JP2007291269A - 繊維強化樹脂成形品用樹脂組成物、樹脂含浸補強繊維材および繊維強化樹脂成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ウレタンアクリレート樹脂(A)と、ビニルエステル樹脂および/または不飽和ポリエステル樹脂(B)と、共重合性単量体(C)と、有機過酸化物(D)と、蓄光顔料(E)とを含有し、(A)成分と(B)成分との比((A)/(B))が、4/6〜6/4(質量比)であり、(E)成分の含有量が、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して、5〜30質量部である繊維強化樹脂成形品用樹脂組成物を用いる。
【選択図】なし
Description
なお、透明性の高い繊維強化樹脂成形品が、特許文献3に開示されている。しかし、特許文献3には、繊維強化樹脂成形品に蓄光顔料を含有させることについての記載はない。
本発明の繊維強化樹脂成形品は、本発明の繊維強化樹脂成形品用樹脂組成物からなる硬化樹脂および補強繊維材を含むことを特徴とする。
本発明の繊維強化樹脂成形品は、本発明の繊維強化樹脂成形品用樹脂組成物からなる硬化樹脂および補強繊維材を含む層と、白色顔料を含む層とを有するものであってもよい。
本発明の樹脂含浸補強繊維材によれば、蓄光機能を有し、強度および残光輝度が高い繊維強化樹脂成形品を得ることができる。
本発明の繊維強化樹脂成形品は、蓄光機能を有し、強度および残光輝度が高いものである。
本発明の繊維強化樹脂成形品用樹脂組成物は、ウレタンアクリレート樹脂(A)(以下、(A)成分と記す。)と、ビニルエステル樹脂および/または不飽和ポリエステル樹脂(B)(以下、(B)成分と記す。)と、共重合性単量体(C)(以下、(C)成分と記す。)と、有機過酸化物(D)(以下、(D)成分と記す。)と、蓄光顔料(E)(以下、(E)成分と記す。)とを含有する組成物である。
(A)成分は、ポリマー鎖中にウレタン結合を有し、ポリマー末端に(メタ)アクリロイル基を有する樹脂である。(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基および/またはメタクリロイル基を意味する。
(A)成分は、一分子中にヒドロキシル基および(メタ)アクリロイル基を有する化合物(a1)と、一分子中に2個以上のヒドロキシル基を有する化合物(a2)と、一分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物(a3)とを、公知の方法により反応させて合成できる。
化合物(a2)の数平均分子量は、繊維強化樹脂成形品の耐クラック性がより良好となる点から、1000以上が好ましい。
ビニルエステル樹脂は、一分子中に共重合性の不飽和基を2個以上有する樹脂であり、ビニルエステル樹脂またはエポキシアクリレート樹脂が挙げられる。
エポキシアクリレート樹脂は、たとえば、公知のエステル化触媒および重合禁止剤の存在下、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを90〜130℃の温度で反応させることにより合成できる。
グリコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、水添ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物等が挙げられる。
不飽和二塩基酸としては、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。
(C)成分は、(A)成分および(B)成分と共重合し得る単量体である。
(C)成分としては、スチレン、クロロスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、アルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。(C)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(D)成分は、有機過酸化物である。
有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーベンゾエート、メチルエチルケトンパーオキシド、ジクミルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、パーオキシケタール等が挙げられる。有機過酸化物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(E)成分は、光の照射後に暗所にて数時間以上発光する機能を有する顔料である。
(E)成分としては、MAl2O4:Eu,Dy、M4Al14O25:Eu,Dy、MAl2O4:Eu,Nd、ZnS:Cu等が挙げられる。ただし、Mは、Sr、Ca、またはBaである。蓄光顔料としては、長期間安定して高い残光輝度が得られる点から、SrAl2O4:Eu,Dy(緑色発光)、Sr4Al14O25:Eu,Dy(青緑色発光)、CaAl2O4:Eu,Nd(紫色発光)が好ましい。蓄光顔料の市販品としては、根本特殊化学社製の「N夜光(ルミノーバ)(登録商標)」シリーズ等が挙げられる。
繊維強化樹脂成形品用樹脂組成物には、必要に応じて、促進剤、離型剤、充填材、着色剤等を添加してもよい。
促進剤は、有機過酸化物の分解を促進する成分であり、ナフテン酸コバルト等の有機金属塩が挙げられる。
離型剤としては、ステアリン酸亜鉛、燐酸エステル、フッ素系化合物等が挙げられる。
充填材としては、水酸化アルミニウム、ガラスバルーン、ガラスフレーク等が挙げられる。ただし、充填材の添加量は、本発明の効果を損なわない範囲とする必要がある。
本発明の樹脂含浸補強繊維材は、本発明の繊維強化樹脂成形品用樹脂組成物を、補強繊維材に含浸させた中間基材である。
補強繊維材は、補強繊維からなる部材であり、形態としては、ロービング、ロービングクロス、コンテイニアスストランドマット、サーフェシングマット、チョップドストランドマット等が挙げられる。
本発明の繊維強化樹脂成形品は、本発明の繊維強化樹脂成形品用樹脂組成物からなる硬化樹脂および補強繊維材を含む成形品である。
補強繊維材の含有率は、繊維強化樹脂成形品(100体積%)中、50〜70体積%が好ましい。
白色層を蓄光層の背面に設けることにより、白色層の反射効果によって、白色層がない場合に比べ、蓄光層側の残光輝度が約4倍高くなる。
白色顔料としては、酸化チタン、酸化鉛、酸化亜鉛等が挙げられる。
白色顔料の含有率は、白色層(100質量%)中、2〜5質量%が好ましい。
