JP2007297836A - 床版または覆工板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】強度が向上し、耐腐食性にも優れた床版または覆工板を製造することを狙い、簡単かつ安全にプレストレスを導入することができ、施工の省力化、コスト削減を図ることのできる床版または覆工板の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】角形鋼管1をその長手方向と直交する方向に複数本敷き並べ、角形鋼管5の側面5に開口部6を設け、該開口部6に鉄筋、棒鋼などの1本又は複数本の棒状部材を挿通し、角形鋼管内部にコンクリートなどの経時硬化性材料を充填することで一体化する床版、または覆工板の製造方法であって、
前記角形鋼管内に挿通された1本又は複数本の棒状部材に引張力を与えながら、棒状部材の両端部を角形鋼管の側面に定着し、その定着反力により、隣接する角形鋼管の接触面にプレストレスを導入することを特徴とする角形鋼管を用いた床版または覆工板の製造方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、橋梁、もしくはトンネル用の床版、床版橋、または道路もしくは桟橋用の路面覆工板に適用する角形鋼管を用いた床版または覆工板の製造方法に関するものである。
従来、支間15m以下程度の小規模な橋梁では、主として経済性の面から、プレキャストコンクリート桁を用いた床版橋や、底鋼板にずれ止めを溶接した鋼殻とコンクリートとを合成してなる合成床版橋などが用いられていた。しかし、コンクリート床版橋では自重が重いため、架設時に大型の重機が必要になることや、鋼橋に比べて下部工が比較的大きくなり、トータルコストが増加するという問題があり、また、1ブロックあたりの重量が大きいために輸送できるプレキャスト床版ブロックの大きさが限られ、輸送効率が悪いという問題がある。さらに、合成床版橋では、鋼殻の製作過程で溶接が必要となるため、加工コスト、疲労強度の面で問題があった。
また、橋梁一般に用いられる、桁の上に設置される床版では、主として経済性の面から鉄筋コンクリート床版が、耐久性の面からプレストレストコンクリート床版や底鋼板にずれ止めを溶接した鋼殻とコンクリートとを合成してなる合成床版などが用いられていた。しかしながら、鉄筋コンクリート床版では、桁の上に型枠を組み、鉄筋を組み立ててからコンクリートを打設し、コンクリートが硬化するまでを現場で一貫して施工する必要があるため、工期が長くかかるといった問題があった。
プレストレストコンクリート床版では、鉄筋コンクリート床版の場合と同様、桁の上に型枠を組み、鉄筋を組み立ててからコンクリートを打設し、コンクリートが硬化した後にさらにセンターホールジャッキなどの軸力導入器具を用いてPC鋼材を緊張して床版にプレストレスを導入する工程が加わるため、工期が長くなるとともに作業が煩雑になる問題があった。
合成床版は、鋼殻の製作過程で溶接が必要となるため、加工コスト、疲労強度の面で問題があった。さらに、現場での工期を短縮するため、コンクリートを工場にてあらかじめ打設するプレキャスト床版も開発されているが、床版橋の場合と同様、1ブロックあたりの重量が大きいために輸送できるプレキャスト床版ブロックの大きさが限られ、輸送効率が悪いという問題がある。
また、地下鉄工事、地下街建設工事、または桟橋工事などに用いられる一般的な覆工板34aは、図25に示すように、H形鋼32のフランジ33同士を溶接した構造である。近年、施工の効率化、経済化などを目的として、覆工板を大型化して、路面開削の際に覆工板を支持するために必要となる受桁、および柱の数を減らすことが考えられている。しかし、大型の覆工板構造を考えた場合、作業空間を確保することを目的として覆工板の桁高さを抑えるために、従来よりも剛性の高い角形鋼管などの形鋼を用いる必要があり、また、覆工板は転用され、繰り返し何度も利用されることがあるため、長期間の使用に耐えられる耐久性が求められ、疲労強度等、耐久性に優れた構造とすることが求められている。この点で、従来の覆工板は溶接を多用しており、加工度、ならびに耐久性の面で課題があった。その他に、複数の角形鋼管を平行に配列しその長手方向の両端に複数の角形鋼管に渡って鋼材を溶接して相互に一体化する覆工板があるが、これも製作過程で溶接が必要となるため、加工コスト、疲労強度の面で問題があった。
そこで本出願人は、これらの課題を解決するべく、平行に配列した複数の角形鋼管を、溶接を用いないで接合一体化する床版、または床版ユニットを先に提案した(特開2004−285823)。
特開2004−285823に開示の角形鋼管を用いた床版、または床版ユニットは、破壊の主要な原因となる溶接や孔あけ、添接板などの加工が必要となるボルト継手を一切使用しない(つまり、溶接レス・ボルトレス)で複数の角形鋼管を接合して床版を構成でき、加工の省力化が可能となる利点があるが、本出願人のさらなる研究によりさらに改良した方が好ましい点があることが見出された。
すなわち、床版、または覆工板に用いる角形鋼管の製造法には、一般に、(1)冷間ロール成形による方法、(2)プレス成形による方法、(3)熱間圧延による方法の3つがあり、本発明の適用対象である角形鋼管1は、角形の形状をしていればよいので、前記何れの方法によって製造されたものでもよいが、図2に示すように、この角形鋼管1は製造能力の関係から、図2(a)(b)(c)(d)のような初期変形が不可避的に発生する問題があり、これを前提に高性能の角形鋼管1を用いた床版、または覆工板を構築するには更なる改良が必要であることが分った。図2(a)では、角形鋼管1の4辺が外側に膨らんでおり、図2(b)では角形鋼管1の4辺が内側に凹んでいる。また、図2(c)(d)では、上下左右の位置関係が異なるが、何れも角形鋼管1の4辺のうち対向2辺が外側に膨らみ、他の対向2辺が凹んでいる。
前記のように矩形4辺が外側又は内側に変形している角形鋼管1を平行に並べた場合、角形鋼管1の側面同士が面接触でなく点接触(長手方向に見て線接触)することになり、隣接する角形鋼管1同士の接触が不安定になる。このため各角形鋼管1は、側面を面接触させるためには4辺を平面となるように矯正することが必要になる。この修正は、図2(a)のように角形鋼管1の4辺が外側に膨らんでいる場合は、外側から力を加えることで比較的容易に矯正できるが、図2(b)(c)(d)のように内側に凹んでいるのを外側に押し出して平面にするのは非常に困難である。特に、図2(b)(c)(d)の角形鋼管1の側面の凹部9が対向するように複数本敷き並べた場合は、凹部9の上下2箇所の点接触(長手方向にみて線接触)となり、鉛直荷重を隣接の角形鋼管1に効率的に分散できないだけでなく、凹部9によって形成された閉鎖空間に雨水が溜ったとき排出できず長期間のうちに腐食による劣化が生じ、床版または覆工板の耐久性に悪影響を与える。
