JP2007295739A - 直流電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
発生する略直流状電圧の電圧リップルを抑制し、かつ、力率を向上させた直流電源装置を提供する。
【解決手段】
直流電源装置Aは、複数のリアクトル2A〜2Cと、可変手段と、整流用ダイオードブリッジ3と、倍電圧整流用コンデンサ4A,4Bと、平滑用コンデンサ5と、直流電圧検出部6と、電流検出部9と、制御演算部11とから構成される。可変手段は、短絡回路10と、スイッチング回路Cとを備える。
可変手段は、交流電源1から供給される交流電圧が倍電圧整流用コンデンサ4Aの電圧を超えたときに、IGBT10EをONにし、平滑用コンデンサ5に流れ込む電流量が増大させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、交流電源から供給される交流電圧から直流電圧を発生させる直流電源装置、および、その直流電源装置を用いたモータ駆動装置および空気調和機に関する。
交流電源から供給される電力を整流及び平滑することにより直流電圧に変換し、さらにインバータ回路によって電圧を変換して負荷に電力供給をおこなう装置がある。
図7は、特許文献1に示される直流電源装置の回路図である。図7において、交流電源30から供給される交流電圧はリアクトル31を経て、整流用ダイオードブリッジ32と倍電圧整流用コンデンサ33,34と、平滑用コンデンサ35から成る電源回路により直流に変換される。そして、インバータ回路36はこの直流を入力とし、制御回路37の制御によって能力可変圧縮機38を駆動するように接続されている。
この回路において、交流電源の電圧が倍電圧整流用コンデンサ33,34の電圧を越えたときに、交流電源より倍電圧整流用コンデンサ33,34を充電する電流が流れ始める。この電流は、リアクトル31の誘導性によって急激には増大せず、また、交流電源30の電圧が倍電圧整流用コンデンサ33,34の電圧より低くなった後も、リアクトル31の誘導性により、倍電圧整流用コンデンサを流れる電流は急激にゼロとはならない。そして、この電流が平滑用コンデンサ35により略直流状となってインバータ回路36に入力され、ここでスイッチング素子により適切な波形に整形されて能力可変圧縮機に与えられる。
特開昭63−89051号公報
しかしながら、このような構成では、交流電源30の電圧が、倍電圧整流用コンデンサ33,34の電圧を超えても、電流が急速に流れず倍電圧整流用コンデンサ33,34は急速には充電されないので、その下流側に位置する平滑コンデンサ35の略直流状の電圧も速やかに上昇しない。
その結果として、インバータ回路36に入力される電圧は、交流電源30の電圧周期に同期したリップルを持つ波形となるので、この直流電源装置を利用して能力可変圧縮機モータを駆動する空気調和機においては、圧縮機モータに発生するトルクも同様のリップルを持ってしまう。
また、このような構成では、交流電源30が供給する電流は、交流電源電圧のピーク付近で多く流れて、電圧ゼロ付近では流れないので、力率が低い上に、高調波の発生量も大きくなってしまうという課題があった。
本発明は、上記課題を鑑み、発生する略直流状電圧の電圧リップルを抑制し、かつ、力率を向上させることができる直流電源装置、および、その直流電源装置を用いたモータ駆動装置および空気調和機の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、交流電源からの交流電圧を整流して直流電圧を発生させる整流手段と、整流された直流電圧を平滑する平滑手段と、交流電源と前記整流手段との間に直列に接続された複数のリアクトルと、前記リアクトルの容量を可変させる可変手段と、前記可変手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
上記構成によると、リアクトルの容量を可変させることで、リアクトル容量を小さくすることができ、これにより平滑手段における直流電圧の充電を従来よりも急速に行なうことができる。そのため、平滑手段における略直流状電圧の低下を最小限に抑えられるので、電圧リップルを小さくすることができる。
