JP2007297726A - 皮革様シート - Google Patents
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Abstract
【課題】充実感と柔軟性の両立した皮革様シートを提供する。
【解決手段】 海島型繊維から海成分を除去して得られる極細繊維からなる繊維絡合体とその内部に存在するポリウレタンから構成された皮革様シートにおいて、該ポリウレタンが40kg/cm2以上の100%モジュラスを有するポリウレタン(A)と20Kg/cm2以下であるポリウレタン(B)がブレンドされたものであって、質量比率が(A)/(B)=60/40〜10/90であることを特徴とする皮革様シート。
【選択図】なし
【解決手段】 海島型繊維から海成分を除去して得られる極細繊維からなる繊維絡合体とその内部に存在するポリウレタンから構成された皮革様シートにおいて、該ポリウレタンが40kg/cm2以上の100%モジュラスを有するポリウレタン(A)と20Kg/cm2以下であるポリウレタン(B)がブレンドされたものであって、質量比率が(A)/(B)=60/40〜10/90であることを特徴とする皮革様シート。
【選択図】なし
Description
本発明は、皮革様シートに関するものである。さらに詳しくは、天然皮革ライクな充実感と柔軟性を兼ね備えた風合いを有する皮革様シートに関するものである。
人工皮革は、基本的に繊維絡合体とその内部に存在するウレタン樹脂(以下、含浸ウレタンと表現する場合もある。)からなり、イージーケア性や、軽さを特徴として天然皮革を代替する素材として、衣料、インテリア、靴、鞄、手袋等様々な用途に利用されてきた。しかしながら、特に天然皮革のような柔軟性やフィット感が要求される衣料、手袋等の用途において、人工皮革は構成する含浸ウレタンの影響で反発感が強く、天然皮革のような柔軟性と風合いを異にしていた。人工皮革を柔軟にする方法としては、柔軟剤を駆使する方法もあるが、本質的には大きく分けて2つの方法がある。一つは従来からの公知技術である海島型の極細繊維を用いる方法である。海島繊維を用いる利点としては、繊維自体が細く柔らかくできる点と、主には含浸される樹脂と構成する繊維との間に隙間ができることから繊維絡合体を構成する繊維の自由度が上がり、それが柔軟性に寄与する点にある。もう一つは、構成する含浸ウレタンに低モジュラスで柔らかいものを用いる方法である。しかしながら、本発明者らの経験によれば、低モジュラスの含浸ウレタンを用いると、海島繊維から海成分を除去する工程で、繊維絡合体やその内部に存在する低モジュラスウレタンに対し、物理的・化学的負荷がかかるため、含浸ウレタンのスポンジ構造がつぶれ、さらに繊維絡合体自体の厚みが減少し、得られる人工皮革の密度が高くなるため、かえって風合いが硬くなる傾向があることがわかっている。このように、繊維絡合体と含浸樹脂からなる構造体である人工皮革を本質的に柔らかくする方法としては、使用する繊維構造と含浸ウレタンの柔らかさとの兼ね合いで、その柔軟性に限界があった。
このような状況を踏まえ、柔軟な含浸ウレタンを用いる方法として、海島繊維から海成分を抽出した後にウレタン樹脂を含浸する方法がある(例えば、特許文献1参照。)。この方法は、ポリビニルアルコールで構成する繊維をコーティングした後に極細化し、その後ウレタン樹脂を含浸するのが特徴である。ポリビニルアルコールは、水で溶解するために含浸したポリウレタン樹脂に影響せず、抽出時の厚み減少にも影響しないという利点があるが、一方でポリビニルアルコールを付与した後に繊維の海成分を抽出するために繊維と含浸ウレタンとの隔離が充分でなく、若干ながら繊維が含浸ウレタンに拘束されることになるために風合いが硬化する傾向があり、さらにポリビニルアルコールは含浸ウレタン一部反応し抽出されにくくなることで最終製品にまで残存することがあり、その結果として風合いの硬化が起こる場合がある。
本発明の目的は、天然皮革のような充実感と、柔軟性を両立する皮革様シートに関するものである
