JP5433993B2 - 難燃剤、難燃性組成物、絶縁電線ならびにワイヤーハーネス - Google Patents

難燃剤、難燃性組成物、絶縁電線ならびにワイヤーハーネス Download PDF

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Description

本発明は、難燃剤、難燃性組成物、絶縁電線ならびにワイヤーハーネスに関するものである。
従来、自動車部品などの車両部品、電気・電子機器部品などの配線に用いられる絶縁電線としては、一般に、導体の外周に、ハロゲン系難燃剤を添加した塩化ビニル樹脂組成物を被覆したものが広く用いられてきた。
しかしながら、この種の塩化ビニル樹脂組成物は、ハロゲン元素を含有しているため、車両の火災時や電気・電子機器の焼却廃棄時などの燃焼時に有害なハロゲン系ガスを大気中に大量に放出するおそれがあり、環境汚染が懸念されていた。
そのため、地球環境への負荷を抑制するなどの観点から、近年では、燃焼時に有害なハロゲン系ガスを出さないオレフィン系樹脂などに、ノンハロゲン系難燃剤として水酸化マグネシウム等の金属水酸化物を添加した、いわゆるノンハロゲン系難燃性組成物への代替が進められている。
この種の難燃性組成物では、十分な難燃性を付与するため、水酸化マグネシウムが大量に添加される。水酸化マグネシウムのうち、海水などから合成されている合成品は比較的高価なため、製造コストを低減する目的で、最近、安価な天然品を用いる提案がされるようになってきている。
例えば特許文献1には、水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物を粉砕し、脂肪酸、脂肪酸金属塩、シラン系カップリング剤またはチタネートカップリング剤で表面処理してなる難燃剤と、この難燃剤を用いた難燃性組成物、およびこの難燃性組成物で被覆された絶縁電線が開示されている。
特許第3339154号公報
絶縁電線の被覆材には、機械特性、難燃性および耐寒性などの種々の特性が要求されている。しかしながら、従来の、水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物の粉砕物を用いた難燃剤では、これをオレフィン系樹脂に添加してなる組成物の耐寒性が十分ではなかった。また、組成物を調製する際において、混練機からの吐出量が少なく、組成物の生産性が低いという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、組成物の耐寒性と生産性とを高めることが可能な難燃剤、難燃性組成物、絶縁電線ならびにワイヤーハーネスを提供することにある。
本発明に係る難燃剤は、水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物の粉砕物を、融点が100度以下の有機高分子で表面処理してなることを要旨とするものである。
この場合、上記有機高分子の140度での溶融粘度が1000mPa・s以下であることが望ましい。
また、本発明に係る難燃性組成物は、上記難燃剤を含有してなることを要旨とするものである。
さらに、本発明に係る絶縁電線は、上記難燃性組成物を導体の外周に被覆してなることを要旨とするものである。
そして、本発明に係るワイヤーハーネスは、上記絶縁電線を含有してなることを要旨とするものである。
本発明に係る難燃剤によれば、これをオレフィン系樹脂などのベース樹脂に添加してなる難燃性組成物の耐寒性を高めることができる。これは、上記粉砕物を融点が100度以下の有機高分子で表面処理することにより、粉砕物の表面凹凸が滑らかにされる結果、粒子の凝集が抑えられて、組成物中に難燃剤が高分散されるためと推測される。
また、上記難燃剤を含有する難燃性組成物の混練機からの吐出量を多くすることができる。これにより、上記難燃性組成物の生産性を高めることができる。これは、上記粉砕物が、融点が100度以下の有機高分子で表面処理されているので、難燃剤とベース樹脂との混練時に、難燃剤がベース樹脂中で分散しやすくなり、難燃剤とベース樹脂とがより混ざりやすくなっているためと推測される。また、従来の表面処理剤である脂肪酸などと比較して有機高分子は熱分解されにくいので、難燃剤とベース樹脂とを加熱混練する工程で、上記天然鉱物中に含まれる水分や有機高分子などからの揮発性ガスの発生が抑えられ、混練機内への原料供給がスムーズに行なわれるためと推測される。
この場合、上記有機高分子の140度での溶融粘度が1000mPa・s以下であれば、上記効果に一層優れる。
一方、本発明に係る難燃性組成物は、上記難燃剤を含有しているので、耐寒性および生産性に優れる。
さらに、本発明に係る絶縁電線およびこの絶縁電線を含むワイヤーハーネスによれば、上記難燃性組成物を導体の外周に被覆してなるので、絶縁被覆材の劣化が抑えられ、長期にわたって高い信頼性を確保することができる。
