JP2007289855A - 水素化触媒とその利用とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸、カルボン酸エステル及び芳香族ニトロ化合物の水素化のための高活性、高選択性及び高耐久性を有する銅触媒とその利用とその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明による水素化触媒は、(a)銅酸化物、(b)ケイ酸カルシウムに由来するケイ素酸化物とカルシウム酸化物及び(c)ハイドロタルサイトに由来するアルミニウム酸化物とマグネシウム酸化物、及び/又はマグネシウム以外に金属成分を含まないマグネシウム化合物に由来するマグネシウム酸化物を含む組成物を焼成し、還元してなり、好適には、成形触媒として用いられる。
【選択図】なし

Description

本発明は、水素添加触媒又は水素化触媒とその利用とその製造方法に関する。詳しくは、本発明は、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸、カルボン酸エステル及び芳香族ニトロ化合物の水素化のための銅触媒とその利用とその製造方法に関する。
有機カルボン酸や有機カルボン酸エステルを水素化して脂肪族アルコール、脂環式アルコール、芳香族アルコール等を製造する方法については、1930年以降、数多くの方法が開示されており、そのような水素化のための触媒としては、従来、銅クロマイト触媒と呼ばれている銅−クロム酸化物触媒が広く用いられてきている。
例えば、反応温度180℃から370℃、圧力0.1〜0.5MPaの条件下に銅−クロム酸化物触媒を用いてガス状のニトロベンセンを水素還元してアニリンを製造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。しかし、一般に、このような銅−クロム酸化物触媒は、有害なクロムを含むので、その取り扱いに際しては細心の注意が求められ、更に、環境汚染を招かないように廃触媒の処理と回収にも多大な労力が求められる。
そこで、このような銅−クロム酸化物触媒に替わるものとして、銅−アルミニウム酸化物触媒が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、この銅−アルミニウム酸化物触媒は、上記銅−クロム酸化物触媒に比べて活性が低く、しかも、通常の反応条件下において、活性種である還元銅粒子が凝集し、急激に失活するので、実用化には未だ至っていない。
また、全部又は一部が銅−アルミニウムスピネル構造を有すると共に、銅を酸化物の形で含有する結晶からなる水素化触媒も提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、この水素化触媒は、用途がヒドロキシプロピオンアルデヒドの水素化によるプロパンジオールの製造に限られており、高級アルコールの製造のための水素化触媒としては機能しない。
更に、脂肪酸エステルの水素化によるアルコール製造のための種々の銅−鉄−アルミニウム触媒が提案されている(例えば、特許文献4及び5参照)。これらの触媒は、活性、選択性及び耐久性において、前記銅−クロム酸化物触媒とほぼ同じレベルにあるが、しかし、より穏和な反応条件下に用いることができるように、一層の改善が望まれている。上述したもの以外にも、銅と酸化亜鉛の混合物にアルカリ金属と遷移金属を含浸させた混合物からなるアルデヒド水添用触媒が提案されているが(特許文献6参照)、尚、触媒活性や耐酸性において十分でないという問題がある。
最近では、銅、ケイ酸カルシウム、アタパルジャイト等の天然粘土鉱物からなる成形水素化触媒が提案されている(特許文献7参照)。この成形触媒は、強度と耐久性にすぐれているものの、原料として天然素材を含むので、得られる触媒がその組成や粒度において再現性に劣る欠点を有している。
このような事情の下、有害なクロムを含まず、しかも、活性と選択性と耐久性にすぐれ、更に、成形触媒とした場合に強度にすぐれる水素化触媒の開発が強く要望されている。
特公昭53−30961号公報 特公昭55−41815号公報 特公平02−22051号公報 特公昭58−50775号 特公平06−22677号公報 米国特許第4762817号明細書 特表平11- 507867号公報
本発明は、従来の銅−クロム酸化物触媒と相違して、クロム酸化物を含まず、従って、環境汚染を招くおそれがないながら、従来の銅−クロム酸化物触媒と同等の活性、選択性及び耐久性を有し、更に、クロム酸化物を含まない従来の銅系触媒に比べて、高活性、高選択性及び高耐久性を有し、しかも、成形触媒とした場合に強度にすぐれる水素化銅触媒とその利用とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、
(a)銅、
(b)ケイ酸カルシウムに由来するケイ素酸化物とカルシウム酸化物、及び
(c)ハイドロタルサイトに由来するアルミニウム酸化物とマグネシウム酸化物、及び/又はマグネシウム以外に金属成分を含まないマグネシウム化合物に由来するマグネシウム酸化物を含む組成物からなる水素化触媒が提供される。
また、本発明によれば、
(a)銅酸化物、
(b)ケイ酸カルシウムに由来するケイ素酸化物とカルシウム酸化物、及び
(c)ハイドロタルサイトに由来するアルミニウム酸化物とマグネシウム酸化物及び/又はマグネシウム以外に金属成分を含まないマグネシウム化合物に由来するマグネシウム酸化物を含む組成物からなる水素化触媒前駆体が提供される。
更に、本発明によれば、
(a)銅酸化物、銅水酸化物及び焼成によって銅酸化物に変換される前駆体から選ばれる少なくとも1種の銅化合物、
(b)ケイ酸カルシウム、及び
(c)ハイドロタルサイト及び/又はマグネシウム以外に金属成分を含まないマグネシウム化合物を湿式又は乾式混合し、湿式混合したときは、得られた混合物を乾燥し、かくして得られた混合物を焼成する上記水素化触媒前駆体の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、
(a)銅酸化物、銅水酸化物及び焼成によって銅酸化物に変換される前駆体から選ばれる少なくとも1種の銅化合物、
(b)ケイ酸カルシウム、及び
(c)ハイドロタルサイト及び/又はマグネシウム以外に金属成分を含まないマグネシウム化合物を湿式又は乾式混合し、湿式混合したときは、得られた混合物を乾燥し、かくして得られた混合物を焼成して、銅酸化物を含む水素化触媒前駆体を得た後、上記銅酸化物を金属銅に還元する上記水素化触媒の製造方法が提供される。
