JP2007294642A - シリコンのエッチング方法 - Google Patents

シリコンのエッチング方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007294642A
JP2007294642A JP2006120228A JP2006120228A JP2007294642A JP 2007294642 A JP2007294642 A JP 2007294642A JP 2006120228 A JP2006120228 A JP 2006120228A JP 2006120228 A JP2006120228 A JP 2006120228A JP 2007294642 A JP2007294642 A JP 2007294642A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluorine
gas
etching
silicon
etching method
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006120228A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4153961B2 (ja
Inventor
Tetsuya Ishii
徹哉 石井
Setsuo Nakajima
節男 中嶋
Toshihiro Otsuka
智弘 大塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2006120228A priority Critical patent/JP4153961B2/ja
Priority to PCT/JP2007/058714 priority patent/WO2007125851A1/ja
Priority to CN2007800141949A priority patent/CN101427353B/zh
Priority to KR20087028574A priority patent/KR101004159B1/ko
Priority to TW96114623A priority patent/TW200802582A/zh
Publication of JP2007294642A publication Critical patent/JP2007294642A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4153961B2 publication Critical patent/JP4153961B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/04Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having potential barriers, e.g. a PN junction, depletion layer or carrier concentration layer
    • H01L21/18Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having potential barriers, e.g. a PN junction, depletion layer or carrier concentration layer the devices having semiconductor bodies comprising elements of Group IV of the Periodic Table or AIIIBV compounds with or without impurities, e.g. doping materials
    • H01L21/30Treatment of semiconductor bodies using processes or apparatus not provided for in groups H01L21/20 - H01L21/26
    • H01L21/302Treatment of semiconductor bodies using processes or apparatus not provided for in groups H01L21/20 - H01L21/26 to change their surface-physical characteristics or shape, e.g. etching, polishing, cutting
    • H01L21/306Chemical or electrical treatment, e.g. electrolytic etching
    • H01L21/3065Plasma etching; Reactive-ion etching
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/32Gas-filled discharge tubes
    • H01J37/32009Arrangements for generation of plasma specially adapted for examination or treatment of objects, e.g. plasma sources
    • H01J37/32366Localised processing

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Drying Of Semiconductors (AREA)

Abstract

【課題】シリコンのエッチングレートを向上させる。
【解決手段】フッ素を含みシリコンとの反応性を有しないフッ素系原料であるCFに、露点が10℃〜40℃になる量の水を添加する。こうして得られた低露点フッ素系原料ガスを大気圧近傍のプラズマ空間26に通す。これにより、非ラジカルのフッ素系中間ガスであるCOFを含み、フッ素原子数(F)と水素原子数(H)の比が(F)/(H)>1.5であるフッ素系反応性ガスが生成される。シリコンを酸化可能な酸化性ガスであるOと前記プラズマ空間26で生成されたフッ素系反応性ガスとを含む反応性ガスを、温度を10℃〜50℃とした被処理物に吹付ける。フッ素系中間ガスのCOFは、水と反応して酸化シリコンのエッチング能を有するHF等のフッ素系エッチングガスとなる。
【選択図】図1

