JP2012248347A - 絶縁電線 - Google Patents

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Abstract

【課題】架橋アクリルゴムを含む絶縁層を有する絶縁電線において、難燃性、耐摩耗性等に優れると共に、耐寒性等も良好な絶縁電線を提供する。
【解決手段】導体の周囲が架橋アクリルゴムを含む絶縁層で被覆されている絶縁電線において、前記絶縁層に、水酸化マグネシウムの表面が有機高分子表面処理剤により表面処理された表面処理水酸化マグネシウムと、マイカ粉末を含有せしめて絶縁電線を構成した。
【選択図】なし

Description

本発明は、絶縁電線に関し、特に自動車、電気・電子機器等に好適に使用される絶縁電線に関する。
自動車、電気・電子機器等に使用される部材や絶縁材料には、機械特性、難燃性、耐熱性、耐寒性等の種々の特性が要求されている。従来、このような絶縁材料として、例えばアクリルゴムを含む組成物による絶縁層を用いた絶縁電線が公知である(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に記載の絶縁電線の絶縁層は、アクリルゴムとポリオレフィンを混合した樹脂成分を用いたものである。上記絶縁電線は耐熱性が良好であり、柔軟で耐寒性等も優れたものである。
特開2009−269979号公報
しかしながら、上記従来の絶縁電線は、難燃性が不十分である。更に絶縁電線は、耐摩耗性等の機械的特性も優れることが要求される。この場合、アクリルゴムの耐寒性等を犠牲にすることなく、難燃性、耐摩耗性等を向上させることが望ましい。
本発明の解決しようとする課題は、上記問題点を解決しようとするものであり、架橋アクリルゴムを含む絶縁層を有する絶縁電線において、難燃性、耐摩耗性等に優れると共に、耐寒性等も良好な絶縁電線を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明の絶縁電線は、導体の周囲が架橋アクリルゴムを含む絶縁層で被覆されている絶縁電線において、前記絶縁層が、水酸化マグネシウムの表面が有機高分子表面処理剤により表面処理された表面処理水酸化マグネシウムと、マイカ粉末を含有すること要旨とするものである。
上記絶縁電線において、前記絶縁層中の表面処理水酸化マグネシウムの含有量が、前記架橋アクリルゴム成分100質量部に対し、0.1〜100質量部の範囲内であることが好ましい。
上記絶縁電線において、前記有機高分子表面処理剤が、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及びそれらの誘導体からなる群から選択されるいずれか1種類以上を含有することが好ましい。
上記絶縁電線において、前記表面処理水酸化マグネシウムは、前記水酸化マグネシウムと前記表面処理剤の合計量に対する前記表面処理剤の含有量が、0.1〜10質量%の範囲内であることが好ましい。
上記絶縁電線において、前記絶縁層中のマイカ粉末の含有量が、前記架橋アクリルゴム成分100質量部に対し0.1〜100質量部の範囲内であることが好ましい。
上記絶縁電線において、前記マイカ粉末の平均粒径が50μm以下であることが好ましい。
本発明の絶縁電線は、絶縁層に難燃剤として表面処理水酸化マグネシウムを含有しているため、従来のアクリルゴムとポリオレフィンからなる絶縁層を有する絶縁電線と比較して、難燃性が良好である。
更に本発明の絶縁電線は、絶縁層に難燃剤として含有する水酸化マグネシウムが、有機高分子表面処理剤により表面処理された表面処理水酸化マグネシウムであるから、絶縁層を構成する組成物を混合する場合、アクリルゴム中の分散性に優れる。表面処理水酸化マグネシウムの絶縁層中の分散性が良好であるから、耐寒性の優れた絶縁電線が得られる。
更に本発明は難燃剤の分散性が良好であることから、絶縁層の組成物を混合する場合にミキサー等で混練する際に負荷が小さく温度上昇を抑制することができる。そのため、温度上昇に敏感な材料等を使用することが可能となり、絶縁電線として利用できる材料の幅が広がるという効果が得られる。
本発明の絶縁電線は、絶縁層にマイカ粉末を含有することにより、更に絶縁層の強度向上効果が得られる。そのことにより、耐摩耗性を向上させることができる。しかもマイカ粉末自身も難燃性であり、絶縁電線の難燃性を損なう虞はない。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明の絶縁電線は、導体と、該導体の周囲を被覆する絶縁層とを有している。絶縁層は、架橋アクリルゴムと、難燃剤として水酸化マグネシウムの表面が有機高分子表面処理剤により表面処理された表面処理水酸化マグネシウムを含有し、更にマイカ粉末を含有する。
