JP2007284702A - 難燃性樹脂組成物の可撓性改善方法及び可撓性が改善された押出成形品 - Google Patents

難燃性樹脂組成物の可撓性改善方法及び可撓性が改善された押出成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】水酸化マグネシウム及び酸化マグネシウムからなる複合難燃剤を配合することで可撓性を改善し、そして成形品の柔軟性を向上させることができる難燃性樹脂組成物の可撓性改善方法及びそれから得られた可撓性の改善された押出成形品を提供する。
【解決手段】オレフィン系樹脂(A)並びに水酸化マグネシウム(B−1)及び酸化マグネシウム(B−2)からなる複合難燃剤(B)を含有してなる難燃性樹脂組成物の可撓性を改善する方法において、水酸化マグネシウム(B−1)として、水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物を粉砕したものであり、且つ表面が高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級アルコール、硬化油、チタネートカップリング剤及びシランカップリング剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の表面処理剤で表面処理されているものを用いることを特徴とする難燃性樹脂組成物の可撓性改善方法などを提供した。
【選択図】なし

Description

本発明は、難燃性樹脂組成物の可撓性改善方法及び可撓性が改善された押出成形品に関し、更に詳しくは可撓性を改善し、そして成形品の柔軟性を向上させることができる難燃性樹脂組成物の可撓性改善方法及び可撓性が改善された押出成形品に関する。
例えば、電線・ケーブルの絶縁被覆材等の押出成形品としては、従来から塩化ビニル樹脂やその組成物が多用されてきたが、環境保全や健康面の配慮から、ハロゲンを含まないものが求められている。
水酸化マグネシウムが、ハロゲンを含まないオレフィン系樹脂等に対して、優れた難燃剤であることは古くから知られているが、難燃剤としての効果を得るためには、比較的多量に配合しなければならず、結果として得られる難燃性樹脂組成物の機械特性が劣化することがあった。
そのため、水酸化マグネシウムと他の難燃剤との併用が提案されている。例えば、水酸化マグネシウムと酸化マグネシウムからなる複合難燃剤が提案され(例えば、特許文献1参照。)、難燃性の相乗効果が得られることが開示されている。しかしながら、難燃性は向上し、よってより少量の複合難燃剤の配合で所望の難燃性が得られ、機械特性への悪影響も軽減されるものの、例えば、これを被覆層として持つ電線・ケーブル等の押出成形品では、施工性に問題があり、そのため、可撓性(得られる樹脂組成物の柔軟性)の更なる改善が求められている。
水酸化マグネシウムとしては、古くから、海水から調製された合成水酸化マグネシウムが使用されている。また、脂肪酸、脂肪酸金属塩、チタネートカップリング剤またはシランカップリング剤の表面処理剤で表面処理した水酸化マグネシウムを、ポリオレフィンに配合した難燃性電気絶縁組成物も知られ、表面処理をすることにより、組成物の機械特性の低下や白化(水酸化マグネシウムが空気中の炭酸ガスと反応し、炭酸マグネシウムを生成し成形品表面に粉状として現れる現象)を防止する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
一方、合成水酸化マグネシウムに対して、中華人民共和国や朝鮮民主主義人民共和国で産出される天然産ブルーサイトなど、水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物(以下、単に天然産ブルーサイトともいう。)を、難燃剤として使用する試みもなされ、例えば、これを湿式で脂肪酸のアンモニウム塩又はアミン塩で表面処理した難燃性樹脂組成物(例えば、特許文献3参照。)が、また、これを乾式で脂肪酸、脂肪酸金属塩、シランカップリング剤またはチタネートカップリング剤で表面処理した難燃性樹脂組成物(例えば、特許文献4参照。)が提案されている。さらに、天然産ブルーサイトの乾式法による粉砕と表面処理の同時処理から得られる水酸化マグネシウム系難燃剤も提案されている(特許文献5参照。)。
また、合成水酸化マグネシウムと比較して、製造法が簡単で、コスト的にも有利である天然産ブルーサイトは、難燃剤としての効果や表面処理による機械特性の低下や白化の防止という点では、それらの実用性能を満足する程度まで開発されてきた。しかし、合成水酸化マグネシウムでは、その粒径が小さくて問題とならなかった表面平滑性の課題が残っていたが、本願出願人は、特願2001−170569号において、その粒径を特定化することなどにより、表面平滑性の課題に対する解決策を提案している。
特開昭55−13726号公報(特許請求の範囲等) 特開昭60−100302号公報(特許請求の範囲等) 特開平1−294792号公報(特許請求の範囲等) 特開平5−17692号公報(特許請求の範囲等) 特開2002−173682号公報(特許請求の範囲等)
