JP2010112303A - 燃料供給ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】加圧する燃料が収容される空間の容積の増大を抑え、圧縮効率の向上を図るとともに、加圧室と燃料吐出路との交差部に作用する応力を低減し、耐久性の向上を図ることができる燃料供給ポンプを提供する。
【解決手段】加圧室に吸入した燃料を高圧化して内燃機関の燃料噴射部が接続されたコモンレールに圧送する燃料供給ポンプであって、燃料供給ポンプは、加圧室で高圧化された高圧燃料をコモンレール側に吐出する燃料吐出弁を備え、燃料吐出弁は、加圧室に連通する燃料吐出路の内面と摺動する摺動部及び燃料吐出路の内面に設けられたシート面にシートされるシート部を有する弁体と、弁体を閉弁方向に付勢する付勢手段と、を備え、付勢手段の付勢力によって閉弁される一方、高圧燃料の圧力が付勢手段の付勢力とコモンレール内の圧力との和を上回ったときに開弁されるようになっており、シート部が摺動部よりも加圧室側に配置される。
【選択図】図3
【解決手段】加圧室に吸入した燃料を高圧化して内燃機関の燃料噴射部が接続されたコモンレールに圧送する燃料供給ポンプであって、燃料供給ポンプは、加圧室で高圧化された高圧燃料をコモンレール側に吐出する燃料吐出弁を備え、燃料吐出弁は、加圧室に連通する燃料吐出路の内面と摺動する摺動部及び燃料吐出路の内面に設けられたシート面にシートされるシート部を有する弁体と、弁体を閉弁方向に付勢する付勢手段と、を備え、付勢手段の付勢力によって閉弁される一方、高圧燃料の圧力が付勢手段の付勢力とコモンレール内の圧力との和を上回ったときに開弁されるようになっており、シート部が摺動部よりも加圧室側に配置される。
【選択図】図3
Description
本発明は燃料供給ポンプに関し、特に、コモンレールを備えた蓄圧式燃料供給システムに用いられ、従来よりも高圧の燃料をコモンレールに圧送する燃料供給ポンプに関するものである。
従来、ディーゼルエンジンをはじめとする内燃機関に燃料を供給する装置として、複数の燃料噴射弁が接続されるとともに高圧の燃料が蓄圧されるコモンレールを備え、常時高圧化された燃料を各燃料噴射弁に供給することによって、燃料の緻密な噴射制御を可能にした蓄圧式燃料供給装置(コモンレールシステム)が使用されている。
図5は、このような蓄圧式燃料供給装置に用いられる燃料供給ポンプの構成の一例を示している。この燃料供給ポンプ410は、ポンプハウジング421に装着されたプランジャバレル415と、プランジャバレル415のシリンダ415a内に摺動可能に収容されたプランジャ423と、シリンダ415aに連通する位置に配置された燃料吸入弁420及び燃料吐出弁422とを備えている。また、プランジャバレル415のシリンダ415aのうち、プランジャ423、燃料吸入弁420及び燃料吐出弁422によって画成された空間は加圧室425として構成されている。そして、プランジャスプリング431の付勢力によってプランジャ423が引き下げられると負圧によって燃料吸入弁420が開かれ、加圧室425に低圧燃料が吸入される。次いで、カム429によってプランジャ423が押し上げられると加圧室425内の燃料が加圧され、燃料の圧力によって燃料吐出弁422が開かれたときに、高圧燃料がコモンレール側に圧送される(例えば、特許文献1参照)。
ところで、近年、排気ガスの浄化基準が高まっていることに伴い、コモンレールシステムによって噴射される燃料のさらなる高圧化が要求されており、燃料供給ポンプにおいても従来よりも高圧の燃料を安定的に圧送できることが求められている。高圧の燃料を燃料供給ポンプからコモンレールに対して圧送するにあたり、図5に示す燃料供給ポンプ410のように、燃料吐出弁422としてボール型の弁体441を採用した場合には、バルブスプリング442のバネ力では弁体441を安定的に支持することができないおそれがある。