上記のほか、本発明によれば、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸、カルボン酸エステル及び芳香族ニトロ化合物から選ばれる少なくとも1種を上記触媒に水素化条件下で接触させる水素化方法が提供される。
本発明による水素化銅触媒は、成分として、有害なクロムを含まないながら、アルデヒド類、ケトン、カルボン酸、カルボン酸エステル及び芳香族ニトロ化合物の水素化にすぐれた活性と選択性と耐久性を有する。また、本発明による触媒は、これを成形触媒としたとき、強度にすぐれている。
本発明によれば、
(a)銅酸化物、銅水酸化物及び焼成によって銅酸化物に変換される前駆体から選ばれる少なくとも1種の銅化合物、
(b)ケイ酸カルシウム、及び
(c)ハイドロタルサイト及び/又はマグネシウム以外に金属成分を含まないマグネシウム化合物を湿式又は乾式混合し、湿式混合したときは得られた混合物を乾燥し、かくして得られた混合物を焼成することによって、
(a)銅酸化物、
(b)ケイ酸カルシウムに由来するケイ素酸化物とカルシウム酸化物、及び
(c)ハイドロタルサイトに由来するアルミニウム酸化物とマグネシウム酸化物、及び/又は上記マグネシウム化合物に由来するマグネシウム酸化物を含む組成物からなる水素化触媒前駆体を得ることができる。
本発明による水素化触媒前駆体の製造に用いる上記銅酸化物又は銅水酸化物は、従来より知られている如何なる方法によって製造されたものでもよい。例えば、銅の硫酸塩、硝酸塩、アンモニウム錯塩、酢酸塩、塩化物等の水溶液に、アンモニア、尿素、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液を沈澱剤として加えれば、銅水酸化物を沈澱物として得ることができ、この銅水酸化物を乾燥し、200〜600℃の温度で焼成すれば、銅酸化物を得ることができる。また、焼成によって銅酸化物に変換される前駆体としては、例えば、銅の炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩等を挙げることができる。これらの前駆体を200〜600℃の温度で焼成し、熱分解することによって銅酸化物を得ることができる。
本発明によれば、上記組成物からなる水素化触媒前駆体において、この組成物における銅酸化物、ケイ素酸化物、カルシウム酸化物、アルミニウム酸化物及びマグネシウム酸化物の質量に基づいて、銅酸化物の割合は、通常、20〜80質量%の範囲にあり、好ましくは、25〜77重量%の範囲にある。
一般に、ケイ酸カルシウムには、CaとSiの比率によって、ゾノトライト、トバモライト、ジャイロライト等、種々の種類のものが知られている。本発明による水素化触媒前駆体の製造に用いるケイ酸カルシウムは、特に限定されるものではないが、化学的に合成されたものであることが好ましい。特に、本発明によれば、得られる触媒の成形性や得られる成形触媒の強度を高めることができるので、ケイ酸カルシウムとして、ジャイロライト型に属する花弁状の合成ケイ酸カルシウムが好ましく用いられる。
このような花弁状のケイ酸カルシウムは、特公昭60−29643号公報に記載されている。即ち、花弁状のケイ酸カルシウムは、水溶性ケイ酸塩(例えば、ケイ酸ナトリウム)と水溶性カルシウム塩(例えば、塩化カルシウム)とを150〜250℃の温度で、溶媒比が得られるケイ酸カルシウムに対して5〜100質量倍の範囲で反応させることによって得られる。溶媒としては、通常、水が用いられる。
このようにして得られる花弁状のケイ酸カルシウムのSiO2/CaOモル比は、通常、1.6〜6.5の範囲である。また、嵩比容積は4cc/g以上であり、吸油量は、通常、2.0cc/g以上であり、屈折率は、通常、1.54〜1.46の範囲である。
より詳細には、例えば、塩化カルシウム水溶液とケイ酸ナトリウム水溶液とをSiO2/CaOモル比2.6にて大気圧下、常温で混合した後、水比30にて、オートクレーブ中、200℃で5時間反応させた後、得られた反応生成物を濾取し、水洗し、乾燥することによって、2CaO・3SiO2・2.20SiO2・2.30〜2.60H2Oなる組成を有する花弁状ケイ酸カルシウムを得ることができる。
このような花弁状のケイ酸カルシウムは、(株)トクヤマ製の「フローライト」として市販品を入手することができる。この花弁状のケイ酸カルシウムは、通常、2CaO・3SiO2・mSiO2・mH2Oで表され、ここに、mとnはそれぞれ、1<m<2及び2<n<3を満たす数である。この花弁状のケイ酸カルシウムのそのような形状は、電子顕微鏡観察によって確認することができる。通常、3000〜10000倍の電子顕微鏡観察によって花弁状の形状と厚みを確認することができる。特に、本発明によれば、得られる触媒が成形性にすぐれるように、また、得られる成形触媒が強度にすぐれるように、用いるケイ酸カルシウムのうち、5質量%以上は花弁状のケイ酸カルシウムであることが好ましい。
花弁状のケイ酸カルシウムの有する花弁の大きさや形状等は、製造に用いる原料の種類、それら原料の混合比のほか、製造条件等によっても幾分異なるので、一概には限定することはできないが、通常、花弁は、長手方向の平均直径が0.1〜30μm、厚みが0.005〜0.1μm程度の円状や楕円状等をなしたものが多く、バラの花の花弁に類似するものが多い。また、SiO2/CaOモル比が1.6より小さいときは、得られるケイ酸カルシウムは花弁状の形態をもたず、結晶形態も、トバモライト型又はゾノトライト型となる。他方、SiO2/CaOモル比が6.5を超えるときは、嵩比容積と吸油量が共に小さくなり、花弁状ケイ酸カルシウムの成長がみられなくなる。
本発明によれば、上記組成物からなる水素化触媒前駆体において、この組成物における銅酸化物、ケイ素酸化物、カルシウム酸化物、アルミニウム酸化物及びマグネシウム酸化物の全質量に基づいて、ケイ素酸化物とカルシウム酸化物の割合は、通常、13〜79.95質量%の範囲にあり、好ましくは、17〜74.9質量%の範囲にある。
このように、本発明による水素化触媒前駆体において、ケイ酸カルシウムに由来するケイ素酸化物とカルシウム酸化物の割合が上記範囲にあるとき、この触媒前駆体を還元、活性化して得られる触媒は、種々の有機化合物の水素化反応において、高活性と高選択性を有するのみならず、懸濁床触媒として用いるときに、触媒濾過性が向上するという重要な効果を有し、他方、固定床用触媒として用いるために成形触媒とするとき、強度が向上するという効果を有している。