本発明の目的は、水酸化マグネシウム及び酸化マグネシウムからなる複合難燃剤を配合した難燃性樹脂組成物において、可撓性を改善し、よって成形品の柔軟性を向上させることができる難燃性樹脂組成物の可撓性改善方法、及びこれを被覆した電線・ケーブル等の、改善された可撓性を持つ押出成形品を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、難燃剤として、天然産ブルーサイトを用いることなどにより難燃性を確保したまま樹脂組成物の可撓性が改善されることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
なお、天然産ブルーサイトを配合することにより難燃性樹脂組成物の可撓性が改善される機構は、明らかではないが、本発明者らによれば、合成水酸化マグネシウムとの結晶状態の相違に関係があるのではないかと推察されている。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、オレフィン系樹脂(A)並びに水酸化マグネシウム(B−1)及び酸化マグネシウム(B−2)からなる複合難燃剤(B)を含有してなる難燃性樹脂組成物の可撓性を改善する方法において、水酸化マグネシウム(B−1)として、水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物を粉砕したものであり、且つ表面が高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級アルコール、硬化油、チタネートカップリング剤及びシランカップリング剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の表面処理剤で表面処理されているものを用いることを特徴とする難燃性樹脂組成物の可撓性改善方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、複合難燃剤(B)は、水酸化マグネシウム(B−1)99.5〜95.0質量%及び酸化マグネシウム(B−2)0.5〜5.0質量%からなり、その配合量は、オレフィン系樹脂(A)100重量部に対して10〜200重量部であることを特徴とする難燃性樹脂組成物の可撓性改善方法が提供される。
さらに、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、水酸化マグネシウム(B−1)は、粒径4μm以上の割合が50%以下(個数基準)であることを特徴とする難燃性樹脂組成物の可撓性改善方法が提供される。
本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、水酸化マグネシウム(B−1)は、平均粒径(個数基準)が1.5〜6μmであることを特徴とする難燃性樹脂組成物の可撓性改善方法が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1の発明において、水酸化マグネシウム(B−1)は、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級アルコール、硬化油、チタネートカップリング剤及びシランカップリング剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の表面処理剤の存在下、50〜200℃で乾式により表面処理されて得られたものであることを特徴とする難燃性樹脂組成物の可撓性改善方法が提供される。
本発明の第6の発明によれば、第1の発明において、酸化マグネシウム(B−2)は、表面が高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級アルコール、硬化油、チタネートカップリング剤及びシランカップリング剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の表面処理剤で表面処理されているものであることを特徴とする難燃性樹脂組成物の可撓性改善方法が提供される。
本発明の第7の発明によれば、第1の発明において、複合難燃剤(B)は、水酸化マグネシウム(B−1)及び酸化マグネシウム(B−2)を同時に高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級アルコール、硬化油、チタネートカップリング剤及びシランカップリング剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の表面処理剤の存在下、50〜200℃で乾式により表面処理されて得られたものであることを特徴とする難燃性樹脂組成物の可撓性改善方法が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第1〜7のいずれかの発明に係り、前記方法により可撓性が改善された難燃性樹脂組成物が提供される。