このため従来は、床版、または覆工板用の角形鋼管の製作に際し、図2(a)のように角形鋼管1の4辺が外側に膨らむように製品の管理を行っている。しかし、図2(a)のような角形鋼管1では、構造物(つまり、床版、または覆工板)の形状寸法を正確に製作する際に問題となる。すなわち、図3(a)に示すように角形鋼管1を敷き並べた場合に、凸部12の高さのバラツキにより、床版の幅は所定の精度が確保できない。また、角形鋼管1同士が凸部12の先端で点接触(長手方向に見て線接触)していることになるので、水平方向への鉛直荷重の分散が期待できない。さらに、角形鋼管1の凸部12の上下部の間に隙間部25が生じ、水の侵入が容易となるなど耐久性の上でも問題が残る。
特開2004−285823号公報
図2(a)の4辺が膨らんだ複数の角形鋼管1を平行に敷き並べて、特許文献1の技術により、角形鋼管1の側面の開口部6に棒状部材7を貫通し溶接レス・ボルトレスで接合して床版、または覆工板を構築するとき、角形鋼管1の側面の凸部12は矯正されることなく結合される。このため、(1)凸部12の高さのバラツキにより、床版の幅は所定の精度が確保できない。(2)角形鋼管1同士が凸部12の先端で点接触(長手方向にみて線接触)していることになるので、鉛直に載荷した荷重の水平方向への分散が期待できない。(3)凸部12の上下の間に隙間部25が生じ、水の侵入が容易となり錆が発生する。など耐久性の上でも問題があった。
本発明は、複数本敷き並べた角形鋼管1相互にプレストレスを導入して結合することにより角形鋼管1の変形を矯正するもので、これにより角形鋼管1相互は面接触で摩擦接合できて荷重を水平方向に分散できると共に、強度を一層向上し、耐腐食性にも優れた角形鋼管1を用いた床版、床版ユニット、または覆工板の製造方法を提供するものである。
また従来、床版、または覆工板においてプレストレスを導入する場合、一般的に用いられるPC床版橋では、工場製作のPC桁を敷き並べて幅方向にPC鋼線、PC鋼棒などのPC鋼材を挿通してセンターホールジャッキで緊張し、クサビなどを用いてPC鋼材を本体に定着し張力を導入する方法がある。しかし、PC橋ではPC鋼材に許容応力度いっぱいまでプレストレスが導入されるため、PC鋼材、ジャッキ、定着具などは大掛かりなものが必要になり、また、応力度が比較的高いために鋼線の破断などの可能性があり作業安全上問題があった。
本発明では、強度を向上し、耐腐食性にも優れた床版または覆工板を製造することを狙い、ジャッキを用いないか、または、能力の小さい汎用的な小型ジャッキを用いて簡単かつ安全にプレストレスを導入することができ、施工の省力化、コスト削減を図ることのできる床版または覆工板の製造方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明の角形鋼管を用いた床版または覆工板の製造方法は次のように構成する。
第1の発明は、角形鋼管1を複数本敷き並べて路面を構成する床版、または覆工板の製造方法において、複数本敷き並べた角形鋼管1の側面5に開口部6を設け、一本または複数本の棒状部材7を該角形鋼管側面5の開口部6から挿通し、該棒状部材7に適宜の方法により引張力を作用させ、棒状部材7の両端を角形鋼管1の側面5に定着させて、この定着反力により角形鋼管1相互の接触面にプレストレスを導入し、しかる後に棒状部材7の周囲を含む角形鋼管1内部に、経時硬化性材料充填孔11からコンクリートなどの経時硬化性材料8を打設して全体を一体化することを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、前記定着部付近の棒状部材7に、雄ねじ軸部を設け、これにナット22を螺合させることにより、前記棒状部材7の両端部を角形鋼管1の側面5に定着し、このナット22を締め込むように回転することにより、棒状部材7に引張力を導入することを特徴とする。
第3の発明は、第1の発明において、角形鋼管1の側面5から荷重をかけ、隣接する角形鋼管1の接触面にプレストレスを導入し、角形鋼管1の側面5に設けられた開口部6に挿通した棒状部材7の両端部を第2の発明にあるようなナット22またはクサビ24などを用いて角形鋼管1の側面5に定着し、しかる後に角形鋼管1の側面5に作用させた荷重を開放し、棒状部材7に引張力を生ぜしめることを特徴とする。
第4の発明は、第3の発明において、複数本敷き並べた角形鋼管1の側部をワイヤ牽引装置23などの締め付け器具を用いて中央部に向けて引き寄せて締め付け、棒状部材7の両端部を角形鋼管1の側面5に定着した後、該締め付けによる締め付け力を開放して棒状部材7に引張力を導入し、その定着力によって隣接する角形鋼管1の接触面にプレストレスを導入することを特徴とする。
第5の発明は、角形鋼管をその長手方向と直交する方向に複数本敷き並べ、角形鋼管1の側面5に開口部6を設け、該開口部6から片側または両側に棒状部材接続具15を備える1本または複数本の棒状部材7を挿通した後に、棒状部材7に何らかの方法により引張力を作用させながら、棒状部材7の両端を角形鋼管1の側面5に定着し、該定着部に作用する反力により隣接する角形鋼管1の接触面にプレストレスを導入するとともに、前記棒状部材接続具15を備える側の角形鋼管1を除く角形鋼管の内部にコンクリートなどの経時硬化性材料8を充填し、経時硬化性材料8が硬化することによって全体が一体化される床版ユニットA28を製造し、更に、当該床版ユニットA28において、棒状部材7に棒状部材接続具15を具備せず、複数本敷き並べた全ての角形鋼管1の内部に経時硬化性材料8が充填されている床版ユニットB29を製造して、前記床版ユニットA28を1個又は複数個平行に配置すると共に、その片側又は両側に前記床版ユニットB29を平行に配置し、隣り合う前記床版ユニットA28又はユニットB29の前記棒状部材7同士を、前記棒状部材接続具15を用いて連結し、前記床版ユニットA28の棒状部材接続具15を備える側の角形鋼管内部にコンクリートなどの経時性硬化材料8を充填して一体化することで床版ユニット同士を連結したことを特徴とする。
第6の発明は、角形鋼管1をその長手方向と直交する方向に複数本敷き並べ、角形鋼管1の側面5に開口部6を設け、該開口部から1本又は複数本の棒状部材7を挿通すると共に、前記棒状部材の端部を前記角形鋼管の側端から突出させた後に、前記棒状部材に引張力を与えながら、前記棒状部材の両端部を角形鋼管の最外側面に定着し、該定着部に作用する反力により、隣接する角形鋼管の接触面にプレストレスを導入すると共に、前記角形鋼管の内部にコンクリートなどの経時硬化性材料8を充填し、経時硬化性材料8が硬化することによって全体が一体化される床版ユニット14を製造し、
該床版ユニット14を複数個平行に配置すると共に、該隣接する床版ユニット14間に開口部を側面に有する接合用角形鋼管16を配置し、前記床版ユニット14の側端から突出する棒状部材7を前記接合用角形鋼管16の開口部に挿通し、棒状部材接続具15を用いて棒状部材7を連結し、前記接合用角形鋼管16内部にコンクリートなどの経時硬化性材料8を充填して一体化することで床版ユニット14同士を連結したことを特徴とする。
