JP2013162591A - 電源回路および電子装置 - Google Patents

電源回路および電子装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013162591A
JP2013162591A JP2012021521A JP2012021521A JP2013162591A JP 2013162591 A JP2013162591 A JP 2013162591A JP 2012021521 A JP2012021521 A JP 2012021521A JP 2012021521 A JP2012021521 A JP 2012021521A JP 2013162591 A JP2013162591 A JP 2013162591A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power supply
capacitor
supply circuit
rectifier circuit
capacitance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012021521A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuo Kinoshita
健生 木下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2012021521A priority Critical patent/JP2013162591A/ja
Publication of JP2013162591A publication Critical patent/JP2013162591A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】少なくともチョークコイルの大きなものは使わず、初期の電流に伴うエネルギーを抵抗器に負担させずに、突入電流の最大値を抑え、突入電流の流れる期間を減らす。
【解決手段】交流を整流して直流を供給する電源回路2には、2つの出力端子7と1つの入力端子8とを有する整流回路3と、整流回路3の入力端子8に直列に接続されたカップリング用の第1コンデンサ4と、整流回路3の2つの出力端子7間を結ぶべく、負荷に並列に接続された平滑用の第2コンデンサ5と、が備えられている。第1コンデンサ4のキャパシタンスが、第2コンデンサ5のキャパシタンスの半分以下である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、突入電流対応の電源回路および電子装置に関する。
電源回路を備えた電子装置は、多くの電子装置に不可欠な構成であり、電源から供給される交流を整流し、電子回路における利用に好適な直流を供給する。
電子装置の電源回路では、電圧値を安定化させるために平滑用のコンデンサが用いられ、この平滑用のコンデンサによれば、高品質のアナログ回路や信頼性の高いディジタル回路におけるリップルを低減させることができる。また、電源回路から電源供給を受ける電子回路にインバータ等、過激なパルスを発する構成が用いられる場合、電気的ノイズが発生し、電子装置の内外に影響が及ぶ。そのため、電気的ノイズを低減するために、キャパシタンスのより大きなものが電源回路に用いられる。
また、電子装置をコンパクトにすることなどを目的として、重くかさばる電源トランスを省略した非絶縁型の電源回路が電源回路として用いられ、この非絶縁型の電源回路の場合、電源投入時の突入電流を抑制する特性が弱い。
電源回路に用いる平滑用のコンデンサのキャパシタンスについて、電源周波数の頻度(回路によっては、その2倍の頻度)で間欠的にしか充電されない。そのため、間欠して行う充電の間における出力電圧の低下(即ち、リップル)は、十分小さい値、例えば最大電圧値の数%以内になるように設定される。このため、電源回路を備えた電子装置を使用する時、平滑用のコンデンサには、供給しているパワー条件下で電源周波数の少なくとも数十周期分に相当する大きなエネルギーが蓄積される。この大きなエネルギーは、エネルギーが概ね失われた状態(非使用時の状態)から、電源投入直後の極めて短期間に電源線を通じて電子装置に供給される。そのため、この期間の電流(即ち、突入電流)が蓄積されるべきエネルギーの大きな電子装置(もしくは電子装置を備えた電子機器)においては、電子装置の内外が加熱したり、電気的ノイズが機器内外に発するなどの問題が生じる。
また、従来、電流値を緩和し、エネルギーを吸収する役割を果たしていた電源トランスを使わない設計(非絶縁型の電源回路)が近年増えていることも、この問題をさらに著しくしている。
一般に、電子装置の電源から流入する電流が最終的に落ち着く値は、次のような要因(後述の要因1〜3参照)の何れかが単独または複合して作用することによって制限されている。要因1として、暫定的にインダクタンスによって制限されているうちに、交流である電源の位相が変化し、逆向きの流れ方を要求することが挙げられる。また、要因2として、電子装置内の各部品の内部抵抗など回路の持つ抵抗と電流との積で求められる電圧降下が、電源起電力と等しくなることが挙げられる。また、要因3として、平滑用のコンデンサが一杯になることが挙げられる。つまり、平滑用のコンデンサの端子間の電圧が、電源から整流回路等を通じて供給される電圧に拮抗する値になることが挙げられる。
例えば、蛍光灯器具においては、安定器(例えば、チョークコイル)が用いられ、主に要因1の理由で電流が制限されている。
また、電熱装置等の抵抗性の負荷によっては、主に要因2の機構で電流は落着く。
電子装置の多くは、電源部に平滑用のコンデンサを有し、直流電源を供給するようになっている。このような回路で平滑用のコンデンサに流れ込む電流は、最終的には要因3によって安定化する。
しかしながら、スイッチを入れて安定するまでの短時間に限っては大きな電流が流れることが問題である。特に、平滑用のコンデンサのキャパシタンスが大きければ、抑制が働くのが遅れ、この遅れの分だけ、その間に流れる電流の最大値は大きくなる傾向にある。
例えば、従来、図3に示すようなブリッジ整流回路が用いられ、このブリッジ整流回路の出力側には平滑用のコンデンサが接続されている。この図3に示すブリッジ整流回路では、電源投入時に(スイッチを入れると)、例えば図4に示すような経路(図4に示す太線参照)に沿って大きな電流が流れる。
ところで、突入電流が大きい電源回路では、スイッチを入れる時に以下のような不都合が生じる。
電源回路に用いられるコンデンサ、インダクタ等の部品や、電源回路を備えた電子装置の内外の配線などが、瞬間的に許容限度を超える温度にまで過熱し、その結果、発火する場合があり、この発火が火災の原因となる。
また、太さが十分ではない同一の電源線から分岐し、電子装置が、他の電子装置や電子機器が接続されている場合、スイッチを入れる時には、共通の供給系統の途中に電圧降下が生じることにより、他の機器への電力供給が不足し、動作不良等、問題を生じる。
また、当該電子装置の近傍に位置する他の電子機器において、電源を共有するか否かに関わらず、発生する電磁ノイズ(EMS)を通じ、それらの内部、また、相互結線における、ディジタルまたはアナログの信号伝達に障害が生じる。
