JP2007289297A - X線ct装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】造影剤同期撮影の本スキャンへの移行のタイミング制御の改善および確実性ならびに被曝低減の改善を実現するX線CT装置を提供する。
【解決手段】X線CT装置(100)は、X線源(21)と、造影剤が注入された被検体を挟んでX線源と対向するように配置されたX線検出器(24)と、造影剤同期撮影の本スキャンの開始時に被検体とX線源およびX線検出器との相対動作を所定方向に加速しながら投影データの収集を行う造影剤同期撮影手段と、投影データに基づいて断層像を再構成する画像再構成手段と、を有する。
【選択図】図32

Description

本発明は、医療用X線CT(Computed Tomography)装置などにおいて、造影剤同期撮影のタイミング制御の高速化を実現するX線CT装置に関する。
X線CT装置の造影剤同期撮影においては、造影剤同期撮影のモニタスキャンでは、関心領域の平均CT値を一定時間間隔で測定し、その平均CT値が、ある一定の閾値を超えた時にモニタスキャンを終了し、造影剤同期撮影の本スキャンの位置までクレードルを移動させて本スキャンを行っていた。本スキャンはヘリカルスキャンが用いられているため、クレードルの加速に必要な助走距離である加速領域も考慮して本スキャン位置への移動を行っていた。また、本スキャン開始のタイミングもヘリカルスキャンのクレードル加速後に始っていたため、本スキャン開始の時間がかかっていた。特に、造影剤同期撮影においては、造影剤のタイミングを逃さない点、造影剤の量を減らすためにより短時間で行う点が重要であるため、本スキャンの開始のタイミングが遅くなるという観点からは問題であった。
特開2006−051234号公報
また、多列X線検出器またはフラットパネルに代表される二次元X線エリア検出器によるX線CT装置においてX線ビームのコーン角度が大きくなってきている。このため、X線無駄被曝の問題がより大きくなる方向である。また、X線ビームのコーン角度が大きくなるにつれ、造影剤同期撮影のモニタスキャンから本スキャンに移る際のヘリカルスキャンの助走距離である加速領域も長くなる方向である。さらに、造影剤同期撮影のモニタスキャンにおける関心領域内の平均CT値の測定ではタイミングを逃す場合があり確実性が求められていたが、この場合、関心領域全体の平均CT値では取り逃す場合があった。
そこで本発明の目的は、造影剤同期撮影の本スキャンへの移行のタイミング制御の改善および確実性ならびに被曝低減の改善を実現するX線CT装置を提供することにある。
第1の観点では、本発明のX線CT装置は、X線源と、造影剤が注入された被検体を挟んでX線源と対向するように配置されたX線検出器と、造影剤同期撮影の本スキャンの開始時に被検体とX線源およびX線検出器との相対動作を所定方向に加速しながら、投影データの収集を行う造影剤同期撮影手段と、投影データに基づいて断層像を再構成する画像再構成手段と、を有する。
この第1の観点におけるX線CT装置では、造影剤同期撮影の本スキャン開始時での被検体とX線管およびX線検出器の相対動作において、被検体とX線管およびX線検出器の相対動作方向である所定方向つまり、z軸方向に加速動作を行う。X線管およびX線検出器を含む走査ガントリが静止している場合に、被検体を乗せたクレードルをz軸方向に加速動作を行って本スキャンの可変ピッチヘリカルスキャンを開始することにより、従来は助走区間を設けてクレードルをz軸方向に加速した後に、一定速度になってからヘリカルスキャンを開始していたのに比べ、本スキャン撮影開始までの時間が短縮される。これにより、造影剤同期撮影の本スキャン開始までの時間短縮が実現できる。
第2の観点では、造影剤同期撮影手段が、撮影データの収集を開始した後に被検体とX線源およびX線検出器との相対動作が静止状態から加速する。
この第2の観点におけるX線CT装置では、造影剤同期撮影の本スキャン開始時での被検体とX線管およびX線検出器の相対動作において、被検体とX線管およびX線検出器の相対動作である所定方向の静止状態からX線データ収集を行い、加速動作に入る。つまり、X線管およびX線検出器を含む走査ガントリが静止している場合に、被検体を乗せたクレードルを静止状態でX線データ収集を開始する。そして、本スキャンの可変ピッチヘリカルスキャンを開始して一定時間後に加速動作に入る。これにより、従来は助走区間を設けてクレードルを所定方向に加速した後に、一定速度になってからヘリカルスキャンを開始していたのに比べ、本スキャン撮影開始までの時間が短縮される。つまり、これにより造影剤同期撮影の本スキャン開始までの時間短縮が実現できる。また、図38Bに示すように、X線管およびX線検出器移動範囲よりも最大でX線ビーム幅の半分だけ外側に断層像画像再構成可能範囲を伸ばすことができる。つまり、これによりX線照射範囲を最大限に利用した断層像画像再構成範囲を実現でき、被曝低減を実現できる。
第3の観点では、本発明のX線CT装置において、画像再構成手段が断層像を画像再構成する位置は、X線データ収集系の中心位置のz方向移動範囲よりも、X線データ収集系のX線ビーム幅の半分だけ外側に行った範囲まで画像再構成する。
この第3の観点におけるX線CT装置では、静止状態からX線データ収集を行い加速動作に入る場合は、静止状態において、X線管およびX線検出器をxy平面内で少なくともファン角+180度分回転させてコンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)を行い、X線管およびX線検出器移動範囲の外側にある、最大でX線ビーム幅の半分に相当するX線ビームの部分のX線投影データを用いて画像再構成を行うことができる。なお、X線管およびX線検出器は、このコンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)の後に可変ピッチヘリカルスキャンのX線データ収集に入る。
また、静止状態において、X線管およびX線検出器をxy平面内でファン角+180度以下の回転の後に、可変ピッチヘリカルスキャンのX線データ収集に入った場合においても、X線管およびX線検出器移動範囲の外側にあるX線ビーム幅の半分以下に相当する範囲の画像再構成を行うことができる。つまり、これらによりX線照射範囲を最大限に利用した断層像画像再構成範囲を実現でき、被曝低減を実現できる。
第4の観点では、造影剤同期撮影手段は、本スキャンの終了時に、被検体とX線源およびX線検出器との相対動作を所定方向に減速しながら、投影データの収集を行う。
この第4の観点におけるX線CT装置では、造影剤同期撮影の本スキャン終了時に被検体とX線管およびX線検出器の相対動作において、被検体とX線管およびX線検出器の相対動作方向である所定方向の減速動作を行いながらX線データ収集を行う。本スキャンのz軸方向相対動作を終了したらX線データ収集も終了する。つまり、X線管およびX線検出器を含む走査ガントリが所定方向に静止している場合に、被検体を乗せたクレードルを所定方向に一定速度動作していた後に減速動作に入った時もX線データ収集を行い、クレードルが所定方向動作を終了して静止したらX線データ収集も終了する。これにより、従来は助走区間を設けてクレードルをz軸方向に加速した後に、一定速度になってからヘリカルスキャンを開始していたのに比べ、本スキャン撮影開始までの時間が短縮される。つまり、これにより造影剤同期撮影の本スキャン開始までの時間短縮が実現できる。
第5の観点では、造影剤同期撮影手段は、本スキャンの終了時に、被検体とX線源およびX線検出器との相対動作を所定方向に減速しながら、投影データの収集を行い、相対動作の静止後投影データの収集を所定時間行った後に、投影データの収集を終了する。
この第5の観点におけるX線CT装置では、造影剤同期撮影の本スキャン終了時に被検体とX線管およびX線検出器の相対動作において、被検体とX線管およびX線検出器の相対動作方向である所定方向の減速動作を行い、その後、静止状態になってもある一定時間が経つまでX線データ収集を行い、X線データ収集を終了する。つまり、X線管およびX線検出器を含む走査ガントリが静止している場合に、被検体を乗せたクレードルを所定方向に一定速度動作していた後に減速動作に入った時もX線データ収集を行い、クレードルが所定方向動作を終了して、静止して一定時間が経つまでX線データ収集を行い、X線データ収集を終了する。これにより、従来は助走区間を設けてクレードルを所定方向に加速した後に、一定速度になってからヘリカルスキャンを開始していたのに比べ、本スキャン撮影開始までの時間が短縮される。つまり、これにより造影剤同期撮影の本スキャン開始までの時間短縮が実現できる。
第6の観点では、造影剤同期撮影手段は、本スキャンで所定方向に減速し、さらに再度加速して投影データの収集を続けて行う。
この第6の観点におけるX線CT装置では、造影剤同期撮影の本スキャンの一方向の相対動作終了時に、被検体とX線管およびX線検出器の相対動作方向である所定方向の減速動作を行いながらX線データ収集を行い、さらにその後、加速動作を行いながらX線データ収集を行う。つまり、X線管およびX線検出器を含む走査ガントリが所定方向に静止している場合に、被検体を乗せたクレードルを所定方向に減速動作を行いながらX線データ収集を行う。さらにその後、クレードルが所定方向動作において加速動作を行いながらX線データ収集を行う。これにより、従来は助走区間を設けてクレードルを所定方向に加速した後に、一定速度になってからヘリカルスキャンを開始していたのに比べ、本スキャン撮影開始までの時間が短縮される。つまり、これにより造影剤同期撮影の本スキャン開始までの時間短縮が実現できる。
第7の観点では、造影剤同期撮影手段は、本スキャンの相対動作において、所定方向に減速しさらに静止後に再度加速して投影データの収集を続けて行う。
この第7の観点におけるX線CT装置では、被検体とX線管およびX線検出器の相対動作方向である所定方向の減速動作を行いながらX線データ収集を行い、静止状態になってもある一定時間X線データ収集を行う。その後、加速動作を行いながらX線データ収集を行う。つまり、X線管およびX線検出器を含む走査ガントリが所定方向に静止している場合に、被検体を乗せたクレードルを所定方向に減速動作を行いながらX線データ収集を行う。クレードルが静止状態になってもある一定時間X線データ収集を行う。その後、クレードルが加速動作を行いながらもX線データ収集を行う。これにより、従来は助走区間を設けてクレードルを所定方向に加速した後に、一定速度になってからヘリカルスキャンを開始していたのに比べ、本スキャン撮影開始までの時間が短縮される。つまり、これにより造影剤同期撮影の本スキャン開始までの時間短縮が実現できる。
第8の観点では、本発明のX線CT装置は、画像再構成手段は、三次元画像再構成処理を行う。
この第8の観点におけるX線CT装置では、三次元画像再構成を用いることにより、図38Bに示すようにX線管およびX線検出器移動範囲よりも最大でX線ビーム幅の半分だけ外側に断層像画像再構成範囲を伸ばすことができると同時に、このX線管およびX線検出器移動範囲の外側における断層像の画質もそれほど劣化させずに画像再構成が行える。
第9の観点では、画像再構成手段は、投影データの所定方向の位置を座標測定手段により測定し、またはあらかじめ制御された被検体とX線管およびX線検出器との相対動作により所定方向の座標位置を予測することにより得られた投影データの所定方向の座標位置を用いて画像再構成を行う。
この第9の観点におけるX線CT装置は、被検体とX線データ収集の相対動作方向である所定方向に加速動作を行う場合でもまた静止状態からでもX線データ収集を行い、X線投影データの所定方向の座標位置を座標測定手段により測定する。または、あらかじめ制御された被検体とX線管およびX線検出器の相対動作の座標位置を予測する。このことにより、より精度の高い所定方向座標を用いて三次元画像再構成が行え、より画質の良いアーチファクトの少ない断層像が得られる。
第10の観点では、X線源とX線検出器との間で、X線源とX線検出器とを結ぶ中心から所定方向の進行方向に移動できるコリメータの一方と、中心から所定方向の反進行方向に移動できるコリメータの他方とを有し、本スキャンの開始時にコリメータの他方が中心側から反進行方向に、本スキャンの終了時にコリメータの一方が進行方向から前期中心に移動する。
この第10の観点におけるX線CT装置では、X線データ収集開始時に、被検体とX線管およびX線検出器の相対動作において、X線管およびX線検出器の進行方向のコリメータの一方の開口が反対の後方のコリメータの他方の開口よりも広くしてX線データ収集を行う。または、X線データ収集終了時において、進行方向のコリメータの一方の開口が後方のコリメータの他方の開口よりも狭くしてX線データ収集を行う。
つまり、被検体を乗せたクレードルが静止している状態から、所定方向に加速動作・減速動作を行って可変ピッチヘリカルスキャンを行う場合を考える。図39に示すように、X線データ収集開始時にクレードルの進行方向とは反対側のコリメータの他方の開口を閉じておき、クレードルの進行度合に合わせてコリメータの他方の開口を開いて行きながらX線データ収集を行う。また、図39に示すように、X線データ収集終了時にはクレードルの進行方向の側のコリメータの一方の開口をクレードルの進行度合に合わせて閉じて行き、X線データ収集終了時にはコリメータの一方の開口を半分閉じるようにX線データ収集を行う。
これにより、可変ピッチヘリカルスキャンやヘリカルシャトルスキャンやヘリカルスキャンのX線管およびX線検出器移動範囲とX線照射範囲と断層像画像再構成可能範囲が等しくなり、X線無駄被曝領域がなくなる。つまり、これによりX線照射範囲を最大限に利用した断層像画像再構成範囲を実現でき、被曝低減を実現できる。
第11の観点では、造影剤同期撮影手段は、本スキャンの開始時に、X線源およびX線検出器を被検体に対して傾けてX線源からのX線ビームのうち所定方向の進行方向と逆方向の境界が所定方向に対して垂直になり、本スキャンの終了時に、X線源およびX線検出器を被検体に対して傾けてX線源からのX線ビームのうち進行方向の境界が所定方向に垂直になる。
この第11の観点におけるX線CT装置では、X線データ収集開始時にX線管およびX線検出器を傾けて、被検体とX線管およびX線検出器の相対動作でのX線管およびX線検出器の進行方向と反対側のX線ビームの境界を所定方向にほぼ垂直にする。またX線データ収集終了時にX線管およびX線検出器の進行方向のX線ビームの境界を所定方向にほぼ垂直にする。これで、X線管およびX線検出器のX線ビームの形は図44Bのようにyz平面においては矩形となる。この場合、X線管およびX線検出器のX線ビームの形が最小X線照射形状となり、その中での最も多くの断層像画像再構成が行われて、効率が良くX線被曝低減が実現できている。
第12の観点では、本発明のX線CT装置は、造影剤同期撮影手段は、本スキャンの前に、被検体に対して造影剤の注入を観察するモニタスキャンを行い、該モニタスキャンにおけるX線ビーム幅は本スキャンにおけるX線ビーム幅よりも狭い。
この場合に造影剤同期撮影のモニタスキャン時には、本スキャンを起動するための関心領域の画素のCT値または平均CT値を測定するだけなので、所定方向に広い範囲の幅の広いX線ビームは不要である。このため、本スキャン時よりも狭い幅で画質的にSNを確保できる最小限のX線ビーム幅を用いることで、モニタスキャン時のX線被曝低減を実現できる。
第13の観点では、本発明のX線CT装置は、造影剤同期撮影手段は、本スキャンの前に被検体に対して造影剤の注入を観察するモニタスキャンを行い、該モニタスキャンで設定された関心領域に属する画素で、画素値の最大値、または最大値から大きい順に選ばれた複数の画素値の平均値が閾値を越えた際に、本スキャンを行う。
この第13の観点におけるX線CT装置では、造影剤同期撮影のモニタスキャンで設定する関心領域は、造影剤が流れて来てCT値が上がりそうな血管の部分に関心領域を設定して造影剤同期撮影の本スキャンを起動するために用いる。従来、この関心領域の平均CT値が、ある一定の閾値よりも大きくなることで本スキャンを起動していた。この時のモニタスキャンの関心領域では、平均CT値を用いていると関心領域の設定次第ではうまくトリガがかけられない場合がある。これを避けて確実にトリガをかけるには、関心領域内の画素の最大値または最大値から大きい順に選ばれた複数の画素の平均値を用いて、これがある閾値を越える時にトリガをかけるようにすればよい。この時は、関心領域に含まれる血管部分の画素のCT値が造影剤の到着で上がれば、この関心領域内の画素の最大値をチェックしていればトリガをかける確度は上がる。