第7の発明は、第5、第6の発明において、前記床版ユニット14同士の連結の際、前記棒状部材接続具15を定着する角形鋼管、又は前記接合用角形鋼管16にプレストレスを導入した後、前記棒状部材接続具15を定着する角形鋼管、又は、前記接合用角形鋼管16に経時性硬化材料8を充填して連結することを特徴とする。
第8の発明は、第7の発明において、前記棒状部材接続具15を定着する角形鋼管、又は、前記接合用角形鋼管16にプレストレスを導入する方法が、前記床版ユニット14、前記棒状部材接続具15を定着する角形鋼管、又は前記接合用角形鋼管16を、ワイヤ牽引装置23などの締め付け器具を用いて引き寄せて締め付けることで導入することを特徴とする。
第9の発明は、第1〜第8の発明において、前記角形鋼管1内、または前記角形鋼管内および前記接合用角形鋼管内で、前記棒状部材7を挟んでその両側に仕切り板10を設け、この仕切り板10で区画される内側にコンクリートなどの経時硬化性材料8を充填したことを特徴とする。
第10の発明は、第1の発明〜第9の発明において、前記角形鋼管1が冷間ロール成形、プレス成形、熱間圧延の何れかの方法により製造されていることを特徴とする。
本発明によると、引張力が与えられた棒状鋼材の両端部を角形鋼管の側面に定着することにより、床版、または覆工板を構成する隣接する角形鋼管の接触面にプレストレスを導入することにより、角形鋼管の側面の凸部を矯正でき、隣接する角形鋼管1の側面同士は面接触による摩擦接触で荷重を水平方向に分散できると共に、角形鋼管相互が強固に結合され、全体として版(パネル)の挙動を示し、載荷荷重による角形鋼管相互のズレを確実に防ぐことができるので、全体構造の一体化が図れ、強度が向上する。さらに、上面からの角形鋼管相互の間隙への雨水の侵入を防止でき、これによる耐久性の向上などが期待できる。
また、構造上必要な部材を利用して角形鋼管同士の接触面にプレストレスが導入できるので、従来のPC鋼材、緊張器具、定着具を用いるプレストレス導入方法に比べて施工の省力化、コスト削減が可能であり、かつ安全にプレストレスを導入することができる。また、床版または覆工板を容易に製造することができると共に、隣接する角形鋼管の接触面にプレストレスを導入することができる。
また、第2発明のように、棒状部材の定着部付近に雄ねじ軸部を設け、ナットを装着して締め込むようにすると、容易に棒状部材に引張力を導入することができる。
また、第3発明のように、角形鋼管の側面から押圧するように荷重を付与し、棒状鋼材の両端部を定着した後に前記荷重を開放するようにすると、簡単に棒状鋼材に引張力を導入することができると共に、隣接する角形鋼管の接触面にプレストレスを導入することができる。
また、第4発明のように、前記の複数本敷き並べた角形鋼管の側部をワイヤ牽引装置などの締め付け器具を用いて中央部に向けて引き寄せて締め付け、前記棒状部材の両端部を角形鋼管の側面に定着した後に、締め付け力を開放するようにしても、容易に棒状部材に引張力を導入することができると共に、隣接する角形鋼管の接触面にプレストレスを導入することができる。
また、第5発明のように、棒状部材の端部に棒状部材接続具を備えているユニット化された床版ユニットAと、棒状部材の端部に棒状部材接続具を備えていないユニット化された床版ユニットBとを製造して、床版ユニットAに隣接して床版ユニットAまたは床版ユニットBを配置して、床版ユニットA又はBの棒状部材同士を棒状部材接続具を用いて連結して、棒状部材連結具を備える側の角形鋼管内に経時硬化性充填材を充填することにより、床版ユニット相互を容易に一体化することができる。
第6発明によると、複数本式並べられた角形鋼管の外側に端部が突出するように棒状部材を挿通して、棒状部材に引張力を与えながら、棒状部材の両端部を角形鋼管の最外側面に定着することにより、隣接する角形鋼管の接触部にプレストレスを容易に導入することができ、また角形鋼管の内部に経時硬化性材料を充填・硬化することにより全体が一体化された床版ユニットを容易に製造することができる。また、このような床版ユニットとこれに隣接する接合用角形鋼管および接合用角形鋼管内に配置されて棒状部材相互を接続する棒状部材接続具ならびに接合用角形鋼管内に充填される経時硬化性材料により、接合用角形鋼管を介して床版ユニット相互を容易に一体化することができる。
第7発明によると、床版ユニット同士の連結の際、前記棒状部材接続具を定着する角形鋼管、又は前記接合用角形鋼管にプレストレスを導入した後、前記棒状部材接続具を定着する角形鋼管、又は、前記接合用角形鋼管に経時硬化性材料を充填して連結するので、床版ユニット相互間に位置される接合用角形鋼管の側面にも、簡単にプレストレスを導入することができる。
第8発明によると、ワイヤ牽引装置などの締め付け器具を用いて、複数の角形鋼管を引き寄せるようにして締め付けて、角形鋼管相互の側面の接触面にプレストレスを導入することができ、また、角形鋼管の外側から容易に引き寄せるようにして、プレストレスを導入することができる。また、角形鋼管を特殊な構造にすることなく、容易に安価に角形鋼管相互を引き寄せることができる。
第9発明によると、棒状部材を挟む両側の仕切り板の内側に経時硬化性材料を充填するようになるので、経時硬化性材料を介して角形鋼管と棒状部材が一体化され、角形鋼管に作用するせん断力に対するキー機能を向上させることができ、また、経時硬化性材料は仕切り板を介して角形鋼管内の必要箇所のみに部分的に充填されるから、角形鋼管の全長に渡って充填する場合に比べ、角形鋼管の重量をできるだけ軽くすることができると共に、経時硬化性材料の使用量を低減できる。さらに、軽量であるために工場にて角形鋼管を結合して床版ユニットを製作したうえ現場に搬送する上で好都合である。
第10発明によると、冷間ロール成形、プレス成形、熱間圧延の現存する製造方法によって製造された角形鋼管を利用して、容易に床版または覆工板を容易に製造することができる。
以下、本発明の実施形態を、図を参照して説明する。
図1は、第一の実施形態である角形鋼管1を用いた床版橋4の斜視図、図2(a)(b)(c)(d)は、床版、または覆工板を構成する角形鋼管1の成形時の変形形態の正面図、図3(a)(b)は、図2(a)の角形鋼管1を複数本平行に敷き並べて変形を矯正する形態を示す正面図である。
図1に示す床版橋4は、支間15m以下の橋梁に用いられる橋梁形式で、A矢印方向が橋軸方向であり、床版橋4は、橋軸方向に伸長する角形鋼管1を橋軸直角方向に複数本平行に配設して構成される。すなわち、橋幅に対して角形鋼管1一本あたりの上辺の幅は小さいから、この角形鋼管1を複数平行に配設し、相互間を一体化して床版橋4を構成し、その上面にコンクリートまたはアスファルトよりなる舗装3を打設して路面を構成することになる。この路面を重量物である車両が走行することから角形鋼管1には過大な荷重が作用し、したがって、角形鋼管1を下側に撓ませる力や、角形鋼管1相互を引き離す大小のせん断力が常時作用することになる。このため複数の角形鋼管1の相互は強固に結合一体化されているのが望ましく、かつ、上方からの力に対して耐荷重が大きい構造が望ましい。
