JP2007284407A - 抗菌消臭剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 臭いの種類の選択性が少なく、抗菌消臭効果が高く、かつ皮膚刺激性が少なく、金属腐食のない抗菌消臭剤組成物を提供する。
【解決手段】 一般式(1)で表される4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤(A1)および両性界面活性剤(A2)からなる群から選ばれる1種以上の界面活性剤(A)、並びにアルカリ土類金属酸化物(B1)およびアルカリ土類金属水酸化物(B2)からなる群から選ばれる1種以上の無機物(B)を含有することを特徴とする抗菌消臭剤組成物である。
【化5】
Figure 2007284407

f-はf価の対イオンであり、ヒドロキシイオン、硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、カルボン酸イオン、スルホン酸イオン、硫酸エステルイオン、リン酸エステルイオンおよび超強酸イオンからなる群から選ばれる1種以上である。
【選択図】なし

Description

本発明は抗菌消臭剤組成物、該組成物を用いた抗菌消臭剤成型体および抗菌消臭シート材料に関する。
従来から、各種分野において不快臭の除去あるいは抑制を目的に使用する消臭剤は、活性炭のように物理的吸着作用を利用したもの、過マンガン酸カリウム溶液およびさらし粉溶液のように化学的作用を利用したもの、あるいは香料等の芳香剤によるマスキング作用を利用したものなどがあり、消臭すべき対象物の形態により種々使い分けられている。
しかしながら、上記した従来の消臭剤は、消臭効果はあるものの抗菌効果がなかった。そのため、雑菌が繁殖し腐敗が進行して悪臭が発生するものに対しては、一時的な消臭効果はあるものの持続的な効果がなかった。
特に、ペットの場合は、尿の腐敗が起こりやすいという傾向があり、消臭効果のみならず抗菌効果もあり、しかもその効果が持続するものが切望されている。
そのような、抗菌性と消臭性を有する抗菌消臭剤としては、例えば、植物エキスもしくは金属酸化物等の消臭剤と、アルコール系消毒剤もしくは塩素系消毒剤などとの混合物(特許文献−1参照)などが提案されている。
また、従来から、第4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤の塩化ベンザルコニウムを抗菌剤とし、各種の消臭剤と組み合わせた抗菌消臭剤(特許文献−2参照)も提案されている。
しかしながら、上記の抗菌消臭剤であっても、臭いの種類に対する選択性があるという問題や、抗菌性の不足、また、塩素イオンを有する抗菌消臭剤では、金属と接触する部分での腐食性の問題、などの種々の問題点があった。
例えば、塩化ベンザルコニウムを含有した抗菌消臭剤は、抗菌作用が認められるものの、適用対象となる菌類や微生物の種類に限度があり、尿中の尿素などを分解してアンモニアを発生させるアンモニア産生菌に対しては必ずしも満足のいく抗菌効果を発現しないこと、かつアンモニアを中和/吸着する機能を持たないこと、または皮膚に対し強い刺激が有り作業者の手荒れを招いたり、金属製の器具や容器等の腐食を招くという欠点を有していた。
特開平09−239012号公報 特開2005−253717号公報
本発明の課題は、臭いの種類の選択性が少なく、抗菌消臭効果が高く、かつ皮膚刺激性が少なく、金属腐食のない抗菌消臭剤組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記問題を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、
(第1発明)一般式(1)で表される4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤(A1)および両性界面活性剤(A2)からなる群から選ばれる1種以上の界面活性剤(A)、並びにアルカリ土類金属酸化物(B1)およびアルカリ土類金属水酸化物(B2)からなる群から選ばれる1種以上の無機物(B)を含有することを特徴とする抗菌消臭剤組成物;
Figure 2007284407
(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ同一もしくは異なる炭素数1〜24のアルキル基または炭素数2〜24のアルケニル基;R4は炭素数6〜24のアルキル基もしくはアルケニル基または炭素数7〜24のアリールアルキル基もしくはアリールアルケニル基;fは1〜10の整数、Xf-はf価の対イオンであり、ヒドロキシイオン、硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、カルボン酸イオン、スルホン酸イオン、硫酸エステルイオン、リン酸エステルイオンおよび超強酸イオンからなる群から選ばれる1種以上である。)
(第2発明)該抗菌消臭剤組成物が、シート状、フィルム状、粉末状、顆粒状またはブロック状に成型されてなる抗菌消臭剤成型体;
(第3発明)該抗菌消臭剤組成物もしくは抗菌消臭剤成型体および不織布からなる抗菌消臭シート材料;並びに、
(第4発明)一般式(1)で表される4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤(A1)および両性界面活性剤(A2)からなる群から選ばれる1種以上の界面活性剤(A)、アルカリ土類金属酸化物(B1)およびアルカリ土類金属水酸化物(B2)からなる群から選ばれる1種以上の無機物(B)、吸水性樹脂(C)、並びに不織布からなる抗菌消臭シート材料;
Figure 2007284407
