JP2007297859A - 穴あけ具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】芯軸21に螺旋オーガ22を備え、芯軸21を軸心廻りに回転させながら土壌Sに突入させることで土壌Sに縦穴Bを形成する穴あけ具2において、芯軸21は、螺旋オーガ22よりも上方となる位置に、縦穴Bを形成するときに螺旋オーガ22から送り込まれてくる土塊を砕く複数の粉砕爪23を備えている。
【選択図】図3
Description
即ち、本発明における課題解決のための技術的手段は、芯軸21に螺旋オーガ22を備え、該芯軸21を軸心廻りに回転させながら土壌Sに突入させることで該土壌Sに縦穴Bを形成する穴あけ具において、
前記芯軸21には、螺旋オーガ22よりも上方となる位置に、縦穴Bを形成するときに該螺旋オーガ22から送り込まれてくる土塊を砕く1又は複数の粉砕爪23が突設されていることを特徴としている。
そして、土壌Sを掘り進めていくと、縦穴Bに粉砕爪23が入り込んでいく。このとき、螺旋オーガ22から穴口bに向けて送り込まれてくる圧縮された土塊は、粉砕爪23によって穴口bの口径の数十分の1から数分の1の大きさにまで細かく砕かれ且つ攪拌されることとなる。この状態においても、螺旋オーガ22によって土塊は送り込まれてくるので、粉砕爪23により砕かれた土(以下、粉砕土という)は該土塊に押し上げられて穴口bの外に排出され、前記穴口bの周囲に堆積している土塊の上に堆積していく。
また、この様に形成された縦穴Bであれば、穴口の周囲の土塊の上に粉砕土が堆積することとなり、縦穴Bに植物を差し入れた後に穴口bの周囲の排土によって覆土する場合、土塊よりも先に該土塊の上に堆積している粉砕土によって縦穴Bを覆土することができる。これにより、縦穴B内の植物の周囲に粉砕土を密実に埋め戻すことができ、植物の周囲に該植物の成長を阻害する様な空洞が生じる虞はない。また、粉砕土は土塊に比べて十分に細かく砕かれているため、縦穴Bに差し入れた植物によって穴口bが狭められてる場合にも、粉砕土の埋め戻しにあたり該粉砕土が穴口bや縦穴Bの内壁に引掛かることはなく、これによって覆土作業を容易に行うことができる。
また、前記粉砕爪23は、前記螺旋オーガ22の最外縁よりも前記芯軸21の径外方向に突出していることが好ましい。
これによれば、粉砕爪23の先端の回転軌跡は螺旋オーガ22の最外縁の回転軌跡よりも大きなものとなる。このため、穴口bの周縁に堆積している土塊を粉砕爪23によって砕くことができ、該穴口bの周縁に粉砕土を堆積させることができる。これにより、縦穴Bに排土を埋め戻すときに粉砕土と共に土塊を覆土してしまう虞はなく、縦穴Bを粉砕土によって密実に覆土することができるのである。
さらには、縦穴Bの穴口b及び上部が拡径されることとなり、これによって覆土作業の作業性がさらに向上することとなる。
また、前記粉砕爪23は、前記縦穴Bの形成により螺旋オーガ22の上方に存することとなる排土を縦穴Bの穴口bに向けて送り出す送出し部28を備えていることが好ましい。
さらに、前記粉砕爪23の送出し部28は、芯軸21の回転方向先端側を回転方向後端側よりも低位とした傾斜面26aからなることが好ましい。
これによれば、前記送出し部28を容易に形成することができる。
図1において、穴あけ装置(ホールディガー)1は、トラクタ3の後部に2点リンク機構を介して着脱自在に装着されており、装置フレーム5に設けたガイド体6に昇降台7を昇降自在に支持し、この昇降台7に油圧駆動の穴あけ具2を有する穿孔機構8を設け、前記装置フレーム5に昇降台7を昇降する昇降機構9を設けて構成されている。