上記課題を解決するための手法について、種々の含浸ウレタンのブレンドやその比率について鋭意検討した結果、比較的高モジュラスのウレタン樹脂と、低モジュラスのウレタン樹脂をある比率でブレンドして用いることにより、製造工程中での厚み減少が抑えられ、結果として風合いの柔軟な皮革シートが得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、海島型繊維から海成分を除去して得られる極細繊維からなる繊維絡合体とその内部に存在するポリウレタンから構成された皮革様シートにおいて、該ポリウレタンが40kg/cm2以上の100%モジュラスを有するポリウレタン(A)と20Kg/cm2以下の100%モジュラスを有するポリウレタン(B)がブレンドされたものであって、質量比率が(A)/(B)=60/40〜10/90であることを特徴とする皮革様シートである。
また、繊維絡合体とその内部に存在するポリウレタンから構成された皮革様シートにおいて、以下1)〜3)の工程を順次行うことを特徴とする皮革様シートの製造方法である。
1)海島型繊維からなる繊維絡合体を製造する工程
2)繊維絡合体の内部に、40kg/cm2以上の100%モジュラスを有するポリウレタン(A)と20Kg/cm2以下の100%モジュラスを有するポリウレタン(B)を質量比率で(A)/(B)=60/40〜10/90となるようにブレンドしたポリウレタンを付与する工程
3)海島型繊維から海成分を除去する工程
また、繊維絡合体とその内部に存在するポリウレタンから構成された皮革様シートにおいて、以下1)〜3)の工程を順次行うことを特徴とする皮革様シートの製造方法である。
1)海島型繊維からなる繊維絡合体を製造する工程
2)繊維絡合体の内部に、40kg/cm2以上の100%モジュラスを有するポリウレタン(A)と20Kg/cm2以下の100%モジュラスを有するポリウレタン(B)を質量比率で(A)/(B)=60/40〜10/90となるようにブレンドしたポリウレタンを付与する工程
3)海島型繊維から海成分を除去する工程
本発明の海島型繊維を経由してなる皮革様シートは、従来得られなかった皮革様の柔軟性な風合と充実感を発現することができる。
以下、本発明について詳述する。
本発明の柔軟性に優れた皮革様シートは、海島型繊維から海成分を除去した極細繊維絡合体とその内部に100%モジュラスの異なる2種のポリウレタンを含有させて成ることを特徴とする。
本発明の柔軟性に優れた皮革様シートは、海島型繊維から海成分を除去した極細繊維絡合体とその内部に100%モジュラスの異なる2種のポリウレタンを含有させて成ることを特徴とする。
海島型繊維は、相溶性を有しておらず、溶解性または分解性の異なる2種類以上のポリマーを使用して混合紡糸法、海島型複合紡糸法により得られる。その後海成分を溶解除去して極細繊維を得る。得られる極細繊維の繊度は特に限定されるものではないが、本発明の皮革様シートをスエードに加工して用いる場合には、0.5デシテックス以下であることが高級な外観を得るという観点で好ましい。
極細繊維を構成する樹脂としては、特に限定されるものではないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、さらにこれらを主体とする共重合ポリエステル等の芳香族ポリエステル類や、ナイロン−6,ナイロン−66,ナイロン−610等のポリアミド類が天然皮革調の人工皮革が得られ、染色性も優れていることなどの点で好ましい。
また、これらの樹脂には、紡糸の際の安定性を損なわない範囲で、カーボンブラック等の着色剤や親水剤、帯電防止剤、吸湿剤、劣化安定剤および導電剤等の各種添加剤を添加してもよい。
また、これらの樹脂には、紡糸の際の安定性を損なわない範囲で、カーボンブラック等の着色剤や親水剤、帯電防止剤、吸湿剤、劣化安定剤および導電剤等の各種添加剤を添加してもよい。
また海島型繊維の海成分を構成する樹脂成分の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、スチレン−アクリル系モノマー共重合体、スチレン−エチレン共重合体等のポリマーから選ばれた少なくとも1種のポリマーが挙げられる。なかでも、ポリエチレンやポリスチレンまたはこれらを主体とする共重合体等が抽出の容易さの点で好ましい。
