JP2007288297A - 非可逆回路素子 - Google Patents

非可逆回路素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2007288297A
JP2007288297A JP2006110542A JP2006110542A JP2007288297A JP 2007288297 A JP2007288297 A JP 2007288297A JP 2006110542 A JP2006110542 A JP 2006110542A JP 2006110542 A JP2006110542 A JP 2006110542A JP 2007288297 A JP2007288297 A JP 2007288297A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lower case
resin
terminal
magnetic yoke
circuit device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006110542A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4200504B2 (ja
Inventor
Minoru Nozu
稔 野津
Takefumi Terawaki
武文 寺脇
Yasushi Kishimoto
靖 岸本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP2006110542A priority Critical patent/JP4200504B2/ja
Publication of JP2007288297A publication Critical patent/JP2007288297A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4200504B2 publication Critical patent/JP4200504B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Non-Reversible Transmitting Devices (AREA)

Abstract

【課題】 端子部と磁気ヨーク部との間隔が狭い場合であっても、はんだブリッジが生じることなく、積層基板に形成した電極パターンとの接続が容易な、接続信頼性に優れた可非可逆回路素子を提供する。
【解決手段】 フェリ磁性体に複数の中心導体が配した中心導体組立体20と、中心導体と共振回路を構成する複数のキャパシタンス素子を形成した板状の積層基板15と、積層基板15を収容する略方形箱形状の下ケース30と、フェリ磁性体に直流磁界を印加する永久磁石2と、永久磁石2を配置する上ケース1を備えた非可逆回路素子であって、磁気ヨーク下面部の窪み部と端子部にはんだを溜まらせて、はんだで積層基板15の外表面に形成された電極パターンと接続することを特徴とした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、高周波信号に対して非可逆伝送特性を有する非可逆回路素子であって、複数のキャパシタンス素子を内蔵した積層基板を収容する下ケースを備える非可逆回路素子に関する。
従来、マイクロ波帯、UHF帯で使用される携帯電話、自動車電話等の送受信回路部品の一つとしてアイソレータ,サーキュレータ等の非可逆回路素子がある。一般にアイソレータやサーキュレータは、アンプの破損を防止する目的で使用され、信号の伝送方向の挿入損失は小さく、かつ逆方向への逆方向損失は大きくなるような機能を持たせたものである。以下、本明細書では非可逆回路素子のうちアイソレータを例にとって説明する。
図15に、従来のアイソレータの一例を分解斜視図で示す。このアイソレータは、磁気ヨークとして機能する金属ケース(上ケース1、下ケース30)、永久磁石2、中心導体組立体20、複数のキャパシタンス素子を内蔵し、上面、下面に電極パターンが形成された方形平板状の積層基板15、抵抗素子を備えるものである。この従来例において、前記中心導体組立体20は、中心導体として電極パターンを用い、これをガーネットフェライト(フェリ磁性体)に積層形成した構造のものである。この他にも、所定形状に打ち抜いたり、エッチングしたりして形成された銅薄板を、ガーネットフェライトに巻き回した構成のものもある。