本発明による水素化触媒前駆体の製造に用いるハイドロタルサイトは、好ましくは、一般式(I)
2+ 1-x3+ x(OH)2n- x/n・mH2
(式中、M2+はMg2+、Ca2+、Zn2+、Cu2+、Mn2+及びNi2+から選ばれる少なくとも1種の2価金属イオンを示し、M3+はAl3+、Fe3+、Cr3+及びCo3+から選ばれる少なくとも1種の3価金属イオンを示し、An-はn価のアニオンを示し、nは1、2又は3であり、xは0<x≦1/3の範囲の数であり、mは0≦m≦2の範囲の数である。)
で表されるものが好ましく用いられる。
本発明において、上記一般式(I)で表されるハイドロタルサイトのうち、M2+は上述したような少なくとも1種の2価金属イオンであり、M3+は上述したような少なくとも1種の3価金属イオンであり、なかでも、M2+はMg2+及びCa2+よりなる選ばれる少なくとも1種の2価金属イオンであることが好ましく、M3+はAl3+であることが好ましい。An-はn価のアニオンを示し、特に、限定されるものではないが、例えば、OH-、CO3 2-、SO4 2-、NO3-、Cl-、F-、Br-、Fe(CN)6 3-、酢酸イオン、シュウ酸イオン、サリチル酸イオン等を挙げることができる。しかし、なかでも、OH- 及びCO3 2- よりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
従って、本発明によれば、特に、一般式(II)
2+ 1-xAl3+ x(OH)2n- x/n・mH2
(式中、M2+はMg2+及びCa2+よりなる群から選ばれる少なくとも1種の2価金属イオンを示し、nは1又は2であり、nが1であるとき、An-はOH- であり、nが2であるとき、An-はCO3 2- であり、xは0<x≦1/3の範囲の数であり、mは0≦m≦2の範囲の数である。)
で表されるものが好ましく用いられる。このようなハイドロタルサイトは、例えば、堺化学工業(株)から「HT−P」として市販品を入手することができる。
また、本発明による水素化触媒前駆体の製造に用いるマグネシウム化合物は、マグネシウム以外に金属成分を含まないマグネシウム化合物であり、例えば、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム等のような無機マグネシウム化合物や酢酸マグネシウムのような脂肪酸マグネシウム塩を挙げることができる。本発明によれば、これらのマグネシウム化合物のなかでも、特に水酸化マグネシウムが好ましく用いられる。水酸化マグネシウムも、例えば、堺化学工業(株)から「MGZ−3」として市販品を入手することができる。
本発明においては、ハイドロタルサイトと上記マグネシウム以外に金属成分を含まないマグネシウム化合物は、併用してもよく、また、いずれか一方のみを用いてもよい。本発明によれば、上記組成物からなる水素化触媒前駆体において、アルミニウム酸化物とマグネシウム酸化物は、ハイドロタルサイトと上記マグネシウム化合物を併用するときは、これらの両方に由来し、ハイドロタルサイトのみを用いるときは、ハイドロタルサイトのみに由来する。マグネシウム化合物を用いるときは、組成物には、アルミニウム酸化物は含まれず、マグネシウム化合物に由来するマグネシウム酸化物のみが含まれる。
このように、本発明による水素化触媒前駆体において、銅酸化物、ケイ素酸化物、カルシウム酸化物、アルミニウム酸化物及びマグネシウム酸化物の全質量に基づいて、アルミニウム酸化物及びマグネシウム酸化物の割合は、0.05〜7質量%の範囲にあり、好ましくは、0.1〜6質量%の範囲にある。
このように、本発明による水素化触媒前駆体の製造にハイドロタルサイトや上記マグネシウム化合物を用いることによって、得られる触媒の酸塩基性を改質し、炭素の析出を抑制する等に効果があるものとみられる。
本発明によれば、水素化触媒前駆体の製造において、上述した(a)銅酸化物、銅水酸化物及び焼成によって銅酸化物に変換される前駆体から選ばれる少なくとも1種の銅化合物、(b)ケイ酸カルシウム及び(c)ハイドロタルサイト及び/又はマグネシウム化合物を混合する手段は特に限定されるものではなく、これらを均一に混合することができる手段であれば、いずれの手段でも用いることができる。例えば、(a)銅化合物、(b)ケイ酸カルシウム及び(c)ハイドロタルサイト及び/又はマグネシウム化合物を適宜の混合装置を用いて湿式又は乾式混合し、湿式混合したときは、得られた混合物を乾燥し、かくして、得られた混合物を焼成すれば、本発明による水素化触媒前駆体を粉末として得ることができる。
また、(b)ケイ酸カルシウムと(c)ハイドロタルサイト及び/又はマグネシウム化合物を予め、水に分散させて、水分散液を調製し、この分散液に、例えば、硫酸銅、硝酸銅、炭酸銅、塩化銅等の水溶性の銅塩を溶解させた後、得られた水溶液に炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア等のアルカリを加え、生成した反応生成物を濾取し、洗浄し、乾燥した後、焼成することによっても、本発明による水素化触媒前駆体を粉末として得ることができる。
このようにして、粉末として得られる本発明による水素化触媒前駆体は、後述するように、この前駆体中の銅酸化物を金属銅に還元することによって、本発明による水素化触媒を粉末として得ることができる。本発明によれば、この粉末状の水素化触媒を粉末の形態にて用いることができるが、また、本発明によれば、水素化触媒は、好ましくは、反応形式に応じて、種々の構造や形態を有する成形触媒として用いることができる。
即ち、本発明による成形水素化触媒は、好ましくは、
(a)銅酸化物、銅水酸化物及び焼成によって銅酸化物に変換される前駆体から選ばれる少なくとも1種の銅化合物、
(b)ケイ酸カルシウム、及び
(c)ハイドロタルサイト及び/又はマグネシウム以外に金属成分を含まないマグネシウム化合物を湿式又は乾式混合し、湿式混合したときは、得られた混合物を乾燥し、かくして得られた混合物を常法に従って成形物に成形し、得られた成形物を焼成して、成形水素化触媒前駆体を得る。ここに、上記成形物の焼成は、通常、約300〜700℃、好ましくは、約400〜600℃の温度の空気中又は不活性ガス中、約1〜12時間、好ましくは、約2〜8時間加熱することによって行われる。次いで、このようにして得られた成形触媒前駆体中の銅酸化物を金属銅に還元することによって、本発明による成形水素化触媒を得ることができる。