また、最大値から大きい順に選んだ複数の画素の平均値を見ることにより、画素のCT値のばらつきを押えて安定してトリガをかけることができる。つまり、これらの方法により安定して本スキャンのトリガをかけることができる。
第14の観点では、本発明のX線CT装置は、造影剤同期撮影手段は、本スキャンの前に被検体に対して造影剤の注入を観察するモニタスキャンを行い、モニタスキャンで設定された関心領域に属する画素で、二次元連続領域の画素値の平均値または面積が閾値を越えた際に、本スキャンを行う。
この第14の観点におけるX線CT装置では、造影剤同期撮影のモニタスキャンで設定する関心領域は、造影剤が流れて来てCT値が上がりそうな血管の部分に設定され、造影剤同期撮影の本スキャンを起動する。この時のモニタスキャンの関心領域では、平均CT値を用いていると関心領域の設定次第ではうまく起動しない場合がある。これを避けて確実に起動するには、血管の大きさに相当する関心領域内の最大CT値を持つ画素を含む二次元連続領域に含まれる画素の平均CT値および二次元連続領域の面積をチェックして、ある閾値を越えるかで本スキャンへの起動をかけることができる。
このように、血管に相当する連続領域に含まれる画素の平均CT値を見ることで、血管以外の画素値がたまたま閾値を越えて本スキャンの起動がかかってしまう誤動作を防ぐことができる。つまり、これらの方法により安定して本スキャンの起動をかけることができる。
第15の観点では、本発明のX線CT装置は、造影剤同期撮影手段は、本スキャンの前に被検体に対して造影剤の注入を観察するモニタスキャンを行い、モニタスキャンで設定された関心領域に属する画素で、三次元連続領域の画素値の平均値または体積が閾値を越えた際に、本スキャンを行う。
確実に本スキャンを起動するには、モニタスキャンで所定方向に複数枚の断層像を撮影した場合に、三次元連続領域として血管の大きさに相当する三次元連続領域に含まれる画素の平均CT値および三次元連続領域の体積をチェックして、ある閾値を越えるかで本スキャンへの起動をかけることができる。このように、1枚の断層像だけでなく複数枚の断層像に渡って関心領域を設定し、血管の大きさに相当する関心領域内の最大CT値を持つ画素を含む三次元連続領域に含まれる画素のCTを見ることで、血管以外の画素値がたまたま閾値を越えて本スキャンの起動の起動がかかってしまう誤動作を防ぐことができる。つまり、安定して本スキャンの起動をかけることができる。
第16の観点では、本発明のX線CT装置は、造影剤同期撮影手段は、本スキャンの前に被検体に対して造影剤の注入を観察するモニタスキャンを行い、モニタスキャンの関心領域は二箇所以上含む。
造影剤同期撮影のモニタスキャンで設定する関心領域を複数個所設定する場合には、例えば1つの関心領域を造影剤が流れて来てCT値がまず始めに上がりそうな血管の部分に設定し、もう1つの関心領域は造影して撮影したい臓器で始めに造影剤に染まり始める部分に設定し、2つの関心領域のCT値が充分に各々の閾値を越えた後に造影剤同期撮影の本スキャンを起動する。このように、複数の関心領域において充分に造影剤が来たことを確認して本スキャンの起動をかけるので、関心領域が1つの場合に比べ確実に本スキャンの起動をかけられる。このように、複数の関心領域で造影剤の到達を確認することで、血管以外の画素値がたまたま閾値を越えて本スキャンの起動の起動がかかってしまう誤動作を防ぐことができる。
第17の観点では、本発明のX線CT装置は、造影剤同期撮影手段は、本スキャンの前に被検体に対して造影剤の注入を観察するモニタスキャンを行い、モニタスキャンの関心領域は所定方向に二箇所以上含む。
造影剤同期撮影のモニタスキャンで設定する関心領域を所定方向に複数個所設定する場合には、モニタスキャンで所定方向に複数枚、例えば4枚の断層像を撮影した場合に、例えば1つの関心領域を1枚目の断層像の造影剤が流れて来てCT値がまず始めに上がる血管の部分に設定し、他の1つの関心領域を1枚目の断層像の関心領域の血管のCT値上昇に引き続いて、4枚目の断層像で造影剤が流れて来てCT値が次に上がりそうな血管の部分に設定する。
この2つの関心領域のCT値が1つずつ上昇するのを確認した後に、造影剤同期撮影の本スキャンを起動する。つまり、1枚目の断層像の関心領域の最大CT値または最大値から大きい順に選ばれた複数の画素の平均値を用いて、これがある閾値を越えるのを確認した後に、4枚目の断層像の関心領域の最大値または最大値から大きい順に選ばれた複数の画素の平均値を用いて、これがある閾値を越えるのを確認して本スキャンを起動する。このように、断層像の所定方向位置の異なる複数の関心領域に順次造影剤が来たことを確認して本スキャンの起動をかけるので、関心領域が1つの場合に比べ確実に本スキャンを起動できる。このように、所定方向に異なる位置の複数の関心領域で正しい順序で適切な遅れ時間で造影剤の到達を確認することで、血管以外の画素値がたまたま閾値を越えて本スキャンの起動がかかってしまう誤動作を防ぐことができる。
第18の観点では、本発明のX線CT装置は、モニタスキャンの際に、被検体とX線源およびX線検出器との相対動作が少なくとも加速中または減速中に、投影データの収集を行う。
造影剤同期撮影のモニタスキャンで設定する関心領域を所定方向に複数個所設定する場合には、モニタスキャンで所定方向に複数枚、例えば4枚の断層像を撮影した場合に、例えば1つの関心領域を1枚目の断層像の造影剤が流れて来てCT値がまず始めに上がる血管の部分に設定し、他の1つの関心領域を1枚目の断層像の関心領域の血管のCT値上昇に引き続いて、4枚目の断層像で造影剤が流れて来てCT値が次に上がりそうな血管の部分に設定する。所定方向の複数座標位置の間が離れている場合は、なるべく短時間で行き来して往復動作で断層像撮影を行う必要がある。そうでないと、図25に示すようなモニタスキャンの間欠スキャンは実現できない。この場合に、加速中または減速中でもヘリカルシャトルスキャンのように断層像撮影を行うことで、短時間の間欠スキャンが行える。
第19の観点では、本発明のX線CT装置は、モニタスキャンの際に、被検体とX線源およびX線検出器との相対動作が静止状態から加速中または減速後に静止状態中に、投影データの収集を行う。
造影剤同期撮影のモニタスキャンで設定する関心領域を所定方向に複数個所設定する場合には、モニタスキャンで所定方向に複数枚、例えば4枚の断層像を撮影した場合に、例えば1つの関心領域を1枚目の断層像の造影剤が流れて来てCT値がまず始めに上がる血管の部分に設定し、他の1つの関心領域を1枚目の断層像の関心領域の血管のCT値上昇に引き続いて、4枚目の断層像で造影剤が流れて来てCT値が次に上がりそうな血管の部分に設定する。所定方向の複数座標位置の間が離れている場合は、なるべく短時間で行き来して往復動作で断層像撮影を行う必要がある。そうでないと、図25に示すようなモニタスキャンの間欠スキャンは実現できない。この場合に、間欠スキャンの間隔に多少時間の余裕がある場合は、減速後から加速に移るまでの間にある一定期間の静止状態を入れても良い。これにより、機構制御的に楽になる点、被検体の体動が小さくなる点、モニタスキャンの画質、特にアーチファクトが低減する点などの利点が出てくる。これにより、画質の良い安定したモニタスキャンが実現できる。
本発明のX線CT装置によれば、ヘリカルスキャンまたは可変ピッチヘリカルスキャンまたはヘリカルシャトルスキャンの造影剤同期撮影の本スキャンへの移行のタイミング制御の改善、モニタスキャン時のトリガの確実性の改善および被曝低減を実現できる効果がある。
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
<X線CT装置の全体構成>
図1は、本発明の一実施形態にかかるX線CT装置100の構成ブロック図である。このX線CT装置100は、操作コンソール1と、撮影テーブル10と、走査ガントリ20とを具備している。
操作コンソール1は、操作者の入力を受け付ける入力装置2と、前処理、画像再構成処理、後処理などを実行する中央処理装置3と、走査ガントリ20で収集したX線検出器データを収集するデータ収集バッファ5と、X線検出器データを前処理して求められた投影データから画像再構成した断層像を表示するモニタ6と、プログラムやX線検出器データや投影データやX線断層像を記憶する記憶装置7とを具備している。撮影条件の入力はこの入力装置2から入力され、記憶装置7に記憶される。図2にモニタ6に表示された撮影条件入力画面13Aの例を示す。画面撮影条件入力画面13Aには、所定の入力を行うための入力ボタン13aが表示されている。図2においてはスキャンのタブが選択されている画面である。タブをP−Reconを選択すると図2の下に描かれているように入力用の表示が切り換わる。入力ボタン13aの上方には断層像13bが表示され、下方には再構成領域13cが表示されている。また、必要とあれば右上に表示されているように、生体信号を表示してもよい。
図1に戻り、撮影テーブル10は、被検体を乗せて走査ガントリ20の開口部に出し入れするクレードル12を具備している。クレードル12は撮影テーブル10に内蔵するモータで昇降およびテーブル直線移動される。
走査ガントリ20は、X線管21と、X線コントローラ22と、コリメータ23と、ビーム形成X線フィルター28と、多列X線検出器24と、データ収集装置(DAS:Data Acquisition System)25と、被検体の体軸の回りに回転しているX線管21などを制御する回転部コントローラ26と、制御信号などを操作コンソール1や撮影テーブル10とやり取りする制御コントローラ29とを具備している。ビーム形成X線フィルター28は撮影中心である回転中心に向かうX線の方向にはフィルターの厚さが最も薄く、周辺部に行くに従いフィルターの厚さが増し、X線をより吸収できるようになっているX線フィルターである。このため、円形または楕円形に近い断面形状の被検体の体表面の被曝を少なくできるようになっている。また、走査ガントリ傾斜コントローラ27により、走査ガントリ20はz軸方向の前方および後方に±約30度ほど傾斜できる。
X線管21と多列X線検出器24は、回転中心ICの回りを回転する。鉛直方向をy方向とし、水平方向をX方向とし、これらに垂直なテーブルおよびクレードル進行方向をz軸方向とするとき、X線管21および多列X線検出器24の回転平面は、xy平面である。また、クレードル12の移動方向は、z軸方向である。
図3Aおよび図3Bは、X線管21と多列X線検出器24の幾何学的配置の図である。X線管21の陽極51は、コーンビームと呼ばれるX線ビームXRを発生する。コーンビームの中心軸方向がy方向に平行なときを、ビュー角度0度とする。多列X線検出器24は、z軸方向にJ列、例えば256列のX線検出器列を有する。また、各X線検出器列はチャネル方向にIチャネル、例えば1024チャネルのX線検出器チャネルを有する。図3Aにおいて、X線管21のX線焦点を出たX線ビームがビーム形成X線フィルタ28により、再構成領域Pの中心ではより多くのX線が、再構成領域Pの周辺部ではより少ないX線が照射される。このようにX線線量を空間的に制御した後に、再構成領域Pの内部に存在する被検体にX線が吸収され、透過したX線が多列X線検出器24でX線検出器データとして収集される。
図3Bでは、X線管21の陽極51を出たX線ビームXRはX線コリメータ23により断層像のスライス厚方向に制御されて、回転中心軸IC近辺に存在する被検体40にX線が吸収され、透過したX線は多列X線検出器24でX線検出器データとして収集される。X線が被検体40に照射されて収集された投影データは、多列X線検出器24からデータ収集装置25でA/D変換され、スリップリング30を経由してデータ収集バッファ5に入力される。データ収集バッファ5に入力されたデータは、記憶装置7のプログラムにより中央処理装置3で処理され、断層像に画像再構成されてモニタ6に表示される。なお、本実施形態では多列X線検出器24を適用した場合であるが、フラットパネルX線検出器に代表されるマトリクス構造の二次元X線エリア検出器を適用することもできるし、1列のX線検出器を適用することができる。
<X線CT装置の動作フローチャート>
図4は本実施形態のX線CT装置100の動作の概要を示すフローチャートである。
ステップP1では、被検体をクレードル12に乗せ位置合わせを行う。クレードル12の上に乗せられた被検体は各部位の基準点に走査ガントリ20のスライスライト中心位置を合わせる。
ステップP2では、スカウト像(スキャノ像、X線透視像ともいう。)収集を行う。スカウト像は被検体の体の大きさによって成人又は子供の2種類のスカウト像が撮影できるようになっており、さらに通常0度,90度で撮影することができる。部位によっては例えば頭部のように、90度スカウト像のみの場合もある。スカウト像撮影では、X線管21と多列X線検出器24とを固定させ、クレードル12を直線移動させながらX線検出器データのデータ収集動作を行う。
ステップP3では、スカウト像上に撮影する断層像の位置、大きさを表示しながら撮影条件設定を行う。本実施形態では、コンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)、ヘリカルスキャン、可変ピッチヘリカルスキャン、ヘリカルシャトルスキャンなどの複数のスキャンパターンを有している。コンベンショナルスキャンとは、クレードル12をZ軸方向に所定ピッチ移動するごとにX線管21及びX線検出部24を回転させて投影データを取得するスキャン方法である。ヘリカルスキャンとは、X線管21とX線検出部24とが回転している状態でクレードル12を所定速度で移動させ、投影データを取得するスキャン方法である。可変ピッチヘリカルスキャンとは、ヘリカルスキャンと同様にX線管21及びX線検出部24を回転させながらクレードル12の速度を可変させて投影データを取得するスキャン方法である。ヘリカルシャトルスキャンとは、ヘリカルスキャンと同様にX線管21及びX線検出部24を回転させながらクレードル12をZ軸方向又は−Z軸方向に往復移動させて投影データを取得するスキャン方法である。これら複数のスキャンを設定する際には1回分の全体としてのX線線量情報の表示を行う。また、シネスキャンにおいては、回転数または時間を入れるとその関心領域における入力された回転数分、または入力された時間分のX線線量情報が表示される。
ステップP4では、断層像撮影を行う。断層像撮影およびその画像再構成の詳細については図5で後述する。ステップP5では、画像再構成された断層像を表示する。ステップP6では、z軸方向に連続に撮影された断層像を三次元画像として用いて、三次元画像表示を行う。
<断層像撮影およびスカウト像撮影の動作フローチャート>
図5は、本発明のX線CT装置100の断層像撮影およびスカウト像撮影の動作の概略を示すフローチャートである。
ステップS1において、ヘリカルスキャンは、X線管21と多列X線検出器24とを被検体の回りに回転させ、かつ撮影テーブル10上のクレードル12を直線移動させながらX線検出器データのデータ収集動作を行う。ビュー角度viewと、検出器列番号jと、チャネル番号iとで表わされるX線検出器データD0(view,j,i)(j=1〜ROW,i=1〜CH)にz軸方向位置Ztable(view)を付加させて、一定速度の範囲のデータ収集を行う。このz軸方向位置はX線投影データに付加させても良いし、また別ファイルとしてX線投影データと関連付けて用いても良い。ヘリカルスキャン、可変ピッチヘリカルスキャン時にX線投影データを三次元画像再構成する場合に、このz軸方向位置の情報は用いられる。また、ヘリカルスキャン、コンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)またはシネスキャン時に、z軸方向位置の情報は用いることにより、画像再構成された断層像の精度改善、画質改善を実現することもできる。また、可変ピッチヘリカルスキャンまたはヘリカルシャトルスキャンにおいては、一定速度の範囲のデータ収集に加えて、加速時、減速時においてもデータ収集を行うものとする。また、コンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)またはシネスキャンでは撮影テーブル10上のクレードル12をあるz軸方向位置に固定させたまま、データ収集系を1回転または複数回転させてX線検出器データのデータ収集を行う。必要に応じて、次のz軸方向位置に移動した後に、再度データ収集系を1回転または複数回転させてX線検出器データのデータ収集を行う。また、スカウト像撮影では、X線管21と多列X線検出器24とを固定させ、撮影テーブル10上のクレードル12を直線移動させながらX線検出器データのデータ収集動作を行うものとする。