次に、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明に係る難燃剤は、水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物の粉砕物を、ある特定の有機高分子で表面処理されたものよりなる。この天然鉱物の粉砕物を表面処理する有機高分子の融点は、難燃剤をベース樹脂中に均一に分散させる観点から、100度以下である。有機高分子の融点が100度を超えると、難燃剤の分散性が悪くなるからである。有機高分子の融点は、好ましくは、90度以下、より好ましくは、80度以下であると良い。一方、保存安定性の観点から、有機高分子の融点の下限は、40度以上、より好ましくは、50度以上、さらに好ましくは、60度以上であると良い。なお、有機高分子の融点は、熱分析(DSC法)などの方法により測定することができる。
また、この有機高分子の140度での溶融粘度は、1000mPa・s以下であると良い。有機高分子の140度での溶融粘度が1000mPa・sを超えると、流動性が低くなりやすく、そのため分散性が悪くなるからである。好ましくは、900mPa・以下、より好ましくは、800mPa・s以下であると良い。一方、保存安定性の観点から、有機高分子の140度での溶融粘度の下限は、10mPa・s以上、より好ましくは、20mPa・s以上、さらに好ましくは、30mPa・s以上であると良い。なお、有機高分子の溶融粘度は、熱分析(DSC法)などの方法により測定することができる。
ここで、有機高分子による表面処理量は、難燃剤の重量に対する、表面処理に用いられた有機高分子の重量(重量%)で表されるが、その表面処理量は、0.1〜10重量%の範囲内にあることが好ましい。より好ましくは、0.5〜5重量%の範囲内であり、さらに好ましくは、1〜2重量%の範囲内である。0.1重量%未満では、例えば、難燃剤をベース樹脂に添加してなる難燃性組成物の耐寒性向上効果および生産性向上効果が低下しやすいからである。一方、10重量%を超えると、難燃剤のコストが増大するからである。
有機高分子としては、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィンの単独もしくは相互共重合体、あるいはこれらの混合物を用いることができる。
有機高分子は、酸変性されていても良い。酸としては、不飽和カルボン酸やその誘導体などを用いることができる。具体的には、不飽和カルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。また、その誘導体としては、無水マレイン酸、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステルなどが挙げられる。このうち、マレイン酸、無水マレイン酸がより好ましい。これらは1種または2種以上併用しても良い。酸変性されていると、無機物である粉砕物となじみやすくなるからである。
有機高分子に酸を導入する方法としては、グラフト法や直接(共重合)法などが挙げられる。酸変性量としては、有機高分子に対して0.1〜20重量%にすることが好ましい。より好ましくは、0.2〜10重量%であり、さらに好ましくは、0.2〜5重量%である。酸変性量が少ないと、粉砕物との親和性を高める効果が小さくなりやすく、酸変性量が多いと、自己重合することがあり、粉砕物との親和性を高める効果が小さくなりやすいからである。
上記有機高分子に表面処理される天然鉱物としては、天然ブルーサイト鉱石などを例示することができる。粉砕方法は、湿式または乾式のいずれでも良い。本発明に係る難燃剤は、天然鉱物を粉砕して製造されるので、海水などから水酸化マグネシウムを合成して製造される難燃剤と比較して製造コストは安くなる。粉砕物の初期水分量は、1重量%以下であることが好ましい。
粉砕物の平均粒径は、0.1〜20μmの範囲内にあることが好ましい。0.1μm未満では、粒子の二次凝集が起こりやすく、この難燃剤と有機高分子とを含有する組成物の機械特性が低下しやすいからである。一方、20μmを超えると、例えば電線被覆材の難燃剤として用いたときに、被覆材の外観が悪くなりやすい傾向があるからである。より好ましくは、0.2〜10μmの範囲内であり、さらに好ましくは、0.5〜5μmの範囲内である。
粉砕物に有機高分子を表面処理する方法は、特に限定されない。有機高分子を溶媒に溶融させたものを用いる湿式処理でも良いし、溶媒を用いない乾式処理でも良い。湿式処理の場合、好適な溶媒としてはペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒などを用いることができる。有機高分子は、所定の粒径に粉砕された粉砕物に表面処理しても良く、天然鉱物を粉砕する際に同時に表面処理しても良い。さらに本発明の難燃性組成物の製造時、有機高分子をベース樹脂と同時に混練りして、粉砕物に表面処理しても良い。
