JP2007292249A - 制振材 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた制振性及び難燃性を有する制振材を提供する。
【解決手段】制振材は、有機化合物層Bの一面に、難燃剤を10〜50重量%含有する粘着剤層Cが積層一体化されてなることを特徴とするので、優れた制振性能及び難燃性を有しており、難燃剤が、ベンゼン環を有するハロゲン系難燃剤である場合には、電気陰性度の高いハロゲン原子によって電気的エネルギーが高められた状態にあるベンゼン環のπ電子を介在させて、制振材の粘着剤層を構成する高分子鎖の絡まりによって貯蓄された振動運動エネルギーをより円滑に開放して熱エネルギーに変換することができ、その結果、制振材は、幅広い温度領域、特に高い温度領域において、周波数が2000Hz以上の高周波領域にても優れた制振性能を発揮する。
【選択図】図1
【解決手段】制振材は、有機化合物層Bの一面に、難燃剤を10〜50重量%含有する粘着剤層Cが積層一体化されてなることを特徴とするので、優れた制振性能及び難燃性を有しており、難燃剤が、ベンゼン環を有するハロゲン系難燃剤である場合には、電気陰性度の高いハロゲン原子によって電気的エネルギーが高められた状態にあるベンゼン環のπ電子を介在させて、制振材の粘着剤層を構成する高分子鎖の絡まりによって貯蓄された振動運動エネルギーをより円滑に開放して熱エネルギーに変換することができ、その結果、制振材は、幅広い温度領域、特に高い温度領域において、周波数が2000Hz以上の高周波領域にても優れた制振性能を発揮する。
【選択図】図1
Description
本発明は、広範囲に亘る温度領域において優れた制振性を有し且つ難燃性を有する制振材に関する。
従来から、電化製品ではモーターなどの駆動装置の振動を低減させるために制振材が用いられており、その他に、建築用途では、折板屋根などにおける雨音の低減のために制振材が、自動車用途では、走行中に発生する振動によって屋根や扉などが微振動することに起因する振動音やエンジンなどの駆動系の振動を低減するために制振材が用いられている。
このような制振材としては、特許文献1に、ゴム又は熱可塑性エラストマー、熱可塑性樹脂及び無機粉体からなる制振性シート基材の一面にポリエチレンテレフタレート樹脂層が積層されてなる折板屋根用制振シートが提案されている。
そして、制振材の制振性能は、その一部に、粘弾性を有する高分子化合物を用いていることから温度依存性を有している。具体的には、制振材の制振性能は、損失弾性率と貯蔵弾性率の比(G”/G’)で表され、この数値が大きいほど制振性能が高く、そして、損失弾性率と貯蔵弾性率の比(G”/G’)は温度依存性を有しており、ある温度において最大値をとり、この温度より高くても低くても値は小さくなる。
即ち、制振材は、損失弾性率と貯蔵弾性率の比(G”/G’)が最大値をとる温度において最も優れた制振性能を発揮する一方、この温度以外の温度領域では制振性能が低下し、通常、損失弾性率と貯蔵弾性率の比(G”/G’)が最大値をとる温度から20℃以上高い温度領域或いは低い温度領域では満足な制振性能を発揮しないといった問題点を有しており、温度変化の大きい環境下では、全ての温度領域において充分に制振性能を発揮し得ないものであった。
本発明は、幅広い温度領域にて優れた制振性能を発揮すると共に難燃性にも優れた制振材を提供する。
本発明の制振材Aは、図1に示したように、有機化合物層Bの一面に、難燃剤を10〜50重量%含有する粘着剤層Cが積層一体化されてなる。
上記制振材Aの有機化合物層Bとしては非発泡層又は発泡層の何れであってもよいが、制振材Aの軽量性に優れている点で発泡層を含有していることが好ましい。そして、上記有機化合物層Bを構成する有機化合物としては、特に限定されず、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニルなどのポリエチレン系樹脂や、プロピレン単独重合体、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体などのポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂の他に、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、石油樹脂などの熱可塑性樹脂などが挙げられ、制振材が剛性に優れており、取扱中に撓みや反りが発生しにくく作業性に優れている点で、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。