ステップS2では、X線検出器データD0(view,j,i)に対して前処理を行い、投影データに変換する。図6にステップS2の前処理について具体的な処理を示す。ステップS21ではオフセット補正を行い、ステップS22では対数変換を行い、ステップS23ではX線線量補正を行い、ステップS24では感度補正を行う。スカウト像撮影の場合は、前処理されたX線検出器データをチャネル方向の画素サイズおよびクレードル12の直線移動方向であるz軸方向の画素サイズを、モニタ6の表示画素サイズに合わせて表示すればスカウト像として完成である。
図5に戻り、ステップS3において、前処理された投影データD1 (view,j,i)に対して、ビームハードニング補正を行う。ステップS3のビームハードニング補正は、前処理S2のステップS24の感度補正が行われた投影データをD1(view,j,i)とし、ステップS3のビームハードニング補正の後のデータをD11(view,j,i)とすると、ビームハードニング補正は以下の(数式1)のように、例えば多項式形式で表わされる。なお、本明細書において乗算演算は、「●」で表してある。
…(数式1)
この時、検出器のj列ごとに独立したビームハードニング補正を行えるため、撮影条件で各データ収集系の管電圧が異なっていれば、列ごとの検出器のX線エネルギー特性の違いを補正できる。
ステップS4では、ビームハードニング補正された投影データD11(view,j,i)に対して、z軸方向(列方向)のフィルターをかけるzフィルター重畳処理を行う。すなわち、各ビュー角度、各データ収集系における前処理後、ビームハードニング補正された多列X線検出器D11(view,j,i) (i=1〜CH, j=1〜ROW)の投影データに対し、列方向に例えば下記の(数式2),(数式3)に示すような、列方向フィルターサイズが5列のフィルターをかける。
(w1(i),w2(i),w3(i),w4(i),w5(i)) …(数式2)
ただし、
…(数式3)
補正された検出器データD12(view,j,i)は以下の(数式4)のようになる。
…(数式4)
となる。なお、チャネルの最大値はCH,
列の最大値はROWとすると、
以下の(数式5),(数式6)のようになる。
…(数式5)
…(数式6)
また、列方向フィルター係数をチャネルごとに変化させると画像再構成中心からの距離に応じてスライス厚を制御できる。一般的に断層像では再構成中心に比べ周辺部の方がスライス厚が厚くなる。このため、フィルター係数を中心部と周辺部で変化させてスライス厚は周辺部でも画像再構成中心部でも一様にすることもできる。例えば、方向フィルター係数を中心部チャンネル近辺では列方向フィルター係数の幅を広く変化させ、周辺部チャンネル近辺では列方向フィルター係数の幅を狭く変化させると、スライス厚は周辺部でも画像再構成中心部でも一様にすることもできる。
このように、多列X線検出器24の中心部チャネルと周辺部チャネルの列方向フィルター係数を制御してやることにより、スライス厚も中心部と周辺部で制御できる。列方向フィルターでスライス厚を弱干厚くすると、アーチファクト、ノイズともに大幅に改善される。これによりアーチファクト改善具合、ノイズ改善具合も制御できる。つまり、三次元画像再構成された断層像つまり、xy平面内の画質が制御できる。また、その他の実施形態として列方向(z軸方向)フィルター係数を逆重畳(デコンボリューション)フィルターにすることにより、薄いスライス厚の断層像を実現することもできる。
ステップS5では、再構成関数重畳処理を行う。すなわち、投影データを周波数領域に変換する高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)をして、再構成関数を掛け、逆フーリエ変換する。再構成関数重畳処理S5では、zフィルター重畳処理後の投影データをD12とし、再構成関数重畳処理後の投影データをD13、重畳する再構成関数をKernel(j)とすると、再構成関数重畳処理は以下の(数式7)のように表わされる。なお、本明細書において重畳(コンボリューション)演算は、「*」で表してある。
…(数式7)
つまり、再構成関数Kernel(j)は検出器のj列ごとに独立した再構成関数重畳処理を行えるため、列ごとのノイズ特性、分解能特性の違いを補正できる。
ステップS6では、再構成関数重畳処理した投影データD13(view,j,i)に対して、三次元逆投影処理を行い、逆投影データD3(x,y,z)を求める。画像再構成される画像はz軸に垂直な面、xy平面に三次元画像再構成される。以下の再構成領域Pはxy平面に平行なものとする。この三次元逆投影処理については、図7を参照して後述する。
ステップS7では、逆投影データD3(x,y,z)に対して画像フィルター重畳、CT値変換などの後処理を行い、断層像D31(x,y,z)を得る。後処理の画像フィルター重畳処理では、三次元逆投影後の断層像をD31(x,y,z)とし、画像フィルター重畳後のデータをD32(x,y,z)、断層像平面であるxy平面において重畳される二次元の画像フィルターをFilter(z)とすると、以下の(数式8)のようになる。
…(数式8)
つまり、各z座標位置の断層像ごとに独立した画像フィルター重畳処理を行えるため、列ごとのノイズ特性、分解能特性の違いを補正できる。
また、この二次元の画像フィルター重畳処理の後に、下記に示す画像空間z軸方向フィルター重畳処理を行ってもよい。また、この画像空間z軸方向フィルター重畳処理は二次元画像フィルター重畳処理の前に行ってもよい。さらには、三次元の画像フィルター重畳処理を行って、この二次元の画像フィルター重畳処理と、画像空間z軸方向フィルター重畳処理の両方を兼ねるような効果を出してもよい。
画像空間z軸方向フィルター重畳処理では、画像空間z軸方向フィルター重畳処理された断層像をD33(x,y,z)、二次元の画像フィルター重畳処理された断層像をD32(x,y,z)とすると、以下の(数式9)のようになる。ただし、v(i)はz軸方向の幅が21+1の画像空間z軸方向フィルター係数で以下の(数式10)のような係数列となる。
…(数式9)
…(数式10)
なお、ヘリカルスキャンにおいては、画像空間フィルター係数v(i)はz軸方向位置に依存しない画像空間z軸方向フィルター係数であってよい。しかし、特にz軸方向に検出器幅の広い多列X線検出器24又は二次元X線エリア検出器などを用い、コンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)またはシネスキャンをする場合は、画像空間z軸方向フィルター係数v(i)はz軸方向のX線検出器の列の位置に依存した画像空間z軸方向フィルター係数を用いるのが好ましい。なぜなら、各断層像の列位置に依存した詳細な調整ができるので効果的であるからである。
<三次元逆投影処理のフローチャート>
図7は、図6のステップS6の詳細を示したもので、三次元逆投影処理のフローチャートである。本実施形態では、画像再構成される画像はz軸に垂直な面、xy平面に三次元画像再構成される。以下の再構成領域Pはxy平面に平行なものとする。
ステップS61では、断層像の画像再構成に必要な全ビュー(すなわち、360度分のビュー又は「180度分+ファン角度分」のビュー)中の一つのビューに着目し、再構成領域Pの各画素に対応する投影データDrを抽出する。
ここで、図8および図9を使って、投影データDrについて説明する。図8AおよびBは矩形の再構成領域上のラインをX線透過方向へ投影する状態を示す概念図であり、そのAはxy平面、Bはyz平面を示している。またCおよびDは、円形の画像再構成領域上のラインをX線透過方向へ投影する状態を示す概念図であり、Cはxy平面、Dはyz平面を示している。図9はX線検出器面に投影したラインを示す概念図である。図8に示すように、xy平面に平行な512×512画素の正方形の領域を再構成領域Pとし、y=0のx軸に平行な画素列L0,y=63の画素列L63,y=127の画素列L127,y=191の画素列L191,y=255の画素列L255,y=319の画素列L319,y=383の画素列L383,y=447の画素列L447,y=511の画素列L511を列にとる。そして、これらの画素列L0〜L511をX線透過方向に多列X線検出器24の面に投影した図9に示す如きラインT0〜T511上の投影データを抽出すれば、それらが画素列L0〜L511の投影データDr(view,x,y)となる。ただし、x,yは断層像の各画素(x,y)に対応する。
X線透過方向は、X線管21のX線焦点と各画素と多列X線検出器24との幾何学的位置によって決まるが、X線検出器データD0(view,j,i)のz座標z(view)がテーブル直線移動z軸方向位置Ztable(view)としてX線検出器データに添付されて判っているため、加速・減速中のX線検出器データD0(view,j,i)でもX線焦点、多列X線検出器のデータ収集幾何学系の中において、X線透過方向を正確に求めることができる。
なお、例えば画素列L0をX線透過方向に多列X線検出器24の面に投影したラインT0のように、ラインの一部が多列X線検出器24のチャネル方向の外に出た場合は、対応する投影データDr(view,x,y)を「0」にする。また、z軸方向の外に出た場合は投影データDr(view,x,y)を補外して求める。
図7に戻り、ステップS62では、投影データDr(view,x,y)にコーンビーム再構成加重係数を乗算する。ここで、コーンビーム再構成加重係数w(i,j)は以下の通りである。ファンビーム画像再構成の場合は、一般に、view=βaでX線管21の焦点と再構成領域P上(xy平面上)の画素g(x,y)とを結ぶ直線がX線ビームの中心軸Bcに対してなす角度をγとし、その対向ビューをview=βbとするとき、以下の(数式11)のようになる。
βb=βa+180°−2γ…(数式11)
再構成領域P上の画素g(x,y)を通るX線ビームとその対向X線ビームが再構成平面Pとなす角度を、αa,αbとすると、これらに依存したコーンビーム再構成加重係数ωa,ωbを掛けて加算し、逆投影画素データD2(0,x,y)を求める。この場合、(数式12)のようになる。
D2(0,x,y)=ωa・D2(0,x,y)_ a+ωb・D2(0,x,y)_ b …(数式12)
ただし、D2(0,x,y)_aはビューβaの逆投影データ、D2(0,x,y)_bはビューβbの逆投影データとする。
なお、コーンビーム再構成加重係数の対向ビーム同士の和は、(数式13)のようになる。
ωa+ωb=1 …(数式13)
コーンビーム再構成加重係数ωa,ωbを掛けて加算することにより、コーン角アーチファクトを低減することができる。
例えば、コーンビーム再構成加重係数ωa,ωbは、次式により求めたものを用いることができる。なお、gaはビューβaの加重係数、gbはビューβbの加重係数である。ファンビーム角の1/2をγmaXとするとき、以下の(数式14)から(数式19)のようになる。
(例えば、q=1とする)
例えば、ga,gbの一例として、maX[ ]を値の大きい方を採る関数とすると、以下の(数式20),(数式21)のようになる。
また、ファンビーム画像再構成の場合は、更に距離係数を再構成領域P上の各画素に乗算する。距離係数はX線管21の焦点から投影データDrに対応する多列X線検出器24の検出器列j,チャネルiまでの距離をr0とし、X線管21の焦点から投影データDrに対応する再構成領域P上の画素までの距離をr1とするとき、(r1/r0)2である。また、平行ビーム画像再構成の場合は、再構成領域P上の各画素にコーンビーム再構成加重係数w(i,j)のみを乗算すればよい。
ステップS63では、予めクリアしておいた逆投影データD3(x,y)に、投影データD2(view,x,y)を画素対応に加算する。以上、図7の三次元逆投影処理のフローチャートは、図8に示す再構成領域Pを正方形512×512画素として説明したものである。
<造影剤同期撮影>
以上に示した断層像の画像再構成を用いて、以下に造影剤同期撮影の実施例を示す。
一般的に被検体の血流の流れ方は様々である。このため、X線CT装置で用いられる造影剤の流れ方も様々になってくる。しかし、被検体にとって造影剤の負担は大きいので、できる限り造影剤の量は減らしてX線CT装置の撮影を行いたい。このため造影剤を適切なタイミングで被検体に注入し、適切な遅れ時間のタイミングでX線CT撮影を行うことが求められる。
一般的には、この造影剤注入とX線CT撮影の適切なタイミングを知る方法には以下の方法がある。
1.ボーラス・トラッキング法
造影剤注入後の適切なある部位の関心領域ROIでのCT値の変化をモニタリングし、そのCT値が、ある閾値を超えたら最適なタイミングで本スキャンを開始する方法である。
2.テスト・インジェクション法
本スキャンに先立ち、少量の造影剤によるプリ・スキャンを事前に行うことで、血流の状態を把握する。この結果に基づき造影剤の量や注入速度を考慮して、本スキャンでの血流の流れを予測して最適なタイミングを決める方法である。今回の実施例における方法はボーラス・トラッキング方法である。
まず、図10に造影剤同期撮影の処理の流れの例を示す。
ステップC1では、被検体をクレードル12に乗せ位置合わせを行い、ステップC2では、スカウト像収集を行う。ステップC3では、撮影条件設定を行う。図5に示した、ステップS1からステップS3の撮影条件設定と同じである。そして、以下の処理を行う。
ステップC4では、ベースライン断層像撮影を行う。ベースライン断層像撮影においては、モニタスキャンMSで用いる関心領域ROIを設定する。もしモニタスキャンMSにおいてz軸方向に複数枚の断層像を撮影する場合には、このベースライン断層像撮影においてもz軸方向に複数枚の断層像を撮影しておく。また、z軸方向に複数の関心領域ROIを設定する場合には、このベースライン断層像においてもz軸方向に複数の関心領域ROIを設定する。また、xy平面の断層像内に複数の関心領域ROIを設定するのであれば、このベースライン断層像において1つの断層像内に複数の関心領域ROIを設定しておく。ステップC5では、ベースライン断層像表示CSIが行われる。そして、ステップC6で、造影剤同期撮影条件設定を行う。ベースライン断層像上で関心領域ROI設定を行う。
次にステップC7では、モニタスキャンMSを開始する。ステップC8では、関心領域ROIの平均CT値は設定された閾値を超えたかを判断し、YESであればステップC9へ行く。NOであればステップC8を繰り返す。図12ないし図30を使って後述する。
ステップC9では、本スキャンの準備を行う。のクレードル12を本スキャンの位置へ移動させる。ステップC10では、本スキャン開始を行う。そして、ステップC11で、本スキャン断層像表示が行われる。
図11に上述した造影剤同期撮影の画面の例を示す。図11Aは、ベースライン断層像を示す図であり、Bは、造影剤同期撮影のモニタスキャンMSの表示例を示す表とグラフである。
図11Aのベースライン断層像においては、関心領域ROI1を大動脈に設定している。これは造影剤が流れて来て、まずCTが上がりそうな大動脈に設定して本スキャンへのトリガとしている。また、関心領域ROI2および関心領域ROI3として肝臓の各部に設定している。図11Bのグラフは、横軸を時刻tとし縦軸をCT値としている。Bのグラフから、時間tにおける各関心領域ROI1(実線で示す)、ROI2(一点鎖線で示す)、ROI3(点線で示す)のCT値の変化が理解できる。
今、本スキャンのトリガの閾値をCT値100として関心領域ROI1に設定したとすると、約30秒弱で関心領域ROI1はあらかじめ定めた閾値に到達して本スキャンを開始することになる。
<各種モニタスキャンMS>
図10のステップC7のモニタスキャンMSおよびステップC8の関心領域ROIのCT値確認においては、以下6つのモニタスキャンMSの態様がある。
モニタスキャンMS1
1枚の断層像内に1つの関心領域ROIで最大値の画素が、ある閾値を超えたら本スキャンを開始することになる。
モニタスキャンMS2
1枚の断層像内に1つの関心領域ROIで最大値から大きい順に選ばれたN個の画素の平均値が、ある閾値を超えたら本スキャンを開始することになる。(ただし、Nは2以上の整数とする。)
モニタスキャンMS3
1枚の断層像内に1つの関心領域ROIで最大値を含む二次元連続領域の画素の平均値が、ある閾値を超えたら本スキャンを開始することになる。
モニタスキャンMS4
複数枚の断層像内に1つの三次元領域の関心領域ROIで最大値を含む三次元連続領域の画素の平均値が、ある閾値を超えたら本スキャンを開始することになる。
