JP2010071266A - 高圧燃料供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高圧燃料ポンプから戻される燃料により低圧燃料通路に生じる燃圧脈動を抑制する燃料ダンパの耐久性を維持しつつ低圧燃料通路に生じる燃圧脈動を抑制させる高圧燃料供給装置を提供する。
【解決手段】内燃機関の燃料系には、燃料噴射系と同燃料噴射系に高圧燃料を供給する燃料供給装置とが設けられ、同燃料供給装置では低圧燃料通路16を介して高圧燃料供給装置19に供給(順流)された燃料10が加圧される。高圧燃料供給装置19には、燃料10を加圧する高圧燃料ポンプ20と、高圧燃料ポンプ20側から低圧燃料通路16への燃料10の戻り(逆流)を規制する逆止弁25と、逆止弁25と高圧燃料ポンプ20との間において燃料10の圧力である燃料圧力P1の脈動を抑制するパルセーションダンパ26とが設けられている。すなわち逆流される燃料10は逆止弁25にて最小設定値の量だけが低圧燃料通路16へ戻されるように規制される。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の高圧燃料供給装置に関し、特に高圧燃料ポンプにより加圧した燃料を燃料噴射系に圧送する高圧燃料供給装置に関する。
筒内噴射式の内燃機関に適用される高圧燃料供給装置においては、筒内へ噴射される燃料が高圧燃料ポンプにより加圧されて燃料噴射系に圧送される。このような高圧燃料供給装置には、図8に示されるように、クランク軸87の回転に連動するプランジャ83がシリンダ81に形成された加圧室84へ進入及び後退することにより加圧室84の容積を変化させる、いわゆるプランジャ式の高圧燃料ポンプが採用されている。すなわちプランジャ式の高圧燃料ポンプは、前述のような加圧室84の容積の変化により加圧室84への燃料の導入と加圧室84からの燃料の圧送とを順に繰り返すようになっている。
こうしたプランジャ式の高圧燃料ポンプには、上記加圧室84と燃料タンクとの間における燃料10の流通を許可及び禁止することにより加圧室84における燃料の圧力を調整する燃料圧力制御弁としてのスピル弁91が設けられている。そして上記プランジャ83が加圧室84から後退する工程である吸入工程では、上記スピル弁91が開弁することにより、フードポンプ71によってフィード圧に加圧された燃料10が低圧燃料通路72から加圧室84へ吸入される。また、プランジャ83が加圧室84へ進入する工程である加圧工程では、上記スピル弁91が閉弁することにより、加圧室84内の燃料が加圧されて加圧室84から吐出通路92を通じて燃料噴射弁へ圧送される。
ところで、上述する加圧工程にあっては、加圧室84からの圧送量を調整するために、要求される圧送量に応じたタイミングになるまでは上記スピル弁91が開弁し続けるように制御される。すなわち、加圧工程における加圧室84の燃料は、同加圧室84へのプランジャ83の進入を受けて加圧されるものの、上記スピル弁91が開弁している期間にあっては、同スピル弁91を通して再び低圧燃料通路72へと押し戻されることになり、こうした燃料の押し戻しによって圧送量が調量されるようになっている。
一方、加圧室84の燃料10が低圧燃料通路72へと押し戻される態様では、例えば燃料ダンパを有している構成であれ、燃料10が押し戻される度に、低圧燃料通路72の圧力である燃圧P10が大きく変化してしまう。すなわち、低圧燃料通路72の燃圧P10が加圧工程の度に変化してしまい、こうした燃圧脈動に基づく振動が低圧燃料通路72から車体へと伝達されて、車室内に騒音を生じさせてしまう。そこで、低圧燃料通路の燃圧脈動が抑制されるような高圧燃料供給装置の一つとして特許文献1に記載のような高圧燃料供給装置が提案されている。なお説明の便宜上、図8と同様の部材には同図8の符号を付して説明する。
特許文献1に記載の高圧燃料供給装置は、低圧燃料通路72と燃料ダンパとしてのスプリングダンパ74との間に逆止弁を設け、加圧工程において加圧室84から押し戻される燃料10のすべてがスプリングダンパ74に収容されるように構成されている。こうした構成からなる高圧燃料装置であれば、低圧燃料通路72内への燃料10の逆流を抑えることができるために、低圧燃料通路72内における燃圧脈動を抑えることができる。
また近年における高圧燃料供給装置にあっては、上述するスプリングダンパに代えて同スプリングダンパよりも簡易かつ小型に構成されたパルセーションダンパを上記燃料ダンパとして用いる場合も多い。特許文献2に記載の高圧燃料供給装置では、高圧燃料ポンプ
の加圧室84と低圧燃料通路72との間の燃料ダンパとして、燃料10が収容される燃料室の容積をダンパ部であるダイヤフラムの弾性変化により変化させるパルセーションダンパがその高圧燃料ポンプに一体的に設けられている。
特開平10−238437号公報 特開2008−19728号公報
一方、特許文献1に記載するような高圧燃料供給装置では、低圧燃料通路に発生する燃圧脈動を上記のように抑制することができるものの、加圧室から押し戻される燃料のすべてが燃料ダンパに収容されるために以下のような問題を招いてしまう。図9は、こうした高圧燃料供給装置の加圧工程と吸入工程とにおいて生じる低圧燃料通路の燃圧変動及び燃料ダンパの燃圧変動を示す図である。
図9に示されるように、加圧工程における高圧燃料供給装置にあっては、加圧室から押し戻される燃料のすべてが上述する燃料ダンパに収容されて、これにより低圧燃料通路の燃圧P10(破線)がフィード圧Pfからほとんど変化しなくなる。他方、加圧室から押し戻される燃料10のすべてが燃料ダンパに収容されるために、燃料ダンパの燃圧P11(実線)は、フィード圧Pfに対して負荷圧ΔPd0だけ一旦増加して、そのダンパ部が変位することにより再びフィード圧Pfに戻る。すなわち、燃料ダンパの可動部(ダンパ部)においては、加圧室から押し戻される燃料10のすべてを加圧工程の度に収容するために、こうした燃料の収容に伴う負荷圧ΔPd0に応じた変動が加圧工程を実行する度に生じることになる。この結果、上述するような変動がダンパ部の疲労として燃料ダンパに蓄積され続けてしまい、燃料ダンパそのものの耐久性を早期に低下させてしまうことになる。
