JP2007284456A - リップクリーム - Google Patents

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Abstract

【課題】脂溶性並びに水溶性の有効成分を十分量含んでも液分離することなく保存安定性に優れ、しかも唇によくのびて馴染みやすく、使用感並びに唇の保護作用に優れた医薬用リップクリームの提供。配合成分が口腔内に滲入しても安全である可食性成分から構成することができる医薬用リップクリームの提供。
【解決手段】非水系軟膏基剤を主基剤にして、多価アルコール及び非イオン性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種並びに有効成分を含有し、実質的無水であることを特徴とするリップクリーム、有効成分以外の配合成分がいずれも可食性成分からなる上記リップクリーム。
【選択図】なし

Description

本発明は、リップクリームの改良に関する。より詳細には、本発明は有効成分の製剤中での安定性が高く、使用感の優れたリップクリームであって、可食性成分のみから処方することができる安全性のより高いリップクリームに関する。 なお、本発明でリップクリームとは、唇に塗布して用いられるものであって、その限りにおいて、固形状、軟膏状、クリーム状、ゲル状の製剤形態の別、並びにスティックタイプ、ジャータイプ、チューブタイプの製品形状の別を問わず、いずれをも包含するものである。
近年、健康維持に対する人々の欲求が著しく拡大し、テレビや雑誌等においても医薬品や食品に関する情報が氾濫している。これらの情報の中には、ある限られた側面からの極端な記事等も存在し、人々に誤った情報を提供する場合もまれに見られる。医薬品の適正使用を啓蒙するために、人々に正しい情報を提供するのはもちろんのこと、過度な警戒感や不信感を取り除くための努力が以前にも増して求められている。
このような中で、リップクリームの場合は、その使用状況からどうしても口腔内へ滲入する事例が多いために、臭いや味に優れるという使用感上の要望に加えて、口から摂取しても安全であり、人々が警戒感や不信感を抱くことなく安心して使用できるものが切望される。
ところで、医薬品はその製造に関して薬事法の規制を受けている。このため、採用する医薬品の剤型及び投与経路等に応じて使用配合できる医薬品原料や添加物成分の種類並びにその配合量が、薬事法の規定によって制限され定められている。例えば、外皮に用いる医薬品については、外皮用軟膏,外皮用液剤,軟膏剤,パスタ,外皮用エアゾール剤及び浴剤等を含む一般外用剤と、経皮吸収で全身作用を期待する製剤、さらに外用散剤及びキズ絆等を含むその他外用剤とにそれぞれ細分化されており、各種類に応じて使用できる原料及び添加物成分が規定されている。かかる規定によると、口唇炎や口角炎の治療を目的とした医薬品リップクリームは一般外用剤の範疇に分類されており、四肢や背部等に塗布する軟膏剤に用いられる医薬品原料及び添加物と同じものを使用配合することが認められている。このため、リップクリームは、手足などの外皮に適用する場合と異なって、その使用にあたり口腔内に配合成分が滲入することが想定されるにもかかわらず、四肢等に適用する外用剤と同様に非可食性成分の使用が許容され、現に使用されているのが実情である。
一方、可食性成分だけからなる処方によれば、臭いや味が良く且つ安全性に優れたリップクリームが調製できると予想される。このような観点から、特許文献1には、食品材料及び食品添加物といった可食性成分から形成される化粧品が提案されている。
しかしながら、実際にはリップクリームの有効成分として用いられる脂溶性並びに水溶性といった相反する物性の成分を、単独もしくは組み合わせて、しかも十分な有効量配合することには製剤上の限界がある。例えば、水溶性の有効成分であるアスコルビン酸等をワセリン等の油性軟膏基剤に配合すると相溶性が悪いため、配合量の増加に伴って液分離を起こし、製品の安定性に劣るという問題がある。また例えば、難水溶性の有効成分であるアラントイン等を親水性の乳剤性基剤に配合すると、アラントインの結晶が析出するといった製剤上の問題がある。このため、上記特許文献1の記載によると、有効成分の配合量は微量に限定されている。
リップクリームの製品安定性を向上させるために、脂溶性の有効成分を油性基剤に配合してリップクリームを調製する方法も提案されている。しかしながら、この方法によると逆に有効成分と基剤との相溶性が高すぎて、唇皮膚への有効成分の放出が遅延し、リップクリームとしての十分な作用効果を奏さないという問題がある。また別な方法として、基剤として水溶性成分を多量に含有する乳剤性基剤を用いる方法も提案されているが、かかる方法で調製されたリップクリームは口唇に対する保護作用や塗布感の面で劣るという問題が指摘されている。
特開平8−291042号公報
本発明は、有効成分と基剤との相溶性が高く、脂溶性並びに水溶性の有効成分を十分量含んでも液分離することなく保存安定性に優れ、しかも唇によくのびて馴染みやすく、使用感並びに唇の保護作用に優れたリップクリームを提供することを目的とする。また本発明は、上記特性に加えて、配合成分が口腔内に滲入しても安全である可食性成分から構成されるリップクリームであって、臭いや味に優れたリップクリームを提供することを目的とする。
更に本発明は、十分量の有効成分を含むことにより口唇炎や口角炎等の治療にも効果のある医薬用のリップクリームを提供することを目的とする。当該医薬用リップクリームは、有効成分以外は可食性成分のみから構成されているため、また有効成分の選択によっては全成分を可食性成分から構成できるため、安全面において極めて安心して用いることのできるものである。
本発明者らは、上記従来の問題点を鑑みて、高温又は低温のいずれの保存条件においても成分が分離したり有効成分が析出、分解したりせず、製剤上安定性に優れたリップクリームであって、しかも有効成分の唇皮膚への放出が妨げられず唇の保護効果、治療効果に優れたリップクリームの開発を求めて、日夜鋭意研究を重ねていたところ、基剤として、非水系軟膏基剤をベースとして、これに多価アルコール若しくは非イオン性界面活性剤を配合したものを用いることにより上記目的が達成できることを見出した。すなわち、非水系軟膏基剤に多価アルコール若しくは非イオン性界面活性剤を分散配合した基剤は、脂溶性又は水溶性のいずれの有効成分に対しても相溶性が高く、該基剤にかかる有効成分を所望量十分に配合しても液分離や析出等の不都合が生じず、しかも有効成分の作用を妨げることないため、優れた唇保護作用並びに治療効果を奏し、且つ塗布感や使用感に優れたリップクリームが調製できることが確認された。更に本発明者らは、他の成分として処方中に別途水を配合しないことにより、上記の製剤の効果を一層向上維持できることを確認した。
本発明はかかる知見に基づいて開発されたものである。
