JP2007287907A - マスクパターン補正方法、露光用マスクおよびマスク製造方法 - Google Patents

マスクパターン補正方法、露光用マスクおよびマスク製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】極短紫外光に対応する露光用マスクについて、斜め入射効果による影響を考慮したマスクパターンの補正を行えるようにして、ウエハ上転写像の忠実度低下を回避する。
【解決手段】極短紫外光がマスク面上に垂直入射した場合または垂直入射とみなせる角度で入射した場合に当該極短紫外光を反射して得られる0次回折光の光量Q0を求める工程と、前記極短紫外光がマスク面上に斜め入射した場合に当該極短紫外光を反射して得られる0次回折光の光量Qを求める工程と、前記光量Q0と前記光量Qとが略等しくなるようにパターン補正を行う工程とを経て、前記マスクパターンに対する補正を行う(S101)。
【選択図】図13

Description

本発明は、半導体装置の回路パターンを形成するためのリソグラフィ工程にて用いられる露光用マスク、特にいわゆる極短紫外光に対応した反射型の露光用マスクについてのマスクパターン補正方法に関する。さらには、その露光用マスクおよび当該および露光用マスクを製造するためのマスク製造方法に関する。
近年、半導体装置の微細化に伴い、ウエハ上に塗布された光感光材料であるレジストを露光および現像して形成されるレジストパターン、および該レジストパターンをエッチングマスクとしてエッチング加工して得られる回路パターンの線幅は、益々極小化が要求されている。また、線幅のみならず、パターン間ピッチ等についても、更なる極小化が要求されている。このような極小化の要求についてはレジストの露光に用いる光の波長をより短波長にすることで対応が可能となるが、光の波長と解像度との関係は、以下に示すレイリーの式で表わされることが知られている。
w=k1×(λ/NA)・・・(1)
この(1)式において、wは解像される最小のパターン幅、NAは投影光学系のレンズの開口数、λは露光光の波長である。また、k1は、主にレジストの性能および超解像技術の選択等により決定されるプロセス定数であって、最適なレジストおよび超解像技術を用いればk1=0.35程度まで選択できることが知られている。なお、超解像技術とは、マスクを透過若しくは反射し、マスク上遮光パターンで回折された光の±1次回折光を選択的に用いることにより、波長よりも小さなパターンを得ようとするものである。
レイリーの式によれば、例えば157nmの波長を用いた場合に対応が可能な最小のパターン幅は、NA=0.9のレンズを用いるとすれば、w=61nmとなることがわかる。すなわち、61nmよりも小さなパターン幅を得るためには、さらに短い波長の露光光、あるいは液浸レンズを用いなければならない。例えば、157nmの波長を用いて液浸レンズを用いると、NA=1.2のレンズを用いた場合における最小のパターン幅は46nmとなる。
このため、45nmの世代からは、極短紫外光(EUV;Extreme Ultra Violet)と呼ばれる13.5nmを中心とした0.6nm程度の波長帯域を具備する露光光を用いることが検討されている(例えば、特許文献1参照)。極短紫外光を用いれば、例えばNA=0.25の露光装置においては、レイリーの式からk1≧0.6の条件下でw≧32.4nmの線幅を形成することができ、従前には達成できなかったパターン幅やパターンピッチ等の極小化にも対応可能となるからである。
ただし、13.5nmの波長の極短紫外光を用いる場合には、光透過型のマスクおよび光学系ではなく、光を反射する反射型マスクおよび反射型光学系によって、露光用マスクおよび光学系を構成する必要がある。これは、157nmの波長の紫外光までは、例えばCaF2(フッ化カルシウム)やSiO2(二酸化ケイ素)といった光透過性のある材料が存在するため、当該紫外光を透過させる構成のマスクおよび光学系を作製することができるが、13.5nmの波長の極短紫外光については、当該極短紫外光を所望の厚さでもって透過させる材料が存在していないからである。
また、反射型マスクを用いた場合には、マスク面で反射された光が、そのマスクに入射される光と相互に干渉することなく、投影光学系に導かれねばならない。そのため、反射型マスクに入射される光は、必然的にマスク面の法線に対して角度θを持った斜め入射となる。つまり、極短紫外光を用いて露光する場合には、露光用マスクのマスク面に入射される光が、そのマスク面の法線に対して角度を持った斜め入射となる(例えば、特許文献2参照)。この角度は、投影光学系のレンズの開口数NA、マスク倍率m、照明光源の大きさσから決まる。具体的には、例えばウエハ上に4倍の縮小倍率を持つマスクを用いた場合、NA=0.3の露光装置においては、光がマスク面の法線に対して4.30°よりも大きな入射角を持ってマスク上に入射しなければならない。また、これと同様に、NA=0.25の露光装置においては、光が3.58°よりも大きな入射角を持ってマスク上に入射しなければならない。ただし、実際の露光装置においては、ミラーから構成される光学系の空間配置の制約および設計残存収差低減の理由から、上述した入射角よりも大きくなるように設計され、例えばNA=0.25であれば入射角が6°以上、NA=0.30であれば入射角が7°以上とされることが一般的である。
ところで、半導体装置の製造工程におけるリソグラフィ工程では、露光後においてウエハ上で所望通りの転写像(パターン形状)が得られることが求められる。ただし、光近接効果の影響があることから、露光用マスクを設計値通りに作成しても、必ずしも所望通りの転写像が得られるとは限らない。特に、上述したように、形成すべきパターン幅やパターンピッチ等の極小化が進展すると、パターンの微細化に伴って、マスクパターンと転写像の形状との差異が大きくなる傾向にある。そのため、リソグラフィ工程で用いられる露光用マスク上のマスクパターンに対しては、予め光近接効果を考慮して、設計段階で補正を加える光近接効果補正(Optical Proximity effect Correction:以下、単に「OPC」という)を行うことが一般的である(例えば、特許文献3参照)。
露光用マスク上のマスクパターンに対するOPCは、例えば、以下に述べるようにして行われる。通常、光透過型マスクの場合、マスク上に入射する光は、そのマスク表面に対して垂直に入射する。そのため、ウエハ上に転写される転写像のパターン中心位置は、マスク上におけるマスクパターン中心位置と一致する。このことから、ウエハ上に所望の形状とは異なる転写像が得られる場合において、所望形状の転写像を得るべくマスクパターンに対する補正を行う場合には、マスク上においてC=ΔL/Mmの関係が成立するようにすればよい。ここで、Cはマスク上でのパターン形状の補正量であり、ΔLはウエハ上に異なった形状で転写された像と所望形状の寸法差である。また、Mmはマスク誤差因子で、Mm=(ΔW/ΔM)のように定義される。なお、ΔMmは、マスクパターンの寸法をΔMだけ変化させたときに、ウエハ上での転写像のパターン寸法がΔWだけ変化したときの比である。
特開2002−365785号公報 特開2003−257810号公報 特開2002−122977号公報
しかしながら、極短紫外光を用いる場合においては、露光用マスクのマスク面に入射される光が、そのマスク面の法線に対して角度を持った斜め入射となることから、上述した従来技術による補正のみでは必ずしも良好な補正が行えるとは限らない。