粉砕物は、表面処理により、その表面の一部または全部が有機高分子で覆われていれば良い。その一部が有機高分子で覆われているものについては、例えば難燃剤とベース樹脂との混ざりを良くしたり、水酸化マグネシウム中の水分の揮発を抑える程度に覆われていれば良い。
次に、本発明に係る難燃性組成物について説明する。
本発明に係る難燃性組成物は、上記難燃剤を含有している。上記難燃剤は、ベース樹脂100重量部に対して30〜250重量部含有していることが好ましい。より好ましくは、50〜200重量部であり、さらに好ましくは、60〜180重量部である。30重量部未満では、難燃性が低下しやすく、250重量部を超えると、十分な機械特性が得られにくいからである。
ベース樹脂としては、ポリオレフィンやスチレン系共重合体などが好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンープロピレンゴム、スチレンーエチレンーブチレンースチレンブロック共重合体などを例示することができる。
ベース樹脂は、酸変性されていても良い。酸としては、不飽和カルボン酸やその誘導体などを用いることができる。具体的には、不飽和カルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。また、その誘導体としては、無水マレイン酸、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステルなどが挙げられる。このうち、マレイン酸、無水マレイン酸がより好ましい。これらは1種または2種以上併用しても良い。
ベース樹脂に酸を導入する方法としては、グラフト法や直接(共重合)法などが挙げられる。酸変性量としては、有機高分子に対して0.1〜20重量%にすることが好ましい。より好ましくは、0.2〜10重量%であり、さらに好ましくは、0.2〜5重量%である。酸変性量が0.1重量%未満であると、耐摩耗性が低下する傾向が見られ、また、20重量%を越えると、成形加工性が悪化する傾向が見られるからである。
本発明に係る難燃性組成物中には、必要に応じて、当該組成物の物性を損なわない範囲で他の添加剤が配合されていても良い。例えば、電線被覆材などに用いられる一般的な充填剤や、顔料、酸化防止剤、老化防止剤などが配合されていても良く、特に限定されるものではない。
難燃性組成物の製造方法は、上記難燃剤とベース樹脂とを混練する工程を有している。難燃剤とベース樹脂とを混練する工程は、バンバリミキサー、加圧ニーダー、混練押出機、二軸押出機、ロールなどの通常の混練機を用いて行なうことができる。
混練する工程においては、あらかじめ混練機にベース樹脂を入れ、撹拌しているところに難燃剤を添加するのでも良いし、あらかじめ混練機に難燃剤を入れ、撹拌しているところにベース樹脂を添加するのでも良い。また、混練する前に、タンブラーなどでドライブレンドした後、混練機に移して混練しても良い。
混練時の温度は、難燃剤がベース樹脂に分散されやすくなる程度に、有機高分子の粘度が低下する温度にすると良い。具体的には、100〜300℃の範囲にあることが好ましい。混練時、有機高分子がせん断されることにより発熱が起きる場合には、発熱による温度上昇を考慮して、最適温度になるように温度調整すれば良い。
混練した後は、混練機から取り出して当該組成物を得る。その際、ペレタイザーなどで当該組成物をペレット状に成形すると良い。
上述するように、本発明に係る難燃剤は、水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物の粉砕物を上記有機高分子により表面処理されたものよりなるので、混練機で混練するときの混ざりが良く、混練時の温度上昇がスムーズになる。また、混練機のメッシュのつまりが少なく、内圧の上昇が起こりにくい。
次に、本発明に係る絶縁電線およびワイヤーハーネスについて説明する。
本発明に係る絶縁電線は、上述する難燃性組成物を絶縁被覆材の材料として用いたものである。絶縁電線の構成としては、導体の外周に直接、絶縁被覆材が被覆されていても良いし、導体とこの絶縁被覆材との間に、他の中間部材、例えば、シールド導体や他の絶縁体などが介在されていても良い。
導体は、その導体径や導体の材質など、特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜定めることができる。また、絶縁被覆材の厚さについても、特に制限はなく、導体径などを考慮して適宜定めることができる。
上記絶縁電線は、例えば、バンバリミキサー、加圧ニーダー、ロールなどの通常用いられる混練機を用いて混練した本発明に係る難燃性組成物を、通常の押出成形機などを用いて導体の外周に押出被覆するなどして製造することができる。
一方、本発明に係るワイヤーハーネスは、上記絶縁電線を含んでなるものである。上記絶縁電線のみで構成される電線束であっても良いし、他の有機高分子組成物が被覆された絶縁電線、例えば、塩化ビニル系の絶縁電線やハロゲン元素を含有しない他の絶縁電線などを含んで構成される電線束であっても良い。電線束は、例えばワイヤーハーネス保護材により被覆されていると良い。電線の本数は、任意に定めることができ、特に限定されるものではない。