有機化合物層Bが熱可塑性樹脂発泡シートからなる場合、熱可塑性樹脂発泡シートの見掛け密度は、小さいと、制振材の防音性や制振性が低下することがある一方、大きいと、制振材の軽量性が低下することがあるので、0.02〜0.2g/cm3が好ましく、0.03〜0.1g/cm3がより好ましい。
又、有機化合物層Bが熱可塑性樹脂発泡シートからなる場合、上記熱可塑性樹脂発泡シートの厚みは、薄いと、制振材の防音性や機械的強度が低下することがある一方、厚いと、制振材を巻き取る際に制振材に皺が発生するなど、制振材の取扱性が低下することがあるので、2〜4mmが好ましい。
そして、上記有機化合物層Bの一面には全面的に粘着剤層Cが積層一体化されており、粘着剤層Cは発泡されて発泡粘着剤層とされていることが好ましい。この粘着剤層Cを構成する粘着剤としては、特に限定されず、例えば、ウレタン系粘着剤、アクリル系粘着剤などが挙げられ、アクリル系粘着剤を含有していることが好ましい。
更に、粘着剤層Cには難燃剤が含有されている。このような難燃剤としては、特に限定されず、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物の他に、デカブロモジフェニルエーテルなどの臭素系難燃剤などのベンゼン環を有するハロゲン系難燃剤;ポリリン酸アンモニウムなどのリン系難燃剤などが挙げられ、ベンゼン環を有するハロゲン系難燃剤が好ましく、ベンゼン環を有する臭素系難燃剤がより好ましい。又、ベンゼン環を有するハロゲン系難燃剤は、ベンゼン環に直接、ハロゲン原子が結合していることが好ましい。
そして、粘着剤層中における難燃剤の含有量は、少ないと、高温領域において制振材が充分な制振性能を発揮しない一方、多いと、制振材の制振性能が低下するので、10〜50重量%に限定され、15〜30重量%が好ましい。
ここで、難燃剤としてベンゼン環を有するハロゲン系難燃剤を用い、このベンゼン環を有するハロゲン系難燃剤を粘着剤層中に10〜50重量%といった高い含有率でもって含有させることによって、制振材が、その損失弾性率と貯蔵弾性率の比(G”/G’)が最大となる温度を中心とした略±40℃の非常に広い温度領域において特に2000Hz以上の周波数領域にて優れた制振性能を発揮する。
制振材は、振動体の発する振動運動エネルギーを熱エネルギーに変換することによって振動体の振動を減衰させ或いは停止させている。この運動エネルギーの熱エネルギーへの変換は、先ず、制振材を構成している高分子鎖が絡み合いを生じることによって振動体の振動運動エネルギーを貯蔵し、この絡み合いが解消される過程において、貯蔵している振動運動エネルギーを熱エネルギーに変換している。
この振動運動エネルギーの熱エネルギーへの変換過程においては、制振材を構成している高分子の原子間力、水素結合、双極子間相互作用などの電気的エネルギーが介在することも多い。そして、ベンゼン環を有するハロゲン系難燃剤は、電気陰性度の高いハロゲン原子によってベンゼン環のπ電子の電気的エネルギーが高まっており、この電気的エネルギーの高まったπ電子を介在させることによって、特に高温領域において、高分子鎖に貯蔵された振動運動エネルギーが効率良く熱エネルギーに変換され、その結果、制振材は、広い温度領域、特に高温領域において、周波数が2000Hz以上の領域にて優れた制振性能を発揮する。
なお、難燃剤と共に難燃助剤を併用してもよい。このような難燃助剤としては、例えば、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、ピロアンチモン酸ナトリウム、三塩化アンチモン、三硫化アンチモン、オキシ塩化アンチモン、二塩化アンチモンパークロロペンタン、アンチモン酸カリウムなどのアンチモン化合物、メタホウ酸亜鉛、四ホウ酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、塩基性ホウ酸亜鉛などのホウ素化合物、ジルコニウム酸化物、スズ酸化物、モリブデン酸化物などが挙げられ、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、三塩化アンチモン、三硫化アンチモン、ホウ酸亜鉛が好ましい。