必要に応じて、流動性調節剤、細孔付与剤、補強材、粘土のようなバインダーを助剤乃至添加剤として用いて、粉末状の触媒を押出成形し、又は圧縮成形して、種々の構造や形態を有する成形触媒を得ることができることは、既によく知られている。上記流動性調節剤としては、澱粉、糖類、グリコール類、ポリオール類、有機ポリマー類、グラファイト類、ステアリン酸等を挙げることができる。細孔付与剤としては、例えば、有機ポリマー粉末、糖類、澱粉、セルロース粉等を挙げることができる。補強材としては、例えば、短繊維が用いられる。また、必要に応じて、適宜の助触媒も用いられる。
押出成形によって得られる成形触媒は、通常、円柱形であるが、管状、多葉形、溝付き形状、うね付き形状等は接触面積を増やす点で効果的である。また、圧縮成形、例えば、打錠成形機を用いて成形することによって、例えば、円柱状、環状、多穴状等の種々の形状の成形触媒を得ることができる。
本発明において、水素化触媒前駆体は、好ましくは、反応器内において、目的とする水素化反応を行う前に還元され、活性化されて、水素化触媒とされる。このように、水素化触媒前駆体を還元するには、気相還元のほか、流動パラフィン等の炭化水素、ジオキサン、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル等を溶媒として用いて、これら溶媒中で還元する液相還元によることができる。例えば、還元剤として水素ガスを用いて気相又は液相還元する場合であれば、100〜500℃、好ましくは、150〜300℃の温度で行うのが望ましい。還元剤としては、水素以外にも、一酸化炭素、アンモニア、ヒドラジン、ホルムアルデヒド、メタノールのような低級アルコールを挙げることができる。これらの還元剤は、単独で又は2種以上の混合物として用いてもよい。また、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性気体で希釈して用いてもよい。
このようにして得られる本発明による水素化触媒は、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸、カルボン酸エステル及び芳香族ニトロ化合物から選ばれる少なくとも1種の水素添加に好適に用いられる。本発明による水素化触媒を用いて、有機カルボン酸や有機カルボン酸エステルを水素化することによって、それぞれ対応するアルコールを得ることができる。上記有機カルボン酸エステルにはモノエステルのみならず、ジエステルも含まれる。従って、上記有機カルボン酸や有機カルボン酸エステルの具体例として、例えば、ギ酸、酢酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリル酸、オレイン酸、シュウ酸、マレイン酸、アジピン酸、セバシン酸、シクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、フタル酸等が一例として挙げられ、カルボン酸エステルとしては、ギ酸エステル、酢酸エステル、カプロン酸エステル、カプリル酸エステル、カプリン酸エステル、ラウリン酸エステル、ミリスチン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、イソステアリル酸エステル、オレイン酸エステル、シュウ酸エステル、マレイン酸エステル、アジピン酸エステル、セバシン酸エステル、シクロヘキサンカルボン酸エステル、安息香酸エステル、フタル酸エステル等を挙げることができる。上記有機カルボン酸エステルを構成するアルコール成分は、特に、限定されるものではないが、通常、炭素原子数1〜6の脂肪族又は脂環式アルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール等が好ましい。
上記カルボン酸やカルボン酸エステルを水素化する際には、触媒の形状に応じて懸濁床、固定床、流動床のいずれかの方法が採用される。例えば、懸濁床反応方式によるときは、粉末触媒が用いられる。この懸濁床反応方式によるときは、溶媒の存在下に反応を行うことができる。溶媒としては、アルコール、ジオキサン又は炭化水素等、反応に悪影響を及ぼさないものが選ばれる。しかし、生産性を考慮すれば、反応は無溶媒で行うのが望ましい。
また、懸濁床反応方式によるとき、水素化触媒は、反応温度や反応圧力に応じて、実用的な反応速度が得られるように適宜の量が用いられるが、通常、カルボン酸やカルボン酸エステルに対して、0.1〜20質量%の範囲である。反応温度は、通常、160〜350℃の範囲であり、好ましくは、200〜300℃の範囲である。また、反応圧力は、通常、0.1〜35MPaの範囲であり、好ましくは、3〜35MPaである。
他方、上記カルボン酸やカルボン酸エステルを固定床方式にて水素化するときは、成形された触媒が用いられる。この固定床方式にるときは、反応温度は、通常、130〜300℃の範囲であり、好ましくは、160〜270℃の範囲である。反応圧力は、通常、0.1〜30MPaの範囲である。液空間速度(LHSV)は、反応条件に応じて適宜に定められるが、生産性や反応性を考慮すれば、通常、0.5〜5h-1の範囲である。
本発明による水素化触媒を用いて、アルデヒドやケトンを水素化してアルコールを製造することができる。水素化し得るアルデヒドとしては、特に限定されるものではないが、例えば、n−ブタナール、フルフラール、2−エチルヘキセナール、ドデカナール、テトラデカナール等を挙げることができ、また、ケトン類としては、アセトン、アセトフェノン等を挙げることができる。
このようなアルデヒドやケトンの水素化の一例として、n−ブタナールの水素化によるn−ブタノールの製造を例にとれば、n−ブタナールを温度110〜150℃、圧力0.1〜10MPaの条件下に蒸発器において蒸発させ、これを連続して反応器中の触媒に接触させ、通常、温度50〜200℃、好ましくは、70〜175℃、特に好ましくは、80〜150℃、圧力0.1〜30MPa、好ましくは、0.1〜20MPa、特に好ましくは、0.2〜10MPaの条件下で水素化する。
更に、本発明による水素化触媒を用いて、芳香族ニトロ化合物を水素化することによって、対応する芳香族アミン化合物を得ることができる。このような芳香族ニトロ化合物の水素化の一例として、ニトロベンゼンの水素化によるアニリンの製造を挙げることができる。このニトロベンゼンの水素化は、通常、160〜370℃の範囲の温度にて、0.1〜0.5MPa程度の加圧下に行うことが副生物の低減と触媒寿命を長く保つために効果的である。水素/ニトロベンゼンのモル比は、反応熱の除熱や触媒劣化の防止の観点から、通常、10〜15倍の範囲であり、GHSVは、通常、1500〜2000h-1の範囲が好ましい。