モニタスキャンMS5
断層像内に複数個所ある関心領域ROIで、各々の関心領域ROIの画素がCT値の条件を満たしたら本スキャンを開始することになる。
モニタスキャンMS6
z軸方向に複数ある断層像の各断層像にある関心領域ROIの画素が、順次CT値の条件を満たしたら本スキャンを開始することになる。
以下に、各モニタスキャンを詳述していく。
<<モニタスキャンMS1の実施例>>
図12にモニタスキャンMS1の実施例の場合のフローチャートを示す。図14は、左に断層像CSIを示し、右に断層像CSI中の関心領域ROI内の走査を示す。
ステップM1では、断層像撮影を行う。通常モニタスキャンにおける断層像撮影は、被曝低減のため連続撮影は行わず、図13のように一定時間間隔T1でコンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)を行う。
ステップM2では、関心領域ROIの画素入力を行う。具体的には、関心領域ROIの画素入力は該当する断層像が載ったメモリ、または断層像の画像ファイルから関心領域ROIに相当する画素のCT値を読み込む。
ステップM3では、関心領域ROI1内の画素を図14のように走査し、最大値画素の検索を行う。
ステップM4では、所定の閾値を超えたかを判断し、YESであればステップM5へ行き、NOであればステップM1へ戻る。このステップM2からステップM4までの処理の流れの詳細は、図15のフローチャートで説明する。ステップM2,ステップM3,ステップM4における最大値画素の検索および閾値との比較においては、図15のフローチャートのように関心領域ROI内の全画素の走査を行うと、最大値画素が見つけられる。
ステップM5では、本スキャン準備を行う。本スキャンの準備としては本スキャンのスキャン位置まで行く。なお、ヘリカルシャトルスキャン、可変ピッチヘリカルスキャンを用いた本スキャンにおいてはヘリカルスキャン時に必要な助走距離は不要である。
ステップM6では、本スキャン起動を行う。基本的に図10のステップC10と同じである。
なお、モニタスキャンMS1においては、関心領域ROI内の全画素の走査は、図14に示すように関心領域ROI内のみの画素を走査する。例えば、y=yiの座標の関心領域ROIの画素についてx方向の始点と終点の範囲x∈[xsi,xei]について走査を行う。y方向にはy方向の始点と終点の範囲y∈[y1,yn]の範囲を走査する。
図15は、最大画素値探索および最大画素値と閾値との比較のフローチャートであり、このフローチャートについて説明する。
ステップT1においては、最大画素値Pxm=−1000 i=1に初期化する。
ステップT2においては、y=yi,x=xsiとする。
ステップT3においては、関心領域ROIの画素G(x,y)を入力する。
ステップT4においては、最大画素値Pxm<G(x,y)かを判断し、YESならばステップT5へ行き、NOならばステップT7へ行く。
ステップT5においては、最大画素値Pxm=G(x,y)とする。
ステップT6においては、閾値T>Pxmかを判断し、YESならばステップT7へ行き、NOならば閾値T以上に最大画素値Pxmがなったとして終了する。
ステップT7においては、x≧xeiかを判断し、YESならばステップT8へ行き、NOならばステップT9へ行く。
ステップT8においては、y≧ynかを判断し、YESならば終了し、NOならばステップT10へ行く。
ステップT9においては、x=x+1とする。これにより、関心領域ROI内の画素のx座標を次のx座標に進めてステップT2に戻る。
ステップT10においては、i=i+1とする。これにより、関心領域ROI内の画素のy座標を次のy座標に進めてステップT2に戻る。
以上のようにして、関心領域ROI内の全画素の最大値画素を見つけることができ、また、最大値画素が所定の閾値を超えたか否かがわかる。
造影剤同期撮影のモニタスキャンMSで設定する関心領域ROIは、造影剤が流れて来てCT値が上昇する大動脈などの血管に設定される。この造影剤による血管内のCT値があらかじめ設定されたある一定の閾値を超えたら、図10のステップC9およびステップC10に進み、造影剤同期撮影の本スキャンを開始する。
この時に、従来はモニタスキャンMSの関心領域ROI内の平均CT値を用いていたが、関心領域ROIが血管径に対して大きすぎると充分CT値が上がらないなどにより、うまくトリガがかけられない場合があった。これを避けて確実にトリガをかけるには、関心領域ROI内の最大画素値のCT値があらかじめ設定されたある一定の閾値を超えたら、造影剤同期撮影の本スキャンを開始するようにすればよい。この場合は、関心領域ROI内の最大画素値を用いるので、関心領域ROIの大きさには影響されずに安定して本スキャンのトリガをかけることができる。
図16Aはヒストグラム測定に基づいたモニタスキャンMS1の画像処理のフローチャートであり、図16Bはヒストグラム測定結果を示した図である。モニタスキャンMS1の処理を基本画像処理に基づいて実現すると、図16Aのような処理の流れとなる。
ステップG1では、断層像撮影を行う。
ステップG2では、関心領域ROIのヒストグラム測定を行う。
ステップG3では、最大値画素を求める。
ステップG4では、最大画素値は閾値を超えたかを判断し、YESならばステップG5へ行き、NOならばステップG1へ戻る。ステップG3においては、ステップG2で求めた図16Bに示すような関心領域ROI内の画素値(CT値)ヒストグラムより最大画素値を求める。この最大画素値をステップG4の判断で用いる。このように、基本画像処理を用いることにより単純な処理の流れとすることもできる。
ステップG5では本スキャン準備を行い、ステップG6では本スキャン起動を行う。図12のステップM5およびステップM6と同じである。
<<モニタスキャンMS2の実施例>>
図17にモニタスキャンMS2の実施例の場合のフローチャートを示す。
ステップM11では、断層像撮影を行う。モニタスキャンMS1と同様に、通常モニタスキャンMSにおける断層像撮影は、被曝低減のため連続撮影は行わず、図13のように一定時間間隔T1でコンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)を行う。
ステップM12では、関心領域ROIの画素入力を行う。
ステップM13では、関心領域ROI内の画素を図14のように走査し、最大画素N個分の検索を行う。この時の関心領域ROI内の全画素の走査は図15のフローチャートの時と同様に、図14に示すようにy方向の始点と終点の範囲y∈[y1,yn]について、各y軸方向の座標位置においてx軸方向の始点と終点の範囲x∈[xsi,xei]について走査を行う。
ステップM14では、最大画素N個分のCT値平均値計算を行う。
ステップM15では、最大画素N個分のCT値平均値は、ある一定の閾値を超えたかを判断し、YESであればステップM16へ行き、NOであればステップM11へ戻る。このステップM12からステップM14までの処理の流れの詳細は図18のフローチャートで説明する。ステップM12,ステップM13,ステップM14における最大画素から大きい順に選ばれたN個の画素の平均値が閾値を超えるかの比較においては、図18にフローチャートのように関心領域ROI内の全画素の走査を行うと最大画素値から大きい順に選ばれたN個の画素の平均値が求められる。
ステップM16では本スキャン準備を行い、ステップM17では、本スキャン起動を行う。図12のステップM5およびステップM6と同じである。
図18は、N個の最大画素値検査およびN個の最大画素値と閾値との比較のフローチャートであり、このフローチャートについて説明する。
ステップT11においては、最大画素値バッファPxm(1),Pxm(2),…Pxm(N)にすべて−1000を入れ、i=1に初期化を行う。
ステップT12においては、y=yi,x=xsiとする。
ステップT13においては、関心領域ROIの画素G(x,y)を入力する。
ステップT14においては、j=1とする。
ステップT15においては、Pxm(j)<G(x,y)かを判断し、YESならばT16へ行き、NOならばT21へ行く。
ステップT16においては、Pxm(j)=G(x,y)とする。
ステップT17においては、k=j−1とする。
ステップT18においては、k≧1かを判断し、YESならばT19へ行き、NOならばT21へ行く。
ステップT19においては、Pxm(k)=Pxm(k+1)とする。
ステップT20においては、k=k−1としステップT18に戻る。
ステップT21においては、j≧Nかを判断し、YESならばT22へ行き、NOならばT25へ行く。
ステップT22においては、
を判断し、YESならばT23へ行き、NOならば終了する。
ステップT23においては、x≧xeiかを判断し、YESならばT24へ行き、NOならばT26へ行く。
ステップT24においては、y≧ynかを判断し、YESならば終了し、NOならばT27へ行く。
ステップT25においては、j=j+1としステップT15に戻る。
ステップT26においては、x=x+1とする。これにより、関心領域ROI内の画素のx座標を次のx座標に進めてステップT12に戻る。
ステップT27においては、i=i+1とする。これにより、関心領域ROI内の画素のy座標を次のy座標に進めてステップT12に戻る。
造影剤同期撮影のモニタスキャンMSで設定する関心領域ROIは、造影剤が流れて来てCT値が上昇する大動脈などの血管に設定される。この造影剤による血管内のCT値があらかじめ設定されたある一定の閾値を超えたら、図10のステップC9およびステップC10に進み、造影剤同期撮影の本スキャンを開始する。
この時に、従来はモニタスキャンMSの関心領域ROI内の平均CT値を用いていたが、関心領域ROIが血管径に対して大きすぎると充分CT値が上がらないなどにより、うまくトリガがかけられない場合があった。これを避けて確実にトリガをかけるには、関心領域ROI内の最大画素値N個分のCT値平均値があらかじめ設定されたある一定の閾値を超えたら造影剤同期撮影の本スキャンが開始するようにすれば良い。この場合は、関心領域ROI内の最大画素値N個分のCT値平均値を用いるので、関心領域ROIの大きさには影響されずに安定して本スキャンのトリガをかけることができる。
図19Aはヒストグラム測定に基づいたモニタスキャンMS2の画像処理のフローチャートであり、図19Bはヒストグラム測定結果を示した図である。モニタスキャンMS2の処理を基本画像処理に基づいて実現すると、図19Aのような処理の流れとなる。
ステップG11では、断層像撮影を行う。
ステップG12では、関心領域ROIのヒストグラム測定を行う。
ステップG13では、最大画素N個分のCT値平均値計算を行う。ステップG13においては、ステップG12で求めた図19Bに示すような関心領域ROI内の画素値(CT値)ヒストグラムより最大画素値および最大画素N個を求め、この最大画素N個分のCT値平均値を求める。このCT値平均値をG14の判断で用いる。このように、基本画像処理を用いることにより単純な処理の流れとすることもできる。
ステップG14では、最大値画素N個分のCT値平均値は閾値を超えたかを判断し、YESならばステップG15へ行き、NOならばステップG11へ戻る。
ステップG15では本スキャン準備を行い、ステップG16では本スキャン起動を行う。図12のステップM5およびステップM6と同じである。
<<モニタスキャンMS3の実施例>>
図20にモニタスキャンMS3の実施例の場合のフローチャートを示す。図21は、左に断層像CSIを示し、右に断層像CSI中の二次元関心領域ROI内の走査を示す。
ステップM21では、断層像撮影を行う。モニタスキャンMS1と同様に、通常モニタスキャンMSにおける断層像撮影は、被曝低減のため連続撮影は行わず、図13のように一定時間間隔T1でコンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)を行う。
ステップM22では、関心領域ROIの画素入力を行う。
ステップM23では、関心領域ROI内の2値化を行う。
ステップM24では、関心領域ROI内の二次元連続領域番号付(ラベリング)を行う。この時の関心領域ROI内の二次元連続領域の全画素の走査は、図21のように二次元ラベリング処理で得られた、各y座標におけるx方向のラン座標(ランレングス符号化された始点とその線分の長さ、または始点と終点をもってラン座標という)であるx方向始点座標、x方向終点座標の範囲を走査して行く。つまり、最大画素値を含む二次元連続領域のy方向の始点と終点の範囲y∈[yl1,yln]について、各々のy座標におけるx方向の始点と終点の範囲x∈[xsi,xei]について走査を行う。
ステップM25では、関心領域ROI内の最大画素値を含む連続領域抽出および二次元連続領域の平均CT値および面積計算を行う。抽出した二次元連続領域において、図21に示すように最大画素値を含む二次元連続領域内の画素を走査して、その二次元連続領域の平均CT値および面積を求める。
ステップM26では、二次元連続領域の平均CT値および面積は、ある一定の閾値を超えたかを判断し、YESであればステップM27へ行き、NOであればステップM21へ戻る。ステップM22からステップM26までの処理の流れの詳細は図22のフローチャートで説明する。ステップM22,ステップM23,ステップM24,ステップM25,ステップM26における関心領域ROI内に存在する二次元連続領域のうちで、最大値画素の含まれる二次元連続領域の平均CT値および面積を求め、あらかじめ定めたある一定の閾値を超えるかの比較を行う。
ステップM27では本スキャン準備を行い、ステップM28では本スキャン起動を行う。図12のステップM5およびステップM6と同じである。
以下に、図22は、二次元連続領域内の最大画素値検索および最大画素値と閾値との比較のフローチャートであり、このフローチャートについて説明する。
ステップT31においては、最大画素値Pxm=−1000 i=1,画素値の和S=0、画素数Q=0に初期化する。
ステップT32においては、y=yli,x=xsiとする。
ステップT33においては、関心領域ROIの画素G(x,y)を入力する。画素値の和をS=S+G(x,y)、画素数Q=Q+1とする。
ステップT34においては、最大画素値Pxm<<G(x,y)かを判断し、YESならばステップT35へ行き、NOならばステップT37へ行く。
ステップT35においては、最大画素値Pxm=G(x,y)とする。
ステップT36においては、閾値T>S/Qかを判断し、YESならばステップT37へ行き、NOならば閾値T以上に最大画素値S/Qがなったとして終了する。
ステップT37においては、x≧xeiかを判断し、YESならばステップT38へ行き、NOならばステップT39へ行く。
ステップT38においては、y≧ylnかを判断し、YESならば終了し、NOならばステップT40へ行く。
ステップT39においては、x=x+1とする。これにより、関心領域ROI内の画素のx座標を次のx座標に進めてステップT32に戻る。
ステップT40においては、i=i+1とする。これにより、関心領域ROI内の画素のy座標を次のy座標に進めてステップT32に戻る。
造影剤同期撮影のモニタスキャンMSで設定する関心領域ROIは、造影剤が流れて来てCT値が上昇する大動脈などの血管に設定される。この造影剤による血管内のCT値があらかじめ設定されたある一定の閾値を超えたら、図10のステップC9およびステップC10に進み、造影剤同期撮影の本スキャンを開始する。
この時に、従来はモニタスキャンMSの関心領域ROI内の平均CT値を用いていたが、関心領域ROIが血管径に対して大きすぎると充分CT値が上がらないなどにより、うまくトリガがかけられない場合があった。これを避けて確実にトリガをかけるには、関心領域ROI内の造影剤が流れてくる血管部分に相当する二次元連続領域の平均CT値および面積があらかじめ設定されたある一定の閾値を超えたら、造影剤同期撮影の本スキャンが開始するようにすれば良い。この場合は、造影剤が流れてくる血管部分に相当する二次元連続領域の平均CT値を用いるので、関心領域ROIの大きさには影響されずに安定して本スキャンのトリガをかけることができる。
図23Aはヒストグラム測定に基づいたモニタスキャンMS3の画像処理のフローチャートであり、図23Bは最大値画素と二次元連続領域を示した図である。モニタスキャンMS3の処理を基本画像処理に基づいて実現すると、図23Aのような処理の流れとなる。
ステップG21では、断層像撮影を行う。
ステップG22では、関心領域ROIのヒストグラム測定を行う。