また特許文献2に記載のように、燃料ダンパとしてパルセーションダンパを用いた場合であれ、加圧室84から押し戻される燃料10の流入に応答して大きく変動されるダイヤフラムにはその大きな変動に応じた大きな疲労が蓄積されて、やはりパルセーションダンパとしてはその耐久性が早期に低下される。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、高圧燃料ポンプから戻される燃料により低圧燃料通路に生じる燃圧脈動を抑制する燃料ダンパの耐久性を維持しつつ低圧燃料通路に生じる燃圧脈動を抑制させる高圧燃料供給装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、加圧室の容積が増加及び減少する高圧燃料ポンプと、燃料タンクからの燃料を前記高圧燃料ポンプに供給する低圧燃料通路と、前記加圧室と前記低圧燃料通路との間で燃料の流通を許可及び禁止するスピル弁と、
前記スピル弁と前記低圧燃料通路との間で燃料の圧力に生じる変動である燃圧変動を抑制する燃料ダンパとを備え、前記加圧室の容積が増加するときに前記流通を許可して前記加圧室に燃料を吸入し、前記加圧室の容積が減少するときに前記流通を許可及び禁止して前記加圧室からの燃料の圧送量を調整可能にする高圧燃料供給装置であって、前記燃料ダンパと前記低圧燃料通路との間に設けられて、前記加圧室の容積が増加することによる前記低圧燃料通路から前記加圧室への燃料の流れである順流と、前記加圧室の容積が減少することによる前記加圧室から前記低圧燃料通路への燃料の流れである逆流とを可能にして、かつ前記逆流の流量を前記順流の流量よりも低く規制する逆止弁を備えたことをその要旨とする。
このような構造によれば、逆止弁は燃料の逆流を順流よりも低い流量に規制するものの、その逆流を禁止しない。これにより、例えばスピル弁が開弁されているときに加圧室の容積が減少されることなどにより燃料が逆流されるときであれ、逆流された燃料は逆止弁を通り低圧燃料通路に戻される。このとき低圧燃料通路は、逆止弁に規制された少量の燃料が戻されて小さな燃圧変動を生じるが、逆止弁による規制のない場合と比較すると、燃料が逆流されるたびに生じる燃圧脈動が抑制されるようになる。一方、逆止弁の規制により低圧燃料通路に戻ることのできない燃料は、加圧室から逆流された量より低圧燃料通路に戻される分だけ少ない量が燃料ダンパに一時的に収容されその燃圧変動が減衰される。燃料ダンパは、燃料の収容により燃圧変動を減衰させるとともに、そこに収容される燃料が少なくされる分だけ収容量に応じて可動されるダイヤフラムなどの可動部に生じる弾性変形の大きさが小さくされ、同変形に応じて同可動部に生じる疲労の累積が少なくされるようになり耐久性が向上される。このことにより高圧燃料供給装置としての耐久性が向上されるとともに信頼性も高められるようになる。
また、燃料ダンパは、そこへ収容される燃料が低圧燃料通路に戻される燃料の分だけ少なくされることから小型化されるようになる。さらに、逆止弁を高圧燃料ポンプに配設することもできるため、こうした構成であれば高圧燃料供給装置そのものの小型化が容易とされる。また、例えば低圧燃料通路の燃圧脈動により噴射量が変動されるなどの影響を受けやすいポート噴射式を併せて有する燃料噴射系であれば、低圧燃料通路の燃圧脈動が低減されることにより、共通の低圧燃料通路から燃料供給ができるようにもなる。このことにより、燃料系としては筒内噴射用とポート噴射用とに別個の低圧燃料通路を設ける必要が無くなり、その構造の簡単化や小型化が促進されるようになる。
請求項2に記載の発明は、前記逆止弁が、前記燃料の流れに沿って移動して、前記順流を受けることにより流路面積を拡張し、前記逆流を受けることにより前記流路面積を縮小する弁体を備えたことをその要旨とする。
このような構造によれば、燃料の順流及び逆流に応じて移動する弁体により同順流の許可及び逆流の規制とが実現できることから、簡単な構造により逆止弁が形成されるようになり、高圧燃料供給装置としてもその構造が簡単とされる。
請求項3に記載の発明は、前記逆止弁が、前記弁体を格納可能にする格納通路と、前記格納通路の流路面積よりも小さい流路面積を有して前記格納通路に対して前記燃料が逆流する方向に連結された絞り通路とを備え、前記順流を受ける前記弁体が前記絞り通路から後退することにより前記流路面積を拡張し、前記逆流を受ける前記弁体が前記絞り通路へ進入することにより前記流路面積を縮小することをその要旨とする。
このような構造によれば、簡単な構造の逆止弁により燃料の順流、逆流に応じた燃料の流通及び規制が行なわれるようになる。
請求項4に記載の発明は、前記燃料が逆流する方向へ前記弁体を付勢する第1弾性部材を備えたことをその要旨とする。
このような構成によれば、弁体に対する付勢力を弾性部材により設定することができ、逆止弁における流量や同流量の変更時期などが、燃料の流体力に加えて、弾性部材の弾性力により設定可能になる。それゆえ、逆流した燃料が低圧燃料通路に戻される量と燃料ダンパに収容される量とのバランスを調整することもでき、低圧燃料通路に生じさせる燃圧変動及び燃圧脈動の大きさ、燃料ダンパに収容させる燃料の量を調整することができるようにもなる。ひいては高圧燃料供給装置の用途を広げることができる。