図16は、従来のアイソレータを構成する下ケースの平面図である。この下ケース30は、所定の形状に形成された板状の磁性体金属に、エンジニアリングプラスチック(図中斜線で表示)等の耐熱性樹脂をインサート成形して構成され、実装基板との接続用外部端子IN、OUT、GNDを有するものである。そして、四方を樹脂で形成された壁部35,36で囲まれた構成となっている。下ケース30の内側底面は実質的に一面状に形成されており、外部端子GNDと連続する磁気ヨーク部YKや、外部端子IN、OUTと連続する端子部TT1、TT2が露出している。
前記積層基板15の下面には、下ケース30に形成された磁気ヨーク部YKや端子部TT1,TT2との接続のための電極パターンが形成されている。これらの電極パターンが、下ケース30の内底面に表れた端子部TT1,TT2や磁気ヨーク部YKと半田付けされる。さらに、積層基板15の上面に形成された電極パターン17と中心導体組立体20の中心導体(図示せず)が、適宜はんだ接続される。
特開2003−204207
携帯電話の小型化、多機能化に伴い、非可逆回路素子も小型化が強く求められている。前記特許文献1の実施例には、外形寸法が5mm×5mm×2mmといった非可逆回路素子が開示されているが、現在では外形寸法が4mm×4mm×1.7mmといった小型の非可逆回路素子が広く用いられるようになり、さらに3.2mm×3.2mm×1.2mmや2.5mm×2.5mm×1.2mmといった外形寸法の非可逆回路素子も提案されている。
このような非可逆回路素子の小型化に伴い、上下ケース、中心導体組立体、積層基板といった構成部品も小型化される。
構成部品の小型化に伴い、下ケースの内側底面に表れる端子部も小面積なものとなる。また、アース端子と連続する磁気ヨークとの間隔も狭くせざるを得ない。前記端子部と前記磁気ヨーク部とは電気的接続を生じないように構成される。しかしながら、従来の下ケースの様にその内側底面が一面状に形成される場合には、前記端子部と前記磁気ヨーク部との間隔が狭くなるに従い、端子部と前記磁気ヨーク部との間に、はんだブリッジを生じ、短絡するといった問題が予見されている。
そこで本発明では、端子部と磁気ヨーク部との間隔が狭い場合であっても、はんだブリッジが生じることが無く、且つ積層基板に形成された電極パターンとの接続が容易な、接続信頼性に優れた可非可逆回路素子を提供することを第1の目的とする。
下ケースに形成される入出力端子、アース端子は振動や衝撃、あるいは変形に対する接続信頼性の確保と言った観点から、可能限り広い面積で形成するのが好ましいが、構成部品の小型化に伴い小面積化せざるを得ない。特に入出力端子は、下ケースの前記樹脂壁部を構成する樹脂で保持されるのみであるため、強固な機械的な保持力を期待出来ない。このため入出力端子が小面積化すると、非可逆回路素子を回路基板にはんだ実装して曲げ試験等に供する場合に、前記入出力端子が下ケースから脱落することがあった。
そこで本発明では、入出力端子を下ケースから脱落し難い形状に構成することで、振動や衝撃、あるいは変形に対する接続信頼性に優れた非可逆回路素子を提供することを第2の目的とする。
また、構成部品の小型化に伴い、積層基板の上下面に形成される電極パターンも小面積化せざるを得ない。このため、振動や衝撃に対する接続信頼性の確保や、コンデンサ容量の確保が困難な場合があった。前記電極パターンを広面積なものとすると、下ケースの金属導体からなる壁部と短絡する場合があり、これを防ぐように、短絡防止手段を講じる必要がある。
従来の非可逆回路素子では、短絡防止手段として壁部と積層基板との間に樹脂壁36を設けていた。単に短絡を防ぐという観点からすれば、前記樹脂壁の厚みは0.05mm程度あれば良い。しかしながら壁部の厚みが薄いと、インサート成形する際に、樹脂が前記壁部を形成するには十分に充填されないと言ったショート不良を生じる為、厚みを0.15〜0.2mm程度に形成していた。したがって樹脂壁の厚み分だけ下ケースの内側領域の面積が狭くなり、配置される積層基板の面積、そして電極パターンも小面積なものとせざるを得なかった。
そこで本発明では、積層基板自体の形成面積を増加させることが可能であり、もって積層基板に形成される電極パターンの形成面積も増加させ、かつ前記積層基板に形成された電極パターンと下ケースの金属導体からなる壁部との短絡を防ぐことが可能な新規な下ケースを用いた非可逆回路素子を提供することを第3の目的とする。
また積層基板の複数の電極パターンは、磁気ヨーク下面部と端子部とにはんだ接続されるが、積層基板の上下面はそれぞれ実質的に平面的に形成されるため、はんだ量によっては半田接続が不完全となる(部分的なオープン状態)場合や、積層基板が傾いて接続される場合がある。