次に、本発明の制振材Aの製造方法について説明する。先ず、有機化合物層Bの製造方法について説明する。有機化合物層Bに発泡層が含有されている場合、発泡層の製造方法としては特に限定されず、例えば、(1)熱可塑性樹脂及び熱分解型発泡剤からなる発泡性樹脂組成物をラボプラストミルなどの汎用の攪拌装置に供給して溶融混練した上でプレス成形などの汎用の成形方法によって発泡性樹脂シートを作製し、この発泡性樹脂シートに、必要に応じて電子線、α線、β線などの電離性放射線を照射することによって発泡性樹脂シートを架橋した後、発泡性樹脂シートを熱分解型発泡剤の分解温度以上の温度に加熱して発泡させて熱可塑性樹脂発泡シートを製造する方法、(2)熱可塑性樹脂及び熱分解型発泡剤からなる発泡性樹脂組成物を押出機に供給して溶融混練して押出機から発泡性樹脂シートを連続的に押出し、この発泡性樹脂シートに必要に応じて電子線、α線、β線などの電離性放射線を照射することによって発泡性樹脂シートを架橋した後、発泡性樹脂シートを熱分解型発泡剤の分解温度以上の温度に加熱して発泡させて熱可塑性樹脂発泡シートを連続的に製造する方法などが挙げられる。
なお、上記熱分解型発泡剤としては、従来から発泡シートの製造に用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)などが挙げられ、これらは単独で用いられても二種類以上が併用されてもよい。
又、上記有機化合物層Bが非発泡層である場合、非発泡層の製造方法としては、例えば、熱可塑性樹脂を押出機に供給して溶融混練し、押出機からシート状に押出す熱可塑性樹脂非発泡シートの製造方法が挙げられる。
上記粘着剤層Cを製造する方法としては、粘着剤のエマルジョンを任意の面に所定厚みで塗布して乾燥させる方法が挙げられる。又、粘着剤層Cを発泡させて発泡粘着剤層Cとする場合、発泡粘着剤層Cの製造方法としては、例えば、粘着剤のエマルジョンに空気を混合して発泡させた後、この発泡粘着剤エマルジョンを任意の面に所定厚みで塗布して乾燥させる方法が挙げられる。
更に、粘着剤層C中に架橋剤を含有させて粘着剤層Cを架橋させることによって、粘着剤層Cの粘弾性による制振性能を維持しつつ粘着剤層Cの厚み精度を向上させることができる。このような架橋剤としては、粘着剤層Cを架橋させることができれば、特に限定されず、例えば、エポキシ系架橋剤、アミン系架橋剤、シラン系架橋剤などが挙げられる。
又、粘着剤層C中における架橋剤の含有量としては、多いと、粘着剤層の架橋密度が高くなり過ぎて、粘着剤層の粘弾性による制振性能が却って低下することがあるので、粘着剤層Cを構成する樹脂成分100重量部に対して6重量部以下が好ましく、1〜4重量部がより好ましい。
そして、粘着剤層Cの密度は、低いと、粘着剤層の粘弾性による制振性能が低下することがある一方、高いと、制振材の軽量性が低下することがあるので、0.05〜1g/cm3 が好ましく、0.1〜1g/cm3 がより好ましく、0.15〜1g/cm3 が特に好ましい。
更に、粘着剤層Cの厚みは、薄いと、制振材の制振性が低下することがある一方、厚いと、制振材の軽量性が低下することがあるので、0.5〜5mmが好ましく、1〜3mmがより好ましい。
又、制振材Aの軽量性を向上させるために粘着剤層Cには無機充填剤が含有されていないことが好ましい。このような無機充填剤としては、例えば、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸塩(カオリン、タルクなど)、ケイ酸(珪藻土、軽質無水ケイ酸、ホワイトカーボンなど)、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどが挙げられる。