(式中、R1、R2およびR3はそれぞれ同一もしくは異なる炭素数1〜24のアルキル基または炭素数2〜24のアルケニル基;R4は炭素数6〜24のアルキル基もしくはアルケニル基または炭素数7〜24のアリールアルキル基もしくはアリールアルケニル基;fは1〜10の整数、Xf-はf価の対イオンであり、ヒドロキシイオン、硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、カルボン酸イオン、スルホン酸イオン、硫酸エステルイオン、リン酸エステルイオンおよび超強酸イオンからなる群から選ばれる1種以上である。)
である。
本発明の抗菌消臭剤組成物は、臭いの種類の選択性が少なく、抗菌消臭効果が高く、しかも効果が持続し、かつ皮膚刺激性が少なく、金属腐食が少ないという効果を奏する。
本発明の抗菌消臭剤組成物は、特定の界面活性剤(A)と特定の無機物(B)を含有することにより、無機物(B)が他の界面活性剤もしくは他の抗菌剤と組み合わされた場合、または界面活性剤(A)が他の無機物と組み合わされた場合に比較して、界面活性剤(A)と無機物(B)が相乗的に作用して、上記のような効果を奏する。
本発明における界面活性剤(A)のうちの4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤(A1)(以下において、単に(A1)と表記する場合がある)は、一般式(1)で示される第4級アンモニウム塩型のカチオン界面活性剤である。
一般式(1)中、R1、R2およびR3は炭素数1〜24、好ましくは炭素数1〜18の直鎖もしくは分岐のアルキル基、または炭素数2〜24、好ましくは炭素数2〜18の直鎖もしくは分岐のアルケニル基である。
アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ラウリル基、ミリスチル基、セチル基およびステアリル基など、アルケニル基としてはアリル基、メタリル基、オクテニル基、デセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、ヘキサデセニル基およびオレイル基などが挙げられる。
1、R2およびR3は同一でも異なっていてもよい。
1、R2およびR3のうち好ましい組み合わせは、全てが炭素数1〜2、特にメチル基である組み合わせ、並びにR1およびR2が炭素数1〜2、特にメチル基で、R3が炭素数8〜18、特に炭素数12〜16のアルキル基である組み合わせである。
4は炭素数6〜24の直鎖もしくは分岐のアルキル基またはアルケニル基、または炭素数7〜24のアリールアルキル基もしくはアリールアルケニル基である。
炭素数6〜24のアルキル基およびアルケニル基としては前述のアルキル基およびアルケニル基のうちの炭素数6〜24のものが挙げられる。
炭素数7〜24のアリールアルキル基としてはベンジル基、フェニルエチル基およびフェニルブチル基などの炭素数1〜6のアルキル基を有するフェニルアルキル基が挙げられる。
炭素数7〜24のアリールアルケニル基としては、フェニルエテニル基およびフェニルプロペニル基などが挙げられる。
4のうち好ましいのはアルキル基またはアリールアルキル基であり、R1〜R3が全て炭素数1〜2の場合はR4は炭素数10〜24のアルキル基がさらに好ましく、R1およびR2が炭素数1〜2でR3が炭素数8〜18のアルキル基の場合はR4は炭素数8〜18のアルキル基およびアリールアルキル基、特にベンジル基が好ましい。
(A1)を構成する第4級アンモニウムカチオンの具体例としては、
(1)R1〜R3が全て炭素数1〜2で、R4は炭素数10〜24のアルキル基のもの;
トリメチルドデシルアンモニウム、トリメチルテトラデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウム、トリメチルヤシ油アルキルアンモニウム、トリメチル−2−エチルヘキシルアンモニウム、ジメチルエチルドデシルアンモニウム、ジメチルエチルテトラデシルアンモニウム、ジメチルエチルヘキサデシルアンモニウム、ジメチルエチルオクタデシルアンモニウム、ジメチルエチルヤシ油アルキルアンモニウム、メチルジエチルドデシルアンモニウム、メチルジエチルテトラデシルアンモニウム、メチルジエチルヘキサデシルアンモニウム、メチルジエチルオクタデシルアンモニウム、メチルジエチルヤシ油アルキルアンモニウムおよびメチルジエチル−2−エチルヘキシルアンモニウムカチオン;
(2)R1およびR2が炭素数1〜2のアルキル基、R3が炭素数8〜18のアルキル基、R4がベンジル基のもの;
ジメチルデシルベンジルアンモニウム、ジメチルドデシルベンジルアンモニウム、ジメチルテトラデシルベンジルアンモニウム、ジメチルヘキサデシルベンジルアンモニウムおよびジメチルヤシ油アルキルベンジルアンモニウムカチオン;
(3)R1およびR2が炭素数1〜2のアルキル基、R3およびR4が炭素数8〜14のアルキル基のもの;
ジメチルジオクチルアンモニウム、ジメチルオクチルデシルアンモニウム、ジメチルジデシルアンモニウム、ジメチルデシルドデシルアンモニウム、ジメチルジドデシルアンモニウム、ジメチルジテトラデシルアンモニウム、メチルエチルジデシルアンモニウムおよびジエチルジデシルアンモニウムカチオン;
が挙げられる。
これらのうち抗菌性の観点から好ましいのは、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、ジデシルジメチルアンモニウム、ジメチルドデシルベンジルアンモニウムおよびジメチルテトラデシルベンジルアンモニウムカチオンである。
一般式(1)におけるfは1〜10、好ましくは1〜3の整数であり、Xf-はf価の対イオンである。
