JP2007288297A - 非可逆回路素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 フェリ磁性体に複数の中心導体が配した中心導体組立体20と、中心導体と共振回路を構成する複数のキャパシタンス素子を形成した板状の積層基板15と、積層基板15を収容する略方形箱形状の下ケース30と、フェリ磁性体に直流磁界を印加する永久磁石2と、永久磁石2を配置する上ケース1を備えた非可逆回路素子であって、磁気ヨーク下面部の窪み部と端子部にはんだを溜まらせて、はんだで積層基板15の外表面に形成された電極パターンと接続することを特徴とした。
【選択図】 図2
Description
前記積層基板15の下面には、下ケース30に形成された磁気ヨーク部YKや端子部TT1,TT2との接続のための電極パターンが形成されている。これらの電極パターンが、下ケース30の内底面に表れた端子部TT1,TT2や磁気ヨーク部YKと半田付けされる。さらに、積層基板15の上面に形成された電極パターン17と中心導体組立体20の中心導体(図示せず)が、適宜はんだ接続される。
このような非可逆回路素子の小型化に伴い、上下ケース、中心導体組立体、積層基板といった構成部品も小型化される。
そこで本発明では、端子部と磁気ヨーク部との間隔が狭い場合であっても、はんだブリッジが生じることが無く、且つ積層基板に形成された電極パターンとの接続が容易な、接続信頼性に優れた可非可逆回路素子を提供することを第1の目的とする。
そこで本発明では、入出力端子を下ケースから脱落し難い形状に構成することで、振動や衝撃、あるいは変形に対する接続信頼性に優れた非可逆回路素子を提供することを第2の目的とする。
従来の非可逆回路素子では、短絡防止手段として壁部と積層基板との間に樹脂壁36を設けていた。単に短絡を防ぐという観点からすれば、前記樹脂壁の厚みは0.05mm程度あれば良い。しかしながら壁部の厚みが薄いと、インサート成形する際に、樹脂が前記壁部を形成するには十分に充填されないと言ったショート不良を生じる為、厚みを0.15〜0.2mm程度に形成していた。したがって樹脂壁の厚み分だけ下ケースの内側領域の面積が狭くなり、配置される積層基板の面積、そして電極パターンも小面積なものとせざるを得なかった。
そこで本発明では、積層基板自体の形成面積を増加させることが可能であり、もって積層基板に形成される電極パターンの形成面積も増加させ、かつ前記積層基板に形成された電極パターンと下ケースの金属導体からなる壁部との短絡を防ぐことが可能な新規な下ケースを用いた非可逆回路素子を提供することを第3の目的とする。
そこで本発明では、磁気ヨーク下面部及び端子部と積層基板の複数の電極パターンとが確実にはんだ接続可能な下ケースを用いた非可逆回路素子を提供することを第4の目的とする。
前記樹脂壁部を構成する樹脂の一部がヨーク壁部側に及び、ヨーク壁部側の樹脂部は、前記ヨークの内側に突するように形成するのも好ましい。ヨークの内側に突する樹脂部によって、積層基板とヨーク壁部及び樹脂壁部との間に空間が形成される。また積層基板の外形は、前記突する樹脂部により規定される寸法よりも小さく形成されており、壁部との干渉が少なくなるように構成されている。前記空間は、余剰のはんだの溜まりとして機能するとともに、非可逆回路素子の作用する外力がヨークの壁部を介して作用するのを低減し、積層基板の電極パターンとヨークの短絡や、積層基板の割れ、欠けが生じるのを防ぐことが出来る。
そして、前記端子部を下ケースに保持する下ケース下面部側樹脂部を、その少なくとも一部が前記端子部の第1の主面と同一面と成るように形成するのも好ましい。
また、本発明によれば、入出力端子を下ケースから脱落し難い形状に構成することで、振動や衝撃、あるいは変形に対する接続信頼性に優れた非可逆回路素子を提供することが出来る。
また、本発明によれば、積層基板自体の形成面積を増加させることが可能であり、もって積層基板に形成される電極パターンの形成面積を増加させ、かつ前記積層基板に形成された電極パターンと下ケースの金属導体からなる壁部との短絡を防ぐことが可能な新規な下ケースを用いた非可逆回路素子を提供することが出来る。
また、本発明によれば、磁気ヨーク下面部及び端子部と積層基板の複数の電極パターンとが確実にはんだ接続可能な下ケースを用いた非可逆回路素子を提供することが出来る。
図1は、本発明の一実施例に係る非可逆回路素子の外観図である。図2はその分解斜視図であり、図3は下ケースの平面図である。図4は下ケースの裏面図である。図5は、下ケースのA−A‘断面図である。図6はヨーク壁部側樹脂部の内側突部を示す部分拡大斜視図であり、図7は、下ケースの端子部、磁気ヨーク下面部を含む部分拡大図である。また図14には非可逆回路素子の等価回路を示す。なお図1〜図7において斜線部は樹脂で構成された部分を示している。
また図8〜図10は入出力端子(端子部)の外観図であり、図11〜図13は下ケースの製造方法を説明するための図である。
支持部53、54の途中には、その幅を狭くした部位が形成されており、後工程で、この幅狭部でフープ60と切り離される。このように幅狭部で切り離すことで、切断面面積を極力小さくし、酸化を低減している。
さらに、その表面には、銀、銅、金、アルミニウムのうち少なくとも一つを含む金属または合金で電気抵抗率が5.5μΩ・cm以下の導電性の高い金属皮膜が形成されている。このときの皮膜厚さは0.5〜25μmである。磁気ヨークはグランドとしても機能するが、このように構成することで前記金属皮膜が高周波電流のアース端子への経路となり、よって高周波信号の伝送効率を高めるとともに、外部との相互干渉を抑制して損失を低減することができる。