次に、上記有機化合物層Bの一面に粘着剤層Cを積層一体化して制振材Aを製造する方法としては、特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂発泡シート又は熱可塑性樹脂非発泡シートBの一面に両面粘着テープを介して粘着剤層Cを積層一体化して制振材を製造する方法、熱可塑性樹脂発泡シート又は熱可塑性樹脂非発泡シートBの一面に粘着剤を介して粘着剤層Cを積層一体化して制振材Aを製造する方法、熱可塑性樹脂発泡シート又は熱可塑性樹脂非発泡シートBの一面に上記粘着剤エマルジョンを直接塗布した後、粘着剤エマルジョンを乾燥させて、熱可塑性樹脂発泡シート又は熱可塑性樹脂非発泡シートBの一面に粘着剤層Cを積層一体化して制振材Aを製造する方法などが挙げられる。
又、上記制振材Aの厚みは、薄いと、制振材の制振性が低下し或いは機械的強度が低下することがある一方、厚いと、制振材の軽量性が低下することがあるので、4〜7mmが好ましい。
なお、上記制振材Aとして、有機化合物層Bの一面に粘着剤層Cが積層一体化された場合を説明したが、複数個の制振材A,A・・・を厚み方向に積層一体化させてもよい。この場合、有機化合物層Bと粘着剤層Cとが互いに交互になるように、複数個の制振材A、A・・・を積層する必要がある。
そして、上記制振材Aは、その粘着剤層Cが振動体側となるようにして振動体の表面に固着させて用いられるが、上記制振材Aは、成形性に優れた有機化合物層Bの一面に粘着剤層Cを積層一体化させてなるものであり優れた成形性を有していることから、振動体の形状に沿った形状に成形させることができる。
従って、制振材Aを振動体の表面に該振動体との間に隙間を生じさせないように固着させることができ、振動体の振動運動エネルギーを制振材Aによって確実に熱エネルギーに変換して振動体の振動を減衰させ振動体の振動を低減させ或いは停止させることでき、更に、振動体の振動の低減或いは停止によって振動体から発生する騒音の低減或いは停止を図ることができる。
そして、制振材Aは、有機化合物層Bが熱可塑性樹脂発泡シートである場合、熱可塑性樹脂発泡シートBによって防音性能をも付与することができ、振動体から発生する騒音の遮蔽効果も発揮すると共に、制振材Aを挟んだ反対側から発生する騒音も遮蔽し、優れた防音性を発揮する。
なお、制振材Aを振動体の表面に固着させる方法としては、例えば、両面粘着テープや粘着剤を用いて、制振材Aを振動体の表面に固着させる方法、制振材Aの粘着剤層Cの粘着力で、制振材Aを振動体の表面に固着させる方法などが挙げられる。又、制振材を成形する成形方法としては、従来から公知の成形方法を用いることができ、例えば、真空成形、圧空成形などが挙げられる。
本発明の制振材は、有機化合物層の一面に、難燃剤を10〜50重量%含有する粘着剤層が積層一体化されてなることを特徴とするので、優れた制振性能及び難燃性を有している。
そして、上記制振材において、難燃剤が、ベンゼン環を有するハロゲン系難燃剤である場合には、電気陰性度の高いハロゲン原子によって電気的エネルギーが高められた状態にあるベンゼン環のπ電子を介在させて、制振材の粘着剤層を構成する高分子鎖の絡まりによって貯蓄された振動運動エネルギーをより円滑に熱エネルギーに変換することができ、その結果、制振材は、幅広い温度領域、特に高い温度領域において、周波数が2000Hz以上の高周波領域にても優れた制振性能を発揮する。
従来の制振材は、制振性能を発揮し得る温度領域が狭いために、例えば、季節により温度変化がある屋外、空調が装備されていない直射日光があたる屋根材、車輌のエンジンルームなどの温度変化が激しい部位に使用する制振材は、予め制振性能を発揮し得る温度領域を設定し、この温度領域以外の温度領域における制振性能は諦めざるを得なかった。
ところが、本発明では、難燃剤としてベンゼン環を有するハロゲン系難燃剤を粘着剤層中に10〜50重量%といった高含有率でもって含有させており、幅広い温度領域にて優れた制振性能を発揮することから、上述したような温度変化の大きな環境下における使用にあっても全ての温度領域にて満足のいく制振性能を発揮し、広範囲な用途に展開することができる。
更に、上記制振材において、有機化合物層がポリオレフィン系樹脂発泡シートである場合には、ポリオレフィン系樹脂発泡シートが剛性に優れており、制振材の取扱中に、制振材に撓みや反りが発生しにくく、作業性に優れている。
(実施例1)