また、整流手段は、電荷蓄積手段を備え、制御手段は、交流電圧の半周期中において、交流電源の電圧が前記電荷蓄積手段の電圧を超えるタイミングに合わせて可変手段を動作させることを特徴とする。
上記構成によると、制御手段は、交流電源の電圧が電荷蓄積手段の電圧を超えたときに可変手段を動作させることができる。このタイミングで可変手段を動作させることで、リアクトル容量を小さくなるように調整することができるので、平滑手段への充電を急速に行なうことができ、直流電源装置の出力である略直流状電圧の低下が最小限に抑えられる。そのため、電圧リップルを小さくすることができる。
また、制御手段は、交流電源から供給される電流が大きくなったときに可変手段を動作させることができる。この適切な可変手段の動作により、リアクトルの容量を急増させることができる。これにより、直流電源装置内を流れる電流の増加が抑えられるので波形を調整することができ、全体の力率が向上する。
また、制御手段は、交流電圧の半周期中において、交流電源の電圧が電荷蓄積手段の電圧を超えている間、可変手段の動作を複数回おこなうことを特徴とする。可変手段の動作を複数回行なうことで、平滑手段に流れ込む電流のピーク値を抑えることができる。さらに、力率や平均電圧量等の重視する目的に応じて、可変手段の動作期間を調整する自由度を向上させることができる。
また、平滑された直流電流を検出する直流電流検出手段、あるいは、平滑された直流電圧を検出する直流電圧検出手段を備え、制御手段は、検出結果に応じて、可変手段を動作させることを特徴とする。
上記構成によると、直流電源装置は、各通電状況によって最適な電流が流れるように、可変手段の動作期間を調整することができる。そのため、直流電源装置の負荷に依らずに電圧リップルを小さくすることができ、高い力率も維持することができる。
また、可変手段は、直列に接続された複数のリアクトルのうち少なくとも1つのリアクトルを短絡させる短絡回路と、前記短絡回路を開閉するスイッチング回路とから構成されることを特徴とする。
上記構成によると、可変手段は、交流電源から供給される交流電圧が電荷蓄積手段の電圧を超えたときに、スイッチング回路をONにすることで、リアクトルに流れるほとんどの電流が短絡回路を介して平滑手段に流れる。そのため、比較的早くに平滑手段に流れ込む電流量が増大するので、その電圧上昇も増大することができる。
また、短絡回路に対して並列にスナバ回路を備えたことを特徴とする。この構成によると、直流電源装置は、リアクトルの短絡動作を終了したとき、急激な電流変動と、浮遊インダクタンスによるサージ電圧の発生を緩和することができる。そのため、これに起因するノイズが少なくなり、周辺部の誤動作を回避することができる。
また、スナバ回路のコンデンサ容量を通常よりも大きくすることで、短絡動作の終了時の電流変動がさらに穏やかになる。それにより、電源の利用効率が高まり、力率を向上させることができる。
また、上記直流電源装置と、平滑された直流電圧を可変周波数の交流に変換するインバータ手段とを備えたモータ駆動装置であって、制御手段は、前記インバータ手段からモータへの出力に応じて、可変手段を動作させることを特徴とする。
上記構成によると、モータ駆動装置は、モータ出力の変化の結果である直流電流の変化や直流電圧の変化に応じて位相区間を制御する場合に比べ、制御への応答性が良くなる。それにより、電圧リップルが増大する期間や力率が低下する期間を短縮することができる。
以上のとおり、本発明によると、可変手段によってリアクトルの容量を小さくなるように調整することができるので、従来よりも急速に電荷蓄積手段に充電することができ、これにより、装置出力である略直流状電圧の低下を最小限に抑えることができ、その電圧リップル量を小さくすることができる。
また、可変手段によって、交流電源から供給される電流が大きくなった時点で適切にリアクトルの容量を急増させることができる。これにより、電流の増加を抑えることができるので波形が調整され、全体の力率も向上する。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。図1に示す回路は、交流電源1から交流電圧を受給し、DCブラシレスモータ8を駆動させるモータ駆動装置であって、交流電源1からの交流電圧が直流電圧に変換する直流電源装置Aと、直流電源装置Aの出力側に接続されたインバータ回路7とを備える。