上記の突入電流の問題を解決するために、従来から様々な構成が考えられた。例えば、入力線上に置かれるインダクタンスを増やすことは、最も初歩的な解決とされた。しかしながら、この場合、インダクタンス値が十分に大きく、かつ、平素の損失が少なく大きな電流を流せるチョークコイルは、大型化する傾向にある。
また、入力線上に置かれるインダクタンスを増やすこととは別に、抵抗と、リレーや電子スイッチ等のスイッチング手段とを併用した構成がある。例えば、スイッチを入れる時に、抵抗による電流抑制機構を使って電流を安定させ、電流が安定した後に、これに並行するスイッチを閉じ、抵抗の損失を除く抑制機構がある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の抑制機構は、平滑用のコンデンサの前段であれば、整流回路の前段でも後段でも配置することができる。この他にも、インバータの原理を用い、発熱を生じることなく突入電流自体を制限する抑制機構(例えば、特許文献2参照)や、DC−DCコンバータを使う抑制機構(例えば、特許文献3参照)がある。
特許4797700号公報 特許4534189号公報 特許4422090号公報
上記の特許文献1〜3に示すような抑制機構により、突入電流の問題を解決することができるように思えるが、これらも突入電流の問題の一部を解決したにすぎない。
実際に抵抗器を使う場合、抵抗器は電気エネルギーから熱エネルギーへの変換器であるため、そこで吸収すべきエネルギーは、電圧×キャパシタンス(電力×時間=電圧×電流×時間)で求められる。ここでいうエネルギーは、キャパシタンスを固定する限りは不変の(動かすことのできない)値となるが、初期の電流が流れるのは、熱エネルギーが電子装置の部品外にまで拡散できる時間に比べて短時間となり、その抵抗線で生じた発熱は、抵抗線自体を含む、電子装置の部品を構成する材料の温度上昇に反映する。そのため、電子装置を破壊しないように回路設計を行う必要があり、抵抗器を用いる方式では、抵抗器自体を大きくすることは不可避となり、その結果、装置の大型化は避けられない。
また、インバータは価格が高くなる傾向にあり、コストを考慮すると、電源回路の部品としてインバータを用いることは難しい。また、DC−DCコンバータも、その内部がインバータで構成されるので、インバータと同様に電源回路の部品に用いることは難しい。
そこで、上記課題を解決するために、本発明は、少なくとも大きなチョークコイルを使わず、初期の電流に伴うエネルギーを抵抗器に負担させずに、突入電流の最大値を抑え、突入電流の流れる期間を減らすことができる電源回路および電子装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明にかかる電源回路は、交流を整流して直流を供給する電源回路であって、複数の出力端子と少なくとも1つ以上の入力端子とを有する整流回路と、前記整流回路の前記入力端子に直列に接続されたカップリング用の第1コンデンサと、前記整流回路の複数の前記出力端子間を結ぶべく、負荷に並列に接続された平滑用の第2コンデンサと、が備えられ、前記第1コンデンサのキャパシタンスが、前記第2コンデンサのキャパシタンスの半分以下であることを特徴とする。具体的な構成として、前記整流回路がブリッジ整流回路であってもよい。
本発明にかかる電源回路によれば、複数の出力端子と少なくとも1つ以上の入力端子とを有する整流回路と、前記整流回路の前記入力端子に直列に接続されたカップリング用の第1コンデンサと、前記整流回路の複数の前記出力端子間を結ぶべく、負荷に並列に接続された平滑用の第2コンデンサと、が備えられ、前記第1コンデンサのキャパシタンスが、前記第2コンデンサのキャパシタンスの半分以下であるので、キャパシタンスの大きな前記第2コンデンサを用いながら、別個に用いられるキャパシタンスの小さな前記第1コンデンサによって、突入電流を抑制することが可能となる。その結果、突入電流の最大値と、突入電流の流れる期間とが制限され、当該電源回路の部品や配線の瞬間的な発熱を抑え、電源環境へ悪影響が及ぶのを抑えて、当該電源回路の部品を破壊させることなく安全に電源投入することが可能となる。つまり、少なくとも大きなチョークコイルを使わず、平滑用にキャパシタンスの大きな前記第2コンデンサを用いながら、初期の電流に伴うエネルギーを抵抗器に負担させずに、突入電流の最大値を抑え、突入電流の流れる期間を減らすことが可能となる。
上記の目的を達成するため、本発明にかかる電源回路は、交流を整流して直流を供給する電源回路であって、複数の出力端子と複数の入力端子とを有する整流回路と、前記入力端子の少なくとも1つ以上の前記入力端子に対し、前記整流回路の内側で接続された少なくとも1つ以上の第1コンデンサと、複数の前記出力端子間を結ぶべく、負荷に並列に接続された平滑用の第2コンデンサと、が備えられ、前記第1コンデンサのキャパシタンスが、前記コンデンサのキャパシタンスの半分以下であることを特徴とする。具体的な構成として、前記整流回路が、両波倍電圧整流回路であってもよい。
本発明にかかる電源回路によれば、複数の出力端子と複数の入力端子とを有する整流回路と、前記入力端子の少なくとも1つ以上の前記入力端子に対し、前記整流回路の内側で接続された少なくとも1つ以上の第1コンデンサと、複数の前記出力端子間を結ぶべく、負荷に並列に接続された平滑用の第2コンデンサと、が備えられ、前記第1コンデンサ2のキャパシタンスが、前記コンデンサのキャパシタンスの半分以下であるので、キャパシタンスの大きな前記第2コンデンサを用いながら、別個に用いられるところのキャパシタンスの小さな前記第1コンデンサによって、突入電流を抑制することが可能となる。その結果、突入電流の最大値と、突入電流の流れる期間とが制限され、当該電源回路の部品や配線の瞬間的な発熱を抑え、電源環境へ悪影響が及ぶのを抑えて、当該電源回路の部品を破壊させることなく安全に電源投入することが可能となる。つまり、少なくとも大きなチョークコイルを使わず、平滑用にキャパシタンスの大きな前記第2コンデンサを用いながら、初期の電流に伴うエネルギーを抵抗器に負担させずに、突入電流の最大値を抑え、突入電流の流れる期間を減らすことが可能となる。
上記の目的を達成するため、本発明にかかる電源回路は、交流を整流して直流を供給する電源回路であって、複数の出力端子と複数の入力端子とを有する前記整流回路と、前記整流回路の少なくとも1つ以上の前記入力端子に対し、前記整流回路の内側で接続された少なくとも1つ以上の第1コンデンサと、複数の前記出力端子間を結ぶべく、前記整流回路の内側で直結された平滑用の第2コンデンサと、が備えられ、前記第1コンデンサのキャパシタンスが、前記第2コンデンサのキャパシタンスの半分以下であることを特徴とする。具体的な構成として、前記整流回路が、前記整流回路が、半波倍電圧整流回路であってもよい。
本発明にかかる電源回路によれば、複数の出力端子と複数の入力端子とを有する前記整流回路と、前記整流回路の少なくとも1つ以上の前記入力端子に対し、前記整流回路の内側で接続された少なくとも1つ以上の第1コンデンサと、複数の前記出力端子間を結ぶべく、前記整流回路の内側で直結された平滑用の第2コンデンサと、が備えられ、前記第1コンデンサのキャパシタンスが、前記第2コンデンサのキャパシタンスの半分以下であるので、キャパシタンスの大きな前記第2コンデンサを用いながら、別個に用いられるところのキャパシタンスの小さな前記第1コンデンサによって、突入電流を抑制することが可能となる。その結果、突入電流の最大値と、突入電流の流れる期間とが制限され、当該電源回路の部品や配線の瞬間的な発熱を抑え、電源環境へ悪影響が及ぶのを抑えて、当該電源回路の部品を破壊させることなく安全に電源投入することが可能となる。つまり、少なくとも大きなチョークコイルを使わず、平滑用にキャパシタンスの大きな前記第2コンデンサを用いながら、初期の電流に伴うエネルギーを抵抗器に負担させずに、突入電流の最大値を抑え、突入電流の流れる期間を減らすことが可能となる。