これに対して、コモンレールシステムの燃料供給ポンプとして、図6に示すような、燃料吸入弁(インレットバルブ)と燃料吐出弁(アウトレットバルブ)とが一体化されたIOバルブ(インレット・アウトレットバルブ)471を採用した燃料供給ポンプがある(例えば、特許文献2参照)。このIOバルブ471ではデリバリバルブ型の弁体452が使用されているが、このデリバリバルブ型の弁体452は、羽根状案内部(摺動部)452bを備え、アウトレットバルブボディ456に形成されたアウトレット挿入孔456b内を摺動するようになっている。そのため、上述のボール型の弁体と比較して、弁体452が安定的に保持され、暴れにくくなっている。また、デリバリバルブ型の弁体452は、羽根状案内部452bによって形成される燃料通路461の流路面積を比較的大きく確保することができる形態であるため、大流量の燃料の圧送に有利であるという特性もある。
しかしながら、特許文献2に記載されたデリバリバルブ型の弁体を採用した燃料吐出弁は、弁体の摺動部がシート部よりも加圧室側に設けられた構成となっている。そのため、この燃料吐出弁を、特許文献1に記載された燃料供給ポンプにおけるボール型の弁体を採用した燃料吐出弁の代わりに使用した場合には、燃料吐出路における弁体がシートされるシート面よりも加圧室側の長さを少なくとも弁体の摺動部の長さ以上に形成するとともに、当該燃料吐出路の直径を弁体の摺動部の直径と同等に形成する必要がある。そのため、加圧する燃料が収容される空間の容積が必要以上に増えて、圧縮効率が低下するおそれがある。
また、弁体がシートされるシート面よりも加圧室側の燃料通路の直径を弁体の摺動部の直径と同等に形成する場合、当該燃料吐出路の直径を小さくすることにも限界があるため、加圧室内の圧力によって、加圧室に臨む燃料吐出路の開口部のエッジに作用する応力が大きくなりやすく、燃料供給ポンプの耐久性が低下するおそれがある。
そこで、本発明の発明者らは鋭意努力し、高圧燃料を吐出するデリバリバルブ弁タイプの燃料吐出弁において、弁体のシート部を摺動部よりも加圧室側に配置することによって、このような問題を解決できることを見出し、本発明を完成させたものである。すなわち、本発明は、加圧室から燃料吐出弁の弁体のシート面までの燃料吐出路の長さを短くすることにより加圧する燃料が収容される空間の容積の増大を抑え、圧縮効率の向上が図られるとともに、当該燃料吐出路の直径を小さくすることにより加圧室に臨む燃料吐出路の開口部のエッジに作用する応力が低減され、耐久性の向上が図られた燃料供給ポンプを提供することを目的とする。
本発明によれば、加圧室に吸入した燃料を高圧化して内燃機関の燃料噴射部が接続されたコモンレールに圧送する燃料供給ポンプであって、燃料供給ポンプは、加圧室で高圧化された高圧燃料をコモンレール側に吐出する燃料吐出弁を備え、燃料吐出弁は、加圧室に連通する燃料吐出路の内面と摺動する摺動部及び燃料吐出路の内面に設けられたシート面にシートされるシート部を有する弁体と、弁体を閉弁方向に付勢する付勢手段と、を備え、付勢手段の付勢力によって閉弁される一方、高圧燃料の圧力が付勢手段の付勢力とコモンレール内の圧力との和を上回ったときに開弁されるようになっており、シート部が摺動部よりも加圧室側に配置されることを特徴とする燃料供給ポンプが提供され、上述した問題を解決することができる。
また、本発明の燃料供給ポンプを構成するにあたり、燃料吐出路におけるシート面から加圧室までの距離が、燃料吐出弁の摺動部の軸方向長さよりも短くされることが好ましい。
また、本発明の燃料供給ポンプを構成するにあたり、燃料吐出路は、加圧室側に形成された小径部と、小径部と連通し加圧室側とは反対側に形成された大径部と、を有し、シート面が小径部及び大径部をつなぐ段差部からなるとともに、摺動部が大径部内を摺動することが好ましい。
本発明の燃料供給ポンプによれば、デリバリバルブ型の燃料吐出弁の弁体のシート部が摺動部よりも加圧室側に配置されているため、弁体の形態を考慮することなく、加圧室からシート面までの燃料吐出路の形態を設定することができる。すなわち、当該燃料吐出路の長さを弁体の摺動部の長さより短く設計したり、当該燃料吐出路の直径を弁体の摺動部よりも小さく設計したりすることが可能になる。そのため、加圧する燃料が収容される空間の容積が相対的に小さくされ、燃料の圧縮効率の向上が図られる。
また、加圧室からシート面までの燃料吐出路の直径が小さくなれば、加圧室に臨む燃料吐出路の開口部のエッジに作用する応力が低減され、燃料供給ポンプの耐久性の向上が図られる。