また、図示は省略するが、道路橋において桁の上に設置され、路面を構成する床版においても上記の床版橋4と同様の形態、性能が求められる。
このため本発明は、溶接、ボルト接合、補強板取付け作業などが不要な構成としている。すなわち、角形鋼管1の側面5には、所定の間隔をあけて複数の開口部6が開設されており、橋軸方向に伸長する複数の角形鋼管1を橋軸直角方向に平行に並べたとき、前記開口部6が橋軸直角方向の直線上に揃い、この各開口部6に棒状部材7を挿通して橋軸直角方向にせん断キーを構成しており、それにより角形鋼管1の相互がずれないように強固に締結して床版橋4を構成している。棒状部材7は、鋼管、棒鋼、鉄筋などの何れの材料でもよい。
このように複数の角形鋼管1の各開口部6に挿通した棒状部材7により各角形鋼管1相互が結合されると共に、上方からの荷重に対して棒状部材7がせん断キーとして機能し、複数の角形鋼管1相互に発生しようとするずれを防止して上面にたわみ差が生じないように構成するもので、したがって角形鋼管1の耐荷力を増大することができ、角形鋼管1に作用する荷重による角形鋼管1の疲労破壊のおそれを少なくし、施工管理を容易・確実にできる。
さらに、角形鋼管1と棒状部材7の確実な一体化を図るため、該角形鋼管1と棒状部材7との交差部分における角形鋼管1の内部にコンクリートなどの経時硬化性材料8を充填する。この場合、角形鋼管1内において、棒状部材7が貫通している角形鋼管1長手方向の両側に所定の間隔をあけて仕切り板10を設ける。この仕切り板10で区画された内側に、角形鋼管1の上面に形成した経時硬化性材料充填孔11から前記の経時硬化性材料8を充填する。こうして経時硬化性材料8を介して角形鋼管1と棒状部材7が一体化され、角形鋼管1に作用するせん断力に対するキー機能は一層向上する。また、経時硬化性材料8は仕切り板10を介して角形鋼管1内の必要箇所のみに部分的に充填されるから、角形鋼管1の全長に渡って充填する場合に比べ、角形鋼管1の重量をできるだけ軽くすることができると共に、経時硬化性材料8の使用量を低減でき、さらに、軽量であるために工場にて角形鋼管1を結合して床版ユニット14を製作したうえ現場に搬送する上で好都合である。
棒状部材7により一体化された複数の角形鋼管1の上面において、隣接して配設された角形鋼管1におけるコーナー角部31間に形成される隙間を埋めるようにゴム系、樹脂系またはモルタル等の弾性材料17(図11d参照)を充填するのがよい。これにより複数の角形鋼管1の上面をフラットに形成できると共に、上面に打設される舗装3を介して角形鋼管1に荷重が作用するとき、角形鋼管1のたわみ差による舗装3の割れを防ぐことができる。
また、床版、または覆工板における角形鋼管1は、通常は塗装、または耐候性鋼材の裸使用等となるが、特に潮風や雨水など錆の発生し易い環境で使用される場合には、前記角形鋼管1の表面は、チタン、ステンレス、亜鉛鉄板、アルミニウムなどの金属系の防食材料13で被覆する。
角形鋼管は、単管の角形鋼管1を複数本用いて施工の現場で棒状部材7を用いて相互に接合して床版2を構築してもよい。また、複数の角形鋼管1を予め一体化した床版ユニット14を製作し、複数の床版ユニット14を施工現場で接合してもよく、この方法は橋幅の広い床版2を容易に構築できる(詳細は後述する)。なお、図1において、床版橋4の幅員方向両側部には、溝形鋼の溝を上向きに配置して側溝18が構成されており、さらにその外側に溝形鋼の溝を下向きに配置して地覆19が構成されており、地覆19には高欄20が立設固定されている。この側溝18、地覆19などは現場でコンクリートを打設することにより、製作してもよい。
本発明に用いられる角形鋼管1は、(1)冷間ロール成形による方法、(2)プレス成形による方法、(3)熱間圧延による方法の何れの方法によって製造されたものでもよい。前記何れの方法によっても角形鋼管1には製造能力の関係から、図2(a)(b)(c)(d)のような初期変形が不可避的に発生する問題がある。本発明では、前記各角形鋼管1のうち、4辺が外側に膨らんでいる図2(a)の角形鋼管1を原則的に使用する。この角形鋼管1を複数本平行に敷き並べたときに、隣接する角形鋼管1の側面は凸部12の先端同士が点接触(長手方向にみれば線接触)となり不安定で、この状態で棒状部材7で各角形鋼管1同士を結合したときは、凸部12の高さのバラツキにより、床版の幅は所定の精度が確保できない。また、角形鋼管1同士が凸部12の先端で点接触(長手方向に見て線接触)していることになるので、水平方向への荷重分散が期待できない。さらに、角形鋼管1の凸部12の上下の間に隙間部25が生じ、水の侵入が容易となるなど耐久性の上でも問題がある。
この問題を解決するため、本発明では、図3(a)の複数本敷き並べた角形鋼管1に横方向に棒状部材7(図3では省略している)を挿通すると共に、図3(b)に矢印で示すように各角形鋼管1を中央部に向かって押付ける(または、引き寄せる)ように、棒状部材7に何らかの方法で引張力を加え、これを角形鋼管1の側面5に定着することで、隣接する角形鋼管1の接触面にプレストレス(接触面に垂直なプレストレス)が導入され、外方に膨らんでいた凸部12を矯正し、これにより隣接する角形鋼管1の側面5は、フラットになり面接触して摩擦接合する。この状態でコンクリートなどの経時硬化性材料8を角形鋼管1内に充填し、工場製作される床版ユニット14、または覆工板を一体化する。
前記のように棒状部材7に引張力が導入され、角形鋼管1の側面5に定着されることで、隣接する角形鋼管1の接触面にはプレストレスが導入された状態が保持され、外方に膨らんでいる凸部12が矯正され、隣接する角形鋼管1の側面5が面接触した状態が保持され、密着面の摩擦接合により荷重を確実に水平方向に分散できる、また、荷重が作用した際の角形鋼管1相互のズレを防ぐことができる。さらに、初期変形を有する角形鋼管1を所定の寸法内に納めることができて構造物である床版、または覆工板の寸法精度が向上する。さらに、従来の方法でプレストレスを導入する場合は、PC鋼材の両端部を緊張した上で定着するから、PC鋼材、専用ジャッキなど緊張器具、定着具などが必要となるが、本発明では容量の小さい汎用の工具を用いて作業するために、架設手順も簡略になり、作業の安全性も向上する。また、角形鋼管1にプレストレスを伝達するための棒状部材7の定着部は、導入プレストレスに耐え得るものであればよく、いかなる形状であってもよい。