すなわち、本発明は、1).非水系軟膏基剤を主基剤にして、多価アルコール及び非イオン性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種並びに有効成分を含有し、実質的無水であることを特徴とするリップクリームである。
また、本発明者らは、上記構成からなる本発明のリップクリームによれば、食品や内服用医薬品に配合が認められている可食性成分だけから処方することができ、これにより前述の効果に加えて、味や臭いがよく口腔内に滲入しても安心のリップクリームが調製できることを確認した。すなわち、本発明は、2).配合成分が有効成分を除いていずれも可食性成分であることを特徴とする上記リップクリームである。
さらに本発明には、下記に掲げる具体的態様のリップクリームが包含される。
3).多価アルコール及び非イオン性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種を、リップクリーム100重量部あたり0.5〜20重量部の割合で含む1)又は2)に記載のリップクリーム。
4).多価アルコールが、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ショ糖、ブドウ糖、乳糖、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、ポリデキストロース及びデキストリンからなる群から選択される少なくとも1種である1)乃至3)のいずれかに記載のリップクリーム。
5).非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類からなる群から選択される少なくとも1種である1)乃至4)のいずれかに記載のリップクリーム。
6).有効成分として抗炎症剤、ビタミン剤、保湿剤、抗菌剤及び抗ウイルス剤からなる群から選択される少なくとも1種を含有する1)乃至5)のいずれかに記載のリップクリーム。
7).抗炎症剤が、カンゾウ、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸誘導体、アラントイン、アラントイン誘導体、サリチル酸誘導体、メントール及びカンフルからなる群から選択される少なくとも1種である6)記載のリップクリーム。
8).ビタミン剤がアスコルビン酸、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、パントテン酸、パントテン酸カルシウム、レチノール、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、β―カロチン、エルゴカルシフェノール、コレカルシフェロール、酢酸トコフェロール、天然ビタミンE、塩酸ピリドキシン及びパンテノールからなる群から選択される少なくとも1種である6)又は7)に記載のリップクリーム。
9).医薬品である1)乃至8)のいずれかに記載のリップクリーム。
本発明のリップクリームによれば、酢酸レチノールや酢酸トコフェロール、コレカルシフェロール、パンテノール、メントールなどの脂溶性有効成分;アラントイン、アスコルビン酸、塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、リボフラビン、ナイアシン、パントテン酸、グリチルレチン酸類、グリチルリチン酸類などの水溶性有効成分の別を問わず、それらを所望量、安定的に配合することができるため、特に多量の有効成分を配合する医薬用のリップクリームとして有用である。また、本発明のリップクリームは、食品材料及び食品に使用することが許されている食品添加物または内服医薬品の製剤原料及び内服製剤に使用することが許されている医薬品添加物のみから構成することができるため、味や臭いがよく、しかも安全性の高い製品を提供することができる。
本発明のリップクリームは、有効成分を配合する基剤として、非水系軟膏基剤を主基剤とし、これに多価アルコール及び非イオン性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種を配合したものを用いることを特徴とする。
本発明で用いられる多価アルコールは、水酸基を2個以上有するものであれば特に制限されず、いずれのものをも使用できるが、具体的にはグリセリン、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ショ糖、ブドウ糖、乳糖、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、ポリデキストロース及びデキストリン等を例示することができる。これら1種または2種以上を任意に組合せて用いることができる。好ましくは、グリセリン及び1,3−ブチレングリコールであり、特に濃グリセリンが好ましい。
また上記多価アルコールに代えて、または多価アルコールと組み合わせて非イオン性界面活性剤を用いることもできる。非イオン性界面活性剤としては、特に制限されないが、具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレン(20)ステアリン酸ソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸グリセリンやモノステアリン酸デカグリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル類;モノパルミチン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類;ショ糖脂肪酸エステル類;及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類等を例示することができ、これらは1種または2種以上を任意組み合わせて用いることができる。好ましくは、グリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類であり、より好ましくはショ糖脂肪酸エステル類及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類である。
使用される多価アルコール又は非イオン性界面活性剤の量は、特に制限されないが、リップクリーム100重量部あたりの配合量として、通常0.5〜20重量部の範囲、好ましくは0.5〜15重量部、より好ましくは0.5〜9重量部の範囲で含まれることが望ましい。
非水系軟膏基剤に、非イオン性界面活性剤を配合することにより、スティックタイプ、ジャータイプ又はチューブタイプ等の種々のリップクリーム形態に合わせて適度な硬さに調整することができ、使用感に優れたリップクリームを調製することができる。このため好適には、非水系軟膏基剤に多価アルコール及び非イオン性界面活性剤を同時に配合することが望ましい。
本発明で主基剤として用いられる非水系軟膏基剤は、通常軟膏製剤の調製に用いられる乳剤性基剤や水溶性基剤といった親水性基剤以外の疎水性基剤の油性基剤(非含水基剤)であれば特に制限されず、任意のものを広く使用することができるが、好ましくは口から摂取しても人体に悪影響を及ぼさないと認められる可食性成分であることが望ましい。