さらに、本発明の第9の発明によれば、第8の発明の難燃性樹脂組成物を押出成形して得られた可撓性が改善された押出成形品が提供される
本発明は、上記した如く、オレフィン系樹脂(A)並びに水酸化マグネシウム(B−1)及び酸化マグネシウム(B−2)からなる複合難燃剤(B)を含有してなる難燃性樹脂組成物の可撓性改善方法において、水酸化マグネシウム(B−1)として、水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物を粉砕したものであり、且つ表面が高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級アルコール、硬化油、チタネートカップリング剤及びシランカップリング剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の表面処理剤で表面処理されているものを用いることを特徴とするものであるが、その好ましい態様としては、次のものが包含される。
(1)第1の発明において、オレフィン系樹脂(A)は、メルトマスフローレートが0.05〜50g/10分、コモノマー含有量が5〜40質量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体若しくはエチレン−アクリル酸エチル共重合体、又はメルトマスフローレートが0.05〜50g/10分、密度が0.86〜0.92g/cmの直鎖状超低密度エチレン−α−オレフィン共重合体であることを特徴とする難燃性樹脂組成物の可撓性改善方法
(2)第1の発明において、表面処理剤の処理量は、天然鉱物(天然産ブルーサイト)に対して、0.5〜10質量%であることを特徴とする難燃性樹脂組成物の可撓性改善方法
(3)第1の発明において、表面処理剤は、ステアリン酸又はステアリン酸カルシウムであることを特徴とする難燃性樹脂組成物の可撓性改善方法
(4)第1の発明において、酸化マグネシウム(B−2)は、平均粒径(個数基準)が0.5〜5μmであることを特徴とする難燃性樹脂組成物の可撓性改善方法
(5)第6の発明において、表面処理剤の処理量は、酸化マグネシウム(B−2)に対して、0.5〜10質量%であることを特徴とする難燃性樹脂組成物の可撓性改善方法
(6)第1の発明において、さらに、その他成分(C)として、相溶剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、核剤、滑剤、加工性改良剤、充填剤、分散剤、銅害防止剤、中和剤、発泡剤、気泡防止剤、着色剤及びカーボンブラックからなる群から選ばれた少なくとも1種の添加剤を含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物の可撓性改善方法
(7)第の発明において、電線・ケーブル、絶縁保護カバー、パイプ、フィルム、又はシートであることを特徴とする可撓性の改善された押出成形品。
本発明の難燃性樹脂組成物の可撓性改善方法によれば、天然産ブルーサイト(B−1)と酸化マグネシウム(B−2)からなるものを複合難燃剤(B)として用いているので、可撓性が改善され、よって成形品の柔軟性を向上しうる難燃性樹脂組成物が提供され、更に、複合難燃剤(B)であるので難燃性の相乗効果が得られ、より少量の配合量で所望の難燃性が得られ、よって機械特性(引張破壊応力、引張破壊ひずみ等)の優れた難燃性樹脂組成物を得ることができる。
従って、本発明に係る難燃性樹脂組成物を用いて、押出成形して得られた電線・ケーブルの外被、絶縁カバー、パイプ、フィルム、シートなどの押出成形品は、改善された可撓性を持ち、柔軟で施工性が優れている。
以下、本発明の難燃性樹脂組成物の可撓性改善方法、及び可撓性の改善された難燃性樹脂組成物を押出成形して得られた押出成形品について、各項目毎に詳細に説明する。
1.オレフィン系樹脂(A)
本発明で使用されるオレフィン系樹脂(A)は、特に限定されるものでなく、種類、分子量なども限定されない。オレフィン系樹脂(A)としては、エチレン系重合体及びプロピレン系重合体などが挙げられる。
エチレン系重合体としては、高圧法ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン(炭素数2〜12)共重合体、エチレン−α、β−不飽和カルボン酸アルキルエステル共重合体、エチレン−カルボン酸ビニルエステル共重合体等が挙げられ、具体的には、高圧ラジカル重合法で製造される高圧法低密度ポリエチレン、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を例示できる。
また、温度0〜250℃、圧力50MPa以上(高圧の場合)、10〜50MPa(中圧の場合)或いは常圧〜10MPa(低圧の場合)のいずれかの条件で、溶液重合法、懸濁重合法、スラリー重合法、気相重合法などの方法で、チグラー触媒、フィルップス触媒、スタンダード触媒、又はシングルサイト触媒(メタロセン触媒)等を用いて製造される直鎖状低密度(或いは超低密度)エチレン−α−オレフィン共重合体であるエチレン単独重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体が例示できる。