f-としては、ヒドロキシイオン(OH)、硫酸イオン(SO4 2-)、リン酸イオン(PO4 3-)、硝酸イオン(NO3 -)、カルボン酸イオン(RCOO)、スルホン酸イオン(R−SO3 -)、硫酸エステルイオン(R−SO4 -)、リン酸エステルイオンおよび超強酸イオンから選ばれる1種以上が挙げられる。
なお、本発明においては、硫酸イオンとして硫酸水素イオン(HPO4 -)、並びにリン酸イオンとしてHPO4 2-およびH2PO4 -も含まれる。
カルボン酸イオンを形成するカルボン酸としては、1価または2価〜10価のカルボン酸が挙げられる。
1価カルボン酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ステアリン酸およびオレイン酸等の炭素数1〜18の脂肪族1価カルボン酸、並びに安息香酸、エチル安息香酸、桂皮酸、t−ブチル安息香酸などの炭素数7〜18の芳香族1価カルボン酸が挙げられる。
2価カルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸などの炭素数2〜8の脂肪族2価飽和カルボン酸、マレイン酸およびイタコン酸などの炭素数4〜18の脂肪族2価不飽和カルボン酸、並びにフタル酸、イソフタル酸およびテレフタル酸などの炭素数8〜20の芳香族2価カルボン酸が挙げられる。
3価〜10価のカルボン酸としては、ブタンテトラカルボン酸などの脂肪族4価カルボン酸、トリメリット酸およびピロメリット酸などの芳香族3価もしくは4価カルボン酸が挙げられる。
スルホン酸イオンを形成するスルホン酸としてはp−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸およびp−フェノールスルホン酸などの芳香族1価スルホン酸などが挙げられる。
硫酸エステルイオンを形成する硫酸エステルとしては、メチル硫酸エステル、エチル硫酸エステル、プロピル硫酸エステル、オクチル硫酸エステル、2−エチルヘキシル硫酸エステル、デシル硫酸エステル、ドデシル硫酸エステル、テトラデシル硫酸エステル、ステアリル硫酸エステルおよびオレイル硫酸エステル等の炭素数1〜24のアルキルもしくはアルケニル硫酸エステルが挙げられる。
リン酸エステルイオンを形成するリン酸エステルとしては、オクチル燐酸エステル、2−エチルヘキシル燐酸エステル、デシル燐酸エステル、ドデシル燐酸エステル、ステアリル燐酸エステルおよびオレイル燐酸エステル等の炭素数1〜24のアルキルもしくはアルケニル燐酸エステル挙げられる。
超強酸イオンを形成する超強酸としては、Hammettの酸度関数(H0)が100%硫酸の−11.93以下のものであり、プロトン酸、およびプロトン酸とルイス酸の組み合わせからなる酸が挙げられる。
プロトン酸の具体例としては、トリフルオロメタンスルホン酸(H0=−14.10)、ペンタフルオロエタンスルホン酸(H0=−14.00)などが挙げられる。
プロトン酸とルイス酸の組み合わせに用いられるプロトン酸としては、ハロゲン化水素(フッ化水素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素など)が挙げられ、ルイス酸としては三フッ化硼素、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、五フッ化砒素および五フッ化タウリンなどが挙げられる。
プロトン酸とルイス酸の組み合わせは任意であるが、具体例としては、四フッ化硼素酸、六フッ化リン酸、塩化フッ化硼素酸、六フッ化アンチモン、六フッ化砒素および六フッ化タウリンなどが挙げられる。
上記の超強酸のうち、本発明の抗菌消臭剤組成物の抗菌性および皮膚刺激性の観点から好ましいのはHammettの酸度関数(H0)が−12.00以下のもの(例えばトリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、四フッ化硼素酸、六フッ化リン酸、塩化フッ化硼素酸、六フッ化アンチモン、六フッ化砒素および六フッ化タウリンなど)である。
なお、f価の対イオンには、f価の酸のf価のイオン、およびf価より高い[(f+α)価の]酸のf価の対イオン(部分塩)が含まれる。例えば、酸が多価塩基酸(炭素数2〜18のシュウ酸、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸などの2塩基酸など)の場合、(A1)にはモノ塩および多価塩が含まれる。
f価の対イオンのうち好ましいのは、カルボン酸イオンおよび超強酸イオンであり、カルボン酸イオンのうち、さらに好ましいのは2〜10価のカルボン酸イオン、特に好ましいのは脂肪族2価カルボン酸イオン、とりわけアジピン酸イオンである。
4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤(A1)のうち、抗菌性と皮膚刺激性の観点から好ましいのは、ジメチルジデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、ジメチルドデシルベンジルアンモニウムおよびジメチルテトラデシルベンジルアンモニウムカチオンから選ばれる1種以上、並びにアジピン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、四フッ化硼素酸、六フッ化リン酸、塩化フッ化硼素酸、六フッ化アンチモン、六フッ化砒素および六フッ化タウリンから選ばれる1種以上の酸のアニオン、から形成される4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤、並びにこれらの併用である。