例えば、露光用マスクのマスク面上に露光光が斜めに入射すると、マスク上吸収膜に形成されたパターンによって影が生じ、マスクからウエハ上に伝達される光量に損失が生じる。あるいはまた、マスク面上に露光光が斜めに入射すると、マスク上吸収膜に形成されたパターン側壁によって入射光が吸収および反射され、マスクからウエハ上に伝達される光量に損失が生じる。あるいはまた、露光光が斜めに多層膜に入射し、多層膜で反射された後、マスク上吸収膜に形成されたパターン側壁によって多層膜で反射された光が吸収および反射され、マスクからウエハ上に伝達される光量に損失が生じる。これら光量の損失に伴い、マスク面上に露光光が斜めに入射する場合には、ウエハ上転写パターンにおけるコントラストの劣化が生じ、解像性能の低下、レジストパターン断面形状の矩形性の劣化、レジストパターン側壁の粗さの増加等を引き起こす。
また、斜め入射する露光光には、二つの作用がある。一つ目はパターン位置を入射方向にシフトさせる作用であり、二つ目は斜め入射効果によりウエハ上転写像が変形してその忠実性が低下してしまう作用である。これらのうち、パターン位置を入射方向にシフトさせる作用は、ラインパターンまたはラインアンドスペースパターンを用いたウエハ上転写結果から、ウエハ上におけるパターンシフト量を見積もることができる。したがって、マスクパターン全体をオフセットさせたり、露光時に露光装置にオフセット値を適宜設定してパターン全体をシフトさせることで、そのパターンシフトを補正することができる。
ところが、斜め入射効果によりウエハ上転写像の忠実性が低下する作用については、マスクパターンの構成辺と斜め入射光の射影ベクトルとがなす角度によって、その変形量が異なってしまう。さらには、例えば入射光の射影ベクトルと交差する方向に延びるラインパターンの場合、入射光の入射方向手前側パターンエッジと入射方向奥前側パターンエッジとでは、それぞれの変形量が異なってしまい、これによりラインパターンの重心の位置ずれを招いてしまう。具体的には、例えば図45に示すパターンにおいて、パターンの配置方向が射影ベクトルの方向に対して二通りしかない場合においても、図45(a)のレイアウトと図45(b)のレイアウトでは、ウエハ上転写像におけるパターンエッジA、B、CおよびDの補正量がそれぞれ異なる。
このように、マスク面上に露光光が斜めに入射すると、光近接効果による影響の他に、斜め入射効果による影響をも受ける。したがって、斜め入射光を用いる極短紫外光用反射型マスクの場合、斜め入射効果による影響を考慮していない従来技術による補正のみでは、必ずしも良好な補正が行えるとは限らないのである。
この斜め入射効果による影響、すなわち斜め入射に起因する作用によりウエハ上転写像の忠実性が低下する現象については、光近接効果の影響によりウエハ上転写像の忠実性が低下する現象とは別の原因によって生じるものであるから、本来別々に補正することが望ましい。すなわち、パターン辺のマスク上斜め入射光のマスク上射影ベクトルとのなす向きに依らず一定のマスク誤差因子MmでOPCを行い、次にマスク誤差因子Mmとは無関係に斜め入射光による補正を行うことが望ましい。または、マスク誤差因子Mmとは無関係に斜め入射光による補正を行った後に、OPCを行うことが望ましい。
そこで、本発明は、極短紫外光を用いたリソグラフィ工程における露光用マスクについて、斜め入射効果による影響を考慮したマスクパターンの補正を行えるようにして、ウエハ上転写像の忠実性が低下してしまうのを回避できるようにし、これにより当該リソグラフィ工程を経て得られる半導体装置の性能向上を図ることを可能にする、マスクパターン補正方法、露光用マスクおよびマスク製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために案出されたマスクパターン補正方法である。すなわち、極短紫外光の反射作用を有するマスクブランクス膜と、当該マスクブランクス膜上にパターニングされて前記極短紫外光を吸収する吸収膜とを備えてなり、マスク面上に斜め入射する前記極短紫外光を反射することで前記吸収膜によって形成されるマスクパターンに応じた形状の転写像をウエハ上へ露光転写する露光用マスクについてのマスクパターン補正方法であって、前記極短紫外光が所定の基準角度θ0でマスク面上に入射した場合に当該極短紫外光を反射して得られる0次回折光の光量Q0を求める工程と、前記斜め入射の角度で前記極短紫外光がマスク面上に入射した場合に当該極短紫外光を反射して得られる0次回折光の光量Qを求める工程と、前記光量Q0と前記光量Qとが略等しくなるように前記マスクパターンに対する補正を行う工程とを含むことを特徴とする。
上記手順のマスクパターン補正方法では、マスクパターンに対する補正を行うのに先立ち、当該マスクパターンをマスク面上に形成した場合に極短紫外光を反射して得られる光量で、基準角度θ0で入射した場合における0次回折光の光量Q0と、ウエハ上へ転写像を露光転写するときの斜め入射角による0次回折光の光量Qとを求める。ここで、「基準角度θ0」とは、転写像を露光転写するときの斜め入射効果による影響を排除するための基準となる角度のことをいい、その一例としては極短紫外光がマスク面に対する法線ベクトルに沿って入射する場合の角度、すなわちいわゆる入射角度が0°の場合が挙げられる。また、「0次回折光」の光量Q0,Qを求めるのは、転写像の結像に対して0次回折光の寄与する割合が、±n(nは自然数)次回折光に比べて特に大きいからである。そして、基準角度θ0の場合の0次回折光の光量Q0を基準とし、これと光量Qとの比較結果に基づいて、その比較結果を反映した補正、詳しくは光量Qが光量Q0と略同等となるような補正を、マスクパターンに対して行う。この補正によって、当該補正後のマスクパターンでは、極短紫外光がマスク面上に斜め入射しても、当該極短紫外光を反射して得られる光量が、基準角度θ0で入射した場合(例えば入射角度0°の場合)と略同等になる。つまり、当該補正後のマスクパターンによれば、基準角度θ0の場合と略同等の形状の転写像をウエハ上へ露光転写し得るようになる。
本発明によれば、極短紫外光がマスク面上に斜め入射する場合であっても、マスクパターンの補正によって、基準角度θ0で入射した場合(例えば入射角度0°の場合)と略同等の形状の転写像をウエハ上へ露光転写し得るので、斜め入射効果による影響を排除することが可能となる。したがって、斜め入射効果の影響でウエハ上転写像の忠実性が低下してしまうのを回避できるようになり、当該転写像を所望通り(設計通り)のものとすることが可能となる。つまり、本発明による補正を行うことで、極短紫外光を用いたリソグラフィ工程を経て得られる半導体装置の性能向上を図れるようになる。
以下、図面に基づき本発明に係るマスクパターン補正方法、露光用マスクおよびマスク製造方法について説明する。なお、当然のことではあるが、本発明は、以下に述べる実施の形態に限定されるものではない。
〔露光用マスクの概要について〕
はじめに、露光用マスクの概略構成について簡単に説明する。ここで説明する露光用マスクは、半導体装置の製造方法における一工程であるリソグラフィ工程にて、極短紫外光を反射してウエハ上に所望パターン(例えば回路パターン)を転写するために用いられるものである。なお、ここで言う「極短紫外光」には、例えば波長が13.5nmのものに代表されるように、従前のリソグラフィ工程で用いられていた紫外光よりも短波長(例えば、1nm以上100nm以下)のものが該当する。
このような極短紫外光の反射によりウエハ上に所望パターンの転写像を露光転写すべく、露光用マスクは、図1に示すように、極短紫外光の反射作用を有するマスクブランクス膜1と、そのマスクブランクス膜1上にパターニングされて極短紫外光を吸収する吸収膜2と、を備えて構成されている。
マスクブランクス膜1は、例えばSi(ケイ素)層とMo(モリブデン)層とを交互に積層した構造で構成されるが、その積層の繰り返し数が40層以上であるものが一般的である。