直流電源装置Aは、交流電源1から供給される電流の変化に伴って蓄放電するリアクトル2A〜2Cと、複数のダイオード3A〜3Dから構成される整流用ダイオードブリッジ3と、倍電圧整流用コンデンサ4A,4Bと、整流された直流電圧を平滑する平滑用コンデンサ5と、抵抗6A,6Bから構成される直流電圧検出部6と、シャント抵抗から構成される電流検出部9と、それらを制御する制御演算部11とから構成される。
なお、倍電圧用コンデンサ4A,4Bが電荷蓄積手段とされ、この電荷蓄積手段と整流用ダイオードブリッジ3とで整流手段を構成する。また、平滑用コンデンサ5が平滑手段とされ、直流電圧検出部6が直流電圧検出手段とされ、電流検出部9が電流検出手段とされ、制御演算部11が制御手段とされる。
リアクトル2A〜2Cは、交流電源1と整流用ダイオードブリッジ3との間に3つ備えられており、それらが直列に接続される。また、リアクトル2Aの一端が交流電源1に接続され、リアクトル2Cの一端が整流用ダイオードブリッジ3に接続される。
整流用ダイオードブリッジ3は、4つのダイオード3A〜3Dから構成される。整流用ダイオードブリッジ3の出力側は、倍電圧整流用コンデンサ4A,4Bに接続される。
倍電圧整流用コンデンサ4A,4Bは、整流用ダイオードブリッジ3の出力側に並列に接続された2つのコンデンサであって、その出力側に平滑用コンデンサ5が接続される。
平滑用コンデンサ5は、整流用ダイオードブリッジ3から出力された直流電圧に含まれる電圧リップルを除去するものである。そのため、平滑用コンデンサ5を倍電圧整流用コンデンサ4A,4Bとインバータ回路7との間に配置することで、一定電圧を得ることができる。
直流電圧検出部6は、平滑用コンデンサ5の出力側に抵抗6Aと抵抗6Bとが直列に接続される。また、直流電圧検出部6は、抵抗6Aと抵抗6Bとの接続点と制御演算部11とが接続される。この構成により、直流電圧検出部6は、平滑用コンデンサ5から出力された直流電圧を検出することができる。詳しくは、制御演算部11がA/D変換可能な電圧範囲において直流電圧検出部6で分圧し、分圧された電圧が制御演算部11に入力されて検出される。
電流検出部9は、直流電圧検出部6とインバータ回路7の間に接続されたシャント抵抗である。また、電流検出部9は、その入力側および出力側に制御演算部11が接続される。この構成により、電流検出部9は、平滑用コンデンサ5から出力された直流電流を検出することができる。詳しくは、電流検出部9のシャント抵抗の電圧値が、制御演算部11に入力されることで検出される。
制御演算部11は、内部にRAM、ROMおよびCPUを有する一般的なマイクロコンピュータから構成される。制御演算部11は、直流電圧検出部6および電流検出部9からの入力に基づいて、スイッチング回路Cおよびインバータ回路7を制御する。
インバータ回路7は、IGBT(Insulated Gate Bi−polar Transistor)7A〜7Fとフリーホイールダイオード7G〜7Lとが対となった回路を複数備え、それぞれが並列に接続されて構成される。インバータ回路7の出力側は、DCブラシレスモータ8に接続される。
次に、上記回路構成におけるモータ駆動装置の動作について説明する。
交流電源1より供給される交流電圧は、リアクトル2A〜2Cを経て、整流用ダイオードブリッジ3A〜3Dに入力される。整流用ダイオードブリッジ3A〜3Dは、入力された交流電圧を整流し、倍電圧整流用コンデンサ4A,4Bおよび平滑用コンデンサ5に出力する。倍電圧整流用コンデンサ4A,4Bは、入力された電圧によって半周期ごとに夫々が充電される。平滑用コンデンサ5は、入力された電圧を平滑にし、インバータ回路7に出力する。このとき、平滑用コンデンサ5は、倍電圧整流用コンデンサ4A,4Bと並列に接続されているため、2つの倍電圧整流用コンデンサ4A,4Bの総和と等しい直流電圧を出力する。
インバータ回路7は、制御演算部11から入力されるPWM制御信号に基づいてDCブラシレスモータ8の各相に電流を出力する。制御演算部11は、DCブラシレスモータ8のロータ位置を磁石誘起電圧の検出回路(図示せず)によって検出し、所定の電気角度ごとにモータ各相の電流が流れるようにIGBT7A〜7FにPWM制御信号を出力する。