その他、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンも使用することができる。
さらに、いわゆる、ゴム或いは熱可塑性エラストマーと称されるエチレンと共役ジエンや非共役ジエンのような多不飽和化合物との共重合体、例えばスチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレンブロック共重合体等も挙げられる。
プロピレン系重合体としては、チグラー触媒などの公知のα−オレフィンの立体規則性触媒を用いて、比較的低温度で、中・低圧でプロピレンを単独重合させるか、或いはプロピレンと他のα−オレフィン(炭素数2〜12、但し炭素数3を除く)とを共重合させたものが挙げられる。具体的には、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1三元共重合体などを例示できる。
オレフィン系樹脂(A)は、1種或いは2種以上を混合して使用することができる。
オレフィン系樹脂(A)のメルトマスフローレートとしては、押出成形の加工性や成形品の機械的強度から、エチレン系重合体或いはこれとプロピレン系重合体との混合樹脂を使用する場合であっては、0.05〜50g/10分程度、好ましくは1.0〜5g/10分(190℃で測定)のものが好適に使用できる。また、プロピレン系重合体としては、1.0〜100g/10分、好ましくは2〜20g/10分(230℃で測定)のものが好適に使用できる。
本発明では、それ自体酸素指数が高く、他と比較して燃えにくい性質を持ち、さらに難燃剤との相溶性が優れ、多くの難燃剤を配合しても均一に分散する性質を持つメルトマスフローレート0.05〜50g/10分、コモノマー含有量が5〜40質量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体或いはエチレン−アクリル酸エチル共重合体、又はメルトマスフローレート0.05〜50g/10分、密度が0.86〜0.92g/cmの直鎖状超低密度エチレン−α−オレフィン共重合体を好適に使用することができる。
2.複合難燃剤(B)
本発明では、複合難燃剤(B)は、水酸化マグネシウム(B−1)及び酸化マグネシウム(B−2)からなり、その配合割合は、水酸化マグネシウム(B−1)が99.5〜95.0質量%、好ましくは99.4〜97.0質量%、更に好ましくは99.2〜98.0質量%であり、酸化マグネシウムが0.5〜5.0質量%、好ましくは0.6〜3.0質量%、更に好ましくは0.8〜2.0質量%である。
酸化マグネシウム(B−2)の配合割合が5質量%を超えると、複合難燃剤の難燃剤としての効果が低下し、一方、これが0.5質量%未満であると、水酸化マグネシウム(B−1)との難燃性相乗効果が低下し、結果として樹脂組成物の可撓性が不十分となるので望ましくない。
複合難燃剤(B)は、オレフィン系樹脂(A)100重量部に対して、10〜200重量部、好ましくは25〜150重量部、更に好ましくは50〜100重量部である。
複合難燃剤(B)の配合量が10重量部未満であると、難燃性が不足し、一方、200重量部を超えると、機械特性が低下すると共に可撓性それ自体の絶対値が低下する。
以下に、複合難燃剤(B)を構成する水酸化マグネシウム(B−1)及び酸化マグネシウム(B−2)について詳述する。
(1)水酸化マグネシウム(B−1)
本発明で使用する水酸化マグネシウム(B−1)は、天然産ブルーサイトを乾式或いは湿式粉砕し、表面処理を行い、必要があるならば分級し調製したものである。
乾式粉砕には、粉砕機、クラッシャー、ボールミル等を好適に用いることができる。一方、湿式粉砕には、溶媒を使用してボールミル等を挙げることができるが、効率の点から乾式粉砕が好ましい。分級には、風力分級装置(サイクロン機)や篩分級装置を好適に用いることができる。
表面処理は、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級アルコール、硬化油、チタネートカップリング剤及びシランカップリング剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の表面処理剤の所定量と粗粉砕天然産ブルーサイトを、粉砕機(クラッシャー、バッチ式或いは連続式のボールミル、振動ミル、メディア攪拌型ミル等)に入れ、粉砕と同時に表面処理を行う乾式で行うことにより、より好ましく施すことができる。この際、粉砕中の摩擦熱の発生があり、表面処理剤が融解し、細かくなった天然産ブルーサイトを被覆するが、望ましくは50〜200℃、好ましくは80〜150℃に加熱しながら粉砕と同時に表面処理を行うことにより、より均質で良好に表面被覆することができる。