以下の実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。尚、以下において、「%」はすべて「質量%」を意味する。
実施例1
(水素化触媒前駆体の調製)
ビーカーにイオン交換水2Lと硝酸銅三水和物222.5gを入れ、攪拌しながら温度を80℃に上昇させて、硝酸銅水溶液を調製した。別に、水酸化ナトリウム90.0gを水1.6Lに溶解させて、水酸化ナトリウム水溶液を調製した。
上記硝酸銅水溶液を80℃に保ちながら、上記水酸化ナトリウム水溶液に滴下した。滴下終了後に得られたスラリーのpHは11.8であった。このスラリーを温度50℃まで冷却した後、沈殿物を吸引濾過によって集めた。この沈澱物をイオン交換水にて洗浄した後、リパルプした。
このようにして洗浄した沈殿物をイオン交換水2L中にリパルプさせ、撹拌しながら、これにケイ酸カルシウム((株)トクヤマ製「フローライト」)80.4gと組成式
Mg2+ 0.7Al0.8(OH)2(CO3)0.15・0.48H2
で表されるハイドロタルサイト(堺化学工業(株)製「HT−P」、固形分45%)3.6gを加えた。得られた固形物を濾取した後、110〜120℃の空気中で一晩乾燥した。得られた乾燥した固形物を軽く粉砕した後、ロータリー打錠成形機を用いて、直径3mm、厚み3mmの円柱状物に成形した。この成形物を空気中、400℃で6時間焼成して、(a)銅酸化物、(b)ケイ酸カルシウムに由来するケイ素酸化物とカルシウム酸化物、及び(c)ハイドロタルサイトに由来するアルミニウム酸化物とマグネシウム酸化物を含む組成物からなる水素化成形触媒前駆体を得た。
この成形触媒前駆体における銅酸化物、ケイ素酸化物、カルシウム酸化物、アルミニウム酸化物及びマグネシウム酸化物の全質量に基づく銅酸化物、ケイ素酸化物、カルシウム酸化物、アルミニウム酸化物及びマグネシウム酸化物の割合を表1に示す。成形触媒前駆体における各成分の割合は、JIS K 0119−87(蛍光X線分析方法通則)に記載されている分析方法によって分析した。
また、得られた成形触媒前駆体について、充填密度及び平均圧壊強度を併せて表1に示す。ここに、充填密度は、JIS K 6219−2(ゴム用カーボンブラック−造粒粒子の特性−第2部 嵩比重の求めかた)に記載されている分析方法に準じて求めた。また、平均圧壊強度は、JIS Z 8841(造粒物−強度試験方法)に記載されている分析方法にて求めた。
(カルボン酸エステルの水素化反応)
上記水素化成形触媒前駆体38.5gを固定床反応器に充填し、水素流通下に触媒前駆体を還元し、活性化して、水素化成形触媒とした後、水素圧20MPa,反応温度210℃、LHSV1.0h-1の条件下にラウリル酸メチル(ケン化価247mgKOH/g)の水素添加反応を連続して100時間行った。この反応の間に経時的にSV値を測定し、1次反応速度定数kを算出することによって、触媒活性の指標とした。
更に、得られた反応生成物をキャピラリー・ガスクロマトグラフィーにて分析し、反応生成物中のアルコール(ラウリルアルコール)、エステル(ラウリル酸メチル)及び炭化水素ほかのそれぞれの量を求めて、触媒の選択性の指標とした。得られた結果を表2に示す。また、反応後の成形触媒について、前述したと同様にして平均圧壊強度を調べた。結果を併せて表2に示す。
(アルデヒドの水素化反応)
上記水素化成形触媒前駆体38.5gを固定床反応器に充填し、常圧、水素流通下に触媒前駆体を還元し、活性化して、水素化成形触媒とした後、温度130℃の蒸発器内に水素圧0.35MPa及び流速120NL/hに調整した水素ガスを供給して、n−ブタナールを35ml/hの割合で蒸発させた。このようにして生成させたn−ブタナールの蒸気を上記固定床反応器に導入して、8時間反応させた。得られた反応生成物をキャピラリー・ガスクロマトグラフィーにて分析した。得られた結果を表3に示す。
(芳香族ニトロ化合物の水素化反応)
上記水素化成形触媒前駆体55.0gを固定床反応器に充填し、水素流通下に触媒前駆体を還元し、活性化して、水素化成形触媒とした後、水素圧0.2MPa、反応温度200℃、GHSV1500h-1、LHSV0.4h-1及び水素/ニトロベンゼンモル比15の条件下にニトロベンゼンの水素添加反応を連続して1000時間行った。得られた反応生成物をキャピラリー・ガスクロマトグラフィーにて分析した。得られた結果を表4に示す。
実施例2〜6
表1に示すような銅酸化物、ケイ酸カルシウムに由来するケイ素酸化物とカルシウム酸化物及びハイドロタルサイトに由来するアルミニウム酸化物とマグネシウム酸化物の割合を有する水素化成形触媒前駆体を実施例1と同様にして調製した。得られた成形触媒の充填密度と平均圧壊強度を表1に示す。
このような成形触媒前駆体を実施例1と同様にして還元し、水素化反応に用いて、実施例1と同様にして、触媒の活性を評価した。ラウリル酸メチルの水素化反応の結果を表2に示し、n−ブタナールの水素化反応の結果を表3に示し、ニトロベンゼンの水素化反応の結果を表4に示す。また、ラウリル酸メチルの水素化反応後の成形触媒について、前述したと同様にして平均圧壊強度を調べた。結果を併せて表2に示す。
実施例7
(水素化触媒前駆体の調製)
ビーカーにイオン交換水2Lと硝酸銅三水和物222.5gを入れ、攪拌しながら温度を80℃に上昇させて、硝酸銅水溶液を調製した。別に、水酸化ナトリウム90.0gを水1.6Lに溶解させて、水酸化ナトリウム水溶液を調製した。
上記硝酸銅水溶液を80℃に保ちながら、上記水酸化ナトリウム水溶液に滴下した。滴下終了後に得られたスラリーのpHは11.7であった。このスラリーを温度50℃まで冷却した後、沈殿物を吸引濾過によって集めた。この沈澱物をイオン交換水にて洗浄した後、リパルプした。
このようにして洗浄した沈殿物をイオン交換水2L中にリパルプさせ、撹拌しながら、これにケイ酸カルシウム((株)トクヤマ製「フローライト」)80.0gと水酸化マグネシウム粉末(堺化学工業(株)製「MGZ−3」)0.15gを加えた。得られた固形物を濾取した後、110〜120℃の空気中で一晩乾燥した。このように乾燥した固形物を軽く粉砕した後、ロータリー打錠成形機を用いて、直径3mm、厚み3mmの円筒状物に成形した。この成形物を空気中、400℃で6時間焼成して、(a)銅酸化物、(b)ケイ酸カルシウムに由来するケイ素酸化物とカルシウム酸化物、及び(c)水酸化マグネシウムに由来するマグネシウム酸化物を含む組成物からなる水素化成形触媒前駆体を得た。