前記構成において、前記整流回路より入力側の結線位置の少なくとも1箇所に、チョークコイルを有してもよい。
この場合、前記整流回路より入力側の結線位置に前記チョークコイルを有するので、突入電流の最大値を抑制することが可能となる。すなわち、突入電流が仮定(想定)される回路の途中(前記整流回路より入力側の結線位置)に前記チョークコイルを追加し、前記チョークコイルの追加によりインダクタンスを増加させて、突入電流の期間における発熱を抑制させることが可能となる。このことは、最大電流と反比例するように、突入電流の期間は増えるものの、期間における(単位時間あたりの)発熱は電流の2乗に比例することに関係する。
前記構成において、前記整流回路より入力側の結線位置の少なくとも1箇所に、または、前記第1コンデンサの後段にすぐ続いてチョークコイルを有してもよい。
この場合、前記整流回路より入力側の結線位置の少なくとも1箇所に、または、前記第1コンデンサの後段にすぐ続いてチョークコイルを有するので、突入電流の最大値を抑制することが可能となる。すなわち、突入電流が仮定(想定)される回路の途中(前記整流回路より入力側の結線位置、または、前記第1コンデンサの後段)に前記チョークコイルを追加し、前記チョークコイルの追加によりインダクタンスを増加させて、突入電流の期間における発熱を抑制させることが可能となる。このことは、最大電流と反比例するように、突入電流の期間は増えるものの、期間における(単位時間あたりの)発熱は電流の2乗に比例することに関係する。
前記構成において、前記チョークコイルは、強磁性体による磁心を有し、前記第1コンデンサのキャパシタンスをC1とし、当該電源回路の入力に印加される交流の実効電圧をVとし、前記チョークコイルが磁気的に飽和する限度の電流を流した際に蓄積し、再放出可能なエネルギーをEiとし、最大電圧に対するコンデンサの蓄積エネルギーをEcとして、Ei>Ec=C1*V2を満たしてもよい。
この場合、前記チョークコイルは前記強磁性体による磁心を有し、Ei>Ec=C1*V2を満たすので、同じ巻き数の空芯のチョークコイルに比べて、インダクタンスを高くすることが可能となる。ただし、強磁性体の磁心が固有の磁束密度において飽和し、前記チョークコイルを高いインダクタンスとして活用することができるのは、この飽和までの範囲であることに注意する必要がある。突入時の電圧(突入電圧)および電流(突入電流)について、実効電圧をVとし、最大電圧(交流の電圧絶対値最大の瞬間にスイッチが入れられたと仮定)をV0とすると、前記第1コンデンサの電圧がV0になった瞬間に前記第1コンデンサに蓄えられる電気エネルギーと、同じ瞬間に電流として(磁界の形で)前記チョークコイルに蓄えられるエネルギーとは等しい。また、前記チョークコイルが、Ei>Ec=C1*V2を満たし強い包容力を持っているので、突入電流で飽和しない。
上記の目的を達成するため、本発明にかかる電子装置は、本発明にかかる電源回路が備えられたことを特徴とする。
本発明にかかる電子装置によれば、本発明にかかる電源回路を備えているので、本発明にかかる電源回路による作用効果を有し、少なくとも大きなチョークコイルを使わず、平滑用にキャパシタンスの大きな前記第2コンデンサを用いながら、初期の電流に伴うエネルギーを抵抗器に負担させずに、突入電流の最大値を抑え、突入電流の流れる期間を減らすことが可能となる。
前記構成において、前記電源回路は、電力を供給する外部の外部電源からトランスによって電気的に絶縁されることなく配置されてもよい。
この場合、前記電源回路は、電力を供給する外部の外部電源からトランスによって電気的に絶縁されることなく配置されるので、重く、嵩張り、価格が高く、発熱の原因にもなる電源トランスを省略することが可能となる。
本発明によれば、少なくとも大きなチョークコイルを使わず、初期の電流に伴うエネルギーを抵抗器に負担させずに、突入電流の最大値を抑え、突入電流の流れる期間を減らすことが可能となる。
図1は、本実施の形態1にかかる電源回路を備えた電子装置の回路図である。 図2は、図1に示す回路図において突入電流の経路を示した図である。 図3は、図1に対応した従来の電源回路を備えた電子装置の回路図である。 図4は、図3に示す回路図において突入電流の経路を示した図である。 図5は、本実施の形態1および従来の電源回路を簡素化した回路図である。 図6は、図1に示す本実施の形態1にかかる電源回路を備えた電子装置と、図4に示す従来の電源回路を備えた電子装置との、電圧、電流、および、電気量の推移を示すグラフである。 図7は、本実施の形態1における条件1〜3の関係を示した図である。 図8は、本実施の形態1における条件1〜3の関係を示した図である。 図9は、本実施の形態2にかかる電源回路を備えた電子装置の回路図である。 図10は、本実施の形態2にかかる電子装置の具体的な回路図である。 図11は、図9に対応した従来の電源回路を備えた電子装置の回路図である。 図12は、図10に対応した従来の電子装置の具体的な回路図である。 図13は、本実施の形態3にかかる電源回路を備えた電子装置の回路図である。 図14は、図13に対応した従来の電源回路を備えた電子装置の回路図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
<実施の形態1>
本実施の形態1にかかる電子装置1は、交流を整流して直流を供給するものであり、図1に示す電源回路2が備えられている。
本実施の形態1にかかる電源回路2には、図1に示すように、交流電源9と、2つの出力端子7と1つの入力端子8とを有するブリッジ整流回路である整流回路3と、整流回路3の入力端子8に直列に接続されたカップリング用の第1コンデンサ4と、整流回路3の2つの出力端子7間を結ぶべく、負荷10に並列に接続された平滑用の第2コンデンサ5と、が備えられている。このうち、第1コンデンサ4のキャパシタンスは、第2コンデンサ5のキャパシタンスの半分以下であり、第1コンデンサ4は、大きな突入電流が流れる経路の途中であり、かつ、整流素子よりも入力側(入力端子8側)の結線上の任意の箇所に挿入されている。また、この電源回路2は、電力を供給する外部の外部電源からトランスによって電気的に絶縁されることなく配置されている。
この実施の形態1にかかる電源回路2を説明する前に、実施の形態1の従来例となる従来の電源回路92の構成を、図面(特に図3〜5)を用いて説明する。
従来の電源回路92はブリッジ回路であり、従来の電源回路92には、図3に示すように、2つの出力端子97と、入力端子98とを有する整流回路93と、整流回路93の2つの出力端子97間を結ぶべく、負荷910に並列に接続された平滑用の第2コンデンサ95と、が備えられている。
この従来の電源回路92における突入時の電流の流れ方に関して、交流電源99による入力の瞬間(スイッチを投入した瞬間)の交流電源99の位相によって場合分けを行う必要があるものの、総じて、上側の入力端子が正である期間にスイッチを入れた場合、図4に示す太線で記入した経路通りに主たる突入電流が流れる。なお、この従来の電源回路92には、インダクタンスを示していないが、少なくとも1つ以上のインダクタンスが、結線や電源線、分電用のトランス等に配されている。