本発明において、(A1)の重量に基づく遊離塩素含量(測定法:イオンクロマトグラフィー)は、抗菌消臭剤組成物の皮膚刺激性および金属への腐食性の観点から、好ましくは100ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下、とくに好ましくは10ppm以下である。
(A1)の製造方法は、公知の方法でよく、例えば対イオンがカルボン酸イオンの場合の(A1)は以下の様にして得られる。
4級アンモニウムアルキル炭酸塩の水溶液(濃度20〜70重量%)にカルボン酸を加え、60〜70℃で約1〜3時間反応させ、塩交換を行う。その後、精製をし、目的物が得られる。
また、対イオンが超強酸イオンの場合の(A1)は以下の(1)または(2)のようにして得られる。
(1)4級アンモニウムクロライド塩の水溶液(濃度20〜70重量%)に超強酸のアルカリ金属(ナトリウム、カリウムなど)塩を加え、室温で約2時間撹拌混合し、さらに70〜80℃で約1時間攪拌後、静置して分液した下層(水層)を除去し、上層中の水分を減圧下に除去して、目的物を得る。
なお、4級アンモニウムクロライド塩/超強酸アルカリ金属塩の仕込み当量比は通常1/1〜1/1.5、好ましくは1/1.05〜1/1.3である。
(2)第3級アミンと同当量以上(好ましくは1.1〜5.0当量)の炭酸ジアルキルエステル(アルキル基の炭素数1〜5)を溶媒(例えば、メタノール)の存在下(第3級アミンの重量に基づいて10〜1,000重量%)または非存在下に、反応温度80〜200℃、好ましくは100〜150℃で反応させて第4級アンモニウム塩を形成し、さらに前記超強酸を添加(第4級アンモニウムの当量に基づいて1.0〜1.2当量)し、10〜50℃で1時間撹拌して塩交換する。溶媒を80〜120℃で減圧留去して、目的の第4級アンモニウム塩を得る。
(1)および(2)の方法のうち、遊離塩素含量低減および工程の簡略性の観点から、好ましいのは(2)である。
本発明における(A1)は、通常は液体または固体であり、固体の場合の融点は通常30〜100℃であり、好ましくは40〜80℃である。
本発明における界面活性剤(A)のうちの両性界面活性剤(A2)(以下において、単に(A2)と表記する場合がある)としては、アミノ酸型両性界面活性剤[高級アルキルジアミノエチルグリシン、高級アルキルアミン(炭素数12〜18)のプロピオン酸(塩)など]、ベタイン型両性界面活性剤[アルキル(炭素数12〜18)ジメチルベタイン、アルキル(炭素数12〜18)ジヒドロキシエチルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインなど]、
硫酸エステル塩型両性界面活性剤[高級アルキル(炭素数8〜18)アミンの硫酸エステル(塩)、ヒドロキシエチルイミダゾリン硫酸エステル(塩)など]、
スルホン酸塩型両性界面活性剤[ペンタデシルスルフォタウリン、イミダゾリンスルホン酸(塩)など]、リン酸エステル塩型両性界面活性剤[グリセリン高級脂肪酸(炭素数8〜22)エステル化物のリン酸エステルアミン塩]などが挙げられる。上記の塩としては(A1)で示したのものと同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
本発明における界面活性剤(A)としては、(A1)と(A2)との任意の組み合わせのものが挙げられ、それぞれ単独で用いてもよいし、併用してもよい。
併用の場合の(A1)/(A2)の重量比は、抗菌性の観点から、好ましくは1/9〜9/1、さらに好ましくは2/8〜8/2、特に好ましくは3/7〜7/3である。
(A1)および(A2)は、いずれも抗菌消臭効果を有するが、(A1)は特に抗菌効果を発揮し易く、(A2)は、特に消臭効果を発揮しやすい。
本発明における無機物(B)のうちのアルカリ土類金属酸化物(B1)としては、酸化マグネシウム酸化アルミニウム、二酸化珪素、酸化カルシウム、酸化亜鉛および酸化バリウム等、並びにこれらの複合酸化物、例えば、酸化マグネシウム/酸化アルミニウム(重量比2/1〜3/2)、酸化マグネシウム/二酸化珪素(重量比1/7〜1/4)および酸化アルミニウム/二酸化珪素(重量比1/6〜2/5)などが挙げられる。
アルカリ土類金属水酸化物(B2)としては、水酸化バリウム、水酸化カルシウムおよび水酸化マグネシウムなどが挙げられる。
(B)のうち好ましいのは、消臭性の観点から(B1)、特に、酸化アルミニウム、酸化アルミニウムおよび二酸化珪素の少なくとも1種を含有する複合酸化物である。
(B)の市販品としては、キョーワード700(組成:酸化アルミニウム/二酸化珪素=重量比1/6:協和化学(株)製)、キョーワード1000(組成:酸化マグネシウム/酸化アルミニウム=重量比7/2:協和化学(株)製)およびキョーワード2000(組成:酸化マグネシウム/酸化アルミニウム=重量比2/1:協和化学(株)製)などが挙げられる。
本発明の抗菌消臭剤組成物における(A)と(B)の重量比(A)/(B)は、抗菌消臭性の観点から、好ましくは10/1〜1/10、さらに好ましくは5/1〜1/5、特に3/1〜1/3である。
本発明の抗菌消臭剤組成物は、さらに吸水性樹脂(C)を含有してもよい。
吸水性樹脂(C)を含有することによって、アンモニア吸着機能が発揮しやすく、特に構成単位にカルボン酸基を有する吸水性樹脂が好ましい。
本発明において好適に使用しうる吸水性樹脂(C)の例としては、特公昭53−46199号、特公昭53−46200号各公報などに記載のデンプン−アクリル酸(塩)共重合体の架橋物;特公昭54−30710号、特開昭56−26909号各公報などに記載の逆相懸濁重合法による架橋あるいは自己架橋されたポリアクリル酸塩;特開昭55−133413号公報などに記載の水溶液重合(断熱重合、薄膜重合、噴霧重合など)により得られる架橋ポリアクリル酸(塩)などが挙げられる。上記吸水性樹脂は2種以上併用してもよい。
