JP2007291189A - 原油用流動性改良剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】
常温で流動性があり、ゲル状生成物の少なく製品安定性の高い原油用流動性改良剤を提供すること。
【解決手段】
(A)分岐度(エステル基のメチル基以外のエチレン由来の主鎖メチレン基100個あたりのメチル末端側鎖の個数)が2.0個であるエチレン酢酸ビニル共重合化合物、(B)分岐度(同上)が2.0個以下であるエチレン酢酸ビニル共重合化合物5〜35重量部と、アルキル(メタ)アクリレート95〜65重量部とを反応させることにより得られるグラフト共重合物および(C)アルキルアクリレートを重合することにより得られるポリアルキルアクリレートを、(A):(C)=40〜60:60〜40、(A+C):(B)=35〜65:65〜35の重量比で含有することを特徴とする原油用流動性改良剤組成物。

Description

本発明は、パラフィン含有により流動点の高い原油の輸送において、含有パラフィン結晶に有効に作用して流動性を改善し、粘性を改良低下させるための原油用流動性改良剤に関する。
パラフィン含有により流動点の高い原油の輸送においては、粘性を低下させるために加熱により温度を上昇させたり、高い圧力をかけての輸送をする必要がある。元々、原油生産設備は装置内が高圧となるため高耐圧の設備となっている。しかしながら、特に海上油田等での海底パイプラインや寒冷地でのパイプラインによるパラフィン含有により流動点の高い原油の輸送においては、設備スペースが狭く限られており、より装置を簡略化する必要があり種々の困難が伴う。
以上の状況から、低添加量で効果を示し、かつ、低温での作業性の良い原油用流動性改良剤が検討されてきた。例えば、エチレン酢酸ビニル共重合化合物(特許文献1,2)、ポリアルキルナフタレンポリマー、ポリアルキル(メタ)アクリレート(特許文献1,3,4)、アルケニルサクシンアミドやオレフィンと無水マレイン酸共重合物等が実用に供されている。また、これらの混合物も原油用流動性改良剤として提唱されている(特許文献5)。各種化合物及びその混合物の中で特に、ポリアルキル(メタ)アクリレートとエチレン酢酸ビニル共重合化合物との混合物が原油用流動性改良剤として非常に有効であることが上記の特許文献等で理解できる。
しかし、これらの原油用流動性改良剤はキシレン等の芳香族系希釈溶剤で重合体含有量を30重量%程度にした製品でも流動点が高く、一般的には常温では固化しており使用時に加熱溶解が必要である。また、製品安定性が悪く、これらの混合物は層分離してゲル状物が生成してしまうために薬剤添加用のラインの閉塞や薬剤添加の不均一を起こし、流動点が充分に低下しないことにより、原油の固化等による原油輸送ラインの閉塞や装置のトラブル、さらには商品原油の品質低下の問題が発生している。
そこで、原油用流動性改良剤として非常に有効であると認められるポリアルキル(メタ)アクリレートとエチレン酢酸ビニル共重合化合物との混合物について改良検討され、新規の原油用流動性改良剤が提唱されている。特許文献6では、エチレン酢酸ビニル共重合化合物の変性物による製品処方の改善をしている。しかし、製品処方の改善を主眼とした処方のために、エチレン酢酸ビニル共重合化合物の変性物が主成分となり本来は性能良好であるエチレン酢酸ビニル共重合化合物が処方されていない為、流動点降下性能が充分でない。
また、特許文献7では、ポリアルキル(メタ)アクリレート、エチレン酢酸ビニル共重合化合物及びポリアルキル(メタ)アクリレート−エチレン酢酸ビニル共重合化合物グラフトポリマーの混合物が提唱されている。しかし、製品安定性において十分満足であるものとは言えない。
米国特許第3669189号明細書 米国特許第3567639号明細書 米国特許第3729296号明細書 米国特許第3776247号明細書 米国特許第3726653号明細書 特開平3‐755号公報 特開昭62‐252431号公報 特公平4‐21718号公報