Description

この発明は、フッ素系ガスを用いて基板の表面のシリコンをエッチングする方法に関する。
例えば、特許文献1、2には、ウェハ表面のシリコンをオゾンによって酸化し酸化シリコンとしたうえで(式1)、フッ酸を用いてエッチングすることが記載されている。フッ酸は、フッ酸蒸気発生器で蒸発させ、これをウェハ表面に導いている。また、ウェハ温度は、50℃以上、好ましくは60℃以上とすることが記載されている。
特許文献3には、CF等のフッ素系ガス中に大気圧近傍放電を起こすことによりHF、COF等を生成し、更にCOFについてはCF等に混合させておいた水と反応させてHFとし(式2)、このようにして得たHFによって酸化シリコンをエッチング(式3)することが記載されている。
Si+2O→SiO+2O (式1)
COF+HO→CO+2HF (式2)
SiO+4HF+HO→SiF+3HO (式3)
特許文献4には、加湿したCFから大気圧プラズマ放電によってHFを得、これにOを添加し、酸化シリコンをエッチングすることが記載されている。
特許文献5には、CFとOを大気圧放電させてラジカルを得、これをプラズマ空間から温度20℃又は100℃の基板に導き、単結晶シリコンをエッチングすることが記載されている。
特許文献6には、加湿CF又は乾燥CFを大気圧放電させ、基板温度90℃で結晶シリコンをエッチングすることが記載されている。
特開2003−264160号公報 特開2004−55753号公報 特開2000−58508号公報 特開2002−270575号公報 特開平04−358076号公報 特開2000−164559号公報
従来のシリコンエッチングではエッチング速度をあまり大きくすることができなかった。発明者は、その理由を以下のように考察した。
例えば上掲特許文献1、2等では、エッチャントとしてのフッ酸を、はじめからフッ酸の形でウェハからなる基板に供給している。したがって、基板の表面上では上式1の酸化反応を除くと上式3のエッチング反応だけが起きているものと考えられる。この式3の反応では、酸化シリコンが揮発性のSiFになるのに伴ない、新たに水(HO)が生成される。
ここで、基板温度が低い場合、上記の新たに生成された水が凝縮し、基板表面上のフッ酸の凝縮相の中に溶け込む。このため、エッチング反応の進行に伴ない、凝縮相が成長し、厚さが増していく。一方、シリコンの酸化に必要なオゾンは、凝縮相に溶解して凝縮相中を拡散し基板表面に到達してはじめてシリコンの酸化に寄与し得るのであるが、凝縮相の厚さが増大すると基板表面まで到達する割合が減少してくる。したがって、オゾンの凝縮相での拡散律速が起き、シリコン酸化速度の低下を招く。
また、凝縮相のフッ化水素濃度が減少することもレートを下げる一因である可能性もある。
逆に、基板温度が高い場合は、フッ酸凝縮相の成長の問題はなくなるが、その一方で、図4に示すように、オゾンの気−液間の分配係数が低下する。すなわち、温度が高くなればなるほど、オゾンがフッ酸凝縮相に溶解しにくくなる。したがって、オゾンの溶解律速が起き、やはりシリコン酸化速度の低下を招くことになる。
よって、基板温度にはシリコン酸化速度をピークにする値が存在する。従来は、60℃前後が好適な基板温度とされていた。図4に示す通り、60℃付近の分配係数は0.1程度であり、オゾン全体の1割程度しか溶解させ得ないレベルである。しかしながら、フッ酸凝縮相の成長を抑える必要性からは、60℃が下限ぎりぎりの温度であり、それ以上、低温化して分配係数を上げるのは困難であった。また、高濃度のフッ酸水は水よりもフッ化水素のほうが蒸発しやすいので、高温になればフッ酸濃度自体も減少すると思われる。
このような事情から、従来のシリコンエッチングでは、シリコン酸化速度がピーク点においても十分な値にならず、おのずとエッチングレートも不十分な大きさにならざるを得なかった。
また、特許文献5等のように、プラズマで生成したラジカルを用いてエッチングする場合、プラズマ空間と基板との間の距離が離れ過ぎていると、ラジカルが基板に到達するまでに失活してしまい、エッチングレートの低下を招く。一方、プラズマ空間と基板との間の距離を近づけ過ぎると、プラズマによって基板が損傷するおそれがある。したがって、プラズマ空間と基板との離間距離の設定範囲の自由度が小さい。
ところで、式3のエッチング反応で新たな水が生成されるのは、HF等のフッ素系エッチングガスが水素原子を有しているためである。発明者は、以上の考察により、エッチングガス中に水素原子が存在することは、シリコンエッチングにマイナスの影響を及ぼす面もあるとの知見を得た。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、
シリコンからなる被処理物をエッチングする方法において、
温度を10℃〜50℃とした被処理物に反応性ガスを吹付ける吹付け工程を実行し、
前記反応性ガスが、
(a) シリコンを酸化可能な酸化性ガスと、
(b) 水と反応して酸化シリコンのエッチング能を有するフッ素系エッチングガスとなる非ラジカルのフッ素系中間ガスを含み、フッ素原子数(F)と水素原子数(H)の比が(F)/(H)>1.5であるフッ素系反応性ガスと、
を含むことを特徴とする。
これによって、被処理物の表面上においてフッ素系中間ガスと水によるフッ素系エッチングガスの生成反応を起こすことができる。こうして出来たフッ素系エッチングガスと、被処理物が酸化してなる酸化シリコンとのエッチング反応時に水が発生したとしても、その水を、新たなフッ素系中間ガスのエッチングガス化反応に消費することができる。したがって、酸化シリコンのエッチング反応時に発生する水の凝縮を防止する必要がなく、被処理物温度が10℃〜50℃の低温であっても被処理物の表面上に凝縮相が成長するのを抑制することができる。被処理物の低温化によって、酸化性ガスの凝縮相への溶解度を向上させることができ、凝縮相の成長抑制によって、酸化性ガスの凝縮相中の拡散度を確保することができる。しかも、フッ素系中間ガスを主成分とするフッ素系反応性ガスの水素原子数(H)とフッ素原子数(F)の比が(F)/(H)>1.5になるようにすることにより、エッチング反応で生成される水を、フッ素系中間ガスのエッチングガス化反応で確実に消費することができ、凝縮相の成長を確実に抑制することができる。これによって、酸化性ガスの凝縮相中の拡散度を一層十分に確保することができる。この結果、シリコン酸化速度を向上させることができ、ひいては、エッチングレートを向上させることができる。
また、非ラジカルのフッ素系中間ガスを用いることにより、反応性ガスの吹出し部と被処理物との間の離間距離に応じてエッチングレートが低下したり被処理物が損傷を受けたりするのを回避でき、距離設定等の設計の自由度を向上させることができる。
最初のフッ素系エッチングガスを得るために、反応の最初だけフッ素系中間ガスに水蒸気を添加することにしてもよく、被処理物がアモルファスシリコンである場合等には、当該被処理物に含まれる水素と前記酸化性ガスとにより水を得、この水とフッ素系中間ガスとにより最初のフッ素系エッチングガスを得ることにしてもよい。或いは、最初だけフッ素系中間ガスとは別にフッ素系エッチングガスを被処理物表面に供給し、そのエッチング反応で生成された水によってフッ素系中間ガスのエッチングガス化を行なわせることにしてもよい。