可食性成分としては、具体的には、国内又は海外の食品衛生法上、食品としての使用又は食品への添加使用が許容されている食品材料又は食品添加物、または国内又は海外の薬事法上、内服医薬品の製剤原料又は内服製剤への使用が許容されている医薬品添加物に該当するものであればよく、この限りおいて特に制限されるものではない。
具体的には、本発明に用いることのできる非水系軟膏基剤の成分としては、例えばオリブ油、オレンジ油、カカオ脂、カルナウバロウ、軽質流動パラフィン、ケイヒ油、硬化油、サラシミツロウ、ステアリン酸、ステアリルアルコール、セタノール、ダイズ油、ナタネ油、ハッカ油、パラフィン、ヒマシ油、ミツロウ、ミリスチルアルコール、ユーカリ油、ラウロマクロゴール、ラッカセイ油、流動パラフィン、オレイン酸、コレステロール、チョウジ油、綿実油、白色ワセリン、黄色ワセリン、シリコーン樹脂、ウルシロウ、エレミ樹脂、オウリキュウリロウ、オゾケライト、オパナックス樹脂、カウリガム、キャンデリラロウ、グアヤク樹脂、グアユーレ、グッタカチュウ、グッタハンカン、グッタペルカ、ゲイロウ、コパイババルサム、コーパル樹脂、ゴム、ゴム分解樹脂、コメヌカロウ、サトウキビロウ、サンダラック樹脂、シェラック、シェラックロウ、ジェルトン、ソルバ、タルク、ダンマル樹脂、チクル、ルヌー、低分子ゴム、ニガーグッタ、ニュウコウ、バラタ、ファーバルサム、粉末パルプ、粉末モミガラ、ベネズエラチクル、ベンゾインガム、ホホバロウ、マイクロクリスタリンワックス、マスチック、マッサランドチョコレート、マッサランドババラタ、ミルラ、モクロウ、モンタンロウ、油糧種子ロウ、ラノリン、レッチュデバカ、ロシディン、ロシンなどが挙げられる。
好ましくは、オリブ油、オレンジ油、カカオ脂、カルナウバロウ、軽質流動パラフィン、ケイヒ油、硬化油、サラシミツロウ、ステアリン酸、ステアリルアルコール、セタノール、ダイズ油、ナタネ油、ハッカ油、パラフィン、ヒマシ油、ミツロウ、ミリスチルアルコール、ユーカリ油、ラウロマクロゴール、ラッカセイ油、流動パラフィン、オレイン酸、コ
レステロール、チョウジ油、綿実油、シリコーン樹脂、白色ワセリン、黄色ワセリン、オゾケライト、キャンデリラロウ、マイクロクリスタリンワックス、ラノリン等を挙げることができる。より好ましくは、カルナウバロウ、軽質流動パラフィン、硬化油、サラシミツロウ、ステアリン酸、ステアリルアルコール、セタノール、パラフィン、ミツロウ、ミリスチルアルコール、流動パラフィン、オレイン酸、コレステロール、白色ワセリン、黄色ワセリン、オゾケライト、キャンデリラロウ、マイクロクリスタリンワックス及びラノリンである。これらは、1種若しくは2種以上を任意に組み合わせて用いることができる。
本発明のリップクリームに用いられる有効成分とは、口唇のひびわれ,口唇のただれ,口唇炎,口角炎等の治療といった効能や、日焼けによるしみ・そばかすを防ぐ、日やけ・雪やけ後のほてりを鎮静化する、口唇を清浄にする、口唇を保護する、口唇の乾燥を防ぐ、口唇の荒れを防ぐ、キメを整える、口唇にうるおいを与える、口唇を滑らかにする、口唇をすこやかに保つといった効能を満たすものであり、口唇皮膚に対して所望の作用効果を期待して配合される成分を広く包含するものである。
より具体的には、抗炎症剤、ビタミン剤、保湿剤、抗菌剤及び抗ウイルス剤などを例示することができる。
抗炎症剤としては、皮膚外用剤として通常使用されるものでよいが、口唇に使用することから安全性が高いものでなければならない。カンゾウ、グリチルリチン酸並びにグリチルリチン酸三ナトリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム等のグリチルリチン酸誘導体;グリチルレチン酸並びにグリチルレチン酸グリセリン、グリチルレチン酸ステアリル、グリチルレチン酸ピリドキシン等のグリチルレチン酸誘導体;アラントイン並びにアラントインβ−グリチルレチン、アラントインクロルヒドロキシルアルミニウム等のアラントイン誘導体;dl−メントール又はl−メントール等のメントール;カンフル、インドメタシン、イブプロフェン、イブプロフェンピコノール、ブフェキサマク、フルフェナム酸ブチル、ベンダザック、ピロキシカム、ケトプロフェン、フェルビナク、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコールなどを例示することができる。好ましくは、前述するカンゾウ、グリチルリチン酸又はその誘導体、グリチルレチン酸又はその誘導体、アラントイン又はその誘導体、メントール及びカンフルであり、より好ましくはグリチルレチン酸、アラントイン、dl−メントール又はl−メントールである。
これらの成分は1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。またそれらの配合量は、特に制限されないが、望ましくは薬事法上の各製品(医薬品、医薬部外品、化粧品など)に対して許容される上限配合量を限度に適宜選択使用することができる。具体的には、リップクリーム100重量部あたり通常0.01〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部、より好ましくは0.01〜2重量部の範囲から目的に応じて適宜選択調製することができる。
ビタミン剤としては、皮膚外用剤として通常使用されるものでよいが、口唇に使用することから安全性が高いものでなければならない。かかるものとしては、制限はされないが、例えばレチノール、レチナール、レチノイン酸、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、レチノイン酸メチル、レチノイン酸エチル、レチノイン酸レチノール等のビタミンA類、β―カロチン、α―カロチン、γ―カロチン、δ―カロチン、リコピン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、エキネノン等のプロビタミンA類、チアミン塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンモノリン酸塩、チアミンリジン塩、チアミントリリン酸塩、チアミンモノリン酸エステルリン酸塩、チアミンモノリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル塩酸塩、チアミントリリン酸エステル、チアミントリリン酸エステルモノリン酸塩等のビタミンB1類、リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビンテトラニコチン酸エステル等のビタミンB2類、塩酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、5’−リン酸ピリドキサール、塩酸ピリドキサミン等のビタミンB6類、