本発明において複数本敷き並べた角形鋼管1に幅方向にプレストレスを導入するには、ナット22を回転させるか、工場にて角形鋼管1の側面5にジャッキを当てるか、または工事現場で、角形鋼管1単体または床版ユニットの自重を利用してプレストレスを導入するので、簡単かつ安全にプレストレスを導入することができる。導入プレストレスは、角形鋼管1の形状が矯正され、隙間がなくなる程度であればよいので、角形鋼管1相互の継ぎ目1箇所当り、例えば2〜3トンでよい。棒状部材7の定着金具は、棒状部材7に導入されたプレストレスを保持することができればよく、ナット22、クサビ24(図6(b)参照)などいかなる形状であってもよい。なお、角形鋼管1の断面が大きくなると重量も重く(10トン程度)なるので、所定の位置に角形鋼管を設置することにより、角形鋼管1とその設置支承部との横方向の摩擦抵抗力が、前記プレストレス力よりも勝るようになるので、角形鋼管1を設置するだけで、その自重を利用して、前記プレストレスを付与することができる。
また、本発明におけるプレストレスの導入方法は、前述のようにナット22の回転による方法、角形鋼管1にジャッキなどにより荷重を加える方法などの他、棒状部材7をバーナー、ヒーターなどで一時的に熱して、伸長させるように膨張させ、棒状部材7を角形鋼管1に定着した後に、棒状部材7の温度を常温に戻してプレストレスを導入する方法などを用いても良い。
以下に、棒状部材7を用いて角形鋼管1相互にプレストレスを導入して結合するための具体的手段を図5〜図17を参照して詳細に説明する。
図5は、角形鋼管1へのプレストレス導入の手順を示した第二の実施形態、第三の実施形態をそれぞれ図示したものである。図5(a)(1)〜(3)は、棒状部材7の両端に取り付けたナット22を回転させて棒状部材7に引張力を作用させる形態を示したものである。
図5(a)(1)では、ナット22を一端側に装着した棒状鋼材7を、並列して設置された角形鋼管1の開口部6から挿入して、前記ナット22を開口部6周囲の角形鋼管1の外面に装着した状態で、図5(a)(2)では、棒状鋼材7の他端側にナット22を装着した状態で、図5(a)(3)では、一方または両方のナット22を締め込み締め付けることにより、棒状部材へ引張力を導入すると共に、角形鋼管1へプレストレスを導入している状態を示す。
図5(b)では、予め並列配置された角形鋼管1の横方向からジャッキ等により押圧する形態で、複数個の角形鋼管1は、両側部に荷重が掛けられている複数本の角形鋼管1の幅方向に、ナット22を一端側に装着した棒状部材7が挿通してあり、棒状部材7の両端をナット22、またはクサビ24などの定着具部を用いて定着し、荷重を開放して角形鋼管1相互にプレストレスを導入する手順を示したものである。前記のいずれの方法の場合も、開口部6より棒状部材7の外径は小さく、ナット22の外径よりも開口部7の内径が小さく設定されている。
図6は、棒状部材7の定着具の2例を示したものである。図6(a)は、棒状部材7の端部に、外周に、図4(a)に示すネジ26(雄ねじ部)、または図4(b)に示すネジ節21(異径雄ねじ部)を備えた雄ねじ軸部が設けられており、これに螺合するナット22および座金を組合せた例を示している。図6(b)は、截頭円錐状の棒状鋼材挿通穴およびクサビ定着用孔を有し、かつ角形鋼管1の側面に係合する支圧プレート24aと、分割型のクサビ24を用いた形態を示したものである。
次に、図7、図8は、角形鋼管1を用いた床版、または覆工板を構築する第四の実施形態の施工概念図を示す。図7、図8は、現場にて角形鋼管1を複数本並べて架設し、横つなぎ用の棒状部材7に引張力を与えることにより結合する形態を示す。角形鋼管1の側面5には開口部6が形成されていて、この開口部6から一端側にナット22を装着した棒状部材7を挿通する。その後、他端側に装着されるナット22を回転して締め込んで、棒状部材7に引張力を与え、角形鋼管1の側面5に定着する。
棒状部材7の直上部付近において角形鋼管1の上面には、経時硬化性材料充填孔11が形成されていて、この経時硬化性材料充填孔11からコンクリートなどの経時硬化性材料8を角形鋼管1内に充填する。経時硬化性材料8は角形鋼管1内において棒状部材7と一体化していれば、角形鋼管1内の全長を埋め尽くさなくてもよく、棒状部材7の周囲の一部領域のみであって構わない。また、横つなぎ部材となる棒状部材7は、長手方向全長にわたって設ける必要はなく、一群の棒状部材7の中心間の間隔が3m以下となるように配置すればよい。各位置での配置本数、段数は、横つなぎ位置に作用するせん断力、ならびに曲げモーメントに対して、棒状部材7のみでせん断力に抵抗できる断面を確保し、なおかつ曲げモーメントに対しては角形鋼管内部に充填された経時硬化性材料8と棒状部材7で、圧縮力は経時硬化性材料8で、引張力は棒状部材7で分担し、それぞれが十分な強度を確保できるように数量、配置を決定すればよい。
前記の工程順をまとめると、(1)角形鋼管1を敷き並べる。(2)棒状部材7を開口部6に挿通する。(3)棒状部材7に引張力を与え、棒状部材7を角形鋼管1の側面5に定着して角形鋼管1相互の接触面にプレストレスを導入する。(4)角形鋼管1内部に経時硬化性材料8を充填する、の順となる。
図9、図10、図11(a)は、工場にて複数の角形鋼管1を棒状部材7を用いて、図7、図8と同様の方法で結合して床版ユニット14(パネル)を構成し、この床版ユニット14を現場にて架設し、パネル相互を接合して、床版または覆工板を構築する第五の実施形態を示している。なお、本実施形態では、棒状部材7の端部に棒状部材接続具15を備える側の角形鋼管1に経時硬化性材料を充填していない床版ユニットA28と、棒状部材接続具15を備えず、棒状部材7と交差する部分の角形鋼管の内部にコンクリートを打設したユニットB29を組合せることにより、現場での架設が容易となるように工夫されている。
前記の棒状部材接続具15は、例えば長ナットあるいはカプラーにより構成され、一方の端部の角形鋼管1の内側で定着用のナット22の外側に配置される。前記の定着用のナット22および棒状部材接続具15の装着にあたっては、棒状部材接続具を有する側の開口部6あるいは経時硬化性材料充填孔11を利用して作業員により棒状部材7の端部に装着される。なお、前記の棒状部材接続具を有する側の開口部6は、ナット等を入れることが可能な大きさとされている。
なお、長ナットあるいはカプラーなどにより構成される棒状部材接続具は、内径側に棒状部材の端部に設けられる雄ネジ、あるいは雄のネジ節に螺合する雌ネジ、あるいは雌のネジ節が設けられており、これを2本の棒状部材端部の雄ネジ、あるいは雄のネジ節に螺合させて、棒状部材相互を強固に結合する役目を有するものである。
前記を工程順に説明すると、(1)先行する床版ユニットA28または床版ユニットB29を架設する(図10(a))。(2)次の床版ユニットA28または床版ユニットB29を架設する(図10(b))。床版ユニットA28または床版ユニットB29から突出する棒状部材7の端部を開口部6を通して先行架設された床版ユニットA28または床版ユニットB29内に挿通する(図11(a))。(3)先行床版ユニットと後行床版ユニットの棒状部材7相互を、棒状部材接続具15を用いて接続する(図11(c))。(4)角形鋼管1内部に経時硬化性材料8を充填する、の順となる。
なお、前記の棒状部材接続具15による接続作業は、経時硬化性材料充填孔11を利用して接続すればよい。