ステップG23では、閾値を超える画素があるかを判断し、YESならばステップG24へ行き、NOならばステップG21へ戻る。
ステップG24では、関心領域ROI内の2値化処理を行う。
ステップG25では、関心領域ROI内の二次元連続領域番号付処理(ラベリング処理)を行う。
ステップG26では、各二次元連続領域のヒストグラム測定を行い、関心領域ROI内の最大値画素とその領域番号を求める。
ステップG27では、最大値画素の二次元連続領域の平均CT値および面積を求める。ステップG27においては、図23Bに示すように、最大画素値を含む二次元連続領域の平均CT値およびその面積を求める。
ステップG28では、二次元連続領域の平均CT値は閾値を超えたかを判断し、YESならばステップG29へ行き、NOならばステップG21へ戻る。ステップG24の2値化の閾値はステップG28の平均CT値の閾値としても良い。
ステップG29では本スキャン準備を行い、ステップG30では本スキャン起動を行う。図12のステップM5およびステップM6と同じである。
<<モニタスキャンMS4の実施例>>
図24にモニタスキャンMS4の実施例の場合のフローチャートを示す。図25は、左に断層像CSIを示し、右に断層像CSI中の三次元関心領域ROI内の走査を示す。
ステップM31では、複数枚断層像撮影を行う。モニタスキャンMS1と同様に、通常モニタスキャンMSにおける断層像撮影は、被曝低減のため連続撮影は行わず、図13のように一定時間間隔T1でコンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)を行う。
ステップM32では、三次元関心領域ROIの画素入力を行う。
ステップM33では、三次元関心領域ROI内の三次元連続領域の2値化を行う。
ステップM34では、三次元関心領域ROI内の三次元連続領域番号付(ラベリング)を行う。この時の関心領域ROIの三次元連続領域内の全画素の走査は、図25のように三次元ラベリング処理で得られたz軸方向に連続して並んだ各xy平面において、各y座標におけるx方向のラン座標であるx方向始点座標、x方向終点座標の範囲を走査して行く。つまり、z軸方向の始点と終点の範囲z∈[z1,zm]において、最大画素値を含む三次元連続領域の各z座標におけるxy平面のy方向の始点と終点の範囲y∈[yl1,yln]について、各々のy座標におけるx方向の始点と終点の範囲x∈[xsi,xei]について走査を行う。
ステップM35では、三次元関心領域ROI内の最大画素値を含む三次元連続領域を抽出、および三次元連続領域の平均CT値および体積計算を行う。抽出した三次元連続領域において、図25に示すように最大画素値を含む三次元連続領域を走査して、その三次元連続領域の平均CT値および体積を求める。
ステップM36では、三次元連続領域の平均CT値および体積は、ある一定の閾値を超えたかを判断し、YESであればステップM37へ行き、NOであればステップM31へ戻る。ステップM32からステップM36までの処理の流れの詳細は図26のフローチャートで説明する。ステップM32,ステップM33,ステップM34,ステップM35,ステップM36における三次元関心領域ROI内に存在する三次元連続領域のうちで、最大値画素の含まれる三次元連続領域の平均CT値および体積を求め、あらかじめ定めたある一定の閾値を超えるかの比較を行う。
ステップM37では本スキャン準備を行い、ステップM38では本スキャン起動を行う。図12のステップM5およびステップM6と同じである。
図26は、図25に示された三次元連続領域内の最大画素値検索および最大画素値と閾値との比較のフローチャートであり、このフローチャートについて説明する。
ステップT51においては、最大画素値Pxm=−1000 i=1,z=1に初期化する。
ステップT52においては、y=yli,x=xsiとする。
ステップT53においては、関心領域ROIの画素G(x,y,z)を入力する。
ステップT54においては、Pxm<<G(x,y,z)かを判断し、YESならばステップT55へ行き、NOならばステップT57へ行く。
ステップT55においては、Pxm=G(x,y,z)とする。
ステップT56においては、閾値T>Pxmかを判断し、YESならばステップT57へ行き、NOならば閾値T以上に最大画素値Pxmがなったとして終了する。
ステップT57においては、x≧xeiかを判断し、YESならばステップT58へ行き、NOならばステップT60へ行く。
ステップT58においては、y≧ylnかを判断し、YESならばステップT59へ行き、NOならばステップT61へ行く。
ステップT59においては、z≧mかを判断し、YESならば終了し、NOならばステップT62へ行く。
ステップT60においては、x=x+1とする。これにより、関心領域ROI内の画素のx座標を次のx座標に進めてステップT52に戻る。
ステップT61においては、i=i+1とする。これにより、関心領域ROI内の画素のy座標を次のy座標に進めてステップT52に戻る。
ステップT62においては、z=z+1とする。これにより、関心領域ROI内の画素のz座標を次のz座標に進めてステップT52に戻る。
造影剤同期撮影のモニタスキャンMSで設定する関心領域ROIは、造影剤が流れて来てCT値が上昇する大動脈などの血管に設定される。この造影剤による血管内のCT値があらかじめ設定されたある一定の閾値を超えたら、図10のステップC9およびステップC10に進み、造影剤同期撮影の本スキャンを開始する。
この時に、従来はモニタスキャンMSの関心領域ROI内の平均CT値を用いていたが、関心領域ROIが血管径に対して大きすぎると充分CT値が上がらないなどにより、うまくトリガがかけられない場合があった。これを避けて確実にトリガをかけるには、関心領域ROI内の造影剤が流れてくる血管部分に相当する三次元連続領域の平均CT値および体積があらかじめ設定されたある一定の閾値を超えたら、造影剤同期撮影の本スキャンが開始するようにすれば良い。この場合は、造影剤が流れてくる血管部分に相当する三次元連続領域の平均CT値を用いるので、関心領域ROIの大きさには影響されずに安定して本スキャンのトリガをかけることができる。
また、モニタスキャンMS4の処理を基本画像処理に基づいて実現すると、図27のような処理の流れとなる。
ステップG31では、断層像撮影を行う。
ステップG32では、三次元関心領域ROIのヒストグラム測定を行う。
ステップG33では、閾値を超える画素があるかを判断し、YESならばステップG34へ行き、NOならばステップG31へ戻る。
ステップG34では、三次元関心領域ROI内の2値化処理を行う。なお、ステップG34の2値化の閾値はステップ38の平均CT値の閾値としてもよい。
ステップG35では、三次元関心領域ROI内の三次元連続領域番号付処理(ラベリング処理)を行う。
ステップG36では、各三次元連続領域のヒストグラム測定を行い、三次元関心領域ROI内の最大値画素とその領域番号を求める。
ステップG37では、最大値画素の三次元連続領域の平均CT値および体積を求める。ステップG37においては、最大値画素を含む三次元連続領域の平均CT値およびその体積を求める。
ステップG38では、三次元連続領域の平均CT値および体積は閾値を超えたかを判断し、YESならばステップG39へ行き、NOならばステップG31へ戻る。テップG34の2値化の閾値はステップG38の平均CT値の閾値としても良い。
ステップG39では本スキャン準備を行い、ステップG40では本スキャン起動を行う。図12のステップM5およびステップM6と同じである。
<<モニタスキャンMS5の実施例>>
図28にモニタスキャンMS5の実施例の場合のフローチャートを示す。
ステップM41では、断層像撮影を行う。モニタスキャンMS1と同様に、通常モニタスキャンMSにおける断層像撮影は、被曝低減のため連続撮影は行わず、図13のように一定時間間隔T1でコンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)を行う。
ステップM42では、関心領域ROI1、関心領域ROI2の画素入力を行う。例えば関心領域ROI2は、図14の肝臓中の丸印部分である。
ステップM43では、図14のように関心領域ROI内の画素を走査し、関心領域ROI1,関心領域ROI2の最大値画素の検索を行う。
ステップM44では、関心領域ROI1の最大値画素が、ある一定の閾値を超えたかを判断し、YESであればステップM45へ行き、NOであればステップM41へ戻る。
ステップM45では、関心領域ROI2の最大値画素が、ある一定の閾値を超えたかを判断し、YESであればステップM46へ行き、NOであればステップM41へ戻る。
ステップM46では本スキャン準備を行い、ステップM47では本スキャン起動を行う。図12のステップM5およびステップM6と同じである。
この場合は、モニタスキャンMSした断層像のxy平面内に関心領域ROI1,関心領域ROI2の2つの関心領域ROIが存在している。通常、造影剤同期撮影のモニタスキャンMSで複数個、例えば2つの関心領域ROIを設定する場合には、例えば1つの関心領域ROIを造影剤が流れて来てCT値がまず始めに上がりそうな大動脈などの血管の部分に設定する。また、もう1つの関心領域ROIは造影して撮影したい臓器で始めに造影剤に染まりそうな部分に設定する。このように、複数の関心領域ROIにおいて、造影剤が充分に来たかを確認した後に、本スキャンのトリガをかけると関心領域ROIが1つしか設定されていなかった場合に比べ、確実に本スキャンの起動を逃すことなくかけられる。このように、複数個所の造影剤の到達を確認することで血管以外の画素がたまたま、あらかじめ定めたある一定の閾値を超えてしまい、本スキャンの起動がかかってしまう誤動作を防ぐことができる。
<<モニタスキャンMS6の実施例>>
図29にモニタスキャンMS6の実施例の場合のフローチャートを示す。
ステップM51では、断層像1撮影を行う。モニタスキャンMS1と同様に、通常モニタスキャンMSにおける断層像撮影は、被曝低減のため連続撮影は行わず、図13のように一定時間間隔T1でコンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)を行う。
ステップM52では、関心領域ROI1の画素入力を行う。
ステップM53では、図14のように関心領域ROI1内の画素を走査し、関心領域ROI1の最大値画素の検索を行う。
ステップM54では、関心領域ROI1の最大値画素が、ある一定の閾値を超えたかを判断し、YESであればステップM55へ行き、NOであればステップM51へ戻る。
ステップM55では、断層像2撮影を行う。モニタスキャンMS1と同様に、通常モニタスキャンMSにおける断層像撮影は、被曝低減のため連続撮影は行わず、図13のように一定時間間隔T1でコンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)を行う。
ステップM56では、関心領域ROI2の画素入力を行う。
ステップM57では、図14のように関心領域ROI2内の画素を走査し、関心領域ROI2の最大値画素の検索を行う。
ステップM58では、関心領域ROI2の最大値画素が、ある一定の閾値を超えたかを判断し、YESであればステップM59へ行き、NOであればステップM55へ戻る。
ステップM59では本スキャン準備を行い、ステップM60では本スキャン起動を行う。図12のステップM5およびステップM6と同じである。
この場合は、モニタスキャンMSした2個所の断層像を用いている。例えば、異なるz軸方向座標位置の2個所の断層像の場合、または多列X線検出器による複数の断層像のうちの2枚の断層像の場合などが考えられる。いずれの場合においてもz軸方向に離れた位置の2枚の断層像において、各々1つまたは複数の関心領域ROIを設定する。1つの関心領域ROIのみを設定する場合は、造影剤が流れて来てCT値がまず上がりそうな大動脈などの血管部分に設定する。複数の関心領域ROIを設定する場合は更に、撮影したい臓器で始めに造影剤が染まりそうな部分に設定する。これらの関心領域ROIはz軸方向に異なる座標位置の各々の断層像に設定する。
また、z軸方向に異なる座標位置の断層像が多列X線検出器24の中の異なる列同士であれば、X線管21および多列X線検出器24とクレードル12との相対位置は、あるz軸方向座標位置に留まって、ある一定時間間隔T1で図13のようにモニタスキャンMSを行えば良い。
また、多列X線検出器24の幅を超えてz軸方向に離れた2つの断層像の場合は、z軸方向に2個所のモニタスキャンMSを行うことになる。図31に示すように、z=z1のz軸方向座標位置で1枚目の断層像撮影をして、モニタスキャンMS後にX線管21および多列X線検出器24とクレードル12との相対位置を移動させて、z=z2のz軸方向座標位置で2枚目の断層像撮影をして、モニタスキャンMS後に本スキャンの起動を行う。なお、この場合の最大画素値探索方法は、モニタスキャンMS1の実施例と同様で良い。このz軸方向に2個所の断層像の各々の位置の関心領域ROIにおいて、造影剤が充分に来たことを確認した後に本スキャンのトリガをかけると、1枚の断層像上で1つの関心領域ROIしか設定されていなかった場合に比べて、確実に本スキャンのトリガを逃すことなくかけられる。この場合は、関心領域ROIの最大画素値を用いているが、モニタスキャンMS2のように関心領域ROIの最大画素N個分のCT値平均、モニタスキャンMS3のように関心領域ROIの最大画素値を含む二次元連続領域の平均CT値、モニタスキャンMS4のように関心領域ROIの最大画素値を含む三次元連続領域の平均CT値を用いても同様もしくは更なる効果が得られる。このように、複数の断層像において複数の関心領域ROIで造影剤の到達を確認することで、血管以外の画素がたまたま、あらかじめ定めたある一定の閾値を超えてしまい、本スキャンのトリガがかかってしまう誤動作を防ぐことができる。
<<モニタスキャンMS7の実施例>>
図30にモニタスキャンMS7の実施例の場合のフローチャートを示す。
ステップM61では、断層像1撮影を行う。モニタスキャンMS1と同様に、断層像1の撮影、断層像2の撮影は被曝低減のため連続撮影は行わず、図31のように一定時間間隔T1でモニタスキャンMSを行う。この時に、z軸方向座標位置z=z1,z=z2の間を被検体を乗せた撮影テーブルは往復動作を行うが、この時に、図31のテーブル移動速度のように加速、減速を行いながらも撮影を行うことにより、T1およびΔTを短くすることができる。
ステップM62では、断層像2撮影を行う。
ステップM63では、関心領域ROI1の画素入力を行う。
ステップM64では、関心領域ROI2の画素入力を行う。
ステップM65では、関心領域ROI1の最大値画素の検索を行う。
ステップM66では、関心領域ROI2の最大値画素の検索を行う。
ステップM67では、関心領域ROI1の最大値画素が閾値を超えたかを判断し、YESであればステップM68へ行き、NOであればステップM61へ戻る。
ステップM68では、関心領域ROI2の最大値画素が閾値を超えたかを判断し、YESであればステップM69へ行き、NOであればステップM61へ戻る。
ステップM69では本スキャン準備を行い、ステップM70では本スキャン起動を行う。図12のステップM5およびステップM6と同じである。
この場合は、モニタスキャンMSした2個所の断層像を用いている。例えば、異なるz軸方向座標位置の2個所の断層像の場合、または多列X線検出器による複数の断層像のうちの2枚の断層像の場合などが考えられる。いずれの場合においてもz軸方向に離れた位置の2枚の断層像において、各々1つまたは複数の関心領域ROIを設定する。1つの関心領域ROIのみを設定する場合は、造影剤が流れて来てCT値がまず上がりそうな大動脈などの血管部分に設定する。複数の関心領域ROIを設定する場合は更に、撮影したい臓器で始めに造影剤が染まりそうな部分に設定する。これらの関心領域ROIはz軸方向に異なる座標位置の各々の断層像に設定する。
また、z軸方向に異なる座標位置の断層像が多列X線検出器24の中の異なる列同士であれば、X線管21および多列X線検出器24とクレードル12との相対位置は、あるz軸方向座標位置に留まって、ある一定時間間隔T1で図13のようにモニタスキャンMSを行えば良い。