本発明が解決しようとする課題は、常温で流動性があり、ゲル状生成物の少なく製品安定性の高い原油用流動性改良剤を提供することである。
本発明者等は、上記の課題を解決するために流動点の高い評価原油について、65℃に加熱後に、各薬剤を添加、冷却速度0.5℃/分で30℃まで冷却し、その後にさらに冷却して、2℃間隔で各温度での粘性をレオメーターで測定し、各種薬剤を添加しての流動点を測定し研究を重ねた。また一方、製品処方についても常温及び40℃での経時安定性をも試験して進めた。以上の各種測定、検討の結果から特定構造を有するエチレン酢酸ビニル共重合化合物、エチレン酢酸ビニル共重合化合物とアルキル(メタ)アクリレートとのグラフト共重合物及びポリアルキルアクリレートの混合物が常温で流動性があり、ゲル状生成物が少なく製品安定性の高い、従来品と比較して性能良好な原油用流動性改良剤を提供できることを見出した。
すなわち本発明は、(A)酢酸ビニル含有量が30〜50重量%、数平均分子量が16,000〜25,000であって、分岐度(エステル基のメチル基以外のエチレン由来の主鎖メチレン基100個あたりのメチル末端側鎖の個数)が2.0個以下であるエチレン酢酸ビニル共重合化合物、(B)酢酸ビニル含有量が30〜50重量%であり、数平均分子量が16,000〜25,000であって、分岐度(同上)が2.0個以下であるエチレン酢酸ビニル共重合化合物5〜35重量部と、炭素数が16〜24のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート95〜65重量部とを反応させることにより得られる、数平均分子量が20,000〜150,000のグラフト共重合物および(C)炭素数が16〜24のアルキル基を有するアルキルアクリレートを重合することにより得られる重量平均分子量が50,000〜400,000であるポリアルキルアクリレートを、(A):(C)=40〜60:60〜40、[(A)+(C)]:(B)=35〜65:65〜35の重量比で含有することを特徴とする原油用流動性改良剤組成物に関する。
本発明の処方は特許文献7に示される、ポリアルキル(メタ)アクリレート、エチレン酢酸ビニル共重合化合物及びアルキル(メタ)アクリレートのエチレン酢酸ビニル共重合化合物へのグラフトポリマーとの混合物において、特にこの中のエチレン酢酸ビニル共重合化合物とアルキル(メタ)アクリレートのエチレン酢酸ビニル共重合化合物へのグラフト共重合物の構造について特徴を有するものである。
すなわち、前記の特許文献7においては、低温でも流動性のままである液状の原油用流動性改良剤を作成する目的のための乳化剤的な役割としてグラフト共重合物を処方しているが、本発明においてはエチレン酢酸ビニル共重合化合物のメチル末端側鎖に着目し、分岐度を一定範囲とすることで原油用流動性改良剤本来の性能を向上させつつ、キシレン、トルエン等の芳香族系溶剤で上記成分(A)、(B)および(C)の含有量が30重量%程度になるように希釈したものがゲル状生成物の少なく、高い製品安定性を有する原油用流動性改良剤を得ることができた。
本発明で用いる(A)エチレン酢酸ビニル共重合化合物は、酢酸ビニル含有量は30〜50重量%、数平均分子量は16,000〜25,000であって、分岐度(エステル基のメチル基以外のエチレン由来の主鎖メチレン基100個あたりのメチル末端側鎖の個数)が2.0個以下であるものである。分岐度は、流動性改良性能及び製品安定性の点で1.5個以下が好ましい。2.0個を超えると製品安定性が悪化する。
エチレン酢酸ビニル共重合化合物の分岐度の測定は、例えば重水素化クロロフォルムに溶解してH−NMRにより、メチレン基、メチン基、主鎖及び側鎖に帰属するメチル基に由来するピーク強度を定量して計算により求めることができる。
