JP2007292166A - 同期噛合式自動変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】アクチュエータに操作モータを用い、シンクロメッシュ機構の嵌合状態を正確に判定してギヤ鳴りを発生させることのない、簡易で価格上昇を抑えた同期噛合式自動変速機を提供する。
【解決手段】シンクロメッシュ機構を備える複数の変速ギヤ対と、操作力を出力する操作モータ2と、該操作力を該操作モータ2から該シンクロメッシュ機構に伝達する伝達部材4と、該伝達部材4の作動変位量を検出する変位量検出手段(ストロークセンサ5)と、検出された該作動変位量を基にして該シンクロメッシュ機構の嵌合状況を判定するとともに該操作モータ2を制御する変速制御手段(電子制御装置7)と、を備える同期噛合式自動変速機1であって、前記操作モータ2に流れる電流を検出する電流検出手段(抵抗素子3)を備え、前記変速制御手段(7)は前記作動変位量に加えて検出された該電流をも基にして前記シンクロメッシュ機構の前記嵌合状況を判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は車両用の同期噛合式自動変速機に関し、より詳細にはアクチュエータに操作モータを用いた変速機の同期噛合状況の判定方法に関する。
車両用の変速機には、運転者が変速操作を行うマニュアルトランスミッションと、自動的に変速操作が行われるようにしたオートマチックトランスミッションとがある。一般的なマニュアルトランスミッションは、入力軸上に固設される複数の駆動ギヤと、この駆動ギヤと常時噛み合うとともに出力軸上に遊転可能に配設される複数の遊転ギヤと、遊転ギヤと出力軸とを同期させた後に嵌合結合させるシンクロメッシュ機構と、を備える場合が多い。これに、操作モータと、操作力を伝達する伝達部材、電子制御装置などが組み合わされて、オートマチックトランスミッションの一種である同期噛合式自動変速機が構成されている。
この同期噛合式自動変速機の変速操作は、通常電子制御装置により制御されている。制御順序としては、まず変速機入力側のクラッチを切り、次に操作モータを制御し伝達部材を作動させてシンクロメッシュ機構を操作し、最後に嵌合状態を判定して再度クラッチを継合させるのが一般的である。シンクロメッシュ機構の嵌合状態は、例えばストロークセンサなどの変位量検出手段により検出される伝達部材の作動変位量を基にして判定されている。ストロークセンサは、狭隘なシンクロメッシュ機構の近傍を避けまたセンサ数を節約するために、複数のシンクロメッシュ機構に対して常に作動する伝達部材の共通部に設けられるのが一般的である。
ここで、ストロークセンサがシンクロメッシュ機構から離れて設置されており、伝達部材には撓みが生じ得ることから、検出される作動変位量とシンクロメッシュ機構の実際の変位量との間に誤差を生じる場合がある。この誤差により、シンクロメッシュ機構の嵌合状態を早まって判定しクラッチを継合させると、ギヤ鳴りが発生して乗員に不快感を与えるとともに、変速機の耐久性を低下させる懸念がある。この一対策を、本願出願人は特許文献1の同期噛合式自動変速機の制御装置に開示している。この制御装置では、伝達部材の撓み量を直接検知し、あるいは間接的に検知して換算し、シンクロメッシュ機構を高精度に操作、制御するようにしている。
特開2002−106710号公報
ところで、特許文献1では、撓み量を求めるために、伝達部材に直接荷重センサを取り付けている。しかしながら、伝達部材は多数の部品が組み合わされて形成されているため、1箇所で撓み量を検知しても、総合的な誤差を正確に求めて補正することは難しかった。また、装置構成の複雑化に加えて操作及び制御の手順が煩雑化し、装置価格を上昇させる一因となっていた。
本発明は上記背景に鑑みてなされたものであり、アクチュエータに操作モータを用い、シンクロメッシュ機構の嵌合状態を正確に判定してギヤ鳴りを発生させることのない、簡易で価格上昇を抑えた同期噛合式自動変速機を提供する。