DCブラシレスモータ8は、インバータ回路7から出力される電流によって駆動する。このとき、DCブラシレスモータ8で消費する電流は、平滑用コンデンサ5から供給される。そのため、平滑用コンデンサ5の電圧は次第に低下し、倍電圧整流用コンデンサ4A,4Bの電圧も低下する。平滑用コンデンサ5は、交流電源1から電流を受給し、電圧は回復する。
詳しくは、図1中の矢印12の方向に電流が流れるときを交流電源1の正の半周期としたとき、その正の反周期において、倍電圧整流用コンデンサ4A,4Bの電圧が交流電源1から供給される交流電圧より小さくなった場合、交流電源1から平滑用コンデンサ5に電流が供給される。これにより、平滑用コンデンサ5の電圧は回復する。なお、平滑用コンデンサ5に流れる電流は、リアクトル2A〜2Cの誘導成分によって急激には増大しない。そのため、平滑用コンデンサ5の電圧も急激には上昇することがない。
ところが、平滑用コンデンサ5の略直流状の電圧が速やかに上昇しないことで、インバータ回路7に入力される電圧は、交流電源1の電圧周期に同期した電圧リップルを持つ波形となる。そのため、DCブラシレスモータ8が発生するトルクにも同様の電圧リップルを持ってしまう問題がある。また、このような構成では、交流電源1が供給する電流は、交流電源電圧のピーク付近で多く流れ、電圧ゼロ付近では流れない。そのため、力率が低い上に、高調波の発生量も大きくなってしまう問題がある。
そこで、本実施形態では、直流電源装置Aにリアクトル2A〜2Cの容量を可変させる可変手段を備える。この可変手段を備えることで、発生する略直流状電圧の電圧リップルを抑制し、かつ、力率を向上させることができる。
可変手段は、直列に接続されたリアクトル2A〜2Cのうち、リアクトル2Bを短絡させる短絡回路10と、この短絡回路10を開閉するスイッチング回路Cとから構成される。
短絡回路10は、4つのダイオード10A〜10Dから構成されており、その出力はスイッチング回路Cに接続される。また、短絡回路10は、リアクトル2Aとリアクトル2Bの接続点、および、リアクトル2Bとリアクトル2C の接続点と接続される。
スイッチング回路Cは、IGBT10Eとフリーホイールダイオード10Fとから構成されており、IGBT10Eが制御演算部11と接続される。
上記構成によると、可変手段は、交流電源1から供給される交流電圧が倍電圧整流用コンデンサ4Aの電圧を超えたときに、スイッチング回路CのIGBT10EをONにして、短絡回路10を導通状態にする。そうすると、リアクトル2Aからリアクトル2Cに流れるほとんどの電流は、リアクトル2A→ダイオード10A→IGBT10E→ダイオード10D→リアクトル2Cの順に流れる。そのため、比較的早くに平滑用コンデンサ5に流れ込む電流量が増大するので、平滑用コンデンサ5の電圧上昇も増大する。
この動作時における電源電圧とDCリンク電圧(GNDに対するダイオード3A,3B、コンデンサ4A、および、コンデンサ5を接続する線の電圧)と電源電流のシミュレーション波形を図2に示す。
図2中に係るシミュレーション波形における各部品の定数は、交流電源1が実効電圧100V−60Hz、リアクトル2Aが0.5mH、リアクトル2Bが4.0mH、リアクトル2Cが0.5mH、倍電圧整流用コンデンサ4Aが390μF、倍電圧整流用コンデンサ4Bが390μF、平滑用コンデンサ5が820μFとする。インバータ回路7およびDCブラシレスモータ8は、直流6.25Aの定電流源とする。また、IGBT10EのON期間は、電源電圧位相の半周期を360度としたときの10〜90度とする。このときの平均出力は約1500Wである。
図3には、従来のモータ駆動装置の動作時における電源電圧とDCリンク電圧と電源電流のシミュレーション波形を示す。図3のシミュレーション波形を生成する回路構成は、リアクトルの容量を可変させる可変手段がなく、5.0mHのリアクトルが1つのみ備えられているという点で本実施形態の回路構成と異なる。その他の構成および部品の定数は同じである。なお、従来のモータ駆動装置の平均出力を1500Wにするために、インバータ回路およびモータは直流6.10Aの定電流源とする。