水−アクリル系粘着剤エマルジョン(大日本インキ化学社製 商品名「ボンコート350」、アクリル系粘着剤成分(樹脂成分):50重量%)90重量部、水−ウレタン系粘着剤エマルジョン(大日本インキ化学社製 商品名「ハイドランHW−930」、ウレタン系粘着剤成分(樹脂成分):60重量%)10重量部、水−デカブロモジフェニルエーテル−三酸化アンチモン混合液(大日本インキ化学社製 商品名「VF−170」、デカブロモジフェニルエーテル:47重量%、三酸化アンチモン:19重量%)25重量部、塩化アンモニウム系気泡剤の水溶液(大日本インキ化学社製 商品名「F−1」、塩化アンモニウム系気泡剤:32重量%)5重量部、エポキシ系架橋剤(大日本インキ化学社製 商品名「CR−5L」)2重量部、シリコーン系整泡剤(大日本インキ化学社製 商品名「ボンコートNBA−1」)0.5重量部及びカルボキシメチルセルロース水溶液(ダイセル化学工業社製、カルボキシメチルセルロース:4重量%)6重量部を均一に混合後に濾過して粘着剤エマルジョンを作製し、この粘着剤エマルジョンに泡立て器を用いて空気を混合して発泡させ、発泡粘着剤エマルジョンを作製した。なお、水−デカブロモジフェニルエーテル−三酸化アンチモン混合液は、デカブロモジフェニルエーテル及び三酸化アンチモンを水中に分散させてなるものである。
水−アクリル系粘着剤エマルジョン(大日本インキ化学社製 商品名「ボンコート350」、アクリル系粘着剤成分(樹脂成分):50重量%)90重量部、水−ウレタン系粘着剤エマルジョン(大日本インキ化学社製 商品名「ハイドランHW−930」、ウレタン系粘着剤成分(樹脂成分):60重量%)10重量部、水−デカブロモジフェニルエーテル−三酸化アンチモン混合液(大日本インキ化学社製 商品名「VF−170」、デカブロモジフェニルエーテル:47重量%、三酸化アンチモン:19重量%)25重量部、塩化アンモニウム系気泡剤の水溶液(大日本インキ化学社製 商品名「F−1」、塩化アンモニウム系気泡剤:32重量%)5重量部、エポキシ系架橋剤(大日本インキ化学社製 商品名「CR−5L」)2重量部、シリコーン系整泡剤(大日本インキ化学社製 商品名「ボンコートNBA−1」)0.5重量部及びカルボキシメチルセルロース水溶液(ダイセル化学工業社製、カルボキシメチルセルロース:4重量%)6重量部を均一に混合後に濾過して粘着剤エマルジョンを作製し、この粘着剤エマルジョンに泡立て器を用いて空気を混合して発泡させ、発泡粘着剤エマルジョンを作製した。なお、水−デカブロモジフェニルエーテル−三酸化アンチモン混合液は、デカブロモジフェニルエーテル及び三酸化アンチモンを水中に分散させてなるものである。
次に、一面が離型処理面とされたポリエチレンテレフタレートフィルムを用意し、このポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に上記発泡粘着剤エマルジョンを均一な厚みとなるように塗布した後、発泡粘着剤エマルジョンの水分を蒸発、除去させて、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に厚み2.1mmの発泡粘着剤層(密度:0.21g/cm3 )を積層してなる発泡粘着シートを作製した。なお、発泡粘着剤層中における各成分の含有量を表1に示した。
エチレン−プロピレンランダム共重合体(チッソ社製 商品名「XK0235」)45重量部、アイソタクチックホモポリプロピレン(出光社製 商品名「SH152」)15重量部、直鎖状低密度ポリエチレン(出光社製 商品名「0238CN」)40重量部、アゾジカルボンアミド(大塚化学社製 商品名「SO−L」)7重量部、架橋剤(共栄化学社製 商品名「TND−23H」)3重量部、酸化防止剤A(旭電化社製 商品名「アデカスタブAO−60」)1重量部、酸化防止剤B(旭電化社製 商品名「アデカスタブCDA−1」)0.5重量部及び酸化防止剤C(大内新興化学社製 商品名「ノクラック400S」)0.5重量部を押出機に供給して溶融混練して押出し、厚みが1.2mmの発泡性樹脂シートを得た。
得られた発泡性樹脂シートの両面に電子線を加速電圧800kVで3.6Mrad照射して発泡性樹脂シートを架橋させた。次に、この発泡性樹脂シートを250℃に加熱して厚みが3.0mmで且つ見掛け密度が0.07g/cm3 の熱可塑性樹脂発泡シートを得た。なお、熱可塑性樹脂発泡シート中における各成分の含有量を表1に示した。
そして、熱可塑性樹脂発泡シートの一面に両面粘着テープ(積水化学工業社製 商品名「No5761」)を介して発泡粘着シートをその発泡粘着剤層が熱可塑性樹脂発泡シートに対向した状態に積層一体化させて、熱可塑性樹脂発泡シートの一面に発泡粘着剤層を積層一体化してなる制振材を得た。