また、加圧室からシート面までの燃料吐出路の直径が小さくなれば、加圧室に臨む燃料吐出路の開口部のエッジに作用する応力が低減され、燃料供給ポンプの耐久性の向上が図られる。
また、本発明の燃料供給ポンプにおいて、弁体がシートされるシート面から加圧室までの燃料吐出路の長さが弁体の摺動部の長さよりも短くされることにより、シート面までの燃料吐出路の容積が容易に小さくされ、加圧する燃料が収容される空間の容積を小さくすることができる。
また、本発明の燃料供給ポンプにおいて、燃料吐出路が、加圧室側の小径部と、当該小径部との間の段差部を介して連続する大径部とを備えた構成であることにより、弁体がシートされるシート面よりも加圧室側の燃料吐出路の直径が小さくされ、加圧室に臨む燃料吐出路の開口部のエッジに作用する応力が低減される。
以下、図面を参照して、本発明の燃料供給ポンプに関する実施の形態について具体的に説明する。ただし、かかる実施の形態は本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更することが可能である。
なお、それぞれの図中、同じ符号を付してあるものは同一の部材を示しており、適宜説明が省略されている。
なお、それぞれの図中、同じ符号を付してあるものは同一の部材を示しており、適宜説明が省略されている。
1.燃料供給ポンプの全体構成
図1は、本実施形態の燃料供給ポンプ1を複数のプランジャ13の配列方向に沿って切断した断面図を示している。この燃料供給ポンプ1は、コモンレールシステムに用いられ、加圧室14内の燃料を加圧するプランジャ13が配置されるシリンダ12aが並列配置されたポンプである。燃料供給ポンプ1は、燃料を高圧化して、内燃機関の燃料噴射弁95が接続されたコモンレール93に高圧燃料を圧送する高圧ポンプ部10と、燃料タンク91の燃料を汲み上げ高圧ポンプ部10に送る低圧フィードポンプ3と、高圧ポンプ部10に送られる燃料の流量を調整するための流量制御弁5とを主要な構成要素として備えている。
図1は、本実施形態の燃料供給ポンプ1を複数のプランジャ13の配列方向に沿って切断した断面図を示している。この燃料供給ポンプ1は、コモンレールシステムに用いられ、加圧室14内の燃料を加圧するプランジャ13が配置されるシリンダ12aが並列配置されたポンプである。燃料供給ポンプ1は、燃料を高圧化して、内燃機関の燃料噴射弁95が接続されたコモンレール93に高圧燃料を圧送する高圧ポンプ部10と、燃料タンク91の燃料を汲み上げ高圧ポンプ部10に送る低圧フィードポンプ3と、高圧ポンプ部10に送られる燃料の流量を調整するための流量制御弁5とを主要な構成要素として備えている。
それぞれの構成要素は燃料通路で接続されており、燃料タンク91内の燃料が燃料供給ポンプ1によって加圧されてコモンレール93に圧送され、コモンレール93に接続された複数のインジェクタ95に対して高圧の燃料が供給されることで、インジェクタ95の通電制御による内燃機関への燃料の噴射制御が行われる。
低圧フィードポンプ3は、カムシャフト23の端部に連結された駆動ギヤ(図示せず)と、駆動ギヤと連結された従動ギヤ(図示せず)とを含むギヤポンプ構造を有しており、カムシャフト23が回転することにより、負圧によって燃料が燃料タンク91から吸い上げられるとともに圧送される。また、低圧フィードポンプ3の上流側にはプレフィルタ(図示せず)が介在し、燃料タンク91内の燃料に異物が混入している場合に、それらの異物が燃料供給ポンプ1内に流れ込まないようにプレフィルタは異物を捕集する。
また、流量制御弁5は、例えば、電磁比例制御弁を用いて構成され、低圧フィードポンプ3と高圧ポンプ部10との間の燃料通路に備えられている。そして、コモンレールシステムが要求する燃料圧力に対応する大きさの電流が流量制御弁5に通電されることによって、高圧ポンプ部10の加圧室14に送り込む燃料の流量が調整される。
また、図示しないものの、燃料供給ポンプ1は、低圧フィードポンプ3と流量制御弁5とを連通する燃料通路の途中から分岐して、流量制御弁5と並列的に配置されたオーバーフローバルブを備えている。このオーバーフローバルブは燃料タンク91に連通する燃料還流路97に接続されており、流量制御弁5に送られる燃料の圧力が規定値を超えたり、あるいは、流量制御弁5に送られる燃料の圧力とオーバーフローバルブよりも下流側の燃料還流路97内の燃料の圧力と差が所定範囲を超えたりする場合に、燃料の一部がオーバーフローバルブを介して燃料タンク91に還流される。