また、吸収膜2は、極短紫外光を吸収する材料からなるもので、例えばTaN(タンタルナイトライド)層によって構成される。ただし、吸収膜2は、極短紫外光のマスク用材料として用いることのできるものであれば、他の材料からなるものであってもよい。具体的には、TaN以外にTa(タンタル)またはTa化合物、Cr(クロム)またはCr化合物、W(タングステン)またはW化合物等が考えられる。
なお、マスクブランクス膜1と吸収膜2との間には、吸収膜2を形成する際のエッチングストッパとして、あるいは吸収膜2形成後の欠陥除去時のダメージ回避を目的として、例えばRu(ルテニウム)層やSiO2(二酸化ケイ素)またはCr(クロム)によって構成されるバッファ膜(ただし不図示)を設けておくことが考えられる。
以上のような構成の露光用マスクを製造する場合には、マスクブランクス膜1上に、必要に応じてバッファ膜を成膜した後、さらに吸収膜2を成膜し、周知のリソグラフィ技術を用いて、その吸収膜2を所望パターンに対応する形状にパターニングすればよい。これにより、当該所望パターンを露光転写するためのマスクパターンを有した、極短紫外光用の反射型露光用マスクが得られることになる。
ただし、露光用マスクについては、マスクパターンを設計値通りに形成しても、すなわち露光転写すべき所望パターンと同一(相似)に形成しても、光近接効果や斜め入射効果等による影響のため、必ずしも所望通りの転写像が得られるとは限らず、ウエハ上転写像の忠実性が低下してしまう可能性がある。このことから、露光用マスクの製造にあたっては、吸収膜2によるマスクパターンを形成するのに先立ち、当該マスクパターンに対して設計段階で補正を加える必要がある。
ウエハ上転写像が所望通りとならない理由としては、(イ)光近接効果によるウエハ上転写像の変形、(ロ)露光光の斜め入射に起因するパターン位置シフト、(ハ)斜め入射効果によるウエハ上転写像の変形、といった三種類の要因が挙げられる。
このうち、(イ)の要因によるウエハ上転写像の変形については、以下のようにして解消することが考えられる。
光近接効果は、マスク上垂直に入射する露光光に対しても、例えば上述した(1)式におけるプロセス定数k1が0.5よりも小さくなると顕著に表れる。すなわち、マスクパターンからの高次回折光が投影レンズ系の瞳面から外れてくる効果、さらには1次回折光の一部が瞳面から外れてくる効果によって、ウエハ上転写像の形状が所望のパターンの形状と異なるものとなるのである。
したがって、光近接効果の影響によって生じるウエハ上転写像の変形については、例えばOPCのように、予めマスクパターンを変形させる補正を行うことによって、そのウエハ上転写像の変形を解消することが考えられる。
また、(ロ)の要因によるウエハ上転写像の変形については、以下のようにして解消することが考えられる。
既に説明したように、斜め入射する露光光には二つの作用があり、その一つは、パターン位置を入射方向に沿ってシフトさせる作用である。すなわち、マスク上に斜めに入射する露光光により、マスクパターンからの回折光が非対称となり、ウエハ上転写像のパターン位置を入射方向に沿ってシフトさせてしまうのである。ただし、その位置シフト量は、マスク上パターン形状に依らず、略一律で定数としてみなせる。
したがって、斜め入射に起因するパターン位置シフトを解消するためには、マスクパターンを一律にずらすか、あるいはウエハ上にパターンを転写する時に露光装置にパターンシフトをさせればよい。つまり、マスクパターン全体をオフセットさせたり、露光装置における露光条件を適宜設定したりすることで、パターンシフト量を補正することができる。
一方、斜め入射する露光光による他の一つの作用、すなわち(ハ)の要因によるウエハ上転写像の変形については、以下のようにして解消することが考えられる。
斜め入射効果によりウエハ上転写像が変形してしまう作用は、図1に示すように、マスク上に斜めに入射する露光光により、マスク上吸収膜2に形成されたパターンによって影が生じ、マスクからウエハ上に伝達される光量に損失が生じることによって引き起こされる。あるいはまた、マスク上に露光光が斜めに入射すると、マスク上吸収膜2に形成されたパターン側壁によって入射光が吸収および反射され、マスクからウエハ上に伝達される光量に損失が生じることによって引き起こされる。あるいはまた、露光光が斜めにマスクブランクス膜1に入射し、マスクブランクス膜1で反射された後、吸収膜2に形成されたパターン側壁によってマスクブランクス膜1で反射された光が吸収および反射され、マスクからウエハ上に伝達される光量に損失が生じることによって引き起こされる。つまり、これら光量の損失に伴い、ウエハ上転写パターンにおけるコントラストの劣化が生じ、ウエハ上転写像の形状忠実度が低下するのである。このウエハ上転写像の形状忠実度の低下は、損失光量が相対的に反射光量よりも大きくなるレイアウト、すなわち密集したレイアウトにおいて、より顕著に発生する。
このようなウエハ上転写像の変形についても、光近接効果による場合と同様に、マスクパターンを変形させる補正を行うことによって、そのウエハ上転写像の変形を解消することが考えられる。
〔マスクパターン補正の概念について〕
ここで、斜め入射する露光光によるウエハ上転写像の変形を解消するためのマスクパターン補正方法について、先ず、その概要を説明する。
例えば図2に示すように、露光光がマスク面上に垂直入射する構成では、マスク上表面に垂直な光軸に沿って0次回折光、±1次回折光、±2次回折光等・・・といった回折光が生じる。ここで、「垂直入射」とは、露光光である極短紫外光がマスク面に対する法線ベクトルに沿って入射した場合、すなわちいわゆる入射角度が0°の場合をいう。つまり、露光光の入射角度が0°の場合は、マスク表面に垂直な光軸に沿って回折光が対称に発生する。そのため、マスク表面のx−y座標系において、y軸に沿って形成されたライン・アンド・スペース・パターンであれば、回折光はy軸に対して左右対称に発生する。このような垂直入射に関する構成は、反射光学系を用いる露光光学系では用いることができないが、従来におけるフォトリソグラフィで用いられている構成、すなわち光軸がマスク表面に垂直に入射する構成を基準にシミュレーションを用いて比較するために必要である。
なお、露光光がマスク面上に垂直入射した場合のみならず、垂直入射とみなせる角度で入射した場合にも、回折光はy軸に対して左右対称に発生する。ここで、「垂直入射とみなせる角度で入射した場合」とは、所定値以下の入射角度での斜め入射であるが、その入射角度が小さいため、垂直入射とみなして取り扱っても問題ない場合のことをいう。具体的には、例えばウエハ上に4倍の縮小倍率を持つマスクであり、NA=0.3の露光装置にて用いられる場合であれば、マスク面の法線に対して4.30°以下の入射角を持ってマスク面上に入射する場合が、これに相当する。またこれと同様に、NA=0.25の露光装置であれば、光が3.58°以下の入射角を持ってマスク面上に入射する場合が、これに相当する。
さらに、例えば図3(a)に示すように、露光光のマスク面上への射影ベクトルがマスク上パターンの構成辺と平行な場合には、マスク上表面に対する法線に対して角度θの入射角を持った光軸に沿って露光光が入射しても、上述した垂直入射の場合と同じく、マスク上パターンの構成辺と平行の関係を保ち、かつ、反射光軸を含む平面内では、回折光がy軸に対して左右対称に発生する。このように、回折光の発生が垂直入射の場合と略同等となる態様で斜め入射する場合であって、垂直入射とみなして取り扱っても問題ない場合のことを、以下「垂直入射と同等に扱える入射態様で入射した場合」という。
以上のように、露光光がマスク面上に「垂直入射した場合」、「垂直入射とみなせる角度で入射した場合」または「垂直入射と同等に扱える入射態様で入射した場合」のいずれも、それぞれ同様に回折光が発生するので、詳細を後述する「0次回折光量の基準値」としては、どの場合のものを用いても構わない。