請求項5に記載の発明は、前記燃料が順流する方向へ前記弁体を付勢する第2弾性部材を備え、前記第1弾性部材による付勢力と第2弾性部材による付勢力との合力により前記燃料が逆流する方向へ前記弁体を付勢することをその要旨とする。
このような構成によれば、燃料が逆流する向きへの付勢力と燃料が順流する向きへの付勢力との合力により、逆止弁における流量や同流量の変更時期などが設定可能になる。それゆえ、流量規制に関わる設定をより細かく実現することが可能になり、逆流された燃料の低圧燃料通路に戻る量と燃料ダンパに収容される量とのバランスがよりこまかく調整できるようになる。これにより、低圧燃料通路に生じさせる燃圧変動や燃圧脈動の大きさ、燃料ダンパに収容させる燃料の量をより細かく調整することができるようになる。これにより高圧燃料供給装置の用途をさらに広げることができる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図7に従って説明する。図1は、内燃機関の燃料系についてその構成の概略を模式的に示した図である。
図1に示されるように、内燃機関1には、その気筒毎に設けられた複数の燃料噴射弁11と、複数の燃料噴射弁11のそれぞれに高圧燃料を分配供給する共通の高圧燃料配管であるデリバリパイプ12と、デリバリパイプ12に高圧燃料を供給する燃料供給系13とが設けられている。本実施形態では、これら複数の燃料噴射弁11とデリバリパイプ12とにより燃料噴射系が構成されている。各燃料噴射弁11は、対応する気筒の燃焼室にデリバリパイプ12からの高圧燃料を噴射して燃焼室内の空気と燃料とを混合させた混合気を生成する。
燃料供給系13に設けられた燃料タンク14には、同燃料タンク14内の燃料10を吸入して燃料10を所定の圧力にして吐出する低圧燃料ポンプ15が備えられており、該低圧燃料ポンプ15の出口には低圧燃料ポンプ15からの燃料を高圧燃料供給装置19へ供給するための燃料通路である低圧燃料通路16が接続されている。低圧燃料通路16の途中には、その燃料圧力P0を一定の圧力であるフィード圧に調圧するプレッシャレギュレータ17が備えられている。
低圧燃料通路16とデリバリパイプ12との間には、低圧燃料ポンプ15からの燃料10を加圧する前記高圧燃料供給装置19と、該高圧燃料供給装置19で加圧された高圧の燃料10をデリバリパイプ12へ供給する高圧燃料通路21とが備えられている。またデリバリパイプ12と燃料タンク14との間には、該デリバリパイプ12の燃料10が所定の噴射圧を超えるときに開弁するリリーフ弁22と、デリバリパイプ12の燃料10を噴射圧に維持すべく該リリーフ弁22を通してデリバリパイプ12内の余剰燃料を燃料タンク14へ戻すリリーフ通路23とが備えられている。
なお本実施形態では、この燃料系において燃料タンク14側を上流側、燃料噴射弁11側を下流側とし、燃料タンク14から燃料噴射弁11の方向への燃料の流れを順流、燃料噴射弁11から燃料タンク14の方向への燃料の流れを逆流とする。
高圧燃料供給装置19には、吸入した燃料10を加圧して高圧燃料通路21に吐出する高圧燃料ポンプ20が設けられている。また、高圧燃料ポンプ20と低圧燃料通路16との間には、低圧燃料通路16に接続されており高圧燃料ポンプ20側から低圧燃料通路16への燃料10の戻り(逆流)を規制する逆止弁25と、逆止弁25と高圧燃料ポンプ20との間において燃料10の圧力である燃料圧力P1の脈動を抑制するパルセーションダンパ26とが設けられている。
次に、上記高圧燃料供給装置19について図2〜図6を参照して以下に説明する。図2
は高圧燃料供給装置19を構成する逆止弁25、パルセーションダンパ26及び高圧燃料ポンプ20の断面構造を示す側断面図であり、図3は逆止弁25を上下流方向(図において右側が下流、左側が上流)に切断したときの一部断面構造を示す図であり、図4は、図3の4−4線断面図であり、図5は、図3の5−5線断面図である。
図2に示されるように、高圧燃料供給装置19における高圧燃料ポンプ20のシリンダ41には、上記逆止弁25及びパルセーションダンパ26が一体に設けられている。高圧燃料ポンプ20のシリンダ41には、その下面から上方に延びる円形孔42と、該円形孔42の上端から上方に拡がるプランジャ室43とが形成されており、その円形孔42には円柱状のプランジャ44が上下動可能に挿入されている。プランジャ44の上側部は、該プランジャ44が上動及び下動するときにプランジャ室43に進入及び後退するように配置されており、このプランジャ44の上側部とプランジャ室43とにより区画された加圧室の容積を減少及び増加させる。プランジャ44の下側部は、円形孔42の下端である開口を通り下方に突出するように配置されている。円形孔42の開口近傍には、該円形孔42の内面に沿うリング形状のシール部材45が嵌入されており、該シール部材45の内側にはプランジャ44が上下動可能に圧入されている。そして、プランジャ44の外周面と円形孔42の内周面との間がこのシール部材45でシールされることにより円形孔42の開口が封止されている。
シリンダ41の下部には、円形孔42の開口部を囲む円筒形状のリフタガイド51が下方に延出されており、そのリフタガイド51の内部には有底円筒形状のリフタ52が上下動可能に嵌合されている。リフタ52の内部には、プランジャ44の下端がそれに嵌合するリテーナ53とともに収容されており、そのリテーナ53とシリンダ41との間には該リテーナ53をリフタ52の内底面52aへ付勢するばね54が挟入されている。リフタ52の外底面52bには、カムシャフト56に連結された駆動カム57のカム面が摺接するようになっており、このカムシャフト56は内燃機関が有する図示しないクランク軸に連動して同クランク軸の回転数に対して例えば1/2の回転数で回転する。