しかし、多列X線検出器幅を超えてz軸方向に離れた2つの断層像において、z軸方向に2個所のモニタスキャンMSを行う場合には、図31に示すように、z=z1のz軸方向座標位置で1枚目の断層像撮影後にX線管21および多列X線検出器24とクレードル12との相対位置はz軸方向に移動して、z=z2のz軸方向座標位置で2枚目の断層像撮影を行う。このX線管21および多列X線検出器24とクレードル12との相対位置のz軸方向移動時間を図31のようにΔTとすると、z=z1の断層像撮影後、ΔT秒後にz=z2の断層像撮影を行い、更にT1−ΔT秒後にz=z1の断層像撮影を行う。これを繰り返すことにより、z=z1,z=z2のいずれのz軸方向座標位置の断層像もT1秒間隔で断層像撮影が行える。
図30のフローチャートに示したように、z=z1,z=z2の2個所の断層像撮影を交互に行った後に、2枚の断層像において断層像1上の関心領域ROI1、断層像2上の関心領域ROI2の最大値画素を検索する。この場合の最大画素値検索方法は、モニタスキャンMS1の実施例と同様で良い。この2つの関心領域ROIに造影剤が充分に来たことを確認した後に本スキャンのトリガをかけると、1枚の断層像上で1つの関心領域ROIしか設定されていなかった場合に比べて、確実に本スキャンのトリガを逃すことなくかけられる。この場合は、関心領域ROIの最大画素値を用いているが、モニタスキャンMS2のように関心領域ROIの最大画素N個分のCT値平均、モニタスキャンMS3のように関心領域ROIの最大画素値を含む二次元連続領域の平均CT値、モニタスキャンMS4のように関心領域ROIの最大画素値を含む三次元連続領域の平均CT値を用いても同様もしくは更なる効果が得られる。このように、複数の断層像において複数の関心領域ROIで造影剤の到達を確認することで、血管以外の画素がたまたま、あらかじめ定めたある一定の閾値を超えてしまい、本スキャンのトリガがかかってしまう誤動作を防ぐことができる。
上記に示したモニタスキャンMSの各種実施例により、本スキャンのトリガをかけることができる。ただし、モニタスキャンMSの被曝について以下に記述する。
<モニタスキャンMSにおける低被曝方法>
モニタスキャンMSは、そもそも本スキャンを適切なタイミングで起動するためのもので、診断には直接貢献しない。このため、X線被曝の観点からはなるべく被曝線量は少ないほうが好ましい。つまり、図13および図31に示すモニタスキャンMSの間欠スキャンの間隔T1は長い方が被曝線量の観点からは好ましいが、最適なタイミングで遅れることなく本スキャンを起動したいというタイミング制御の観点からはT1はあまり長くない方が良い。このように、モニタスキャンMSの間欠スキャンの間隔T1は、被曝線量と最適タイミング制御のトレードオフになる。
また、モニタスキャンMSのX線管電流を少なくして被曝線量を下げることは被曝低減の観点からは好ましいが、あまりX線管電流を下げすぎると断層像の画質劣化となり、関心領域ROIの画素値測定の際に誤差となり、この測定誤差が適正なタイミングで本スキャンを起動するタイミングの誤差となる可能性がある。つまり、X線管電流も被曝線量と最適タイミング制御のトレードオフとなる。このため、モニタスキャンMSにおいてはX線被曝低減のために断層像のスライス厚は最低限とし、X線照射開口幅も最低限とするのが好ましい。
これに対して、本スキャンにおいては、被検体の負担を減らすためになるべく少ない造影剤で撮影することを考えると、z軸方向のX線照射開口幅をなるべく広げ、速いヘリカルスキャンピッチで可変ピッチヘリカルスキャンやヘリカルシャトルスキャンを行うのが好ましい。このため、本スキャンに比べモニタスキャンMSのz軸方向のX線照射開口幅は狭い方が好ましい。このため、モニタスキャンMS1,モニタスキャンMS2,モニタスキャンMS3,モニタスキャンMS5の場合は、断層像は最低限1枚の断層像があれば充分である。
また、モニタスキャンMS4の場合においては、三次元の関心領域ROIを含む最小限のX線照射ビーム、X線照射開口幅となるようにX線コリメータ23を制御することにより、モニタスキャンのX線被曝線量を低減させるのが好ましい。
また、モニタスキャンMS6における異なるz軸方向座標位置の2個所のコンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)またはシネスキャンによる断層像の場合は、各々のz軸方向座標位置における各々のコンベンショナルスキャン(アキシャルスキャン)またはシネスキャンによる断層像のスライス厚はなるべく薄く、X線照射開口幅もなるべく狭くするのが好ましい。
また、モニタスキャンMS6の多列X線検出器による複数の断層像のうちの2枚の断層像を用いてz軸方向に異なる座標位置の断層像とする場合は、この2枚の断層像をX線照射ビームの両端とするようになるべくX線照射開口幅を狭めるようにX線コリメータ23を制御することにより、モニタスキャンのX線被曝線量を低減させるのが好ましい。
<本スキャン準備および本スキャン開始>
本スキャンに移るまでのクレードル12の動作、X線管21および多列X線検出器24の動作、またはクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との相対的な動作について説明する。図10におけるステップC9の本スキャン準備からステップC10の本スキャン開始においては以下のような態様がある。
1.本スキャン準備動作1
モニタスキャン位置からz軸方向に移動し、折り返して本スキャンを行う。
本スキャン時には、X線を出力してからX線投影データ収集を開始して本スキャンz軸方向移動を行う。
2.本スキャン準備動作2
モニタスキャン位置からz軸方向に移動し、折り返さずに本スキャンを行う。
本スキャン時には、X線を出力してからX線投影データ収集を開始して本スキャンz軸方向移動を行う。
3.本スキャン準備動作3
モニタスキャン位置からz軸方向に移動し、折り返して本スキャンを行うが、本スキャン時にz軸方向に一定時間、滞留してから本スキャンを行う。
本スキャン時には、X線を出力してからX線投影データ収集を開始して本スキャンz軸方向移動を行う。
4.本スキャン準備動作4
モニタスキャン位置からz軸方向に移動し、折り返さずに本スキャンを行うが、本スキャン時に一定時間、滞留してから本スキャンを行う。
本スキャン時には、X線を出力してからX線投影データ収集を開始して本スキャンz軸方向移動を行う。
5.本スキャン準備動作5
モニタスキャン位置からz軸方向に移動し、本スキャンを行う。
本スキャン時には、本スキャンz軸方向移動を行ってからX線を出力し、X線投影データ収集を行う。
6.本スキャン準備動作6
モニタスキャン位置からz軸方向に移動し、減速、加速することなく本スキャンに入る。
<<本スキャン準備動作1>>
本スキャン準備動作1においては、モニタスキャン位置からz軸方向に移動し、折り返して本スキャンを行う。本スキャン時にはX線を出力し、X線投影データ収集を開始してから本スキャンの可変ピッチヘリカルスキャンまたはヘリカルシャトルスキャンにおけるクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との相対動作によるz軸方向移動を行う。
この場合には、クレードル12をz軸方向に移動、X線管21および多列X線検出器24をz軸方向に移動、またはクレードル12とX線管21および多列X線検出器24とを相対的に移動させる時に、z軸方向に加速中からX線投影データ収集を行う。このため、従来のヘリカルスキャンを用いた本スキャンのように、加速するための助走距離、助走時間などは不要のため、短時間で本スキャンのX線投影データ収集に入ることができる。
図32に、本スキャン準備動作1のクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との相対動作を示す。
時間[t0,t1]においては、速度0から−v1まで加速し、z軸方向にz3→z2と移動する。
時間[t1,t2]においては、一定速度−v1で移動し、z軸方向にz2→z1と移動する。
時間[t2,t3]においては、速度−v1から0まで減速し、z軸方向にz1→z0と移動する。
時間[t3,t4]においては、速度0からv1まで加速し(加速度a1)、z軸方向にz0→z1と移動しながら本スキャンを行う。
時間[t4,t5]においては、一定速度v1で移動し、z軸方向にz1→z4と移動しながら本スキャンを行う。
時間[t5,t6]においては、速度v1から0まで減速し(減速度a2)、z軸方向にz4→z5と移動しながら本スキャンを行う。
なお、この際に本スキャンのX線投影データ収集は時刻t3から開始し、X線を出力しX線投影データ収集を開始してから本スキャンの可変ピッチヘリカルスキャンz軸方向移動を行っている。図32では、可変ピッチヘリカルスキャンの例を示しているが、ヘリカルシャトルスキャンを用いても良い。
<<本スキャン準備動作2>>
本スキャン準備動作2においては、モニタスキャン位置からz軸方向に移動し、折り返さずに本スキャンを行う。本スキャン時にはX線を出力し、X線投影データ収集を開始してから本スキャンの可変ピッチヘリカルスキャンまたはヘリカルシャトルスキャンにおけるクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との相対動作によるz軸方向移動を行う。
この場合には、クレードル12をz軸方向に移動、X線管21および多列X線検出器24をz軸方向に移動、またはクレードル12とX線管21および多列X線検出器24を相対的に移動させる時に、z軸方向に加速中からX線投影データ収集を行う。このため、従来のヘリカルスキャンを用いた本スキャンのように、加速するための助走距離、助走時間などは不要のため、短時間で本スキャンのX線投影データ収集に入ることができる。
図33に、本スキャン準備動作2のクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との相対動作を示す。
時間[t0,t1]においては、速度0からv1まで加速し、z軸方向に−z3→−z2と移動する。
時間[t1,t2]においては、一定速度v1で移動し、z軸方向に−z2→−z1と移動する。
時間[t2,t3]においては、速度v1から0まで減速し、z軸方向に−z1→z0と移動する。
時間[t3,t4]においては、速度0からv1まで加速し、z軸方向にz0→z1と移動しながら本スキャンを行う。
時間[t4,t5]においては、一定速度v1で移動し、z軸方向にz1→z4と移動しながら本スキャンを行う。
時間[t5,t6]においては、速度v1から0まで減速し、z軸方向にz4→z5と移動しながら本スキャンを行う。
なお、この際に本スキャンのX線投影データ収集は時刻t3から開始し、X線を出力しX線投影データ収集を開始してから本スキャンの可変ピッチヘリカルスキャンz軸方向移動を行っている。図33では、可変ピッチヘリカルスキャンの例を示しているが、ヘリカルシャトルスキャンを用いても良い。
<<本スキャン準備動作3>>
本スキャン準備動作3においては、モニタスキャン位置からz軸方向に移動し、折り返して本スキャンを行うが、本スキャン時にz軸方向に一定時間、滞留しながら本スキャンを行う。本スキャン時にはX線を出力し、X線投影データ収集を開始してから本スキャンの可変ピッチヘリカルスキャンまたはヘリカルシャトルスキャンにおけるクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との相対動作によるz軸方向移動を行う。
この場合には、クレードル12をz軸方向に移動、X線管21および多列X線検出器24をz軸方向に移動、またはクレードル12とX線管21および多列X線検出器24とを相対的に移動させる時に、z軸方向に加速中からX線投影データ収集を行う。このため、従来のヘリカルスキャンを用いた本スキャンのように、加速するための助走距離、助走時間などは不要のため、短時間で本スキャンのX線投影データ収集に入ることができる。
図34に、本スキャン準備動作3のクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との相対動作を示す。
時間[t0,t1]においては、速度0から−v1まで加速し、z軸方向とz3→z2に移動する。
時間[t1,t2]においては、一定速度−v1で移動し、z軸方向とz2→z1に移動する。
時間[t2,t3]においては、速度−v1から0まで減速し、z軸方向とz1→z0に移動する。
時間[t3,t4]においては、z=z0で滞留しながら本スキャンを行う。
時間[t4,t4’]においては、速度0からv1まで加速し、方向にz0→z1と移動しながら本スキャンを行う。
時間[t4’,t5]においては、一定速度v1で移動し、z軸方向にz1→z6と移動しながら本スキャンを行う。
時間[t5,t6]においては、速度v1から0まで減速し、z軸方向にz6→z7と移動しながら本スキャンを行う。
時間[t6,t7]においては、z=z7で滞留しながら本スキャンを行う。
なお、この際に本スキャンのX線投影データ収集は時刻t3から開始し、X線を出力しX線投影データ収集を開始してから本スキャンの可変ピッチヘリカルスキャンz軸方向移動を行っている。図34では、可変ピッチヘリカルスキャンの例を示しているが、ヘリカルシャトルスキャンを用いても良い。
<<本スキャン準備動作4>>
本スキャン準備動作4においては、モニタスキャン位置からz軸方向に移動し、折り返さずに本スキャンを行うが、本スキャン時にz軸方向に一定時間、滞留しながら本スキャンを行う。本スキャン時にはX線を出力し、X線投影データ収集を開始してから本スキャンの可変ピッチヘリカルスキャンまたはヘリカルシャトルスキャンにおけるクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との相対動作によるz軸方向移動を行う。
この場合には、クレードル12をz軸方向に移動、X線管21および多列X線検出器24をz軸方向に移動、またはクレードル12とX線管21および多列X線検出器24とを相対的に移動させる時に、z軸方向に加速中からX線投影データ収集を行う。このため、従来のヘリカルスキャンを用いた本スキャンのように、加速するための助走距離、助走時間などは不要のため、短時間で本スキャンのX線投影データ収集に入ることができる。
図35に、本スキャン準備動作4のクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との相対動作を示す。
時間[t0,t1]においては、速度0からv1まで加速し、z軸方向に−z3→−z2と移動する。
時間[t1,t2]においては、一定速度v1で移動し、z軸方向に−z2→z1と移動する。
時間[t2,t3]においては、速度v1から0まで減速し、z軸方向に−z1→z0と移動する。
時間[t3,t4]においては、z=z0で滞留しながら本スキャンを行う。
時間[t4,t4’]においては、速度0からv1まで加速し、方向にz0→z1と移動しながら本スキャンを行う。
時間[t4’,t5]においては、一定速度v1で移動し、z軸方向にz1→z6と移動しながら本スキャンを行う。
時間[t5,t6]においては、速度v1から0まで減速し、z軸方向にz6→z7と移動しながら本スキャンを行う。
時間[t6,t7]においては、z=z7で滞留しながら本スキャンを行う。
なお、この際に本スキャンのX線投影データ収集は時刻t3から開始し、X線を出力しX線投影データ収集を開始してから本スキャンの可変ピッチヘリカルスキャンz軸方向移動を行っている。図35では、可変ピッチヘリカルスキャンの例を示しているが、ヘリカルシャトルスキャンを用いても良い。
<<本スキャン準備動作5>>
本スキャン準備動作5においては、モニタスキャン位置からz軸方向に移動し、折り返して本スキャンを行う。本スキャン時には本スキャンの可変ピッチヘリカルスキャンまたはヘリカルシャトルスキャンにおけるクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との相対動作によるz軸方向移動を始めた後にX線を出力し、X線投影データ収集を開始する。
この場合には、クレードル12をz軸方向に移動、X線管21および多列X線検出器24をz軸方向に移動、またはクレードル12とX線管21および多列X線検出器24とを相対的に移動させる時に、z軸方向に加速中からX線投影データ収集を行うため、従来のヘリカルスキャンを用いた本スキャンのように、加速するための助走距離、助走時間などは不要のため、短時間で本スキャンのX線投影データ収集に入ることができる。
図36に、本スキャン準備動作5のクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との相対動作を示す。
時間[t0,t1]においては、速度0から−v1まで加速し、z軸方向にz3→z2と移動する。