被処理物の温度等によっては水が蒸発してフッ酸凝縮相が消滅することが有り得るため、その場合、蒸発した分の水をエッチング反応や供給ガス中への水蒸気添加により補うようにするのが好ましい。
前記フッ素系反応性ガスのフッ素原子数(F)と水素原子数(H)の比は、(F)/(H)>3であることがより望ましい。これによって、水(HO)を一層確実に消費することができ、凝縮相の成長を一層確実に抑制することができる。
なお、上記の比(F)/(H)は、次のようにして測定することができる。
(1)前記フッ素系反応性ガス中のフッ素系中間ガスの濃度をフーリエ変換赤外分光器(FTIR)で測定し、フッ素系中間ガス中の水素原子数(H)を求める。
(2)前記フッ素系反応性ガスを一定量、水(アルカリ性水)に通すとともにPhを測定し、通す前と通した後の水素の濃度変化ΔHを求める。この濃度変化は、前記フッ素系反応性ガスの水とのHF生成反応によるものであるので、これから前記フッ素系反応性ガス中のフッ素原子数(F)が求まる。
(3)上記(1)と(2)より比(F)/(H)を算出する。
前記フッ素系中間ガスは、水素を含まないフッ素系分子であることが好ましく、例えばCOFであることが好ましいが、水と反応してHF等のフッ素系エッチングガスを生成するものであれば、CFOH等の水素を含むものであってもよく、Fであってもよい。
前記フッ素系反応性ガスが、シリコンとの反応性を有しないフッ素系原料に露点が10℃〜40℃(水蒸気分圧1.2282kPa〜7.3844kPa)になる量の水を添加してなる低露点フッ素系原料ガスを大気圧近傍のプラズマ空間に通すことにより得たものであることが好ましい。これにより、COFをはじめとするフッ素系中間ガスを豊富に含むフッ素系反応性ガスを得ることができる。また、取り扱いの容易化を図ることができる。なお、プラズマ放電の投入電力が比較的大きい場合には、フッ素系原料に水を添加するのに加えて酸素をも添加するのが好ましい。
ここで、大気圧近傍とは、0.5bar〜2barの範囲を言い、好ましくは0.9〜1.1barの範囲を言う。
フッ素を含みシリコンとの反応性を有しないフッ素系原料に露点が10℃〜40℃(水蒸気分圧1.2282kPa〜7.3844kPa)になる量の水を添加し、低露点フッ素系原料ガスを得る水添加工程と、
前記低露点フッ素系原料ガスを大気圧近傍のプラズマ空間に通すプラズマ化工程と、
シリコンを酸化可能な酸化性ガスと前記プラズマ化工程を経たガスとを含む反応性ガスを、温度を10℃〜50℃とした被処理物に吹付ける吹付け工程と、
を実行することが好ましい。
前記プラズマ化工程により、フッ素系原料からフッ素系中間ガスを多く含むフッ素系反応性ガス成分を得ることができる。
前記酸化性ガスが、オゾンであることが好ましい。これにより、被処理物を構成するシリコンを確実に酸化させることができる。
前記酸化性ガスが、酸素ガスをオゾナイザーに通すことにより得たものあることが好ましい。これにより、酸化性ガスとして高濃度のオゾンを得ることができる。
オゾン添加量は、なるべく多くするのが好ましい。フッ素系中間ガスがCOFであり、フッ素系エッチングガスがHFである場合、オゾンの添加流量は、少なくともCOFの体積流量とHFの体積流量の2分の1とを合計した大きさ以上必要であり、好ましくは、その2倍程度である。
前記酸化性ガスが、酸素ガスを大気圧近傍のプラズマ空間に通すことにより得たものであってもよい。
このプラズマ空間は、前記低露点フッ素系原料ガスをプラズマ化するためのプラズマ空間と同一でもよく、別でもよい。前者の同一の場合、1つのプラズマ生成装置を共用することができ、装置構成を簡素化できる。後者の別々の場合、高濃度のオゾン等の酸化性ガスを得ることができるとともに、低露点フッ素系原料ガスのプラズマ化を効率的に行なうことができる。
フッ素を含みシリコンとの反応性を有しないフッ素系原料と、このフッ素系原料に対し露点が10℃〜40℃(水蒸気分圧1.2282kPa〜7.3844kPa)になる量の水と、酸素とを混合して混合ガスを得る混合工程と、
前記混合ガスを大気圧近傍のプラズマ空間に通し、反応性ガスを得るプラズマ化工程と、
前記反応性ガスを、温度を10℃〜50℃とした被処理物に吹付ける吹付け工程と、
を実行することにしてもよい。
これにより、1つのプラズマ空間においてフッ素系原料ガスからはフッ素系中間ガスを得ることができ、酸素ガスからは酸化性ガスを得ることができる。
前記混合ガス中の酸素の割合は、前記フッ素系原料に対し5〜20vol%であることが望ましい。下限を5vol%とすることにより、プラズマ放電の投入電力が高くても、フッ素系中間ガスを十分に生成することができる。上限を20vol%としたのは、これを超えるとフッ素系中間ガスの生成が飽和してしまうためである。前記酸素割合は、プラズマ放電の投入電力にもよるが、前記フッ素系原料に対し7〜13vol%であることがより好ましい。
前記フッ素系原料が、CFであることが好ましい。
これにより、前記プラズマ空間においてフッ素系中間ガスとしてCOFやCFOHやFを得ることができる。
前記プラズマ化工程において、前記プラズマ空間に通した後の水の濃度が、通す前の1/10以下であることが好ましい。
これにより、水のほとんどをフッ素系中間ガスのエッチングガス化反応に消費でき、被処理物表面の凝縮相の成長を確実に抑制でき、エッチングレートを確実に向上させることができる。
することができる。
前記露点は、10℃〜30℃(水蒸気分圧1.228kPa〜4.2467kPa)であることが好ましく、10℃〜20℃で(水蒸気分圧1.228kPa〜2.3392kPa)あることがより好ましく、10℃〜17℃(水蒸気分圧1.2282kPa〜1.9383kPa)であることがより一層好ましい。
これによって、エッチングレートを確実に向上させることができる。
前記被処理物の温度の上限は、50℃より低くしてもよく、40℃以下としてもよい。
前記被処理物の温度を、10℃〜30℃とすることがより好ましい。
これによって、オゾン等の酸化性ガスが被処理物表面の凝縮相に容易に溶解するようにすることができ、シリコン酸化速度を向上できる。或いはフッ化水素等が溶解しやすくなってフッ酸濃度を高めることができる。よって、エッチングレートを一層向上させることができる。
前記被処理物の温度範囲の下限を10℃としたのは、被処理物表面への結露を防止するためである。(室温が25℃の場合、相対湿度が38%以内であればよい。)
前記被処理物の温度範囲の下限を10℃に代えて室内露点としてもよい。
これによって、室内の水分が被処理物表面に結露するのを防止でき、被処理物表面の凝縮相の成長を一層確実に防止することができる。
前記被処理物の温度を、室温にすることがより好ましい。
これによって、被処理物を加熱したり冷却したりする必要がなく、被処理物の温度調節工程を省くことができる。
本発明によれば、エッチング反応時に水が発生したとしても、その水をフッ素系エッチングガスの生成反応に用いることができる。よって、被処理物温度が低温であっても被処理物の表面上に凝縮相が成長するのを抑制することができる。これによって、シリコン酸化速度を向上させることができ、ひいては、エッチングレートを向上させることができる。
以下、本発明の第1実施形態を説明する。