こうした構成では、クランク軸の回転に同期して駆動カム57が回転位置R1から回転位置R2へ回動するとき、リフタ52の外底面52bが上記ばね54の付勢に抗した押圧力を駆動カム57から受けて上動し、プランジャ44が上下方向に変位する量であるプランジャリフト量が増大するようになる。この間、プランジャ44の上側部がプランジャ室43に進入し続けるために、プランジャ室43においてはプランジャ44が進入する分だけ燃料10で占められる容積である加圧室の容積が縮小する。このためプランジャ室43の内部には上記フィード圧よりも高い圧である正圧がプランジャ44の進入量に応じて形成されるようになる。本実施形態においては、上述のようにプランジャ44の上端がプランジャ室43へ進入する工程を、加圧工程という。
これに対して、駆動カム57が回転位置R2から回転位置R3へ回動するとき、リフタ52の外底面52bは上記ばね54の付勢に従って下動して、上記プランジャリフト量が減少するようになる。この間、プランジャ44の上側部がプランジャ室43から後退し続けるために、プランジャ室43においてはプランジャ44が後退する分だけ燃料10で占められる容積である加圧室の容積が拡大する。このため、プランジャ室43の内部には上記フィード圧よりも低い圧力である負圧がプランジャ44の後退量に応じて形成されるようになる。本実施形態においては、上述のようにプランジャ44の上端がプランジャ室43から後退する工程を、吸入工程という。
プランジャ室43の一側(図2において左側)には、該プランジャ室43とパルセーションダンパ26との間を連通するプランジャ通路61が形成されており、該プランジャ通路61の途中にはプランジャ通路61を連通状態と非連通状態とに切替える切替えバルブ
(電磁スピル弁62)が設けられている。電磁スピル弁62は、その弁体62aを閉弁位置と開弁位置との間で移動させるためのコイルを有し、そのコイルが非通電状態であるときに弁体62aを開弁位置に配置してプランジャ通路61を連通状態にする。また、電磁スピル弁62は、図示しない電子制御装置からの指令により同コイルが通電状態であるときに弁体62aを閉弁位置に配置してプランジャ通路61を非連通状態にする。
本実施形態においては、弁体62aが開弁位置に配置されプランジャ通路61が連通状態にされているとき電磁スピル弁62が開弁されているといい、弁体62aが閉弁位置に配置されプランジャ通路61が非連通状態にされているとき電磁スピル弁62が閉弁されているという。そして、加圧工程において電磁スピル弁62が開弁されており加圧室の容積の縮小に応じた燃料10が加圧室から上流側に戻される工程を、戻し過程といい、加圧工程において電磁スピル弁62が閉弁されており加圧室の容積の縮小に応じた燃料が加圧室から下流側に圧送される工程を、圧送過程という。
プランジャ室43を挟んで電磁スピル弁62の反対側には、そのプランジャ室43と高圧燃料通路21との間を連通する吐出通路65が形成されている。吐出通路65には、その出力端に高圧燃料通路21から吐出通路65への燃料10の逆流を規制するとともに、吐出通路65内の燃料圧力が所定の吐出圧以上に高くなった際に開弁するチェック弁66が設けられている。チェック弁66は、プランジャ室43にて加圧された燃料から受ける力により開弁されて加圧された燃料10を高圧燃料通路21に吐出する。
パルセーションダンパ26には、その内部の空間を2つに区画するダイヤフラム26Dが備えられ、そのダイヤフラム26Dにより区画された一方の空間に大気圧よりも高圧の状態の不活性ガスなどが封入されている気体室26aと、他方の空間に燃料10を収容する燃料室26bとが形成されている。燃料室26bは、その上流側に逆止弁25が接続され、その下流側に高圧燃料ポンプ20が接続されており、低圧燃料通路16から流入した燃料10が高圧燃料ポンプ20に供給されるようになっている。一方、高圧燃料ポンプ20から低圧燃料通路16に燃料10が戻される場合にもその燃料10は燃料室26bを通り戻されるようになっている。ダイヤフラム26Dは、気体室26aと燃料室26bとの間において、その形状が弾性変形されることにより気体室26a側もしくは燃料室26b側に移動されるようになっており、気体室26a側へ変形されるときには燃料室26bの容量を増加させ、燃料室26b側へ変形されるときには燃料室26bの容量を減少させる。
例えばダイヤフラム26Dは、燃料室26bに燃圧の高い燃料10が収容されるときには気体室26a側に弾性変形されて燃料室26bの容量を拡大させる。また、燃料室26bに燃圧の低い燃料10が収容されるときには燃料室26b側に弾性変形されて燃料室26bの容量を減少させる。すなわち、パルセーションダンパ26は、燃料室26bの燃料10の燃圧の変化に伴い燃料室26bの収容量を変化させるべくダイヤフラム26Dが弾性変形することにより燃料10に生じる圧力変動を抑制する。
なお、ダイヤフラム26Dは弾性変形の可能な薄い金属板などの部材から形成されており、このような部材には弾性変形の繰り返しによる磨耗や疲労が蓄積されるようになることから、燃料10の収容量の変動にともない繰り返されるその変形によりその耐久性が低下される。またダイヤフラム26Dは、その耐久性が変形回数に応じて低下するとともに変形量が大きいほど大きな度合いで低下するものであることから、本実施形態のように変形回数や変形量を減少させることによりその耐久性が維持されるようになる。すなわち、パルセーションダンパ26としては、ダイヤフラム26Dの耐久性が維持されるようになることでその耐久性が維持されるようになる。