表面処理は、上記の様に粉砕と表面処理を同時に行うことが好ましいが、乾式で粉砕した天然産ブルーサイトに、表面処理剤を添加し、ヘンシェルミキサー、ブレンダー等の従来から使用されている一般の攪拌装置を用いて、望ましくは外部から50〜200℃に加熱して、表面処理を行ってもよい。この場合、添加の方法は、分割法、一括添加法のいずれを用いてもよく、これら乾式で行う場合は、表面処理剤の平均粒径は、粉砕後の天然産ブルーサイトの平均粒径より小さいことが好ましく、平均粒径がその4分の1以下がより好ましい。
必要ならば、湿式を採用し、表面処理剤を水、アルコール等の溶媒に希釈して添加し、攪拌後あるいは攪拌の後期に、溶媒を加熱により留去して処理を行ってもよい。
所定の粒径が4μm以上の割合が、50%以下(個数単位)としたり、平均粒径(個数単位)を1.5〜6μmとするには、この粉砕条件を調整(時間、ブレードの形状等)することにより得られるが、必要とあれば、表面処理された水酸化マグネシウム(B−1)を風力分級装置(サイクロン機)や篩分級装置を用いて分級し、所望の粒径の水酸化マグネシウム(B−1)を得ることができる。
なお、表面処理剤の配合量は、天然産ブルーサイトに対して、0.5〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%程度である。これが0.5質量%未満であると、表面処理が不十分となり、表面処理の効果が得られず、一方、10質量%を超えると、得られる難燃性樹脂組成物の機械特性が低下する。
本発明で、粒径とは、レーザー回析・散乱法における粒度分布測定法による個数基準の値を意味する。具体的にはマイクロトラックHRA(Microtrac HRA法)による3本のレーザーによる方法によって、粒径による頻度分布(Frequency size distribution)を測定し、これを積分[積分値を(a)とする。]し、粒径4μm以上の割合は、この積分値(a)を分母とし、粒径4μm以上の該曲線を積分した値(a’)を分子として得られた数値を、百分率で表したものである。平均粒径(μm)も、上記のマイクロトラックHRAで求めた個数基準による値である。
水酸化マグネシウム(B−1)の粒径4μm以上の割合が50%以下(個数基準)であると、得られる押出成形品の表面平滑性に優れ、且つ改善された可撓性を持つ押出成形品が得られるので望ましい。
また、水酸化マグネシウムの平均粒径(個数基準)が1.5〜6μmであれば、粒径4μm以上の割合が50%以下(個数基準)のものを容易に得ることができ、よって、得られる押出成形品の表面平滑性及び可撓性の優れた押出成形品が得られるので望ましい。
本発明で使用される表面処理剤の高級脂肪酸としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸、ラウリン酸、カプリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸等を例示できる。
また、本発明で使用される表面処理剤の高級脂肪酸金属塩としては、上記高級脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩、アルミニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、バリウム塩、コバルト塩、錫塩、チタニウム塩、鉄塩等を例示できる。
さらに、本発明で使用される表面処理剤の高級脂肪酸エステルとしては、上記高級脂肪酸のメチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、iso−プロピルエステル、ブチルエステル、オクチルエステル、ラウリルエステル、ステアリルエステル、ベヘニルエステル等を例示できる。
また、本発明で使用される表面処理剤の高級脂肪酸アミドとしては、上記高級脂肪酸のアミドを例示できる。
本発明で使用される表面処理剤の高級アルコールとしては、オクチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等が例示される。
また、本発明で使用される表面処理剤の硬化油としては、牛脂硬化油、ヒマシ硬化油等を例示できる。
さらに、本発明で使用される表面処理剤のチタネートカップリング剤としては、イソプロピル−トリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、チタニウム(オクチルフォスフェート)オキシアセテート等を例示できる。
また、本発明で使用される表面処理剤のシランカップリング剤としては、分子内の一方の末端に、無機質と反応する反応基(メトキシ基、エトキシ基、カルボキシル基、セロソルブ基等)をもつ化合物であり、一般には3官能基を持つものが多いが、2官能基や1官能基を持つものでも良い。具体的には、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等を例示できる。好ましい表面処理剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム等を挙げることができる。
(2)酸化マグネシウム(B−2)
本発明で使用する酸化マグネシウム(B−2)は、平均粒径が0.5〜5μmのものを好適に使用できる。