図1に示すように、ガラスなどの基板90の上面には、シリコンの膜91(被処理物)が形成されている。シリコン膜91を構成するシリコンは、アモルファスシリコンでもよく、微結晶Si・多結晶Si等の結晶性のシリコンでもよい。シリコンを主成分とし、0〜20%程度の水素を含む膜であってもよい。基板90がウェハ等のシリコンで構成され、このシリコン基板90自体が被処理物としてエッチング対象になっていてもよい。PやB等をドープしたn型又はP型シリコンでもよい。一例を挙げると、液晶用のTFTに使われる基板では、ガラス上にSiNが成膜され、その後、本実施形態の被処理物となる非晶質SiがプラズマCVDで成膜されている。
図において、基板90及びシリコン膜91の厚さは誇張して示してある。
エッチング装置1は、基板温度調節手段2と、搬送手段3と、反応性ガス供給系4を備えている。
基板温度調節手段2は、加熱器や冷却器(図示省略)を含み、処理すべき基板90の温度が所定になるように調節するようになっている。基板90の温度は、10℃〜50℃が好ましく、10℃〜30℃がより好ましく、室温とするのがより一層好ましい。温度範囲の下限は、10℃に代えて室内露点としてもよい。基板温度を室温とする場合、基板温度調節手段2は省略してもよい。
搬送手段3は、基板90を反応性ガス供給系4に対し例えば図1の左右方向に相対移動させるようになっている。
反応性ガス供給系4は、オゾン供給系10と、フッ素系ガス供給系20を備えている。
オゾン供給系10は、酸素供給部11と、この酸素供給部11に接続されたオゾナイザー12を含んでいる。詳細な図示は省略するが、酸素供給部11は、酸素ガスボンベやマスフローコントローラを有し、所定流量の酸素ガス(O)をオゾナイザー12に供給するようになっている。オゾナイザー12は、酸素ガスから酸化性ガスであるオゾン(O)を生成するようになっている。オゾナイザー12の出口部におけるオゾン濃度は、対酸素比で1〜15vol%であるのが望ましい。
フッ素系ガス供給系20は、フッ素系原料供給部21と、このフッ素系原料供給部21に接続された加湿器22と、この加湿器22に接続されたリモート式のプラズマヘッド23を備えている。詳細な図示は省略するが、フッ素系原料供給部21は、フッ素系原料としてCFを蓄えたタンクやマスフローコントローラを有し、所定流量のCF4を加湿器22に供給するようになっている。加湿器22は、フッ素系原料供給部21からのCFガスに、所定量の水を添加するようになっている。この水添加量は、添加後のCFガスの露点が、10℃〜40℃になる量であるのが好ましく、10℃〜30℃になる量であるのがより好ましく、10℃〜20℃になる量であるのが一層好ましい。これによって、従来よりも低露点のCFガスが生成される。
リモート式プラズマヘッド23は、上記搬送手段3にて相対移動される基板90の上方に配置されるようになっている。プラズマヘッド23は、一対の電極24,24を備えている。一方の電極24に電源25が接続され、他方の電極24は電気的に接地されている。一対の電極24,24間にスリット状の空間26が形成されている。この電極間空間26の上端部に加湿器22からのガス路が連なっている。電極の対向面には固体誘電体層が設けられている。
電源25から一方の電極24への電圧供給により、電極間空間26に大気圧グロー放電が形成される。これにより、電極間空間26が大気圧プラズマ空間となるようになっている。
供給電圧は、Vpp=10〜15kVが好ましい。電圧波形は、パルス等の間欠波でもよく、正弦波等の連続波でもよい。
リモート式プラズマヘッド23の電極間空間26の下端部から短い吹出路27が延び、この吹出路27の下端部がプラズマヘッド23の下面に開口されている。吹出し路27の中間部にオゾナイザー12からのオゾン供給路13が合流されている。プラズマヘッド23の下面の吹出路27の下端開口(吹出し口)の近傍には、基板90との相対移動方向に離れて吸引路41の端部開口(吸引口)が配置されている。吸引路41は、真空ポンプ等の排気手段42に連なっている。
上記エッチング装置1によって、基板90のシリコン膜91をエッチングする方法を説明する。
基板温度調節工程
処理すべき基板90を、基板温度調節手段2にて10℃〜50℃、好ましくは10℃〜30℃の所定温度に調節する。基板90の所定温度が室温の場合は、特に温度調節を行なう必要はない。
この基板90をプラズマヘッド23の下側に配置する。
オゾン化工程
次に、酸素供給部11からの酸素をオゾナイザー12でオゾン化する。これにより、オゾン含有酸素ガスを得る。このオゾン含有酸素ガスをオゾン供給路13に導出する。
水添加工程
また、フッ素系原料供給部21からのCFを加湿器22に導入し、この加湿器22において、露点が10℃〜40℃、好ましくは10℃〜30℃になる量の水を添加する。この添加水量は、後記プラズマ化工程において、プラズマ空間26に通した後の水の濃度が、通す前の1/10以下になるような量であることが好ましい。
プラズマ化工程
水添加後のCFをプラズマヘッド23の電極間空間26に導入する。併行して、電源25から電極24に電圧を供給することにより、電極間空間26に大気圧グロー放電を立て、電極間空間26をプラズマ空間とする。これによって、CFがプラズマ化され、添加された水と反応を起こし、COF、CFOH、F等のフッ素系中間ガスや、フッ素系エッチングガスであるHF等が生成される。しかも、上記水添加量の設定により、COF等の中間ガスがHFよりも多く生成される。これにより、例えばCOFリッチのフッ素系反応性ガスを吹出し路27に導出することができる。
なお、プラズマ放電の投入電力が比較的大きい場合には、CFに水を添加するのに加えて例えばCFに対し10vol%程度の酸素(O)をも添加するのが好ましい。これにより、フッ素系中間ガスとしてCOFをより確実に生成することができる。
混合工程
このCOFリッチガスにオゾン供給路13からのオゾン含有酸素ガスを混合する。この混合ガスにより「酸化性ガスとフッ素系中間ガスを含む反応性ガス」が構成される。
吹付け工程
この混合ガスを吹出し路27から吹き出し、基板90のシリコン膜91の表面に吹き付ける。これにより、シリコン膜91の表面上で反応が起き、シリコン膜91のエッチングがなされる。反応に関わるCOF、HF、O等は非ラジカルであるので、プラズマヘッド23と基板90の間のワーキングディスタンスに応じてエッチングレートが低下したり基板90が損傷を受けたりするのを回避でき、ヘッド高さの設定等を容易化でき、設計の自由度を向上させることができる。
処理済みのガスは、吸引路41で吸込み、排気手段42で排出する。さらに、搬送手段3で基板90を相対移動させ、基板90全体をエッチング処理する。
このシリコンエッチングの詳細メカニズムは確定的ではないが、以下のような反応が起きているものと考えられる。プラズマ空間26からの供給ガス中のHFは無視する。
[ケース1]
(酸化過程)
Si+2O → SiO+2O (式11)
(HF生成過程)
2COF+2HO → 2CO+4HF (式12)
(フッ酸溶解過程)
4HF+4HF+4HO → 4HF +4H (式13)
(エッチング過程)
SiO+4HF +4H → SiF+2HO+4HO+4HF(式14)
式13に示すように、シリコン膜91の表面上にはフッ酸の凝縮相が形成されている。この凝縮相の表面に、上記吹出ガス中の各成分が接触する。
