間隙Sを形成することができる。同様に、スプリングシートの断部と止め具との間に間隙を設ける場合には、図8(b)に示すように、スプリングシート37の断部53の円弧状の断面における円の中心位置Qを、バルブピストン35の外表面位置からバルブピストン35の内側方向に向けてずらすことにより、断部53の曲率が止め具40の曲率よりも大きくなり、所定の間隙Sを形成することができる。
なお、「バルブピストンの外表面位置」とは、バルブピストンの軸線に対する周方向外側の表面位置、及び当該周方向外側の表面位置が延在すると想定したときに存在する面位置を意味する。
また、図9に示すように、バルブピストン35の溝部51やスプリングシート37の段部53の断面形状を直線状とすることによっても、所定の間隙Sを形成することができる。
ただし、このような直線状とした場合には、止め具とバルブピストン、あるいは、スプリングシートと止め具が線接触となって、接触面積が過度に小さくなってしまい、圧力が集中するおそれがある。この観点でいえば、バルブピストンの溝部と止め具との接触面積及びスプリングシートの段部と止め具との接触面積をできるだけ大きく確保できるとともに、バルブピストンとスプリングシートとのがたつきを防止できることから、断面形状を円弧状とすることがより好適な態様である。
また、図10に示すように、バルブピストン35の溝部51と止め具40との間、又はスプリングシート37の段部53と止め具40との間に、摩擦力発生部材55を介在させることが好ましい。
かかる摩擦力発生部材55を介在させることにより、バルブピストン35の溝部51又はスプリングシート37の段部53と止め具40との接触位置、すなわち、止め具40にかかる力の作用点P1、P2を、溝部51や段部53のエッジから離れた位置に保つことができる。したがって、バルブピストン35から止め具40に作用する力と、スプリングシート37から止め具40に作用する力とを、斜め方向に作用させやすくでき、止め具40に作用するせん断力を容易に低減させることができる。
また、バルブピストンの溝部とスプリングシートの段部とに係止される止め具は、当該溝部及び段部に対してともに係止させることができるものであれば、特に制限されるものではなく、上述のCリング以外にもクリップ部材等を用いることができる。
ただし、燃料吸入弁のホルダ部の空間部内に配置できるように、比較的小型の止め具として構成することができることから、Cリングを用いることが好ましく、特に、高弾性合金からなるCリングを用いることが好ましい。このようなCリングを止め具として用いることにより、Cリングの強度を確保しつつ、燃料吸入弁の組み立て時に、Cリングを広げてバルブピストンを挿入した後、Cリングの形状を当初の形状に回復させて、バルブピストンの溝部に確実に係止させることができる。
かかる高弾性合金としては、Ni−Ti合金やCo−Cr合金などが挙げられるが、これに制限されるものではない。
また、燃料吸入弁を構成するバルブピストンやスプリングシートを、浸炭材や軸受鋼を用いて構成することが好ましい。本発明の燃料供給用ポンプにかかる燃料吸入弁は、これまで述べたように、スプリングシートをバルブピストンに固定する方法として、所定の止め具を用いた固定方法を採用していることから、スプリングシートやバルブピストンを構成する材料として、溶接による接合力が問われることがなくなるためである。
したがって、バルブピストンやスプリングシートの強度を高めることができ、より高圧の燃料を大量に圧送させる場合であっても、燃料供給用ポンプの耐久性が向上し、安定的に燃料を圧送させることができる。また、スプリンスシートの磨耗を防ぐ高強度シム等の部材を備える必要がなくなり、部品点数を減少させることができるとともに、組立効率を向上させることができる。
(9)燃料吐出弁
また、図2に示す燃料吐出弁22は、ポンプハウジング11の円柱空間11bにおける燃料加圧室14の側方側に配置され、高圧化された燃料をコモンレール等に移送するための部位である。
例えば、燃料吐出弁22は、ボール弁61がスプリング63によって閉弁方向に常時付勢されており、プランジャ13がカム21によって押し上げられ燃料加圧室14内が高圧になった場合に、燃料の圧力によって開弁し燃料を通過させることができる。
6.ピストン増圧方式の蓄圧式燃料噴射システムへの使用例
これまで説明した本発明の燃料供給用ポンプは、蓄圧器(コモンレール)から供給された高圧燃料を、さらに増圧ピストンで増圧した後にインジェクタから噴射する、ピストン増圧方式の蓄圧式燃料噴射システム(APCRS)に用いられる燃料供給用ポンプとして好適に使用することができる。
図11は、APCRSの構成例を示している。このAPCRSは、燃料タンク62と、燃料タンク62内の燃料を高圧化して圧送する燃料供給用ポンプ1と、かかる燃料供給用ポンプ1から圧送された高圧燃料を蓄圧するための蓄圧器(コモンレール)66と、コモンレール66で蓄圧された燃料をさらに増圧するための増圧装置(増圧ピストン)68と、インジェクタ70とから構成されている。