図3に示されるように、逆止弁25は、燃料10が流通する通路である燃料通路を有した円筒形状の筐体部30と、同燃料通路を上下流方向に移動可能に配設される弁体31とを有し構成されている。筐体部30における上流側端部には、前記低圧燃料通路16に連結される内径φAの絞り通路30aが形成されており、また筐体部30における下流側端部には、前記パルセーションダンパ26に連結される出口通路30bが形成されている。これら絞り通路30aと出口通路30bとの間である筐体部30の中央部には、それら通路30a,30bの内径よりも大きい内径を有する格納通路30hが形成されている。すなわち筐体部30の燃料通路は、上流側端部から下流側端部へ向けて、絞り通路30a、格納通路30h、出口通路30bが順に連結されることにより構成されている。そして格納通路30hには前記弁体31が同格納通路30hを上下流方向に移動可能に配設されている。
図3及び図4に示されるように、弁体31は、上下流方向から見て八角柱状を呈し格納通路30hの内周面と摺接可能な外周面を有する摺動部33と、該摺動部33の上流側に凸設された円柱状の凸部35とを有している。摺動部33の外周面は、格納通路30hの内周と上下流方向に沿って摺接する4つの摺接面33aと、格納通路30hの内周面から離間する4つの通路面33bとにより構成されている。なお本実施形態における摺動部33の外周面には、格納通路30hの周方向において4つの摺接面33aが等配されるかたちで形成されており、隣合う2つの摺接面33aの間にそれぞれ通路面33bが形成されている。こうした構成からなる摺動部33は、その摺接面33aが格納通路30hの内周面を摺動することにより上下流方向への移動が可能とされるとともに、その通路面33bと格納通路30hの内周面との間に形成される空間により、格納通路30h内における燃料10の流路を確保している。図3及び図5に示されるように、弁体31の凸部35は、絞り通路30aの内径φAよりも小さい外径φBを有して先細りの円柱形状に形成されており、その先端には傾斜面35sを介してさらに小さい外径とされる先端部35aが形成されている。
こうした構造からなる凸部35を有した弁体31の位置と燃料通路における上流側の開口面積との関係を図6に示す。なお、図6においては、本実施形態の逆止弁25における開口面積の変化を面積変化曲線CV1として実線で示し、比較例である開口面積の変化を面積変化曲線CV0としてそれぞれ短破線で示す。
図6に示されるように、先端部35aの移動範囲のなかで最も下流側の位置である弁位置S1(図3の実線位置)に先端部35aが位置するとき、絞り通路30aの開口には、最も大きい開口面積が最大値として形成される。一方、先端部35aの移動範囲のなかで最も上流側の位置である弁位置S4(図3の2点鎖線位置)に弁体31が位置するとき、絞り通路30aの開口には、絞り通路30aの内周と凸部35の外周35fとの間の距離である幅Δabのリング状通路が形成されて、最も小さい開口面積が最小設定値として形成される。また、先端部35aが絞り通路30aの開口にかかる位置である弁位置S2から凸部35の外周35fが絞り通路30aの開口にかかる位置である弁位置S3までの間においては、絞り通路30aの開口面積は最大値から最小設定値までの間において変化されるようになっている。ちなみに通常の逆止弁においては、弁体が着座したときには開口面積が「0」とされるので、例えば開口面積は面積変化曲線CV0に示されるように変化される。
そして、本実施形態の弁体31の先端部35aが弁位置S1にある場合には、逆止弁25における燃料流路として、絞り通路30aと、格納通路30hの内周面と通路面33bとの間に形成される通路と、出口通路30bとからなる流路が確保され、こうして構成される流路により燃料10の十分な流通が確保される。なお本実施形態では、先端部35aが弁位置S1にある弁体31は図示しないストッパによりその弁位置S1よりも下流側に
は移動しないようになっており、弁体31の摺動部33は出口通路30bから充分に離間されて摺動部33と出口通路30bとにより燃料10の流量が規制されないようになっている。
また、本実施形態の弁体31の先端部35aが弁位置S4にある場合には、逆止弁25における燃料通路として、前記リング状通路と、格納通路30hの内周面と通路面33bとの間に形成される通路と、出口通路30bとからなる流路が確保され、こうして構成される流路により、その流量が規制された状態で燃料10の流通が確保される。なお本実施形態では、先端部35aが弁位置S4にある弁体31は図示しないストッパによりその弁位置S4よりも上流側には移動しないようになっており、弁体31の摺動部33は絞り通路30aから充分に離間されて摺動部33と絞り通路30aとにより燃料10の流量が規制されないようになっている。
なお、図3に示されるように、摺動部33の下流側端面と格納通路30hの下流側端面との間には予圧縮状態の第1弾性部材36が挟持されており、該第1弾性部材36による上流方向への付勢力である第1付勢力が弁体31の摺動部33に対して作用するようになっている。また、摺動部33の上流側端面と格納通路30hの上流側端面との間にはこれも予圧縮状態の第2弾性部材37が挟持されており、該第2弾性部材37による下流方向への付勢力である第2付勢力が弁体31の摺動部33に対して作用するようになっている。なお本実施形態では、第1付勢力が第2付勢力より強い力に設定されており、弁体31に対してこれら第1付勢力及び第2付勢力のみが加わる場合には、第1付勢力と第2付勢力との合力である付勢合力により先端部35aが上流側に付勢されて弁位置S4に配置され、絞り通路30aにはリング状通路が形成されるようなっている。