本発明の同期噛合式自動変速機は、シンクロメッシュ機構を備える複数の変速ギヤ対と、操作力を出力する操作モータと、該操作力を該操作モータから該シンクロメッシュ機構に伝達する伝達部材と、該伝達部材の作動変位量を検出する変位量検出手段と、検出された該作動変位量を基にして該シンクロメッシュ機構の嵌合状況を判定するとともに該操作モータを制御する変速制御手段と、を備える同期噛合式自動変速機であって、前記操作モータに流れる電流を検出する電流検出手段を備え、前記変速制御手段は前記作動変位量に加えて検出された該電流をも基にして前記シンクロメッシュ機構の前記嵌合状況を判定することを特徴とする。
本発明は、シンクロメッシュ機構のスリーブが遊転ギヤに嵌合して入力軸と出力軸とが同期噛合する際に、嵌合するまでは操作力を要し嵌合した時点で操作力が減少することに着目し、これを操作モータに入力される電流を検出することで判定する変速機、を要旨としている。
本発明で用いるシンクロメッシュ機構には、例えば出力軸とともに回転しかつ軸方向に移動可能なスリーブと、遊転ギヤに摩擦係合するシンクロナイザリングと、を備える一般的な機構を適用することができる。このシンクロメッシュ機構では、スリーブが移動するとまずシンクロナイザリングを押圧して遊転ギヤに摩擦係合することにより同期作用が生じ、同期が達成されるとスリーブがシンクロナイザリングに嵌合して通り抜け、最後にスリーブが遊転ギヤに当接して嵌合するようになっている。
変速操作に必要な操作力を生起するアクチュエータには操作モータ、例えばバッテリで駆動される直流モータを用いることができる。
伝達部材は、操作力を操作モータからシンクロメッシュ機構に伝達するものであり、各種の機構部材を組み合わせて形成することができる。例えば、シフトアンドセレクト軸と、インナーレバーと、複数のフォーク軸と、で形成することができる。シフトアンドセレクト軸は、操作モータにより回転及び軸方向に移動するように形成することができる。インナーレバーは、シフトアンドセレクト軸に固定され、例えば、回転により複数のフォーク軸のうち一つに選択的に係合し、軸方向に移動させるように形成することができる。フォーク軸は2組のギヤ対ごとに設けられ、軸方向に移動することによりシンクロメッシュ機構のスリーブをいずれかのギヤ対に向けて移動させるように形成することができる。
変位量検出手段は、伝達部材の作動変位量を検出する手段であり、例えばストロークセンサをシフトアンドセレクト軸に設けて適用することができる。ストロークセンサには、例えば抵抗可変式センサを用いることができ、変速機ケース側に固定される線状抵抗体と、軸側に固定されて線状抵抗体に摺接する接点部材とで形成することができる。そして、シフトアンドセレクト軸の軸方向の移動すなわち作動変位量に伴い、接点部材が線状抵抗体上を摺接移動して検出される抵抗値が変化するようにすることができる。なお、抵抗可変式センサは一例であって、他に光学式や磁気式のリニアエンコーダなどを適用することもできる。
電流検出手段は、操作モータに流れる電流を検出するものであり、例えば電圧降下法を用いた手段を適用することができる。すなわち、前記電流検出手段は、操作モータの電源線に挿入される抵抗素子であってもよい。操作モータの電源線に抵抗素子を挿入し、素子両端の電圧を測定して抵抗値で除することにより、電流値を検出することができる。他に、直流モータの電流検出手段として、ホール効果を応用した電流センサを適用することもでき、その他の方式のセンサを用いてもよい。
変速制御手段には、例えばマイクロコンピュータを応用した電子制御装置を用いることができる。電子制御装置は、変位量検出手段や電流検出手段の検出信号を取り込む入力部と、操作モータに制御信号を送り出す出力部と、各種データを保持する記憶部とを備え、内蔵のプログラムで作動するように構成することができる。
また、電子制御装置は、変速機とエンジンとの間に配設されて駆動力を継断するクラッチをも制御するようにしてもよい。電子制御装置は、変速操作に先立って変速機入力側に設けられたクラッチを一旦切り、シンクロメッシュ機構を嵌合状態と判定した後にクラッチを再度継合することができる。