この成形触媒前駆体における銅酸化物、ケイ素酸化物、カルシウム酸化物及びマグネシウム酸化物の全質量に基づく銅酸化物、ケイ素酸化物、カルシウム酸化物及びマグネシウム酸化物の割合を表1に示す。また、得られた成形触媒の充填密度と平均圧壊強度を表1に示す。
実施例1と同様にして、上記水素化成形触媒前駆体を還元、活性化し、ラウリル酸メチルの水素化反応、n−ブタナールの水素化反応及びニトロベンゼンの水素化反応を行った。これらの結果をそれぞれ表2、表3及び表4に示す。また、ラウリル酸メチルの水素化反後の成形触媒について、前述したと同様にして平均圧壊強度を調べた。結果を併せて表2に示す。
実施例8
(水素化触媒前駆体の調製)
ビーカーにイオン交換水2Lと硝酸銅三水和物222.5gを入れ、攪拌しながら温度を80℃に上昇させて、硝酸銅水溶液を調製した。別に、水酸化ナトリウム90.0gを水1.6Lに溶解させて、水酸化ナトリウム水溶液を調製した。
上記硝酸銅水溶液を80℃に保ちながら、上記水酸化ナトリウム水溶液に滴下した。滴下終了後に得られたスラリーのpHは11.9であった。このスラリーを温度50℃まで冷却した後、沈殿物を吸引濾過によって集めた。この沈澱物をイオン交換水にて洗浄した後、リパルプした。
このようにして洗浄した沈殿物をイオン交換水2L中にリパルプさせ、撹拌しながら、これにケイ酸カルシウム((株)トクヤマ製「フローライト」)80.0gと水酸化マグネシウム粉末(堺化学工業(株)製「MGZ−3」)2.9gを加えた。得られた固形物を濾取した後、110〜120℃の空気中で一晩乾燥した。このように乾燥した固形物を軽く粉砕した後、ロータリー打錠成形機を用いて、直径3mm、厚み3mmの円柱状物に成形した。この成形物を空気中、400℃で6時間焼成して、(a)銅酸化物、(b)ケイ酸カルシウムに由来するケイ素酸化物とカルシウム酸化物、及び(c)水酸化マグネシウムに由来するマグネシウム酸化物を含む組成物からなる水素化成形触媒前駆体を得た。
上記成形触媒前駆体における銅酸化物、ケイ素酸化物、カルシウム酸化物及びマグネシウム酸化物の全質量に基づく銅酸化物、ケイ素酸化物、カルシウム酸化物及びマグネシウム酸化物の割合を表1に示す。また、得られた成形触媒の充填密度と平均圧壊強度を表1に示す。
実施例1と同様にして、上記水素化成形触媒前駆体を還元、活性化し、ラウリル酸メチルの水素化反応、n−ブタナールの水素化反応及びニトロベンゼンの水素化反応を行った。これらの結果をそれぞれ表2、表3及び表4に示す。また、ラウリル酸メチルの水素化反後の成形触媒について、前述したと同様にして平均圧壊強度を調べた。結果を併せて表2に示す。
実施例9
(水素化触媒前駆体の調製)
ビーカーにイオン交換水2Lと硝酸銅三水和物222.5gを入れ、攪拌しながら温度を80℃に上昇させて、硝酸銅水溶液を調製した。別に、水酸化ナトリウム90.0gを水1.6Lに溶解させて、水酸化ナトリウム水溶液を調製した。
上記硝酸銅水溶液を80℃に保ちながら、上記水酸化ナトリウム水溶液に滴下した。滴下終了後に得られたスラリーのpHは11.8であった。このスラリーを温度50℃まで冷却した後、沈殿物を吸引濾過によって集めた。この沈澱物をイオン交換水にて洗浄した後、リパルプした。
このようにして洗浄した沈殿物をイオン交換水2L中にリパルプさせ、撹拌しながら、これにケイ酸カルシウム(富田製薬(株)製)93.5gとハイドロタルサイト(堺化学工業(株)製「HT−P」、固形分45%)3.6gを加えた。得られた固形物を濾取した後、110〜120℃の空気中で一晩乾燥した。このように乾燥した固形物を軽く粉砕した後、ロータリー打錠成形機を用いて、直径3mm、厚み3mmの円柱状物に成形した。この成形物を空気中、400℃で6時間焼成して、(a)銅酸化物、(b)ケイ酸カルシウムに由来するケイ素酸化物とカルシウム酸化物、及び(c)ハイドロタルサイトに由来するアルミニウム酸化物とマグネシウム酸化物を含む組成物からなる水素化成形触媒前駆体を得た。
上記成形触媒前駆体における銅酸化物、ケイ素酸化物、カルシウム酸化物、アルミニウム酸化物及びマグネシウム酸化物の全質量に基づく銅酸化物、ケイ素酸化物、カルシウム酸化物、アルミニウム酸化物及びマグネシウム酸化物の割合を表1に示す。また、得られた成形触媒の充填密度と平均圧壊強度を表1に示す。
(カルボン酸エステルの水素化反応)
実施例1と同様にして、上記水素化成形触媒前駆体を還元、活性化し、ラウリル酸メチルの水素化反応を行った。結果を表2に示す。また、ラウリル酸メチルの水素化反後の成形触媒について、前述したと同様にして平均圧壊強度を調べた。結果を併せて表2に示す。
実施例10
(水素化触媒前駆体の調製)
ビーカーにイオン交換水2Lと硝酸銅三水和物222.5gを入れ、攪拌しながら温度を80℃に上昇させて、硝酸銅水溶液を調製した。別に、水酸化ナトリウム90.0gを水1.6Lに溶解させて、水酸化ナトリウム水溶液を調製した。
上記硝酸銅水溶液を80℃に保ちながら、この水溶液を上記水酸化ナトリウム水溶液に滴下した。滴下終了後に得られたスラリーのpHは11.8であった。このスラリーを温度50℃まで冷却した後、沈殿物を吸引濾過によって集めた。この沈澱物をイオン交換水にて洗浄した後、リパルプした。
このようにして洗浄した沈殿物をイオン交換水2L中にリパルプさせ、撹拌しながら、これにケイ酸カルシウム(富田製薬(株)製)87.8gとケイ酸カルシウム((株)トクヤマ製「フローライト」)4.6gとハイドロタルサイト(堺化学工業(株)製「HT−P」、固形分45%)3.6gを加えた。得られた固形物を濾取した後、110〜120℃の空気中で一晩乾燥した。このように乾燥した固形物を軽く粉砕した後、ロータリー打錠成形機を用いて、直径3mm、厚み3mmの円柱状物に成形した。この成形物を空気中、400℃で6時間焼成して、(a)銅酸化物、(b)ケイ酸カルシウムに由来するケイ素酸化物とカルシウム酸化物、及び(c)ハイドロタルサイトに由来するアルミニウム酸化物とマグネシウム酸化物を含む組成物からなる水素化成形触媒前駆体を得た。
上記成形触媒前駆体おける銅酸化物、ケイ素酸化物、カルシウム酸化物、アルミニウム酸化物及びマグネシウム酸化物の質量に基づく銅酸化物、ケイ素酸化物、カルシウム酸化物、アルミニウム酸化物及びマグネシウム酸化物の割合を表1に示す。また、得られた成形触媒の充填密度と平均圧壊強度を表1に示す。
(カルボン酸エステルの水素化反応)