絶縁層の架橋アクリルゴムは、アクリルゴムと難燃剤とマイカ粉末を少なくとも含む絶縁層組成物を導体の周囲に押出し絶縁層を設けて絶縁電線とした後、該絶縁電線を加熱してアクリルゴムを架橋処理することで架橋されたものである。
上記絶縁層組成物に用いられるアクリルゴムは、アクリル酸エステルを主成分とするものである。アクリルゴムを架橋させて得られる架橋アクリルゴムは、耐熱性、柔軟性等の優れた弾性体である。
上記アクリルゴムは、例えばアクリル酸エチルを主成分とし、アクリル酸ブチル、アクリロニトリル等の他のモノマーと、架橋を行うためのコモノマーと共重合させたものが挙げられる。アクリルゴムの架橋を行うためのコモノマーとしては、2−クロロエチルビニルエーテル等の含ハロゲン化合物、グリシジルアクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物、エチリデンノルボルネン等のジエン系化合物等が挙げられる。
上記絶縁層組成物において用いるアクリルゴムは、市販されているものを用いてもよい。
上記絶縁層組成物に添加されるマイカ(雲母ともいう)粉末は、天然鉱物から得られる層状アルミニウムケイ酸塩鉱物を粉砕した粉末である。上記マイカは、成分に、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化鉄等を含む。マイカは、化学組成から、白雲母、金雲母、黒雲母、リシア雲母等に分類されるが、特に限定されず使用することができる。マイカ粉末における酸化ケイ素の割合としては、特に限定されるものではないが、50質量%以上であることが好ましい。より好ましくは55質量%以上である。絶縁層にマイカ粉末を添加することで、絶縁層の被膜を強靭にして、絶縁電線の耐摩耗性を向上させることができる。マイカ粉末は、加熱されても不活性であり、分解してガス等を発生させることがないので、電線の外観不良が発生する虞や、絶縁層の難燃性を低下させる虞もない。
マイカ粉末の平均粒径は、50μm以下であることが好ましい。マイカ粉末の平均粒径が50μm以下であると、特に耐摩耗性に優れる。マイカ粉末の更に好ましい平均粒径は、40μm以下である。一方、マイカ粉末の平均粒径の下限値は、特に限定されるものではないが、取り扱い性に優れるなどの観点から、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは1.0μm以上である。
マイカ粉末の含有量は、アクリルゴム100質量部に対し0.1〜100質量部の範囲内であることが好ましい。マイカ粉末の含有量は、より好ましくはアクリルゴム100質量部に対し1〜95質量部の範囲内、更に好ましくは5〜90質量部の範囲内である。マイカ粉末の含有量が0.1質量部未満では、耐摩耗性を高める効果が低下しやすい。また、アクリルゴムとの混練に時間がかかりやすい。一方、マイカ粉末の含有量が100質量部を超えると、耐摩耗性への影響は少ないが、破断伸びが悪化する虞がある。この場合、耐寒性が低下する場合がある。
マイカ粉末としては、例えば市販品として、セイシン企業社の商品名で「C60M(平均粒径150μm)」、「C100M(平均粒径65μm)」、「CS−35(平均粒径35μm)」、「CS−25(平均粒径25μm)」等を用いることができる。
上記絶縁層組成物に添加される表面処理水酸化マグネシウムは、水酸化マグネシウムが表面処理されたものが用いられる。表面処理前の水酸化マグネシウムは、海水から結晶成長法で合成するもの、塩化マグネシウムと水酸化カルシウムの反応で合成するもの等の合成水酸化マグネシウム、或いは天然に産出する鉱物を粉砕した天然水酸化マグネシウム等を用いることができる。
水酸化マグネシウムは、通常、平均粒径が0.1〜20μmの範囲内であり、好ましくは0.2〜10μmの範囲内であり、更に好ましくは0.5〜5μmの範囲内である。水酸化マグネシウムの平均粒径が、0.1μm未満では二次凝集が起こり易く、組成物の機械的特性が低下する虞がある。また水酸化マグネシウムの平均粒径が20μmを超えると、絶縁電線の絶縁層として用いた場合に、得られた電線の外観が不良になる虞がある。
表面処理水酸化マグネシウムの表面処理剤は、有機高分子表面処理剤が用いられる。有機高分子表面処理剤で表面処理された表面処理水酸化マグネシウムは、架橋アクリルゴム中における分散性が優れている。