本発明で用いる(B)グラフト共重合物は、酢酸ビニル含有量が30〜50重量%であり、数平均分子量が16,000〜25,000であって、分岐度(同上)が2.0個以下であるエチレン酢酸ビニル共重合化合物と、炭素数が16〜24のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとを反応させることにより得られるものである。分岐度は、流動性改良性能及び製品処方安定性の点で1.5個以下が好ましい。2.0個を超えると製品安定性が悪化する。該グラフト重合物の数平均分子量は20,000〜150,000であるが、流動性改良性能の点で25,000〜100,000が好ましい。また、エチレン酢酸ビニル共重合化合物とアルキル(メタ)アクリレートの反応比率は、重量比で5〜35:95〜65であるが、流動性改良性能及び製品安定性の点で10〜25:90〜75が好ましい。上記アルキル(メタ)アクリレートは炭素数16〜24のアルキル基を有するものであるが、流動性改良性能の点でその内の80重量%以上が炭素数18〜22であれば好ましい。
上記グラフト共重合物は公知の方法によって製造することができる。例えば、反応容器にエチレン酢酸ビニル共重合化合物及び芳香族系溶剤を仕込み80℃でエチレン酢酸ビニル共重合化合物を溶解する。その後アルキル(メタ)アクリレートを仕込み、3時間以上充分に窒素置換を行い、100℃に加熱した後、過酸化物系開始剤を添加し重合させる。重合温度は100〜120℃で行い反応熟成6時間行うことにより希望するグラフト共重合物を得ることができる。
本発明で用いる(C)ポリアルキルアクリレートは、炭素数16〜24のアルキル基を有するものであるが、流動性改良性能の点でその内の80重量%以上が炭素数18〜22であれば好ましい。重量平均分子量は50,000〜400,000、好ましくは75,000〜200,000である。(C)ポリアルキルアクリレートとしては、市販品の他、従来公知の方法により合成したものを用いることができる。例えば、アルキル基の炭素数が16〜24のアルコールとアクリル酸をエステル化反応させたものを精製し、過酸化物またはアゾビス系の化合物を開始剤として用いるラジカル重合を行うことにより得られ、また加熱による熱重合によって得ることも可能である。
上記記載の成分(A)、(B)および(C)は、それぞれ1種または2種以上を混合して使用してもよい。
これらの成分(A)、成分(B)及び成分(C)の配合比率は、成分(A)と成分(C)の重量比が(A):(C)=40〜60:60〜40であるが、好ましくは(A):(C)=40〜55:60〜45である。また、成分(A)と成分(C)の和と成分(B)の重量比は[(A)+(C)]:(B)=35〜65:65〜35であるが、好ましくは[(A)+(C)]:(B)=40〜60:60〜40である。成分(B)の配合量を上記範囲にすることにより、特許文献7に示されるような機械的なせん断力(インターミグ攪拌機等)の使用なしに、通常の攪拌機で十分に製品安定性の良好な原油用流動性改良剤組成物を得ることができる。
本発明の原油用流動性改良剤は、流動性改良性能や経済性の点で、原油に対し100〜10,000ppmの割合で添加することが好ましく、500〜2000ppmがより好ましい。また、本発明の原油用流動性改良剤はキシレン、トルエン等の芳香族系溶剤に容易に溶解し、これら溶剤に溶解した態様でも製品化することが可能である。溶媒で希釈する場合、取り扱いが容易になる点で本発明の成分(A)、(B)および(C)の含有量が20〜50重量%であれば好ましく、25〜40重量%であればより好ましい。これにより、原油生産精製後の流体に対して、流体の温度が高い場合にはパイプライン中へ定量ポンプ等による混合が可能である。また、流体の温度が低い場合には、ストレージタンク等に一定量添加し加熱混合することにより、その後の原油等の輸送において温度低下時の粘性上昇を抑制し、パイプライン、装置ラインでの閉塞等のトラブルを減少させることができる。このことから、原油輸送を容易にすると同時に原油輸送時の圧力低減による危険性の減少及び必要装置の装備の簡略化、コスト低減、温度上昇させるための装置、加熱時間等の低減による経済面でのコスト低減ができる。