時間[t1,t2]においては、一定速度v1で移動し、z軸方向にz2→z1と移動する。
時間[t2,t3]においては、速度−v1から0まで減速し、z軸方向にz1→z0と移動する。
時間[t3,t4]においては、速度0からv1まで加速し、z軸方向にz0→z1と移動する。この時に時刻t8よりX線投影データ収集を開始する。
時間[t4,t5]においては、一定速度v1で移動し、z軸方向にz1→z4と移動しながら本スキャンのX線投影データ収集を行う。
時間[t5,t6]においては、速度v1から0まで減速し、z軸方向にz4→z6と移動する。この時に時刻t9においてX線投影データ収集を終了する。
なお、この際に時刻t3で本スキャンの可変ピッチヘリカルスキャンにおけるクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との相対動作によるz軸方向移動を開始してからX線を出力し、時刻t8でX線投影データ収集を開始し、時刻t9においてX線出力を停止し、X線投影データ収集を終了し、その後、時刻t6において可変ピッチヘリカルスキャンまたはヘリカルシャトルスキャンにおけるクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との相対動作によるz軸方向移動を停止させる。図36では、可変ピッチヘリカルスキャンの例を示しているが、ヘリカルシャトルスキャンを用いても良い。
この本スキャン準備動作5においては、本スキャン時に可変ピッチヘリカルスキャンまたはヘリカルシャトルスキャンにおけるクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との相対動作によるz軸方向移動を行った後に、X線投影データ収集を開始している。これはモニタスキャン準備動作1のX線投影データ収集の開始タイミングをずらしたものに当たる。これと同時にX線投影データ収集の開始タイミングをずらしてモニタスキャン準備動作2にも同様のことを行うこともできる。
<<本スキャン準備動作6>>
本スキャン準備動作6においては、モニタスキャン位置からz軸方向に移動し、折り返さずに本スキャンを行う。本スキャン時にはX線を出力し、X線投影データ収集を開始する際には、本スキャンの可変ピッチヘリカルスキャンまたはヘリカルシャトルスキャンにおけるクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との相対動作によるz軸方向移動のX線投影データ収集開始位置近辺での減速動作および加速動作は行わずに、一定速度でz軸方向に移動したままで、X線を出力し、X線投影データ収集を開始する。
図37に、本スキャン準備動作6のクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との相対動作を示す。
時間[t0,t1]においては、速度0からv1まで加速し、z軸方向に−z3→−z2と移動する。
時間[t1,t3]においては、一定速度v1で移動し、z軸方向に−z2→z0と移動する。
時間t3においては、減速することなく一定速度で移動し続けてX線を出力し、X線投影データ収集を開始する。
時間[t3,t5]においては、一定速度v1で移動し、z軸方向にz0→z6と移動する。
時間[t5,t6]においては、速度v1から0まで減速し、z軸方向にz6→z7と移動する。
上記に示した本スキャン準備動作1から本スキャン準備動作6までの本スキャン準備動作により、本スキャン準備および本スキャンを開始することができる。なお、本スキャンにおいては図5に示すようなX線投影データ収集および画像再構成を行う。
上記の本スキャン準備動作1から本スキャン準備動作6までの実施例により、モニタスキャンから本スキャンに移るまでのクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との相対的な動作について説明したが、本スキャン準備動作1から本スキャン準備動作5までは、いずれも本スキャン撮影開始時にはクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との相対動作において加速しながら撮影することにより、造影剤同期撮影のタイミング制御の改善を行った。
また、本スキャン準備動作6においては、本スキャン撮影開始時にクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との相対的動作において減速することなく、本スキャンの撮影に入ることで造影剤同期撮影のタイミング制御改善を実現している。
<本スキャンにおける低被曝方法>
本スキャンにおいては以下のようにX線コリメータ23を制御することにより、被曝低減を行うことができる。
まず、X線管21および多列X線検出器24を含む走査ガントリ20が静止している場合に、被検体を乗せたクレードル12をz軸方向に加速動作、減速動作を行って可変ピッチヘリカルスキャンを行う場合を考える。
図38Aに示すように、X線投影データ収集開始時にクレードル12の進行方向とは反対側の反進行方向のX線コリメータ23の開口をX線管21から多列X線検出器24の中心を結ぶz座標Zdまで閉じておき、クレードル12の進行度合に合わせてX線コリメータ23の開口を徐々に開いてX線投影データ収集を行う。
また、図38Aに示すように、X線投影データ収集終了時にはクレードル12の進行方向の側のX線コリメータ23の開口をクレードル12の進行度合に合わせて徐々に閉じて行き、X線データ収集終了時にはX線コリメータ23の開口をz座標Zdまで閉じるようにX線投影データ収集を行う。
これにより、図38Aに示すように、X線ビームXRのうち領域CXにはX線が照射されない。つまり、可変ピッチヘリカルスキャンやヘリカルシャトルスキャンのX線管21および多列X線検出器24の移動範囲とX線照射範囲と断層像画像再構成可能範囲が等しくなり、X線無駄被曝領域がなくなる。これによりX線照射範囲を最大限に利用した断層像画像再構成範囲を実現でき、被曝低減を実現できる。
以下にその具体的な制御の方法を示す。
図39は、X線投影データ収集時におけるコリメータ23の制御の説明図である。図39において、多列X線検出器24の中心z座標zd、ヘリカルスキャン開始時のz座標zs、ヘリカルスキャン停止時のz座標ze、設定されたスライス厚のz座標+側zce、コリメータ23開閉幅cw、コリメータ23の開閉のz座標最大値(+側)zce、コリメータ23開閉のz座標最小値(−側)zcsとする。図40は、X線投影データ収集時におけるコリメータ23の制御の処理の詳細を示すフローチャートである。図41Aは、速度線形制御されたクレードル12の動作を示す図で、図41Cは、速度非線形制御されたクレードル12動作を示す図である。図41BおよびDは、それぞれ速度線形制御された場合のX線管電流を示す図で、速度非線形制御された場合のX線管電流を示す図である。図42は、X線コリメータ23の各位置におけるX線ビームを示す図である。図43は、各コリメータ位置におけるコリメータ位置検出チャネル75の出力、つまりスライス幅を示す図である。
ステップC101では、図41Aや図41Cに示すテーブル直線移動開始位置までクレードル12を低速でテーブル直線移動する。
ステップC102では、コリメータ23を回転中心ICの位置でz≧0の所だけを開いておく。
ステップC103では、X線管21と多列X線検出器24とを被検体の周りにICを回転中心として回転させる。
ステップC104では、クレードル12のテーブル直線移動をスタートさせる。
ステップC105では、クレードル12のテーブル直線移動速度を所定関数に基づいて加速する。図41A,図41Bに所定関数が時間に対して線形制御の場合を示し、図41C,図41Dに所定関数が時間に対して非線形制御の場合を示す。X線管21および多列X線検出器24のz軸方向の中心位置がz=0に到達したらX線を出力する。またコリメータ23の開閉制御も行なう。
また、コリメータ23の開閉具合の測定は、図42のコリメータ23位置A,B,C,D,E,Fに示すコリメータ23の位置検出器チャネル75で行う。図42Aがコリメータ23の開制御で、図42Bが閉制御である。また、矢印であるz軸方向のプラス方向がX線管21および多列X線検出器24の進行方向である。なお、多列X線検出器24の両端部または片側の端部にコリメータ23の位置検出器チャネル75は存在することがわかる。
図42Aにおいてこの位置検出器チャネル75の出力をz軸方向(列方向)に沿って見ると図43のようになる。コリメータ23がこの時の位置検出器チャネル75の出力信号の出ている幅wa,幅wb,幅wcを求めることにより、コリメータ23の開閉具合がわかる。図42でX線投影データ収集開始時にクレードル12の進行方向とは反対側のX線コリメータ23を位置A(多列X線検出器24中心のz座標Zd)まで移動させたとき、幅waは、z座標Zdまでの半分になっている。つまり、テーブル装置10のz軸方向座標を求めるエンコーダによりカウントされたz軸方向の座標は制御コントローラ29にてz軸座標として算出され、スリップリング30を経由しDAS25に到達する。
また、DAS25ではコリメータ23の位置検出器チャネル75の出力から現在のコリメータ23の開閉具合を知ることができ、z座標から求められたコリメータ23の開閉目標値まで開閉するようにコリメータ23に指令を出せる。
また、指令通りに動いたかのフィードバック制御はコリメータ23の位置検出器チャネル75の出力から求められるコリメータ23の開閉値とコリメータ23の開閉目標値との差を求めてフィードバック信号を作り、コリメータ23に指令を出しフィードバック制御を行う。
ステップC106では、コリメータ23をz≧0の所だけを開いておく。つまり、図39中の位置Aまたは図42中のコリメータ位置Aのように、zcs=zs=0になるようにコリメータ23を制御する。
ステップC107では、加速中のX線投影データD0(view,j,i)を収集する。そしてzcs=zsになるようにコリメータ23の開制御を始める。
ステップC108では、クレードル12のテーブル直線移動速度が図41A,図41Cに示す所定速度Vcに達したらステップC109へ進み、所定速度Vcに達してなかったらステップC104に戻ってさらに加速する。
ステップC109では、クレードル12のテーブル直線移動速度を所定速度に維持した状態で定速のX線投影データD0(view, j, i)を収集する。
ステップC110では、クレードル12が図41A,図41Cに示す定速終了位置に達したらステップC111へ進み、定速終了位置に達してなかったらステップC109に戻って定速のX線投影データ収集を継続する。
ステップC111では、クレードル12のテーブル直線移動速度を所定関数に基づいて減速し、それに合わせてX線管電流を減少させる。所定関数が線形制御の場合を図41A,図41Bに示し、所定関数が非線形制御の場合を図41C,図41Dに示す。
コリメータ23のz軸方向最大値側の座標zceがヘリカルスキャン停止時の座標 zeにかかり始めたら、zce=zeになるようにコリメータ23の閉制御し始める。X線管21および多列X線検出器24の中心座標Zd= zeになった時にX線出力を停止する。
ステップC112ではコリメータ23をz≧zeの所だけを開いておく。つまり、zce=zeになるようにコリメータ23を制御する。
ステップC113では、減速中のX線投影データD0(view, j, i)を収集する。
ステップC114では、クレードル12のテーブル直線移動速度が図41A,図41Cに示す停止可能速度に達したらステップC115へ進み、停止可能速度に達してなかったらステップC111に戻ってさらに減速する。
ステップC115では、クレードル12のテーブル直線移動を停止させる。
このようにして、X線投影データ収集のコリメータ23の開口幅および開口位置制御とのクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との相対動作を同期させて制御することにより、相対移動範囲とX線照射範囲を等しくすることができ、最終的に図38Aに示すように、可変ピッチヘリカルスキャンやヘリカルシャトルスキャンのX線管21および多列X線検出器24の移動範囲とX線照射範囲と断層像画像再構成可能範囲が等しくなり、X線無駄被曝領域がなくなる。つまり、これによりX線照射範囲を最大限に利用した断層像画像再構成範囲を実現でき、被曝低減を実現できる。
実施例1の図34に示された本スキャン準備動作3、図35に示された本スキャン準備動作4においては、X線管21および多列X線検出器24とクレードル12が相対的にz軸方向に停止している滞留期間が、時間[t3,t4],時間[t6,t7]に存在している。
特に図7に示すような三次元画像再構成を用いる場合は、図34または図35の時間[t3,t4]および時間[t6,t7]においては、z=z0およびZ=Z7で滞留している。X線管21および多列X線検出器24とクレードル12とが相対的に停止している滞留期間が例えばファン角+180度分以上もしくはファン角+180度程度あれば、図38Bに示すように、X線管21および多列X線検出器24の移動範囲よりも最大でX線ビーム幅の半分程度まで外側に断層像画像再構成範囲を伸ばすことができる。それと同時に、このX線管21および多列X線検出器24の移動範囲の外側における断層像の画質もそれほど劣化させずに画像再構成が行え、X線ビームの当たっている端の列まで断層像を充分な画質で画像再構成できる。このため、図38Bに示すように、X線照射範囲まで断層像画像再構成可能範囲を広げることができ、照射されたX線を有効に使うことができ、X線無駄被曝がなくなり、X線被曝低減が実現できる。
本実施例1においては、X線コリメータ23により画像再構成されない部分のX線を照射しないことで、無駄被曝を低減した。
本実施例2においては、X線管21および多列X線検出器24とのクレードル12が相対的にz軸方向に停止している滞留期間のX線照射を用いて、三次元画像再構成でX線照射範囲まで断層像画像再構成可能範囲を広げて無駄被曝を低減した。
図44Aは従来のヘリカルスキャンのX線照射範囲を示す図で、図44Bは実施例3の走査ガントリ20を傾斜させたヘリカルスキャンのX線照射範囲を示す図である。従来のヘリカルスキャンにおいては図44Aのスキャン開始時、スキャン終了時に示されている斜線部の部分が画像再構成に使用されないX線照射となっていた。これに対し、図44Bにおいてはスキャン開始時、スキャン終了時に、このような画像再構成に使用されないX線照射は存在しない。
本実施例3においては、X線データ収集開始時に走査ガントリ20を傾けて、被検体とX線管21および多列X線検出器24の相対動作でのX線管21および多列X線検出器24の進行方向と反対側の後方のX線ビームの境界をz軸方向にほぼ垂直にする。さらに、X線データ収集終了時にX線管21および多列X線検出器24の進行方向のX線ビームの境界をz軸方向にほぼ垂直にする。これにより、X線管21および多列X線検出器24のX線ビームの形は図44Bのようにyz平面においては矩形となる。この場合、X線管21および多列X線検出器24のX線ビームの形が最小X線照射形状となり、その中での最も多くの断層像画像再構成が行われて、効率が良くX線被曝低減が実現できている。
z軸方向に広がるX線ビームのコーン角度をAcone度とすると、Acone/2度だけ走査ガントリを傾斜させてヘリカルスキャンのX線照射・データ収集を開始させ、n+1/2回転でX線照射・データ収集を終了させる可変ピッチヘリカルスキャンまたはヘリカルシャトルスキャンを行なう。なお、走査ガントリ20は、Acone/2度傾斜してヘリカルスキャンが行われているが、画像再構成される断層像はz軸に垂直な面、xy平面に三次元画像再構成される。これにより、開始時と終了時のX線ビームの両端面はz軸に垂直になり、X線の無駄被曝がほとんどなくすことができる。
これにより、実施例1において行ったX線データ収集とのクレードル12の相対動作と同期を取ったX線コリメータ23の制御も不要で、X線の無駄被曝領域をなくすことができている。このスキャンを造影剤同期撮影の本スキャンに用いることで、被曝低減された本スキャンが実現できる。
実施例4においては、実施例1の場合に加えて、本スキャンを一方向(+z軸方向)のみならず往復運動(+/−z軸方向)を行う例を示す。つまり、本スキャンがヘリカルシャトルスキャンのように同じz軸方向範囲を複数回、本スキャンを行う例を示す。その例を図45,図46に示す。図45は、モニタスキャンMSから本スキャンへのクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との本スキャン準備動作7を示す図である。図46は、モニタスキャンMSから本スキャンへのクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との本スキャン準備動作8を示す図である。