(実施例2)
発泡粘着剤層を作製するにあたって、水−デカブロモジフェニルエーテル−三酸化アンチモン混合液を25重量部の代わりに30重量部としたこと、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に厚み2.1mmで且つ密度が0.21g/cm3 の発泡粘着剤層を積層させて発泡粘着シートを作製する代わりに、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に厚み1.8mmで且つ密度が0.22g/cm3 の発泡粘着剤層を積層させて発泡粘着シートを作製したこと以外は、実施例1と同様の要領で制振材を作製した。
発泡粘着剤層を作製するにあたって、水−デカブロモジフェニルエーテル−三酸化アンチモン混合液を25重量部の代わりに30重量部としたこと、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に厚み2.1mmで且つ密度が0.21g/cm3 の発泡粘着剤層を積層させて発泡粘着シートを作製する代わりに、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に厚み1.8mmで且つ密度が0.22g/cm3 の発泡粘着剤層を積層させて発泡粘着シートを作製したこと以外は、実施例1と同様の要領で制振材を作製した。
(比較例1)
発泡粘着剤層を作製するにあたって、水−デカブロモジフェニルエーテル−三酸化アンチモン混合液を用いなかったこと、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に厚み2.1mmで且つ密度が0.21g/cm3 の発泡粘着剤層を積層させて発泡粘着シートを作製する代わりに、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に厚み2.0mmで且つ密度が0.20g/cm3 の発泡粘着剤層を積層させて発泡粘着シートを作製したこと以外は、実施例1と同様の要領で制振材を作製した。
発泡粘着剤層を作製するにあたって、水−デカブロモジフェニルエーテル−三酸化アンチモン混合液を用いなかったこと、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に厚み2.1mmで且つ密度が0.21g/cm3 の発泡粘着剤層を積層させて発泡粘着シートを作製する代わりに、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に厚み2.0mmで且つ密度が0.20g/cm3 の発泡粘着剤層を積層させて発泡粘着シートを作製したこと以外は、実施例1と同様の要領で制振材を作製した。
(比較例2)
発泡粘着剤層を作製するにあたって、水−デカブロモジフェニルエーテル−三酸化アンチモン混合液を25重量部の代わりに10重量部としたこと、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に厚み2.1mmで且つ密度が0.21g/cm3 の発泡粘着剤層を積層させて発泡粘着シートを作製する代わりに、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に厚み1.8mmで且つ密度が0.20g/cm3 の発泡粘着剤層を積層させて発泡粘着シートを作製したこと以外は、実施例1と同様の要領で制振材を作製した。
発泡粘着剤層を作製するにあたって、水−デカブロモジフェニルエーテル−三酸化アンチモン混合液を25重量部の代わりに10重量部としたこと、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に厚み2.1mmで且つ密度が0.21g/cm3 の発泡粘着剤層を積層させて発泡粘着シートを作製する代わりに、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に厚み1.8mmで且つ密度が0.20g/cm3 の発泡粘着剤層を積層させて発泡粘着シートを作製したこと以外は、実施例1と同様の要領で制振材を作製した。