以上の混合物が原油の粘性を改良低下し、流動点を十分に低下できると同時に芳香族系溶剤で上記成分(A)、(B)および(C)の含有量が30重量%程度になるように希釈したものは常温での流動性があり、ゲル状生成物の少ない製品安定性の高い原油用流動性改良剤であることが確認できた。
原油用流動性改良剤の性能評価は、レオメーターによる粘性測定や流動点測定により評価することができる。以下に成分(B)の合成例、実施例、試験方法をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの方法に限定されるものではない。なお、%はいずれも特に示さない限り重量%を表す。
エチレン酢酸ビニル共重合化合物の分岐度の測定は、重水素化クロロフォルムに溶解してH-NMRによりメチレン基、メチン基、主鎖及び側鎖に帰属するメチル基に由来するピーク強度を定量して計算により求めた。具体的には、日本電子データム(株)製フーリエ変換核磁気共鳴装置(JEOL、JNM−AL−400)を使用し、各ピーク強度から算出した。
分岐度(個)=R/3÷[R/3+X/2+Z−2×Y/3]×100
R:0.8〜0.9ppmのピーク強度(分岐メチル基由来)
X:1.0〜1.9ppmのピーク強度(エチレンおよび酢酸ビニルのビニル
メチレン基由来)
Y:2.0ppm付近のピーク強度(酢酸ビニルのアセチルメチル基由来)
Z:4.7〜5.0ppmのピーク強度(メチン基由来)
合成例1
成分(B)の合成例として、酢酸ビニル(VA)含量41重量%、メルトフローレート65、数平均分子量19,000、分岐度がエステル基のメチル基以外のエチレン由来の主鎖メチレン基100個あたりのメチル末端側鎖として1.20個であるエチレン酢酸ビニル共重合化合物(三井デュポンポリケミカル(株)社製「EVAFLEX40Y」)30gをキシレン50gに80℃で溶解する。その後にアルキル基の炭素数が18〜22(C18:45%、C20:11%、C22:44%)のアルキルアクリレート120gとともに攪拌装置、窒素吹き込み管、温度計、コンデンサーを備えたフラスコに入れ、3時間以上充分に窒素置換を行い、100℃に加熱した後過酸化物系開始剤を0.90g添加し重合させる。重合温度を100〜120℃とし、反応熟成を6時間行うことにより、数平均分子量37,000のエチレン酢酸ビニル共重合化合物とアルキル基の炭素数が18〜22のアルキルアクリレートとのグラフト共重合物を得た。このグラフト共重合物をグラフト重合物1とする。
合成例2
成分(B)の合成例として、VA含量33%、メルトフローレート30、数平均分子量21,000、分岐度がエステル基のメチル基以外のエチレン由来の主鎖メチレン基100個あたりのメチル末端側鎖として1.36個であるエチレン酢酸ビニル共重合化合物22.5gをキシレン100gに80℃で溶解する。その後にアルキル基の炭素数が18〜22(C18:45%、C20:11%、C22:44%)のアルキルメタアクリレート127.5gとともに攪拌装置、窒素吹き込み管、温度計、コンデンサーを備えたフラスコに入れ、3時間以上充分に窒素置換を行い、100℃に加熱した後過酸化物系開始剤を0.35g添加し重合させる。重合温度を100〜120℃とし、反応熟成を6時間行うことにより、数平均分子量90,000のエチレン酢酸ビニル共重合化合物とアルキル基の炭素数が18〜22のアルキルメタアクリレートとのグラフト共重合物を得た。このグラフト共重合物をグラフト重合物2とする。
合成例3