この図2と図3の電源電流波形を比較すると明らかなように、図2では、リアクトル2A〜2Cの誘導成分が少ないために電流が急激に流れ始めているのに対し、図3では、リアクトルの誘導成分が多いために電流が緩やかに流れ始めている。すなわち、図2の回路構成の方が、平滑用コンデンサ5を素早く充電することができるので、DCリンク電圧の落ち込みが少なくなり、電圧リップルも小さくなる。この電圧リップルは、図3では30Vであるのに対し、図2では18Vとなる。すなわち、図3の回路構成に対して図2の回路構成は、電圧リップルを4割減少することができる。また、力率(利用効率)においては、図3では0.901であるのに対し、図2では0.935である。すなわち、力率においても、図2の回路構成の方が図3の回路構成と比べて向上している。
また、上記の場合よりも低出力の場合、例えば、出力が750Wの時では、出力が1500Wの時と比較すると、DCリンク電圧の低下が少ないため、電源電流が流れ始める電源電圧位相が遅くなる。
そこで、出力750Wの時も出力1500Wの時と同様に、IGBT10EのON期間を電源電圧位相の10〜90度にしておく。そうすると、電源電流が流れ始めて間もなくはIGBT10EをOFFすることになるので、DCリンク電圧の落ち込みを少なくする効果が薄れてしまう。そのため、この時は、IGBT10EのON期間を電源電圧位相の10〜120度にしておく等、ON期間を長くするように制御する。
このような電源電圧位相の期間は、電流検出部9で検出した電流、直流電圧検出部6で検出した電圧、あるいは、制御演算部11が自身で制御しているDCブラシレスモータ8への出力指令等によって判断する。
例えば、制御演算部11が電流検出部9で電流を検出して判断する場合は、電流検出部9から検出した電流の平均値が小さいと、平滑用コンデンサ5からDCブラシレスモータ8への電流供給は少ないと判断する。このときはIGBT10EのON期間を長くする。
また、制御演算部11が直流電圧検出部6で電圧を検出して判断する場合、直流電圧検出部6から検出した電源周期毎のDCリンク電圧の減少量が小さいと、平滑用コンデンサ5からDCブラシレスモータ8への電流供給が少ないと判断する。このときはIGBT10EのON期間を長くする。
また、位相期間の調整は制御演算部11が自身で制御しているDCブラシレスモータ8への出力指令によって判断する場合は、IGBT7A〜7FへのPWMパルスのデューティ比を小さくするようにPWM制御信号を出力したとき、平滑用コンデンサ5からDCブラシレスモータ8への電流供給が少ないと判断する。
このとき、制御演算部11は、IGBT10EのON期間を長くするように制御する。この場合、電流や電圧を検出してからIGBT10EのON期間を調整するのではなく、DCブラシレスモータ8への出力を小さくするように制御開始したと同時にON期間を調整するので、回路応答等に起因する制御遅れを防止することができ、その結果、モータ駆動装置の性能が低下する期間を短縮することができる。
なお、IGBT10EのON動作を複数回おこなってもよい。この場合、図4に示すように、IGBT10EのON期間を、電源電圧位相の半周期を360度としたときの10〜85度および90〜110度としている。
図4のシミュレーション波形では、それぞれの期間において、電源電流が急激に増大している。ところが、このように、ON動作を複数回行なうことで電流のピーク値を抑えることができる。さらに、力率や平均電圧量等の重視する目的に応じて、ON期間を調整する自由度を向上させることができる。
〔第2実施形態〕
次に、図5および図6を用いて本発明の第2実施形態の説明をおこなう。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明は省略し、異なる部分についての説明を行なう。
第2実施形態のモータ駆動装置の全体構成は、図5に示すように、可変手段にスナバ回路20を備えた以外は第1実施形態と同様である。
スナバ回路部20は、ダイオード20Aと、抵抗20Bと、コンデンサ20Cとから構成され、IGBT10Eのターンオフ時のサージ電圧を抑制する。ダイオード20Aは、そのアノード側がIGBT10Eのコレクタと接続され、カソード側がコンデンサ20Cと接続される。コンデンサ20Cは、その他端がIGBT10Eのエミッタと接続される。抵抗20Bはダイオード20Aと並列に接続される。