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、デオキシアデノシルコバラミン等のビタミンB12類、プテロイルグルタミン酸等の葉酸類、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸dl−α―トコフェロール、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸メチル、ニコチン酸β―ブトキシエチル、ニコチン酸1−(4−メチルフェニル)エチル等のニコチン酸類、D―パントテン酸、D−パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(パンテノール)、D−パンテサイン、D−パンテチン、補酵素A、パントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、ビオチン、ビオチシン等のビオチン類、L−アスコルビン酸、L−デヒドロアスコルビン酸、アスコルビゲン−A、ステアリン酸 L−アスコルビル、パルミチン酸L−アスコルビル、ジパルミチン酸 L−アスコルビル、リン酸L−アスコルビルマグネシウム等のビタミンC類;エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール、ジヒドロタキステロール等のビタミンD類;トコフェロール、酢酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール、コハク酸トコフェロールカルシウム、天然ビタミンE等のビタミンE類;フィロキノン、ファルノキノン等のビタミンK類;そのほか、カルニチン、フェルラ酸、γ―オリザノール、α―リポ酸、オロット酸等のビタミン様作用因子等を例示することができる。
好ましくは、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、リボフラビン、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム、パントテン酸、パントテン酸カルシウム、レチノール、ビタミンA油、ビタミンA脂肪酸エステル、メチルヘスペリジン、葉酸、ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミン塩酸塩、チアミンセチル塩酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩、チアミンラウリル塩酸塩、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、β−カロチン、エルゴカルシフェノール、コレカルシフェロール、酢酸トコフェロール、天然ビタミンE、塩酸ピリドキシン、パンテノール及び天然ビタミンある。尚、これら上記の成分は1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
より好ましくはアスコルビン酸、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、塩酸ピリドキシン、酢酸トコフェロール、パンテノール、天然ビタミンEである。
またこれらビタミン剤の配合量は、特に制限されないが、望ましくは薬事法上の各製品(医薬品、医薬部外品、化粧品など)に対して許容される上限配合量を限度に適宜選択使用することができる。具体的には、リップクリーム100重量部あたり通常0.01〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部、より好ましくは0.01〜2重量部の範囲から目的に応じて適宜選択調製することができる。
保湿剤としては、皮膚外用剤として通常使用されるものでよいが、口唇に使用することから安全性が高いものでなければならない。例えば、ソルビトール、マンニトール、ブドウ糖、ショ糖、果糖、キシリトール、乳糖、マルトース、マルチトール、トレハロース等の多価アルコール、ヒアルロン酸ナトリウム、ヘパリン類似物質、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、ケラチン、キチン、キトサン等の生体高分子、アミノ酸、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等の天然保湿因子、セラミド、コレステロール等の脂質類、アロエエキス、ローズマリーエキス、タイムエキス、チャエキス、シソエキス等の植物抽出物等を例示することができる。これらの成分は1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましくは、トレハロース、ヒアルロン酸ナトリウム、ヘパリン類似物質、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、ケラチン、キチン、キトサン、アミノ酸、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、セラミド、コレステロール、アロエエキス、ローズマリーエキス、タイムエキスである。
またこれら保湿剤の配合量は、リップクリーム100重量部あたり通常0.005〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部、より好ましくは0.01〜2重量部の範囲から適宜選択調製することができる。
抗菌剤としては、特に制限されないが、例えばアンピシリン、スルベニシリン等のペニシリン系薬;セフチゾキシム、セフメノキシム等のセフェム系薬;カナマイシン、ゲンタマイシン等のアミノ配糖体薬;エリスロマイシン等のマクロライド系薬;テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン等のテトラサイクリン系薬;クロラムフェニコール等のクロラムフェニコール系薬;オフロキサシン、ロメフロキサシン等のニューロキノン系薬;ムピロシン;硝酸エコナゾール等を例示することができる。
また、抗ウイルス剤としてはアシクロビル、ペンシクロビル等を例示することができる。
これら抗菌剤又は抗ウイルス剤の配合量は、リップクリーム100重量部あたり通常0.001〜10重量部、好ましくは0.001〜5重量部、より好ましくは0.001〜1重量部の範囲から適宜選択調製することができる。
かかる有効成分は、1種成分単独で使用されてもまた2種以上の成分を組み合わせて使用することもでき、リップクリームの目的や用途に応じて適宜選択することができる。好ましくは抗炎症剤、ビタミン剤又は保湿剤のいずれかを必須の有効成分として含むものであり、より好ましくは抗炎症剤及びビタミン剤、ビタミン剤及び保湿剤、抗炎症剤及び保湿剤、または抗炎症剤、ビタミン剤及び保湿剤の全てを必須の有効成分として含むものである。