また、本発明で使用される酸化マグネシウム(B−2)は、水酸化マグネシウム(B−1)の項で記載した同様の表面処理剤で表面処理されていることが望ましい。
なお、表面処理剤の配合量は、酸化マグネシウム(B−2)に対して0.5〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%程度である。
表面処理は、所定量の表面処理剤と酸化マグネシウム(B−2)を、ヘンシェルミキサー、ナフタミキサー等の混合機に入れ、予め混合した後にアトマイザー等で微粉砕することにより、例えば表面処理剤のステアリン酸等を溶融させて、酸化マグネシウムの表面を被覆させることにより施すことができる。
複合難燃剤(B)は、上記水酸化マグネシウム(B−1)及び酸化マグネシウム(B−2)のそれぞれ所定量を、オレフィン系樹脂(A)に配合したり、予めこれらを混合してオレフィン系樹脂(A)に配合したりできるが、粗粉砕天然産ブルーサイトと酸化マグネシウムの所定量を、混合機に入れ混合し、次いで水酸化マグネシウム(B−1)で説明した表面処理方法で、加熱しながら粉砕し天然産ブルーサイトと酸化マグネシウムの表面処理を同時に行って、複合難燃剤(B)を調製して用いてもよい。
3.その他の成分(C)
難燃性樹脂組成物には、使用目的に応じて、相溶剤(酸変性オレフィン系樹脂など)、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、核剤、滑剤、加工性改良剤、充填剤、分散剤、銅害防止剤、中和剤、発泡剤、気泡防止剤、着色剤、カーボンブラック等の各種添加剤や補助資材を配合し、可撓性を改善することができる。
4.難燃性樹脂組成物
難燃性樹脂組成物は、所定量のオレフィン系樹脂(A)、複合難燃剤(B)[これは(B−1)及び(B−2)を個別に取扱ってもよい]及び必要に応じて適当量のその他の成分(C)を配合して、一般的な方法、例えば、ニーダー、バンバリーミキサー、コンティニュアスミキサー、ロールミル或いは押出機を用いて均一に混合溶融混練することにより調製することができる。
溶融混練した難燃性樹脂組成物は、次いでペレット造粒し、これを成形に用いることが好ましい。
本発明に係る押出成形品は、電線・ケーブルや絶縁保護カバー、パイプ、フィルム、シート等が例示され、上記可撓性が改善された難燃性樹脂組成物を、押出成形機を用い、加熱溶融させた後、金型から押出成形して製造することができる。
次に、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、本明細書中で用いられた物性値及び評価は、それぞれ以下の方法によるものである。
[評価]:
1.メルトマスフローレート
JIS K6922−2に準拠して行い、エチレン系重合体は、190℃、荷重2.16kgで測定した。
2.密度
JIS K6922−2に準拠して測定した。
3.可撓性
JIS K7122に準拠して引張降伏応力を測定し、可撓性を評価した。引張降伏応力が小さいほど可撓性が高く、よって柔軟性が大きい。
4.難燃性
4−1.60度ケーブル燃焼試験
難燃性は、まず、JIS C3005に準拠して60度ケーブル燃焼試験によって評価した。
芯線として、直径0.9mmの銅線を用い、この外周に単軸押出機[聖製作所製、長さ(L)/直径(D)=25、直径(D)=50mm]で樹脂組成物を190℃で押出被覆し、被覆層(シース層)の厚さが1.5mm或いは1.0mmの被覆電線を調製し、試料とした。
自消時間が秒で表わされるが、これは小さい方が、難燃性が高いことを意味している。
4−2.酸素指数
難燃性樹脂組成物を、160℃、150Kg/cmの条件で3分間圧縮成形し、厚さ3mmのシートを成形して、これを用いて、JIS K7201に準拠して酸素指数を求めて、難燃性の評価に用いた。
5.表面平滑性
難燃性樹脂組成物を、一軸押出機[東洋精機製、ラボプラストミル押出機、長さ(L)/直径(D)=25、直径(L)=20mm]に入れ、温度をC1=150℃、C2=170℃、C3=180℃に調整し、テープ金型(幅30mm、厚さ1mm)を用いて押出成形し、得られたテープの表面を目視で評価した。
[実施例1、2及び比較例1、2]
実施例1として、オレフィン系樹脂(A)としてエチレン−アクリル酸エチル共重合体(メルトマスフローレート0.5g/10分、アクリル酸エチル含有量23質量%、日本ユニカー製「NUC−831」、以下単にEEAとも称する。)を使用して、表1に示したように、この100重量部に、天然産ブルーサイトである「マグシーズW−H4」(表面処理:2%ステアリン酸乾式処理品、神島化学製、粒径が4μm以上の割合45%、平均粒径2.8μm)67重量部及び酸化マグネシウムである「スターマグC−150」(表面処理:6%ステアリン酸処理品、神島化学製、平均粒径3.5μm、BET比表面積140m/g)1重量部を加え[尚、複合難燃剤(B)としては水酸化マグネシウム(B−1)98.5質量%及び酸化マグネシウム(B−2)1.5質量%からなり、複合難燃剤(B)としては68重量部を加えたことになる。]、酸化防止剤としてテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン0.2重量部を加えて、バンバリーミキサーで180℃で10分間溶融混練し、難燃性樹脂組成物を得て、これを粒径約5mmに造粒後、評価した。
