JP3141977U - 地盤圧密装置 - Google Patents

Abstract

【課題】構造の簡素化、装置の小型化及び製造コストの低減を図る。
【解決手段】作業機２により基端部が昇降可能に支持されると共に一方向に回転駆動される駆動軸３と、該駆動軸３の外周に設けられ、駆動軸３の回転により砂杭造成用の砂４を先端側へ搬送する螺旋翼部５と、上記駆動軸３の先端部に設けられ、駆動軸３の回転により地盤Ｇを掘削すると共に掘削した土砂または上記砂を掘削孔６の孔底側へ押し込んで圧密する第１圧密部１０と、該第１圧密部１０と上記螺旋翼部５との間に設けられ、駆動軸６の回転により掘削土または上記砂を掘削孔６の径方向外方へ押し込んで圧密する第２圧密部１１と、該第２圧密部１１に設けられ螺旋翼部５から搬送される上記砂４を孔底側へ導く案内通路１２とを備え、掘削土からなる孔壁６ａと螺旋翼部５との間に上記砂４からなる絶縁壁１９を形成するために上記螺旋翼部５の外径ｄ４が第２圧密部１１の外径ｄ２よりも小さく形成されている。
【選択図】図１

Description

本考案は、軟弱地盤を柱状に圧密改良する地盤圧密装置に係り、特に構造の簡素化及び圧密性能の向上を図った地盤圧密装置に関する。

軟弱地盤を圧密する方法の一つとして、掘削用アースオーガを基にした柱状圧密工法（砂杭工法ともいう）が知られている。この工法は、アースオーガにより地盤を所要深さまで掘削してから、アースオーガの逆回転により先に掘り上げた地盤土に山砂等を加えた土砂を掘削孔の孔底に送り込んで圧密し、作業機側から与えた荷重に圧密反力が抗して徐々にアースオーガが掘削孔から引き上がってくることにより地盤中に柱状の圧密基礎（砂杭）を造成するものである。

しかしながら、上記工法においては、アースオーガの逆回転により土砂をアースオーガの長手方向に沿って送り込むが、アースオーガの螺旋翼の取付角度上、圧力の鉛直方向への成分が高くなるため、土質によっては、土砂が横方向（掘削孔の径方向外方）へはそれほど広がらず、土砂が鉛直方向に直ぐに締め固まって圧密反力を生じてしまい、横方向に十分な広がりを持つ柱状圧密基礎を造成することが難しい。

また、上記工法においては、アースオーガを押し上げようとする圧密反力に抗する荷重で圧密の度合に差が生じるため、十分な荷重を作業機側から与える必要があり、例えば機体荷重については、１０トン程度が必要であり、このため、都市部の狭い住宅地の事情に合わせて小型の機械を開発しようとする場合の制約となっている。

かかる問題を解決するために、本考案者は横方向に広がりを持つ十分な強度の柱状圧密基礎を容易に造成することができる地盤圧密装置を先に提案した（特許第３２５９９１０号公報参照）。この地盤圧密装置は、作業機により基端部が昇降可能に支持され、基端部に回転駆動部を有する駆動軸と、該駆動軸に沿って掘削土等の土砂を搬送するように設けられた搬送部（螺旋翼）と、駆動軸の先端部に設けられ、正回転により地盤の掘削が可能で、且つ逆回転により上記搬送部からの土砂を掘削孔の径方向外方へ押し込んで圧密する断面円弧状の少なくとも二つのカム面を有する所定形状の圧密カムとを備えている。

ところで、上記地盤圧密装置においては、地盤を掘削しながらその掘削土を螺旋翼により地上に搬出し、所要深さまで掘削したら、砂杭造成用の純粋な砂（例えばＲＣ砂）のみを圧密カムまで送り込んで高強度の砂杭を造成しようとする場合、螺旋翼により純粋の砂だけでなく孔壁の土をも送り込んでしまい、砂と土の混ざった砂杭が造成されてしまうため、地質によっては高強度の砂杭の造成には適さない場合がある。なお、この対策としては、駆動軸の周囲を取り囲むように円筒状のケーシングを設け、該ケーシングにより純粋な砂のみを圧密カムまで送り込むようにした考案も本考案者により提案されているが、この場合、ケーシングの外周面が孔壁と面接触となるため孔壁に張り付いて摩擦抵抗が増大し、地盤を掘り進むのに大きな抵抗となることが考えられる。