吹出ガス中のオゾンが凝縮相表面に接触すると、基板温度に対する分配係数(図4)にしたがう割合で凝縮相中へ溶解する。基板温度は10℃〜50℃等の低温に設定されているので、分配係数が大きく、オゾンの凝縮相中への溶解度を十分に大きくすることができる。また、低温下であるので、オゾンが分解するのを防止でき、オゾン寿命を十分に長くすることができる。凝縮相中に溶解したオゾンは、凝縮相中を拡散してシリコン膜91の表面に達する。このオゾンによってシリコン膜91を構成するシリコンが酸化され、酸化シリコンとなる(式11)。オゾン溶解度が大きいので、シリコン酸化速度を十分に大きくすることができる。
こうして出来た酸化シリコンに、凝縮相を構成するフッ酸が接触し、酸化シリコンが揮発性のSiFとなって吸引口から吸引され除去される(式14)。これによって、シリコンエッチングがなされる。シリコン酸化速度が大きいので、エッチングレートを十分に大きくすることができる。
上記エッチング反応によって水(蒸気)が生成される(式14)。この水の一部(式14の右辺第2項の2HO)が、上記吹出ガス中のCOFと反応し、HFが生成される(式12)。したがって、この水(2HO)は、式12及び式14の2つの反応において触媒のように振舞う。なお、上記エッチング反応によって生成された水の残部(式14の右辺第3項の4HO)は、フッ酸凝縮相の形成に使われ(式13の左辺第3項)、更に、酸化シリコンのエッチング反応で消費される(式14)。
これによって、基材の表面上の凝縮相が成長するのを防止又は抑制することができる。したがって、凝縮相中でのオゾンの拡散律速が起きるのを防止でき、オゾンをシリコン膜91の表面まで確実に拡散させることができる。よって、上述したオゾンの凝縮相中への溶解度向上と相俟って、シリコン膜91の酸化速度を一層大きくすることができる。
また、フッ酸についても拡散律速が起きるのを防止でき、エッチング反応が確実に行なわれるようにすることができる。
さらには、凝縮相の成長抑制によって、エッチング反応で発生したSiFが基板90表面から速やかに放出されるようにすることができ、SiOの再析出を防止することができる。この結果、エッチングレートをより一層向上させることができる。
式12においてCOFから出来たHFは、フッ酸凝縮相に溶解し(式13の左辺第1項)、酸化シリコンのエッチングに寄与することができる(式14)。エッチング反応により生成されるHF(式14の右辺第4項)についても、同様にフッ酸凝縮相に溶解し(式13の左辺第2項)、酸化シリコンのエッチングに寄与することができる(式14)。
式11〜式14は、以下の反応式にまとめられる。
Si+2O+2COF → SiF+2O+2CO (式15)
理論的には、処理の最初だけHOを供給すれば、中間ガスCOFのHF化反応(式12)が起き、これがきっかけとなって式11〜14の反応が連鎖し、全体として式15で表される反応が進むことになる。したがって、一旦、反応が開始すれば、その後は、プラズマ空間26からのCOFリッチの供給ガスにHFがまったく含まれていなかったとしても、中間ガスのCOFさえ含まれていれば、シリコンエッチング処理を継続することができる。
ここで、プラズマ空間26からの供給ガスに含まれる成分のうち、フッ素系エッチングガスとフッ素系中間ガスと水とを合わせた全体の水素原子数(H)とフッ素原子数(F)の比(F)/(H)を考えると、式15においては、フッ素原子数(F)が2COF中の4個に対し水素原子(H)がゼロであるので、(F)/(H)=無限大となる。
一方、式14のエッチング反応を起こすにはシリコン膜91の表面にある程度の厚さの凝縮相が存在することが必要と考えられるところ、凝縮相があまり薄すぎると水の蒸発により簡単に蒸発してしまう。また、エッチング反応で出来た水(式14の右辺第2項)が、COFと出会ってHF化反応(式12)を起こす前にSiF等と一緒に吸引口から吸引されてしまうこともあり得る。そこで、実際には、上記水添加工程を継続的に行なうのが好ましい。
一般に液晶駆動用のTFT(薄膜トランジスタ)に使用される、プラズマCVDで作製されたアモルファスシリコンの場合、膜中に約10%程度の水素が含まれている。この場合、下式11aに示すように、オゾンによる酸化反応によって水が生成される。この水を利用して最初のHF化反応(式12)を起こしたり、その後の水補給を行ったりすることができる。
SiH2x+(2+x)O→SiO+(2+x)O+xHO (式11a)
ここで、SiH2xは、被処理物のシリコン原子1個につき2x個の水素原子が含まれていることを示し、アモルファスシリコンでは2x≒0.1であり、通常シリコンでは2x=0である。
被処理物の含有水素を考慮した場合の全体の反応式は、以下のようになる。
SiH2x+(2+x)O+2COF→SiF+(2+x)O+2CO (式15a)
上記のケース1は、プラズマ空間26からの供給ガス成分のうち専らCOFに着目して反応を考えてきたが、供給ガスにはHFもいくらか含まれている。これを考慮した場合、式11〜式14の各反応は以下のように書き直すことができる。
[ケース2]
(酸化過程)
Si+2O → SiO+2O (式11b)
(HF生成過程)
COF+HO → CO+2HF (式12b)
(フッ酸溶解過程)
2HF+4HF+2HF+4HO → 4HF +4H (式13b)
(エッチング過程)
SiO+4HF +4H → SiF+HO+4HO+HO+4HF
(式14b)
式13bの左辺第1項の2HFが、プラズマ空間26からの供給ガス中のHFに対応する。この供給ガス中のHFは、シリコン膜91の表面のフッ酸凝縮相と空気層との界面からフッ酸凝縮相中に溶解する。なお、同式13bの左辺第2項の4HFは、エッチング反応で生成されたもの(式14bの右辺第5項)に対応し、式13bの左辺第3項の2HFは、供給ガス中のCOFのHF化反応で生成されたもの(式12bの右辺第2項)に対応する。
また、エッチング反応(式14b)で生成されたHOのうち一部(式14bの右辺第2項)が、COFのHF化反応(式12bの左辺第2項)に使われ、他の一部(式14bの右辺第3項)は、フッ酸溶解(式13bの左辺第4項)を経て新たなエッチング反応(式14b)に使われる。
式11b〜14bの反応は、HOを媒介にした正のフィードバックが働く連鎖反応である。この連鎖反応は、基板温度を50℃以下の範囲で調節してシリコン膜表面のHOの存在量を増減させることにより制御可能である。上記水添加工程における水添加量が少ないので、シリコン膜表面のHO量も少なく、シリコン膜表面は常にドライな傾向を示す。したがって、50℃以下の温度調節によりシリコン膜表面のHO量を十分にコントロールでき、ひいては凝縮相の成長を確実に抑制することができる。また、シリコン膜表面のHO量が少なく蒸発しやすい分、供給ガス中のHFによってHOを余分に生成し(式14bの右辺第4項)、これによりシリコン膜表面のHO量を確保して反応を維持するようにすることができる。
また、供給ガス中にHFが存在することにより、処理開始時にCOFをHF化するためのHOを確実に得ることができる。
式11b〜14bをまとめると、下式のようになる。
Si+2O+COF+2HF → SiF+2O+CO+HO (式15b)
式15bにおいて、反応に寄与する水素原子数(H)は、左辺第4項の2HF中の2個であり、フッ素原子数(F)は、左辺第3項のCOF中の2個と左辺第4項の2HF中の2個で合計4個である。したがって、反応に寄与する水素原子数(H)とフッ素原子数(F)の比(F)/(H)は、(F)/(H)=2となる。
比(F)/(H)は、(F)/(H)>1.5になるようにするのが好ましい。