本発明のリップクリームは、医薬品、医薬品部外品、化粧品、食品または雑品のいずれの範疇に属するものであってもよいが、好適には薬事法における医薬品の範疇に属するものであることが望ましい。本発明によれば、多量の有効成分を脂溶性、水溶性の如何を問わず基剤中に安定的に配合することができるので、有効成分含有量の上限の高い医薬品としての利用が極めて有意義である。
本発明のリップクリームは、基本的には、加温して溶解するか若しくは加温後やや冷却させた非水系軟膏基剤に、前述する多価アルコール又は非イオン性界面活性剤並びに上記の有効成分を添加配合すること等によって、常法に従って、スティックタイプ、ジャータイプ、チューブタイプの種々形態のリップクリームに調製することができる。製造方法に関しては特に制限はないが、好適には、あらかじめ適当な温度、例えば配合する非水系軟膏基剤とほぼ同じ温度に加温溶解しておいた多価アルコール又は非イオン性界面活性剤の中に、有効成分を配合して溶解させ、かかる有効成分含有溶液を非水系軟膏基剤に添加配合することが望ましく、これにより有効成分を非水系軟膏基剤中に均一に撹拌混合することができる。
本発明のリップクリームに配合される前述の各成分(多価アルコール、非イオン性界面活性剤、非水系軟膏基剤)は、いずれも可食性成分であることが好ましい。かかる成分は、国内又は海外の食品衛生法上、使用が認められている食品材料又は食品添加物、国内又は海外の薬事法、上内服用として使用が認めれられている医薬品原料又は医薬品添加物の中から選択することができる。可食性成分のみから構成される本発明のリップクリームによれば、使用形態上必然的に口から摂取されても人体に悪影響を及ぼさないと認められるため、安全性が極めて高く、患者並びに消費者に安心して使用してもらうことができる。
また、本発明のリップクリームは上記成分を必須成分とする非水系軟膏基剤をベースとする製剤であって、実質的に無水であることを特徴とするものである。
なおここで、実質的無水とは、製剤処方として別途水成分を添加しないことを意味するものであり、必須の成分(例えば、多価アルコール等)として用いる配合成分(用いる製品を含む)そのものに元来含まれている水までを意味するものではない。
実質的無水の製剤とすることにより、本発明のリップクリームは、従来の含水製品の、1)微生物が繁殖しやすいため、菌繁殖による異臭がしやすい、2)水溶性の低い成分が析出しやすい、3)高温時や低温時等の過酷な条件で、製剤分離を起こしやすく、製剤安定性に欠ける、4)活性水の存在により有効成分の分解を招きやすい、5)乳化安定化するために、多量の添加剤の配合が必要である
、等といった欠点や不都合さを有さず、さらに本発明のリップクリームの特有処方に基づく効果(製剤安定性、使用感の向上等)をより一層効果的なものとすることができる。
本発明のリップクリームには、前述する本発明の効果を損なわない限り、種々の着色剤、防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、金属封鎖剤、滑沢剤、pH調整剤、矯味剤(甘味剤を含む)又は矯臭剤(香料を含む)などの各種添加剤を添加配合することができる。好ましくは配合する上記成分の全てが可食性成分であることが望ましい。
着色剤としては、具体的にはβ―カロチン、三二酸化鉄、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色40号、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用緑色3号、食用青色1号、食用青色2号、鉄クロロフィリンナトリウム、ノルビキシンカリウム、ノルビキシンナトリウム、銅クロロフィリンナトリウム、銅クロロフィル、二酸化チタン、アカネ色素、アナトー色素、アルカネット色素、アルミニウム、イモカロテン、ウコン色素、エビ色素、オキアミ色素、オレンジ色素、カカオ色素、カカオ炭末色素、カキ色素、カニ色素、カラメルI、カラメルII、カラメルIII、カラメルIV、カロブ色素、魚鱗箔、金、銀、クサギ色素、クチナシ色素、クーロー色素、コウリャン色素、コチニール色素、骨炭色素、ササ色素、シアナット色素、シコン色素、シタン色素、植物炭末色素、スオウ色素、タマネギ色素、タマリンド色素、デゥナリエラカロテン、トウガラシ色素、トウモロコシ色素、トマト色素、ニンジンカロテン、パーム油カロテン、ビートレッド、ピーナッツ色素、ファフィア色素、ブドウ果皮色素、ペカンナッツ色素、ベニコウジ色素、ベニノキ色素、ベニバナ色素、ヘマトコッカス色素、マリーゴールド色素、ムラサキトウモロコシ色素、ムラサキヤマイモ色素、油煙色素、ラック色素、ログウッド色素、アカキャベツ色素(ムラサキキャベツ色素)、アカゴメ色素、アカダイコン色素、アズキ色素、イカスミ色素、ウグイスカグラ色素、ウコン、エルダーベリー果汁、カウベリー色素、グースベリー色素、クランベリー色素、サフラン色素、サーモンベリー色素、シソ色素、ストロベリー色素、ダイダイ抽出物、ダークスウィートチェリー色素、チェリー色素、チコリ色素、茶、チンブルベリー色素、デゥベリー色素、ノリ色素、ハイビスカス色素、ハクルベリー色素、ブドウ果汁色素、ブラックカーラント色素、ブラックベリー色素、プラム色素、ブルーベリー色素、ボイセンベリー色素、ホップ抽出物、ホワートルベリー色素、マルベリー色素、モレロチェリー色素、ヨモギ抽出物、ラズベリー色素、レッドカーラント色素、ローガンベリー色素、アルミニウムレーキ等の無機、有機の各種顔料を挙げることができる。特に本発明にあっては、乳剤性基剤ではなく非水系軟膏基剤(油性基剤)をベースとするものであることから、従来の口紅と同様に酸化鉄等の顔料を容易に混合することができる。
防腐剤、防黴剤としては、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸メチル、プロピオン酸、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸ナトリウム、イマザリル、オルトフェニルフェノール、オルトフェニルフェノールナトリウム、ビフェニル、チアベンダゾール、ウド抽出物、エゴノキ抽出物、カワラヨモギ抽出物、酵素分解ハトムギ抽出物、しらこたん白抽出物、ツヤプリシン、ペクチン分解物、ホオノキ抽出物、ε―ポリリシン、レンギョウ抽出物などを例示することができる。
また酸化防止剤としては、ビタミンC類、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、グアヤク脂、dl−α―トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、アオイ抽出物、アスペリギルステレウス抽出物、エラグ酸、γ―オリザノール、カテキン、カンゾウ油性抽出物、クエルセチン、クローブ抽出物、酵素処理イソクエルシトリン、酵素処理ルチン、酵素分解リンゴ抽出物、ゴマ油不けん化物、コメヌカ油抽出物、コメヌカ酵素分解物、食用カンナ抽出物、精油除去ウイキョウ抽出物、セイヨウワサビ抽出物、セサモリン、セサモール、セージ抽出物、セリ抽出物、単糖・アミノ酸複合物、チャ抽出物、テンペ抽出物、ドクダミ抽出物、トコトリエノール、天然ビタミンE、ナタネ油抽出物、生コーヒー豆抽出物、ノルジヒドログアヤレチック酸、ヒマワリ種子抽出物、ピメンタ抽出物、フェルラ酸、ブドウ種子抽出物、ブルベーリー葉抽出物、プロポリス抽出物、ヘゴ・イチョウ抽出物、ヘスペレチン、ペパー抽出物、ホウセンカ抽出物、没食子酸、ミックストコフェロール、メラロイカ精油、モリン、ヤマモモ抽出物、ユーカリ葉抽出物、リンドウ根抽出物、ルチン酵素分解物、ルチン、ローズマリー抽出物などを用いることができる。