次に上記海島型繊維を用いて繊維絡合体を形成する方法について説明する。繊維絡合体を形成する方法としては、公知の方法、たとえば海島型繊維を紡糸、延伸、捲縮、カット等の処理を行って、同繊維の原綿を作製し、かかる原綿をカードで解繊し、クロスラップなどの方法により所望の目付けに積層し、ニードリングや水流で絡合させる方法が用いられる。または、ノズルから吐出された繊維を空気流により捕集ネットに吹き付けてスパンボンドウェブを得て、その後ニードリングや水流で絡合させる方法もある。本発明においては、いずれの方法も好ましく用いることができる。
繊維絡合体は、ポリウレタン樹脂の含浸処理に先立って、必要に応じて熱プレスなどの公知の方法により表面の平滑化処理を行うこともできる。繊維絡合体を構成する繊維が、たとえばポリエチレンを海成分とし、ポリエステルやポリアミドを島成分とする多成分繊維である場合には、熱プレスで海成分のポリエチレンを融着させることによりきわめて表面平滑性に優れた繊維絡合体とすることが出来るので特に好ましい。
本発明に用いられる繊維絡合体の目付けや比重については特に限定されないが、通常目付けが200〜1200g/m2、比重が0.2〜0.6g/cm3に設計される。これらは、目的とする皮革様シートの厚みや用途によって自由に選択する。
次に繊維絡合体に含浸するポリウレタンについて説明する。繊維絡合体に含有させるポリウレタンの組成については、特に限定されるものでなく、公知の全てのポリウレタンが使用可能である。さらに、本発明を構成するポリウレタン(A)とポリウレタン(B)を構成するジオール類、イソシアネート類他の成分は、同一であっても良いし、異なっていても良い。しかしながら、そのモジュラスについては、100%モジュラスが40kg/cm2以上であるポリウレタン(A)と、20kg/cm2以下であるポリウレタン(B)が、(A)/(B)=60/40〜10/90の質量比率の範囲内であることが必須である。即ち、本発明は、100%モジュラスが異なる2種類のポリウレタンをブレンドすることが必須であり、例えばブレンドを行わず、ポリウレタン(A)と(B)の2種類の100%モジュラスの平均値のモジュラスを持つ1種類のポリウレタンのみを用いても本発明の効果は得られない。また、2種類のうち、片方の種類のポリウレタンが欠けても本発明の効果は得られない。
繊維絡合体に含浸するブレンド(混合)されているポリウレタンについて、まず一方のポリウレタンの100%モジュラスについてはポリウレタン(A)が40kg/cm2以上のモジュラスであることが必須である。100%モジュラスが40kg/cm2未満では、海島型繊維からなる繊維絡合体から海成分を溶解除去する工程で厚み減少が大きくなり、得られる皮革様シートの風合が硬くなるため好ましくない。100%モジュラスの上限は特に限定されないが、通常は40〜100kg/cm2のものが好んで用いられる。100%モジュラスを上げるにつれて風合が硬くなる傾向がある。
次にブレンドされる他方のポリウレタン(B)は100%モジュラスが20kg/cm2以下であることが必須である。100%モジュラスが20kg/cm2を超える場合では、柔軟性が失われる傾向があるため好ましくない。一方で100%モジュラスの下限は特に限定されないが、通常は10〜20kg/cm2のものが好んで用いられる。100%モジュラスをさらに下げると、海島型繊維からなる繊維絡合体から海成分を溶解除去する工程でポリウレタン(B)も溶出し、ポリウレタンのブレンド比率が変化してしまう傾向がある。
また、ポリウレタン(A)の質量比率が60%を超えると、得られる皮革様シートの風合いが硬くなる傾向があり、10質量%未満の場合には、繊維絡合体から海成分を除去する工程での厚み減少が大きくなり、結果としてやはり得られる皮革様シートの風合いが硬くなる傾向がある。またポリウレタンには、必要に応じて凝固調節剤、安定剤などを添加してもよく、さらにカーボンブラックなどの着色剤を添加してもよい。
海成分除去後の繊維絡合体とポリウレタンの質量比率は特に限定されるものではないが、本発明の皮革様シートをスエード調皮革様シートに加工する場合には、繊維絡合体/ポリウレタンの質量比率が90/10〜50/50が好ましく用いられ、さらに好ましくは80/20〜60/40である。銀付き調皮革様シートに加工する場合には80/20〜40/60の比率が好ましく用いられ、より好ましくは70/30〜50/50である。繊維の比率が低くなりすぎると、皮革様シートがゴムライクな風合いとなり好ましくなく、繊維の比率が高くなりすぎるとペーパーライクな風合いになる傾向がある。