また、従来の電源回路92が備えられた電子装置91として半導体整流器を用いた場合、順方向の電圧ギャップがあるものの、電源ギャップは概ね1V内外となり、商用の電源電圧に比べて僅かな量であり、電圧ギャップを無視することができる。
そのため、従来の電源回路92におけるスイッチを入れた瞬間の、突入時の電流に関しては図5に示すような簡素化した電源回路のモデルと同等となる。なお、図5に示す簡素化した電源回路は、直流電源20と、スイッチ21と、チョークコイル22と、コンデンサ23と、整流器24とから構成されている。
図5に示す電源回路において、直流電源20は、スイッチを投入した瞬間の交流電源99の電源電圧を表す。また、チョークコイル22のインダクタンスは、配線に分布して電源回路92に介在し、または部品として電源回路92に含まれるインダクタンスを表す。また、コンデンサ23のキャパシタンスは、平滑用の第2コンデンサ95を単に置換えたものであり、同じキャパシタンスのものである。
上記の通り、本実施の形態1にかかる電源回路2と、従来の電源回路92との違いは、カップリング用の第1コンデンサ4が整流回路3,93の入力端子8,98に直列に接続されているか否かであり、本実施の形態にかかる電源回路2では、第1コンデンサ4が整流回路3,93の入力端子8,98に直列に接続されているので、図2に示すように、上側の入力端子が正である期間にスイッチを入れた場合、図2に示す太線で記入した経路通りに主たる突入電流が流れる。
また、本実施の形態1にかかる電源回路2では、経路に介在する不図示のインダクタンスは、従来の電源回路92と同様であるが、キャパシタンスに関しては第1コンデンサ4が経路上に存在するので、第1コンデンサ4および第2コンデンサ5の直列キャパシタンスとして合成された合成キャパシタンスが電源回路2のキャパシタンスとして実効する。そのため、合成キャパシタンスの実効値Cは、第2コンデンサ5のキャパシタンスをC2とし、第1コンデンサ4のキャパシタンスをC1とすると、下記の数式(1)で得られる。なお、数式(1)において、C1がC2よりも非常に小さい場合、上式の値はC1に近い値となる。
Figure 2013162591
本実施の形態1にかかる電源回路2においてスイッチを入れた瞬間の挙動は、従来の電源回路92と同様に、図5に示す簡易的な電源回路で表すことができる。本実施の形態1では、第1コンデンサ4が備えられているので、コンデンサ23(図5参照)のキャパシタンスは、数式(1)で求められた合成値となる。すなわち、従来の電源回路92に比べて、図5に示すコンデンサ23のキャパシタンスの値は、小さいものとなる。
ところで、本実施の形態1にかかる電源回路2が備えられた電子装置1として半導体整流器を用い、半導体整流器における電圧ギャップ等を無視した場合、図1に示す電源回路2の構成を参考に、電源と電圧に関する構成を微分方程式で表すと下記の数式(2),(3)となる。なお、図5を参考に、下記の数式におけるV0は電圧測定点を示し、Vは接地に対する電圧測定点の電圧を示し、I0は電流測定点を示し、Iは接地に対する電流測定点の電流を示す。
Figure 2013162591
Figure 2013162591
数式(2),(3)から、電圧Vと電流Iとのそれぞれに即した解は、下記の数式(4),(5)のような2階微分方程式を作成することによって解くことができる。
Figure 2013162591
Figure 2013162591
また、初期条件も満たす妥当な解は、
Figure 2013162591
Figure 2013162591
Figure 2013162591
さらに、コンデンサに蓄積される電気量Qに関しては、以下の数式(9)によって導かれる。
Figure 2013162591
ここで得られる電気量Qは、図1に示す本実施の形態1にかかる電源回路2の第1コンデンサ4および第2コンデンサ5のそれぞれの電気量に相当し、第1コンデンサ4および第2コンデンサ5のどちらにも、少なくとも初期過程においては同じだけの電気量が溜まる。
このようにして算出された初期現象と半導体整流器の作用との結果に基づいて、スイッチ21(図5参照)を入れた後の電圧と電流との時間的推移をグラフ化すると、図6に示すようなものとなる。図6から分かるように、交流電源99による入力の直後(スイッチ21を投入した直後)の現象は、振動現象の半周期分と言える。なお、図6には、従来の電源回路92のようにキャパシタンスが大きい場合(図6のC大)と、本実施の形態1の電源回路2のように合成キャパシタンスが小さい場合(図6のC小)とを示している。図6に示すように、C小と示す本実施の形態1は、C大と示す従来に比べて、約9%程度のキャパシタンスを仮定している。なお、図6では、上のグラフの縦軸は電圧、中のグラフの縦軸は電流、下のグラフの縦軸はコンデンサに蓄積される電気量を示す。
また、各瞬間においてコンデンサに蓄積されている電気量は、端子電圧にキャパシタンスを掛けたものであり、インダクタンスが同じであることを条件として、従来の電源回路92と、本実施の形態1にかかる電源回路2とを比較すると、電流が流れ始めるごく初期の増加傾向は両者で大差ないが、本実施の形態1にかかる電源回路2における等価キャパシタンスは大幅に小さいので、充電は短時間で飽和し、完了する。また、充電が完了するまでの時間t0は次式で与えられる。
Figure 2013162591
また、抵抗Rに関して、突入電流の流れる電源回路2上に存在するが、電流値そのものには影響を与えない程度の微妙な抵抗Rが電源の入力線上に存在する場合、ここにおける突入電流期間の電力損失(即ち、発熱)は、次の式で与えられる。
Figure 2013162591
上記の式から、電源回路2の部品における発熱を抑えるためには、インダクタンスを大きくすることも若干有効であると言える。従って、チョークコイル22(図5参照)を用い、そのインダクタンスを増やすことも有効である。
ただし、前述の通り、インダクタンスの大きなチョークコイル22は、大きな部品になりがちである。コストを抑えて部品サイズを小さくすることができて、効果が著しい構成は、等価キャパシタンスを小さくすることであり、これは、数式(2)に基づいて第1コンデンサ4としてキャパシタンスC1の小さいものを用いることで実現できる。
そこで、例えば、電源回路2において、整流回路3より入力側の結線位置の少なくとも1箇所に、チョークコイル22(図5参照)を有してもよい。このチョークコイル22は、強磁性体による磁心を有し、第1コンデンサ4のキャパシタンスをC1とし、電源回路2の入力に印加される交流の実効電圧をVとし、チョークコイル22が磁気的に飽和する限度の電流を流した際に蓄積し、再放出可能なエネルギーをEiとし、最大電圧に対するコンデンサの蓄積エネルギーをEcとすると、数式(12)を満たす。
Figure 2013162591