そこで本発明では、磁気ヨーク下面部及び端子部と積層基板の複数の電極パターンとが確実にはんだ接続可能な下ケースを用いた非可逆回路素子を提供することを第4の目的とする。
本発明は、フェリ磁性体に複数の中心導体が配された中心導体組立体と、前記中心導体と共振回路を構成する複数のキャパシタンス素子を形成した板状の積層基板と、前記積層基板を収容する略方形箱形状の下ケースと、前記フェリ磁性体に直流磁界を印加する永久磁石と、前記永久磁石を配置する上ケースを備えた非可逆回路素子であって、前記下ケースは、下面部と前記下面部から立設して相対向する2つのヨーク壁部を備える磁気ヨーク部と、残余の相対向する2つの壁部を構成する樹脂壁部を備え、前記樹脂壁部には入出力端子、アース端子が形成され、下ケースの内側底面には、アース端子と連続し窪みを有する磁気ヨーク下面部と、前記磁気ヨーク下面部よりも低く入出力端子と連続する端子部が露出し、前記端子部は、下ケースの内側底面に表れる第1の主面と、下ケースの裏面に表れる第2の主面と、これら主面間を連結する側面を備え、前記端子部の側面は前記樹脂壁部と連続する樹脂で覆われており、磁気ヨーク下面部の窪み部と端子部にはんだを溜まらせて、前記はんだで前記積層基板の外表面に形成された電極パターンと接続することを特徴とする非可逆回路素子である。
前記端子部と前記磁気ヨーク下面部との高さの差は、0.01mm以上であるのが好ましく、更に好ましくは0.02mm以上とすれば、はんだブリッジを防ぐのに有効である。また、磁気ヨーク部と端子部との高さの差が大きいと、複数のキャパシタンス素子を形成した積層基板の電極パターンと、磁気ヨーク下面部及び端子部との接続が困難となるため、0.1mm以下、好ましくは0.05mm以下とする。
また磁気ヨーク下面部の窪みは、0.01mm以上であるのが好ましく、更に好ましくは0.02mm以上である。窪みの形状は特に規定されるものではないが、円形や矩形、三角形等の形状が採用される。前記窪みには、ディスペンサによってはんだペーストが塗布されるが、微量のはんだを安定して塗布するのは困難であるので、φ0.2mm以上の塗布径とするように、円形であればφ0.3mm以上の直径で形成するのが好ましい。矩形、三角形に形成する場合には、φ0.3mmの円が内接する以上の面積に形成するのが好ましい。
本発明においては、前記端子部が、前記磁気ヨーク下面部の主面よりも低く形成されている。そして、下ケースの内側底面において、端子部の側面を覆う樹脂は、その一部が前記端子部の第1の主面と略同一面に形成され、他の一部は磁気ヨーク下面部と略同一面に形成されており、もって端子部周囲の樹脂部は、不連続な面で構成される。
また本発明においては、前記樹脂壁部を構成する樹脂の一部が内側及び外側に突するように形成するのが好ましい。内側及び外側に突する部位は、アース端子と入出力端子との間にあり、好ましくは中間の部位とし、ここに樹脂を射出するためのゲートを射出成形用金型に設けるのが望ましい。下ケースが小型になればなるほど射出成形が困難となるが、当該部位では、ゲート径を大きく設定でき、また対向するヨーク壁部との距離もほぼ等しく出来るので、均一な樹脂充填が可能となる。
前記樹脂壁部を構成する樹脂の一部がヨーク壁部側に及び、ヨーク壁部側の樹脂部は、前記ヨークの内側に突するように形成するのも好ましい。ヨークの内側に突する樹脂部によって、積層基板とヨーク壁部及び樹脂壁部との間に空間が形成される。また積層基板の外形は、前記突する樹脂部により規定される寸法よりも小さく形成されており、壁部との干渉が少なくなるように構成されている。前記空間は、余剰のはんだの溜まりとして機能するとともに、非可逆回路素子の作用する外力がヨークの壁部を介して作用するのを低減し、積層基板の電極パターンとヨークの短絡や、積層基板の割れ、欠けが生じるのを防ぐことが出来る。
また本発明においては、前記端子部の側面において、段差部及び/又は傾斜部を備えることを特徴とする。前記端子部においては、第1の主面は第2の主面よりも樹脂壁に沿って幅広く形成するのが好ましい。
そして、前記端子部を下ケースに保持する下ケース下面部側樹脂部を、その少なくとも一部が前記端子部の第1の主面と同一面と成るように形成するのも好ましい。
また前記端子部の側面は、段差部及び/又は傾斜部を備えるのが望ましい。段差とは側面が不連続に形成されていることを言う。段差は必ずしも側面全体に及ぶ必要はなく、一部に形成するだけであっても良く、凸状、凹状、その形状は様々であって、特に限定されるものでは無い。また、端子部の主面で樹脂に覆われる部位も凸部、凹部を系を形成すれば、より樹脂との密着性を向上できるので好ましい。