また、金属封鎖剤として、EDTA及びその塩類、EGTA及びその塩類、ポリリン酸ナトリウム、フィチンがある。
安定剤としては、クエン酸及びその塩、リンゴ酸及びその塩、コハク酸及びその塩、乳酸及びその塩、酒石酸及びその塩、リン酸及びその塩、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アルギン酸、カラギーナン、キサンタンガム、グァーガム、セルロースなどを使用することができる。
滑沢剤として、タルク、カオリン、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウムカルシウム、ベントナイト、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、二酸化チタン、三二酸化鉄などが挙げられる。
矯味剤や甘味剤として、アスパルテーム、キシロース、グリチルリチン酸二ナトリウム、サッカリン、サッカリンナトリウム、N−アセチルグルコサミン、L−アラビノース、オリゴ−N−アセチルグルコサミン、カンゾウ抽出物、クルクリン、α―グルコシルトランスフェラーゼ処理ステビア、酵素処理カンゾウ、酵素分解カンゾウ、ステビア抽出物、ステビア末、ソルボース、タウマチン、テンリョウチャ抽出物、テイゼリアベリー抽出物、フコース、ブラジルカンゾウ抽出物、フルクトシルトランスフェラーゼ処理ステビア、ミラクルフルーツ抽出物、ラカンカ抽出物、ラムノース、リボース等を挙げることができる。また矯臭剤(香料)としては、カンフル、dl−メントール、l−メントール、アセト酢酸エチル、アセトフェノン、アニスアルデヒド、α―アミルシンナムアルデヒド、アントラニル酸メチル、ヨノン、イソオイゲノール、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸エチル、イソチオシナネート類、イソチオシアン酸アリル、ウンデカラクトン、エステル類、エチルバニリン、エーテル類、オイゲノール、オクチルアルデヒド、オクタン酸エチル、ギ酸イソアミル、ギ酸ゲラニル、ギ酸シトロネリル、ケイ皮酸、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸メチル、ケトン類、ゲラニオール、酢酸イソアミル、酢酸エチル、酢酸ゲラニル、酢酸シクロヘキシル、酢酸シトロネリル、酢酸シンナミル、酢酸テルミニル、酢酸フェネチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル、酢酸l−メンチル、酢酸リナリル、サリチル酸メチル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、ユーカリプトール、脂肪酸類、脂肪族高級アルコール類、脂肪族高級アルデヒド類、脂肪族高級炭化水素類、シンナミルアルコール、シンナムアルデヒド、チオエーテル類、チオール類、デシルアルデヒド、デシルアルコール、カプリン酸エチル、テルピオネール、テルペン系炭化水素類、ノナラクトン、バニリン、パラメチルアセトフェノン、ヒドロキシシトロネラール、ヒドロキシシトロネラールジメチルアセタール、ピペロナール、フェニル酢酸イソアミル、フェニル酢酸イソブチル、フェニル酢酸エチル、フェノールエーテル類、フルフラール類、プロピオン酸、プロピオン酸イソアミル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ベンジル、カプロン酸、カプロン酸アリル、カプロン酸エチル、エナント酸エチル、ペリルアルデヒド、ベンジルアルコール、ベンズアルデヒド、芳香族アルコール類、芳香族アルデヒド類、ボルネオール、マルトール、N−メチルアントラニル酸メチル、メチルβ―ナフチルケトン、酪酸、酪酸イソアミル、酪酸エチル、酪酸シクロヘキシル、酪酸ブチル、ラクトン類、リナロオールなどが挙げられる。
なお、本発明には以下の具体的態様が包含される:
1.非水系軟膏基剤を主基剤にして、多価アルコール及び非イオン性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種並びに有効成分を含有し、実質的無水であることを特徴とするリップクリーム。
2.多価アルコール及び非イオン性界面活性剤を共に有する1記載のリップクリーム。
3.有効成分として抗炎症剤、ビタミン剤、保湿剤、抗菌剤及び抗ウイルス剤からなる群から選択される少なくとも1種を含有する1又は2記載のリップクリーム。
4.有効成分として抗炎症剤、ビタミン剤及び保湿剤からなる群から選択される少なくとも1種を含有する3記載のリップクリーム。
5.保湿剤が、トレハロース、ヒアルロン酸ナトリウム、ヘパリン類似物質、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、ケラチン、キチン、キトサン、アミノ酸、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、セラミド、コレステロール、アロエエキス、ローズマリーエキス及びタイムエキスからなる群から選択されるいずれか少なくとも1種である1乃至4のいずれかに記載のリップクリーム。
6.ビタミン剤が、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、リボフラビン、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム、パントテン酸、パントテン酸カルシウム、レチノール、ビタミンA油、ビタミンA脂肪酸エステル、メチルヘスペリジン、葉酸、ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミン塩酸塩、チアミンセチル塩酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩、チアミンラウリル塩酸塩、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、β−カロチン、エルゴカルシフェノール、コレカルシフェロール、酢酸トコフェロール、天然ビタミン、塩酸ピリドキシン及びパンテノールからなる群から選択される少なくとも1種である1乃至5のいずれかに記載のリップクリーム。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は何ら本発明の範囲を限定するものではない。なお、実施例中の配合量はすべて重量%を表す。