この場合、突入電流の最大値を抑制することができる。すなわち、突入電流が仮定(想定)される回路の途中(整流回路3より入力側の結線位置)にチョークコイル22を追加し、チョークコイル22の追加によりインダクタンスを増加させて、突入電流の期間における発熱を抑制させることができる。このことは、最大電流と反比例するように、突入電流の期間は増えるものの、期間における(単位時間あたりの)発熱は電流の2乗に比例することに関係する(数式(11)参照)。また、チョークコイル22は前記強磁性体による磁心を有し、数式(12)を満たすので、同じ巻き数の空芯のチョークコイルに比べて、インダクタンスを高くすることができる。ただし、強磁性体の磁心が固有の磁束密度において飽和し、チョークコイル22を高いインダクタンスとして活用することができるのは、この飽和までの範囲であることに注意する必要がある。突入時の電圧(突入電圧)および電流(突入電流)は、実効電圧をVとし、最大電圧(交流の電圧絶対値最大の瞬間にスイッチが入れられたと仮定)をV0とすると、第1コンデンサ4の電圧がV0になった瞬間に第1コンデンサ4に蓄えられる電気エネルギーと、同じ瞬間に電流として(磁界の形で)チョークコイル22に蓄えられるエネルギーとは等しく(数式(6),(7)参照)、次式の数式い(12)となる。また、チョークコイル22が、数式(12)を満たし強い包容力を持っているので、突入電流で飽和しない。
Figure 2013162591
上記の通り、電子装置1のコスト、サイズ、重量に関する要望のみから言えば、第1コンデンサ4と、チョークコイル22の両部品には、できるだけ小さいものを使いたいが、そのようにすると、キャパシタンスおよびインダクタンスの定数が小さくなるので、これらの定数を設定するためには、下記の3つの条件(条件1〜3)を考慮して設定する必要がある。
まず、利用電流を充足することが条件1とされる。
この利用電流に関して、電源側から見た等価キャパシタンスC(上記の合成キャパシタンスの実効値C参照)は、負荷10が必要とする電流を供給するのに十分の量でなくてはならない。交流電源9である電源電圧(実効値)をVp、周波数をf、電子装置1が必要とするパワーをPsとすると、次の不等式を十分に満たすものでないといけない。
Figure 2013162591
この数式(14)を適切に変形すれば、数式(15)の通りになる。
Figure 2013162591
次に、使用状況において電源回路2自体が破壊しないことが条件2とされる。
電子装置1の部品等が瞬時に壊れないようにするためには、先に数式(11)で与えられたところの発熱の値に関して制限を考える必要があり、この観点から、次式(数式(16))が導かれる。
Figure 2013162591
最後に、突入電流の最大値が許容以下であることが条件3とされる。
突入電流の最大値は数式(8)で与えられるので、式の値を便宜上2乗し、条件3を満たすと、次式(数式(17))が導かれる。
Figure 2013162591
上記の通り、第1コンデンサ4およびチョークコイル22(図5参照)の定数(定数1〜3)は、条件1および条件2の連立不等式、または条件1および条件3の連立不等式によって設定することができる。
以上、3つの条件1〜3におけるインダクタンスLとキャパシタンスCに関する不等式を、両対数グラフで表すと、図7,8のようになる。そして、要求される目的においてどちらの連立不等式が重要か、すなわち条件2と条件3のどちらに着目すべきかを、電源環境に対する条件の厳しさによって設定する。
例えば、電源線が十分に太いなど、共用機器への影響を考えなくて良く、条件3が比較的緩い場合には、電源回路2自体の破壊に関する条件2のみを考慮しておけば良く、この場合、図7に示すように、第1コンデンサ4およびチョークコイル22の定数は、条件1および条件2の連立不等式によって設定する。
一方、共通電源線が細く、同時に、共用機器の使用が同じ共通電源線上で仮定されるような場合で、条件2よりは条件3に着目する必要がある場合、図8に示すように、第1コンデンサ4およびチョークコイル22の定数は、条件1および条件3の連立不等式によって設定する。
第1コンデンサ4およびチョークコイル22の定数を、条件1および条件2の連立不等式、または条件1および条件3の連立不等式のいずれかによって設定する場合であっても、インダクタンスLおよびキャパシタンスCの最適値は、各条件を満たすために、図7,8に示すように、不等号で示す各直線から、安全率を見込んだ距離だけ離れた、それぞれの◎印のあたりが最適の条件となる。これは、前述のように、インダクタンスLおよびキャパシタンスCは、できるだけ小さいものを使うことが好適であることに関係する。
また、本発明の課題を解決する方法として、コンデンサ(第1コンデンサ4)やチョークコイル22において各条件の設定を満たす値のものに交換することになるが、条件3が比較的緩い場合には、破壊が起こる電子装置1の部品自体を変えることで不等式のライン自体も変わる。また、条件3が比較的きつく、図8に示すグラフに示すように、オーバースペックと見られた部品をより小さなものに変えると、従来破壊していなかったその部品または別の部品が、新たに破壊し、図7に示すグラフの状態になる可能性がある。そのため、定数設定にあたっては破壊に関する試験も併せて行う必要がある。電子装置1の部品の破壊に関しては、一回の電源投入で壊れなくても、度重なる電源投入では熱が蓄積し、壊れることも考えられるので、使用条件として想定し得る電源(交流電源9)の再投入についても試験しておく必要がある。
上記の通り、本実施の形態1にかかる電源回路2および電源回路2が備えられた電子装置1によれば、キャパシタンスの大きな第2コンデンサ5を用いながら、別個に用いられるところのキャパシタンスの小さな第1コンデンサ4によって、突入電流を抑制することができる。その結果、突入電流の最大値と、突入電流の流れる期間とが制限され、電源回路2の部品や配線の瞬間的な発熱を抑え、電源環境へ悪影響が及ぶのを抑えて、電源回路2の部品を破壊させることなく安全に電源投入することができる。つまり、少なくとも大きなチョークコイルを使わず、平滑用にキャパシタンスの大きなコンデンサである第2コンデンサ5を用いながら、初期の電流に伴うエネルギーを抵抗器に負担させずに、突入電流の最大値を抑え、突入電流の流れる期間を減らすことができる。
また、電源回路2は、電力を供給する外部の外部電源からトランスによって電気的に絶縁されることなく配置されるので、重く、嵩張り、価格が高く、発熱の原因にもなる電源トランスを省略することができる。
なお、本実施の形態1では、整流回路3は、2つの出力端子7と、1つの入力端子8とを有するが、これに限定されるものではなく、複数の出力端子と少なくとも1つ以上の入力端子とを有していればよい。
また、本実施の形態1では、整流回路3にブリッジ整流回路を用いているが、これに限定されるものではなく、両波倍電圧整流回路を用いてもよい。
次に、整流回路3に両波倍電圧整流回路を用い、本実施の形態1と同様の作用効果を有する電源回路2および電子装置1を、実施の形態2として説明する。
<実施の形態2>
次に、本実施の形態2にかかる電源回路2および電子装置1を図面を用いて説明する。なお、本実施の形態2にかかる電源回路2および電子装置1は、上記の実施の形態1に対して、整流回路3が異なる。そのため、同一構成による作用効果及び変形例は、上記した実施の形態1の作用効果及び変形例と同様である。そこで、本実施の形態2では、上記の実施の形態1と異なる構成について説明し、同一の構成についての説明を省略する。
本実施の形態2にかかる電子装置1は、交流を整流して直流を供給するものであり、図9に示す電源回路2が備えられている。