コモンレール66の構成は特に制限されるものではなく、公知のものを使用することができる。コモンレール66には、複数のインジェクタ70が接続されており、燃料供給用ポンプ1で高圧化された燃料がすべてのインジェクタ70に対して均等に供給され、インジェクタ70を制御することにより内燃機関(図示せず)に所望の噴射タイミングで噴射させることができる。このようなコモンレール66を備えることにより、ポンプの回転が噴射圧に直接影響を与えることなく、回転数に見合った噴射圧で、インジェクタ70を介してエンジンに燃料を噴射することができる。
また、コモンレール66には、圧力検知器(図示せず)が接続されており、かかる圧力検知器で得られた圧力検知信号が、電子制御ユニット(ECU: Electrical Controlling Unit)に送られる。そして、ECUは、圧力検知器からの圧力検知信号を受けつつ、コモンレール圧が所定の圧力となるように、同じくコモンレール66に備えられた電磁制御弁(図示せず。)を制御する。
また、増圧装置としては、図11に例示されるように、シリンダ75と、機械式ピストン(増圧ピストン)74と、受圧室78と、電磁弁80と、循環路77とを含み、機械式ピストン74が、受圧部72と受圧部72よりも相対的に面積が小さい加圧部76とを備えた構成とすることができる。
かかる増圧装置では、シリンダ75内に収容された機械式ピストン74が、受圧部72においてコモンレール圧を有する燃料により押圧されて移動し、受圧室78内の燃料が加圧部76によって増圧される。
すなわち、図12に模式図を示すように、増圧装置を、受圧部と、受圧部よりも相対的に面積が小さい加圧部とを備える機械式ピストンとして構成し、ピストンのストローク量を考慮することにより、コモンレール圧を有する燃料を、加圧損失をできるだけ少なくしつつ、効率的に増圧することが可能である。
より具体的には、コモンレールからの燃料(圧力:p1、体積:V1、仕事量:W1)を、相対的に面積が大きい受圧部と、相対的に面積が小さい加圧部とを備えた機械式ピストンによって、より高圧の燃料(圧力:p2、体積:V2、仕事量:W2)とすることができる。
図11に示す増圧装置68では、機械式ピストン74を押圧するために、コモンレール圧を有する燃料を大量に使用するが、加圧後には、電磁弁80を介して、燃料タンク62に還流される。すなわち、コモンレール圧を有する燃料の大部分は、機械式ピストン74を押圧した後、例えば、ライン93を介して、燃料タンク62に還流され、再び、高圧燃料として使用することができる。
一方、加圧部76によって増圧された燃料は、インジェクタ70のノズル73側に送液され噴射される一方、インジェクタ70の背圧制御に用いられ、電磁弁71から排出された燃料については、ライン93を介して燃料タンク62に還流することになる。
このような増圧装置を設けることにより、コモンレールを過度に大型化することなく、かつ、任意の時期に、コモンレール圧を有する燃料によって効果的に機械式ピストンを押圧することができる。
また、インジェクタ70の形態は特に制限されるものではないが、例えば、図11に例示されるように、ニードル弁体101が着座する着座面102と、この着座面102の弁体当接部位よりも下流側に形成される噴孔73と、を有するノズルボディ103を備え、ニードル弁体101のリフト時に着座面102の上流側から供給される燃料を噴孔73へ導く構成とすることができる。
また、インジェクタ70は、スプリング104等によってニードル弁体101を着座面102に向かって常時付勢しておき、ニードル弁体101をソレノイド105の通電/非通電の切り替えによって開閉する電磁弁型とすることができる。
このような増圧方式の蓄圧式燃料噴射システムでは、より高圧の燃料を大量にコモンレールへと圧送できる燃料供給用ポンプが必要とされるが、上述したような本発明の燃料供給用ポンプであれば、燃料吸入弁の耐久性の向上が図られ、APCRSでの使用においても、長期の使用に耐えることができる。したがって、長時間にわたり高圧高速運転させた場合であっても、大量の高圧燃料を安定的に供給することができる。
本発明の実施形態にかかる燃料供給用ポンプの部分切り欠きを含む側面図である。 本発明の実施形態にかかる燃料供給用ポンプの断面図である。 燃料供給用ポンプに備えられた燃料吸入弁の断面図である。 燃料吸入弁を構成する部品を説明するために供する図である。 燃料吸入弁の組立方法について説明するために供する図である。 止め具に作用する力の向きについて説明するために供する図である。 燃料供給用ポンプの別の構成例を説明するために供する図である。 円弧状の断面を有するバルブピストンの溝部及びスプリングシートの段部を説明するために供する図である。 直線状の断面を有するバルブピストンの溝部及びスプリングシートの段部を説明するために供する図である。 摩擦力発生部材を介在させた燃料供給用ポンプの構成について説明するために供する図である。 ピストン増圧方式の蓄圧式燃料噴射システム(APCRS)を説明するために供する図である。 ピストン増圧方式の蓄圧式燃料噴射システム(APCRS)による燃料の増圧方法を概念的に示す図である。 従来の燃料供給用ポンプの構造を説明するために供する図である。