本発明によれば、端子部と磁気ヨーク部との間隔が狭い場合であっても、はんだブリッジが生じることが無く、且つ積層基板に形成された電極パターンとの接続が容易な、接続信頼性に優れた非可逆回路素子を提供することが出来る。
また、本発明によれば、入出力端子を下ケースから脱落し難い形状に構成することで、振動や衝撃、あるいは変形に対する接続信頼性に優れた非可逆回路素子を提供することが出来る。
また、本発明によれば、積層基板自体の形成面積を増加させることが可能であり、もって積層基板に形成される電極パターンの形成面積を増加させ、かつ前記積層基板に形成された電極パターンと下ケースの金属導体からなる壁部との短絡を防ぐことが可能な新規な下ケースを用いた非可逆回路素子を提供することが出来る。
また、本発明によれば、磁気ヨーク下面部及び端子部と積層基板の複数の電極パターンとが確実にはんだ接続可能な下ケースを用いた非可逆回路素子を提供することが出来る。
本発明の一実施例に係る非可逆回路素子について以下詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例に係る非可逆回路素子の外観図である。図2はその分解斜視図であり、図3は下ケースの平面図である。図4は下ケースの裏面図である。図5は、下ケースのA−A‘断面図である。図6はヨーク壁部側樹脂部の内側突部を示す部分拡大斜視図であり、図7は、下ケースの端子部、磁気ヨーク下面部を含む部分拡大図である。また図14には非可逆回路素子の等価回路を示す。なお図1〜図7において斜線部は樹脂で構成された部分を示している。
また図8〜図10は入出力端子(端子部)の外観図であり、図11〜図13は下ケースの製造方法を説明するための図である。
まず下ケース30の作製方法について説明する。図11〜図13は製造方法を説明するための図である。磁性金属材料からなる長尺状のシート材を、プレス加工機で所定の形状に打ち抜き、図10に示すように、フープ60と連接する複数の支持部53の先端部に、下ケースの一部をなす磁気ヨーク部を一体的に形成する。しかる後、図11に示すように、金型で所定部位を折り曲げ加工するとともに、磁気ヨーク下面部の窪み部を形成し、下ケースの下面部を形成する磁気ヨーク部から立設して相対向する2つの壁部を形成する。他の支持部54の先端は磁気ヨーク部と分離して形成される。この指示部54は下ケースとしたときに、非可逆回路素子の入出力端子(端子部)を構成する。
支持部53、54の途中には、その幅を狭くした部位が形成されており、後工程で、この幅狭部でフープ60と切り離される。このように幅狭部で切り離すことで、切断面面積を極力小さくし、酸化を低減している。
フープ60を構成する磁性金属材料は、SPCC,42Ni・Fe合金,45Ni・Fe合金、Fe−Co合金などの磁気特性に優れるものであって、これらの金属材料は、100〜300μm程度に冷間圧延又は熱間圧延されている。磁気ヨーク部は磁気回路の一部として用いられるので、磁気特性に優れた磁性材料を選択するのが好ましい。その磁気特性は、最大透磁率が5000以上で飽和磁束密度は0.6テスラ以上、好ましくは1.4テスラ以上が好ましい。このような磁性材料を選択すれば、非可逆回路素子を小型化する際に、厚みが160μm以下の薄板を利用しても、磁束の漏れが少なくて済み、ガーネットフェライトに必要十分な直流磁界を与えることが出来る。
さらに、その表面には、銀、銅、金、アルミニウムのうち少なくとも一つを含む金属または合金で電気抵抗率が5.5μΩ・cm以下の導電性の高い金属皮膜が形成されている。このときの皮膜厚さは0.5〜25μmである。磁気ヨークはグランドとしても機能するが、このように構成することで前記金属皮膜が高周波電流のアース端子への経路となり、よって高周波信号の伝送効率を高めるとともに、外部との相互干渉を抑制して損失を低減することができる。
導電性の高い前記金属皮膜のうち銀は、半田付け性がよく、接触抵抗が小さく、金に比べ安価等、優れた特性を持っている。しかしながら、銀表面は非常に活性で、表面吸着傾向をもつ空気中の硫黄,塩素.水分等の腐食媒体との反応により変色が容易に生じる。この変色膜は半田付け性を損ない、接触抵抗を増大させる。このため銀表面に有機キレート皮膜などの保護膜を形成させ、銀の表面を保護するのが好ましい。
本実施例では、100μm厚みのSPCCに、銅めっきを下地とし、その上層に銀めっきを施したものを用いた。めっき厚みは合計で4〜8μmとしている。