このとき、オーバーフローバルブを介して還流される燃料は、後述する高圧ポンプ部10のカム室11b内に送られ、潤滑油として用いられるようにしてもよい。このように構成した場合、カム室内の潤滑油として別途潤滑オイル等を使用することなく、燃料を潤滑油として有効活用することができる。
このとき、オーバーフローバルブを介して還流される燃料は、後述する高圧ポンプ部10のカム室11b内に送られ、潤滑油として用いられるようにしてもよい。このように構成した場合、カム室内の潤滑油として別途潤滑オイル等を使用することなく、燃料を潤滑油として有効活用することができる。
次に、高圧ポンプ部10の構成について詳細に説明する。
図2は、図1のXX断面を矢印方向に見た断面図を示している。この図2に示すように、本実施形態の燃料供給ポンプ1の高圧ポンプ部10は、カム21が回転可能に収容されたカム室11bとカム21の上方側に設けられた円柱空間11aとを有するポンプハウジング11と、円柱空間11a内に装着されたプランジャバレル12とを備えている。プランジャバレル12の内部に設けられたシリンダ12aにはプランジャ13が摺動保持されており、プランジャ13の端部にはスプリングシート19が係止されている。また、ポンプハウジング11の円柱空間11aには、スプリングシート19とプランジャバレル12とによって両端が係止されたプランジャスプリング15が配設されており、プランジャスプリング15がプランジャ13を下方側に付勢する。
図2は、図1のXX断面を矢印方向に見た断面図を示している。この図2に示すように、本実施形態の燃料供給ポンプ1の高圧ポンプ部10は、カム21が回転可能に収容されたカム室11bとカム21の上方側に設けられた円柱空間11aとを有するポンプハウジング11と、円柱空間11a内に装着されたプランジャバレル12とを備えている。プランジャバレル12の内部に設けられたシリンダ12aにはプランジャ13が摺動保持されており、プランジャ13の端部にはスプリングシート19が係止されている。また、ポンプハウジング11の円柱空間11aには、スプリングシート19とプランジャバレル12とによって両端が係止されたプランジャスプリング15が配設されており、プランジャスプリング15がプランジャ13を下方側に付勢する。
また、プランジャ13とカム21との間には、ポンプハウジング11の円柱空間11aの内周面と摺動可能な外周面を有するタペット構造体18が介在し、タペット構造体18は、カム21の回転に伴ってプランジャスプリング15の付勢力に抗してプランジャ13を芯出ししつつ上方に押し上げる。
本実施形態の燃料供給ポンプ1に備えられたタペット構造体18は、ローラ17と、ローラ17を摺動保持するローラ保持部16b及び円柱空間11aに対する摺動面16aを有するタペット本体部16とから構成されている。これ以外にも、例えば、ローラを備えていないタペットが用いられてもよい。
本実施形態の燃料供給ポンプ1に備えられたタペット構造体18は、ローラ17と、ローラ17を摺動保持するローラ保持部16b及び円柱空間11aに対する摺動面16aを有するタペット本体部16とから構成されている。これ以外にも、例えば、ローラを備えていないタペットが用いられてもよい。
また、プランジャバレル12のシリンダ12aの上方開口部には燃料吐出弁22が配置されるとともに、プランジャバレル12のシリンダ12aから横方向に延びる燃料吸入路12bを介して、燃料吸入弁20が配置されている。
また、プランジャバレル12のシリンダ12aの一部は、プランジャ13と燃料吐出弁22とによって画成され、加圧室14が形成されている。そして、プランジャ13の下降時に発生する負圧によって燃料吸入弁20が開かれ、燃料吸入路12bを介して低圧燃料が加圧室14に供給される一方、プランジャ13の上昇時には燃料吸入弁20が閉じられるとともに加圧室14内の燃料が加圧され、燃料吐出弁22が開かれることによって、燃料が下流側のコモンレールに圧送される。