符号の説明
1:燃料供給用ポンプ、3:フィードポンプ、5:調量弁、10:ポンプ本体部、11:ポンプハウジング、12:プランジャバレル、12a:内部空間、12b:燃料通路、13:プランジャ、14:燃料加圧室、15:スプリング、16:タペット本体部、17:ローラ、18:タペット構造体、19:スプリングシート、21:カム、22:燃料吐出弁、23:カムシャフト、30:燃料吸入弁、31:ホルダ部、33:バルブボディ、33a:燃料溜り室、33b:吸入路、35:バルブピストン、36:つば部、37:スプリングシート、40:止め具、41:スプリング、43:シールリング、45:シールリング溝、47:プラグ、49:間隙、51:溝部、53:段部、55:摩擦力発生部材、62:燃料タンク、66:コモンレール、68:増圧装置(増圧ピストン)、70:インジェクタ

Claims (6)

  1. 燃料を高圧化するための燃料加圧室と、前記燃料加圧室に燃料を供給するための燃料吸入弁と、を備えた燃料供給用ポンプにおいて、
    前記燃料吸入弁は、バルブボディと、一端側につば部を有するとともに前記バルブボディに摺動可能に保持されたバルブピストンと、前記バルブピストンを閉弁方向に付勢するスプリングと、前記バルブピストンにおける前記一端側とは反対側の端部付近に固定され、前記スプリングの一端を受けるスプリングシートと、を備え、
    前記バルブピストンは、前記反対側の端部付近の外表面に、前記バルブピストンとスプリングシートとを固定するための止め具が係止される溝部を有し、
    前記スプリングシートは、前記バルブピストンが圧入される開口部を有するとともに、当該開口部の縁に沿って、前記止め具が係止される段部を有し、
    前記スプリングシートの開口部に前記バルブピストンを圧入した後、前記止め具を前記バルブピストンの溝部に係止させるとともに、前記スプリングシートを前記スプリングによって付勢して前記段部に前記止め具を係止させることによって、前記スプリングシートが前記バルブピストンに固定されており、
    前記溝部における前記付勢方向側の縁部又は前記段部における前記付勢方向とは反対側の縁部のうちの少なくとも一方と、前記止め具と、の間に間隙を設けたことを特徴とする燃料供給用ポンプ。
  2. 前記溝部又は前記段部の断面形状が円弧状であり、当該円弧を描く円の中心を前記バルブピストンの外表面位置からずらすことにより前記間隙を設けることを特徴とする請求項1に記載の燃料供給用ポンプ。
  3. 前記溝部又は段部と前記止め具との間に、摩擦力発生部材を介在させることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料供給用ポンプ。
  4. 前記止め具が高弾性を有する合金からなるCリングであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料供給用ポンプ。
  5. 前記バルブピストン及びスプリングシートが浸炭材又は軸受鋼からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料供給用ポンプ。
  6. 燃料を高圧化するための燃料加圧室と、前記燃料加圧室に燃料を供給するための燃料吸入弁と、を備えた燃料供給用ポンプにおいて、
    前記燃料吸入弁は、バルブボディと、一端側につば部を有するとともに前記バルブボディに摺動可能に保持されたバルブピストンと、前記バルブピストンを閉弁方向に付勢するスプリングと、前記バルブピストンにおける前記一端側とは反対側の端部付近に固定され、前記スプリングの一端を受けるスプリングシートと、を備え、
    前記バルブピストンは、前記反対側の端部付近の外表面に、前記バルブピストンとスプリングシートとを固定するための止め具が係止される溝部を有し、
    前記スプリングシートは、前記バルブピストンが圧入される開口部を有するとともに、当該開口部の縁に沿って、前記止め具が係止される段部を有し、
    前記スプリングシートの開口部に前記バルブピストンを圧入した後、前記止め具を前記バルブピストンの溝部に係止させるとともに、前記スプリングシートを前記スプリングによって付勢して前記段部に前記止め具を係止させることによって、前記スプリングシートが前記バルブピストンに固定されており、
    前記溝部と前記止め具との接触部と、前記段部と前記止め具との接触部と、が前記付勢方向に対して斜め方向に結ばれることを特徴とする燃料供給用ポンプ。
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