吸水性樹脂のうち、好ましいものは、比較的大きな吸収能力を発揮するという点で、アクリル酸およびアクリル酸塩を主構成単位とする水不溶性の吸水性樹脂である。また、上記吸水性樹脂粉末の表面近傍を更に表面架橋せしめた表面架橋型吸水性樹脂も本発明に好適に使用できる。
アクリル酸およびアクリル酸塩を主構成単位とする水不溶性の吸水性樹脂において、アクリル酸単位がアクリル酸単位とアクリル酸塩単位との合計のうち20〜50モル%、特に25〜45モル%であることが好ましい。アクリル酸単位この範囲で存在させることにより、アクリル酸のカルボキシル基が臭気成分の一種であるアンモニアなどと中和反応を起こして、吸水性樹脂に吸着されるという付随効果が得られる。アクリル酸単位が50モル%を越える場合、吸収性能が低下すると共に、吸水性樹脂のpHが酸性となり、皮膚に対する安全性の面でも好ましくない。一方、20モル%未満の場合、アンモニアなどを吸着する効果が乏しくなるとともに、吸水性樹脂のpHがアルカリ性となり、この場合も皮膚に対する安全性の面で好ましくない。
吸水性樹脂(C)の使用量は、(A)および(B)の合計重量100部に対して、好ましくは800部以下、さらに好ましくは500部以下である。
本発明の抗菌消臭剤組成物にはさらに、必要により、添加剤として、粉末化剤、固形化剤、消泡剤、キレート化剤,PH調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、漂白剤、香料および色素からなる群から選ばれる1種以上を含有してもよい。
粉末化剤としては、可溶化デンプン、シクロデキストリン、カルボキシメチルセルロース(数平均分子量(以下Mnと略記)5,000〜100,000)など;
固形化剤としては、ポリエチレングリコール(Mn1,000〜50,000)、ロウ類(カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ホホバ油、ミツロウ、ラノリンなど)、炭素数15以上の炭化水素(パラフィン、ワセリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックスなど)、炭素数12〜22の高級脂肪酸(ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸など)、炭素数12〜22の高級アルコール(セチルアルコール、ステアリルアルコールなど)など;
消泡剤としては、シリコーン系(ジメチルポリシロキサンなど)、鉱物油(スピンドル油、ケロシンなど)、炭素数12〜22の金属石鹸(ステアリン酸カルシウムなど)など;
キレート化剤としては、炭素数6〜12のアミノカルボン酸(たとえば、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、ニトリロトリ酢酸、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸など)、多価カルボン酸〔マレイン酸、ポリアクリル酸(Mn1,000〜10,000)、イソアミレン−マレイン酸共重合体(Mn1,000〜10,000)など〕、炭素数3〜10のヒドロキシカルボン酸(クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸など)、縮合リン酸(トリポリリン酸、トリメタリン酸など)およびこれらのアルカリ金属、アンモニウム塩など;
PH調整剤としては苛性アルカリ(苛性ソーダなど)アミン(モノ、ジおよびトリエタノールアミンなど)、有機酸(クエン酸など)、無機酸(リン酸など)など;
酸化防止剤としては、フェノール系[2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)など];硫黄系[ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート(DLTDP)、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート(DSTDP)など];リン系[トリフェニルホスファイト(TPP)、トリイソデシルホスファイト(TDP)など];アミン系[オクチル化ジフェニルアミン、N−n−ブチル−p−アミノフェノール、N,N−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミンなど]など;
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系(2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンなど)、サリチレート系(フェニルサリチレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなど)、ベンゾトリアゾール系[(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなど]、アクリル系[エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、メチル−2−カルボメトキシ−3−(パラメトキシベンジル)アクリレートなど]など;
防腐剤としては安息香酸、パラオキシ安息香酸エステル、ソルビン酸など;
漂白剤としては次亜塩素酸ソーダ、過酸化水素水、過炭酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウムなど;
香料としては天然香料(バラ油、ジャスミン油、ラベンダー油、レモン油、ムスク油など)、合成香料(リモネン、ファルネソール、シトラール、ローズオキサイドなど)など;
および色素としては青色1号、黄色4号、赤色2号などが挙げられる。