また、純粋な砂のみの砂杭を造成する場合、地上に搬出した掘削土の処理が必要となる。更に、砂を送り込んで圧密カムにより圧密して行く場合、孔壁が圧密されていないため、砂が掘削孔の径方向外方へ止め処もなく押し込まれ、多量の砂が必要となる場合があることが考えられる。

そこで、このような問題を解決するべく本考案者は、作業機により基端部が昇降可能に支持されると共に正逆方向に回転駆動される駆動軸と、該駆動軸の外周に設けられ、その逆回転により砂を先端側へ搬送する搬送部と、駆動軸の先端部に設けられ、正回転により地盤の掘削が可能で、且つ逆回転により上記搬送部からの砂を掘削孔の孔底側及び径方向外方へ押し込んで圧密する少なくとも二つのカム面を有する圧密カムと、上記搬送部を含む駆動軸の外周を覆うように設けられ、駆動軸の正回転時にこれと一体的に回転して掘削孔の孔壁を径方向外方へ圧密し、駆動軸の逆回転時には回転が停止される中空角柱状ないし角筒状のケーシングと、該ケーシングに砂を投入するためにその長手方向に適宜間隔で複数設けられた開閉可能な蓋付きの投入口とを備えた地盤圧密装置を提案している（特許第３７７６４４２号公報参照）。

また、関連する技術としては、長さ方向が略鉛直に設けられるケーシングと、該ケーシングに貫通された状態に保持しながら回動自在且つ昇降自在に設けられるオーガと、該オーガの逆転時において上記ケーシングの回転を拘束する回転拘束手段とを含み、上記オーガは、上記ケーシングの下に露出する部分において、逆転時に改良材の充填をし及び正転時に削孔土の搬送をする二条の羽根部材と、該削孔土の搬送に係る部分における外径が上に向かうに伴い大きく且つ最大で該羽根部材の先端に係る径と略同一寸法に設定された軸部材と、を備えた改良材柱造成装置が知られている（特開２００１−５５７２６号公報参照）。

しかしながら、上記何れの装置においても、ケーシングを必要とするだけでなく、該ケーシングを土中で回転駆動するための大きな駆動力を有し、且つオーガの回転方向を正逆の二方向に切り換えることが可能な回転駆動部が必要となるため、構造の複雑化、装置の大形化及び製造コストの増大を招く傾向がある。

そこで、本考案は、上記事情を考慮してなされたもので、ケーシングが不要で且つ駆動軸の回転方向は一方向でよく、構造の簡素化、装置の小型化及び製造コストの低減が図れる地盤圧密装置を提供することを目的とする。

上記目的を達成するために、本考案は、作業機により基端部が昇降可能に支持されると共に一方向に回転駆動される駆動軸と、該駆動軸の外周に設けられ、駆動軸の回転により砂杭造成用の砂を先端側へ搬送する螺旋翼部と、上記駆動軸の先端部に設けられ、駆動軸の回転により地盤を掘削すると共に掘削した土砂または上記砂を掘削孔の孔底側へ押し込んで圧密する第１圧密部と、該第１圧密部と上記螺旋翼部との間に設けられ、駆動軸の回転により掘削土または上記砂を掘削孔の径方向外方へ押し込んで圧密する第２圧密部と、該第２圧密部に設けられ螺旋翼部から搬送される上記砂を孔底側へ導く案内通路とを備え、掘削土からなる孔壁と螺旋翼部との間に上記砂からなる絶縁壁を形成するために上記螺旋翼部の外径が第２圧密部の外径よりも小さく形成されていることを特徴とする。

上記第１圧密部としては、先端側が漸次縮径された逆円錐状の軸端部の外周面に、鋼管を半割りにし更に回転方向に臨む側を斜めに切断してなる第１突条部または平板状の第１突条部を設けて成ることが好ましい。

上記第２圧密部としては、上記螺旋翼部と略同径の円筒部の外周面に、鋼管を半割りにしてなる複数の第２突条部を円筒部の軸方向または上記螺旋翼部と同じ螺旋方向に沿って設けて成ることが好ましい。