ところで、低圧燃料通路16とパルセーションダンパ26との間に配置される逆止弁25には、上流側の燃料10からは燃料圧力P0が、下流側の燃料10からは燃料圧力P1が加えられる。例えば、下流側の燃料圧力P1が燃料圧力P0よりも低い場合には、逆止弁25の内部において燃料10が順流するかたちで流体力が発生し、こうした燃料10からの流体力を受ける弁体31は、その先端部35aなどに対して下流方向への押圧力を受ける。このとき、弁体31が下流方向に受ける押圧力は前記付勢合力よりも大きくなるようになっており、弁体31は燃料10から受ける押圧力により下流方向に例えば弁位置S1まで移動するようになっている。一方、下流側の燃料圧力P1が燃料圧力P0よりも高い場合には、逆止弁25の内部において燃料10が逆流するかたちで流体力が発生し、こうした燃料10からの流体力を受ける弁体31は、その下流側端面などに上流方向への押圧力を受ける。このとき、燃料10による上流方向への押圧力と前記付勢合力とがともに弁体31に対して上流方向に加わり、弁体31は上流方向に、例えば弁位置S4まで移動するようになっている。こうした構成からなる逆止弁25は、燃料10が順流するときには燃料流路が略全開となり燃料10の十分な流通が確保され、燃料10が逆流するときには燃料流路がリング状通路により狭められて燃料10の流通が規制される。
なお本実施形態では、下流側の燃料圧力P1と上流側の燃料圧力P0とが同じ場合、弁体31に対する燃料10からの上流側及び下流側への付勢力が釣り合うようになっている。すなわち、下流側の燃料圧力P1が燃料圧力P0と等しい、あるいは大きい場合には、上流側への付勢合力が付勢されている弁体31は最終的には弁位置S4まで移動して逆止弁25の開口面積は最小設定値とされる。また、燃料10が順流する場合であって、燃料圧力P1と付勢合力との和が燃料圧力P0と釣り合うような場合には、弁体31はその位置、例えば弁位置S2と弁位置S3との間の位置などに停止されて、その位置に対応した所定の開口面積が維持される。さらに、燃料10が順流する場合であって、燃料圧力P1と付勢合力との和が燃料圧力P0よりも小さいような場合には、弁体31は最終的には弁位置S1まで移動されて逆止弁25の開口面積が最大値とされる。
次に、このような高圧燃料供給装置19において生じる燃料脈動について図7を参照して説明する。図7は、高圧燃料供給装置19の加圧工程と吸入工程とにおいて生じる逆止弁25の上流側の燃料圧力P0と下流側の燃料圧力P1とを示す図である。なお、本実施形態では、説明の便宜上、電磁スピル弁62が常時開弁されており加圧工程においては上記戻し過程のみが行われているものとする。
まず、高圧燃料ポンプ20において加圧工程の後に吸入工程が開始されると、加圧室の容積の拡大により同加圧室の燃料10がフィード圧Pfよりも低い圧力である負圧を形成し、同加圧室と連通するパルセーションダンパ26の燃料室26bにも、同じく負圧である燃料圧力P1が形成される。こうした燃料圧力P1は同燃料室26bに連通する逆止弁25にも伝達され、逆止弁25の下流側の燃料圧力P1がその上流側の燃料圧力P0よりも低くなり、逆止弁25において燃料10が順流するようになる。
そして高圧燃料ポンプ20において吸入工程が実行される間は、逆止弁25において燃料10が順流することにより、前記開口面積が最大値になる弁位置S1へ弁体31が移動される。開口面積が弁体31の弁位置S1への移動により最大値にされるようになることにより低圧燃料通路16の燃料圧力P0も燃料圧力P1と同様に低下し、低圧燃料ポンプ15から低圧燃料通路16への燃料供給および加圧室への燃料10の吸入が促進されるようになる。そして吸入工程が終了すると、加圧室における負圧が無くなり、燃料圧力P1及び燃料圧力P0ともフィード圧Pfに回復して逆止弁25の上下流の各燃料圧力P1,P0が等しくなり、弁体31が付勢合力により弁位置S4へ移動する。
続いて、高圧燃料ポンプ20において加圧工程が開始されると、加圧室の容積の縮小により同加圧室の燃料10がフィード圧Pfよりも高い圧力である正圧を形成し、同加圧室と連通するパルセーションダンパ26の燃料室26bにも正圧である燃料圧力P1が形成される。こうした燃料圧力P1は同燃料室26bに連通する逆止弁25にも伝達され、逆止弁25の下流側の燃料圧力P1がその上流側の燃料圧力P0よりも高くなり、逆止弁25において燃料10が逆流するようになる。
そして高圧燃料ポンプ20において加圧工程が実行される間は、逆止弁25において燃料10が逆流することにより、前記開口面積が最小設定値になる弁位置S4に弁体31が保持されて低圧燃料通路16への燃料10の逆流が規制され、低圧燃料通路16における燃料10の燃料圧力P0の上昇がフィード圧Pfよりも少し高い程度に制限される。その一方、逆止弁25による燃料10の逆流の規制によりパルセーションダンパ26の燃料室26bの燃料圧力P1は上昇されるものの、上昇された燃料圧力P1によりダイヤフラム26Dが弾性変形されて燃料室26bの容積が拡大され燃料室26b内の燃圧変動が抑制されるようになる。このとき、ダイヤフラム26Dとしては、燃料10が低圧燃料通路16に戻される分だけ燃料圧力P1の上昇が低減され、上昇された圧力はフィード圧Pfよりも負荷圧ΔPd1だけ高い値となる。この負荷圧ΔPd1は、燃料10が低圧燃料通路16に戻される分だけ前述した従来の負荷圧ΔPd0(図9)よりも自ずと低い値となり、これを受けるダイヤフラム26Dとしてもその変形が小さくされることから従来よりもその耐久性が維持されるようになる。
なお本実施形態における上記最小設定値は、戻し過程のときに逆止弁25から逆流された燃料10により低圧燃料通路16に生じた燃圧脈動が車体を介して伝達された車内において騒音を生じさせないように調整された値であり、予め実験などにより求められた値となっている。
これにより、高圧燃料供給装置19が駆動されたとき、その吸入工程において低圧燃料