図1及び図2に示す如く、装置フレーム5は、左右一対の支柱5aを上下部材5b、5cによって連結して形成されている。該上下部材5b、5cの後部には、左右一対のガイド体6が支持されている。
昇降台7は、上下一対の板部材7a、7b間に左右一対の筒材7cと1つの軸受筒7dを固着して形成されている。左右一対の筒材7cは、左右一対のガイド体6に上下昇降自在に嵌合している。
また、該昇降台7に穿孔機構8が配備されている。該穿孔機構8は、上板部材7aの下面に固定された油圧モータ41と、上板部材7aの上面に固定された伝動ケース42と、軸受筒7dに支持された出力軸43と、該出力軸43に設けられた穴あけ具2とを備えている。
また、昇降機構9は、下部材5c上に装着された油圧シリンダ10と、該油圧シリンダ10の伸縮動作による油圧シリンダ10のストロークを2倍にして昇降台7に伝達する倍距離手段11とを有している。
倍距離手段11は、油圧シリンダ10のピストンロッドに連結された駆動体14の上下に回転体(スプロケット又はローラ)15を横軸廻りに回転自在に設け、該上下一対の回転体15にチェーン等で形成された巻掛け部材16を巻き付け、該巻掛け部材16を装置フレーム5と昇降台7とに連結している。
駆動体14は、油圧シリンダ10のピストンロッドの伸縮により左右一対のガイド体6の上下方向に沿って昇降する。上下一対の回転体15の間隔は不変であるため巻掛け部材16のエンドレス形状は不変であり、これによって、駆動体14が昇降すると、昇降台7が装着フレーム5に対して上下方向に移動する。
図2に示す如く、昇降機構9は、駆動体14の下降に伴って昇降台7を下降させる。これにより、穴あけ具2によって穴あけ作業をするとき、該穴あけ具2には、土壌に突入していくための押し力が付与されることとなる。
芯軸21は、中実棒材又は中空パイプ材で形成されている。また、螺旋オーガ22は、芯軸21の下端部となる一方の端部を始端部として他方の端部に向けて帯板を螺旋状に巻いて形成されている。該螺旋オーガ22の終端部は芯軸21の軸心方向中途部まで伸びていると共に、芯軸21の軸心から螺旋オーガ22の最外縁までの長さLaは5cm程度に設定されている。また、螺旋オーガ22の始端部には、芯軸21の一方の端部よりも該芯軸21の軸方向に突出する螺旋状の尖端部24が配備されている。
穴あけ具2による縦穴の堀込み深さをD(本実施の形態においては30cm程度)とすると、芯軸21の一方の端部から螺旋オーガ22の終端部までの長さは該堀込み深さDの1/2〜2/3程度とし、残りの部分に4枚の粉砕爪23を互いの間を等間隔として配備されていることが好ましい。
該粉砕爪23は、L字状に屈曲した板部材を芯軸21の外周面に取り付けて構成されており、芯軸21から径外方向に突出する横爪部26と、該横爪部26の先端部から芯軸21の軸心方向に伸びる縦爪部27とを備えている。該縦爪部27は、芯軸21の他方の端部側に屈曲しており、図3中に示す横爪部26に対する縦爪部27の立上り角度θは、90°〜100°の範囲が好ましいが、90°以上であればいかなる角度であっても構わない。
また、芯軸21は図3中に示す矢印の方向に回転して土壌Sに突入することとなるが、横爪部26は、芯軸21の軸心に垂直な平面に対して角度αだけ傾けることにより、芯軸21の回転方向先端側となる端部を回転方向後端部よりも螺旋オーガ22に近接させた状態で芯軸21に傾斜状に取り付けられている。これにより、横爪部26は、その上面を芯軸21の回転先端側に傾けてなる傾斜面26aを有し、該傾斜面26aによって縦穴B内にて螺旋オーガ22の上方に存する排土を縦穴Bの穴口bに向けて送り出す送出し部28が形成される。