上記の添加剤のうち、粉末化剤および固形化剤は後述のように抗菌消臭剤組成物を粉末状などの固体の成型体とする場合に使用するが、その使用量は、(A)と(B)の合計重量に基づいて、それぞれ、通常10〜99%(以下において%は重量%を表す)、好ましくは30〜90%である。液状とする場合は粉末化剤およっび固形化剤は通常使用しない。
その他の添加剤は、いずれも、(A)と(B)の合計重量に基づいて、消泡剤は通常10%以下、好ましくは3%以下、キレート化剤は通常100%以下、好ましくは50%以下、PH調整剤は通常20%以下、好ましくは10%以下、酸化防止剤、紫外線吸収剤および防腐剤はそれぞれ通常10%以下、好ましくは5%以下、漂白剤は通常30%以下、好ましくは20%以下、香料は通常10%以下、好ましくは3%以下、色素は通常1%以下、好ましくは0.3%以下である
粉末化剤および固形化剤以外の添加剤の合計添加量は、(A)と(B)の合計重量に基づいて、通常90%以下、好ましくは60%以下である。
本発明の殺菌消臭剤組成物は、上記の各成分を含有してなる組成物であって、その形態は特に限定されない。例えば各成分の粉末が混合した混合粉末状、各成分が相互に溶解した溶液状、並びに、水および/または有機溶剤中に各成分の一部もしくは全てが分散もしくは溶解した水性分散体もしくは稀釈溶液状などが挙げられる。
水性分散体または稀釈溶液状の場合の有機溶剤としては、炭素数1〜18の1価アルコール(エチルアルコール、イソプロピルアルコール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコールなど)、炭素数2〜18の多価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリンなど)〕、多価アルコール誘導体(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなど)、炭素数4〜18のエーテル(ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、メチルフェニルエーテル、テトラヒドロフランなど)、炭素数2〜18のケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)および炭素数2〜25のエステル(蟻酸エチル、蟻酸ブチル、酢酸エチル、アジピン酸ジオクチルなど)などが挙げられる。
抗菌消臭剤組成物が水性分散体の場合の製造方法としては、例えば4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤(A1)を50〜80℃に加熱して融解させ、必要によりエチレングリコールおよび/またはプロピレングリコールなどの有機溶剤および両性界面活性剤(A2)および無機物(B)をそれぞれ添加して均一に混合し、溶解した後、必要により分散剤、増粘剤および/またはその他の添加剤を加え、よく攪拌しながら水を加えて水性分散体を得る方法が挙げられる。
分散剤としてはMnが1,000〜100,000の分散剤、たとえばナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物(Mn1,000〜10,000)、ポリスチレンスルホン酸アルカリ金属塩(Mn1,000〜100,000)、ポリアクリル酸アルカリ金属塩(Mn)2,000〜50,000)、カルボキシメチルセルロースおよびポリビニルアルコールなどが挙げられる。
増粘剤としては天然高分子(カラギーナン、デンプンなど)、半合成高分子{メチルセルロース(Mn5,000〜100,000)、可溶性デンプン、アルギン酸アルカリ金属塩、合成高分子〔ポリビニルアルコール(Mn1,000〜50,000)、ポリビニルピロリドン(Mn1,000〜50,000)など〕、無機物(ベントナイト、コロイダルアルミナなど)などが挙げられる。
上記のようにして得られた水性分散体は、そのままで、または必要によりさらに水または有機溶剤で希釈した状態で用いられ、使用される場合の(A1)の濃度としては通常0.001〜30%、好ましくは0.01〜10%である。
本発明における第2発明は、上記の抗菌消臭剤組成物が、シート状、フィルム状、粉末状、顆粒状またはブロック状に成型されてなる抗菌消臭剤成型体である。
粉末状の抗菌消臭剤成型体の製造方法としては、例えば4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤(A1)を50〜80℃に加熱して融解させ、両性界面活性剤(A2)および(B)をそれぞれ添加して均一に混合して、溶解した後、可溶化デンプンなどの粉末化剤もしくはポリエチレングリコールやロウ類などの固形化剤をよく攪拌しながら加えてブロック状とし、さらに粉砕機で粉砕して粉末状にする方法が挙げられる。シート状とするには、上記のブロック状物を加熱溶融させながら加圧成型する方法などが挙げられる。
本発明における第3発明は、上記の抗菌消臭剤組成物もしくは抗菌消臭剤成型体および不織布からなる抗菌消臭シート材料である。
不織布としては、羊毛、絹糸、リネンおよび綿糸のような天然繊維、レイヨン、アセテートのような再生繊維およびポリエステル、ポリアミド、ビニロン、ポリアクリロニトリルポリエチレン、ポリプロピレン、スパンデックスなどの合成繊維が挙げられる。
抗菌消臭シート材料の形態としては、例えば、
(1)不織布の表面に粉末状の抗菌消臭剤組成物または粉末状もしくは顆粒状の抗菌消臭剤成型体を散布した形態のもの、
(2)不織布の表面に水性分散体状、溶液状もしくは稀釈液状の抗菌消臭剤組成物をスプレー散布して、必要により乾燥した形態のもの、