本実施の形態2にかかる電源回路2には、図9に示すように、交流電源9と、2つの出力端子7と2つの入力端子8とを有する両波倍電圧整流回路である整流回路3と、入力端子8に対し、整流回路3の内側で接続された2つの第1コンデンサ4と、2つの出力端子7間を結ぶべく、負荷10に並列に接続された平滑用の第2コンデンサ5と、2つの整流器6とが備えられている。また、突入電流制限を行い電源回路2の部品における発熱を抑えるため、整流回路3より入力側の結線位置の少なくとも1箇所にチョークコイル22(図5,10参照)が接続されている。このうち、第1コンデンサ4のキャパシタンスは、第2コンデンサ5のキャパシタンスの半分以下である。
本実施の形態2の電子装置1の具体例を図10に示す。この具体例では、交流100V60Hzを両波整流回路にて整流し、約280Vの直流を供給する電源回路2を構築し、2kΩの抵抗を駆動させる。また、両波倍電圧整流用の第1コンデンサ4には47μFのコンデンサを2個用い、さらに平滑用の第2コンデンサ5に470μFのコンデンサを配した。また、チョークコイル22は、100μHのチョークコイルを用いた。
図10に示す電源回路2によれば、スイッチ21を入れると、切断を何度か繰り返したが、チョークコイル22の発熱はほとんどなく、使用に耐えた。稼動状態において、出力電圧は、262V前後を中心に、上下差2.1V程度のリップルを保った。
これに対して、本実施の形態2にかかる電源回路2に対応させた従来の電源回路92が備えられた電子装置91を図11に示す。
図11に示す従来の電源回路92には、交流電源99と、2つの出力端子97と2つの入力端子98とを有する両波倍電圧整流回路である整流回路93と、入力端子98に対し、整流回路93の内側で接続され、さらに2つの出力端子97間を結ぶべく、負荷910に並列に接続された平滑用の第2コンデンサ95と、2つの整流器6とが備えられている。また、突入電流制限のため、入力にチョークコイル22(図12参照)が接続されている。
従来の電子装置91の具体例を図12に示す。この具体例では、交流100V60Hzを両波整流回路にて整流し、約280Vの直流を供給するものであり、2kΩの抵抗を駆動させる。また、平滑用の第2コンデンサ95として、1000μFのコンデンサを2つ用い、チョークコイル22として100μHのコイルを用いた。
この図12に示す従来の電源回路92によれば、電源回路92のスイッチ21を入れた瞬間、チョークコイル22の硬化ワニスが発火した。そのため、直ちに交流電源98の電源を切った。調べたところ、チョークコイル22は途中で短絡を起こし、チョークコイル22のインダクタンスおよび抵抗は、どちらも極度に低下していた。
上記の通り、図9,10に示す本実施の形態2にかかる電源回路2と、図11,12に示す従来の電源回路92とでは、コンデンサの構成が異なる。この差異により、図9,10に示す本実施の形態2にかかる電源回路2では、突入電流を抑制することができ、図11,12に示す従来の電源回路92では、突入電流を抑制することができない。
上記の通り、本実施の形態2にかかる電源回路2および電源回路2が備えられた電子装置1によれば、キャパシタンスの大きな第2コンデンサ5を用いながら、別個に用いられるところのキャパシタンスの小さな第1コンデンサ4によって、突入電流を抑制することができる。その結果、突入電流の最大値と、突入電流の流れる期間とが制限され、電源回路2の部品や配線の瞬間的な発熱を抑え、電源環境へ悪影響が及ぶのを抑えて、電源回路2の部品を破壊させることなく安全に電源投入することができる。つまり、少なくとも大きなチョークコイルを使わず、平滑用にキャパシタンスの大きなコンデンサである第2コンデンサ5を用いながら、初期の電流に伴うエネルギーを抵抗器に負担させずに、突入電流の最大値を抑え、突入電流の流れる期間を減らすことができる。
なお、本実施の形態2では、2つの第1コンデンサ4を用いているが、これに限定されるものではなく、電源回路2に用いる第1コンデンサ4の数よりも1つ少ない数の第1コンデンサ4が用いられていればよい。
また、本実施の形態2では、整流回路3に両波倍電圧整流回路を用いているが、これに限定されるものではなく、半波倍電圧整流回路を用いてもよい。
次に、整流回路3に半波倍電圧整流回路を用い、本実施の形態1,2と同様の作用効果を有する電源回路2および電子装置1を、実施の形態3として説明する。
<実施の形態3>
次に、本実施の形態3にかかる電源回路2および電子装置1を図面を用いて説明する。なお、本実施の形態3にかかる電源回路2および電子装置1は、上記の実施の形態1,2に対して、整流回路3が異なる。そのため、同一構成による作用効果及び変形例は、上記した実施の形態1,2の作用効果及び変形例と同様である。そこで、本実施の形態2では、上記の実施の形態1,2と異なる構成について説明し、同一の構成についての説明を省略する。
本実施の形態3にかかる電子装置1は、交流を整流して直流を供給するものであり、図13に示す電源回路2が備えられている。
本実施の形態3にかかる電源回路2には、図13に示すように、交流電源9と、2つの出力端子7と2つの入力端子8とを有する半波倍電圧整流回路である整流回路3と、入力端子8に対し、整流回路3の内側で接続された1つの第1コンデンサ4と、2つの出力端子7間を結ぶべく、整流回路3の内側で直結された平滑用の第2コンデンサ5と、2つの整流器6とが備えられている。このうち、第1コンデンサ4のキャパシタンスは、第2コンデンサ5のキャパシタンスの半分以下である。なお、本実施の形態3において、上記の実施の形態1,2と同様に、整流回路3より入力側の結線位置の少なくとも1箇所にチョークコイル22を有してもよく、または、第1コンデンサ4の後段にすぐ続いてチョークコイル22を有してもよい。この場合、本実施の形態1,2と同様に、電源回路2の部品における発熱を抑えることができる。
これに対して、本実施の形態3にかかる電源回路2に対応させた従来の電源回路92が備えられた電子装置91を図14に示す。
図14に示す従来の電源回路92には、交流電源99と、2つの出力端子97と2つの入力端子98とを有する半波倍電圧整流回路である整流回路93と、入力端子98に対し、整流回路93の内側で接続された平滑用の第2コンデンサ95と、2つの出力端子97間を結ぶべく、整流回路93の内側で直結された平滑用の第2コンデンサ95と、2つの整流器96とが備えられている。このように、図13に示す本実施の形態3にかかる電源回路2と、図14に示す従来の電源回路92とでは、入力端子98に対し、整流回路3,93の内側で接続されたコンデンサが異なる。この差異により、図13に示す本実施の形態3にかかる電源回路2では、突入電流を抑制することができ、図14に示す従来の電源回路92では、突入電流を抑制することができない。
本実施の形態3にかかる電源回路2および電源回路2が備えられた電子装置1によれば、上記の実施の形態1,2と同様に、キャパシタンスの大きな第2コンデンサ5を用いながら、別個に用いられるところのキャパシタンスの小さな第1コンデンサ4によって、突入電流を抑制することができる。その結果、突入電流の最大値と、突入電流の流れる期間とが制限され、電源回路2の部品や配線の瞬間的な発熱を抑え、電源環境へ悪影響が及ぶのを抑えて、電源回路2の部品を破壊させることなく安全に電源投入することができる。つまり、少なくとも大きなチョークコイルを使わず、平滑用にキャパシタンスの大きなコンデンサである第2コンデンサ5を用いながら、初期の電流に伴うエネルギーを抵抗器に負担させずに、突入電流の最大値を抑え、突入電流の流れる期間を減らすことができる。