フープ60には、所定の間隔でスプロケットホール52が設けられており、スプロケットにより射出成形用金型内にフープ60が順次送られる。射出成形機に配置された磁気ヨーク部には、液晶ポリマーを用い、インサート成形が行われる。他の樹脂としては、ポリフェニレンサルファイド等、高耐熱の熱可塑性エンジニアリングプラスチック等が用いられる。
以上の様にして図3及び図4に示すような、下面部と前記下面部から立設して対向する2つのヨーク壁部25を備える磁気ヨーク部と、残余の2つの壁部を構成する樹脂壁部35を備え、前記樹脂壁部35には入出力端子IN,OUT、アース端子GNDが形成され、下ケースの内側底面は、入出力端子と連続する端子部TT1,TT2と、アース端子と連続する磁気ヨーク下面部とが異なる高さで露出した一体化構造の下ケース30とした。
図5は下ケースのA−A‘断面図である。下ケース30の内側底面には、入出力端子IN、OUTと連続する端子部TT1,TT2、アース端子GNDと連続する磁気ヨーク下面部が異なる高さで露出している。また、前記端子部を支持する樹脂部も異なる高さの主面を備え、その一部は磁気ヨーク下面部と略同一面に、他の部分は端子部TT1,TT2と略同一面に形成されている。
図7は、図2に示した下ヨークの部分拡大図であり、前記端子部TT2の第1の主面を、前記磁気ヨーク下面部の主面よりも低く形成したものである。はんだ濡れ性が著しく劣る樹脂を介して、端子部TT1,TT2と磁気ヨーク部とが異なる高さで形成されているため、これらが同一面に形成されるよりも、はんだブリッジが発生し難い構成となる。
また、端子部を窪ませて形成しているので、窪みがはんだ溜まりとして機能し、余剰のはんだが磁気ヨーク下面部へ流れ出すのを防ぐことが出来る。また磁気ヨーク下面部の一部を、平面視が円形や方形等に窪ませて形成しており、そこに、はんだを塗布しているので、余剰のはんだが端子部へ流れ出すのを防ぐことが出来るとともに、はんだの厚みを吸収する事ができ、電気的接続の信頼性を向上させることが出来る。
本実施例では、端子部TT1,TT2と磁気ヨーク部との高さの差は、0.02mmとている。また磁気ヨーク下面部の窪みはφ0.4mmで深さ0.02mmとした。
図6は下ケース30隅部の、ヨーク壁部側樹脂部28の内側突部を示す部分拡大斜視図である。下ケース30の隅部近傍に形成されるヨーク壁部側の樹脂部28は、下ケース外側に表れるとともに、下ケース内側に突するように形成されており、磁気ヨーク部との一体構造をなす。
図6において破線で示す部分は、下ケースに配置される積層基板15を示している。前記積層基板15は、2つのヨーク壁部25と樹脂壁部35に囲まれた領域に配置され、下ケース内側に突する樹脂部28と樹脂壁部35とで平面内の位置決めされる。内側突部により積層基板15の側面とヨーク壁部25との間に空隙が形成される。前記空隙は、積層基板15の上下面に形成された電極パターンとヨーク壁部25との短絡を防ぐとともに、積層基板15を下ケースに配置する際に、はんだの溜まりとしても機能する。このため余剰のはんだが生じる場合であっても、はんだは前記空隙内にとどまることとなり、前記電極パターンとヨーク壁部25とを短絡させることが無い。またヨーク壁部25の積層基板15の側面との対向面に、半田レジスト膜を形成すれば、より確実に短絡を防ぐことが出来る。
図8〜図10に入出力端子の外観図を示す。入出力端子の先端部にあたる端子部TT1、TT2は、下ケースの内側底面に表れる側が、下ケースの裏面に表れる側と比較して幅広くなるように形成するのも好ましい。具体的には、端子部の側面は、図8に示すように段差を形成したり、図9に示すように斜面を形成したり、あるいは段差を形成するとともに、一部に斜面を形成したりして構成する。このようにすれば、樹脂で覆われる面積を増加させて機械的な保持力を向上することが出来る。
下ケース30に配置される積層基板15は、誘電体セラミックグリーンシートに、電極パターンを印刷し、電極パターンどうしを適宜対向するように積層してなり、所定のコンデンサ容量を有する複数のキャパシタンス素子が形成されてなるものである。セラミックグリーンシートは積層、圧着され、積層体とした後焼成され積層基板15となる。積層基板内部の電極は、セラミックとの同時焼成によって形成される。この積層基板において、異なる層にまたがる電極の導通は基板内に形成されたビア電極によって導通されている。積層基板15の上面には複数の電極パターン17が形成されており、前記電極パターン間にはチップ抵抗11が実装されている。