本発明の皮革様シートの製造方法としては、繊維絡合体の内部に、40kg/cm2以上の100%モジュラスを有するポリウレタン(A)と20Kg/cm2以下であるポリウレタン(B)を質量比率で(A)/(B)=60/40〜10/90となるようにブレンドしたポリウレタンを付与する工程と海島型繊維から海成分を除去する工程が、この順序で行われることが必須である。海成分を抽出除去して極細繊維を得る工程を先に行うと、ポリウレタンが直接極細繊維と接することになり、その結果繊維絡合体がポリウレタンに拘束され、自由度を失うことにより風合いが硬化し、引裂き強力が低下する原因となる。海島型繊維から海成分を除去して極細繊維を得る方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、極細繊維となる島成分およびポリウレタンにとっては非溶剤であり、かつ海成分にとっては溶剤または分解剤等となる薬剤によって海成分を除去するような方法が用いられ、海成分がポリスチレンやポリエチレンの場合、トルエンやキシレン等で海成分を抽出除去する方法が好ましく用いられる。
このようにして得られる皮革様シートが柔軟性に優れる理由について、その理由は定かではないが、本発明者は以下のように考えている。まず第一義的には、海島型繊維からなる繊維絡合体にポリウレタンを含浸した後に海成分を除去することにより、極細繊維とポリウレタンの間に隙間ができて繊維の動きが規制されないことである。次には、ポリウレタンを100%モジュラスが40kg/cm2以上の高モジュラスポリウレタン(A)と100%モジュラスが20kg/cm2以下の低モジュラスポリウレタン(B)をブレンドすることである。100%モジュラスが高モジュラスのポリウレタンが海成分を抽出する際の溶剤による膨潤や溶解を抑制し、結果として抽出時の厚みの減少を抑えることが可能となり、得られる皮革様シートの比重上昇を抑え、風合い硬化を抑制する。また一方で、低モジュラスポリウレタンはその柔軟性を得られる皮革様シートの柔軟性に反映させることが可能となる。そしてそれらの相乗効果が働いていると推定される。
本発明の皮革様シートは、例えばサンドペーパーでバフィングするなど、公知の方法により立毛表面を得て、スエード調皮革様シートとして用いることもできるし、乾式造面や湿式造面など、公知の方法により銀付き調皮革様シートとして用いることもできる。それぞれ得られる皮革様シートは、衣料、靴、手袋等の直接人体に着用して用いる用途に特に好ましく用いることができる。
実施例
次に本発明を具体的に実施例で説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部及び%はことわりのない限り質量に関するものである。
次に本発明を具体的に実施例で説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部及び%はことわりのない限り質量に関するものである。
[ポリウレタンの100%モジュラス]:約0.5mmの厚さに調整したポリウレタンフィルムを50mm×5mmの短冊状に切りとり試験片とする。その後真ん中付近に2cm間隔の印を記入する。試験片は毎分30cmの速度で引っ張り、100%伸張したときの応力を測定した。
[風合評価]:本発明者らが触感で充実感と柔軟性を評価した。充実感良好、柔軟なものを5、ペーパーライク、硬いものを1となるように、5段階に評価した。
製造例1
ナイロン−6とポリエチレンをチップの状態で50:50の質量比で混合して押し出し機により溶融紡糸を行い、ナイロン−6が島成分でポリエチレンが海成分の海島型繊維を混合紡糸し、延伸、捲縮、カットして4デニール、51mm長の短繊維を作製し、ウエーバーでクロスラップを作りニードルパンチング機を用いて700パンチ/cm2のニードルパンチングを施して繊維絡合体を得た。その後、120℃に乾燥機中で熱した後にプレスロールにて表面を平滑化し、目付け600g/m2、厚み1.5mmの海島型繊維からなる繊維絡合体を得た。