次に、上述のように構成された本発明の同期噛合式自動変速機におけるシンクロメッシュ機構の嵌合状況の判定方法について説明する。前記変速制御手段は、前記作動変位量が規定変位量を超過した後に前記電流が規定電流値以下になった時点で、前記シンクロメッシュ機構を嵌合状態と判定するようにしてもよい。
従来の変速制御手段は、主に作動変位量に基いてシンクロメッシュ機構の嵌合状況を判定していたが、本発明では、作動変位量に加えて電流をも基にしてシンクロメッシュ機構の嵌合状況を判定するようになっている。すなわち、本発明では、変速操作の進行状況を把握するために一定の規定変位量を設定し、検出される伝達部材の作動変位量と比較するようにしている。
ここで、シンクロメッシュ機構のスリーブは、シンクロナイザリングと遊転ギヤとが摩擦係合している状態や、スリーブ自身が遊転ギヤに当接している状態では、軸方向への移動が停滞している。このとき、スリーブは反力を受けて操作力と拮抗するため、伝達部材には撓みが生じている。したがって、伝達部材で検出した作動変位量は、スリーブの移動量と正確には一致しない。スリーブが停滞せずに移動している状態では、伝達部材の撓みは小さく、伝達部材で検出した作動変位量とスリーブの移動量とはほぼ等しくなる。このような作動形態を念頭に置き、摩擦係合位置と嵌合開始位置との中間の位置までのスリーブの軸方向移動量を、規定変位量として設定することができる。
また、操作モータの電流にも規定電流値を設けて、検出される電流の大きさと比較することができる。ここで、スリーブが遊転ギヤに当接して停滞した状態では反力を受けるので、反力に応じて操作モータに大きな電流が流れる。そして、スリーブがわずかでも遊転ギヤに嵌入すれば、停滞は解けて反力は無くなり電流は減少する。したがって、規定電流値として、スリーブが遊転ギヤに当接しているときの大きな電流値と、嵌合開始後の小さな電流値との中間値を設定することができる。
なお、前記の規定変位量や規定電流値は、実際に変速機を作動させて測定を行い、実験的に求めることができる。
上述のようにして、変速制御手段は、伝達部材の作動変位量が規定変位量を超過した時点で、スリーブが摩擦係合位置から嵌合開始位置に向けて停滞せずに移動していることを判定することができる。そしてその後、操作モータの電流が規定電流値以下になった時点で、スリーブが遊転ギヤに嵌入して嵌合状態になっていることを正しく判定することができる。これに対して、従来の方法では、スリーブが嵌合開始位置に当接して停滞している状態において、伝達部材がたわんで検出される作動変位量が増加することから、早まって嵌合状態と判定する懸念があった。
さらに、前記変速制御手段は、前記作動変位量が規定変位量を超過した後に前記電流が規定電流値以下になっている継続時間を計時し、該継続時間が規定時間に達した時点で、前記シンクロメッシュ機構を嵌合状態と判定することが好ましい。
操作モータの電流が規定値以下になったことを規定時間にわたり確認するようにすれば、判定タイミングは若干遅れるが、より確実に嵌合状態を判定することができる。例えば、一過性のノイズや偶発的な欠側による誤判定を防止することができ、より信頼性の高い判定となる。
本発明の同期噛合式自動変速機では、伝達部材の作動変位量が規定変位量を超過した後に、操作モータの電流が規定電流値以下になった時点、あるいはこれが規定時間継続した時点で、シンクロメッシュ機構を嵌合状態と判定するようにしたので、誤った判定によりクラッチを継合させてギヤ鳴りを発生させることがなくなる。また、電流検出手段に抵抗素子を用いた態様は、従来の装置構成に抵抗素子1本を追加するだけでよいため、簡易で価格上昇を抑えつつギヤ鳴りを防止した変速機を提供することができる。
本発明を実施するための最良の形態を、図1〜図4を参考にして説明する。図1は、本発明の実施例の同期噛合式自動変速機を説明する図である。実施例の同期噛合式自動変速機1は、操作モータ2及びバッテリ21、電流検出手段に相当する抵抗素子3、伝達部材4、変位量検出手段に相当するストロークセンサ5、スリーブ61のみが図示され他の部材は省略されたシンクロメッシュ機構、図略の複数の変速ギヤ対、変速制御手段に相当する電子制御装置7、により構成されている。