また、積層基板15の下面、すなわち下ケースの内底面側との接続面には、下ケース30に形成されたの端子部TT1,TT2と接続する入出力用電極と、アース用電極が形成されている。前記アース用電極は、積層基板15の下面の略中央部を含み、入出力用電極を除くほぼ全面に形成されており、下ケースに形成されたアース端子GNDと連続する磁気ヨーク部とは、複数の窪み部で電気的接続している。このような構成によって、下ケース30の内底面における高周波電流の分布を均一にして、電気的な特性の安定なものとしている。
このように形成された下ケース30は、スプロケットホール52を利用し、フープに連接されたまま、各組立工程を順次搬送される。次工程において、下ケース12の端子部TT1,TT2、および磁気ヨーク部にはんだを塗布した後、複数のキャパシタンス素子(等価回路におけるCi,Cf)を一体化した積層基板15を配置した。
次いで、積層基板15の上面に形成された電極パターン17に、はんだを塗布し、中心導体5,6とガーネットフェライト3とでなる中心導体組立体20を前記電極パターンに載置し、半田リフローして、積層基板15、下ケース30、中心導体組立体20の接続部を機械的かつ電気的に接続した。中心導体組立体20は等価回路におけるインダクタL1,L2を構成する。
次いで、中心導体組立体20に直流磁界を印加するように永久磁石2を配置した上ケース1を、下ケース30に被せた。前記上ケース1は、下ケース30と同様に磁性金属材料からなる長尺状のシート材を、プレス加工機で所定の形状に打ち抜き、さらに金型で折り曲げ加工して、上面部および4つの壁部を備えた略箱形状に形成される。その隣り合う側面の稜部には高さ方向に連続するスリット部22が形成されている。前記スリット部22と前記下ケース30の樹脂柱状部26とをあわせて、上ケース1を下ケース30に被せることで、位置ずれなく上下ケースを組み立てることが出来る。
しかる後、長尺状のフープ60の連接部53,54を切断して、図13に等価回路を示す非可逆回路素子を得た。本実施例ではフープ60の状態で非可逆回路素子の組立を行ったが、下ケース形成後、連接部53,54を切断し、個々の下ケースを用いて組立を行っても良いことは、言うまでも無い。
本発明によれば、端子部と磁気ヨーク部との間隔が狭い場合であっても、はんだブリッジが生じることが無く、且つ積層基板に形成された電極パターンとの接続が容易な、接続信頼性に優れた非可逆回路素子を提供することが出来る。
また、本発明によれば、入出力端子をしたケースから脱落し難い形状に構成することで、振動や衝撃、あるいは変形に対する接続信頼性に優れた非可逆回路素子を提供することが出来る。
また、本発明によれば、積層基板自体の形成面積を増加させることが可能であり、もって積層基板に形成される電極パターンの形成面積を増加させ、かつ前記積層基板に形成された電極パターンと下ケースの金属導体からなる壁部との短絡を防ぐことが可能な新規な下ケースを用いた非可逆回路素子を提供することが出来る。
本発明の一実施例に係る非可逆回路素子の斜視図である。 本発明の一実施例に係る非可逆回路素子の分解斜視図である。 本発明の一実施例に係る非可逆回路素子に用いる下ケースの平面図である。 本発明の一実施例に係る非可逆回路素子に用いる下ケースの裏面図である。 本発明の一実施例に係る非可逆回路素子に用いる下ケースの断面図である。 本発明の一実施例に係る非可逆回路素子に用いる下ケースの隅部拡大図である。 本発明の一実施例に係る非可逆回路素子に用いる下ケースの部分拡大図である。 本発明の一実施例に係る非可逆回路素子に用いる下ケースの入出力端子の外観図であり、(a)平面図、(b)側面図、(c)正面図である。 本発明の一実施例に係る非可逆回路素子に用いる下ケースの入出力端子の外観図であり、(a)平面図、(b)側面図、(c)正面図である。 本発明の一実施例に係る非可逆回路素子に用いる下ケースの入出力端子の外観図であり、(a)平面図、(b)側面図、(c)正面図である。 本発明の一実施例に係る非可逆回路素子に用いる下ケースの組立状態を示す図である。 本発明の一実施例に係る非可逆回路素子に用いる下ケースの組立状態を示す図である。 本発明の一実施例に係る非可逆回路素子に用いる下ケースの組立状態を示す図である。 本発明の一実施例に係る非可逆回路素子の等価回路図である。 従来の非可逆回路素子の分解斜視図である。 従来の非可逆回路素子に用いる下ケースの平面図である。
符号の説明
1 上ケース
2 永久磁石
3 ガーネットフェライト
5,6,7 中心導体
30 下ケース
15 積層基板
20 中心導体組立体
28 樹脂突部
35 樹脂壁
TT1、TT2 端子部
IN、OUT 入出力端子