次に、上記回路構成におけるモータ駆動装置の動作、特に短絡回路10とスナバ回路部の動作について説明する。
交流電源1の正の半周期において、交流電源1から出力された交流電流は、IGBT10EをONにしていれば、リアクトル2A→ダイオード10A→IGBT10E→ダイオード10D→リアクトル2Cの順に流れる。
IGBT10EをOFFにした瞬間は、交流電流は、リアクトル2A→ダイオード10A→ダイオード20A→コンデンサ20C→ダイオード10D→リアクトル2Cと流れ、その後、リアクトル2A→リアクトル2B→リアクトル2Cと流れて定常状態となる。このときにコンデンサ20Cに充電された電荷は、次の半周期においてIGBT10EがONしたときに抵抗20Bを通って、IGBT10E→ダイオード10D→リアクトル2Cと流れる。
これらの動作時の電源電圧とDCリンク電圧と電源電流とのシミュレーション波形を図6に示す。なお、本実施形態に係るシミュレーション波形における各部品の定数は、抵抗20Bが20Ω、コンデンサ20Cが39μFとする。その他は、第1実施形態と同様である。モータ駆動装置の平均出力を1500Wとするために、インバータ回路7およびDCブラシレスモータ8は直流6.3Aの定電流源とする。また、IGBT10EのON期間は、電源電圧の半周期を360度としたとき、10〜85度とする。
この図6と図2の電源電流波形を比較すると明らかなように、スナバ回路20の作用により、IGBT10EをOFFにした瞬間の尖頭状の電流変化が少なくなり、穏やかに電流減少している。そのため、サージ電圧の発生が緩和されるので、これに起因するノイズも少なくなり、回路周辺部の誤動作を回避することができる。
サージ電圧の抑制を目的とする場合、スナバ回路20のコンデンサ20Cの必要容量は一般に次式(1)で与えられる。
コンデンサの必要容量=La・Ia2/(Va−Ea)2 (1)
ここで、Laは回路の浮遊インダクタンス、IaはIGBTのターンオフ時のコレクタ電流、Vaはコンデンサ電圧の最終到達値(IGBTのコレクタ−エミッタ間の順方向耐圧)、Eaはスナバ回路への印加電圧を示す。
本実施形態の出力程度であれば、Laは0.2μH程度であり、Ia/(Va−Ea)は大きくても0.5以下なので、通常でのコンデンサ20Cの必要容量は0.47μF程度となる。
しかし、本実施形態では、通常よりも充分に大きな39μFを用いることにより、図6で示すように、電流変化が非常に穏やかとなる。そのため、力率も向上させることができる。ただし、コンデンサ20Cの蓄積電荷を放出するときには、抵抗20Bでの消費電力が大きくなる。
これにより、リアクトル2A〜2Cの短絡動作終了時の急激な電流変動と、浮遊インダクタンスによるサージ電圧の発生が緩和されるので、これに起因するノイズも少なくなり、周辺部の誤動作を回避することができる。また、スナバ回路20のコンデンサ20Cの容量を通常より大きくすることによって、短絡動作終了時の電流変動がさらに穏やかになるのため、電源利用率が高まって力率が向上する。
ここで、冷凍・空調装置などで使用される圧縮機では、圧縮機駆動装置であるDCブラシレスモータ8を駆動するために必要な電流量が多いため、平滑用コンデンサ5の電圧低下は早くなる。そのため、平滑用コンデンサ5の電圧の回復を早くする必要がある。そこで、上記の直流電源装置を備えたモータ駆動装置を圧縮機駆動装置であるDCブラシレスモータ8を駆動するために使用する。これによって、力率が向上し、家庭内の限られた電源容量であっても、多くの電力を供給することができる。そして、このモータ駆動装置を備えた圧縮機駆動装置を空気調和機に搭載する。これによって、空気調和機を運転することが可能となる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で修正・変更を加えることができるのは勿論である。例えば、リアクトルは、対称性を考慮して3つの直列接続としたが、2つ以上であれば同様の効果が得られる。
また、短絡回路をIGBTとダイオードにより構成したが、充分な逆耐圧を備えたスイッチング素子や双方向へ電流を流すことが可能な素子によって簡易な構成としても良い。