実施例1と同様にして、上記水素化成形触媒前駆体を還元、活性化し、ラウリル酸メチルの水素化反応を行った。結果を表2に示す。また、ラウリル酸メチルの水素化反後の成形触媒について、前述したと同様にして平均圧壊強度を調べた。結果を併せて表2に示す。
比較例1
水素化触媒前駆体として、市販の銅−クロム酸化物触媒(堺化学工業(株)製「C−900」、酸化物質量比CuO/Cr23/BaO/MnO=43/45/2/2)の錠剤を用いた以外は、実施例1と同様に水素化反応に供して、水素化反応における触媒の活性を評価した。上記銅−クロム酸化物触媒の充填密度と平均圧壊強度を表1に示す。ラウリル酸メチルの水素化反応の結果を表2に示し、n−ブタナールの水素化反応の結果を表3に示し、ニトロベンゼンの水素化反応の結果を表4に示す。また、ラウリル酸メチルの水素化反応後の触媒について、前述したと同様にして平均圧壊強度を調べた。結果を併せて表2に示す。
比較例2
(水素化触媒前駆体の調製)
ビーカーにイオン交換水1.5Lと硝酸銅三水和物214.7gを入れ、攪拌しながら温度を80℃に上昇させて、硝酸銅水溶液を調製した。別に、水酸化ナトリウム175.7g、水酸化アルミニウム93.3g及び炭酸アンモニウム43.3gを水3.5Lに溶解させて、アルミン酸ナトリウム水溶液を調製した。
上記硝酸銅水溶液を80℃に保ちながら、上記アルミン酸ナトリウム水溶液に滴下した。滴下終了後に得られたスラリーのpHは8.5であった。このスラリーを温度50℃まで冷却した後、得られた沈殿物を吸引濾過によって集めた。この沈澱物をイオン交換水にて洗浄した後、リパルプした。
このようにして洗浄した沈殿物を濾取した後、110〜120℃の空気中で一晩乾燥した。このように乾燥した固形物を軽く粉砕した後、ロータリー打錠成形機を用いて、直径3mm、厚み3mmの円柱状物に成形した。この成形物を空気中、400℃で6時間焼成して、銅酸化物−アルミニウム酸化物からなる水素化成形触媒前駆体を得た。この成形触媒前駆体における銅酸化物及びアルミニウム酸化物の質量に基づく銅酸化物及びアルミニウム酸化物の割合を表1に示す。また、得られた成形触媒の充填密度と平均圧壊強度を表1に示す。
実施例1と同様にして、上記水素化成形触媒前駆体を用いて、ラウリル酸メチルの水素化反応、n−ブタナールの水素化反応及びニトロベンゼンの水素化反応を行った。これらの結果をそれぞれ表2、表3及び表4に示す。また、ラウリル酸メチルエステルの水素化反応後の触媒について、前述したと同様にして平均圧壊強度を調べた。結果を併せて表2に示す。
比較例3
(水素化触媒前駆体の調製)
ビーカーにイオン交換水1.5Lと硝酸銅三水和物214.7gと硝酸亜鉛25.3gを入れ、攪拌しながら温度を80℃に上昇させて、硝酸銅/硝酸亜鉛水溶液を調製した。別に、水酸化ナトリウム175.7g、水酸化アルミニウム93.3g及び炭酸アンモニウム43.3gを水3.5Lに溶解させて、アルミン酸ナトリウム水溶液を調製した。
上記硝酸銅/硝酸亜鉛水溶液を80℃に保ちながら、上記アルミン酸ナトリウム水溶液に滴下した。滴下終了後に得られたスラリーのpHは8.2であった。このスラリーを温度50℃まで冷却した後、沈殿物を吸引濾過によって集めた。この沈澱物をイオン交換水にて洗浄した後、リパルプした。
このようにして洗浄した沈殿物を濾取した後、110〜120℃の空気中で一晩乾燥した。このように乾燥した固形物を軽く粉砕した後、ロータリー打錠成形機を用いて、直径3mm、厚み3mmの円柱状物に成形した。この成形物を空気中、400℃で6時間焼成して、銅酸化物、アルミニウム酸化物及び亜鉛酸化物からなる水素化成形触媒前駆体を得た。
この成形触媒前駆体における銅酸化物、アルミニウム酸化物及び亜鉛酸化物の質量に基づく銅酸化物、アルミニウム酸化物及び亜鉛酸化物の割合を表1に示す。また、得られた成形触媒の充填密度と平均圧壊強度を表1に示す。
実施例1と同様にして、上記水素化触媒前駆体を用いて、ラウリル酸メチルの水素化反応を行った。結果を表2に示す。また、ラウリル酸メチルの水素化反応後の触媒について、前述したと同様にして平均圧壊強度を調べた。結果を併せて表2に示す。
比較例4
(水素化触媒前駆体の調製)
ビーカーにイオン交換水1.5Lと硝酸銅三水和物214.7gと硝酸鉄九水和物34.4gを入れ、攪拌しながら温度を80℃に上昇させて、硝酸銅/硝酸鉄水溶液を調製した。別に、水酸化ナトリウム175.7g、水酸化アルミニウム93.3g及び炭酸アンモニウム43.3gを水3.5Lに溶解させて、アルミン酸ナトリウム水溶液を調製した。
上記硝酸銅/硝酸鉄水溶液を80℃に保ちながら、上記アルミン酸ナトリウム水溶液に滴下した。滴下終了後に得られたスラリーのpHは8.3であった。このスラリーを温度50℃まで冷却した後、沈殿物を吸引濾過によって集めた。この沈澱物をイオン交換水にて洗浄した後、リパルプした。
このようにして洗浄した沈殿物を濾取した後、110〜120℃の空気中で一晩乾燥した。このように乾燥した固形物を軽く粉砕した後、ロータリー打錠成形機を用いて、直径3mm、厚み3mmの円柱状物に成形した。この成形物を空気中、400℃で6時間焼成して、銅酸化物、アルミニウム酸化物及び鉄酸化物からなる水素化成形触媒前駆体を得た。
この成形触媒前駆体における銅酸化物、アルミニウム酸化物及び鉄酸化物の質量に基づく銅酸化物、アルミニウム酸化物及び鉄酸化物の割合を表1に示す。また、得られた成形触媒の充填密度と平均圧壊強度を表1に示す。
実施例1と同様にして、上記水素化触媒前駆体を用いて、ラウリル酸メチルの水素化反応を行った。結果を表2に示す。また、ラウリル酸メチルの水素化反応後の触媒について、前述したと同様にして平均圧壊強度を調べた。結果を併せて表2に示す。
比較例5
(水素化触媒前駆体の調製)
ビーカーにイオン交換水1.5Lと硝酸銅三水和物214.7gを入れ、攪拌しながら温度を80℃に上昇させて、硝酸銅水溶液を調製した。別に、水酸化ナトリウム175.7g、水酸化アルミニウム93.3g及び炭酸アンモニウム43.3gを水3.5Lに溶解させて、アルミン酸ナトリウム水溶液を調製した。
上記硝酸銅水溶液を80℃に保ちながら、上記アルミン酸ナトリウム水溶液に滴下した。滴下終了後に得られたスラリーのpHは8.0であった。このスラリーを温度50℃まで冷却した後、沈殿物を吸引濾過によって集めた。この沈澱物をイオン交換水にて洗浄し、リパルプした後、得られたスラリーに水酸化バリウム14.7gを加え、更に、水洗し、リパルプして、得られた固形物を濾取し、110〜120℃の空気中で一晩乾燥した。このように乾燥した沈殿物を軽く粉砕した後、ロータリー打錠成形機を用いて、直径3mm、厚み3mmの円柱状物に成形した。この成形物を空気中、400℃で6時間焼成して、銅酸化物、アルミニウム酸化物及びバリウム酸化物からなる水素化成形触媒前駆体を得た。