次に、プラズマ空間26においてフッ素系中間ガスとしてCFOHが生成された場合について説明する。この場合、以下のような反応が起きる。
[ケース3]
(酸化過程)
Si+2O → SiO+2O (式11c)
(COF生成過程)
CFOH+HO → COF+HF+HO (式12−1c)
(HF生成過程)
COF+HO → CO+2HF (式12−2c)
(フッ酸溶解過程)
HF+HF+4HF+2HF+4HO → 4HF +4H (式13c)
(エッチング過程)
SiO+4HF +4H → SiF+2HO+4HO+4HF
(式14c)
(全体の反応)
Si+2O+CFOH+HF → SiF+2O+CO+H
(式15c)
式12−1cに示すように、CFOHは、不安定であり、分解してCOFとHFになる。したがって、この分解後は、上記ケース2と同じ反応が起きることになる(式11c,12−2c,13c,14c)。
式15cにおいて、反応に寄与する水素原子数(H)は、左辺第3項のCFOH中の1個と左辺第4項のHF中の1個で合計2個であり、フッ素原子数(F)は、左辺第3項のCFOH中の3個と左辺第4項のHF中の1個で合計4個である。したがって、反応に寄与する水素原子数(H)とフッ素原子数(F)の比(F)/(H)は、(F)/(H)=2となる。
ケース3においても基板温度を操作してシリコン膜表面のHO量を調節することにより、反応を制御可能である。
次に、本発明の他の実施形態を示す。
図2に示すように、本発明の第2実施形態ではオゾナイザー12が省かれている。これに代えて、酸素供給部11からの供給路13が、加湿器22とプラズマヘッド23との間のフッ素系ガス路に合流されている。
なお、供給路13を加湿器22より上流側のフッ素系ガス路に合流させることにしてもよい。
これによって、加湿器22からの低露点CFに酸素供給部11からのOが混合されるようになっている(混合工程)。OのCFに対する混合割合は、5〜20vol%であるのが好ましい。
この混合ガスが、プラズマヘッド23のプラズマ空間26に導入されてプラズマ化され、CFからCOF等のフッ素系反応性ガスが生成されるとともに、OからO等の酸化性ガスが生成される(プラズマ化工程)。したがって、フッ素系反応性ガスの生成部と酸化性ガスの生成部を共通化することができ、構成の簡素化を図ることができる。
これら生成ガスが吹出し路27から吹出されて基板90に吹き付けられ(吹付け工程)、上記第1実施形態と同様の反応過程によりシリコン膜92のエッチングがなされる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものでなく、種々の改変をなすことができる。
例えば、第1実施形態において、プラズマヘッド23からのCOF等のフッ素系ガスとオゾナイザー12からのオゾンとを混合せずに、互いに別々の吹き出し口からシリコン膜表面に供給するようにしてもよい。
酸化性ガスを、オゾナイザー12に代えて、フッ素系ガス用のプラズマヘッド23とは別の酸素プラズマ放電装置を用いて生成することにしてもよい。
酸化性ガスの吹付け後、COF等のフッ素系反応性ガスの吹付けを行なうことにしてもよい。
実施例1を説明する。
図1で示されるエッチング装置1を用い、ガラス基板表面に被膜されたアモルファスシリコンのエッチングを行なった。フッ素系原料としてCF 0.8slmに、加湿器22で露点が13.5℃(水蒸気分圧1.55kPa)になる量のHOを添加した。この添加HOのCFに対する流量比は、1.55vol%であった。この低露点CFをプラズマヘッド23の電極間空間26に導入し、大気圧下でプラズマ化した。プラズマ化の条件は以下の通りとした。
供給電力:0.165kW
供給電圧:Vpp=13kV
電極面積:35cm
フーリエ変換赤外分光器(FTIR)によりプラズマ化後のガス成分を分析したところ、CF 1slmにつき、HFが0.0057slm生成され、COFが0.0149slm生成されていることが確認された。
ここで、HF 0.0057molとCOF 0.0149molとに含まれるフッ素原子数(F)と水素原子数(H)の比(F)/(H)は、
(F)/(H)=(0.0149×2+0.0057)/0.0057=6.2
であり、(F)/(H)>1.5の条件を満たす。
また、プラズマ化後のHOは、ほとんど観測されず、プラズマ化前の1/10以下となることが確認された。
別途、酸化性ガスの原料としてO 0.4slmをオゾナイザー12に供給し、8vol%(対O比)すなわち0.032slmのOを得た。Oは、少なくともCOFの体積流量(0.0149slm)と、HFの体積流量(0.0057slm)の半分を合計した値(0.01775slm)以上必要であり、その2倍程度が好適であるところ、上記オゾナイザー12で得られたO流量は、ほぼ好適な大きさであると言える。
基板温度は20℃とし、上記プラズマヘッド23からのガスとオゾナイザー12からのガスを混合して基板表面に吹き付けた。
そして、エッチングレートを測定したところ、45000A/minであり、十分に大きなエッチングレートを得ることができた。
実施例2では、基板温度とフッ素系原料ガスへの水添加量とエッチングレートとの関係を調べた。CF 0.5slmに対し、加湿器22でHOの添加量を調節したのち、プラズマヘッド23でプラズマ化した。プラズマ化の条件は以下の通りとした。
供給電力:0.165kW
供給電圧:Vpp=13kV
電極面積:35cm
また、O 0.5slmを用いてオゾナイザー12にて8vol%(対O比)のOを作り、これを上記プラズマ化後のガスと混合してガラス基板に供給し、表面のアモルファスシリコン膜のエッチングを行なった。
基板温度は、20℃、40℃、60℃の3通りとし、各温度条件下でのエッチングレートを測定した。(なお、60℃は従来の一般的な基板温度であり、比較例である。)
結果を図3に示す。
同図からわかるように、基板温度が従来同様の60℃の場合、フッ素系原料ガスへの水添加量を増やしてもエッチングレートはほとんど変化しない。
これに対し、基板温度が20℃の場合、露点が10℃になる水添加量の付近からエッチングレートが大きく立ち上がり、露点が20℃になる水添加量の付近でエッチングレートがピークを迎え、露点が40℃になる水添加量の付近までは従来(基板温度60℃の場合)を十分に上回るエッチングレートが得られることが判明した。
基板温度が40℃の場合でも、露点10℃〜40℃の水添加範囲において従来(基板温度60℃の場合)を十分に上回るエッチングレートが得られることが判明した。
本発明は、例えば半導体ウェハや液晶等のフラットパネルガラスなどの製造において、表面のシリコン膜をエッチングするのに適用可能である。
本発明の第1実施形態に係るエッチング装置の概略構成図である。 本発明の第2実施形態に係るエッチング装置の概略構成図である。 フッ素系原料CFへの水添加量(露点表示)に対するエッチングレートを、基板温度を変えて測定した実施例1の結果を示すグラフである。 温度に対するオゾンの気−液分配係数を示すグラフである。
符号の説明
1 エッチング装置
2 基板温度調節手段
3 搬送手段
4 反応性ガス供給系
10 オゾン供給系
11 酸素供給部
12 オゾナイザー
13 オゾン供給路
20 フッ素系ガス供給系
21 フッ素系原料供給部
22 加湿器
23 プラズマヘッド
24 電極
25 電源
26 プラズマ空間
27 吹出し路
41 吸引路
42 排気手段
90 基板
91 シリコン膜(被処理物)