本考案によれば、ケーシングが不要で且つ駆動軸の回転方向は一方向でよく、構造の簡素化、装置の小型化及び製造コストの低減が図れる。

以下に、本考案を実施するための最良の形態について、添付図面を基に詳述する。図１は本考案の実施形態に係る地盤圧密装置の要部の構成を概略的に示す側面図、図２は圧密部を示す図で、（ａ）は側面図、（ｂ）は底面図、図３は圧密部を水平方向に展開して示す展開図、図４は地盤圧密装置による作業を説明する図で、（ａ）は地盤掘削作業時の図、（ｂ）は地盤の圧密作業時の図、（ｃ）は地盤圧密作業終了時の図である。

図１ないし図４に示すように、地盤圧密装置（砂杭造成装置ともいう）１は、作業機２により基端部が昇降可能に支持されると共に一方向（Ｘ方向）に回転駆動される駆動軸３と、該駆動軸３の外周に設けられ、駆動軸３の回転により砂杭造成用の砂（例えばＲＣ砂）４を先端側へ搬送する螺旋翼部５と、上記駆動軸３の先端部に設けられ、駆動軸３の回転により地盤Ｇを掘削すると共に掘削した土砂または上記砂４を掘削孔６の孔底側や掘削孔６の径方向外方へ押し込んで圧密するための圧密部７とを備えている。駆動軸３は例えば鋼管からなっている。駆動軸３は、所定長さの駆動軸を長手方向に複数本接合することにより必要となる様々な設計深度に対応可能に構成されていてもよい。

上記作業機２は、地面に垂直に立てて保持されるリード部８と、該リード部８に昇降可能に設けられ、上記駆動軸３の基端部（上端部）を把持して回転駆動する回転駆動部９とを備えている。回転駆動部９は、例えば油圧モータからなっている。リード部８には回転駆動部９をチェーンを介して昇降操作する昇降駆動部が設けられている（図示省略）。

上記圧密部７は、上記駆動軸３の先端部に設けられ、駆動軸３の回転により地盤Ｇを掘削すると共に掘削した土砂または上記砂４を掘削孔６の孔底側へ押し込んで圧密する第１圧密部１０と、該第１圧密部１０と上記螺旋翼部５との間に設けられ、駆動軸３の回転により掘削土または上記砂４を掘削孔６の径方向外方へ押し込んで圧密する第２圧密部１１と、該第２圧密部１１に設けられ螺旋翼部５から搬送される上記砂４を孔底側へ導く案内通路１２とを備えている。

上記第１圧密部１０としては、先端側が漸次縮径された逆円錐状の軸端部１３の外周面に、鋼管を半割りにし更に回転方向に臨む側を斜めに切断した下部傾斜面１４ａを有する複数例えば２つの第１突条部１４を設けて成ることが好ましい。上記第２圧密部１１としては、上記螺旋翼部５と略同径の円筒部１５の外周面に、鋼管を半割りにしてなる複数例えば２つの第２突条部１６を円筒部１５の軸方向に沿って設けて成ることが好ましい。

上記駆動軸３の先端部（下端部）には上記円筒部１５が設けられ、この円筒部１５の下端部には上記軸端部１３が設けられる。円筒部１５は例えば鋼管から成ることが好ましいが、図３に展開図に示すように鋼板からなる横に長い板材１７を円筒状に加工したものであってもよい。また、軸端部１３は、鋼板からなる逆三角形状の複数の三角板片１８を溶接することにより逆円錐状に形成されていてもよい。

第１突条部１４は、その長さを上方に延長することにより第２突条部１６と同じ機能を有する上方延長部１４ｃを有しており、この上方延長部１４ｃの上端部には上記案内通路１２を形成すべく上記螺旋翼部５と同じ螺旋方向に斜めに切断した上部傾斜面１４ｂが形成されている。第１突条部１４は軸端部１３の外周面に固定され、延長部１４ｃは円筒部１５の外周面に固定される。この場合、第１突条部１４と延長部１４ｃは軸端部１３と円筒部１５とが交わる角度に対応して曲げ加工されている。

第２突条部１６が掘削孔６内を上昇移動する際の抵抗を軽減し、且つ砂４を上方の螺旋翼部５から下方の第１圧密部１０へ送る際の砂４の流れを円滑にするために、上記第２突条部１６の上端には上記円筒部１５の軸方向斜め下方に傾斜した上部傾斜面１６ｂが形成されていることが好ましい。また、上記第２突条部１７の下端には、上記案内通路１２を形成すべく上記螺旋翼部５と同じ螺旋方向に斜めに切断した下部傾斜面１６ａが形成されていることが好ましい。