操作モータ2は、変速操作に必要な操作力を生起するアクチュエータに相当するものであり、車載のバッテリ21で駆動される直流モータである。操作モータ2とバッテリ21とを接続する電源線22、23には遠隔制御可能な電源スイッチ24が挿入され、電源線の一方22には抵抗素子3が挿入されている。抵抗素子3の抵抗値は、操作モータの駆動に支障ない程度に小さく、検出すべき電流を検出できる程度に大きな適切な値が選定されている。
伝達部材4は、操作モータ2からシンクロメッシュ機構のスリーブ61まで操作力ならびに変位量を伝達する部材であり、以下に説明する多くの部材で形成されている。すなわち、操作モータ2の出力軸には回転駆動されるピニオンギヤ41が配設されている。ピニオンギヤ41は、図中の左右に移動可能なシフトアンドセレクト軸42の図中右方に形成された円周ラック49と噛合している。シフトアンドセレクト軸42の中央に固設されるインナーレバー43はフォーク軸44のシフトヘッド45に係合し、フォーク軸44はスリーブ61と係合している。以上の構成によれば、操作モータ2が回転すると、シフトアンドセレクト軸42及びフォーク軸44が左右に移動して、スリーブ61を左右に駆動し、シンクロメッシュ機構を操作するようになっている。なお、実際にはフォーク軸44は複数設けられ、シフトアンドセレクト軸42の回転により、インナーレバー43がいずれかのフォーク軸44を選択して係合するようになっているが、説明を簡略化するために割愛する。
ストロークセンサ5は、変位量検出手段に相当するものであり、抵抗可変式センサが用いられている。すなわち、変速機ケース側に線状抵抗体51が設けられ、シフトセレクト軸42側には接点部材52が設けられている。そして、シフトアンドセレクト軸42の軸方向(図中の左右方向)の移動すなわち変位に伴い、接点部材52が線状抵抗体51上を摺接移動し、検出される抵抗値が変化するようになっている。
変速制御手段としては、電子制御装置7が用いられている。電子制御装置7の入力部には、抵抗素子3の両端が接続されて電圧が検出され、さらに線状抵抗体51の一端と接点部材52が接続されて抵抗値が検出されるようになっている。この電圧及び抵抗値は、一定時間t0ごとに検出され、それぞれ操作モータ2の電流IMとシフトアンドセレクト軸42の作動変位量DMに換算されるようになっている。また、電子制御装置7の出力部は、電源スイッチ24を投入及び開放制御できるようになっている。さらに、電子制御装置7は、図略のクラッチをも制御するように構成されている。
次に、一般的な同期噛合式変速機の作動及び嵌合判定方法について図2及び図3を参考にして説明する。図2のグラフは実施例の同期噛合式変速機1の作動を説明する図であるが、上半分の変位量に関しては従来と同様である。図2で、横軸は共通の時間、グラフの上半分の縦軸は変位量、図中の実線はストロークセンサ5で検出されるシフトアンドセレクト軸42の軸方向の作動変位量DM、破線は検出し得ないスリーブ61の実際の変位量、をそれぞれ示している。また、図3は、一般的なシンクロメッシュ機構の嵌合状況を模式的に説明する図であり、スリーブ61とシンクロナイザリング62と遊転ギヤ63とが嵌合結合するスプライン嵌合部の一部分を示している。