表1に、その評価結果を示したが、引張降伏応力は4MPa未満であり、後述する比較例と比べて、改善された可撓性を持ち、且つ被覆層厚1.5mmの60度ケーブル燃焼試験では、10秒未満で消火し優れた難燃性を示した。また、表1には、記載していないが表面平滑性試験では、光沢のある表面であった。
比較例1は、酸化マグネシウム(B−2)を加えない以外は実施例1と同様にして得られた樹脂組成物であるが、可撓性は実施例1と同様に改善されたものであったが、難燃性が実施例1と比べて劣り、表1には記載していないが「マグシーズW−4H」の配合量を80重量部以上にすれば、実施例1と同レベルの難燃性が得られることがわかった。
なお、水酸化マグネシウム(B−1)の配合量を増やせば、機械特性(引張破壊応力、引張破壊ひずみ等)が低下することは自明であり、望ましくない。
比較例2は、天然産ブルーサイトの「マグシーズW−H4」を、合成水酸化マグネシウムであるキスマ5A(表面処理:2.5%ステアリン酸金属塩処理品、協和化学製、粒径が4μm以上の割合6%、平均粒径1.3μm)に替えた以外は実施例1と同様にして得られた樹脂組成物であるが、難燃性、表面平滑性については満足すべきものであったが、可撓性が実施例1に比べて明らかに劣り、柔軟性の劣った樹脂組成物であった。
実施例2は、天然産ブルーサイトの「マグシーズW−H4」を同じく天然産ブルーサイトである「マグシーズN−1」(表面処理:2%ステアリン酸カルシウム乾式処理品、神島化学製、粒径が4μm以上の割合50%超、平均粒径4μm)に替えた以外は、実施例1と同様にして得られた樹脂組成物であるが、実施例1と同様の改善された可撓性及び難燃性を示した。なお、表面平滑性は、実用価値のあるものであったが、実施例1と比較すると光沢が少なかった。
[実施例3、4及び比較例3、4]
実施例3では、オレフィン系樹脂(A)として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(メルトマスフローレート4g/10分、酢酸ビニル含有量25質量%、日本ユニカー製「NUC−3195」、以下単にEVAとも称する。)、及び実施例4では直鎖状エチレン−ブテン−1共重合体(メルトマスフローレート0.7g/10分、密度0.915g/cm、日本ユニカー製「NUCG−7101」、以下単にLLDPEとも称する。)を使用して、表1に示したように、この100重量部に天然産ブルーサイトである「マグシーズW−H4」を67重量部及び酸化マグネシウムである「スターマグCX−150」(表面処理:8%高級脂肪酸エステル処理品、神島化学製、平均粒径3.5μm、BET比表面積140m/g)1重量部を加え[複合難燃剤(B)としては水酸化マグネシウム(B−1)98.5質量%及び酸化マグネシウム(B−2)1.5質量%からなり、複合難燃剤(B)としては68重量部を加えたことになる。]、酸化防止剤として、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン0.2重量部を加えて、バンバリーミキサーで180℃で10分間溶融混練し、難燃性樹脂組成物を得て、これを粒径約5mmに造粒後、評価した。
表1に、その評価結果を示したが、引張降伏応力は、実施例3では4MPa未満、実施例4では6.5MPaであり、後述する合成水酸化マグネシウムを配合した比較例3、4と比べて可撓性に優れ、且つ被覆層厚1.5mmの60度ケーブル燃焼試験では、10秒未満で消火し、優れた難燃性を示した。また、表1には記載していないが、表面平滑性試験では、光沢のある表面であった。
比較例3及び比較例4では、水酸化マグネシウムを合成水酸化マグネシウムである「キスマ5A」及び「マグシーズN−4」(表面処理:2.5%ステアリン酸金属塩処理品、神島化学製、粒径が4μm以上の割合50%未満、平均粒径1.4μm)に替えた以外は、実施例4と同様に行ったものであるが、引張降伏応力が共に7.9Maと実施例3及び4と比べて、それぞれ劣る樹脂組成物であった。なお、難燃性及び表面平滑性は満足するものであった。
[実施例5及び比較例5、6]
実施例5として、オレフィン系樹脂(A)としてEEAを用い、複合難燃剤(B)として「マグシーズW−4H」及び「スターマグCX−150」を、表1に示した配合で用いて組成物を調製し、造粒後評価した。複合難燃剤(B)としては、水酸化マグネシウム(B−1)98.77質量%及び酸化マグネシウム(B−2)1.23質量%からなり、複合難燃剤としては、81重量部を加えたことになる。
比較例5は、実施例5の難燃剤を「マグシーズW−4H」のみとした以外は、実施例5と同様にして樹脂組成物を得たものである。