なお、本実施の形態3では、2つの第1コンデンサ4を用いているが、これに限定されるものではなく、電源回路2に用いる第1コンデンサ4の数よりも1つ少ない数の第1コンデンサ4が用いられていればよい。
また、本実施の形態3では、整流回路3は、2つの出力端子7と、2つの入力端子8とを有するが、これに限定されるものではなく、複数の出力端子と複数の入力端子とを有していればよい。
なお、本発明は、その精神や主旨または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、半導体整流器などの電子装置および、電子装置に備えられた電源回路に適用できる。
1 電子装置
2 電源回路
3 整流回路
4 第1コンデンサ
5 第2コンデンサ
6 整流器
7 出力端子
8 入力端子
9 交流電源
10 負荷
20 直流電源
21 スイッチ
22 チョークコイル
23 コンデンサ
24 整流器
91 従来の電子装置
92 従来の電源回路
93 従来の整流回路
95 従来のコンデンサ
96 従来の整流器
97 出力端子
98 入力端子
99 従来の交流電源
910 従来の負荷

Claims (11)

  1. 複数の出力端子と少なくとも1つ以上の入力端子とを有する整流回路と、
    前記整流回路の前記入力端子に直列に接続されたカップリング用の第1コンデンサと、
    前記整流回路の複数の前記出力端子間を結ぶべく、負荷に並列に接続された平滑用の第2コンデンサと、が備えられ、
    前記第1コンデンサのキャパシタンスが、前記第2コンデンサのキャパシタンスの半分以下であることを特徴とする電源回路。
  2. 前記整流回路が、ブリッジ整流回路であることを特徴とする請求項1に記載の電源回路。
  3. 複数の出力端子と複数の入力端子とを有する整流回路と、
    前記入力端子の少なくとも1つ以上の前記入力端子に対し、前記整流回路の内側で接続された少なくとも1つ以上の第1コンデンサと、
    複数の前記出力端子間を結ぶべく、負荷に並列に接続された平滑用の第2コンデンサと、が備えられ、
    前記第1コンデンサのキャパシタンスが、前記コンデンサのキャパシタンスの半分以下であることを特徴とする電源回路。
  4. 前記整流回路が、両波倍電圧整流回路であることを特徴とする請求項3に記載の電源回路。
  5. 複数の出力端子と複数の入力端子とを有する前記整流回路と、
    前記整流回路の少なくとも1つ以上の前記入力端子に対し、前記整流回路の内側で接続された少なくとも1つ以上の第1コンデンサと、
    複数の前記出力端子間を結ぶべく、前記整流回路の内側で直結された平滑用の第2コンデンサと、が備えられ、
    前記第1コンデンサのキャパシタンスが、前記第2コンデンサのキャパシタンスの半分以下であることを特徴とする電源回路。
  6. 前記整流回路が、半波倍電圧整流回路であることを特徴とする請求項5に記載の電源回路。
  7. 前記整流回路より入力側の結線位置の少なくとも1箇所、チョークコイルを有することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1つに記載の電源回路。
  8. 前記整流回路より入力側の結線位置の少なくとも1箇所、または、前記第1コンデンサの後段にすぐ続いてチョークコイルを有することを特徴とする請求項5または6に記載の電源回路。
  9. 前記チョークコイルは、強磁性体による磁心を有し、
    前記第1コンデンサのキャパシタンスをC1とし、
    当該電源回路の入力に印加される交流の実効電圧をVとし、
    前記チョークコイルが磁気的に飽和する限度の電流を流した際に蓄積し、再放出可能なエネルギーをEiとし、
    最大電圧に対するコンデンサの蓄積エネルギーをEcとして、
    Ei>Ec=C1*V2を満たすことを特徴とする請求項7または8に記載の電源回路。
  10. 請求項1乃至9のうちいずれか1つに記載の電源回路が備えられたことを特徴とする電子装置。
  11. 前記電源回路は、電力を供給する外部の外部電源からトランスによって電気的に絶縁されることなく配置されたことを特徴とする請求項10に記載の電子装置。
JP2012021521A 2012-02-03 2012-02-03 電源回路および電子装置 Pending JP2013162591A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012021521A JP2013162591A (ja) 2012-02-03 2012-02-03 電源回路および電子装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012021521A JP2013162591A (ja) 2012-02-03 2012-02-03 電源回路および電子装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013162591A true JP2013162591A (ja) 2013-08-19

Family

ID=49174437

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012021521A Pending JP2013162591A (ja) 2012-02-03 2012-02-03 電源回路および電子装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013162591A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015150910A (ja) * 2014-02-10 2015-08-24 新電元工業株式会社 車両用ランプ駆動装置及び車両用ランプ駆動方法
JP2016226272A (ja) * 2015-05-27 2016-12-28 ▲陽▼光▲電▼源股▲分▼有限公司Sungrow Power Supply Co., Ltd. プリチャージ回路及び太陽光発電インバータ
CN112511021A (zh) * 2020-12-15 2021-03-16 电子科技大学 整流稳压电路和供电设备
US11677310B2 (en) 2018-09-12 2023-06-13 Mitsubishi Electric Corporation Power converting apparatus and air conditioner

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1532677A (en) * 1975-10-09 1978-11-15 Indesit Voltage dropping circuit
JPH01311869A (ja) * 1988-01-19 1989-12-15 American Teleph & Telegr Co <Att> 力率改善装置およびそれを用いた電源装置
JPH0947017A (ja) * 1995-07-24 1997-02-14 Daewoo Electron Co Ltd 電源変換回路
JPH10150772A (ja) * 1996-11-18 1998-06-02 Tokimec Inc 突入電流防止回路