電子制御装置7は、変速操作に際し、まず変速機入力側のクラッチを切り、すべての変速ギヤ対のスリーブ61を、時刻T1でニュートラル状態に戻す。このとき、図3(A)に示されるように、スリーブ61はシンクロナイザリング62から距離D1だけ離れた変位量0のニュートラル位置にあり、ストロークセンサ5で検出されるシフトアンドセレクト軸42の作動変位量DMも0である。次に、電子制御装置7が、図2の時刻T2で電源スイッチ24を投入すると、操作モータ2が始動し、シフトアンドセレクト軸42、フォーク軸44、スリーブ61が一緒に軸方向に移動する。時刻T3で、これら42、44、61が概ね距離D1だけ移動すると、図3(B)に示されるように、スリーブ61はシンクロナイザリング62にチャンファ同士で当接し、リング62を遊転ギヤ63に押圧し、摩擦係合による同期作用が始まる。このとき、スリーブ61は変位量D1で一時停滞するが、伝達部材各部42、43、45、44では操作力と反力との拮抗による撓みが発生する。したがって、シフトアンドセレクト軸42の作動変位量D2は、図2に示されるようにスリーブ61の変位量D1よりも大となり、これがストロークセンサ5で検出される。
しばらくして時刻T4で、シンクロナイザリング62と遊転ギヤ63とが同期回転に達すると、スリーブ61はリング62を通り抜けて再度軸方向に移動し、時刻T5で図3(C)に示されるように、スリーブ61は遊転ギヤ63にチャンファ同士で当接する。このとき、再度スリーブ61は変位量D3で停滞し、やはり伝達部材各部42、43、45、44で撓みが発生して、ストロークセンサ5では変位量D3より大きな作動変位量D4が検出される。やがて時刻T6で図3(D)に示されるように、スリーブ61と遊転ギヤ63とが相対回転してスプライン端部が嵌合を開始すると、スリーブ61は再度軸方向に移動し、時刻T7で図3(E)に示される最終変位量D5の最終嵌合位置に到達する。嵌合状態を判定した電子制御装置7は、クラッチを継合して変速操作を終了していた。
ここで、従来は、ストロークセンサ5によって検出されたシフトアンドセレクト軸42の作動変位量DMに着目し、基準となる規定変位量DXを超過した時点で嵌合状態と判定する方法をとっていた。そして、規定変位量DXは、スリーブ61が実際に嵌合を開始するときの変位量D3よりも大きく、最終変位量D5よりも小さい適当量に設定されていた(D3<DX<D5)。ところが、伝達部材各部42、43、45、44の撓み量が大きいと、スリーブ61が遊転ギヤ63に当接している未嵌合の状態において、作動変位量D4が規定変位量DXを超過する場合がある。したがって、図2に示される時刻TXで嵌合状態を誤って判定し(時刻T6以前は誤り)、嵌合前にクラッチを継合させ、ギヤ鳴りを発生させる懸念があった。
次に、本発明によるシンクロメッシュ機構の嵌合状況の判定方法及び作用について図2を参考にして説明する。図2で、横軸は共通の時間、上半分のグラフの縦軸は変位量、下半分のグラフの縦軸は抵抗素子3で検出される操作モータ2の電流IM、をそれぞれ示している。時刻T2〜T3の間、スリーブ61はシンクロナイザリング62との距離D1を移動するだけであり、操作モータ2に流れる電流I1は小さい。時刻T3〜T4の間、スリーブ61は停滞してシンクロナイザリング62と遊転ギヤ63とが摩擦係合し、大きな反力と拮抗する操作力を生起するために大きな電流I2が流れ、時刻T4〜T5間で一度I3に減少する。時刻T5〜T6間では、スリーブ61が遊転ギヤ63に当接して反力が生じるため、再度大きな電流I4が流れ、嵌合開始の時刻T6以降では電流I5は減少する。
ここで、実施例では、時刻T6以降における電流の減少により嵌合状態と判定するようにしている。具体的な判定手順は、図4を参考にして説明する。図4は、実施例の同期噛合噛合式変速機1の変速操作時における電子制御装置7の嵌合状況の判定手順を説明するフローチャートであり、図中のS1〜S8は各処理内容に付した通し番号である。変速操作を開始した後に、電子制御装置7は、まずS1で条件設定として、規定変位量DXとする。さらに、前述のスリーブ61が遊転ギヤ63に当接しているときの大きな電流I4が明らかに減少したと判定できるレベルの規定電流値IYとし、電流の減少を確実に判定するための規定時間tyを設定する。これらの設定値は、変速ギヤ対ごとに異なる値であってもよく、電子制御装置7の記憶部にあらかじめ保持されたマップ(一覧表)から選択されるようになっている。S2では、判定タイマTMを準備し、0にリセットしておく。