なお、図7の場合も、複数本の角形鋼管1を現場で結合した後、所定長の複数本の棒状部材7を用いて多数の角形鋼管1を幅方向に結合することができる。図11(d)は架設後の接続部の断面を示した斜視図である。
図12は、工場にて複数の角形鋼管1を、棒状部材7を用いて図9と同様の方法で結合して床版ユニット14(パネル)を構成し、ならびに接合用角形鋼管16を構成し、この床版ユニット14、ならびに接合用角形鋼管16を現場にて交互に架設し、床版ユニット14と接合用角形鋼管16とを接合して床版、または覆工板を構築する第六の実施形態を示している。前記を工程順に説明すると、(1)先行する床版ユニット14を架設する。(2)次に接合用角形鋼管16を架設する。この際、先行して架設された床版ユニット14から突出する棒状部材7の端部(の棒状部材接続具15あるいはナット22)を、接合用角形鋼管16の開口部6に挿通する。(3)その次に、床版ユニット14を架設する。床版ユニット14から突出する棒状部材7の端部を開口部6を通して先行架設された接合用角形鋼管16内に挿通する。(4)先行床版ユニット14と後行床版ユニット14の棒状部材7相互を棒状部材接続具15を用いて接続する。(4)角形鋼管1内部に経時硬化性材料8を充填する、の順となる。
図13は、工場にて複数の角形鋼管1を棒状部材7を用いて、図7〜図10と同様の方法で結合して覆工板34を製作する第七の実施形態を示している。なお、本実施形態では、覆工板の施工性を確保するため、両端の角形鋼管1から棒状部材7を突出させないように工夫した形態を示している。前記を工程順に説明すると、(1)角形鋼管1を敷き並べる。(2)棒状部材7を角形鋼管1の側面5の開口部6に挿通する。(3)棒状部材7に引張力を与え、棒状部材7を角形鋼管1の内側側面5に定着して、角形鋼管1相互の接触面にプレストレスを導入する。(4)角形鋼管1内部に経時硬化性材料8を充填する、の順となる。なお、棒状部材7の端部に装着するナット22は、経時硬化性材料充填孔11から挿入設置するようにすればよい。
次に、隣接する角形鋼管1の接触面へプレストレスを導入する手順を説明する。
図14および図15は、第八の実施形態に対応する手順を示したものである。図14(a)は、(1)角形鋼管1を複数本順に敷き並べていく工程を示す。図14(b)は、(2)棒状部材7を角形鋼管1の側面5に設けた開口部6へ挿通する工程を示す。図15(c)は、(3)棒状部材7の両端にナット22を取り付ける工程を示す。図15(d)は、(4)棒状部材7の両端に取り付けたナット22を回転させて締め込んで棒状部材7に引張力を導入し、その反力により隣接する角形鋼管1の接触面にプレストレスを導入する工程を示す。図15(e)は、角形鋼管1の上面の材料充填孔11から経時硬化性材料(コンクリート)8を打設する工程を示す。これにより角形鋼管1の内部において経時硬化性材料8と棒状部材7が一体化され、全体が一体化される。
図16および図17は、第九の実施形態に対応する手順を示したものである。図16(a)は、(1)角形鋼管1の側面5へ荷重を加える工程を示す。これにより外方に膨らんでいた角形鋼管1の側面5が矯正され互いに面接触する。図16(b)は、(2)棒状部材7を角形鋼管1の側面5の開口部6へ挿通する工程を示す。図17(c)は、(3)棒状部材7の両端をナット22(、またはクサビ24)などにより定着する工程を示す。図17(d)は、(4)角形鋼管1の側面に加えた荷重を開放し、棒状部材7に引張力を作用させて、その反力により隣接する角形鋼管1の接触面にプレストレスを導入する工程を示す。図17(e)は、角形鋼管1の上面の経時硬化性材料充填孔11から経時硬化性材料(コンクリート)8を打設する工程を示す。これにより角形鋼管1の内部において経時硬化性材料8と棒状部材7が一体化され、全体が一体化される。
図18〜図20は、第十の実施形態に対応する手順を示したものである。図18(a)は、(1)角形鋼管1を複数本順に敷き並べていく工程を示す。図18(b)は、(2)棒状部材7を角形鋼管1の側面5の開口部6へ挿通する工程を示す。図19(c)は、(3)複数本の角形鋼管1を取り巻いて配設した両端部に連結部を有する帯状連結条体27の両端部を、角形鋼管1の中央上面に配設のワイヤ牽引装置23を用いて牽引し、角形鋼管1を互いに引き寄せる工程を示す。図19(d)は、棒状部材7の両端を端部に位置する角形鋼管1の側面5に定着する工程を示したものである。図20(e)は、(4)ワイヤ牽引装置23に加えていた荷重を開放することで、棒状部材7に引張力を導入し、隣接する角形鋼管1同士の接触面にプレストレスが導入される工程を示したものである。図20(f)は、角形鋼管1の上面の材料充填孔11から棒状部材7が埋るように経時硬化性材料8を充填し、経時硬化性材料8が硬化することによって角形鋼管1と経時硬化性材料8、棒状部材7が一体化され、構造全体が一体化される工程を示したものである。
図21〜図22は、第十一の実施形態に対応する手順を示したものである。図21(a)は、(1)床版ユニット14を設置し、次に、これに隣接する床版ユニット14を次々と設置する工程を示す。このとき各床版ユニット14から突出する棒状部材7の端部を、隣接する床版ユニット14の端部に位置する角形鋼管1の側面5の開口部6に挿通する。図21(b)は、(2)隣接する床版ユニット14をワイヤ牽引装置23を用いて互いに引き寄せるように荷重を掛ける工程を示す。床版ユニット14の上面には複数の吊金具30が取り付けてあるので、この複数の吊金具30のうち、隣接する床版ユニット14に近い吊金具30の間にワイヤ牽引装置23を係止し、ワイヤ牽引装置23を用いて隣接する床版ユニット14を互いに引き寄せる。図22(c)は、(3)棒状部材7の端部同士を棒状部材接続具15で接続する工程を示したものである。図22(d)は、(4)床版ユニット14に加えていた荷重を開放することで、棒状部材7に引張力を導入し、隣接する床版ユニット14の接触面にプレストレスが導入される工程を示したものである。図22(e)は、角形鋼管1の上面の材料充填孔11から棒状部材7が埋るように経時硬化性材料8を充填し、経時硬化性材料8が硬化することによって角形鋼管1と経時硬化性材料8、棒状部材7が一体化され、構造全体が一体化される工程を示したものである。
図23および図24は、第十二の実施形態に対応する手順を示したものである。図23(a)は、(1)床版ユニット14を設置し、次に、これに隣接する接合用角形鋼管16と床版ユニット14を設置する工程を示す。このとき各床版ユニット14から突出する棒状部材7の端部を、隣接する接合用角形鋼管16の端部に位置する角形鋼管1の側面5の開口部6に挿通する。図23(b)は、(2)接合用角形鋼管16を挟んで相対する床版ユニット14をワイヤ牽引装置23を用いて互いに引き寄せるように荷重を掛ける工程を示す。床版ユニット14の上面には複数の吊金具30が取り付けてあるので、この複数の吊金具30のうち、相対する床版ユニット14に近い吊金具30の間にワイヤ牽引装置23を係止し、ワイヤ牽引装置23を用いて隣接する床版ユニット14を互いに引き寄せる。図24(c)は、(3)棒状部材7の端部同士を棒状部材接続具15で接続する工程を示したものである。図24(d)は、(4)床版ユニット14に加えていた荷重を開放することで、棒状部材7に引張力を導入し、相対する床版ユニット14ならびに接合用角形鋼管16の接触面にプレストレスが導入される工程を示したものである。図24(e)は、接合用角形鋼管16の上面の材料充填孔11から棒状部材7が埋るように経時硬化性材料8を充填し、経時硬化性材料8が硬化することによって接合用角形鋼管16と経時硬化性材料8、棒状部材7が一体化され、構造全体が一体化される工程を示したものである。