また、プランジャバレル12のシリンダ12aの一部は、プランジャ13と燃料吐出弁22とによって画成され、加圧室14が形成されている。そして、プランジャ13の下降時に発生する負圧によって燃料吸入弁20が開かれ、燃料吸入路12bを介して低圧燃料が加圧室14に供給される一方、プランジャ13の上昇時には燃料吸入弁20が閉じられるとともに加圧室14内の燃料が加圧され、燃料吐出弁22が開かれることによって、燃料が下流側のコモンレールに圧送される。
加圧室14の側方側に配置された燃料吸入弁20は、バルブボディ33と、一端側につば部35aを有するとともにバルブボディ33に摺動可能に保持された弁体35と、弁体35を閉弁方向に付勢するバルブスプリング41と、弁体35におけるつば部35aが設けられた端部とは反対側の端部付近に固定され、バルブスプリング41の一端を受けるスプリングシート37とを備えている。この燃料吸入弁20は、プラグホルダ31の締付け力によってプランジャバレル12に固定されており、バルブスプリング41の付勢力によって閉じられる一方、プランジャ13の下降に伴い加圧室14内に発生する負圧によって開かれて、低圧燃料を加圧室14に供給する。
このように、燃料吸入弁20は、加圧室14内での燃料加圧時に閉じられるとともに、バルブボディ33とプランジャバレル12との間を、プラグホルダ31の締付け力によって作用する面圧によってシールし、燃料漏れを防止している。そのため、プラグホルダ31の締付け力は比較的大きくされている。
したがって、本実施形態の燃料供給ポンプ1では、燃料吸入弁20が、燃料吸入路12bを通じてシリンダ12aの軸方向に対して側方側に配置されており、プラグホルダ31の締付け力がシリンダ12aの軸方向に作用することがないようにされ、シリンダ12aの内周に生じる応力の軽減が図られている。
したがって、本実施形態の燃料供給ポンプ1では、燃料吸入弁20が、燃料吸入路12bを通じてシリンダ12aの軸方向に対して側方側に配置されており、プラグホルダ31の締付け力がシリンダ12aの軸方向に作用することがないようにされ、シリンダ12aの内周に生じる応力の軽減が図られている。
2.燃料吐出弁
次に、本実施形態の燃料供給ポンプ1に備えられた燃料吐出弁22の構成について図3を参照しながら詳細に説明する。
図3は、図2中において円Aで囲われた燃料吐出弁22周辺を拡大して示す拡大図である。この図3に示すように、本実施形態の燃料供給ポンプに備えられた燃料吐出弁22は、摺動部51a及びシート部51bを有するデリバリバルブ型の弁体51と、弁体51を閉弁方向に付勢するバルブスプリング53と、バルブスプリング53の端部のうち弁体51に係止される端部とは反対側の端部を押さえるスプリング押え部55と、スプリング押え部55を保持しプランジャバレル12に固定するプラグホルダ57とを備えている。
次に、本実施形態の燃料供給ポンプ1に備えられた燃料吐出弁22の構成について図3を参照しながら詳細に説明する。
図3は、図2中において円Aで囲われた燃料吐出弁22周辺を拡大して示す拡大図である。この図3に示すように、本実施形態の燃料供給ポンプに備えられた燃料吐出弁22は、摺動部51a及びシート部51bを有するデリバリバルブ型の弁体51と、弁体51を閉弁方向に付勢するバルブスプリング53と、バルブスプリング53の端部のうち弁体51に係止される端部とは反対側の端部を押さえるスプリング押え部55と、スプリング押え部55を保持しプランジャバレル12に固定するプラグホルダ57とを備えている。
この燃料吐出弁22は、プランジャバレル12のシリンダ12aの上方開口部61に配置されている。図3に示すプランジャバレル12の上方開口部61は、直径が4段階に変化する段付きの開口部であり、加圧室14から遠ざかるにつれて直径が大きくなっている。このうち、加圧室14に二番目に近い第2開口部61bは弁体51が摺動保持され、最も加圧室14に近い第1開口部61aとの境界の段差部63が、弁体51のシート部51bがシートされるシート面として構成されている。すなわち、本実施形態の燃料吐出弁22では、上方開口部61の第1開口部61aが、第2開口部61bよりも相対的に直径が小さい加圧室14側の小径部に相当し、第2開口部61bが、加圧室14とは反対側に形成された大径部に相当し、これらの第1開口部61a及び第2開口部61bをつなぐ段差部63がシート面となっている。また、弁体51の摺動部51aは、外周面に複数の燃料通過溝58が形成され、それぞれの燃料通過溝58の間の部位が、第2開口部61bの内周面と摺動する摺動面59として構成されている。