実施例及び比較例で得られた制振材の制振性を下記の要領で測定し、その結果を表3に示した。なお、図2は23℃における制振性を、図3は60℃における制振性を示した。
〔制振性〕
JIS G0602に規定する中央支持定常加振法に準拠して23℃及び60℃において270〜5000Hzにおける損失係数を測定した。具体的には、制振材から縦15mm×横250mmの平面長方形状の試験片を切り出し、この試験片をJIS G3141に規定されているSPCC鋼板(平面長方形状(縦15mm、横250mm)、厚さ0.8mm)上に両面粘着テープ(積水化学工業社製 商品名「セキスイテープNo.5761」)を介して貼着して23℃及び60℃にて270〜5000Hzにおける損失係数を測定し、図2,3及び表3にその結果を示した。なお、試験片を鋼板上に貼着させるにあたっては、試験片の発泡粘着剤層が鋼板側となるようにした。
JIS G0602に規定する中央支持定常加振法に準拠して23℃及び60℃において270〜5000Hzにおける損失係数を測定した。具体的には、制振材から縦15mm×横250mmの平面長方形状の試験片を切り出し、この試験片をJIS G3141に規定されているSPCC鋼板(平面長方形状(縦15mm、横250mm)、厚さ0.8mm)上に両面粘着テープ(積水化学工業社製 商品名「セキスイテープNo.5761」)を介して貼着して23℃及び60℃にて270〜5000Hzにおける損失係数を測定し、図2,3及び表3にその結果を示した。なお、試験片を鋼板上に貼着させるにあたっては、試験片の発泡粘着剤層が鋼板側となるようにした。
なお、実施例1及び実施例2において、23℃では約3500Hz以上の周波数領域の損失係数が測定されておらず、60℃では約4700Hz以上の周波数領域の損失係数が測定されていない。この理由は、約3500Hz及び約4700Hz以上の周波数領域において、制振材の共振点を見つけることができない程充分に、制振材が制振性を発揮しているからである。実施例1及び実施例2の制振材は、23℃にて約3500Hz以上の周波数領域においても約3500Hz付近と同程度の制振性を示し、60℃にて約4700Hz以上の周波数領域においても約4700Hz付近と同程度の制振性を示す。
A 制振材
B 有機化合物層
C 粘着剤層
B 有機化合物層
C 粘着剤層
Claims (6)
- 有機化合物層の一面に、難燃剤を10〜50重量%含有する粘着剤層が積層一体化されてなることを特徴とする制振材。
- 難燃剤が、ベンゼン環を有するハロゲン系難燃剤であることを特徴とする請求項1に記載の制振材。
- 粘着剤層が発泡していることを特徴とする請求項1に記載の制振材。
- 粘着剤層がアクリル系粘着剤を含有していることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の制振材。
- 有機化合物層が発泡シートであることを特徴とする請求項1に記載の制振材。
- 発泡シートがポリオレフィン系樹脂発泡シートであることを特徴とする請求項5に記載の制振材。
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JP2006122698A JP2007292249A (ja) | 2006-04-26 | 2006-04-26 | 制振材 |
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JPH11263894A (ja) * | 1998-03-19 | 1999-09-28 | Zeon Kasei Co Ltd | アクリレート系重合体組成物及びこれを用いた難燃性粘着テープ |
JP2002265742A (ja) * | 2001-03-15 | 2002-09-18 | Denki Kagaku Kogyo Kk | 建築用材料 |
JP2006069193A (ja) * | 2004-08-02 | 2006-03-16 | Sekisui Chem Co Ltd | 制振材 |
-
2006
- 2006-04-26 JP JP2006122698A patent/JP2007292249A/ja active Pending
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