導電性の高い前記金属皮膜のうち銀は、半田付け性がよく、接触抵抗が小さく、金に比べ安価等、優れた特性を持っている。しかしながら、銀表面は非常に活性で、表面吸着傾向をもつ空気中の硫黄,塩素.水分等の腐食媒体との反応により変色が容易に生じる。この変色膜は半田付け性を損ない、接触抵抗を増大させる。このため銀表面に有機キレート皮膜などの保護膜を形成させ、銀の表面を保護するのが好ましい。
本実施例では、100μm厚みのSPCCに、銅めっきを下地とし、その上層に銀めっきを施したものを用いた。めっき厚みは合計で4〜8μmとしている。
以上の様にして図3及び図4に示すような、下面部と前記下面部から立設して対向する2つのヨーク壁部25を備える磁気ヨーク部と、残余の2つの壁部を構成する樹脂壁部35を備え、前記樹脂壁部35には入出力端子IN,OUT、アース端子GNDが形成され、下ケースの内側底面は、入出力端子と連続する端子部TT1,TT2と、アース端子と連続する磁気ヨーク下面部とが異なる高さで露出した一体化構造の下ケース30とした。
図7は、図2に示した下ヨークの部分拡大図であり、前記端子部TT2の第1の主面を、前記磁気ヨーク下面部の主面よりも低く形成したものである。はんだ濡れ性が著しく劣る樹脂を介して、端子部TT1,TT2と磁気ヨーク部とが異なる高さで形成されているため、これらが同一面に形成されるよりも、はんだブリッジが発生し難い構成となる。
また、端子部を窪ませて形成しているので、窪みがはんだ溜まりとして機能し、余剰のはんだが磁気ヨーク下面部へ流れ出すのを防ぐことが出来る。また磁気ヨーク下面部の一部を、平面視が円形や方形等に窪ませて形成しており、そこに、はんだを塗布しているので、余剰のはんだが端子部へ流れ出すのを防ぐことが出来るとともに、はんだの厚みを吸収する事ができ、電気的接続の信頼性を向上させることが出来る。
本実施例では、端子部TT1,TT2と磁気ヨーク部との高さの差は、0.02mmとている。また磁気ヨーク下面部の窪みはφ0.4mmで深さ0.02mmとした。
図6において破線で示す部分は、下ケースに配置される積層基板15を示している。前記積層基板15は、2つのヨーク壁部25と樹脂壁部35に囲まれた領域に配置され、下ケース内側に突する樹脂部28と樹脂壁部35とで平面内の位置決めされる。内側突部により積層基板15の側面とヨーク壁部25との間に空隙が形成される。前記空隙は、積層基板15の上下面に形成された電極パターンとヨーク壁部25との短絡を防ぐとともに、積層基板15を下ケースに配置する際に、はんだの溜まりとしても機能する。このため余剰のはんだが生じる場合であっても、はんだは前記空隙内にとどまることとなり、前記電極パターンとヨーク壁部25とを短絡させることが無い。またヨーク壁部25の積層基板15の側面との対向面に、半田レジスト膜を形成すれば、より確実に短絡を防ぐことが出来る。
また、本発明によれば、入出力端子をしたケースから脱落し難い形状に構成することで、振動や衝撃、あるいは変形に対する接続信頼性に優れた非可逆回路素子を提供することが出来る。
また、本発明によれば、積層基板自体の形成面積を増加させることが可能であり、もって積層基板に形成される電極パターンの形成面積を増加させ、かつ前記積層基板に形成された電極パターンと下ケースの金属導体からなる壁部との短絡を防ぐことが可能な新規な下ケースを用いた非可逆回路素子を提供することが出来る。
2 永久磁石
3 ガーネットフェライト
5,6,7 中心導体
30 下ケース
15 積層基板
20 中心導体組立体
28 樹脂突部
35 樹脂壁
TT1、TT2 端子部
IN、OUT 入出力端子
Claims (5)
- フェリ磁性体に複数の中心導体が配された中心導体組立体と、前記中心導体と共振回路を構成する複数のキャパシタンス素子を形成した板状の積層基板と、前記積層基板を収容する略方形箱形状の下ケースと、前記フェリ磁性体に直流磁界を印加する永久磁石と、前記永久磁石を配置する上ケースを備えた非可逆回路素子であって、
前記下ケースは、下面部と前記下面部から立設して相対向する2つのヨーク壁部を備える磁気ヨーク部と、残余の相対向する2つの壁部を構成する樹脂壁部を備え、前記樹脂壁部には入出力端子、アース端子が形成され、下ケースの内側底面には、アース端子と連続し窪みを有する磁気ヨーク下面部と、前記磁気ヨーク下面部よりも低く入出力端子と連続する端子部が露出し、前記端子部は、下ケースの内側底面に表れる第1の主面と、下ケースの裏面に表れる第2の主面と、これら主面間を連結する側面を備え、前記端子部の側面は前記樹脂壁部と連続する樹脂で覆われており、
磁気ヨーク下面部の窪み部と端子部にはんだを溜まらせて、前記はんだで前記積層基板の外表面に形成された電極パターンと接続することを特徴とする非可逆回路素子。 - 下ケースの内側底面において、前記端子部の側面を覆う樹脂は、その一部が前記端子部の第1の主面と略同一面に形成され、他の一部は磁気ヨーク下面部と略同一面に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の非可逆回路素子。
- 前記樹脂壁部を構成する樹脂の一部が内側及び外側に突するように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の非可逆回路素子。
- 前記樹脂壁部を構成する樹脂の一部がヨーク壁部側に及び、ヨーク壁部側樹脂部は内側に突するように形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の非可逆回路素子。
- 前記端子部の側面は、段差部及び/又は傾斜部を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の非可逆回路素子。
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