また、最も加圧室14から離れた最上部にある第4開口部61dの内周面にはネジ溝が形成されており、プラグホルダ57が螺合されている。そして、プラグホルダ57に保持されたスプリング押え部55と弁体51との間に係止されたバルブスプリング53は、加圧室14に三番目に近い第3開口部61c内に位置している。
プラグホルダ57には、スプリング押え部55を保持する大径開口部57aと、当該大径開口部57aと連続して形成されるとともにプランジャバレル12の外部に通じる小径開口部57bとが形成されている。また、スプリング押え部55には内部通路55aと、当該内部通路55aとスプリング押え部55の外周面とをつなぐ連通路55bとが形成されている。このスプリング押え部55がプラグホルダ57の大径開口部57aに収容されることにより、連通路55bが設けられた領域のスプリング押え部55の周囲に空間Sが形成されるとともに、スプリング押え部55の内部通路55aとプラグホルダ57の小径開口部57bとが連通する。
プラグホルダ57には、スプリング押え部55を保持する大径開口部57aと、当該大径開口部57aと連続して形成されるとともにプランジャバレル12の外部に通じる小径開口部57bとが形成されている。また、スプリング押え部55には内部通路55aと、当該内部通路55aとスプリング押え部55の外周面とをつなぐ連通路55bとが形成されている。このスプリング押え部55がプラグホルダ57の大径開口部57aに収容されることにより、連通路55bが設けられた領域のスプリング押え部55の周囲に空間Sが形成されるとともに、スプリング押え部55の内部通路55aとプラグホルダ57の小径開口部57bとが連通する。
このようにしてプランジャバレル12に装着された燃料吐出弁22においては、バルブスプリング53の付勢力によって弁体51のシート部51bが、常時、第1開口部61aと第2開口部61bとの間の段差部63にシートされて閉弁されている。そして、加圧室14内の燃料が加圧され、バルブスプリング53の付勢力とコモンレール内の圧力との和を上回ったときに弁体51がリフトして開弁されることによって、高圧燃料が第1開口部61aを通過するとともに、第2開口部61b内の弁体51に設けられた燃料通過溝58を通過する。その後、高圧燃料は、さらに第3開口部61cを介して、スプリング押え部55の通過路55bに流れ込み、スプリング押え部55の内部通路55a及びプラグホルダ57の小径開口部57bを通過して外部に吐出される。すなわち、上方開口部61のうちの第1開口部61a〜第3開口部61cが燃料吐出路としての機能を有している。
この図3に示すように、本実施形態の燃料供給ポンプに備えられた燃料吐出弁22の弁体51は、シート部51bが摺動部51aよりも加圧室14側に配置されている。したがって、燃料吐出路としての第1開口部61a〜第3開口部61cのうち、弁体51のシート部51bがシートされる段差部63よりも加圧室14側にあるとともに、加圧される燃料が収容される空間となる第1開口部61aの形態を設計するにあたって、弁体51の摺動部51aの形態を考慮する必要がない。そのため、第1開口部61aの長さを従来よりも短く構成できるとともに、第1開口部61aの直径を従来よりも小さく構成することができる。その結果、加圧される燃料が収容される空間の容積が必要以上に大きくなることが防止され、燃料の圧縮効率の向上が図られる。
具体的には、図4(a)に示すように、従来のデリバリバルブ型の弁体451を用いた燃料吐出弁422の場合、弁体451の摺動部451aがシート部451bよりも加圧室414側にあり、弁体451のシート部451bがシートされるシート面463よりも加圧室414側の燃料吐出路461aに弁体451の摺動部451aが配置されている。このように構成した場合には、燃料吐出路461aの長さh2が弁体451の摺動部451aの長さh1よりも長く構成されるとともに、燃料吐出路461aの直径d2が弁体451の摺動部451aの直径d1以上になるように構成されることが必要となる。
したがって、加圧室414に連通する燃料吐出路461aの容積が比較的大きくなり、加圧される燃料が収容される空間の容積が大きくなりやすく、圧縮効率が低下する要因となっている。