前記のように、本発明では角形鋼管1を用いた床版、または覆工板の構成部材である角形鋼管1と棒状部材7と経時硬化性材料8などの構造上必要な部材を利用して、汎用ジャッキを用いて比較的小さいプレストレスを導入するので、従来のPC鋼線やPC鋼棒を用いたプレストレスの導入方法と比べて、施工の省力化、コスト削減を図ることができ、かつ安全にプレストレスを導入することができる。
本発明は、各実施形態について説明した構成を適宜設計変更して実施することは構わない。
本発明の実施形態に係る床版または覆工板の斜視図である。 (a)(b)(c)(d)は、床版または覆工板を構成する角形鋼管の成形時の変形形態の正面図である。 (a)は、図2(a)に示す角形鋼管を複数平行に敷き並べた正面図、(b)は、角形鋼管の両側に荷重を加えて変形を矯正した正面図である。 (a)は棒状部材に設けられたネジ、(b)はネジ節の例を図示したもので、(a)および(b)でそれぞれ、側面図と正面図を示している。 棒状部材の両端に角形鋼管側面への定着部構造の2例を示す説明図で、(a)はナットを用いてプレストレスを導入する場合、(b)は角形鋼管の側面に荷重をかけてプレストレスを導入する場合を図示したものである。 (a)は、ナットを用いた棒状部材の定着構造を図示したものであり、(b)は、クサビを用いた棒状部材の定着構造を図示したものである。 複数の角形鋼管を現場で架設して角形鋼管を用いた床版または覆工板を構築する施工概念の斜視図である。 複数の角形鋼管に棒状部材を挿通してナットにより角形鋼管に定着し、角形鋼管を用いた床版、または覆工板を構築する概念を示した図であり、(a)は床版ユニットを組み立てる直前の状態を示す平面図、(b)は床版ユニットを組立てた状態を示す平面図である。 複数の角形鋼管に棒状部材を挿通してナットにより角形鋼管に定着し、角形鋼管を用いた床版または覆工板を構築する際に、端部に現場接合用角形鋼管を取り付ける概念を示した図であり、(a)は床版ユニットを組み立てる直前の状態を示す平面図、(b)は床版ユニットを組立てた状態を示す平面図である。 (a)〜(b)は、工場で製作した角形鋼管の床版ユニットを現場で架設して角形鋼管を用いた床版、または覆工板を構築する施工概念の図である。 (c)は図10の次の工程を示し、工場で製作した角形鋼管の床版ユニットを現場で架設して角形鋼管を用いた床版、または覆工板を構築する施工概念の図、(d)は角形鋼管の床版ユニットを棒状部材接続具により接続し、経時硬化性材料(コンクリート)を打設して床版または覆工板を構築した場合の斜視図である。 工場で製作した角形鋼管の床版ユニット、ならびに接合用角形鋼管を現場で架設して角形鋼管を用いた床版または覆工板を構築する施工概念の図である。 複数の角形鋼管に棒状部材を挿通してナットにより角形鋼管に定着し、角形鋼管を用いた床版または覆工板を構築する際に、角形鋼管の両端部から棒状部材を突出させない場合の製造概念を示した図で、(a)は製造途中を示し、(b)は製造後を示す。 (a)〜(b)は、床版または覆工板の施工手順の一例を示した図であり、角形鋼管に棒状部材を挿通し、棒状部材の端部に設けたナットを回転させることで角形鋼管にプレストレスを導入する工程の説明図で、(a)および(b)でそれぞれ、平面図、正面図、A−A矢視図を示している。 図14の次の工程を示し、(c)〜(e)は、床版または覆工板の施工手順の一例を示した図であり、角形鋼管に棒状部材を挿通し、棒状部材7の端部に設けたナットを回転させることで角形鋼管にプレストレスを導入する工程の説明図で、(c)〜(e)でそれぞれ、平面図、正面図、A−A矢視図を示している。 (a)〜(b)は、床版または覆工板の施工手順の一例を示した図であり、角形鋼管に荷重をかけ、棒状部材を角形鋼管に定着したのち、荷重を開放してプレストレスを導入する工程の説明図で、(a)および(b)でそれぞれ、平面図、正面図、A−A矢視図を示している。 図16に示す次の工程を示し、(c)〜(e)床版または覆工板の施工手順の一例を示した図であり、角形鋼管に荷重をかけ、棒状部材を角形鋼管に定着したのち、荷重を開放してプレストレスを導入する工程の説明図で、(c)〜(e)でそれぞれ、平面図、正面図、A−A矢視図を示している。 (a)〜(b)は、施工現場において、角形鋼管を用いた床版橋、または覆工板を架設するときの一手法を説明した図であり、現場にて角形鋼管を複数本敷き並べ、角形鋼管をスリングにより巻きつけ、ワイヤー牽引装置により締め付け、角形鋼管にプレストレスを導入する工程の説明図で、(a)および(b)でそれぞれ、平面図、正面図を示している。。 図18に示す次の工程を示し、(c)〜(d)は、施工現場において、角形鋼管を用いた床版橋、または覆工板を架設するときの一手法を説明した図であり、現場にて角形鋼管を複数本敷き並べ、角形鋼管をスリングにより巻きつけ、ワイヤー牽引装置により締め付け、角形鋼管にプレストレスを導入する工程の説明図で、(c)〜(d)でそれぞれ、平面図、そのA−A矢視図を示している。 (a)〜(f) 図19に示す次の工程を示し、(e)〜(f)は、施工現場において、角形鋼管を用いた床版橋、または覆工板を架設するときの一手法を説明した図であり、現場にて角形鋼管を複数本敷き並べ、角形鋼管をスリングにより巻きつけ、ワイヤー牽引装置により締め付け、角形鋼管にプレストレスを導入する工程の説明図で、(e)で平面図とA−A矢視図を、(f)で平面図とB−B矢視図を示している。 (a)〜(b)は、施工現場において、角形鋼管を用いた床版橋、または覆工板を架設するときの一手法を説明した図であり、床版ユニットを順次設置し、床版ユニット同士をワイヤ牽引装置により引き付け、角形鋼管同士の接触面にプレストレスを導入する工程の説明図で、(a)(b)でそれぞれ、平面図および一部縦断正面図を示している。 図21に示す次の工程を示し、(c)〜(e)は、施工現場において、角形鋼管を用いた床版橋、または覆工板を架設するときの一手法を説明した図であり、床版ユニットを順次設置し、床版ユニット同士をワイヤ牽引装置により引き付け、角形鋼管同士の接触面にプレストレスを導入する工程の説明図で、(c)〜(e)でそれぞれ平面図と一部縦断正面図を示している。 (a)〜(b)は、施工現場において、角形鋼管を用いた床版橋、または覆工板を架設するときの一手法を説明した図であり、床版ユニットと接合用角形鋼管を順次設置し、相対する床版ユニット同士をワイヤ牽引装置により引き付け、角形鋼管同士の接触面にプレストレスを導入する工程の説明図で、(a)〜(b)で、それぞれ平面図と一部縦断正面図を示している。 図23に示す次の工程を示し、(c)〜(e)は、施工現場において、角形鋼管を用いた床版橋、または覆工板を架設するときの一手法を説明した図であり、床版ユニットと接合用角形鋼管を順次設置し、相対する床版ユニット同士をワイヤ牽引装置により引き付け、角形鋼管同士の接触面にプレストレスを導入する工程の説明図で、(c)〜(e)で平面図と一部縦断正面図を示している。 H形鋼のフランジ同士を溶接することにより集成した覆工板の図で、(a)は断面図、(b)は斜視図である。