実施例1
(1)流動パラフィン 70.4
(2)固形パラフィン 10.0
(3)セタノール 10.0
(4)濃グリセリン 9.0
(5)アラントイン 0.5
(6)パラオキシ安息香酸ブチル 0.1
合 計 100.0
まず、(1)〜(3)及び(6)を80℃で溶解し、均一な油相とした。さらに、あらかじめ80℃に加熱し溶解した(4)、(5)の混合物を添加し、引き続き攪拌しながら徐々に冷却を行った。その後、容器(ジャー容器)に充填を行い、本発明のリップクリームを作成した。
比較例1
(1)流動パラフィン 70.4
(2)固形パラフィン 10.0
(3)セタノール 10.0
(4)精製水 9.0
(5)アラントイン 0.5
(6)パラオキシ安息香酸ブチル 0.1
合 計 100.0
まず、(1)〜(3)及び(6)を80℃で溶解し、均一な油相とした。さらに、あらかじめ80℃に加熱し溶解した(4)、(5)の混合物を添加し、引き続き攪拌しながら徐々に冷却を行った。その後、容器(ジャー容器)に充填を行い、比較例のリップクリームを作成した。
比較例2
(1)セトステアリルアルコール 10.0
(2)プラスチベース 14.0
(3)スクワラン 1.0
(4)ポリオキシエチレン(23)セチルエーテル 3.0
(5)精製水 70.9
(6)インドメタシン 1.0
(7)パラオキシ安息香酸ブチル 0.1
合 計 100.0
まず、(1)〜(3)及び(7)を80℃で溶解し、均一な油相とした。さらに、あらかじめ80℃に加熱し溶解した(4)、(5)、(6)の混合物を添加し、引き続き攪拌しながら徐々に冷却を行った。その後、容器(ジャー容器)に充填を行い、比較例のリップクリームを作成した。
比較例3
(1)カルボキシビニルポリマー 0.7
(2)グリセリン 61.0
(3)ジイソプロパノールアミン 0.7
(4)精製水 37.0
(5)グリチルレチン酸モノアンモニウム 0.5
(6)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
合 計 100.0
まず、(1)、(2)及び(4)〜(6)を80℃で溶解し、均一な相とした。冷却後、(3)を混合後、容器(ジャー容器)に充填を行い、比較例のリップクリームを作成した。
比較例4
(1)カルナウバロウ 3.0
(2)液状ラノリン 15.0
(3)キャンデリラロウ 10.0
(4)セレシン 5.0
(5)マイクロクリスタリンワックス 3.0
(6)ヒマシ油 35.4
(7)硬化ヒマシ油 3.0
(8)2−エチルヘキサン酸セチル 10.0
(9)α−オレフィンオリゴマー 10.0
(10)スクワラン 5.0
(11)グリチルレチン酸 0.5
(12)パラオキシ安息香酸ブチル 0.1
合 計 100.0
まず、(1)〜(12)を80℃で溶解し、均一な油相とし、引き続き攪拌しながら徐々に冷却を行った。その後、容器(ジャー容器)に充填を行い、比較例のリップクリームを作成した。
実施例2
(1)固形パラフィン 10.0
(2)キャンデリラロウ 10.0
(3)ラノリン 5.0
(4)流動パラフィン 67.9
(5)プロピレングリコール 2.0
(6)酢酸トコフェロール 5.0
(7)パラオキシ安息香酸ブチル 0.1
合 計 100.0
まず、(1)〜(4)及び(7)を80℃で溶解し、均一な油相とした。さらに、あらかじめ80℃に加熱し溶解した(5)及び(6)を混合し、引き続き攪拌しながら徐々に冷却を行った。その後、容器(ジャー容器)に充填を行い、本発明のリップクリームを作成した。
実施例3
(1)オリブ油 1.0
(2)セレシン 1.5
(3)流動パラフィン 20.0
(4)白色ワセリン 71.4
(5)1,3−ブチレングリコール 1.0
(6)アロエエキス 5.0
(7)パラオキシ安息香酸ブチル 0.1
合 計 100.0
まず、(1)〜(4)及び(7)を80℃で溶解し、均一な油相とした。さらに、あらかじめ80℃に加熱し溶解した(5)及び(6)、引き続き攪拌しながら徐々に冷却を行った。その後、容器(ジャー容器)に充填を行い、本発明のリップクリームを作成した。
実施例4
(1)ラノリン 51.1
(2)セタノール 13.0
(3)流動パラフィン 6.0
(4)セレシン 5.0
(5)黄色ワセリン 14.8
(6)濃グリセリン 5.0
(7)硝酸エコナゾール 5.0
(8)パラオキシ安息香酸ブチル 0.1
合 計 100.0
まず、(1)〜(5)及び(8)を80℃で溶解し、均一な油相とした。さらに、あらかじめ80℃に加熱し溶解した(6)及び(7)、を混合し引き続き攪拌しながら徐々に冷却を行った。その後、容器(ジャー容器)に充填を行い、本発明のリップクリームを作成した。
実施例5
(1)流動パラフィン 42.9
(2)固形パラフィン 5.0
(3)セタノール 10.0
(4)グリセリン 7.0
(5)グリセリン脂肪酸エステル 17.0
(6)グリチルレチン酸 5.0
(7)パラオキシ安息香酸ブチル 0.1
合 計 100.0
まず、(1)〜(3)及び(7)を80℃で溶解し、均一な油相とした。さらに、あらかじめ80℃に加熱し溶解した(4)、(5)及び(6)を混合し、引き続き攪拌しながら徐々に冷却を行った。その後、容器(ジャー容器)に充填を行い、本発明のリップクリームを作成した。
試験例1
実施例1〜5及び比較例1〜4で得られたリップクリームを容器に充填し、湿度60%で、4℃、25℃又は40℃の恒温室に放置し、経時での安定性(ひび、変色、分離、結晶析出等)及び使用感(のび、臭い、しっとりさ、味)を評価した。結果を表1に示す。使用感については、10人の健常人を対象に、唇に塗布した場合の使用感について聞き取り調査を行った。のび、臭い、しっとり感、味の各評価項目を、満足、やや満足、普通、やや不満、不満の5段階評価を行ってもらい、満足及びやや満足とした被験者数が8人以上の場合は○、満足及びやや満足とした被験者数が5〜7人の場合は△、満足及びやや満足とした被験者数が4人以下の場合は×を記した。また、安定性試験では、実施例及び比較例の処方について、1ヶ月後の変化を評価した。
Figure 2007284456
実施例6
(1)固形パラフィン 10.0
(2)キャンデリラロウ 10.0
(3)ラノリン 5.0
(4)流動パラフィン 67.9
(5)プロピレングリコール 2.0
(6)パンテノール 5.0
(7)パラオキシ安息香酸ブチル 0.1
合 計 100.0
まず、(1)〜(4)及び(7)を80℃で溶解し、均一な油相とした。さらに、あらかじめ80℃に加熱し溶解した(5)及び(6)を混合し、引き続き攪拌しながら徐々に冷却を行った。その後、容器(ジャー容器)に充填を行い、本発明のリップクリームを作成した。
実施例7
(1)オリブ油 1.0
(2)セレシン 1.5
(3)流動パラフィン 20.0
(4)白色ワセリン 71.4
(5)1,3−ブチレングリコール 1.0
(6)パルミチン酸L−アスコルビル 5.0