Claims (5)

  1. フェリ磁性体に複数の中心導体が配された中心導体組立体と、前記中心導体と共振回路を構成する複数のキャパシタンス素子を形成した板状の積層基板と、前記積層基板を収容する略方形箱形状の下ケースと、前記フェリ磁性体に直流磁界を印加する永久磁石と、前記永久磁石を配置する上ケースを備えた非可逆回路素子であって、
    前記下ケースは、下面部と前記下面部から立設して相対向する2つのヨーク壁部を備える磁気ヨーク部と、残余の相対向する2つの壁部を構成する樹脂壁部を備え、前記樹脂壁部には入出力端子、アース端子が形成され、下ケースの内側底面には、アース端子と連続し窪みを有する磁気ヨーク下面部と、前記磁気ヨーク下面部よりも低く入出力端子と連続する端子部が露出し、前記端子部は、下ケースの内側底面に表れる第1の主面と、下ケースの裏面に表れる第2の主面と、これら主面間を連結する側面を備え、前記端子部の側面は前記樹脂壁部と連続する樹脂で覆われており、
    磁気ヨーク下面部の窪み部と端子部にはんだを溜まらせて、前記はんだで前記積層基板の外表面に形成された電極パターンと接続することを特徴とする非可逆回路素子。
  2. 下ケースの内側底面において、前記端子部の側面を覆う樹脂は、その一部が前記端子部の第1の主面と略同一面に形成され、他の一部は磁気ヨーク下面部と略同一面に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の非可逆回路素子。
  3. 前記樹脂壁部を構成する樹脂の一部が内側及び外側に突するように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の非可逆回路素子。
  4. 前記樹脂壁部を構成する樹脂の一部がヨーク壁部側に及び、ヨーク壁部側樹脂部は内側に突するように形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の非可逆回路素子。
  5. 前記端子部の側面は、段差部及び/又は傾斜部を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の非可逆回路素子。
JP2006110542A 2006-04-13 2006-04-13 非可逆回路素子 Active JP4200504B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006110542A JP4200504B2 (ja) 2006-04-13 2006-04-13 非可逆回路素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006110542A JP4200504B2 (ja) 2006-04-13 2006-04-13 非可逆回路素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007288297A true JP2007288297A (ja) 2007-11-01
JP4200504B2 JP4200504B2 (ja) 2008-12-24