ナイロン−6とポリエチレンをチップの状態で50:50の質量比で混合して押し出し機により溶融紡糸を行い、ナイロン−6が島成分でポリエチレンが海成分の海島型繊維を混合紡糸し、延伸、捲縮、カットして4デニール、51mm長の短繊維を作製し、ウエーバーでクロスラップを作りニードルパンチング機を用いて700パンチ/cm2のニードルパンチングを施して繊維絡合体を得た。その後、120℃に乾燥機中で熱した後にプレスロールにて表面を平滑化し、目付け600g/m2、厚み1.5mmの海島型繊維からなる繊維絡合体を得た。
実施例1
製造例1で得られた海島型繊維からなる繊維絡合体に、ポリ3メチルペンタンアジペート/ポリエチレングリコール共重合系ポリウレタンであって、100%モジュラスが50kg/cm2のウレタンと、同組成であって100%モジュラスが15kg/cm2のウレタンを質量比率25/75でブレンドしたジメチルホルムアミド(DMF)溶液を含浸し、水中で湿式凝固させた後、繊維の海成分であるポリエチレンを80℃のトルエンで抽出除去した。得られた皮革様シートは、目付496g/m2、厚み1.10mm、ポリウレタンと繊維の比率が40/60であった。得られた皮革様シートは、充実感があり、柔軟性に優れていた。
製造例1で得られた海島型繊維からなる繊維絡合体に、ポリ3メチルペンタンアジペート/ポリエチレングリコール共重合系ポリウレタンであって、100%モジュラスが50kg/cm2のウレタンと、同組成であって100%モジュラスが15kg/cm2のウレタンを質量比率25/75でブレンドしたジメチルホルムアミド(DMF)溶液を含浸し、水中で湿式凝固させた後、繊維の海成分であるポリエチレンを80℃のトルエンで抽出除去した。得られた皮革様シートは、目付496g/m2、厚み1.10mm、ポリウレタンと繊維の比率が40/60であった。得られた皮革様シートは、充実感があり、柔軟性に優れていた。
比較例1
製造例1で得られた海島型繊維からなる繊維絡合体に、実施例1で用いた100%モジュラスが50kg/cm2のウレタンのみのジメチルホルムアミド溶液を含浸し、湿式凝固させた以外は実施例1と同様の方法で皮革様シートを製造した。得られた皮革様シートは、目付502g/m2、厚み1.12mm、ポリウレタンと繊維の比率が40/60であった。得られた皮革様シートは、充実感があるが、柔軟性は実施例1と比較して劣っていた。
製造例1で得られた海島型繊維からなる繊維絡合体に、実施例1で用いた100%モジュラスが50kg/cm2のウレタンのみのジメチルホルムアミド溶液を含浸し、湿式凝固させた以外は実施例1と同様の方法で皮革様シートを製造した。得られた皮革様シートは、目付502g/m2、厚み1.12mm、ポリウレタンと繊維の比率が40/60であった。得られた皮革様シートは、充実感があるが、柔軟性は実施例1と比較して劣っていた。
比較例2
製造例1で得られた海島型繊維からなる繊維絡合体に、実施例1で用いた100%モジュラスが15kg/cm2のウレタンのみのジメチルホルムアミド溶液を含浸し、湿式凝固させた以外は実施例1と同様の方法で皮革様シートを製造した。得られた皮革様シートは、目付482g/m2、厚み0.85mm、ポリウレタンと繊維の比率が35/65であった。得られた皮革様シートは、製造工程中での厚み減少が大きく、また海成分抽出除去時にウレタンが一部溶出した結果、充実感に乏しくペーパーライクな風合いであり、柔軟性にも劣っていた。
製造例1で得られた海島型繊維からなる繊維絡合体に、実施例1で用いた100%モジュラスが15kg/cm2のウレタンのみのジメチルホルムアミド溶液を含浸し、湿式凝固させた以外は実施例1と同様の方法で皮革様シートを製造した。得られた皮革様シートは、目付482g/m2、厚み0.85mm、ポリウレタンと繊維の比率が35/65であった。得られた皮革様シートは、製造工程中での厚み減少が大きく、また海成分抽出除去時にウレタンが一部溶出した結果、充実感に乏しくペーパーライクな風合いであり、柔軟性にも劣っていた。
比較例3
製造例1で得られた海島型繊維からなる繊維絡合体に、実施例1で用いた100%モジュラスが50kg/cm2のウレタンと15kg/cm2のウレタンを質量比率80/20でブレンドしたもののジメチルホルムアミド溶液を含浸し、湿式凝固させた以外は実施例1と同様の方法で皮革様シートを製造した。得られた皮革様シートは、目付501g/m2、厚み1.12mm、ポリウレタンと繊維の比率が40/60であった。得られた皮革様シートは、充実感があるが、柔軟性は実施例1と比較して劣っていた。