したがって、加圧室414に連通する燃料吐出路461aの容積が比較的大きくなり、加圧される燃料が収容される空間の容積が大きくなりやすく、圧縮効率が低下する要因となっている。
これに対し、本実施形態の燃料吐出弁22の場合には、図4(b)に示すように、燃料吐出路としての第1開口部61aの長さh3を弁体51の摺動部51aの長さh1よりも短く構成することもでき、また、第1開口部61aの直径d3を弁体51の摺動部51aの直径d1よりも小さく構成することもできる。
したがって、加圧される燃料が収容される空間の容積が、図4(a)の場合と較べて相対的に小さくされるため、燃料の圧縮効率の向上が図られる。また、第1開口部61aの直径が図4(a)の場合と較べて小さくされているために、加圧室14に臨む第1開口部61aのエッジに作用する応力が低減され、燃料供給ポンプ1の耐久性の向上が図られている。
したがって、加圧される燃料が収容される空間の容積が、図4(a)の場合と較べて相対的に小さくされるため、燃料の圧縮効率の向上が図られる。また、第1開口部61aの直径が図4(a)の場合と較べて小さくされているために、加圧室14に臨む第1開口部61aのエッジに作用する応力が低減され、燃料供給ポンプ1の耐久性の向上が図られている。
1:燃料供給ポンプ、3:低圧フィードポンプ、5:流量制御弁、10:高圧ポンプ部、11:ポンプハウジング、11a:円柱空間、11b:カム室、12:プランジャバレル、12a:シリンダ、12b:燃料吸入路、13:プランジャ、14:加圧室、15:プランジャスプリング、16:タペット本体部、16a:摺動面、16b:ローラ保持部、17:ローラ、18:タペット構造体、19:スプリングシート、20:燃料吸入弁、21:カム、22:燃料吐出弁、23:カムシャフト、31:プラグホルダ、33:バルブボディ、35:弁体、35a:つば部、37:スプリングシート、41:バルブスプリング、51:弁体、51a:摺動部、51b:シート部、53:バルブスプリング、55:スプリング押え部、55a:内部通路、55b:連通路、57:プラグホルダ、57a:大径開口部、57b:小径開口部、58:燃料通過溝、59:摺動面、61:上方開口部、61a:第1開口部、61b:第2開口部、61c:第3開口部、61d:第4開口部、63:段差部、91:燃料タンク、93:コモンレール、95:燃料噴射弁、97:燃料還流路
Claims (3)
- 加圧室に吸入した燃料を高圧化して内燃機関の燃料噴射部が接続されたコモンレールに圧送する燃料供給ポンプにおいて、
前記燃料供給ポンプは、前記加圧室で高圧化された高圧燃料を前記コモンレール側に吐出する燃料吐出弁を備え、
前記燃料吐出弁は、前記加圧室に連通する燃料吐出路の内面と摺動する摺動部及び前記燃料吐出路の内面に設けられたシート面にシートされるシート部を有する弁体と、前記弁体を閉弁方向に付勢する付勢手段と、を備えるとともに、前記付勢手段の付勢力によって閉弁される一方、前記高圧燃料の圧力が前記付勢手段の付勢力と前記コモンレール内の圧力との和を上回ったときに開弁されるようになっており、
前記シート部が前記摺動部よりも前記加圧室側に配置されることを特徴とする燃料供給ポンプ。 - 前記燃料吐出路における前記シート面から前記加圧室までの距離が、前記燃料吐出弁の前記摺動部の軸方向長さよりも短くされることを特徴とする請求項1に記載の燃料供給ポンプ。
- 前記燃料吐出路は、前記加圧室側に形成された小径部と、前記小径部と連通し前記加圧室側とは反対側に形成された大径部と、を有し、前記シート面が前記小径部及び前記大径部をつなぐ段差部からなるとともに、前記摺動部が前記大径部内を摺動することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料供給ポンプ。
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- 2008-11-07 JP JP2008286717A patent/JP2010112303A/ja active Pending
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