評価結果は、表1に示したが、60度ケーブル燃焼試験(被覆層厚1.0mm)で実施例5は10秒未満で消火したが、比較例5では15秒以上であり難燃性が劣っていた。なお、可撓性及び表面平滑性においては、共に良好な結果を示したが、比較例5の難燃性を実施例5と同レベルにするのには、「マグシーズW−4H」を100重量部以上配合する必要が確認された。なお、水酸化マグネシウムの配合量を増やせば、機械特性(引張破壊応力、引張破壊ひずみ等)が低下することは自明であり、望ましくない。
比較例6は、実施例5の「マグシーズW−4H」を合成水酸化マグネシウムである「キスマ5A」に替えた以外は、実施例5と同様にして得た樹脂組成物であるが、引張降伏応力が実施例5に比べて劣り、可撓性が劣り、よって実施例5と比べて、柔軟性の低い樹脂組成物であった。なお、実施例5、比較例5及び6で得られた樹脂組成物の難燃性及び表面平滑性は、満足するものであった。
[実施例6]
粗粉砕天然産ブルーサイト98.77質量%及び酸化マグネシウム1.23質量%からなる混合物を、加温装置のついたボールミルへ入れ、混合物に対して3質量%に相当するステアリン酸粉末を加え混合し、次いでアルミナボールを使用して、平均粒径約4μmになるように80℃に加熱しながら粉砕した。この複合難燃剤(B)の粒径4μm以上の割合は50%未満であった。
得られた複合難燃剤(B)とEEAを混合し、実施例1と同様に溶融混練し、樹脂組成物を得て評価した。
評価結果は、表1に示したが、引張降伏応力(可撓性)、難燃性、更に表面平滑性の優れた樹脂組成物であった。
Figure 2007284702

Claims (9)

  1. オレフィン系樹脂(A)並びに水酸化マグネシウム(B−1)及び酸化マグネシウム(B−2)からなる複合難燃剤(B)を含有してなる難燃性樹脂組成物の可撓性を改善する方法において、
    水酸化マグネシウム(B−1)として、水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物を粉砕したものであり、且つ表面が高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級アルコール、硬化油、チタネートカップリング剤及びシランカップリング剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の表面処理剤で表面処理されているものを用いることを特徴とする難燃性樹脂組成物の可撓性改善方法
  2. 複合難燃剤(B)は、水酸化マグネシウム(B−1)99.5〜95.0質量%及び酸化マグネシウム(B−2)0.5〜5.0質量%からなり、その配合量は、オレフィン系樹脂(A)100重量部に対して10〜200重量部であることを特徴とする請求項1に記載の難燃性樹脂組成物の可撓性改善方法
  3. 水酸化マグネシウム(B−1)は、粒径4μm以上の割合が50%以下(個数基準)であることを特徴とする請求項1に記載の難燃性樹脂樹脂組成物の可撓性改善方法
  4. 水酸化マグネシウム(B−1)は、平均粒径(個数基準)が1.5〜6μmであることを特徴とする請求項1に記載の難燃性樹脂組成物の可撓性改善方法
  5. 水酸化マグネシウム(B−1)は、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級アルコール、硬化油、チタネートカップリング剤及びシランカップリング剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の表面処理剤の存在下、50〜200℃で乾式により表面処理されて得られたものであることを特徴とする請求項1に記載の難燃性樹脂組成物の可撓性改善方法
  6. 酸化マグネシウム(B−2)は、表面が高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級アルコール、硬化油、チタネートカップリング剤及びシランカップリング剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の表面処理剤で表面処理されているものであることを特徴とする請求項1に記載の難燃性樹脂組成物の可撓性改善方法
  7. 複合難燃剤(B)は、水酸化マグネシウム(B−1)及び酸化マグネシウム(B−2)を同時に高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級アルコール、硬化油、チタネートカップリング剤及びシランカップリング剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の表面処理剤の存在下、50〜200℃で乾式により表面処理されて得られたものであることを特徴とする請求項1に記載の難燃性樹脂組成物の可撓性改善方法
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の方法により可撓性が改善された難燃性樹脂組成物
  9. 請求項に記載の難燃性樹脂組成物を押出成形して得られた可撓性の改善された押出成形品。
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