図5の(a)に示す如く、トラクタ3を移動させて、穴あけ具2の一方の端部を土壌Sに対向させる。そして、穴あけ装置1の穿孔機構8の油圧モータ41を起動させて穴あけ具2を回転させるとともに、昇降機構9を起動させて昇降台7を左右一対のガイド体6の案内に沿って下降させる。これにより、(b)に示す如く、穴あけ具2が土壌Sに突入していく。このとき、螺旋オーガ22の尖端部24によって土壌Sに孔が穿設され、該孔が螺旋オーガ22によって拡径されることとなり、これによって土壌Sに縦穴Bが形成されていく。この様に土壌Bを掘削しているときに発生する排土は、螺旋オーガ22によって圧縮されることにより比較的大きな形状を有する土塊となっており、該土塊は縦穴Bの穴口bの周囲に堆積していく。
そして、さらに土壌Sを掘り進めていくと、(d)の如く粉砕爪23が縦穴Bの内壁を引掻きながら該縦穴Bに入り込んでいく。これによって、縦穴Bの穴口b及び該穴口bの近傍は拡径されることとなると共に、該粉砕爪23による内壁の引掻きに伴う排土が螺旋オーガ22の上方にて粉砕爪23に攪拌された状態で縦穴B内に存することとなる。
これによって、縦穴B内の螺旋オーガ22よりも上方には、粉砕爪23によって細かく砕かれた土(以下、粉砕土という)が多量に存することとなるが、この間にも螺旋オーガ22によって土塊は送り込まれてくるので、該粉砕土は該土塊に押し上げられて穴口bの外に排出され、前記穴口bの周囲に堆積している土塊の上に堆積していく。
本実施の形態によれば、土壌Sを掘削して縦穴Bを形成するにあたり、螺旋オーガ22によって口径の1/3〜1/2程の大きさを有して排土される土塊を穴口bの周囲に堆積させた後に該土塊を十分に細かく砕いた粉砕土を穴口bの周囲に堆積している土塊の上に堆積させることができる。そして、縦穴Bに補植用きびNを差し入れた後、該縦穴Bを粉砕土によって覆土した後に土塊によって覆土することができる。これにより、該縦穴Bに補植用きびNを差し入れた状態で容易且つ密実に縦穴形成時に生じる排土を埋め戻すことができる。
また、上記穴あけ装置1は、挿し木等の他の植物を土壌Sに植え付けるための縦穴Bを形成する場合に用いることも可能である。
2 穴あけ具
21 芯軸
22 螺旋オーガ
23 粉砕爪
24 尖端部
26 横爪部
27 縦爪部
28 送出し部
S 土壌
B 縦穴
b 穴口
N 補植用きび
Claims (4)
- 芯軸(21)に螺旋オーガ(22)を備え、該芯軸(21)を軸心廻りに回転させながら土壌(S)に突入させることで該土壌(S)に縦穴(B)を形成する穴あけ具において、
前記芯軸(21)には、螺旋オーガ(22)よりも上方となる位置に、縦穴(B)を形成するときに該螺旋オーガ(22)から送り込まれてくる土塊を砕く1又は複数の粉砕爪(23)が突設されていることを特徴とする穴あけ具。 - 前記粉砕爪(23)は、前記螺旋オーガ(22)の最外縁よりも前記芯軸(21)の径外方向に突出していることを特徴とする請求項1に記載の穴あけ具。
- 前記粉砕爪(23)は、前記縦穴(B)の形成により螺旋オーガ(22)の上方に存することとなる排土を縦穴(B)の穴口(b)に向けて送り出す送出し部(28)を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の穴あけ具。
- 前記粉砕爪(23)の送出し部(28)は、芯軸(21)の回転方向先端側を回転方向後端側よりも低位とした傾斜面(26a)からなることを特徴とする請求項3に記載の穴あけ具。
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