符号の説明
1.角形鋼管
2.床版
3.舗装
4.床版橋
5.角形鋼管の側面
6.開口部
7.棒状部材
8.経時硬化性材料
9.凹部
10.仕切板
11.経時硬化性材料充填孔
12.凸部
13.防食材料
14.床版ユニット
15.棒状部材接続具
16.接合用角形鋼管
17.弾性材料
18.側溝
19.地覆
20.高欄
21.ネジ節
22.ナット
23.ワイヤ牽引装置
24.クサビ
25.隙間部
26.ネジ
27.帯状連結条体
28.床版ユニットA
29.床版ユニットB
30.吊金具
31.コーナー角部
32. H形鋼
33. フランジ
34. 覆工板
34a. 覆工板

Claims (10)

  1. 角形鋼管をその長手方向と直交する方向に複数本敷き並べ、角形鋼管の側面に開口部を設け、該開口部に鉄筋、棒鋼などの1本又は複数本の棒状部材を挿通し、角形鋼管内部にコンクリートなどの経時硬化性材料を充填することで一体化する床版または覆工板の製造方法であって、
    前記角形鋼管内に挿通された棒状部材に引張力を与えながら、棒状部材の両端部を角形鋼管の側面に定着し、その定着反力により、隣接する角形鋼管の接触面にプレストレスを導入することを特徴とする角形鋼管を用いた床版または覆工板の製造方法。
  2. 前記定着部付近における棒状部材に雄ねじ軸部を設け、これに螺合するナットを装着することにより、前記棒状部材の両端部を前記角形鋼管の側面に定着し、前記ナットを締め込むように回転させることにより前記棒状部材に引張力を導入することを特徴とする請求項1に記載の角形鋼管を用いた床版または覆工板の製造方法。
  3. 前記角形鋼管の側面から荷重をかけ、前記棒状部材の両端部を角形鋼管の側面に定着した後、荷重を開放することにより前記棒状部材に引張力を導入することを特徴とする請求項1に記載の角形鋼管を用いた床版または覆工板の製造方法。
  4. 前記の複数本敷き並べた角形鋼管の側部をワイヤ牽引装置などの締め付け器具を用いて中央部に向けて引き寄せて締め付け、前記棒状部材の両端部を角形鋼管の側面に定着した後に前記締め付けによる締め付け力を開放して棒状部材に引張力を導入し、棒状部材の定着部に作用する反力によって、隣接する角形鋼管の接触面にプレストレスを導入することを特徴とする請求項3に記載の角形鋼管を用いた床版または覆工板の製造方法。
  5. 角形鋼管をその長手方向と直交する方向に複数本敷き並べ、角形鋼管の側面に開口部を設け、該開口部から片側又は両側に棒状部材接続具を備える1本又は複数本の棒状部材を挿通した後に、前記棒状部材に引張力を与えながら、前記棒状部材の両端部を角形鋼管の側面に定着し、該定着部に作用する反力により、隣接する角形鋼管の接触面にプレストレスを導入するとともに、前記棒状部材接続具を備える側の角形鋼管を除く角形鋼管の内部にコンクリートなどの経時硬化性材料を充填し、経時硬化性材料が硬化することによって全体が一体化される床版ユニットAを製造し、
    更に、当該床版ユニットAにおいて、棒状部材に棒状部材接続具を具備せず、複数本敷き並べた全ての角形鋼管の内部に経時硬化性材料が充填されている床版ユニットBを製造して、
    前記床版ユニットAを1個又は複数個平行に配置すると共に、その片側又は両側に前記床版ユニットBを平行に配置し、隣り合う前記床版ユニットA又はBの前記棒状部材同士を、前記棒状部材接続具を用いて連結し、前記床版ユニットAの棒状部材接続具を備える側の角形鋼管内部にコンクリートなどの経時硬化性材料を充填して一体化することで床版ユニット同士を連結したことを特徴とする角形鋼管を用いた床版または覆工板の製造方法。
  6. 角形鋼管をその長手方向と直交する方向に複数本敷き並べ、角形鋼管の側面に開口部を設け、該開口部から1本又は複数本の棒状部材を挿通すると共に、前記棒状部材の端部を前記角形鋼管の側端から突出させ、その後、前記棒状部材に引張力を与えながら、前記棒状部材の両端部を角形鋼管の最外側面に定着し、該定着部に作用する反力により、隣接する角形鋼管の接触面にプレストレスを導入すると共に、前記角形鋼管の内部にコンクリートなどの経時硬化性材料を充填し、経時硬化性材料が硬化することによって全体が一体化される床版ユニットを製造し、
    該床版ユニットを複数個平行に配置すると共に、該隣接する床版ユニット間に開口部を側面に有する接合用角形鋼管を配置し、前記床版ユニットの側端から突出する棒状部材を前記接合用角形鋼管の開口部に挿通し、棒状部材接続具を用いて棒状部材を連結し、前記接合用角形鋼管内部にコンクリートなどの経時硬化性材料を充填して一体化することで床版ユニット同士を連結したことを特徴とする角形鋼管を用いた床版または覆工板の製造方法。
  7. 前記床版ユニット同士の連結の際、前記棒状部材接続具を定着する角形鋼管、又は前記接合用角形鋼管にプレストレスを導入した後、前記棒状部材接続具を定着する角形鋼管、又は、前記接合用角形鋼管に経時硬化性材料を充填して連結することを特徴とする請求項5又は6記載の角形鋼管を用いた床版または覆工板の製造方法。
  8. 前記棒状部材接続具を定着する角形鋼管、又は、前記接合用角形鋼管にプレストレスを導入する方法が、前記床版ユニット、前記棒状部材接続具を定着する角形鋼管、又は前記接合用角形鋼管を、ワイヤ牽引装置などの締め付け器具を用いて引き寄せて締め付けることでプレストレスを導入することを特徴とする請求項7記載の角形鋼管を用いた床版または覆工板の製造方法。
  9. 前記角形鋼管内、又は、前記角形鋼管内及び前記接合用角形鋼管内で、前記棒状部材を挟んでその両側に仕切り板を設け、この仕切り板で区画される内側に前記コンクリートなどの経時硬化性材料を充填したことを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の角形鋼管を用いた床版または覆工板の製造方法。
  10. 前記角形鋼管が冷間ロール成形、プレス成形、熱間圧延の何れかの方法により製造されていることを特徴とする請求項1〜請求項9の何れか1項に記載の角形鋼管を用いた床版または覆工板の製造方法。
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