(7)パラオキシ安息香酸ブチル 0.1
合 計 100.0
まず、(1)〜(4)及び(7)を80℃で溶解し、均一な油相とした。さらに、あらかじめ80℃に加熱し溶解した(5)及び(6)を混合し、引き続き攪拌しながら徐々に冷却を行った。その後、容器(ジャー容器)に充填を行い、本発明のリップクリームを作成した。
実施例8
(1)ラノリン 51.1
(2)セタノール 13.0
(3)流動パラフィン 6.0
(4)セレシン 5.0
(5)黄色ワセリン 14.8
(6)濃グリセリン 5.0
(7)塩酸ピリドキシン 5.0
(8)パラオキシ安息香酸ブチル 0.1
合 計 100.0
まず、(1)〜(5)及び(8)を80℃で溶解し、均一な油相とした。さらに、あらかじめ80℃に加熱し溶解した(6)及び(7)を混合し、引き続き攪拌しながら徐々に冷却を行った。その後、容器(ジャー容器)に充填を行い、本発明のリップクリームを作成した。
実施例9
(1)オリブ油 1.0
(2)セレシン 1.5
(3)流動パラフィン 20.0
(4)白色ワセリン 71.4
(5)1,3−ブチレングリコール 1.0
(6)トレハロース 5.0
(7)パラオキシ安息香酸ブチル 0.1
合 計 100.0
まず、(1)〜(4)及び(7)を80℃で溶解し、均一な油相とした。さらに、あらかじめ80℃に加熱し溶解した(5)及び(6)を混合し、引き続き攪拌しながら徐々に冷却を行った。その後、容器(ジャー容器)に充填を行い、本発明のリップクリームを作成した。
実施例10
(1)ラノリン 51.1
(2)セタノール 13.0
(3)流動パラフィン 6.0
(4)セレシン 5.0
(5)黄色ワセリン 14.8
(6)濃グリセリン 5.0
(7)ラベンダーエキス 5.0
(8)パラオキシ安息香酸ブチル 0.1
合 計 100.0
まず、(1)〜(5)及び(8)を80℃で溶解し、均一な油相とした。さらに、あらかじめ80℃に加熱し溶解した(6)及び(7)を混合し、引き続き攪拌しながら徐々に冷却を行った。その後、容器(ジャー容器)に充填を行い、本発明のリップクリームを作成した。
実施例11
(1)流動パラフィン 42.9
(2)固形パラフィン 5.0
(3)セタノール 10.0
(4)グリセリン 20.0
(5)グリセリン脂肪酸エステル 17.0
(6)ヒアルロン酸ナトリウム 5.0
(7)パラオキシ安息香酸ブチル 0.1
合 計 100.0
まず、(1)〜(3)及び(7)を80℃で溶解し、均一な油相とした。さらに、あらかじめ80℃に加熱し溶解した(4)、(5)及び(6)を混合し、引き続き攪拌しながら徐々に冷却を行った。その後、容器(ジャー容器)に充填を行い、本発明のリップクリームを作成した。
実施例12
(1)固形パラフィン 10.0
(2)キャンデリラロウ 10.0
(3)ラノリン 5.0
(4)流動パラフィン 52.9
(5)濃グリセリン 9.0
(6)アラントイン 5.0
(7)酢酸トコフェロール 5.0
(8)dl−メントール 0.5
(9)トレハロース 2.5
(10)パラオキシ安息香酸ブチル 0.1
合 計 100.0
まず、(1)〜(4)及び(10)を80℃で溶解し、均一な油相とした。さらに、あらかじめ80℃に加熱し溶解した(5)〜(9)を混合し、引き続き攪拌しながら徐々に冷却を行った。その後、容器(スティック状口紅用)に充填を行い、本発明のリップクリームを作成した。
実施例13
(1)白色ワセリン 93.7
(2)オリブ油 4.0
(3)ヒマシ油 1.0
(4)l−メントール 0.5
(5)dl−カンフル 0.1
(6)濃グリセリン 0.5
(7)酢酸トコフェロール 0.1
(8)パラオキシ安息香酸ブチル 0.1
合 計 100.0
まず、(1)〜(5)及び(8)を80℃で溶解し、均一な油相とした。さらに、あらかじめ80℃に加熱し溶解した(6)、(7)を混合し、引き続き攪拌しながら徐々に冷却を行った。その後、容器(チューブ容器)に充填を行い、本発明のリップクリームを作成した。
試験例2
実施例6〜13に従って作成したリップクリームについて、前述する試験例1に記載する条件を用いて、経時での安定性及び使用感を評価した、結果を表2に示す。
Figure 2007284456

Claims (9)

  1. 非水系軟膏基剤を主基剤にして、多価アルコール及び非イオン性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種並びに有効成分を含有し、実質的無水であることを特徴とするリップクリーム。
  2. 有効成分以外の配合成分がいずれも可食性成分であることを特徴とする請求項1記載のリップクリーム。
  3. 多価アルコール及び非イオン性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種を、リップクリーム100重量部あたり0.5〜20重量部の割合で含む請求項1又は2に記載のリップクリーム。
  4. 多価アルコールが、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ショ糖、ブドウ糖、乳糖、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、ポリデキストロース及びデキストリンからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1乃至3のいずれかに記載のリップクリーム。
  5. 非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1乃至4のいずれかに記載のリップクリーム。
  6. 有効成分として抗炎症剤、ビタミン剤、保湿剤、抗菌剤及び抗ウイルス剤からなる群から選択される少なくとも1種を含有する請求項1乃至5のいずれかに記載のリップクリーム。
  7. 抗炎症剤が、カンゾウ、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸誘導体、アラントイン、アラントイン誘導体、サリチル酸誘導体、メントール及びカンフルからなる群から選択される少なくとも1種である請求項6記載のリップクリーム。
  8. ビタミン剤が、アスコルビン酸、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、パントテン酸、パントテン酸カルシウム、レチノール、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、β−カロチン、エルゴカルシフェノール、コレカルシフェロール、酢酸トコフェロール、天然ビタミンE、塩酸ピリドキシン及びパンテノールからなる群から選択される少なくとも1種である請求項6又は7に記載のリップクリーム。
  9. 医薬品である請求項1乃至8のいずれかに記載のリップクリーム。
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