一方、例えば図3(b)に示すように、露光光のマスク面上への射影ベクトルがマスク上パターンの構成辺と平行でなく交差する場合において、例えば図4に示すような露光光がマスク面上に斜め入射する構成では、マスク上表面の法線に対して角度θの入射角を持った光軸に沿って露光光が入射するので、0次回折光が角度−θの方向に生じる。さらに、±n次回折光は、以下の(2)式によって特定される角度に回折される。また、この場合には、吸収膜によって形成されるパターン側壁で反射された光が、角度θの反射角を持った光軸に沿って伝搬する。なお、(2)式において、λは露光波長、pはマスクパターンのパターンピッチである。
ψ±n=sin-1(±nλ/p+sinθ)・・・(2)
(ただし、n=0,±1,±2…)
ところで、ウエハ上の転写像は、低次の次数の回折光が有限の大きさである瞳の中を通過することで形成される。したがって、瞳の外側の領域を通過する高次の回折光は、転写像形成に寄与しない。ここで、「瞳」とは、例えば射出瞳に代表されるように、露光光の光源および光学系から特定されるもので、光のエネルギーが密集する部分のことをいう。
回折光が瞳を通過する領域は、例えば、±1次回折光であれば、図5に示すようになり、その領域の面積Aは以下の(3)式によって与えられる。なお、(3)式において、rは瞳の半径、σは露光光の光源の大きさ、ωは図6中における点Pと瞳円の原点Opを結ぶ線分とy=0の軸とがなす角度、φは図6中における点Pと1次回折光通過領域の円の中心Odを結ぶ線分とy=0の軸とがなす角度である。
A=r2(ω−cosωsinω)+σ22(φ−cosφsinφ)・・・(3)
また、瞳の大きさは、カットオフ周波数をνcとすると、以下の(4)式によって与えられる。なお、(4)式において、NAは投影レンズ系の開口数、λは露光波長である。
νc=NA/λ・・・(4)
また、マスクパターンのパターンピッチpの逆数は±1次回折光の中心位置を示すから、そのパターンピッチpから±1次回折光の中心位置Odが得られる。
したがって、NA、λ、pおよびσが与えられれば、±1次回折光が瞳を通過する領域の面積Aを求めることができるのである。
ただし、瞳の内側を通過しない±1次回折光と、これよりも高次の回折光はウエハ上像形成に寄与しない。
より一般的には、瞳を通過する光のエネルギーSは、±n次回折光の瞳を通過する面積Anと±n次回折光の全領域Bnとの比に回折光量を乗じたもの、すなわち以下の(5)式で見積もることができる。
Figure 2007287907
なお、(5)式において、Qは、0次回折光量である。0次回折光量Qの全量は、瞳の中を通過する。また、±m次回折光とは、瞳を通過する回折光の中で次数が最大のものである。
また、0次回折光以外に瞳を通過する回折光量、すなわち+1次以上回折光の光量と−1次以上回折光の光量とを加えた光量Tは、以下の(6)式で定義することができる。
Figure 2007287907
また、マスク上反射光量Rは、瞳を通過する光量Sと瞳を通過しない光量Uとの和であるから、以下の(7)式で与えられる。
Figure 2007287907
このようなマスク上反射光量Rに対し、マスク上パターンに吸収パターン幅が小さくなるようにバイアスBを付加すると、そのマスク上反射光量Rは、バイアスBの増加に伴って増加する。このとき、バイアスBの関数として各光量を表せば、以下の(8)式のようになる。
Figure 2007287907
ここで、各回折光の特徴を図6および図7に示す。図6は、ウエハ上ラインパターン目標線幅が33nmの場合のウエハ上換算パターンピッチ66nmでの回折光分布を、バイアス量をパラメータとしてプロットしたものである。同様に、図7は、ウエハ上ラインパターン目標線幅が44nmの場合のウエハ上換算パターンピッチ88nmでの回折光分布を、バイアス量をパラメータとしてプロットしたものである。図6および図7のいずれにおいても、0次回折光および±1次回折光の寄与が大きく、特に0次回折光の結像に寄与する割合が大きいことがわかる。なお、図6および図7は、マスク上斜め入射光の光軸がマスク表面からの法線となす角度θを5.9°としている。以下、角度5.9°の場合について説明する。
また、図8〜10には、マスク上反射光量R(B)、瞳を通過する光のエネルギーS(B)、瞳を通過しない光のエネルギーU(B)、0次回折光のエネルギーQ(B)および0次回折光以外に瞳を通過する回折光量T(B)のバイアス量に対する変化の具体例を示している。ここでは、ウエハ上転写目標線幅44nm、Ta吸収パターン厚107nmの場合を例にしてプロットしているが、Ta吸収パターン厚が86nmの場合でも64nmの場合でも同様である。さらには、ウエハ上転写目標線幅が33nmの場合でも同様である。これらの図からも明らかなように、R(B)、S(B)、U(B)、Q(B)およびT(B)は、いずれも線形である。したがって、これらの関数の微分は、一次関数の勾配を与えることになる。
そこで、上述した(8)式をバイアスBで微分すると、以下の(9)式が得られる。
Figure 2007287907
図11および図12には、マスク上反射光量R(B)、瞳を通過する光量S(B)、瞳を通過しない光量U(B)、0次回折光量Q(B)および0次回折光以外に瞳を通過する回折光量T(B)の微分量を、ウエハ上転写目標線幅33nmと44nmの場合について示している。これらの微分量は、1次関数の勾配に等しい。微分量が正の場合は、バイアスが増加するとともに光量が増加することを示している。微分量が0の場合は、バイアスが増加しても光量は増加しないことを示している。微分量が負の場合はバイアスが増加するとともに光量は減少することを示している。これらの図から、バイアス量を求めるための評価関数としてバイアス量の増加と共に光量が増加する(微分量が常に正の値の条件を満たす)のは、マスク上反射光量R(B)、瞳を通過する光量S(B)および0次回折光量Q(B)であることがわかる。その一方で、瞳を通過しない光量U(B)は、微分値が0であるから、バイアス量が増大しても光量は一定である。また、0次回折光以外に瞳を通過する回折光量T(B)は、多くの場合にバイアス量の増加と共に光量が減少する(微分量が負の値を示す場合がほとんどである)。これらのことを考慮すると、、上述した(9)式は、以下の(10)式のように簡略化することができる。
Figure 2007287907
すなわち、一次関数の勾配としてのマスク上反射光量のバイアス量に対する変化は、瞳通過光量のバイアス量に対する変化に等しい。また、これらの光量の変化は、0次回折光量の変化と0次回折光以外に瞳を通過する回折光量の変化の和に等しい。
したがって、マスク上斜め入射による光量損失を補償するための評価関数として使用できるのは、バイアス量の増大とともに光量が増加するマスク上反射光量R(B)、瞳通過光量S(B)および0次回折光量Q(B)である。
ただし、上述した(8)式からも明らかなように、マスク上反射光量R(B)は瞳通過光量S(B)と瞳を通過しない光量U(B)との和から得られ、さらに瞳通過光量S(B)は0次回折光量Q(B)と0次回折光以外に瞳を通過する回折光量T(B)との和から得られる。そのため、0次回折光量Q(B)を評価関数として使用すれば、瞳を通過しない光量U(B)や0次回折光以外に瞳を通過する回折光量T(B)等を特定しなくても、マスク上斜め入射による光量損失を補償することが可能となる。
そこで、本実施形態で説明するマスクパターン補正方法では、0次回折光量Q(B)に着目し、その0次回折光量Q(B)を評価関数として使用してマスクパターンの補正を行うことで、斜め入射する露光光によるウエハ上転写像の変形を解消するのである。
0次回折光量Q(B)を評価関数として用いる場合には、斜め入射での0次回折光量Qと、基準となる0次回折光量Q0とが等しくなるようにすればよい。すなわち、以下の(11)式が成り立てばよい。