(3)水性分散体状、溶液状もしくは稀釈液状の抗菌消臭剤組成物を不織布に含漬させ、必要により乾燥した形態のもの、および、
(4)上記の(1)〜(3)で得られたシート材料の片面または両面にさらに不織布を積層したものが挙げられる。
本発明における第4発明は、抗菌消臭シート材料は、界面活性剤(A)、無機物(B)、吸水性樹脂(C)、並びに不織布からなる抗菌消臭シート材料であり、構成成分である界面活性剤(A)、無機物(B)および吸水性樹脂(C)は、混合されて組成物となっている必要はない。
例えば、界面活性剤(A)を水もしくは有機溶剤に溶解した溶液を不織布(ポリエステルや綿など)に噴霧して得られたシート上に、吸水性樹脂(C)中に無機物(B)を含有させた粒子を散布して得られる抗菌消臭シート材料などが挙げられる。
このようにして得られた抗菌消臭シート材料は、愛玩動物などの排泄物の抗菌消臭に使用すると、排泄した初期の短時間には消臭作用を示し、同時にアンモニア産生菌に対しても抗菌作用に優れており、長時間持続する。
本発明の抗菌消臭剤組成物、抗菌消臭剤成型体および抗菌消臭シート材料は、以下のような各種の用途の抗菌消臭に使用できる。
(1)愛玩動物の抗菌消臭用
家庭で飼育している犬・猫や、うさぎ、小鳥、ハムスターなどの小動物の糞や尿の悪臭物質に対して効果があり、例えば、上記のように(A)を不織布にスプレーもしくは含浸させて得られたシート上に、吸水性樹脂(C)中に無機物(B)を含有させた粒子を散布して得られる抗菌消臭シート材料などが挙げられる。
(2)トイレ、流し、浴室などの抗菌消臭用
本発明の抗菌消臭剤組成物を粉末、顆粒もしくはブロック状に成形して得られた成型体を、必要により樹脂製などの容器または不織布などの袋に入れて、排水口内もしくは排水口上部に置いておくことにより流水により本発明の組成物が徐々に溶解し、配管の抗菌消臭ができる。
(3)動物、人体および手指の抗菌消臭用
本発明の抗菌消臭剤組成物を水性分散体または稀釈液状とし、掌、タオル、ブラシなどに取り、動物、人体、手指を抗菌洗浄した後、水で洗い流すことにより、抗菌と洗浄が同時にできる。さらに、界面活性剤(A)が動物の毛に吸着するため、抗菌性が持続すると同時に、毛に柔軟性と帯電防止性をも付与することができる。
(4)木材の抗菌消臭用
本発明の抗菌消臭剤組成物を水性分散体または稀釈液状とし、木材に噴霧し含湿し、抗菌性と消臭性が持続し、界面活性剤(A)に対する防カビ性も付与することができる。
(5)繊維(衣類等)の抗菌消臭用
本発明の抗菌消臭剤組成物を水性分散体または稀釈液状とし、洗濯機などの洗浄機で通常の洗剤と同様に用いて、洗浄、濯ぎをすることにより、抗菌と洗浄が同時にできる。さらに、界面活性剤(A)が繊維(製品)に吸着するため、抗菌性が持続し、悪臭発生を防ぐことができ、繊維(製品)に柔軟性と帯電防止性をも付与することができる。
(6)化粧品の抗菌消臭用
本発明の抗菌消臭剤組成物を、水性分散体、稀釈液状、粉末状、顆粒状またはブロック状とし、化粧品の他の構成成分に配合して用いることができる。
本発明の抗菌消臭剤組成物は、上記以外にも、さらにリビングルーム、寝室、台所、玄関、サニタリー用品、、タバコ、オムツ、生ゴミ、冷蔵庫、靴、下駄箱、ゴミ箱、などあらゆる多種な悪臭ガスを同時に除去し、かつ長期的に効果が得られる安全性の高い抗菌消臭剤組成物である。
[実施例]
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、実施例及び比較例において使用した成分について以下に示す。
a−1:無機物(「キョーワード600」、協和化学工業(株)製)
a−2:無機物(「キョーワード700」、協和化学工業(株)製)
b−1:無機物(「キョーワード1000」、協和化学工業(株)製)
b−2:無機物(「キョーワード2000」、協和化学工業(株)製)
c−1:ビス(ジデシルジメチルアンモニウム)アジピン酸塩(「オスモリンDA―20」三洋化成工業株式会社製)
c−2:ラウリルメチルアミノ酢酸ベタイン(三洋化成工業株式会社製)
c−3:塩化ベンザルコニウム(三洋化成工業株式会社製)
実施例1
表1に示すg数の各配合成分を常温で混合し、実施例1〜8および比較例1〜2の抗菌消臭剤組成物を作製した。
これらの抗菌消臭剤組成物について以下の試験方法により性能評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2007284407
性能評価:
以下の方法で、消臭性、抗菌性、皮膚刺激性および金属腐食性を評価した。
<消臭性>
各抗菌消臭剤組成物の全量を1Lのガラス瓶中に入れ、さらに濃度1.4%のアンモニア水を20μl、および酪酸を20μl入れ、密閉してから30〜40秒間激しく振った。その後静置し(5分間)、アンモニア検知管(GASTEC No.3MあるいはNo.3L:ガステック(株)製)または酪酸検知管(GASTEC No.81L;ガステック(株)製)を取り付けたガス採取器(GASTEC)でガラス瓶の空間部を100ml吸引し、30秒間保持した。その後、検知管の数字(ppm)を読みとった。
試験後のガラス瓶を密閉し、24時間静置した後、再度30〜40秒間激しく振ってから5分間静置し、上記と同様に検知管を用いて評価した。96時間後も同様にして評価した。
これらの消臭結果を表2にまとめて示す。
表2の結果から、本発明の抗菌消臭剤組成物は、臭いの選択性が少なく、いずれの種類の臭いに対しても消臭効果が大きいことがわかる。また、長時間の放置後でも消臭効果が低下せず、消臭効果の持続性が良好である。
Figure 2007284407
<抗菌性>