次に、電子制御装置7は、S3で一定時間t0ごとに作動変位量DMと電流IMを検出する。次にS4で、作動変位量DMが規定変位量DXを越えたか比較し、満足されていればS5に進み、否であればS2に戻る。S4が満足されるということは、摩擦係合による同期作用が終了して、スリーブ61がシンクロナイザリング62を通り抜けたことを意味し、図2では時刻TXに相当する。
次にS5では、電流IMが規定電流値IY以下であるか比較し、満足されていればS6に進み、否であればS2に戻る。S5が満足されるということは、電流IMが減少したことを意味し、図2の時刻TYに相当する。S6では、判定タイマTMを一定時間t0だけ加算する。S7では、判定タイマTMが規定時間tyに達したか比較し、満足されていればS8に進み、否であればS3に戻る。S7が満足されるということは、電流IMの減少が規定時間ty継続したことを意味し、図2では時刻TZに相当する。S8では、嵌合状態と判定して、一連の判定手順を終了する。なお、S4またはS5が満足されない場合は、S2に戻って再度判定タイマTMをリセットする。
判定タイマTMのリセット処理は、誤動作を防止して判定の信頼性を向上するためのものであり、一過性のノイズなどにより作動変位量DMや電流IMが正しく検出できなくとも、直ちに誤った判定とならないようなっている。ノイズなどの影響をあまり考慮しなくてよい場合には、判定タイマTMを省略することができ、S5が満足されたとき直ちに嵌合状態と判定でき、これは図2では時刻TYに相当する。
上述のように作動変位量DMだけでなく電流DMをも基にする実施例の判定手順によれば、図2の時刻TXで示される誤った嵌合状態の判定は行われず、時刻TZあるいは時刻TYで示されるように確実に嵌合状態を判定することができる。
本発明の実施例の同期噛合式自動変速機を説明する図である。 図1の実施例において、作動を説明する図である。 一般的なシンクロメッシュ機構の嵌合状況を模式的に説明する図である。 図1の実施例において、嵌合状況の判定手順を説明するフローチャートである。
符号の説明
1:同期噛合式自動変速機
2:操作モータ 21:バッテリ 24:電源スイッチ
3:抵抗素子(電流検出手段)
4:伝達部材
41:ピニオンギヤ 42:シフトアンドセレクト軸
43:インナーレバー 44:フォーク軸
45:シフトヘッド
5:ストロークセンサ(変位量検出手段)
51:線状抵抗体 52:接点部材
61:スリーブ(シンクロメッシュ機構の一部)
7:電子制御装置(変速制御手段)
DM:作動変位量 DX:規定変位量
IM:電流 IY:規定電流値
TM:判定タイマ ty;規定時間
TZ:嵌合状態と判定する時刻

Claims (4)

  1. シンクロメッシュ機構を備える複数の変速ギヤ対と、操作力を出力する操作モータと、該操作力を該操作モータから該シンクロメッシュ機構に伝達する伝達部材と、該伝達部材の作動変位量を検出する変位量検出手段と、検出された該作動変位量を基にして該シンクロメッシュ機構の嵌合状況を判定するとともに該操作モータを制御する変速制御手段と、を備える同期噛合式自動変速機であって、
    前記操作モータに流れる電流を検出する電流検出手段を備え、前記変速制御手段は前記作動変位量に加えて検出された該電流をも基にして前記シンクロメッシュ機構の前記嵌合状況を判定することを特徴とする同期噛合式自動変速機。
  2. 前記変速制御手段は、前記作動変位量が規定変位量を超過した後に前記電流が規定電流値以下になった時点で、前記シンクロメッシュ機構を嵌合状態と判定する請求項1に記載の同期噛合式自動変速機。
  3. 前記変速制御手段は、前記作動変位量が規定変位量を超過した後に前記電流が規定電流値以下になっている継続時間を計時し、該継続時間が規定時間に達した時点で、前記シンクロメッシュ機構を嵌合状態と判定する請求項1または2に記載の同期噛合式自動変速機。
  4. 前記電流検出手段は、操作モータの電源線に挿入される抵抗素子である請求項1〜3に記載の同期噛合式自動変速機。
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