上記円筒部１５の外径ｄ１は、螺旋翼部５の外径ｄ４と同じ直径例えば３００ｍｍに形成されている。第２圧密部１１の外径ｄ２は例えば４２５ｍｍとされている。上記逆円錐状の軸端部１３の基部の外径は、上記円筒部１５の外径ｄ１と同じである。円筒部１５の上端部と駆動軸３との間には、砂４を円滑に導くために傾斜面１５ａが形成されていることが好ましい。この傾斜面１５ａに上記螺旋翼部５の先端部（下端部）５ａが接続されている。

円筒部１５の外周には、円筒部１５を周方向に４等分した位置に第２突条部１６と第１突条部１４の延長部１４ｃが配置されている（図２（ｂ）参照）。第２突条部１６の上端は円筒部１５の上端（上部傾斜面１５ｂを除く）に合わせて配置されている。第２突条部１６の下部傾斜面１６ａ、第１突条部１４の下部傾斜面１４ａ及び延長部１４ｃの上部傾斜面１４ｂは、上記螺旋翼部５の傾斜角度θ１よりも大きい傾斜角度θ２で形成されている。

特に、図４（ａ）ないし（ｂ）に示すように掘削孔６を形成した後、該掘削孔６内に上記砂４を搬入する際に孔壁６ａと螺旋翼部５との間に上記砂４からなる絶縁壁１９を形成するために、上記螺旋翼部５の外径ｄ４が第２圧密部１１の外径ｄ２よりも小さく形成されている。現場の土からなる孔壁６ａと螺旋翼部５との間に上記砂からなる絶縁壁１９を形成することにより、該絶縁壁１９がケーシングの役目を果たし、孔壁６ａの土砂が螺旋翼部５により削られ或いは崩されて砂に混入する（砂に土砂が混入すると砂杭の強度が低下する）のを防止できるようになっている。

また、上記第２突条部１６と第１突条部１４の延長部１４ｃとの間には砂４または土砂が下方から上方に向かって逃げるのを防止するために、邪魔板（ストッパー）２０が設けられていることが好ましい。なお、第１突条部１４及び第２突条部１６は、半割りの鋼管からなっているが、鋼管内に土砂が圧密されて詰まるため、土砂や砂４が鋼管内を通って逃げることはない。

次に、以上の構成からなる地盤圧密装置１の作用ないし地盤圧密方法（砂杭造成方法）について述べる。地盤Ｇを掘削する場合には、図１に示すように駆動軸３を鉛直に立てた状態で回転駆動部９により駆動軸３を時計方向Ｘに回転させる。駆動軸３には、駆動軸自身の荷重及び回転駆動部９の荷重からなる下向きの荷重が加わり、更に駆動軸３に対して作業機２のリード部８の昇降駆動部により下向きの荷重を加えることにより、駆動軸３の先端の第１圧密部１０の第１突条部１４により地盤Ｇを掘削して行く。

この地盤掘削工程では、図４（ａ）に示すように駆動軸３の回転により第１圧密部１０を構成する逆円錐状の軸端部１３に設けられた第１突条部１４の下部傾斜面１４ａにより地盤Ｇが掘削されて掘削孔６が形成され、掘削された土（地盤土）は地上に搬出されることなく第１突条部１４の延長部１４ｃ及び第２突条部１６の回転により接線方向ないし半径方向外方に押し込められて圧密される。この掘削工程では、第２圧密部１１は孔壁６ａに対して断面円弧状ないし断面略半円状の第２突条部１６ないし第１突条部１４の延長部１４ｃを介して線接触で接するため、従来の地盤圧密装置ないし改良材柱造成装置のように孔壁６ａに対して円筒状のケーシングの外周面が面接触で接する場合と異なり、摩擦抵抗が少なく、容易に回転駆動することができる。