抗菌性を最小発育阻止濃度(MIC)試験により評価した。即ち、培地としてHeart infusion broth(HIB)を用い、希釈法(参考;東京大学医科学研究所学友会編 微生物学実習提要)に従って測定した。上記の実施例および比較例と同様にして得られた抗菌剤組成物をHIBを用いて希釈し、25ppm〜0.39ppm((A)の濃度)溶液を作製した。被検菌株大腸菌の一夜培養液(培地;HIB 菌数 10℃ CFU/ml)50μlを加え、37℃にて一夜培養した。その後、被検菌の増殖の有無を観察し発育する阻止最小薬剤濃度を求めた。
結果を表3に示す。
Figure 2007284407
<皮膚刺激性>
上記の実施例および比較例と同様にして得られた抗菌消臭剤組成物について、皮膚刺激性を男女ら5名によるクローズド・バッチ試験(48時間後、上腕内側)を行い、次の基準で評価し、その合計値を表4に示した。尚、刺激反応の強度の評価基準は以下の通りである。
0:紅班なし
1:ごく軽度な紅班
2:明瞭な紅班
3:中程度から強度の紅班
4:肉様の紅班
Figure 2007284407
<金属腐食性>
上記の実施例および比較例と同様にして得られた抗菌消臭剤組成物について金属腐食性を試験した。腐食性試験は1重量%抗菌消臭剤組成物水溶液を作製し、鋼板を半ば浸漬させガラス容器に密閉し、室温で48時間後に鋼板の錆の発現を目視で判定した。結果は表5に示す。腐食性の評価基準は以下の通りである。
0:全く腐食なし
1:部分的に腐食あり
2:前面的に腐食あり
Figure 2007284407
本発明の抗菌消臭剤組成物は、愛玩動物の抗菌消臭用;トイレ、流しおよび浴室などの抗菌消臭用;動物、人体および手指の抗菌消臭用;木材の抗菌消臭用;繊維(衣類等)の抗菌消臭用;化粧品の抗菌消臭用;さらにリビングルーム、寝室、台所、玄関、サニタリー用品、、タバコ、オムツ、生ゴミ、冷蔵庫、靴、下駄箱、ゴミ箱、などあらゆる多種な悪臭ガスを同時に除去し、かつ長期的に効果が得られる安全性の高い抗菌消臭剤組成物として有用である。

Claims (9)

  1. 一般式(1)で表される4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤(A1)および両性界面活性剤(A2)からなる群から選ばれる1種以上の界面活性剤(A)、並びにアルカリ土類金属酸化物(B1)およびアルカリ土類金属水酸化物(B2)からなる群から選ばれる1種以上の無機物(B)を含有することを特徴とする抗菌消臭剤組成物。
    Figure 2007284407
    (式中、R1、R2およびR3はそれぞれ同一もしくは異なる炭素数1〜24のアルキル基または炭素数2〜24のアルケニル基;R4は炭素数6〜24のアルキル基もしくはアルケニル基または炭素数7〜24のアリールアルキル基もしくはアリールアルケニル基;fは1〜10の整数、Xf-はf価の対イオンであり、ヒドロキシイオン、硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、カルボン酸イオン、スルホン酸イオン、硫酸エステルイオン、リン酸エステルイオンおよび超強酸イオンからなる群から選ばれる1種以上である。)
  2. アルカリ土類金属酸化物(B1)が、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、二酸化珪素、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化バリウムおよびこれらの複合酸化物からなる群から選ばれる1種以上である請求項1項記載の抗菌消臭剤組成物。
  3. 一般式(1)におけるXf-が、カルボン酸イオンまたは超強酸イオンである請求項1または2記載の抗菌消臭剤組成物。
  4. さらに吸水性樹脂を含有してなる請求項1〜3いずれか記載の抗菌消臭剤組成物。
  5. さらに粉末化剤、固形化剤、消泡剤、キレート化剤、PH調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、漂白剤、香料および色素からなる群から選ばれる1種以上を含有してなる請求項1〜4いずれか記載の抗菌消臭剤組成物。
  6. 請求項1〜5いずれか記載の抗菌消臭剤組成物が、シート状、フィルム状、粉末状、顆粒状またはブロック状に成型されてなる抗菌消臭剤成型体。
  7. 請求項1〜6いずれか記載の抗菌消臭剤組成物もしくは抗菌消臭剤成型体および不織布からなる抗菌消臭シート材料。
  8. 一般式(1)で表される4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤(A1)および両性界面活性剤(A2)からなる群から選ばれる1種以上の界面活性剤(A)、アルカリ土類金属酸化物(B1)およびアルカリ土類金属水酸化物(B2)からなる群から選ばれる1種以上の無機物(B)、吸水性樹脂(C)、並びに不織布からなる抗菌消臭シート材料。
    Figure 2007284407
    (式中、R1、R2およびR3はそれぞれ同一もしくは異なる炭素数1〜24のアルキル基または炭素数2〜24のアルケニル基;R4は炭素数6〜24のアルキル基もしくはアルケニル基または炭素数7〜24のアリールアルキル基もしくはアリールアルケニル基;fは1〜10の整数、Xf-はf価の対イオンであり、ヒドロキシイオン、硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、カルボン酸イオン、スルホン酸イオン、硫酸エステルイオン、リン酸エステルイオンおよび超強酸イオンからなる群から選ばれる1種以上である。)
  9. 愛玩動物の抗菌消臭用である請求項6〜8のいずれか記載の抗菌消臭剤成型体または抗菌消臭シート材料。
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