通路16に生じる燃料脈動が車体を介して伝達された車室に生じる騒音が抑制されるとともに、パルセーションダンパ26はそのダイヤフラム26Dの変形が小さくされその耐久性が維持されるようになる。
以上説明したように、本実施形態の高圧燃料供給装置によれば、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(1)逆止弁25は燃料10の逆流を順流よりも低い流量に規制するものの、その逆流を禁止しないようにした。これにより、例えば電磁スピル弁62が開弁されているときに加圧室の容積が減少されることなどにより燃料10が逆流されるときであれ、逆流された燃料10は逆止弁25を通り低圧燃料通路16に戻される。このとき低圧燃料通路16は、逆止弁25に規制された少量の燃料10が戻されて小さな燃圧変動を生じるが、逆止弁25による規制のない場合と比較すると、燃料10が逆流されるたびに生じる燃圧脈動が抑制されるようになる。一方、逆止弁25の規制により低圧燃料通路16に戻ることのできない燃料10は、加圧室から逆流された量より低圧燃料通路16に戻される分だけ少ない量がパルセーションダンパ26に一時的に収容されその燃圧変動が減衰される。パルセーションダンパ26は、燃料10の収容により燃圧変動を減衰させるとともに、そこに収容される燃料10が少なくされる分だけ収容量に応じて可動されるダイヤフラム26Dに生じる弾性変形の大きさが小さくされ、同変形に応じてダイヤフラム26Dに生じる疲労の累積が少なくされるようになり耐久性が向上される。このことにより高圧燃料供給装置19としての耐久性が向上されるとともに信頼性も高められるようになる。
(2)また、燃料10が低圧燃料通路16に戻されるようにしたことから、パルセーションダンパ26は、そこへ収容される燃料10が少なくされる分だけ小型化されるようになる。
(3)さらに、逆止弁25を高圧燃料ポンプ20に配設するようにしたことから、高圧燃料供給装置19そのものの小型化が容易とされる。
(4)燃料10の順流及び逆流に応じて移動する弁体31により同順流の許可及び逆流の規制とを実現したことから、簡単な構造により逆止弁25が形成されるようになり、高圧燃料供給装置19としてもその構造が簡単とされる。
(5)燃料10が逆流する向きへの第1弾性部材36の付勢力と燃料10が順流する向きへの第2弾性部材37の付勢力との付勢合力により、逆止弁25における流量や同流量の変更時期などが面積変化曲線CV1に示すように設定された。それゆえ、流量規制に関わる設定をより細かく実現することが可能になり、逆流された燃料の低圧燃料通路16に戻る量とパルセーションダンパ26に収容される量とのバランスがよりこまかく調整できるようになる。これにより、低圧燃料通路16に生じさせる燃圧変動や燃圧脈動の大きさ、パルセーションダンパ26に収容させる燃料10の量をより細かく調整することができるようになる。これにより高圧燃料供給装置19の用途をさらに広げることができる。
なお、上記実施形態は、例えば以下のような態様にて実施することもできる。
・上記実施形態では、第1弾性部材36と第2弾性部材37とによる付勢合力により弁体31を上流側に付勢した。しかしこれに限らず、付勢合力が弁体を付勢する向きは下流側であってもよい。すなわち第1弾性部材の付勢力と第2弾性部材の付勢力とを調整することにより逆流される燃料が規制されるタイミングが調整されるようになる。例えば規制するタイミングが遅れるように調整されると、燃料の逆流量が増加するようになる。
・また付勢合力の向きは上流側であっても、第1弾性部材の付勢力と第2弾性部材の付勢力とのバランスが調整されることにより、弁体の移動速度が変更されるようになり、逆止弁としての特性が変化されるようにもなる。これによっても逆止弁の特性が幅広く調整
されることとなり、このような逆止弁を有する高圧燃料供給装置の調整範囲が拡大されて、燃料供給装置としてもその自由度が高められるようになりその用途も拡大される。
・上記実施形態では、弁体31は第1弾性部材36により上流側に、第2弾性部材37により下流側に付勢されたが、これに限らず、弁体は上流側または下流側のどちらか一方にのみ付勢されるように構成されてもよい。これにより弾性部材が一つになるようになれば逆止弁の構造が簡単にされる。
なおこれによっても、逆止弁における流量や同流量の変更時期などが、燃料の流体力に加えて、弾性部材の弾性力により設定可能とされるようになる。それゆえ、逆流した燃料が低圧燃料通路に戻される量と燃料ダンパに収容される量とのバランスを調整することもでき、低圧燃料通路に生じさせる燃圧変動及び燃圧脈動の大きさ、燃料ダンパに収容させる燃料の量を調整することができるようにもなる。
・上記実施形態では、逆止弁25における絞り通路30aの流路の開口面積が面積変化曲線CV1のように変化する構成にした。しかしこれに限らず、絞り通路の開口面積は、例えば凸部の外径を大きくしてリング状通路の幅が狭くなるようにして面積変化曲線CV2(図6参照)のように変化するように構成してもよく、逆に同凸部の外径を小さくしてリング状通路の幅が広くなるようにして面積変化曲線CV3のように変化するように構成してもよい。これにより、このような逆止弁を有する高圧燃料供給装置の調整範囲が拡大される。
・上記実施形態では、最小設定値は戻し過程のときに逆止弁25から逆流された燃料10により低圧燃料通路16に生じた燃圧脈動が車体を介して伝達された車内において騒音を生じさせないように調整された値とされた。しかしこれに限らず、最小設定値は燃料系などの他の要因にもとづいて設定されるものであってもよい。