成分(B)の合成例として、VA含量33%、メルトフローレート30、数平均分子量21,000、分岐度がエステル基のメチル基以外のエチレン由来の主鎖メチレン基100個あたりのメチル末端側鎖として1.36個であるエチレン酢酸ビニル共重合化合物52.9gをキシレン116.8gに80℃で溶解する。その後にアルキル基炭素数18〜22(C18:45%、C20:11%、C22:44%)のアルキルアクリレート300gとともに攪拌装置、窒素吹き込み管、温度計、コンデンサーを備えたフラスコに入れ、3時間以上充分に窒素置換を行い、100℃に加熱した後過酸化物系開始剤を2.25g添加し重合させる。重合温度を100〜120℃とし、反応熟成を6時間行うことにより、数平均分子量29,000のエチレン酢酸ビニル共重合化合物とアルキル基の炭素数が18〜22のアルキルメタアクリレートとのグラフト共重合物を得た。このグラフト共重合物をグラフト重合物3とする。
合成例4
成分(B)の合成例として、VA含量33%、メルトフローレート30、数平均分子量21,000、分岐度がエステル基のメチル基以外のエチレン由来の主鎖メチレン基100個あたりのメチル末端側鎖として1.36個であるエチレン酢酸ビニル共重合化合物14.12gをキシレン62.75gに80℃で溶解する。その後にアルキル基の炭素数が18〜22(C18:45%、C20:11%、C22:44%)のアルキルアクリレート53.33gとアルキル基の炭素数が18〜22(C18:45%、C20:11%、C22:44%)のアルキルメタアクリレート26.67gとともに攪拌装置、窒素吹き込み管、温度計、コンデンサーを備えたフラスコに入れ、3時間以上充分に窒素置換を行い、100℃に加熱し、過酸化物系開始剤を0.45g添加し重合させる。重合温度を100〜120℃とし、反応熟成を6時間行うことにより、数平均分子量23,000のエチレン酢酸ビニル共重合化合物とアルキル基の炭素数が18〜22のアルキル(メタ)アクリレートとのグラフト共重合物を得た。このグラフト共重合物をグラフト重合物4とする。
比較合成例1
成分(B)の比較合成例として、VA含量25%、メルトフローレート400、数平均分子量14,000、分岐度がエステル基のメチル基以外のエチレン由来の主鎖メチレン基100個あたりのメチル末端側鎖として2.78個であるエチレン酢酸ビニル共重合化合物30gをキシレン50gに80℃で溶解する。その後にアルキル基の炭素数が18〜22(C18:45%、C20:11%、C22:44%)のアルキルアクリレート120gとともに攪拌装置、窒素吹き込み管、温度計、コンデンサーを備えたフラスコに入れ、3時間以上充分に窒素置換を行い、100℃に加熱した後過酸化物系開始剤を0.90g添加し重合させる。重合温度を100〜120℃とし、反応熟成を6時間行うことにより、数平均分子量26,000のエチレン酢酸ビニル共重合化合物とアルキル基の炭素数が18〜22のアルキルアクリレートとのグラフト共重合物を得た。このグラフト共重合物をグラフト重合物5とする。
比較合成例2
成分(B)の比較合成例として、VA含量28%、メルトフローレート150、数平均分子量17,500、分岐度がエステル基のメチル基以外のエチレン由来の主鎖メチレン基100個あたりのメチル末端側鎖として2.17個であるエチレン酢酸ビニル共重合化合物14.12gをキシレン62.75gに80℃で溶解する。その後にアルキル基の炭素数が18〜22(C18:45%、C20:11%、C22:44%)のアルキルアクリレート40gとアルキル基の炭素数が18〜22(C18:45%、C20:11%、C22:44%)のアルキルメタアクリレート40gとともに攪拌装置、窒素吹き込み管、温度計、コンデンサーを備えたフラスコに入れ、3時間以上充分に窒素置換を行い、100℃に加熱した後過酸化物系開始剤を0.30g添加し重合させる。重合温度を100〜120℃とし、反応熟成を6時間行うことにより、数平均分子量27,000のエチレン酢酸ビニル共重合化合物とアルキル基の炭素数が18〜22のアルキル(メタ)アクリレートとのグラフト共重合物を得た。このグラフト共重合物をグラフト重合物6とする。