上記有機高分子表面処理剤は、パラフィン系樹脂、オレフィン系樹脂等の炭化水素系樹脂が好ましい。炭化水素系樹脂は、具体的には、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等のα−オレフィンの単独重合体、もしくは相互共重合体、或いはそれらの混合物、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)及びそれらの誘導体等が挙げられる。表面処理剤は、少なくとも上記樹脂及びそれらの誘導体からなる群から選択される1種類以上を含有していればよい。
上記ポリエチレンとしては、例えば、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、メタロセン重合ポリエチレン等が挙げられる。上記ポリプロピレンとしては、アタクチック構造、シンジオタクチック構造、メタロセン重合ポリプロピレン、ホモポリマー、共重合ポリプロピレン等が挙げられる。
水酸化マグネシウムに対する表面処理剤の添加量は、水酸化マグネシウムと表面処理剤の合計量に対する表面処理剤の含有量として、通常、0.01〜20質量%の範囲内であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲内であり、更に好ましくは0.2〜8質量%の範囲内である。表面処理剤の添加量が少ないと、表面処理水酸化マグネシウムを添加した絶縁層の組成物の分散性を改良し、耐寒性や生産性を向上させる効果が低下し易い。また表面処理剤の添加量が多すぎると、絶縁層の組成物の分散性はさほど変化せず、耐寒性や生産性等を向上させる効果への影響は少ないが、コストが増大する虞がある。
また上記表面処理剤は、変性剤により変性されていてもよい。表面処理剤の変性は、例えば、不飽和カルボン酸やその誘導体等を変性剤として用いてカルボキシル基(酸)を導入して酸変性することが挙げられる。表面処理剤が酸変性されていると、水酸化マグネシウム表面と表面処理剤とが、なじみやすくなる。具体的な変性剤としては、不飽和カルボン酸としてはマレイン酸、フマル酸等が挙げられ、その誘導体としては無水マレイン酸(MAH)、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル等が挙げられる。このうち、マレイン酸、無水マレイン酸等が好ましい。またこれらの変性剤は、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
表面処理剤に酸を導入する変性方法としては、グラフト重合や直接法等が挙げられる。また、変性量としては、変性剤の使用量として、通常、重合体に対して0.1〜20質量%程度であり、好ましくは0.2〜10質量%、更に好ましくは0.2〜5質量%である。変性量が少ないと水酸化マグネシウムと表面処理剤との親和性を高める効果が小さくなりやすく、変性量が多いと表面処理剤が自己重合することがあり、水酸化マグネシウムとの親和性を高める効果が小さくなりやすい。
水酸化マグネシウムの表面を表面処理剤で処理する際の表面処理方法は特に限定されるものではなく、各種の処理方法を用いることができる。水酸化マグネシウムの表面処理方法としては、例えば、予め所定の粒径に合成された水酸化マグネシウムに後から表面処理剤を混合して表面処理する方法や、水酸化マグネシウムの合成時に同時に表面処理剤を加えて表面処理を行う方法等が挙げられる。
また水酸化マグネシウムの表面処理方法としては、溶媒を用いた湿式法でもよいし、溶媒を用いない乾式処理方法でもよい。難燃剤の湿式処理に用いられる溶媒は、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素等が用いられる。また、水酸化マグネシウムの表面処理は、難燃性樹脂組成物の調製時に、未処理の水酸化マグネシウムと基剤樹脂に表面処理剤を加え、組成物を混練する際に同時に水酸化マグネシウムの表面処理を行う方法でもよい。
絶縁層中の表面処理水酸化マグネシウムの含有量は、架橋アクリルゴム100質量部に対し、通常、0.05〜200質量部の範囲内である。表面処理水酸化マグネシウムの含有量は、好ましくは0.1〜100質量部の範囲内であり、更に好ましくは0.5〜95質量部の範囲内である。絶縁層中の表面処理水酸化マグネシウムの含有量が、架橋アクリルゴム100質量部に対し、0.1質量部未満では難燃性が悪くなる虞があり、また100質量部を超えると、耐熱性が悪くなる虞がある。
上記絶縁層組成物には、アクリルゴム、表面処理水酸化マグネシウム、マイカ粉末以外に、架橋剤を添加することができる。また絶縁層組成物には、絶縁層の特性を損なわない範囲で、その他の各種の添加剤等を添加してもよい。このような添加剤としては、例えば電線被覆材として用いられる、一般的な顔料、充填剤、酸化防止剤、老化防止剤等が挙げられる。