・上記実施形態では、逆止弁25は凸部35を有する弁体31により燃料10の逆流を規制したが、これに限らず、逆止弁における弁体の形状はそれが逆止弁において燃料の逆流を規制することができるのであればその他の形状、例えば球形状などでもよい。例えば、球形状の弁体であっても、その弁体が着座する着座部にスリット状の通路が形成されたり、着座部から所定の距離だけ離間させる弁体保持部が設けられたりすることによって、このような逆止弁の弁体として用いることができる。これにより、このような高圧燃料供給装置に用いられる逆止弁の自由度が高められ、高圧燃料供給装置としても設計の自由度が高められその実現が容易になる。
・上記実施形態では、燃料ダンパとしてダイヤフラム26Dを有するパルセーションダンパ26を用いたが、これに限らず、燃料ダンパとしてはその燃料室の容量が変化されるものであればスプリングダンパなどのその他の構造を有するものでもよい。このような構成によれば、どのような構成の燃料ダンパであれ、その可動部の変位量が減少されて燃料ダンパとしての耐久性が維持されるようになり、高圧燃料供給装置としての耐久性が向上されるようになる。
・上記実施形態では、燃料系は燃料10を内燃機関の気筒に噴射する筒内噴射用の燃料噴射系のみを有した。しかしこれに限らず、燃料系には、燃料を吸気ポートに噴射するポート噴射式が併せて備られてもよい。
・また、このように低圧燃料通路の燃料脈動が抑制されることにより、低圧燃料通路に生じた燃圧脈動により燃料吐出量が変動されるなどの影響を受けやすいポート噴射がその低圧燃料通路を筒内噴射に用いられる低圧燃料通路と共用することができるようになる。
これにより、燃料系としては筒内噴射用とポート噴射用とに別個の低圧燃料通路を設ける必要が無くなり、その構造の簡単化や小型化が促進されるようになる。
本発明にかかる高圧燃料供給装置を用いた燃料系の概略構成を示す構成図。 本発明にかかる高圧燃料供給装置の一実施形態についてその断面構造を示す断面図。 同実施形態にかかる逆止弁についてその構成を示す断面図。 同実施形態にかかる逆止弁について図3の4−4線における断面構造を示す断面図。 同実施形態にかかる逆止弁について図3の5−5線における断面構造を示す断面図。 同実施形態における逆止弁の開口面積と弁体の位置との関係を示すグラフ。 同実施形態における高圧燃料供給装置について加圧工程及び吸入工程における逆止弁の上流側と下流側の燃料圧力の変化の態様を示すグラフ。 従来の高圧燃料供給装置についてその断面構造を示す断面図。 従来の高圧燃料供給装置について加圧工程及び吸入工程における燃料圧力の変化の態様を示すグラフ。
符号の説明
1…内燃機関、10…燃料、11…燃料噴射弁、12…デリバリパイプ、13…燃料供給系、14…燃料タンク、15…低圧燃料ポンプ、16…低圧燃料通路、17…プレッシャレギュレータ、19…高圧燃料供給装置、20…高圧燃料ポンプ、21…高圧燃料通路、22…リリーフ弁、23…リリーフ通路、25…逆止弁、26…パルセーションダンパ、26a…気体室、26b…燃料室、26D…ダイヤフラム、30…筐体部、30a…絞り通路、30b…出口通路、30h…格納通路、31…弁体、33…摺動部、33a…摺接面、33b…通路面、35…凸部、35a…先端部、35f…外周、35s…傾斜面、36…第1弾性部材、37…第2弾性部材、41…シリンダ、42…円形孔、43…プランジャ室、44…プランジャ、45…シール部材、51…リフタガイド、52…リフタ、52a…内底面、52b…外底面、53…リテーナ、54…ばね、56…カムシャフト、57…駆動カム、61…プランジャ通路、62…電磁スピル弁、62a…弁体、65…吐出通路、66…チェック弁。

Claims (5)

  1. 加圧室の容積が増加及び減少する高圧燃料ポンプと、
    燃料タンクからの燃料を前記高圧燃料ポンプに供給する低圧燃料通路と、
    前記加圧室と前記低圧燃料通路との間で燃料の流通を許可及び禁止するスピル弁と、
    前記スピル弁と前記低圧燃料通路との間で燃料の圧力に生じる変動である燃圧変動を抑制する燃料ダンパとを備え、
    前記加圧室の容積が増加するときに前記流通を許可して前記加圧室に燃料を吸入し、前記加圧室の容積が減少するときに前記流通を許可及び禁止して前記加圧室からの燃料の圧送量を調整可能にする高圧燃料供給装置であって、
    前記燃料ダンパと前記低圧燃料通路との間に設けられて、前記加圧室の容積が増加することによる前記低圧燃料通路から前記加圧室への燃料の流れである順流と、前記加圧室の容積が減少することによる前記加圧室から前記低圧燃料通路への燃料の流れである逆流とを可能にして、かつ前記逆流の流量を前記順流の流量よりも低く規制する逆止弁を備えたことを特徴とする高圧燃料供給装置。
  2. 前記逆止弁が、
    前記燃料の流れに沿って移動して、前記順流を受けることにより流路面積を拡張し、前記逆流を受けることにより前記流路面積を縮小する弁体を備えた
    請求項1に記載の高圧燃料供給装置。
  3. 前記逆止弁が、
    前記弁体を格納可能にする格納通路と、
    前記格納通路の流路面積よりも小さい流路面積を有して前記格納通路に対して前記燃料が逆流する方向に連結された絞り通路とを備え、
    前記順流を受ける前記弁体が前記絞り通路から後退することにより前記流路面積を拡張し、前記逆流を受ける前記弁体が前記絞り通路へ進入することにより前記流路面積を縮小する
    請求項2に記載の高圧燃料供給装置。
  4. 前記燃料が逆流する方向へ前記弁体を付勢する第1弾性部材を備えた
    請求項3に記載の高圧燃料供給装置。
  5. 前記燃料が順流する方向へ前記弁体を付勢する第2弾性部材を備え、
    前記第1弾性部材による付勢力と第2弾性部材による付勢力との合力により前記燃料が逆流する方向へ前記弁体を付勢する
    請求項4に記載の高圧燃料供給装置。
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