本発明の原油用流動性改良剤組成物の処方例を以下表1に示す。各処方は、成分(A)、(B)および(C)の含有量が30重量%となるようにキシレンで希釈した。各成分は、固形分比で示す。
Figure 2007291189
本発明の原油用流動性改良剤組成物の製品処方安定性を比較例と比較確認した結果を以下表2、表3に示す。各処方は、成分(A)、(B)および(C)の含有量が30重量%固形分となるようにキシレンで希釈した。
Figure 2007291189
Figure 2007291189
本発明の原油用流動性改良剤組成物を東南アジア産のパラフィン含有により流動点の高い原油(流動点37.5℃、パラフィン含有量19.6%、密度(20℃)0.8516)に、添加して流動点を測定した結果を以下表4に示す。測定は、JIS-K-2269による。
Figure 2007291189
本発明の原油用流動性改良剤組成物を東南アジア産のパラフィン含有により流動点の高い原油(流動点37.5℃、パラフィン含有量19.6%、密度(20℃)0.8516)について、レオメーター(HAAKE社、Rheo Stress RS75)を使用して65℃に加熱後に、各薬剤を添加して冷却速度0.5℃/分で30℃迄冷却し、その後にさらに2℃間隔で冷却して各温度でシェアレート[1/s]6.0における粘度の測定を行った結果を以下表5に示す。
Figure 2007291189
本発明の原油用流動性改良剤組成物を東南アジア産のパラフィン含有により流動点の高い原油(流動点37.5℃、パラフィン含有量23.1%、密度(20℃)0.8310)について、レオメーター(HAAKE社、Rheo Stress RS75)を使用して65℃に加熱後に、各薬剤を添加して冷却速度0.5℃/分で30℃迄冷却し、その後にさらに2℃間隔で冷却して各温度でシェアレート[1/s]50.0における粘度の測定を行った結果を以下表6に示す。
Figure 2007291189
本発明の原油用流動性改良剤組成物が、常温において十分流動性があり薬剤添加時の作業性に問題ないことを確認した。粘度及び流動点測定結果を下記に示す。
Figure 2007291189
以上の状況から、低添加量で効果を示す性能は勿論のことより低温での作業性の良い、ゲル状生成物の少ない製品安定性の良好な原油用流動性改良剤が提供できる。

Claims (2)

  1. (A)酢酸ビニル含有量が30〜50重量%、数平均分子量が16,000〜25,000であって、分岐度(エステル基のメチル基以外のエチレン由来の主鎖メチレン基100個あたりのメチル末端側鎖の個数)が2.0個以下であるエチレン酢酸ビニル共重合化合物、(B)酢酸ビニル含有量が30〜50重量%であり、数平均分子量が16,000〜25,000であって、分岐度(同上)が2.0個以下であるエチレン酢酸ビニル共重合化合物5〜35重量部と、炭素数が16〜24のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート95〜65重量部とを反応させることにより得られる、数平均分子量が20,000〜150,000のグラフト共重合物および(C)炭素数が16〜24のアルキル基を有するアルキルアクリレートを重合することにより得られる重量平均分子量が50,000〜400,000であるポリアルキルアクリレートからなり、それらの重量比が(A):(C)=40〜60:60〜40、[(A)+(C)]:(B)=35〜65:65〜35である原油用流動性改良剤。
  2. 請求項1に記載の原油用流動性改良剤及び芳香族系溶剤を含有する原油用流動性改良剤組成物。
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