Figure 2007287907
ここで基準となる0次回折光量Q0は、露光光がマスク面上に「垂直入射した場合」、「垂直入射とみなせる角度で入射した場合」または「垂直入射と同等に扱える入射態様で入射した場合」のいずれかの場合のものを用いることが考えられる。ただし、必ずしもこれらの場合に限定されることはなく、例えばθ=3°の場合を基準にしてθ=6°の斜め入射に対する補正を行うといったことも実現可能である。
〔マスクパターン補正の手順について〕
続いて、0次回折光量Q(B)を評価関数として用いて行うマスクパターン補正の手順について説明する。
以下に説明するマスクパターン補正方法では、上述した(イ)〜(ハ)のうち、(ハ)の斜め入射効果によるウエハ上転写像の変形を補正し、極短紫外光用の反射型露光用マスクを用いた場合であっても、ウエハ上に転写された転写像が所望の忠実度を得られるようにするためのものである。
なお、(イ)および(ロ)の要因によるウエハ上転写像の変形に対する補正は、以下に説明するマスクパターン補正とは別に行えばよく、しかも公知技術を利用して実現することが可能であることから、ここではその説明を省略する。
図13は、マスクパターン補正方法の手順の一例を示すフローチャートである。図例のように、マスクパターン形成に先立って行うマスクパターン補正にあたっては、先ず、第1ステップとして、上述した(ハ)の斜め入射効果によるウエハ上転写像の変形について、その補正を行う(ステップ101、以下ステップを「S」と略す)。詳しくは、(A)露光光がマスク面上に垂直入射した場合若しくは垂直入射とみなせる角度で入射した場合または垂直入射と同等に扱える入射態様で入射した場合にその露光光を反射して得られる0次回折光量Q0を求め、また(B)斜め入射効果が生じる角度で露光光がマスク面上に入射した場合にその露光光を反射して得られる0次回折光量Qを求め、(C)0次回折光量Q0と0次回折光量Qとの比較結果に基づいてこれらが略同等となるようにマスク上における図形パターンの形状を補正する。
0次回折光量は、公知の光強度検出器を用いて求めることが考えられる。具体的には、例えば、0次回折光量Qを求める場合であれば、図14に示すように、コヒーレント光でマスク表面を照射するとともに、0次回折光の伝搬位置に合わせて光強度検出器3を設置して、マスクからの反射光を遠方で捉え、その光強度検出器3を用いて0次回折光の光強度を検出すればよい。ここで、「遠方」とは、0次回折光と±1次回折光とを分離識別し得るのに十分な距離のことをいい、光の照射条件やマスク上のパターン条件等に応じて適宜決定すればよい。
このように、マスクパターン補正にあたっては、コヒーレント光による0次回折光のみを検出すればよく、容易に、かつ、低コストで、マスク上斜め入射による光量損失を補償するための評価関数を得ることができる。すなわち、光強度検出器3を用意すれば評価関数を得ることができ、例えばマスク上反射光量R(B)を評価関数とする場合のように、その検出が非常に困難であるマスク側壁反射による光源側に戻る光強度成分を考慮する必要がなくなる。さらには、例えば瞳通過光量S(B)を評価関数とする場合のように、パーシャルコヒーレント光源と投影光学系とを必要とし、これにより量産用露光転写装置と同等の規模の装置を必要とするといったことがなく、結果として検出に係るコストの増大を抑制し得るようになる。
このような0次回折光量の特定を含む(A)〜(C)の各工程を順に経ることで、例えば、補正前のマスク上スペース幅をW0とし、補正後のマスクスペース幅Wした場合、そのマスクスペース幅Wを(11)式を満たす関係から求めるといったように、形成すべきパターンマスクパターンのパターン寸法またはパターン位置の少なくとも一方に対する補正が行われる。したがって、補正後のマスクパターンでは、露光光がマスク面上に斜め入射してもその露光光を反射して得られる光の瞳通過光量が垂直入射した場合と略同等になり、垂直入射の場合と略同等の形状の転写像をウエハ上へ露光転写し得るようになるのである。なお、(A)および(B)の工程については、(B)の工程を先に行うようにしても差し支えない。
そして、上述した第1ステップにおける処理の後は、更なる補正精度の向上を図るべく、図13に示すように、第2ステップとして、以下に述べるような処理を行う。例えば、第1ステップにてマスクパターンにおけるパターン寸法を補正した場合であれば、その後、補正後のマスク上スペース幅w1を用いて、露光転写時と同じ角度で斜めに入射する露光光による0次回折光量Qを求める。そして、0次回折光量Qを求めたら、その0次回折光量Qを既に求めている0次回折光量Q0と比較し、その比較結果に基づいて、マスクパターンに対する補正を行う。
このような処理を(n−1)回繰り返すと、補正後のマスク上スペース幅wn-1を基にした、露光転写時と同じ角度で斜めに入射する露光光による0次回折光量Qが得られることになる。この0次回折光量Qを既に求めている0次回折光量Q0と比較し、その比較結果に基づいて再び補正を行うと、補正後のマスク上スペース幅wnが得られる。そして、n回目のマスク上スペース幅wnと、(n−1)回目のマスク上スペース幅Wn-1との差Δを、パターン寸法またはパターン位置の補正を行う際の最小単位サイズである補正グリッドサイズgと比較し(S102)、差Δが補正グリッドサイズg以下となったら、マスクパターン補正を終了する(S103)。すなわち、以下の(12)式を満たすときにマスクパターン補正を終了し、満たされなければ再び第1ステップから繰り返して行う。
Δ=|wn−wn-1|≦g・・・(12)
このようなn回分の処理の繰り返しによって、補正後におけるマスクパターンのパターン寸法またはパターン位置は、0次回折光量Qが0次回折光量Q0と同等となる値に収束することになる。つまり、n回分の処理の繰り返しによって、補正精度の向上が図れるのである。なお、このn回分の処理の繰り返しは、必ずしも必須ではなく、省略しても構わない。
以上の処理によって、上述した(ハ)の斜め入射効果によるウエハ上転写像の変形が補正されることになる。その後は、例えば上述した(イ)の要因によるウエハ上転写像の変形に対するOPCを、必要に応じて行う(S104)。
ただし、OPCは、必ずしも(ハ)の斜め入射効果に対する補正処理の後である必要はなく、例えば図15に示すように、当該補正処理に先立って行うようにしてもよい。この場合におけるOPCは、露光光がマスク面上に垂直入射である場合、または垂直入射とみなせる角度で入射する場合、または垂直入射と同等に扱える入射態様で入射した場合に対して行うことが考えられる。
以上に説明したように、(A)〜(C)の工程を含む手順のマスクパターン補正を行うことによって、当該補正後のマスクパターンでは、露光光がマスク面上に斜め入射しても、当該露光光を反射して得られる0次回折光量が垂直入射した場合と略同等になる。つまり、当該補正後のマスクパターンによれば、垂直入射の場合と略同等の形状の転写像をウエハ上へ露光転写し得るようになる。
したがって、露光光がマスク面上に斜め入射する場合であっても、マスクパターンの補正によって、垂直入射の場合と略同等の形状の転写像をウエハ上へ露光転写し得るので、斜め入射効果による影響、すなわち(ハ)のウエハ上転写像の変形を排除することが可能となる。つまり、上述した(A)〜(C)の工程を含む手順のマスクパターン補正を行うことによって、当該補正後のマスクパターンが形成された露光用マスクにおいては、斜め入射効果の影響でウエハ上転写像の忠実性が低下してしまうのを回避できるようになり、当該転写像を所望通り(設計通り)のものとすることが可能となる。そのため、当該露光用マスクを用いれば、極短紫外光を用いたリソグラフィ工程を経て得られる半導体装置の性能向上を図れるようになる。