この成形触媒前駆体における銅酸化物、アルミニウム酸化物及びバリウム酸化物の質量に基づく銅酸化物、アルミニウム酸化物及びバリウム酸化物の割合を表1に示す。また、得られた成形触媒の充填密度と平均圧壊強度を表1に示す。
実施例1と同様にして、上記水素化触媒前駆体を用いて、ラウリル酸メチルの水素化反応を行った。結果を表2に示す。また、ラウリル酸メチルの水素化反応後の触媒について、前述したと同様にして平均圧壊強度を調べた。結果を併せて表2に示す。
Figure 2007289855
Figure 2007289855
Figure 2007289855
Figure 2007289855
表1から4に示す結果から明らかなように、本発明の水素化触媒によれば、カルボン酸エステル、アルデヒド、芳香族ニトロ化合物等の水素化によって、それぞれ対応するアルコールや芳香族アミン化合物を高選択性、高収率にて得ることができ、しかも、本発明による成形触媒は、圧壊強度が高く、耐久性にすぐれている。

Claims (16)

  1. (a)銅、
    (b)ケイ酸カルシウムに由来するケイ素酸化物とカルシウム酸化物、及び
    (c)ハイドロタルサイトに由来するアルミニウム酸化物とマグネシウム酸化物、及び/又はマグネシウム以外に金属成分を含まないマグネシウム化合物に由来するマグネシウム酸化物を含む組成物からなる水素化触媒。
  2. (a)銅酸化物、
    (b)ケイ酸カルシウムに由来するケイ素酸化物とカルシウム酸化物、及び
    (c)ハイドロタルサイトに由来するアルミニウム酸化物とマグネシウム酸化物及び/又はマグネシウム以外に金属成分を含まないマグネシウム化合物に由来するマグネシウム酸化物を含む組成物からなる水素化触媒前駆体を還元して得られる請求項1に記載の水素化触媒。
  3. 組成物における銅酸化物、ケイ素酸化物、カルシウム酸化物、アルミニウム酸化物及びマグネシウム酸化物の全質量に基づいて、銅酸化物の割合が20〜80質量%の範囲にあり、ケイ素酸化物とカルシウム酸化物の割合が13〜79.95質量%にあり、アルミニウム酸化物及びマグネシウム酸化物の割合が0.05〜7質量%の範囲にある請求項2に記載の水素化触媒。
  4. ケイ酸カルシウムの少なくとも5質量%が花弁状のものである請求項2に記載の水素化触媒。
  5. (a)銅酸化物、
    (b)ケイ酸カルシウムに由来するケイ素酸化物とカルシウム酸化物、及び
    (c)ハイドロタルサイトに由来するアルミニウム酸化物とマグネシウム酸化物及び/又はマグネシウム以外に金属成分を含まないマグネシウム化合物に由来するマグネシウム酸化物を含む組成物からなる水素化触媒前駆体。
  6. 組成物における銅酸化物、ケイ素酸化物、カルシウム酸化物、アルミニウム酸化物及びマグネシウム酸化物の全質量に基づいて、銅酸化物の割合が20〜80質量%の範囲にあり、ケイ素酸化物とカルシウム酸化物の割合が13〜79.95質量%にあり、アルミニウム酸化物及びマグネシウム酸化物の割合が0.05〜7質量%の範囲にある請求項5に記載の水素化触媒前駆体。
  7. ケイ酸カルシウムの少なくとも5質量%が花弁状のものである請求項5に記載の水素化触媒前駆体。
  8. 請求項5から7のいずれかに記載の水素化触媒前駆体を成形してなる成形水素化触媒前駆体。
  9. 請求項8に記載の成形水素化触媒前駆体を還元してなる成形水素化触媒。
  10. (a)銅酸化物、銅水酸化物及び焼成によって銅酸化物に変換される前駆体から選ばれる少なくとも1種の銅化合物、
    (b)ケイ酸カルシウム、及び
    (c)ハイドロタルサイト及び/又はマグネシウム以外に金属成分を含まないマグネシウム化合物を湿式又は乾式混合し、湿式混合したときは、得られた混合物を乾燥し、かくして得られた混合物を焼成する請求項5に記載の水素化触媒前駆体の製造方法。
  11. ハイドロタルサイトが一般式(I)
    2+ 1-x3+ x(OH)2n- x/n・mH2
    (式中、M2+はMg2+、Ca2+、Zn2+、Cu2+、Mn2+及びNi2+から選ばれる少なくとも1種の2価金属イオンを示し、M3+はAl3+、Fe3+、Cr3+及びCo3+から選ばれる少なくとも1種の3価金属イオンを示し、An-はn価のアニオンを示し、nは1、2又は3であり、xは0<x≦1/3の範囲の数であり、mは0≦m≦2の範囲の数である。)
    で表されるものである請求項10に記載の水素化触媒前駆体の製造方法。
  12. ケイ酸カルシウムの少なくとも5質量%が花弁状のものである請求項10に記載の水素化触媒前駆体の製造方法。
  13. (a)銅酸化物、銅水酸化物及び焼成によって銅酸化物に変換される前駆体から選ばれる少なくとも1種の銅化合物、
    (b)ケイ酸カルシウム、及び
    (c)ハイドロタルサイト及び/又はマグネシウム以外に金属成分を含まないマグネシウム化合物を湿式又は乾式混合し、湿式混合したときは、得られた混合物を乾燥し、かくして得られた混合物を焼成して、銅酸化物を含む水素化触媒前駆体を得た後、上記銅酸化物を金属銅に還元する請求項1に記載の水素化触媒の製造方法。
  14. ハイドロタルサイトが一般式(I)
    2+ 1-x3+ x(OH)2n- x/n・mH2
    (式中、M2+はMg2+、Ca2+、Zn2+、Cu2+、Mn2+及びNi2+から選ばれる少なくとも1種の2価金属イオンを示し、M3+はAl3+、Fe3+、Cr3+及びCo3+から選ばれる少なくとも1種の3価金属イオンを示し、An-はn価のアニオンを示し、nは1、2又は3であり、xは0<x≦1/3の範囲の数であり、mは0≦m≦2の範囲の数である。)
    で表されるものである請求項13に記載の水素化触媒の製造方法。
  15. ケイ酸カルシウムの少なくとも5質量%が花弁状のものである請求項13に記載の水素化触媒の製造方法。
  16. アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸、カルボン酸エステル及び芳香族ニトロ化合物から選ばれる少なくとも1種を請求項1から4のいずれかに記載の触媒に水素化条件下で接触させる水素化方法。
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