上記架橋剤としては、アクリルゴムを架橋することが可能なものであればよく、特に限定されるものではない。架橋剤は、例えば有機過酸化物等のラジカル発生剤を用いることができる。具体的な有機過酸化物としては、例えば、ジへキシルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等のジアルキルパーオキサイド、n−ブチル4,4−ジ(t―ブチルパーオキサイド)バレレート等のパーオキシケタール等が挙げられる。
上記架橋剤の種類は、使用するアクリルゴムの種類や架橋条件等に応じて適宜選択することができる。また架橋剤の配合量も上記と同様に、適宜決定することができる。例えば架橋剤の配合量は、通常、アクリルゴムと架橋剤の合計量に対し、0.01〜10質量%の範囲内となるように添加するのが好ましい。
以下、本発明の絶縁電線の製造方法について説明する。絶縁電線は、上記のアクリルゴム、難燃剤、マイカ粉末及び架橋剤等の絶縁層を構成する組成物を混練し、導体の周囲に押し出して、導体を絶縁被覆して絶縁層を形成した後、加熱等の手段で絶縁層のアクリルゴムを架橋させることで得られる。
上記組成物の混練方法としては、例えば、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、混練押し出し機、二軸混練押し出し機、ロール等の通常の混練機で溶融混練して均一に分散する方法等を用いることができる。上記混練の際は、水冷等を行い50℃〜60℃程度で行うことが望ましい。
絶縁層を導体の周囲に押し出しするには、通常の絶縁電線の製造に用いられる電線押出成形機等を用いることができる。絶縁電線に用いられる導体は、通常の絶縁電線に使用されるものが利用できる。また絶縁電線の導体の径や絶縁層の厚み等は、特に限定されず、絶縁電線の用途等に応じて適宜決めることができる。また用いた絶縁層は、単層であっても、2層以上の複数層から構成しても、いずれでもよい。
本発明絶縁電線は、自動車、電子・電気機器に使用される絶縁電線に利用することができる。特に高い耐熱性と難燃性を要求される用途の絶縁電線として好適である。例えば自動車用絶縁電線において、このような高い耐熱性が要求される用途としては、ハイブリッド車や電気自動車のエンジンとバッテリを繋ぐパワーケーブル等のような高電圧、大電流の用途等である。
以下、本発明の実施例、比較例を示す。
実施例1〜9、比較例1〜9
表1及び表2に示す組成のアクリルゴム1〜4、ポリプロピレン、PE5%コート水マグ(表面処理水酸化マグネシウム)、マイカ粉末1〜2、架橋剤等を、バンバリーミキサーを用いて常温で混合した。その後、押出し成形機を用いて、軟銅線を7本撚り合わせた軟銅より線の導体(断面積0.5mm)の外周に0.2mm厚で押出し被覆して絶縁層を形成した。その後200℃×4時間加熱処理して架橋を完了させて、本実施例1〜9、比較例1〜9の絶縁電線を得た。得られた絶縁電線について、耐寒性、難燃性、耐摩耗性について評価した。その結果を表1及び表2に合わせて示す。尚、表1及び表2の各成分組成の具体的な成分、試験方法、評価方法等は、下記の通りである。
〔表1及び表2の成分〕
・アクリルゴム1:電気化学社製、「4200」
・アクリルゴム2:日本ゼオン社製、「AR14」
・アクリルゴム3:ユニマテク社製、「5098」
・アクリルゴム4:ユニマテク社製、「422」
・PE5%コート水マグ(ポリエチレン5%表面処理水酸化マグネシウム:具体的な組成は下記の通りである)
水酸化マグネシウム:結晶成長法、平均粒径1.0μm
表面処理剤:ポリエチレン(三井化学社製、「800P」)
表面処理剤の使用量:ポリエチレンと水酸化マグネシウムの合計量の5質量%
・架橋剤:日本油脂社製、「パーへキシルD」(ジ−t−へキシルパーオキサイド)
・マイカ粉末1:平均粒径35μmのマイカ粉末(セイシン企業社製、「CS−35」)
・マイカ粉末2:平均粒径65μmのマイカ粉末(セイシン企業社製、「C−100M」)
・ポリプロピレン:日本ポリプロ社製、「EC7」
〔耐寒性の試験方法と評価〕
JIS C3055に準拠して行った。すなわち作製した絶縁電線を38mmの長さに切断し試験片とした。この試験片を耐寒性試験機に装着し、所定の温度まで冷却し、打撃具で打撃して、試験片の打撃後の状態を観察した。5本の試験片を用いて、5本の試験片が全て割れた温度を耐寒温度とした。
〔難燃性の試験方法と評価〕
ISO 6722に準拠して、45度傾斜燃焼試験を行った。試験の結果、70秒以下で消火した場合を合格とし、70秒以下で消火しなかった場合を不合格とした。