製造例1で得られた海島型繊維からなる繊維絡合体に、実施例1で用いた100%モジュラスが50kg/cm2のウレタンと15kg/cm2のウレタンを質量比率80/20でブレンドしたもののジメチルホルムアミド溶液を含浸し、湿式凝固させた以外は実施例1と同様の方法で皮革様シートを製造した。得られた皮革様シートは、目付501g/m2、厚み1.12mm、ポリウレタンと繊維の比率が40/60であった。得られた皮革様シートは、充実感があるが、柔軟性は実施例1と比較して劣っていた。
比較例4
実施例1で用いた2種類の異なる100%モジュラスからなるブレンドポリウレタンのモジュラスが、加成性が成り立つとして計算すると、1種類で24kg/cm2程度になることから、製造例1で得られた海島型繊維からなる繊維絡合体に、実施例1で用いたブレンドと同種で100%モジュラスが24kg/cm2のポリウレタン1種類のみのジメチルホルムアミド溶液を含浸し、湿式凝固させた以外は実施例1と同様の方法で皮革様シートを製造した。得られた皮革様シートは、目付490g/m2、厚み0.91mm、ポリウレタンと繊維の比率が37/63であった。得られた皮革様シートは、製造工程中での厚み減少が大きく、また海成分抽出除去時にウレタンが一部溶出した結果、充実感に乏しくペーパーライクな風合いであり、柔軟性にも劣っていた。
実施例1で用いた2種類の異なる100%モジュラスからなるブレンドポリウレタンのモジュラスが、加成性が成り立つとして計算すると、1種類で24kg/cm2程度になることから、製造例1で得られた海島型繊維からなる繊維絡合体に、実施例1で用いたブレンドと同種で100%モジュラスが24kg/cm2のポリウレタン1種類のみのジメチルホルムアミド溶液を含浸し、湿式凝固させた以外は実施例1と同様の方法で皮革様シートを製造した。得られた皮革様シートは、目付490g/m2、厚み0.91mm、ポリウレタンと繊維の比率が37/63であった。得られた皮革様シートは、製造工程中での厚み減少が大きく、また海成分抽出除去時にウレタンが一部溶出した結果、充実感に乏しくペーパーライクな風合いであり、柔軟性にも劣っていた。
Claims (2)
- 海島型繊維から海成分を除去して得られる極細繊維からなる繊維絡合体とその内部に存在するポリウレタンから構成された皮革様シートにおいて、該ポリウレタンが40kg/cm2以上の100%モジュラスを有するポリウレタン(A)と20Kg/cm2以下の100%モジュラスを有するポリウレタン(B)がブレンドされたものであって、質量比率が(A)/(B)=60/40〜10/90であることを特徴とする皮革様シート。
- 繊維絡合体とその内部に存在するポリウレタンから構成された皮革様シートにおいて、以下1)〜3)の工程を順次行うことを特徴とする皮革様シートの製造方法。
1)海島型繊維からなる繊維絡合体を製造する工程
2)繊維絡合体の内部に、40kg/cm2以上の100%モジュラスを有するポリウレタン(A)と20Kg/cm2以下の100%モジュラスを有するポリウレタン(B)を質量比率で(A)/(B)=60/40〜10/90となるようにブレンドしたポリウレタンを付与する工程
3)海島型繊維から海成分を除去する工程
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015101802A (ja) * | 2013-11-22 | 2015-06-04 | 株式会社クラレ | 人工皮革及びその人工皮革を表皮に用いたボール |
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2006
- 2006-04-28 JP JP2006124555A patent/JP2007297726A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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