このようにして、図４（ａ）に示すように地盤Ｇを所要の深度まで掘削したなら、回転駆動部９による駆動軸３の回転を保ったまま、今度は図４（ｂ）に示すように掘削孔６の地上の孔口の周囲に砂４を供給して掘削孔６内に砂４を投入すると共に、回転駆動部９による駆動軸３を回転により上記砂４を掘削孔６内の孔底側に送り、第１圧密部１０により砂４を孔底方向及び孔壁方向に送り込んで圧密する。この圧密工程においては、先ず砂が孔口から矢印Ｚで示すように孔壁６ａに沿って降下し、掘削孔６内に充填される。そして、駆動軸３の螺旋翼部５と孔壁６ａの間に砂からなる絶縁壁１９が形成される。次いで、孔口から供給される砂４は、絶縁壁１９による抵抗を受けると共に駆動軸３の螺旋翼部５の回転Ｘにより矢印Ｐで示すように下方へ向かって螺旋状に円滑に送られることになる。

この場合、駆動軸３の一回転当たりの螺旋翼部５と圧密部における案内通路１２のそれぞれの送り量をＶ１、Ｖ２とすると、Ｖ１＜Ｖ２であることが砂４を途中で詰まらせることなく孔底側に円滑に送る上で好ましい。そして、第１圧密部１０に送られた砂４は、第１圧密部１０の逆円錐状の軸端部１３の傾斜面と第１突条部１４により下方及び斜め下方に押し込まれて圧密され、その反力で駆動軸３が順次上方へ押し上げられて行く。また、第２圧密部１１の第２突条部１６及び第１突条部１４の延長部１４ｃの回転Ｘにより砂４が掘削孔６の径方向外方へ押し込まれて圧密され、第１圧密部１０による孔底側の圧密と相俟って図４（ｃ）に示すように地中に柱状に押し固められた砂杭２１が孔口部分まで造成されることにより砂杭２１が完成する。

この砂杭２１の圧密造成工程においては、掘削（削孔）工程で予め孔壁６ａが掘削土を用いて圧密されているため、砂４が必要以上に径方向外方に押し込まれる恐れがなく、砂４の使用量を節減することができる。また、掘削土を孔壁６ａの圧密に利用し、地上に搬出しないので、掘削土の処理を要しない。また、砂に地盤の土砂が混ざったり、或いは掘削土を混ぜたりすることなく純粋な砂（ＲＣ砂）のみで砂杭２１を造成することができるため、強度の高い砂杭２１を容易に造成することができる。

すなわち、上記地盤圧密方法は、上記地盤圧密装置１を用い、上記駆動軸３を一方向に回転させることにより上記第１圧密部１０で地盤Ｇを掘削すると共に、その掘削土を上記第１圧密部１０及び第２圧密部１１で掘削孔６の径方向外方へ押し込んで圧密して無排土で掘削孔６を形成する地盤削孔工程と、該地盤削孔工程後、上記駆動軸３を回転させると共に掘削孔６内に砂４を投入することにより、掘削孔６の孔壁６ａと上記螺旋翼部５との間に上記砂４からなる絶縁壁１９を形成した状態で上記砂４を下方に送り、その砂４を上記第１圧密部１０で孔底側に押し込んで圧密すると共に上記第２圧密部１１で掘削孔６の径方向外方へ押し込んで掘削孔６内に上記砂４を圧密充填して砂杭２１を造成する砂杭造成工程とを含む。

第１圧密部１０は、孔底側から圧密反力を受けるが、孔壁６ａ側（掘削孔の径方向）からも圧密反力を受けると共に第２圧密部１１も孔壁側から圧密反力を受けるため、アースオーガ式の従来工法のように地盤圧密装置１が不本意に押し上げられることはない。このため、圧密反力に抗する荷重を地盤圧密装置１に加える必要がなく、従って、作業機２の大型化を余儀なくされることがなく小型化が図れる。圧密の度合は回転駆動部９にかかるトルク等によって推察することができ、所望の圧密度を維持しながら地盤圧密装置１を徐々に引き上げて行くことにより、純粋な砂のみの高強度の柱状の圧密基礎である砂杭２１を造成することができる。