なお、ここでは、マスクパターン補正として、マスクパターンにおけるパターン寸法またはパターン位置の少なくとも一方を補正する場合を例に挙げて説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、マスクパターンを構成する吸収膜の膜厚を補正することによっても、0次回折光量Qが0次回折光量Q0と略同等となるようにすることは可能である。また、例えば、マスクパターンを構成する吸収膜の形成材料を選択して、当該吸収膜における光の消衰係数を補正することによっても、0次回折光量Qが0次回折光量Q0と略同等となるようにすることは可能である。すなわち、0次回折光量Qを0次回折光量Q0と略同等にする補正は、マスクパターンにおけるパターン寸法またはパターン位置の少なくとも一方、吸収膜の膜厚、または吸収膜の形成材料のいずれかを適宜変更することによって行ったり、あるいはこれらを適宜組み合わせて行ったりすることが考えられる。
また、ここで説明した一連の処理は、コンピュータとしての機能を有する情報処理装置が、所定の情報処理プログラムを実行することによって具現化することが考えられる。この場合、当該情報処理装置には、マスクパターンの形状に関するデータやウエハ上転写像の線幅に関するデータ等が、情報入力装置を介して入力されるものとする。ただし、これらの情報のうちの一部は、外部から入力されるものではなく、情報処理装置が行うシミュレーションによって求めたものであってもよい。したがって、0次回折光量を求める場合についても、光強度検出器3を用いるのではなく、シミュレーションによる演算処理を通じて求めても構わない。また、このような一連の処理を具現化するための情報処理プログラムは、予め情報処理装置にインストールしておくことが考えられるが、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納されて提供されるものであっても、または有線若しくは無線による通信手段を介して配信されるものであってもよい。
〔マスクパターン補正の具体例について〕
続いて、マスク上に垂直に入射する場合で基準となる0次回折光量Q0と、マスク上に斜めに入射する場合の0次回折光量Qとについて、具体例を挙げてそれぞれを比較しながら詳細に説明する。
図16は、ウエハ上目標ラインパターン線幅が33nmの場合の、ウエハ上線幅とパターンピッチとの関係の一具体例の説明図である。図中において、マスク上垂直入射の場合の線幅は黒塗り潰し記号で、斜め入射の場合の線幅は白抜き記号で示している。ここで、斜め入射の場合では、マスク上バイアス補正をしていない。
同様に、図17には、ウエハ上目標ラインパターン線幅が44nmの場合の、ウエハ上線幅とパターンピッチとの関係の一具体例を示している。
これらの両図によれば、マスク上バイアス補正を行わないと、垂直入射でのウエハ上線幅よりも、斜め入射でのウエハ上線幅が、より太くなる傾向にあることがわかる。
図18は、各ピッチでのウエハ上パターンを形成する時の0次回折光量からQ/Q0を求め、0次光相対光量としてバイアス量に対してプロットした結果を示している。図例によれば、各パターンピッチに対してバイアス量とともに0次光相対光量が増大することがわかる。各パターンピッチでの0次光相対光量は、略一点で交わり、この交わったところで所望のバイアス量が得られるのである。より精確にバイアス量を求めるには、0次光相対光量のQ/Q0=1を基準として、各ピッチに対する二乗平均誤差を求めればよい。
この各ピッチに対する二乗平均誤差をプロットした具体例が図19である。図19では、ウエハ上目標線幅が44nmでTa膜厚107nmの場合を示しているが、Ta吸収パターン厚が86nmでも64nmの場合でも同様である。さらには、ウエハ上転写目標線幅が33nmの場合でも同様である。このQ/Q0の二乗平均誤差が最小となる条件からバイアス量が決定される。図20は、このようにして決定されるバイアス量の一覧を示す説明図である。
続いて、このようにして決定されるバイアス量によりマスク上バイアス補正をした後の、斜め入射の場合における、のウエハ上線幅とパターンピッチとの関係について説明する。図21はウエハ上目標ラインパターン線幅が33nmの場合を示しており、図22はウエハ上目標ラインパターン線幅が44nmの場合を示している。これらの図中において、マスク上垂直入射の場合の線幅は黒塗り潰し記号で、斜め入射の場合の線幅は白抜き記号で示している。これらの両図によれば、マスク上バイアス補正を行った後は、垂直入射の場合と斜めの場合のウエハ上線幅が略一致することが明らかである。
図23は、ウエハ上線幅の目標線幅に対する二乗平均誤差を各ピッチに対して求めた結果を示している。この図23における結果によれば、基準となる垂直入射の場合と斜め入射の場合とを比較して、二乗平均誤差が良く一致していることが明らかである。すなわち、本実施形態で説明した手順で補正量を決定し、その決定した補正量でバイアス補正を行えば、基準となる垂直入射の場合と斜め入射の場合でパターンピッチに対するウエハ上線幅を良好に一致させることが可能となる。
ここで、例えば図24(a)に示す凸形状パターンについて、上述した手順で得たバイアス量を用いて補正を行う場合を例に挙げる。図24(b)は、図24(a)に示した繰り返しパターンの一つを抜き出したものである。なお、図中において、Lは、ウエハ上で33nmと44nmである。したがって、4倍マスク上では、Lは132nmと176nmである。
図25〜36は、凸形状パターンについてのマスク図形とウエハ上転写図形との関係を示す説明図である。
図25は、基準となるマスク上垂直入射でのマスク図形とウエハ上転写図形をOPC有無について示した説明図であり、L=33nmでTa膜厚が64nmの場合を示している。また、図26は、マスク上斜め入射でのマスク図形とウエハ上転写図形をOPC有無およびバイアス補正有無について示した説明図であり、L=33nmでTa膜厚が64nmの場合を示している。
図27は、基準となるマスク上垂直入射でのマスク図形とウエハ上転写図形をOPC有無について示した説明図であり、L=33nmでTa膜厚が86nmの場合を示している。また、図28は、マスク上斜め入射でのマスク図形とウエハ上転写図形をOPC有無およびバイアス補正有無について示した説明図であり、L=33nmでTa膜厚が86nmの場合を示している。
図29は、基準となるマスク上垂直入射でのマスク図形とウエハ上転写図形をOPC有無について示した説明図であり、L=33nmでTa膜厚が107nmの場合を示している。また、図30は、マスク上斜め入射でのマスク図形とウエハ上転写図形をOPC有無およびバイアス補正有無について示した説明図であり、L=33nmでTa膜厚が107nmの場合を示している。
図31は、基準となるマスク上垂直入射でのマスク図形とウエハ上転写図形をOPC有無について示した説明図であり、L=44nmでTa膜厚が64nmの場合を示している。また、図32は、マスク上斜め入射でのマスク図形とウエハ上転写図形をOPC有無およびバイアス補正有無について示した説明図であり、L=44nmでTa膜厚が64nmの場合を示している。
図33は、基準となるマスク上垂直入射でのマスク図形とウエハ上転写図形をOPC有無について示した説明図であり、L=44nmでTa膜厚が86nmの場合を示している。また、図34は、マスク上斜め入射でのマスク図形とウエハ上転写図形をOPC有無およびバイアス補正有無について示した説明図であり、L=44nmでTa膜厚が86nmの場合を示している。
図35は、基準となるマスク上垂直入射でのマスク図形とウエハ上転写図形をOPC有無について示した説明図であり、L=44nmでTa膜厚が107nmの場合を示している。また、図36は、マスク上斜め入射でのマスク図形とウエハ上転写図形をOPC有無およびバイアス補正有無について示した説明図であり、L=44nmでTa膜厚が107nmの場合を示している。