〔耐摩耗性の試験方法と評価〕
社団法人自動車技術規格「JASO D618」に準拠して、ブレード往復法により耐摩耗性試験を行った。すなわち、実施例、比較例の絶縁電線を750mmの長さに切り出して試験片とした。そして、23±5℃の室温下で試験片の被覆材(絶縁層)に対し軸方向に10mm以上の長さでブレードを毎分50回の速さで往復させ、導体に接するまでの往復回数を測定した。この際、ブレードにかかる荷重は、7Nとした。回数については200回以上のものを合格「○」とし、150回未満のものを不合格「×」とし、150回以上〜200回未満のものは「△」とした。また、回数が300回以上のものは特に優れる「◎」とした。
Figure 2012248347
Figure 2012248347
表1に示すように実施例1〜9の絶縁電線は、いずれも耐寒性、難燃性及び耐摩耗性が良好であり、耐寒性を大きく低下させずに難燃性及び耐摩耗性が向上することが確認できた。
これに対し比較例1〜7の絶縁電線は、表2に示すように、いずれも表面処理水酸化マグネシウムを含有するものではないので、難燃性が不合格であった。また比較例1〜7は、マイカ粉末を含有するものではないので、耐摩耗性についても実施例1〜7よりも劣っていた。
比較例8は、表面処理水酸化マグネシウムを含有するが、マイカ粉末を含有しないので、磨耗性が少し劣る結果となった。
比較例9は、マイカ粉末を含有するが、表面処理水酸化マグネシウムを含有しないので、磨耗性が少し劣る結果となった。
〔実験例〕
架橋アクリルゴムに添加されるマイカ粉末の添加量と、塗膜の伸びの関係を調べた。実施例2〜4の組成物を混練し、シート状に押し出した後、加熱して架橋させた架橋アクリルゴムシートを作成し、伸びを測定した。実験例1は実施例2のアクリルゴム100質量部に対しマイカ粉末90質量部添加した組成物を用いた。実験例2は実施例3のアクリルゴム100質量部に対しマイカ粉末0.1質量部添加した組成物を用いた。実験例3は実施例4のアクリルゴム100質量部に対しマイカ粉末110質量部添加した組成物を用いた。尚、表1に示すように、実施例2〜4の組成物において表面処理水酸化マグネシウムと架橋剤の配合量は同じである。これらの伸びの測定結果を表3に示す。尚、伸びの測定方法は、JIS4号ダンベルを作成し(サンプル厚み1mm)、引張試験機を用いて引張りスピード200mm/分の速さで引張り試験を行い、サンプルが破断した時の伸び(%)を測定した。
Figure 2012248347
表3に示すように、マイカ粉末の添加量が多くなると、伸びの低下が大きくなることが確認できた。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。

Claims (6)

  1. 導体の周囲が架橋アクリルゴムを含む絶縁層で被覆されている絶縁電線において、前記絶縁層が、水酸化マグネシウムの表面が有機高分子表面処理剤により表面処理された表面処理水酸化マグネシウムと、マイカ粉末を含有することを特徴とする絶縁電線。
  2. 前記絶縁層中の表面処理水酸化マグネシウムの含有量が、前記架橋アクリルゴム成分100質量部に対し、0.1〜100質量部の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の絶縁電線。
  3. 前記有機高分子表面処理剤が、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及びそれらの誘導体からなる群から選択されるいずれか1種類以上を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の絶縁電線。
  4. 前記表面処理水酸化マグネシウムは、前記水酸化マグネシウムと前記表面処理剤の合計量に対する前記表面処理剤の含有量が、0.1〜10質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の絶縁電線。
  5. 前記絶縁層中のマイカ粉末の含有量が、前記架橋アクリルゴム成分100質量部に対し0.1〜100質量部の範囲内であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の絶縁電線。
  6. 前記マイカ粉末の平均粒径が50μm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の絶縁電線。
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