ワイヤーハーネス保護材は、複数本の絶縁電線が束ねられた電線束の外周を覆い、内部の電線束を外部環境などから保護する役割を有するものである。ワイヤーハーネス保護材を構成する基材としては、特に限定されるものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂組成物が好ましい。樹脂組成物には、難燃剤を適宜添加すると良い。
ワイヤーハーネス保護材としては、テープ状に形成された基材の少なくとも一方の面に粘着剤が塗布されたものや、チューブ状、シート状などに形成された基材を有するものなどを、用途に応じて適宜選択して用いることができる。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(供試材料および製造元など)
本実施例および比較例において使用した供試材料を製造元、商品名などとともに示す。
(A)ベース樹脂
・ポリプロピレン[日本ポリプロ(株)製、商品名「EC7」]
(B)水酸化マグネシウム
・ファイマテック(株)製、商品名「ジュンマグ」
(C)有機高分子
(a)エチレン−オクテンコポリマー[エチレン:オクテン=5:5、重量平均分子量:5000]
(b)エチレン−オクテンコポリマー[エチレン:オクテン=6:4、重量平均分子量:5000]
(c)エチレン−デセンコポリマー[エチレン:デセン=6:4、重量平均分子量:5000]
(d)エチレン−デセンコポリマー[エチレン:デセン=6:4、重量平均分子量:5000]
(e)エチレン−ドデセンコポリマー[エチレン:ドデセン=6:4、重量平均分子量:5000]
(f)エチレン−ドデセンコポリマー[エチレン:ドデセン=6:4、重量平均分子量:5000]
(g)ポリエチレンワックス[三井化学(株)製、商品名「800p」]
(h)ポリプロピレンワックス[三井化学(株)製、商品名「NP805」]
(i)ステアリン酸[試薬]
(j)ステアリン酸亜鉛[試薬]
(D)酸化防止剤
・チバスペシャルティケミカルズ(株)製、商品名「イルガノックス1010」
(難燃剤の調製)
水酸化マグネシウムを温度200℃にてスーパーミキサー内で撹拌しながら、表1に示す表面処理剤を、約5分かけてミキサー内に徐々に投入した。所定量投入後、さらに約20分撹拌して、実施例および比較例に係る難燃剤を調製した。
(組成物および絶縁電線の作製)
初めに、二軸混練機を用いて、表1に示す各成分を混合温度200℃にて混練した後、ペレタイザーにてペレット状に成形して本実施例に係る組成物と比較例に係る組成物を得た。次いで、得られた各組成物を、押出成形機により、軟銅線を7本撚り合わせた軟銅撚線の導体(断面積0.5mm)の外周に0.2mm厚で押出被覆し、本実施例に係る絶縁電線および比較例に係る絶縁電線を作製した。
(試験方法)
以上のように作製した各組成物の吐出量(kg/h)を評価した。また、各絶縁電線について、耐寒性試験を行った。
(耐寒性試験)
JIS C3005に準拠して行なった。すなわち、作製した絶縁電線を38mmの長さに切り出して試験片とした。そのサンプルを試験機にかけ、冷却しながら打撃具でたたき、5本すべてが割れたときの温度を耐寒温度とした。耐寒温度が−20℃以下となるものを合格とした。
表1に、組成物の配合割合(単位:重量部)および評価結果を示す。
Figure 0005433993
比較例に係る絶縁電線は、耐寒性に劣ることが分かった。これは、水酸化マグネシウム粒子が凝集して、分散性が悪くなったためと推測される。また、比較例に係る絶縁電線は、組成物の吐出量も少なく生産性に劣っている。
これに対し、実施例に係る絶縁電線は、いずれも耐寒性に優れることが確認できた。また、実施例に係る絶縁電線は、組成物の吐出量が多く、組成物の生産性に優れていることが分かった。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。

Claims (4)

  1. 水酸化マグネシウムを主成分とする天然鉱物の粉砕物が、有機高分子により表面処理された難燃剤であって、
    前記有機高分子の融点が、90℃以下〜40℃以上の範囲内であり、
    前記有機高分子の140℃での溶融粘度が、900mPa・s以下〜10mPa・s以上の範囲内であり、
    前記有機高分子が、α−オレフィンとエチレンの共重合体であることを特徴とする難燃剤。
  2. 請求項に記載の難燃剤を含有してなることを特徴とする難燃性組成物。
  3. 請求項に記載の難燃性組成物を導体の外周に被覆してなることを特徴とする絶縁電線。
  4. 請求項に記載の絶縁電線を含有してなることを特徴とするワイヤーハーネス。
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