以上のような図25と図26、図27と図28、図29と図30、図31と図32、図33と図34、および、図35と図36をそれぞれ比較すると、いずれの場合においても、マスク上垂直入射でのOPC無しの場合と、マスク上斜め入射でのOPC無し、かつ、バイアス有りの場合とで、ウエハ上転写図形の形状が良好に一致していることがわかる。さらには、マスク上垂直入射でのOPC有りの場合と、マスク上斜め入射でのOPC有り、かつ、バイアス有りの場合とでも、ウエハ上転写図形の形状が良好に一致していることがわかる。
ここで、それぞれの図形形状の一致度が良好であることを定量的に表すために、図37に示すように、凸形状パターンを図中破線の部分でスライスして、そのスライス部分のウエハ上転写線幅を求め、各スライス箇所での所望の線幅と実際の転写線幅との差異を、各測定箇所に対する二乗平均誤差で表す。図38は、L=33nmの場合での各測定箇所に対する二乗平均誤差の例を示している。また、図39は、L=44nmの場合での各測定箇所に対する二乗平均誤差の例を示している。これら図38および図39に示した結果によれば、以下のことが明らかである。
i)マスク上斜め入射で、OPC無しで、かつ、バイアス補正無しの場合は、各Ta膜厚で二乗平均誤差が最大となっている。
ii)マスク上垂直入射でのOPC無しの場合と、マスク上斜め入射で、OPC無し、かつ、バイアス補正有りの場合とでは、二乗平均誤差が略同等である。
iii)マスク上垂直入射でのOPC有りの場合と、マスク上斜め入射で、OPC有り、かつ、バイアス補正有りの場合とでは、二乗平均誤差が略同等である。
iv)マスク上垂直入射の場合と、マスク上斜め入射で、OPC有り、かつ、バイアス補正有りの場合は、二乗平均誤差が略同等であり、かつ、顕著に小さくなる。
以上のi)〜iv)のことから、本実施形態で説明した手順のマスクパターン補正、特に図13のフローチャートを用いて説明したように、斜め入射効果によるバイアス補正を行ってから、垂直入射の場合で予め得たOPCを行えば、良好なウエハ上転写図形が得られると言える。また、図15のフローチャートを用いて説明したように、垂直入射の場合で予め得たOPCを行った後に、斜め入射効果によるバイアス補正を行ってもよく、その場合でもマスク上図形は図13のフローチャートによる場合と同一になる。このとき、OPCは、斜め入射効果補正とは別に予め独立して行うことができるから、OPCと斜め入射効果補正を同時に行う必要が無くなり、結果として効率的な補正処理が可能となり、結果として補正時間の短縮を図ることも可能となる。
次に、凸形状パターンの凸部の向きが入射方向に対して異なる場合の、垂直入射の線幅と実際の線幅の差異を、各測定箇所に対する二乗平均誤差で表す。図40は、凸形状パターンの凸部の向きを示す図である。図40で示した向きに対して、斜め入射効果によるバイアス補正を行ったときの、L=33nmおよびL=44nmの場合での二乗平均誤差を図41に示す。図40の結果から、凸部の向きによらず良好に補正されていることが明らかである。
次に、凸形状パターンの凸部の向きが入射方向に対して異なる場合の、バイアス補正とOPCを行った場合での垂直入射の線幅と実際の線幅の差異の二乗平均誤差を、L=33nmおよびL=44nmの場合について図42に示す。図42の結果から、この場合でも、凸部の向きによらず良好に補正されていることが明らかである。
ここで、比較のために、従来用いられてきたマスク上の幾何図形から単純にバイアス量を求める補正手法について、簡単に説明する。図43は、マスク上の幾何図形からバイアス量を求める方法を説明するための図である。図例のように、斜め入射光から見込むマスク上吸収パターンの幅はWになるから、バイアス量はパターン幅Lと吸収膜厚hから求まる。幾何的に得たバイアス量は、ウエハ上目標線幅に関係無く、吸収膜厚のみに依存する。例えば、吸収膜厚が64nmの場合のバイアス量は6nm、吸収膜厚が86nmの場合のバイアス量は8nm、吸収膜厚が107nmの場合のバイアス量は10nmである。
このような幾何的に得たバイアス量を用いて、ウエハ上線幅の目標線幅に対する二乗平均誤差を各ピッチに対して求めた結果を、図44に示ししている。この図44によれば、基準となる垂直入射の場合と斜め入射の場合とを比較して、二乗平均誤差が一致しないことが明らかである。つまり、本実施形態で説明したように、0次回折光量を評価関数として用いてマスクパターン補正を行えば、従来手法よりも良好に斜め入射効果についてのマスク上図形補正を行うことができる。したがって、極短紫外光を用いて半導体装置を製造する場合に、その半導体装置の性能向上が実現可能となるという顕著な効果を奏することになる。
本発明に係る露光用マスクにおいて、マスク吸収膜パターンに対する斜め入射光の影響を説明するための概念図である。 マスク表面に垂直に露光光が入射した場合の回折光分布の例を示す説明図である。 露光光のマスク上射影ベクトルとパターン配置との関係の例を示す説明図である。 マスク表面に斜めに露光光が入射した場合の回折光分布の例および吸収膜のパターン側壁による反射光の例を示す説明図である。 回折光が瞳を通過する領域の例を示す説明図である。 ウエハ上線幅33nmを得るための、マスク表面に斜めに露光光が入射した場合のバイアス量に対する回折光分布を、密集ラインアンドスペースパターンについて得た結果を例示する説明図である。 ウエハ上線幅44nmを得るための、マスク表面に斜めに露光光が入射した場合のバイアス量に対する回折光分布を、密集ラインアンドスペースパターンについて得た結果を例示する説明図である。 ウエハ上転写目標線幅44nm、Ta吸収パターン厚107nmでの、バイアス量に対する反射光量R(B)を例示する説明図である。 ウエハ上転写目標線幅44nm、Ta吸収パターン厚107nmでの、バイアス量に対する瞳通過光量S(B)および瞳を通過しない光量U(B)を例示する説明図である。 ウエハ上転写目標線幅44nm、Ta吸収パターン厚107nmでの、バイアス量に対する0次回折光量Q(B)および0次以外の回折光の瞳通過光量T(B)を例示する説明図である。 各パターンピッチでの、ウエハ上転写目標線幅が33nmの場合での光量のバイアス量に対する微分量を例示する説明図である。 各パターンピッチでの、ウエハ上転写目標線幅が44nmの場合での光量のバイアス量に対する微分量を例示する説明図である。 本発明に係るマスクパターン補正方法の手順の一例を示すフローチャートである。 0次回折光量の特定手法の一具体例を示す説明図である。 本発明に係るマスクパターン補正方法の手順の他の例を示すフローチャートである。 ウエハ上転写目標線幅が33nmの場合について、パターンピッチに対するウエハ上線幅を、基準となる0次回折光量Q0を得るためのマスク上垂直入射の場合と、マスク上斜め入射の場合とを比較して示した説明図である。 ウエハ上転写目標線幅が44nmの場合について、パターンピッチに対するウエハ上線幅を、基準となる0次回折光量Q0を得るためのマスク上垂直入射の場合と、マスク上斜め入射の場合とを比較して示した説明図である。 バイアス量に対する0次回折相対光両Q/Q0を、ウエハ上転写目標線幅が44nmおよびTa膜厚107nmの場合について例示した説明図である。 ウエハ上転写目標線幅が44nmおよびTa膜厚107nmの場合について、基準値1に対しての、バイアス量に対する0次回折相対光量Q/Q0の二乗平均ばらつきをバイアス量に対して例示した説明図である。 バイアス補正量の一覧の具体例を示す説明図である。 ウエハ上転写目標線幅が33nmの場合について、バイアス補正後でのパターンピッチに対するウエハ上線幅を、基準となる0次回折光量Q0を得るためのマスク上垂直入射の場合と、マスク上斜め入射の場合とを比較して示した説明図である。 