図45では、実施例1の図32の場合に加えて、本スキャンを更に時刻[t6,t12]において、z軸方向にz5→z0とヘリカルシャトルスキャンのように繰り返して往復移動しながら本スキャンを行う。
図46では、実施例1の図34の場合に加えて、本スキャンを更に時刻[t7,t12]において、z軸方向にz7→z0とヘリカルシャトルスキャンのように繰り返して往復移動しながら本スキャンを行う。
なお、図45において本スキャンと本スキャンの間、つまり時刻t6、または図46において本スキャンと本スキャンの間、つまり時刻t7において、一瞬X線データ収集を停止させても良いし、または連続してX線データ収集を行っても良い。
実施例5においては、実施例1の場合も加えて、モニタスキャンを複数回あらかじめ行っている。図47は、モニタスキャンMSから本スキャンへのクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との本スキャン準備動作9を示す図である。図48は、モニタスキャンMSから本スキャンへのクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との本スキャン準備動作10を示す図である。
造影剤同期撮影のモニタスキャンで設定する関心領域ROIをz軸方向に複数個所設定する場合には、モニタスキャンでz軸方向に複数枚、例えば4枚の断層像を撮影した場合に、例えば1つの関心領域ROIを1枚目の断層像の造影剤が流れて来てCT値がまず始めに上がる血管の部分に設定し、他の1つの関心領域ROIを1枚目の断層像の関心領域ROIの血管のCT値上昇に引き続いて、4枚目の断層像で造影剤が流れて来てCT値が次に上がりそうな血管の部分に設定する。
この2つのz軸方向の複数座標位置の間が離れている場合は、なるべく短時間で行き来して往復動作で断層像撮影を行う必要がある。そうでないと、図31に示すようなモニタスキャンの間欠スキャンは実現できない。
この場合に、図47,図48のように、加速中または減速中でもヘリカルシャトルスキャンのように繰り返して往復移動しながら断層像撮影を行うことで、図31のような間欠スキャンが実現できる。
この場合に、間欠スキャンの間隔に多少時間の余裕がある場合は、減速後から加速に移るまでの間にある一定期間の静止状態を入れても良い。これにより、機構制御的に楽になる点、被検体の体動が小さくなる点、モニタスキャンの画質、特にアーチファクトが低減する点などの利点が出てくる。これにより、画質の良い安定したモニタスキャンが実現できる。
なお、本実施形態における画像再構成法は、従来公知のフェルドカンプ法による三次元画像再構成法でもよい。さらに、他の三次元画像再構成方法でもよい。または二次元画像再構成でも良い。各部位として求められる画質は、診断用途、操作者の好みなどによりバラツキがあり様々である。このため操作者は、各部位の最適な画質を撮影条件設定をあらかじめ設定しておくとよい。
本実施形態では、医用X線CT装置100を元に書かれているが、産業用X線CT装置または他の装置と組み合わせたX線CT−PET装置,X線CT−SPECT装置などにも利用できる。
本発明の一実施形態にかかるX線CT装置を示すブロック図である。 X線CT装置の撮影条件入力画面を示す図である。 Aは、X線管21と多列X線検出器24の幾何学的配置のXY面で、Bは、そのYZ面である。 被検体撮影の流れを示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るX線CT装置の画像再構成の概略動作を示すフローチャートである。 前処理の詳細を示すフローチャートである。 三次元画像再構成処理の詳細を示すフローチャートである。 再構成領域上のラインをX線透過方向へ投影する状態を示す概念図である。 X線検出器面に投影したラインを示す概念図である。 造影剤同期撮影の処理の流れのフローチャートである。 Aはベースライン断層像を示す図であり、Bは造影剤同期撮影のモニタスキャンMSの表示例を示す図である。 モニタスキャンMS1のフローチャートである。 モニタスキャンMSの間欠スキャンを示す図である。 関心領域POIの走査を示す図である。 最大画素値検索、および最大画素値と閾値との比較のフローチャートである。 AはモニタスキャンMSの例1の画像処理のフローチャートである。Bはヒストグラム測定結果と最大画素値を示す図である。 モニタスキャンMS2のフローチャートである。 N個の最大画素値検索、およびN個の最大画素値と閾値との比較のフローチャートである。 AはモニタスキャンMSの例2の画像処理のフローチャートである。Bはヒストグラム測定結果と最大画素N個を示す図である。 モニタスキャンMS3のフローチャートである。 二次元関心領域内の二次元連続領域の走査を示す図である。 二次元連続領域内の最大画素値検索、および最大画素値と閾値との比較のフローチャートである。 Aは、モニタスキャンMSの例3の画像処理のフローチャートである。Bは、最大値画素と二次元連続領域を示す図である。 モニタスキャンMS4のフローチャートである。 三次元関心領域内の三次元連続領域の走査を示す図である。 三次元連続領域内の最大画素値検索、および最大画素値と閾値との比較のフローチャートである。 モニタスキャンMSの例4の画像処理のフローチャートである。 モニタスキャンMS5のフローチャートである。 モニタスキャンMS6のフローチャートである。 モニタスキャンMS7のフローチャートである。 z軸方向に2個所のモニタスキャンMSの間欠スキャンを示す図である。 モニタスキャンMSから本スキャンへのクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との動作例1を示す図である。 モニタスキャンMSから本スキャンへのクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との動作例2を示す図である。 モニタスキャンMSから本スキャンへのクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との動作例3を示す図である。 モニタスキャンMSから本スキャンへのクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との動作例4を示す図である。 モニタスキャンMSから本スキャンへのクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との動作例5を示す図である。 モニタスキャンMSから本スキャンへのクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との動作例6を示す図である。 Aは、X線コリメータ23をX線データ収集開始時・終了時に半分閉じた場合の可変ピッチヘリカルスキャンのX線管21および多列X線検出器24との移動範囲と断層像画像再構成可能範囲を示す図である。Bは、可変ピッチヘリカルスキャンのX線管21および多列X線検出器24との移動範囲と断層像画像再構成可能範囲を示す図である。 撮影開始時と撮影終了時のX線被曝低減のためのX線コリメータ制御を示す図である。 X線データ収集におけるX線コリメータ23の制御のフローチャートである。 Aは速度線形制御されたクレードル12の動作を示す図で、BはそのX線管電流を示す図である。Cは速度非線形制御されたクレードル12動作を示す図で、DはそのX線管電流を示す図である。 X線コリメータ23の各位置におけるX線ビームを示す図である。 各コリメータ位置におけるコリメータ位置検出チャネル75の出力を示す図である。 AはヘリカルスキャンのX線照射範囲を示す図で、Bは走査ガントリ20を傾斜させたヘリカルスキャンのX線照射範囲を示す図である。 モニタスキャンMSから本スキャンへのクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との動作例7を示す図である。 モニタスキャンMSから本スキャンへのクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との動作例8を示す図である。 モニタスキャンMSから本スキャンへのクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との動作例9を示す図である。 モニタスキャンMSから本スキャンへのクレードル12とX線管21および多列X線検出器24との動作例10を示す図である。
符号の説明
1 … 操作コンソール
2 … 入力装置
3 … 中央処理装置
5 … データ収集バッファ
6 … モニタ
7 … 記憶装置
10 … 撮影テーブル
12 … クレードル
15 … 回転部
20 … 走査ガントリ
21 … X線管
22 … X線コントローラ
23 … コリメータ
24 … 多列X線検出器または二次元X線エリア検出器
25 … データ収集装置(DAS)
26 … 回転部コントローラ
27 … 走査ガントリ傾斜コントローラ
29 … 制御コントローラ
75 … コリメータ位置検出チャネル
XB … X線ビーム
Zd … 多列X線検出器の中心線

Claims (19)

  1. X線源と、
    造影剤が注入された被検体を挟んで前記X線源と対向するように配置されたX線検出器と、
    造影剤同期撮影の本スキャンの開始時に、前記被検体と前記X線源および前記X線検出器との相対動作を所定方向に加速しながら、投影データの収集を行う造影剤同期撮影手段と、
    前記投影データに基づいて断層像を再構成する画像再構成手段と、
    を有することを特徴とするX線CT装置。
  2. 前記造影剤同期撮影手段は、前記投影データの収集を開始した後に前記被検体と前記X線源および前記X線検出器との相対動作が静止状態から加速することを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
  3. 前記画像再構成手段が断層像を画像再構成する位置は、X線データ収集系の中心位置のz方向移動範囲よりも、X線データ収集系のX線ビーム幅の半分だけ外側に行った範囲まで画像再構成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のX線CT装置。
  4. 前記造影剤同期撮影手段は、前記本スキャンの終了時に、前記被検体と前記X線源および前記X線検出器との相対動作を所定方向に減速しながら、前記投影データの収集を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のX線CT装置。
  5. 前記造影剤同期撮影手段は、前記本スキャンの終了時に、前記被検体と前記X線源および前記X線検出器との相対動作を所定方向に減速しながら、前記投影データの収集を行い、相対動作の静止後前記投影データの収集を所定時間行った後に、前記投影データの収集を終了することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のX線CT装置。
  6. 前記造影剤同期撮影手段は、前記本スキャンで所定方向に減速し、さらに再度加速して前記投影データの収集を続けて行うことを特徴とする請求項4に記載のX線CT装置。
  7. 前記造影剤同期撮影手段は、前記本スキャンの相対動作において、所定方向に減速しさらに静止後に再度加速して前記投影データの収集を続けて行うことを特徴とする請求項5に記載のX線CT装置。
  8. 前記画像再構成手段は、三次元画像再構成処理を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のX線CT装置。
  9. 前記画像再構成手段は、前記投影データの所定方向の位置を座標測定手段により測定し、またはあらかじめ制御された被検体とX線管およびX線検出器との相対動作により所定方向の座標位置を予測することにより得られた前記投影データの所定方向の座標位置を用いて画像再構成を行う請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載のX線CT装置。
  10. X線源と前記X線検出器との間で、前記X線源と前記X線検出器とを結ぶ中心から前記所定方向の進行方向に移動できるコリメータの一方と、前記中心から所定方向の反進行方向に移動できるコリメータの他方とを有し、
    前記本スキャンの開始時に前記コリメータの他方が前記中心側から反進行方向に、前記本スキャンの終了時に前記コリメータの一方が進行方向から前期中心に移動することを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載のX線CT装置。
  11. 前記造影剤同期撮影手段は、前記本スキャンの開始時に、前記X線源および前記X線検出器を前記被検体に対して傾けて前記X線源からのX線ビームのうち前記所定方向の進行方向と逆方向の境界が前記所定方向に対して垂直になり、前記本スキャンの終了時に、前記X線源および前記X線検出器を前記被検体に対して傾けて前記X線源からのX線ビームのうち前記進行方向の境界が前記所定方向に垂直になることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載のX線CT装置。
  12. 前記造影剤同期撮影手段は、前記本スキャンの前に、前記被検体に対して前記造影剤の注入を観察するモニタスキャンを行い、該モニタスキャンにおけるX線ビーム幅は前記本スキャンにおけるX線ビーム幅よりも狭いことを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載のX線CT装置。
  13. 前記造影剤同期撮影手段は、前記本スキャンの前に前記被検体に対して前記造影剤の注入を観察するモニタスキャンを行い、該モニタスキャンで設定された関心領域に属する画素で、画素値の最大値、または最大値から大きい順に選ばれた複数の画素値の平均値が閾値を越えた際に、前記本スキャンを行うことを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載のX線CT装置。
  14. 前記造影剤同期撮影手段は、前記本スキャンの前に前記被検体に対して前記造影剤の注入を観察するモニタスキャンを行い、前記モニタスキャンで設定された関心領域に属する画素で、二次元連続領域の画素値の平均値または面積が閾値を越えた際に、前記本スキャンを行うことを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載のX線CT装置。
  15. 前記造影剤同期撮影手段は、前記本スキャンの前に前記被検体に対して前記造影剤の注入を観察するモニタスキャンを行い、前記モニタスキャンで設定された関心領域に属する画素で、三次元連続領域の画素値の平均値または体積が閾値を越えた際に、前記本スキャンを行うことを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載のX線CT装置。
  16. 前記造影剤同期撮影手段は、前記本スキャンの前に前記被検体に対して前記造影剤の注入を観察するモニタスキャンを行い、前記モニタスキャンの関心領域は二箇所以上含むことを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載のX線CT装置。
  17. 前記造影剤同期撮影手段は、前記本スキャンの前に前記被検体に対して前記造影剤の注入を観察するモニタスキャンを行い、前記モニタスキャンの関心領域は前記所定方向に二箇所以上含むことを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載のX線CT装置。
  18. 前記モニタスキャンの際に、前記被検体と前記X線源および前記X線検出器との相対動作が少なくとも加速中または減速中に、前記投影データの収集を行うことを特徴とする請求項12ないし請求項17のいずれか一項に記載のX線CT装置。
  19. 前記モニタスキャンの際に、前記被検体と前記X線源および前記X線検出器との相対動作が静止状態から加速中または減速後に静止状態中に、前記投影データの収集を行うことを特徴とする請求項12ないし請求項17のいずれか一項に記載のX線CT装置。
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