Family

ID=38759691

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006110542A Active JP4200504B2 (ja) 2006-04-13 2006-04-13 非可逆回路素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4200504B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010147853A (ja) * 2008-12-19 2010-07-01 Murata Mfg Co Ltd 非可逆回路素子
JP2011041277A (ja) * 2009-08-10 2011-02-24 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd アンテナパターンフレームの製造方法及び製造装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010147853A (ja) * 2008-12-19 2010-07-01 Murata Mfg Co Ltd 非可逆回路素子
JP2011041277A (ja) * 2009-08-10 2011-02-24 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd アンテナパターンフレームの製造方法及び製造装置
US8943679B2 (en) 2009-08-10 2015-02-03 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Device for manufacturing antenna pattern frame for built-in antenna

Also Published As

Publication number Publication date
JP4200504B2 (ja) 2008-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7679470B2 (en) Nonreciprocal circuit device
TW554565B (en) Non-reciprocal circuit device and wireless communications equipment comprising same
JP2010010805A (ja) フェライト・磁石素子、非可逆回路素子及び複合電子部品
JP2015050689A (ja) 非可逆回路素子およびこれを用いた通信装置
JP4200504B2 (ja) 非可逆回路素子
KR101307284B1 (ko) 2포트 아이솔레이터
JP6104125B2 (ja) 非可逆回路素子およびその製造方法
JP4507192B2 (ja) 非可逆回路素子
JP4655274B2 (ja) 非可逆回路素子
JP4465659B2 (ja) 非可逆回路素子
JP4605501B2 (ja) 非可逆回路素子
JP4423602B2 (ja) 非可逆回路素子
JP3655583B2 (ja) 非可逆回路素子
JPH0878954A (ja) 発振器およびその製造方法
JP4284868B2 (ja) 非可逆回路素子及び通信装置
JP3779532B2 (ja) サーキュレータを備えた電子回路ユニット
US20210091445A1 (en) Non-reciprocal circuit element
JP4076089B2 (ja) 磁気回転子、及び、これを用いた非可逆回路素子
JP4189920B2 (ja) 非可逆回路素子及びその製造方法
KR100311810B1 (ko) 비가역소자의적층형하부케이스
JP2001338841A (ja) チップコンデンサ
JP2005311516A (ja) 非可逆回路素子、及びその製造方法
JP2006013971A (ja) 非可逆回路素子及び通信装置
JP2006135493A (ja) 非可逆回路素子及び通信装置
JP2005033366A (ja) 非可逆回路素子及び通信機装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080404

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080418

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080617

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080912

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080925

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4200504

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111017

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121017

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131017

Year of fee payment: 5

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350