成形法としては、ハンドレイアップ成形法、レジンインジェクション成形法、フィラメントワインディング成形法、BMC成形法、引き抜き成形法、SMC成形法等が挙げられ、連続的に繊維強化樹脂成形品を製造できる点から、引き抜き成形法が好ましい。
白色層の形成方法としては、本発明の樹脂含浸補強繊維材とともに、白色顔料を含む樹脂含浸補強繊維材を金型に通しながら硬化させ、該金型から連続的に繊維強化樹脂成形品を引き抜く方法;本発明の樹脂含浸補強繊維材からなる繊維強化樹脂成形品を得た後、該成形品の背面に白色塗料を塗布し、乾燥させる方法等が挙げられる。
(i)プリフォームド・プルトルージョン法。
(ii)インターナル・スプレイアップ法。
(iii)ブロー・ペインティング法。
(iv)ワイプ・ペインティング法。
(A)成分のウレタンアクリレート樹脂(日本ユピカ社製、8932)50質量部および(B)成分のビニルエステル樹脂(日本ユピカ社製、8250H)50質量部に、(C)成分のスチレンモノマー5質量部を添加し、これに(E)成分の蓄光顔料(根本特殊化学社製、N夜光(登録商標)GLL−300M)10質量部、離型剤としてPS−125(小桜商会社製)1.5質量部、(D)成分の有機過酸化物としてパーヘキサTMH(日本油脂社製)1.5質量部を加え、これらを混合して、繊維強化樹脂成形品用樹脂組成物(1)を調製した。
幅40mm×厚さ6mmのスリットを有する金型を140℃に加熱し、該金型に樹脂含浸補強繊維材(1)を通しながら硬化させ、該金型から連続的に平板を引き抜き速度20cm/分で引き抜いた。
該平板について、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
得られた平板の硬化状態を調べ、樹脂のカスおよび欠けがないものを○とし、カスまたは欠けがあるものを×とした。
得られた平板を目視で調べ、クラックが認められる(ガラス繊維に沿って白くなる)ものを×とし、クラックが認められないものを○とした。
得られた平板から、JIS K 7054に準拠する方法にて供試体を切り出し、曲げ試験を実施した。
得られた平板について、JIS K 7054に準拠する方法にて、残光輝度を測定した。
セラミックコート社製、W−200を専用シンナー20%にて希釈して白色塗料を調製した。
該白色塗料を、例1で得られた平板の片面に乾燥膜厚が30μmとなるように塗布し、 60℃で180分間乾燥させ、白色層を有する平板を得た。該平板について、例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
例1の繊維強化樹脂成形品用樹脂組成物(1)をガラス繊維のチョップドストランドマット(旭ファイバーグラス社製、CM455)に含浸させ、ガラス繊維含有率が50体積%の樹脂含浸補強繊維材(2)を得た。
樹脂未含浸の補強繊維材(3)として、コンテニュアスストランドマット(旭ファイバーグラス社製、M8624 #450)を用意した。
該管状成形品について、例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
ビニルエステル樹脂(日本ユピカ社製、8250H)100質量部に、白色顔料を5質量部添加し、均一になるまで、攪拌、混合して、白色樹脂組成物を調製した。
該白色樹脂組成物を、ガラス繊維のチョップドストランドマット(旭ファイバーグラス社製、CM455)に含浸させ、ガラス繊維含有率が50体積%の樹脂含浸補強繊維材(4)を得た。
該管状成形品について、例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(A)成分を40質量部、(B)成分を60質量部に変更した以外は、例1と同様にして平板を得た。
該平板について、例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(A)成分を60質量部、(B)成分を40質量部に変更した以外は、例1と同様にして平板を得た。
該平板について、例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(E)成分を1質量部に変更した以外は、例1と同様にして平板を得た。
該平板について、例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
(E)成分を40質量部に変更した以外は、例1と同様にして平板を得た。
該平板について、例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
(B)成分を不飽和ポリエステル樹脂(日本ユピカ社製、7596)に変更した以外は、例1と同様にして平板を得た。
該平板について、例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
(A)成分を100質量部、(B)成分を0質量部に変更した以外は、例1と同様にして平板を得た。
該平板について、例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
(A)成分を0質量部、(B)成分を100質量部に変更した以外は、例1と同様にして平板を得た。
該平板について、例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
(B)成分を不飽和ポリエステル樹脂(日本ユピカ社製、7596)に変更した以外は、例11と同様にして平板を得た。
該平板について、例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
Claims (4)
- ウレタンアクリレート樹脂(A)と、
ビニルエステル樹脂および/または不飽和ポリエステル樹脂(B)と、
共重合性単量体(C)と、
有機過酸化物(D)と、
蓄光顔料(E)とを含有し、
前記(A)成分と前記(B)成分との比((A)/(B))が、4/6〜6/4(質量比)であり、
前記(E)成分の含有量が、前記(A)成分と前記(B)成分との合計100質量部に対して、1〜40質量部である、繊維強化樹脂成形品用樹脂組成物。 - 請求項1に記載の繊維強化樹脂成形品用樹脂組成物を、補強繊維材に含浸させた、樹脂含浸補強繊維材。
- 請求項1に記載の繊維強化樹脂成形品用樹脂組成物からなる硬化樹脂および補強繊維材を含む、繊維強化樹脂成形品。
- 請求項1に記載の繊維強化樹脂成形品用樹脂組成物からなる硬化樹脂および補強繊維材を含む層と、
白色顔料を含む層と
を有する、繊維強化樹脂成形品。
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