Claims (13)

  1. シリコンからなる被処理物をエッチングする方法において、
    温度を10℃〜50℃とした被処理物に反応性ガスを吹付ける吹付け工程を実行し、
    前記反応性ガスが、
    (a) シリコンを酸化可能な酸化性ガスと、
    (b) 水と反応して酸化シリコンのエッチング能を有するフッ素系エッチングガスとなる非ラジカルのフッ素系中間ガスを含み、フッ素原子数(F)と水素原子数(H)の比が(F)/(H)>1.5であるフッ素系反応性ガスと、
    を含むことを特徴とするエッチング方法。
  2. 前記比が、(F)/(H)>3であることを特徴とする請求項1に記載のエッチング方法。
  3. 前記フッ素系中間ガスが、COFであることを特徴とする請求項1又は2に記載のエッチング方法。
  4. 前記酸化性ガスが、酸素ガスを大気圧近傍のプラズマ空間に通すことにより得たものであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のエッチング方法。
  5. 前記フッ素系反応性ガスが、シリコンとの反応性を有しないフッ素系原料に露点が10℃〜40℃になる量の水を添加してなる低露点フッ素系原料ガスを大気圧近傍のプラズマ空間に通すことにより得たものであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のエッチング方法。
  6. 前記反応性ガスが、
    シリコンとの反応性を有しないフッ素系原料と、このフッ素系原料に対し露点が10℃〜40℃になる量の水と、酸素とを混合して混合ガスを得る混合工程と、
    前記混合ガスを大気圧近傍のプラズマ空間に通すプラズマ化工程と、
    を実行することにより得たものであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のエッチング方法。
  7. 前記混合ガス中の酸素の割合が、前記フッ素系原料に対し5〜20vol%であることを特徴とする請求項6に記載のエッチング方法。
  8. 前記フッ素系原料が、CFであることを特徴とする請求項5〜7の何れかに記載のエッチング方法。
  9. 前記プラズマ空間に通した後の水の濃度が、通す前の1/10以下であることを特徴とする請求項5〜8の何れかに記載のエッチング方法。
  10. 前記露点が10℃〜20℃であることを特徴とする請求項5〜9の何れかに記載のエッチング方法。
  11. 前記被処理物の温度を、10℃〜30℃とすることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載のエッチング方法。
  12. 前記被処理物の温度範囲の下限を10℃に代えて室内露点とすることを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載のエッチング方法。
  13. 前記被処理物の温度を、室温にすることを特徴とする請求項1〜12の何れかに記載のエッチング方法。
JP2006120228A 2006-04-25 2006-04-25 シリコンのエッチング方法 Expired - Fee Related JP4153961B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006120228A JP4153961B2 (ja) 2006-04-25 2006-04-25 シリコンのエッチング方法
PCT/JP2007/058714 WO2007125851A1 (ja) 2006-04-25 2007-04-23 シリコンのエッチング方法
CN2007800141949A CN101427353B (zh) 2006-04-25 2007-04-23 硅的蚀刻方法
KR20087028574A KR101004159B1 (ko) 2006-04-25 2007-04-23 실리콘의 에칭 방법
TW96114623A TW200802582A (en) 2006-04-25 2007-04-25 Method for etching of silicon