以上の構成からなる地盤圧密装置１によれば、作業機２により基端部が昇降可能に支持されると共に一方向に回転駆動される駆動軸３と、該駆動軸３の外周に設けられ、駆動軸３の回転により砂杭造成用の砂４を先端側へ搬送する螺旋翼部５と、上記駆動軸３の先端部に設けられ、駆動軸３の回転により地盤Ｇを掘削すると共に掘削した土砂または上記砂４を掘削孔６の孔底側へ押し込んで圧密する第１圧密部１０と、該第１圧密部１０と上記螺旋翼部５との間に設けられ、駆動軸３の回転により掘削土または上記砂４を掘削孔６の径方向外方へ押し込んで圧密する第２圧密部１１と、該第２圧密部１１に上記螺旋翼と同じ螺旋方向に形成され螺旋翼部５から搬送される上記砂４を孔底側へ導く案内通路１２とを備え、掘削土からなる孔壁６ａと螺旋翼部５との間に上記砂４からなる絶縁壁１９を形成するために上記螺旋翼部５の外径ｄ４が第２圧密部１１の外径ｄ２よりも小さく形成されているため、上記絶縁壁１９がケーシングの役目をなす結果、ケーシングが不要で且つ駆動軸３の回転方向は一方向でよく、構造の簡素化、装置の小型化及び製造コストの低減が図れる。第１突条部１４及び第２突条部１６は、半割りの鋼管からなっているため、磨耗した場合の交換やメンテナンスが容易であり、コストの低減が図れる。

図５は本考案の他の実施形態に係る地盤圧密装置を示す図で、（ａ）は側面図、（ｂ）は底面図である。本実施形態において、前記実施形態と同一部分は同一符号を付して説明を省略する。本実施形態では、逆円錐状の軸端部１３の外周面に平板状の第１突条部１４を設けている。この場合、第１突条部１４は鋼板からな三角形状のフィンからなっている。また、本実施形態では、円筒部１５の外周面に、鋼管を半割りにして成る第２突条部１６を螺旋翼部５と同じ螺旋方向に沿って設けて構成されている。本実施形態によっても、前記実施形態と同様の効果が得られる。また、第２突条部１６が螺旋翼部５と同じ螺旋方向に沿って設けられているため、上記ストッパー２０が不要である。

以上、本考案の実施の形態を図面により詳述してきたが、本考案は上記実施の形態に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲での種々の設計変更等が可能である。

本考案の実施形態に係る地盤圧密装置の要部の構成を概略的に示す側面図である。 圧密部を示す図で、（ａ）は側面図、（ｂ）は底面図である。 圧密部を水平方向に展開して示す展開図である。 地盤圧密装置による作業を説明する図で、（ａ）は地盤掘削作業時の図、（ｂ）は地盤の圧密作業時の図、（ｃ）は地盤圧密作業終了時の図である。 本考案の他の実施形態に係る地盤圧密装置の圧密部を示す図で、（ａ）は側面図、（ｂ）は底面図である。

符号の説明

１ 地盤圧密装置
２ 作業機
３ 駆動軸
４ 砂
５ 螺旋翼部
６ 掘削孔
６ａ 孔壁
１０ 第１圧密部
１１ 第２圧密部
１２ 案内通路
１３ 軸端部
１４ 第１突条部
１５ 円筒部
１６ 第２突条部

Claims (3)

1. 作業機により基端部が昇降可能に支持されると共に一方向に回転駆動される駆動軸と、該駆動軸の外周に設けられ、駆動軸の回転により砂杭造成用の砂を先端側へ搬送する螺旋翼部と、上記駆動軸の先端部に設けられ、駆動軸の回転により地盤を掘削すると共に掘削した土砂または上記砂を孔底側へ押し込んで圧密する第１圧密部と、該第１圧密部と上記螺旋翼部との間に設けられ、駆動軸の回転により掘削土または上記砂を掘削孔の径方向外方へ押し込んで圧密する第２圧密部と、該第２圧密部に設けられ上記螺旋翼部から搬送される上記砂を孔底側へ導く案内通路とを備え、掘削土からなる孔壁と螺旋翼部との間に上記砂からなる絶縁壁を形成するために上記螺旋翼部の外径が第２圧密部の外径よりも小さく形成されていることを特徴とする地盤圧密装置。
2. 上記第１圧密部は、先端側が漸次縮径された逆円錐状の軸端部の外周面に、鋼管を半割りにし更に回転方向に臨む側を斜めに切断してなる第１突条部または平板状の第１突条部を設けて成ることを特徴とする請求項１記載の地盤圧密装置。
3. 上記第２圧密部は、上記螺旋翼部と略同径の円筒部の外周面に、鋼管を半割りにしてなる複数の第２突条部を円筒部の軸方向または上記螺旋翼部と同じ螺旋方向に沿って設けて成ることを特徴とする請求項１記載の地盤圧密装置。

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