JP2005057949A (ja) * 2003-08-07 2005-03-03 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd 電力供給装置及び半導体製造装置と工作機械
JP2007295739A (ja) * 2006-04-26 2007-11-08 Sharp Corp 直流電源装置
JP2009303280A (ja) * 2006-09-27 2009-12-24 Masaaki Kano 電気機器用電源回路、照明器具、及び充電用電源回路付バッテリ
JP2011505111A (ja) * 2007-11-27 2011-02-17 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 容量性電源

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1532677A (en) * 1975-10-09 1978-11-15 Indesit Voltage dropping circuit
JPH01311869A (ja) * 1988-01-19 1989-12-15 American Teleph & Telegr Co <Att> 力率改善装置およびそれを用いた電源装置
JPH0947017A (ja) * 1995-07-24 1997-02-14 Daewoo Electron Co Ltd 電源変換回路
JPH10150772A (ja) * 1996-11-18 1998-06-02 Tokimec Inc 突入電流防止回路
JP2005057949A (ja) * 2003-08-07 2005-03-03 Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd 電力供給装置及び半導体製造装置と工作機械
JP2007295739A (ja) * 2006-04-26 2007-11-08 Sharp Corp 直流電源装置
JP2009303280A (ja) * 2006-09-27 2009-12-24 Masaaki Kano 電気機器用電源回路、照明器具、及び充電用電源回路付バッテリ
JP2011505111A (ja) * 2007-11-27 2011-02-17 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 容量性電源

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015150910A (ja) * 2014-02-10 2015-08-24 新電元工業株式会社 車両用ランプ駆動装置及び車両用ランプ駆動方法
JP2016226272A (ja) * 2015-05-27 2016-12-28 ▲陽▼光▲電▼源股▲分▼有限公司Sungrow Power Supply Co., Ltd. プリチャージ回路及び太陽光発電インバータ
US9912252B2 (en) 2015-05-27 2018-03-06 Sungrow Power Supply Co., Ltd. Pre-charge circuit and photovoltaic inverter
US11677310B2 (en) 2018-09-12 2023-06-13 Mitsubishi Electric Corporation Power converting apparatus and air conditioner
CN112511021A (zh) * 2020-12-15 2021-03-16 电子科技大学 整流稳压电路和供电设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9124183B2 (en) Power inverter for feeding electric energy from a DC power generator into an AC grid with two power lines
JP5862844B2 (ja) ワイヤレス電力伝送システム
TWI511430B (zh) 電源供應裝置
JP6920582B2 (ja) 誘導加熱装置
JP6783372B2 (ja) スイッチング電源の1次側に位置する整流ダイオードから生成される雑音を低減する方法と装置
JP5552149B2 (ja) コンバータ及び双方向コンバータ
JP2013162591A (ja) 電源回路および電子装置
CA2835173C (en) Parasitic power supply and sensor apparatus including a power supply
KR20200065029A (ko) 자기-열량 냉각을 이용한 자기장 생성
JP6758504B2 (ja) 溶接電流源
JP5668692B2 (ja) Pfcコンバータ
Wagner et al. Efficiency improvements for high frequency resistance spot welding
CN105375742B (zh) 谐振电流限定设备
JP5004615B2 (ja) 点灯装置及び照明器具
JP5992820B2 (ja) コンバータ及び双方向コンバータ
EP2638627A2 (en) Power inverter for feeding electric energy from a dc power generator into an ac grid with two power lines
JP6347389B2 (ja) 非接触給電装置、非接触受電装置、及び非接触給電システム
RU2687055C2 (ru) Импульсный источник питания
McClusky High voltage resonant self-tracking current-fed converter
RU2356153C1 (ru) Реле для дифференциальной отсечки трансформатора
JP2015056271A (ja) Led照明ユニット用電源回路及びled照明装置
JP2016081750A (ja) 電力伝送装置、非接触給電装置及び誘導加熱装置
Jayasundara et al. Design and development of a 4kW SMPS power supply with long term short circuit capability
RU2416874C2 (ru) Генератор ввода токов сигналов в трехфазную линию электропередачи
JP6285115B2 (ja) 電源装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141017

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150917

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150929

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160209