ウエハ上転写目標線幅が44nmの場合について、バイアス補正後でのパターンピッチに対するウエハ上線幅を、基準となる0次回折光量Q0を得るためのマスク上垂直入射の場合と、マスク上斜め入射の場合とを比較して示した説明図である。 基準となる垂直入射での所望の線幅との二乗平均誤差と、斜め入射でのバイアス補正後での所望の線幅との二乗平均誤差を示す説明図である。 基準となる垂直入射でのウエハ上転写図形と、斜め入射でのウエハ上転写図形との比較に用いるためのパターン図形の具体例を示す図である。 基準となるマスク上垂直入射でのマスク図形とウエハ上転写図形をOPC有無について示した説明図であり、L=33nmでTa膜厚が64nmの場合を示す図である。 マスク上斜め入射でのマスク図形とウエハ上転写図形をOPC有無およびバイアス補正有無について示した説明図であり、L=33nmでTa膜厚が64nmの場合を示す図である。 基準となるマスク上垂直入射でのマスク図形とウエハ上転写図形をOPC有無について示した説明図であり、L=33nmでTa膜厚が86nmの場合を示す図である。 マスク上斜め入射でのマスク図形とウエハ上転写図形をOPC有無およびバイアス補正有無について示した説明図であり、L=33nmでTa膜厚が86nmの場合を示す図である。 基準となるマスク上垂直入射でのマスク図形とウエハ上転写図形をOPC有無について示した説明図であり、L=33nmでTa膜厚が107nmの場合を示す図である。 マスク上斜め入射でのマスク図形とウエハ上転写図形をOPC有無およびバイアス補正有無について示した説明図であり、L=33nmでTa膜厚が107nmの場合を示す図である。 基準となるマスク上垂直入射でのマスク図形とウエハ上転写図形をOPC有無について示した説明図であり、L=44nmでTa膜厚が64nmの場合を示す図である。 マスク上斜め入射でのマスク図形とウエハ上転写図形をOPC有無およびバイアス補正有無について示した説明図であり、L=44nmでTa膜厚が64nmの場合を示す図である。 基準となるマスク上垂直入射でのマスク図形とウエハ上転写図形をOPC有無について示した説明図であり、L=44nmでTa膜厚が86nmの場合を示す図である。 マスク上斜め入射でのマスク図形とウエハ上転写図形をOPC有無およびバイアス補正有無について示した説明図であり、L=44nmでTa膜厚が86nmの場合を示す図である。 基準となるマスク上垂直入射でのマスク図形とウエハ上転写図形をOPC有無について示した説明図であり、L=44nmでTa膜厚が107nmの場合を示す図である。 マスク上斜め入射でのマスク図形とウエハ上転写図形をOPC有無およびバイアス補正有無について示した説明図であり、L=44nmでTa膜厚が107nmの場合を示す図である。 ウエハ上転写図形のラインパターンでの線幅を得るためにスライスした箇所の一具体例を示す説明図である。 図37で示した箇所での線幅の二乗平均誤差を示すための説明図であり、L=33nmの場合の例を示す図である。 図37で示した箇所での線幅の二乗平均誤差を示すための説明図であり、L=44nmの場合の例を示す図である。 凸形状パターンの凸部の向きを示す説明図である。 斜め入射効果によるバイアス補正を行ったときの、L=33nmおよびL=44nmの場合での、垂直入射の線幅と実際の線幅の差異の二乗平均誤差を示すための説明図である。 斜め入射効果によるバイアス補正とOPCを行ったときの、L=33nmおよびL=44nmの場合での、垂直入射の線幅と実際の線幅の差異の二乗平均誤差を示すための説明図である。 マスク上の幾何図形からバイアス量を求める方法の一例を示す説明図である。 基準となる垂直入射での所望線幅との二乗平均誤差と、マスク上の幾何図形からバイアス量を求めて補正を行った場合の所望線幅との二乗平均誤差との例を示す説明図である。 入射光のマスク面上の射影ベクトルとパターンレイアウトとの関係の一具体例を示す説明図である。
符号の説明
1…マスクブランクス膜、2…吸収膜、3…光強度検出器

Claims (7)

  1. 極短紫外光の反射作用を有するマスクブランクス膜と、当該マスクブランクス膜上にパターニングされて前記極短紫外光を吸収する吸収膜とを備えてなり、マスク面上に斜め入射する前記極短紫外光を反射することで前記吸収膜によって形成されるマスクパターンに応じた形状の転写像をウエハ上へ露光転写する露光用マスクについてのマスクパターン補正方法であって、
    前記極短紫外光が所定の基準角度θ0でマスク面上に入射した場合に当該極短紫外光を反射して得られる0次回折光の光量Q0を求める工程と、
    前記斜め入射の角度で前記極短紫外光がマスク面上に入射した場合に当該極短紫外光を反射して得られる0次回折光の光量Qを求める工程と、
    前記光量Q0と前記光量Qとが略等しくなるように前記マスクパターンに対する補正を行う工程と
    を含むことを特徴とするマスクパターン補正方法。
  2. 前記基準角度θ0による0次回折光の光量Q0は、前記極短紫外光がマスク面上に垂直入射した場合若しくは垂直入射とみなせる角度で入射した場合または垂直入射と同等に扱える入射態様で入射した場合に当該極短紫外光を反射して得られる0次回折光の光量であることを特徴とする請求項1記載のマスクパターン補正方法。
  3. 前記マスクパターンに対する補正を行う工程では、前記光量Qが前記光量Q0と略等しくなるように、前記マスクパターンにおけるパターン寸法またはパターン位置の少なくとも一方を補正することを特徴とする請求項1記載のマスクパターン補正方法。
  4. 前記マスクパターンに対する補正を行う工程では、前記光量Qが前記光量Q0と略等しくなるように、前記マスクパターンを構成する前記吸収膜の膜厚を補正することを特徴とする請求項1記載のマスクパターン補正方法。
  5. 前記マスクパターンに対する補正を行う工程では、前記光量Qが前記光量Q0と略等しくなるように、前記マスクパターンを構成する前記吸収膜の形成材料を選択することを特徴とする請求項1記載のマスクパターン補正方法。
  6. 極短紫外光の反射作用を有するマスクブランクス膜と、当該マスクブランクス膜上にパターニングされて前記極短紫外光を吸収する吸収膜とを備えてなり、マスク面上に斜め入射する前記極短紫外光を反射することで前記吸収膜によって形成されるマスクパターンに応じた形状の転写像をウエハ上へ露光転写する露光用マスクであって、
    前記極短紫外光が所定の基準角度θ0でマスク面上に入射した場合に当該極短紫外光を反射して得られる0次回折光の光量Q0を求める工程と、
    前記斜め入射の角度で前記極短紫外光がマスク面上に入射した場合に当該極短紫外光を反射して得られる0次回折光の光量Qを求める工程と、
    前記光量Q0と前記光量Qとが略等しくなるように前記マスクパターンに対する補正を行う工程と
    を経て得られたことを特徴とする露光用マスク。
  7. 極短紫外光の反射作用を有するマスクブランクス膜と、当該マスクブランクス膜上にパターニングされて前記極短紫外光を吸収する吸収膜とを備えてなり、マスク面上に斜め入射する前記極短紫外光を反射することで前記吸収膜によって形成されるマスクパターンに応じた形状の転写像をウエハ上へ露光転写する露光用マスクを製造するためのマスク製造方法であって、
    前記極短紫外光が所定の基準角度θ0でマスク面上に入射した場合に当該極短紫外光を反射して得られる0次回折光の光量Q0を求める工程と、
    前記斜め入射の角度で前記極短紫外光がマスク面上に入射した場合に当該極短紫外光を反射して得られる0次回折光の光量Qを求める工程と、
    前記光量Q0と前記光量Qとが略等しくなるように前記マスクパターンに対する補正を行う工程と
    を含むことを特徴とするマスク製造方法。
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