また、本発明の直流電源装置を備えたモータ駆動装置を空気調和機に搭載しているが、冷蔵庫、冷凍庫、といった冷凍・空調装置に搭載しても良い。また、直流電源装置をその他の電気機器に動作しても良い。直流電源装置を搭載することにより、電源の利用効率が高まり、力率を向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係るモータ駆動装置の回路図 モータ駆動装置に備えられた直流電源装置の動作波形図 従来の直流電源装置の動作波形図 モータ駆動装置に備えられた直流電源装置であって、可変手段動作を2回行なった場合の動作波形図 本発明の第2実施形態に係るモータ駆動装置の回路図 モータ駆動装置に備えられた直流電源装置の動作波形図 従来のモータ駆動装置の回路図
符号の説明
1 交流電源
2A〜2C リアクトル
3 整流用ダイオードブリッジ
3A〜3D ダイオード
4A、4B 倍電圧用コンデンサ
5 平滑用コンデンサ
6 直流電圧検出部
6A、6B 抵抗
7 インバータ回路
7A〜7F IGBT
7G〜7L フリーホイールダイオード
8 DCブラシレスモータ
9 電流検出部
10 短絡回路
10A〜10D ダイオード
10E IGBT
10F フリーホイールダイオード
11 制御演算部
12 電流
20 スナバ回路
20A ダイオード
20B 抵抗
20C コンデンサ
30 交流電源
31 リアクトル
32 整流用ダイオードブリッジ
33、34 倍電圧整流用コンデンサ
35 平滑用コンデンサ
36 インバータ回路
37 制御回路
38 モータ
A 直流電源装置
C スイッチング回路

Claims (9)

  1. 交流電源からの交流電圧を整流して直流電圧を発生させる整流手段と、整流された直流電圧を平滑する平滑手段と、交流電源と前記整流手段との間に直列に接続された複数のリアクトルとを有する直流電源装置であって、
    前記リアクトル容量を可変させる可変手段と、前記可変手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする直流電源装置。
  2. 整流手段は、電荷蓄積手段を備え、
    制御手段は、交流電圧の半周期中において、交流電源の電圧が前記電荷蓄積手段の電圧を超えるタイミングに合わせて可変手段を動作させることを特徴とする請求項1に記載の直流電源装置。
  3. 制御手段は、交流電圧の半周期中において、交流電源の電圧が電荷蓄積手段の電圧を超えている間、可変手段の動作を複数回おこなうことを特徴とする請求項2に記載の直流電源装置。
  4. 平滑された直流電流を検出する直流電流検出手段を備え、
    制御手段は、検出された電流量に応じて、可変手段を動作させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の直流電源装置。
  5. 平滑された直流電圧を検出する直流電圧検出手段を備え、
    制御手段は、検出された直流電圧量に応じて、可変手段を動作させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の直流電源装置。
  6. 可変手段は、直列に接続された複数のリアクトルのうち少なくとも1つのリアクトルを短絡させる短絡回路と、前記短絡回路を開閉するスイッチング回路とから構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の直流電源装置。
  7. 短絡回路に対して並列にスナバ回路を備えたことを特徴とする請求項6に記載の直流電源装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の直流電源装置と、平滑された直流電圧を可変周波数の交流に変換するインバータ手段とを備えたモータ駆動装置であって、
    制御手段は、前記インバータ手段からモータへの出力に応じて、可変手段を動作させることを特徴とするモータ駆動装置。
  9. 請求項8に記載のモータ駆動装置を備えたことを特徴とする空気調和機。
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