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006120228A JP4153961B2 (ja) 2006-04-25 2006-04-25 シリコンのエッチング方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007294642A true JP2007294642A (ja) 2007-11-08
JP4153961B2 JP4153961B2 (ja) 2008-09-24

Family

ID=38655376

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006120228A Expired - Fee Related JP4153961B2 (ja) 2006-04-25 2006-04-25 シリコンのエッチング方法

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP4153961B2 (ja)
KR (1) KR101004159B1 (ja)
CN (1) CN101427353B (ja)
TW (1) TW200802582A (ja)
WO (1) WO2007125851A1 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008286784A (ja) * 2007-04-18 2008-11-27 Panasonic Corp 分圧測定方法および分圧測定装置
WO2009092453A2 (en) * 2008-01-23 2009-07-30 Solvay Fluor Gmbh Process for the manufacture of solar cells
JP2009224366A (ja) * 2008-03-13 2009-10-01 Sekisui Chem Co Ltd エッチング装置
CN102129984A (zh) * 2008-09-19 2011-07-20 卡西欧计算机株式会社 硅化合物膜的干式刻蚀方法
WO2011105331A1 (ja) * 2010-02-25 2011-09-01 積水化学工業株式会社 エッチング方法及び装置

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4540729B2 (ja) * 2008-03-13 2010-09-08 積水化学工業株式会社 シリコン含有膜のエッチング方法および装置
JP5310409B2 (ja) * 2009-09-04 2013-10-09 東京エレクトロン株式会社 プラズマエッチング方法
US20120178262A1 (en) * 2009-09-18 2012-07-12 Solvay Fluor Gmbh Process for the manufacture of wafers for solar cells at ambient pressure
JP2013508990A (ja) * 2009-10-26 2013-03-07 ゾルファイ フルーオル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング Tftマトリックスを製造するためのエッチングプロセス
WO2011108382A1 (en) * 2010-03-05 2011-09-09 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Method for manufacturing semiconductor device
JP5645157B2 (ja) * 2010-06-03 2014-12-24 国立大学法人東京工業大学 プラズマ装置
US8741778B2 (en) * 2010-12-14 2014-06-03 Applied Materials, Inc. Uniform dry etch in two stages

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000058508A (ja) * 1998-08-12 2000-02-25 Seiko Epson Corp ドライエッチング方法及び装置
JP2002270575A (ja) * 2001-03-13 2002-09-20 Seiko Epson Corp エッチング方法、この方法により製造されたことを特徴とする半導体装置およびエッチング装置
JP2004087952A (ja) * 2002-08-28 2004-03-18 Sekisui Chem Co Ltd 表面処理用ガス供給装置
JP2004356557A (ja) * 2003-05-30 2004-12-16 Sekisui Chem Co Ltd プラズマエッチング処理ガス並びにそれを用いた方法及び装置
JP2005011827A (ja) * 2002-07-17 2005-01-13 Sekisui Chem Co Ltd 常圧プラズマエッチング用ガス供給方法および供給装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000058508A (ja) * 1998-08-12 2000-02-25 Seiko Epson Corp ドライエッチング方法及び装置
JP2002270575A (ja) * 2001-03-13 2002-09-20 Seiko Epson Corp エッチング方法、この方法により製造されたことを特徴とする半導体装置およびエッチング装置
JP2005011827A (ja) * 2002-07-17 2005-01-13 Sekisui Chem Co Ltd 常圧プラズマエッチング用ガス供給方法および供給装置
JP2004087952A (ja) * 2002-08-28 2004-03-18 Sekisui Chem Co Ltd 表面処理用ガス供給装置
JP2004356557A (ja) * 2003-05-30 2004-12-16 Sekisui Chem Co Ltd プラズマエッチング処理ガス並びにそれを用いた方法及び装置

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008286784A (ja) * 2007-04-18 2008-11-27 Panasonic Corp 分圧測定方法および分圧測定装置
WO2009092453A2 (en) * 2008-01-23 2009-07-30 Solvay Fluor Gmbh Process for the manufacture of solar cells
WO2009092453A3 (en) * 2008-01-23 2009-12-10 Solvay Fluor Gmbh Process for the manufacture of solar cells
US10453986B2 (en) 2008-01-23 2019-10-22 Solvay Fluor Gmbh Process for the manufacture of solar cells
CN105789378A (zh) * 2008-01-23 2016-07-20 苏威氟有限公司 用于生产太阳能电池的方法
JP2009224366A (ja) * 2008-03-13 2009-10-01 Sekisui Chem Co Ltd エッチング装置
CN102129984B (zh) * 2008-09-19 2013-07-31 卡西欧计算机株式会社 硅化合物膜的干式刻蚀方法
CN102129984A (zh) * 2008-09-19 2011-07-20 卡西欧计算机株式会社 硅化合物膜的干式刻蚀方法
US8394686B2 (en) 2008-09-19 2013-03-12 Casio Computer Co., Ltd. Dry etching method of silicon compound film
CN102770944A (zh) * 2010-02-25 2012-11-07 积水化学工业株式会社 蚀刻方法及装置
KR101276482B1 (ko) 2010-02-25 2013-06-18 세키스이가가쿠 고교가부시키가이샤 에칭 방법 및 장치
TWI415185B (zh) * 2010-02-25 2013-11-11 Sekisui Chemical Co Ltd Etching method and device
JP5167430B2 (ja) * 2010-02-25 2013-03-21 積水化学工業株式会社 エッチング方法及び装置
WO2011105331A1 (ja) * 2010-02-25 2011-09-01 積水化学工業株式会社 エッチング方法及び装置

Also Published As

Publication number Publication date
TWI336495B (ja) 2011-01-21
KR20080113291A (ko) 2008-12-29
CN101427353B (zh) 2010-07-28
CN101427353A (zh) 2009-05-06
KR101004159B1 (ko) 2010-12-24
TW200802582A (en) 2008-01-01
JP4153961B2 (ja) 2008-09-24
WO2007125851A1 (ja) 2007-11-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4153961B2 (ja) シリコンのエッチング方法
JP5416590B2 (ja) シリコンのエッチング方法
JP5002073B2 (ja) シリコン含有膜のエッチング方法
JP5167430B2 (ja) エッチング方法及び装置
JP5172707B2 (ja) ガス流の処理方法
KR101209351B1 (ko) 실리콘 함유막의 에칭 방법 및 장치
WO2010029718A1 (ja) プラズマ処理方法及び装置
JP4180109B2 (ja) エッチング方法及び装置並びに被処理物
KR101248625B1 (ko) 실리콘 함유막의 에칭 방법 및 장치
CN102834902B (zh) 蚀刻方法及装置
JP2010062433A (ja) シリコン含有膜のエッチング方法および装置
JP2009260181A (ja) エッチング装置及びその製造方法並びに該装置を用いたエッチング方法及び被処理物
JP2009094209A (ja) シリコンのエッチング方法
JP2007201067A (ja) 表面処理方法及び装置
JP2010245405A (ja) シリコンの表面粗化方法
JP5276223B2 (ja) エッチング方法及び装置
JP5743649B2 (ja) エッチング装置及び方法
JP6978265B2 (ja) 表面処理装置及び表面処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070724

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080129

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080325

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080610

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080704

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4153961

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110711

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110711

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120711

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120711

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130711

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees