JP2007284179A - 揚重装置及びそのクライミング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】仕上げ材等の資材の揚重・小運搬作業の作業性を向上させて労力を低減させることなどを目的としている。
【解決手段】工事中の構造物に形成された上下方向に複数階に亘って延在する開口空間Sの中で、仮設リフト2および仮設エレベータ3が仮設リフト2を上に仮設エレベータ3を下にして上下に配設された構成からなる揚重装置1において、仮設リフト2は、リフトベース15とラックレール20が付設されたリフトマスト16,16とピニオン及び駆動源が搭載された搬器17とを有する構成からなり、仮設エレベータ3のエレベータマスト6は仮設エレベータ領域Aを越えてその上方の仮設リフト領域Bに達するまで伸延されており、リフトマスト16,16はエレベータマスト6に対して上下方向に摺動自在に取り付けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、揚重装置及びそのクライミング方法に関する。
例えば、超高層RC(鉄筋コンクリート)集合住宅の建設工事では、躯体工事における鉄筋材等の荷揚げをタワークレーンによって行うことが多いが、このタワークレーンの負荷を軽減するべく、型枠やサポートの盛替えを行う際の型枠等の荷揚げに関してはタワークレーンを用いずに別の揚重装置(仮設リフト)によって行う場合がある。この型枠盛替え用の仮設リフトとしては、従来、建物コア部の階段室やエレベータ開口の中に設置されるリフトがある。この仮設リフトは、型枠解体を行う階と型枠建て込みを行う階との間のエリアに設置される揚重装置であって、エレベータ開口等の中に立設されたリフトマストと、このリフトマストに沿って昇降する搬器とを備えた構成からなる。(例えば、特許文献1〜3参照。)。
一方、超高層RC集合住宅の建設工事の現場では、躯体工事と併行して下階から順次仕上げ工事を行う場合が多いが、この場合、上記したタワークレーンや仮設リフトと併せて、例えばロングスパンエレベータ等の仕上げ材の揚重や作業員の昇降のための揚重装置(仮設エレベータ)が用いられる。この仮設エレベータは、鉛直方向に延在するエレベータマストと、このエレベータマストに沿って昇降する搬器とを備えた構成からなる。
ところで、最近、躯体工事で用いられるタワークレーンがコストダウンの観点から建物内部でのフロアクライミング形式で設置される例が増えてきている。ところが、建物内部の空きスペースは多くないため、タワークレーンが建物内部に設置されることで、建物内部に仮設エレベータを設置するスペースが無くなる。したがって、揚重機器(タワークレーン、仮設リフト、仮設エレベータ)の集中配置を避けるべく、上記した仮設エレベータは建物外周部に設置される場合が多い。
また、近年では、上記した仮設リフトと仮設エレベータとを同一開口内に上下で配置する例もある。具体的には、エレベータ開口等の開口空間うちの、型枠建て込みを行う階(躯体施工階)から型枠解体を行う階までの上層階エリアに仮設リフトが設置されるとともに、型枠解体を行う階の直ぐ下の階から建物最下階までの下層階エリアに仮設エレベータが設置される。
特開平5−97356号公報 特開平10−252275号公報 登録実用新案第3024523号公報
しかしながら、仮設エレベータを建物外周部に設置するという上記した従来の技術では、仮設エレベータにより揚重された仕上げ材等の資材を、バルコニーから各住戸内を通して搬入することになるため、階段室やエレベータ開口に仮設エレベータを設置する場合に比べて、小運搬距離が伸びるという問題がある。また、資材をバルコニーから各住戸内を通して搬入することになると、狭所や段差箇所を通過させて仕上げ材等の資材を搬入することになるため、階段室やエレベータ開口に仮設エレベータを設置する場合に比べて資材搬入の労力が増大するという問題がある。特に逆梁構造等のように大きな段差がある場合には、資材搬入の労力は著しく増大する。
また、近年、建物外装をカーテンウォール形式で形成する例が急増しているが、カーテンウォール形式の外装に沿って仮設エレベータを設置すると、仮設エレベータの設置に用いられる壁つなぎの設置方法が複雑化するという問題が存在する。この結果、仮設計画には多くの調整業務が伴うほか、仮設の壁つなぎ自体も高価になりつつある。
さらに、仮設リフトと仮設エレベータとを同一開口内に上下で配置するという上記した従来の技術では、仮設エレベータのクライミング作業時に、仮設エレベータだけでなく仮設リフトも休止させなければならないという問題が存在する。また、仮設エレベータのエレベータマストを伸延させる作業を行うとき、エレベータマストの継ぎ足し作業が狭い開口内での作業となるため、マスト伸延作業の作業性が悪く、また、安全性を確保するために煩雑な管理を要する。
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、仕上げ材等の資材の揚重・小運搬作業の作業性を向上させて労力を低減させることを目的としている。また、揚重装置の設置に用いられる壁つなぎの設置計画を簡素化するとともに、壁つなぎ自体のコストダウンを図ることを目的としている。さらに、仮設エレベータのクライミング時における仮設リフトの供用を可能にするとともに、エレベータマストの伸延作業の作業性・安全性を向上させることを目的としている。
請求項1記載の発明は、工事中の構造物に形成された上下方向に複数階に亘って延在する開口空間の中で、仮設リフトおよび仮設エレベータが仮設リフトを上に仮設エレベータを下にして上下に配設された構成からなる揚重装置において、前記仮設リフトは、仮設リフト領域内の下部に設けられたリフトベースと、該リフトベース上に立設されているとともに上下方向に延在するラックレールが付設されたリフトマストと、前記ラックレールに噛合されるピニオンが備えられているとともに該ピニオンを回転駆動させる駆動源が搭載された搬器とを有する構成からなり、前記仮設エレベータのエレベータマストは、仮設エレベータ領域を越えてその上方の前記仮設リフト領域に達するまで伸延されており、前記リフトマストは、前記エレベータマストに対して上下方向に摺動自在に取り付けられていることを特徴としている。
このような特徴により、仮設エレベータが構造物内部の開口空間に設置されるため、構造物の外周部に仮設エレベータを設置する場合に比べて小運搬距離が短くなるとともに、段差や狭所でなく広く開放された場所が仮設エレベータからの荷の取り込み場所となる。また、仮設エレベータを建物外周部に設置する場合に比べて壁つなぎが単純となる。また、エレベータマストが仮設リフト領域まで伸延されているので、狭い開口内でなく、広い最上階のエリアで、クライミング時のエレベータマストの継ぎ足し作業が行われる。また、仮設リフトには、ラックレールが付設されたリフトマストと、ピニオン及びその駆動源が搭載されたリフト搬器とが備えられ、エレベータマストが仮設リフト領域まで伸延されており、このエレベータマストに対してリフトマストが上下方向に摺動自在に取り付けられているため、搬器に搭載された駆動源を使ってリフトマストを自走式に上方に移動させることができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の揚重装置において、前記リフトベースは、仮設リフト領域における最下階の開口に架け渡されたベースビーム材からなり、該ベースビーム材の両端が伸縮又は回動可能になっていることを特徴としている。
このような特徴により、仮設リフトをクライミングする際に、ベースビーム材の両端が開口空間廻りの躯体に引っ掛からないように、ベースビーム材の両端が収縮或いは折り曲げておくことができる。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の揚重装置において、前記搬器には、該搬器の着床階の開口に架け渡される着床ビーム材が備えられており、該着床ビーム材の両端が伸縮又は回動可能になっていることを特徴としている。
上記した本発明に係る揚重装置は、搬器をエレベータマストに連結させた後、駆動源を起動させてピニオンを回転駆動させることで、リフトマストをエレベータマストに沿って摺動させながら仮設リフト(リフトマスト)をクライミングさせることができるが、仮設リフトのクライミング時に着床ビーム材を開口に架け渡すことで、着床ビーム材が載置された躯体にクライミング時の垂直力が作用し、エレベータマストにクライミング時の垂直力が作用しない。
また、仮設リフトをステージとして利用する際、停止された仮設リフトの着床ビーム材を開口に架け渡すことで、搬器に載せられた資材等の荷重及び搬器自体の荷重(垂直力)を、着床ビーム材を介して躯体で受けることになる。
また、着床ビーム材の両端が伸縮又は回動可能になっていることで、仮設リフトの通常運転時に、着床ビーム材の両端を収縮或いは折り曲げておくことができ、着床ビーム材の両端が開口空間廻りの躯体に引っ掛かることがない。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の揚重装置において、前記仮設リフトと前記仮設エレベータとの間には、開口を塞ぐ仮設遮蔽床が備えられ、該仮設遮蔽床によって前記仮設リフト領域と前記仮設エレベータ領域とが区画されていることを特徴としている。
このような特徴により、仮設遮蔽床により、仮設リフトの下方への人や物の落下を防止することができるとともに仮設エレベータ駆動時の騒音を遮断することができ、さらに、仮設遮蔽床が雨養生となる。
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の揚重装置のクライミング方法において、前記エレベータマストの上端に該エレベータマストの部品を継ぎ足して前記エレベータマストを上方に伸延させる工程と、前記搬器と前記エレベータマスト或いは前記構造物の躯体とを連結する工程と、前記駆動源を駆動させ、前記搬器をその場の位置に保持させたまま、少なくとも前記リフトマストを前記エレベータマストに沿って上方に移動させる工程とを備えることを特徴としている。
このような特徴により、仮設リフトをクライミングさせる際、エレベータマストをガイドとして利用してリフトマストが上昇し、仮設リフトが自走式にクライミングされる。また、エレベータマストは仮設リフトのクライミング時に伸延されるため、仮設エレベータのクライミング時には、エレベータマストを伸延させる必要がない。
本発明に係る揚重装置によれば、仕上げ材等の資材の揚重・小運搬作業の作業性を向上させて労力を低減させることができる。また、揚重装置の設置に用いられる壁つなぎの設置計画を簡素化するとともに、壁つなぎ自体のコストダウンを図ることができる。さらに、仮設エレベータのクライミング時における仮設リフトの供用が可能であり、また、エレベータマストの伸延作業の作業性・安全性を向上させることができる。
また、本発明に係る揚重装置のクライミング方法によれば、安全且つ短時間に仮設リフトのクライミングを行うことができる。また、仮設エレベータのクライミングの際、エレベータマストの継ぎ足し作業が不要であるため、仮設エレベータのクライミングに伴う休止時間を短縮することができる。
以下、本発明に係る揚重装置及びそのクライミング方法の実施の形態について、図面に基いて説明する。
まず、本実施の形態における揚重装置1の構成について説明する。
図1は本実施の形態における揚重装置1を表す斜視図である。
図1に示すように、揚重装置1は、多層構造物の新築工事或いは改修工事において使用される仮設の揚重装置であって、例えば、構造物に形成された本設エレベータシャフト空間(以下、EVシャフト空間Sと記す。)の中に設置されている。このEVシャフト空間Sは、図示せぬ本設のエレベータの昇降路となる空間であって、構造物の各階のフロアF…を貫通して形成された上下方向に複数階に亘って延在する開口空間である。つまり、各階の開口K…が、それぞれ同一位置に形成されて鉛直に同一軸線上に並べられた構成からなる。揚重装置1は、仮設リフト2と仮設エレベータ3とから構成されており、仮設リフト2を上に仮設エレベータ3を下にして仮設リフト2および仮設エレベータ3がEVシャフト空間Sの中で上下に配設された構成からなる。なお、揚重装置1は、工事用の仮設物であり、本設エレベータを設置する際には撤去されるものである。
仮設エレベータ3は、構造物の1階から躯体工事が完了した階(図示せぬ型枠の解体が完了した階)までの間を昇降するワイヤーロープ式の公知の仮設エレベータである。仮設エレベータ3の概略構成としては、EVシャフト空間Sの底面に載置されたエレベータベース5と、エレベータベース5上に立設されたエレベータマスト6と、籠状のエレベータ搬器7と、エレベータ搬器7を吊持するワイヤー8,8と、ワイヤー8,8が巻回されるトップシーブ11,11を有するれん台9と、ワイヤー8,8を巻き取る図示せぬインバータホイストを有するエレベータ駆動装置10とを備えた構成からなる。
エレベータベース5は、例えば複数の形鋼を平行に並べた構成からなる。
エレベータマスト6は、立体的に組み立てられた枠状のマスト部材12…を鉛直方向に複数連設した構成からなる。エレベータマスト6は、EVシャフト空間S内で鉛直方向に延在されており、仮設エレベータ領域Aを越えてその上方の仮設リフト領域Bに達するまで伸延されている。つまり、エレベータマスト6は、EVシャフト空間Sの底部から鉄筋配筋・型枠建込みを行う立上り施工階(N階)までの間に亘って延在されている。なお、ここでいう「仮設エレベータ領域A」とは、揚重装置1のうち仮設エレベータ3として機能する部位のエリアであり、具体的には、エレベータベース5かられん台9までの範囲である。また、「仮設リフト領域B」は揚重装置1のうち仮設リフト2として機能する部位のエリアであり、具体的には、後述するリフトベース15から後述するリフトマスト16,16の上端までの範囲である。
また、エレベータマスト6には、鉛直方向(昇降方向)に延在するラックレール13が付設されている。このラックレール13は、マスト部材12(エレベータマスト6)の正面の略真中位置に取り付けられており、エレベータマスト6の下端から上端まで延在されている。
エレベータ搬器7は、資材を載せるための荷台7aを有する籠状のものである。エレベータ搬器7には、エレベータマスト6の支柱6a…に沿って摺動する図示せぬガイド部材が備えられており、ワイヤー8,8をエレベータ駆動装置10で巻き取ることでエレベータ搬器7は吊り上げられてエレベータマスト6に沿って上昇され、反対に、巻き取られたワイヤー8,8を送り出すことでエレベータ搬器7は吊り降ろされてエレベータマスト6に沿って下降される。
ワイヤー8,8は、トップシーブ11,11に巻き掛けられて上下に折り返されて延在されている。ワイヤー8の一端はエレベータ搬器7に固定され、ワイヤー8の他端は下側エレベータ駆動装置10のインバータホイストに巻き付けられている。
れん台9は、エレベータマスト6に沿って自昇するセルフクライミング式の架台であり、仮設エレベータ領域Aの上部に配設されている。具体的には、れん台9に、上記したラックレール13に噛合される図示せぬピニオンと、このピニオンを回転駆動させる図示せぬ駆動源と、エレベータマスト6の支柱6a…に沿って摺動するガイド部材14とがそれぞれ搭載されている。
エレベータ駆動装置10は、エレベータベース5上に載置されている。
図2は仮設リフト2を正面から観た仮設リフト2の斜視図であり、図3は仮設リフト2を裏面から観た仮設リフト2の斜視図である。
図2,図3に示すように、仮設リフト2は、型枠やパイプサポート等の盛替えを行う際にこれらの型枠等の荷揚げを行う機能(盛替え機能)と、タワークレーン等によって外部から搬入された例えばALCパネル等の資材を荷受けする機能(ステージ機能)を併せ持った装置であり、図示せぬ型枠を解体する型枠解体階(N2階)から立上り施工階(N階)までの間を昇降するラックピニオン駆動式のリフトである。仮設リフト2の概略構成としては、仮設リフト領域Bの下部に設けられたリフトベース15と、リフトベース15上に立設されたリフトマスト16,16と、籠状のリフト搬器17(搬器)とを備えた構成からなる。
リフトベース15は、仮設リフト2を支持するための架台であり、仮設リフト領域Bにおける最下階(N3階)の開口K´に架け渡された複数のベースビーム材18,18からなる。ベースビーム材18,18は、仮設リフト2の前後方向(奥行き方向)に延在させてエレベータマスト6の両側にそれぞれ配設されており、両側のベースビーム材18,18は平行に並べられている。つまり、2本のベースビーム材18,18は、エレベータマスト6を左右で挟んで並列に配設されている。これらのベースビーム材18,18は、アウトリガーのような伸縮式のビーム材であり、その両端部18a,18aは伸縮可能になっている。具体的には、ベースビーム材18は、断面矩形の筒状の本体部18b内に断面矩形の鋼材からなる両端部18a,18aが挿装され、本体部18bの両端より両端部18a,18aが手動或いは機械制御によりそれぞれ出し入れできる構成になっている。そして、ベースビーム材18は、その両端部18a,18aが張り出された伸張状態で開口K´に架け渡されており、ベースビーム材18の両端部18a,18aは、開口K´周りの躯体(スラブや梁等)に載置されてアンカーボルト等で固定されている。
リフトマスト16,16は、エレベータマスト6の両側に鉛直に配置された柱状の部材であり、その下端は、ベースビーム材18,18の本体部18b,18bに溶接或いはボルト等によって接合されている。リフトマスト16には、エレベータマスト6の支柱6a…に摺動自在に嵌合された複数のガイドローラ19…が設けられており、これらのガイドローラ19…を介して、リフトマスト16,16がエレベータマスト6の両側に上下方向に摺動自在に取り付けられている。また、リフトマスト16,16には、リフトマスト16,16の軸方向に沿って延在、つまり上下方向(鉛直方向)に延在するラックレール20,20がそれぞれ付設されている。このラックレール20,20は、リフトマスト16,16の全長に亘って延在されており、リフトマスト16,16の正面側の側面に溶接或いはボルト等によって接合されている。
リフト搬器17は、型枠やALCパネル等を載せるための荷台21を有する籠状のものであり、リフトマスト16,16に沿って自走式に昇降するものである。リフト搬器17には、2本のラックレール20,20にそれぞれ噛合される複数の図示せぬピニオンが備えられているとともにこれらのピニオンを回転駆動させる図示せぬ駆動源が搭載されている。また、図2,図3,図4に示すように、リフト搬器17には、水平方向に延在され、任意の搬器着床階の開口K´´に架け渡される着床ビーム材22,22が備えられている。着床ビーム材22,22は、仮設リフト2の左右方向(横方向)に延在させて荷台21の前後にそれぞれ配設されており、2本の着床ビーム材22,22は平行に並べられている。つまり、2本の着床ビーム材22,22は、リフト搬器17の荷台21を前後で挟んで並列に配設されている。着床ビーム材22は、アウトリガーのような伸縮式のビーム材であり、その両端部22a,22aは伸縮可能になっている。具体的には、着床ビーム材22は、断面矩形の筒状の本体部22b内に断面矩形の鋼材からなる両端部22a,22aが挿装され、本体部22bの両端より両端部22a,22aが手動或いは機械制御によりそれぞれ出し入れできる構成になっている。
また、図2,図3に示すように、揚重装置1には、仮設リフト2と仮設エレベータ3との間には開口K´を塞ぐ仮設遮蔽床23が備えられている。この仮設遮蔽床23は、開口K´に沿って形成されて且つエレベータマスト6の部分が切り欠いてある形状の板状の部材であり、仮設リフト2の下方であって仮設エレベータ3の上方に配置されている。具体的には、仮設遮蔽床23は、リフトベース15の底面に取り付けられ、仮設リフト領域Bにおける最下階(N3階)の開口K´内に配置されている。この仮設遮蔽床23を介して仮設エレベータ領域Aと仮設リフト領域Bとは区画されている。
なお、上記したリフトベース15(ベースビーム材18,18)とリフトマスト16,16と仮設遮蔽床23とは一体的に形成されている。
また、図3に示すように、上記したエレベータマスト6は、開口K周りのスラブ等に定着された複数の壁つなぎ材24…を介して構造物の躯体に支持されている。この壁つなぎ材24…としては公知の壁つなぎ材を用いることができる。壁つなぎ材24…は、エレベータマスト6の両側の支柱6a…にそれぞれ取り付けられている。
次に、上記した構成からなる揚重装置1の使用方法について説明する。
図1に示すように、上記した構成からなる揚重装置1は、仮設リフト2および仮設エレベータ3をそれぞれ同時に稼動させることが可能であり、仮設リフト2による型枠等の盛替え作業を行いながら、仮設エレベータ3による仕上げ材等の搬入作業を行うことができる。勿論、仮設リフト2を停止させた状態で仮設エレベータ3のみを稼動させることもでき、反対に、仮設エレベータ3を停止させた状態で仮設リフト2のみを稼動させることもできる。
図2,図3に示すように、仮設リフト2は、型枠解体階(N2階)から立上り施工階(N階)までの間でリフト搬器17を昇降させて資材等の荷揚げに使用することができる。具体的には、リフト搬器17に搭載された図示せぬ駆動源を駆動させて、同じくリフト搬器17に取り付けられた複数の図示せぬピニオンを回転駆動させる。これらのピニオンが回転駆動すると、当該ピニオンがラックレール20,20に噛合されているため、資材等を載せたリフト搬器17がラックレール20,20に沿って昇降される。なお、このとき、着床ビーム材22の両端部22a,22aが開口K…周りの躯体(スラブや梁等)に引っ掛からないように、着床ビーム材22の両端部22a,22aが本体部22bの中に引き入れられており、2本の着床ビーム材22,22は共に収縮状態になっている。
例えば、仮設リフト2は、図示せぬ型枠やパイプサポート等の盛替え作業における型枠等の荷揚げに使用される。具体的には、まず、図示せぬ型枠を解体する型枠解体階(N2階)にリフト搬器17を配置し、このリフト搬器17の荷台21に図示せぬ型枠等を載せる。その後、上記した駆動源を駆動させてピニオンをある一定の方向(以下、正方向とする。)に回転させてリフト搬器17を上方に移動させる。そして、リフト搬器17が立上り施工階(N階)まで上昇したところで上記駆動源を停止し、リフト搬器17に載せられた図示せぬ型枠やパイプサポート等を立上り施工階(N階)に移動させる。このようにして、解体された型枠等を立上り施工階(N階)に荷揚げすることができる。また、その後、リフト搬器17を再び型枠解体階(N2階)に移動させるときには、上記した駆動源を逆回転駆動させてピニオンを上昇時の正方向と逆の方向に回転させることで、リフト搬器17が下方に移動する。そして、リフト搬器17が型枠解体階(N2階)まで下降したところで上記駆動源を停止させ、リフト搬器17を型枠解体階(N2階)に配置する。
また、図4に示すように、仮設リフト2は、リフト搬器17を昇降させずにステージとして利用することもできる。具体的には、リフト搬器17を任意の搬器着床階に配置してリフト搬器17を停止させる。このとき、2本の着床ビーム材22,22をそれぞれ伸張状態にしておき、これらの着床ビーム材22,22の両端部22a…を搬器着床階の開口K´´に架け渡しておく。つまり、着床ビーム材22,22の本体部22b,22bの両端から両端部22a…をそれぞれ張り出させ、これらの両端部22a…を開口K´´周りの躯体(スラブや梁等)上に載置させることで、リフト搬器17からの荷重を受ける。そして、2本の着床ビーム材22,22により支持されたリフト搬器17の荷台21に、ALCパネル等の資材を仮置きすることができる。
一方、図1に示すように、仮設エレベータ3は、エレベータベース5の直ぐ上の階かられん台9の直ぐ下の階までの間でエレベータ搬器7を昇降させて資材等の荷揚げや人員の昇降に使用することができる。具体的には、エレベータ駆動装置10に備えられた図示せぬインバータホイストを駆動させて両側のワイヤー8,8の他端をそれぞれ巻き取る。このとき、両側のワイヤー8,8は、同じ速度で同じ量だけ巻き取る。ワイヤー8,8の他端が巻き取られると、トップシーブ11,11に巻回されて折り返されたワイヤー8,8の一端は上方に向かって移動する。これによって、ワイヤー8,8の一端に固定されたエレベータ搬器7は吊り上げられるように上昇する。また、エレベータ駆動装置10に備えられた図示せぬインバータホイストのブレーキを解除して両側のワイヤー8,8を送り出すと、トップシーブ11,11に巻回されて折り返されたワイヤー8,8の一端は下方に向かって移動する。これによって、ワイヤー8,8の一端に固定されたエレベータ搬器7は吊り降ろされるように下降する。
例えば、仮設エレベータ3は、型枠が解体されて躯体の施工が完了した中間階に仕上げ材等を荷揚げする場合に使用される。具体的には、エレベータ搬器7を構造物の1階に配置させておき、現場に搬入された仕上げ材等をエレベータ搬器7に載せる。その後、上記インバータホイストを駆動させてワイヤー8,8の他端を巻き取ってエレベータ搬器7を上昇させる。そして、エレベータ搬器7が仕上げ材等の任意の搬入階まで上昇したところで上記インバータホイストを停止させ、エレベータ搬器7から構造物内に仕上げ材等を運び込む。また、その後、エレベータ搬器7を1階に戻すときには、上記インバータホイストのブレーキを解除してワイヤー8,8を送り出してエレベータ搬器7を下降させる。
次に、上記した構成からなる揚重装置1のクライミング方法について説明する。
まず始めに、図3,図5に示すように、エレベータマスト6を支持する壁つなぎ材24…を盛替える工程を行う。例えば、リフトベース15がある仮設リフト領域Bの最下階(N3階)に壁つなぎ材24…が設置されている場合、仮設リフト領域Bの最下階(N3階)に設置されたその壁つなぎ材24…を取り外して、当該壁つなぎ材24…をそれよりも上の階(N1階)に取り付ける。
次に、図5に示すように、エレベータマスト6の上端にエレベータマスト6の部品(マスト部材12)を継ぎ足してエレベータマスト6を上方に伸延させる工程を行う。具体的には、予めマスト部材12を立体的に組み立てておき、このマスト部材12を図示せぬタワークレーン等で吊り上げてエレベータマスト6の上方に移動させる。このマスト部材12には、ラックレール13を付設させておく。そして、エレベータマスト6の上端にマスト部材12を載せてエレベータマスト6の上端とマスト部材12の下端とを連結させる。なお、マスト部材12を予め組み立てずに、エレベータマスト6の上端でマスト部材12を組み立ててもよい。
次に、リフト搬器17とエレベータマスト6とを連結する工程を行う。具体的には、クライミング後の仮設リフト領域B´(図7に示す)のうちの最下階よりも上の階にリフト搬器17を配置する。例えば、1階分だけクライミングする場合には、現状の型枠解体階(N2階)の1つ上の階(N1階)にリフト搬器17を着床させる。そして、リフト搬器17に備えられた2本の着床ビーム材22,22をそれぞれ伸張状態にして、これらの着床ビーム材22,22の両端部22a…を搬器着床階(N1階)の開口Kに架け渡す。つまり、着床ビーム材22,22の本体部22b,22bの両端から両端部22a…をそれぞれ張り出させ、これらの両端部22a…を開口K周りの躯体(スラブや梁等)上に載置させることで、リフト搬器17からの荷重を受ける。そして、図示せぬブラケット等の連結材を介してリフト搬器17とエレベータマスト6とを連結し、リフト搬器17をエレベータマスト6に固定する。
次に、ベースビーム材18,18の両端部18a…を固定しているアンカーボルト等をそれぞれ解除する工程を行う。これによって、ベースビーム材18,18はそれぞれ伸縮可能な状態、つまり、ベースビーム材18の両端部18a,18aが本体部18bの中に出し入れ自在の状態になる。
次に、図6に示すように、ベースビーム材18,18を収縮させる工程を行う。具体的には、ベースビーム材18の本体部18bの両端から張り出された両端部18a,18aを、手動或いは機械制御によって本体部18bの中に引き入れ、両端部18a,18aを本体部18bの中に格納する。
次に、リフト搬器17に備えられた図示せぬ駆動源を駆動させ、リフト搬器17をその場の位置に保持させたまま、一体的に形成されたリフトマスト16,16およびリフトベース15、仮設遮蔽床23をエレベータマスト6に沿って上方に移動させる工程を行う。リフト搬器17は、エレベータマスト6に連結されているため、上記駆動源を駆動させても動かない。また、上記駆動源は、逆回転駆動、つまり、リフト搬器17に備えられた図示せぬピニオンを正方向(通常運転時において、リフト搬器17を上昇させるときの回転方向)と逆の方向に回転させるように駆動させる。上記駆動源によって上記ピニオンが逆方向に回転すると、このピニオンに噛合するラックレール20,20が上方に押し上げられる。これによって、ラックレール20,20が付設されたリフトマスト16,16は、ガイドローラ19…をエレベータマスト6の支柱6a…に摺動させながら、エレベータマスト6に沿って上方に移動する。このとき、リフトマスト16,16に一体的に取り付けられたリフトベース15、及びリフトベース15に一体的に取り付けられた仮設遮蔽床23も、リフトマスト16,16と一緒に上昇する。そして、リフトマスト16,16等を所定のクライミング位置よりも揚げ越した時点、つまり、リフトベース15がクライミング後のベース設置階(N2階)を通り過ぎたところで、上記駆動源を止めてリフトマスト16,16等の上昇を停止する。
次に、図7に示すように、ベースビーム材18,18を伸張させる工程を行う。具体的には、ベースビーム材18の本体部18bの中に引き入れられて格納された両端部18a,18aを、手動或いは機械制御によって、本体部18bの両端からそれぞれ張り出させて突出させる。
次に、リフト搬器17に備えられた図示せぬ駆動源を駆動させ、リフト搬器17をその場の位置に保持させたまま、一体的に形成されたリフトマスト16,16およびリフトベース15、仮設遮蔽床23をエレベータマスト6に沿って下方に移動させる工程を行う。上記駆動源は、正回転駆動、つまり、リフト搬器17に備えられた図示せぬピニオンを正方向に回転させるように駆動させる。上記駆動源によって上記ピニオンが正方向に回転すると、このピニオンに噛合するラックレール20,20が下方に押し下げられる。これによって、ラックレール20,20が付設されたリフトマスト16,16は、ガイドローラ19…をエレベータマスト6の支柱6a…に摺動させながら、エレベータマスト6に沿って下方に移動する。このとき、リフトマスト16,16に一体的に取り付けられたリフトベース15、及びリフトベース15に一体的に取り付けられた仮設遮蔽床23も、リフトマスト16,16と一緒に下降する。そして、張り出されたベースビーム材18,18の両端部18a…がベース設置階(N2階)の躯体上に載置されたところで、上記駆動源を止めてリフトマスト16,16等の下降を停止する。
次に、ベースビーム材18,18の両端部18a…をアンカーボルト等でベース設置階(N2階)の躯体に固定する工程を行う。これによって、リフトベース15がベース設置階(N2階)上で動かないように固定される。
次に、リフト搬器17とエレベータマスト6との連結を解除する工程を行うとともに、着床ビーム材22,22を収縮させる工程を行う。具体的には、リフト搬器17とエレベータマスト6とを連結している図示せぬ連結材を取り外す。また、張り出された着床ビーム材22,22の両端部22a…を本体部22b,22bの中に引き入れて着床ビーム材22,22を収縮状態にする。これによって、リフト搬器17が昇降可能な状態になる。
以上までの工程で、仮設リフト2のクライミングが完了する。
続いて、図7に示すように、れん台9を自昇させて上方に移動させ、図1に示す仮設エレベータ3をクライミングする工程を行う。
具体的には、れん台9に搭載された図示せぬ駆動源を駆動させ、れん台9に備えられたピニオンを回転駆動させる。このピニオンはエレベータマスト6に付設されたラックレール13に噛合されているため、れん台9は、ガイド部材14をエレベータマスト6の支柱6a…に摺動させながら、エレベータマスト6に沿って上方に移動する。そして、れん台9が所定の位置まで上昇したところで上記駆動源を止めて、れん台9の上昇を停止させる。このように、仮設エレベータ3のクライミングは、れん台9を上方に移動させるだけでよい。
上記した構成からなる揚重装置1によれば、仮設リフト2と仮設エレベータ3とが同じEVシャフト空間S内に上下に配置されているため、仮設エレベータ3を建物外周部に設置する場合に比べて合理的な配置となる。つまり、他の揚重装置(タワークレーン等)の配置計画における自由度が増し、また、仮設エレベータ3等の設置に伴うダメ部を減らすことができる。
また、上記した構成からなる揚重装置1によれば、仮設エレベータ3が構造物内部のEVシャフト空間Sに設置されるため、構造物の外周部に仮設エレベータ3を設置する場合に比べて、仮設エレベータ3によって荷揚げされた資材等をエレベータ搬器7から構造物内に運び入れるときの距離(小運搬距離)が短くなる。また、バルコニー等のように段差や狭所でなく、広く開放された場所(本設エレベータ前の踊場)が仮設エレベータ3からの荷の取り込み場所となる。これによって、仮設エレベータ3による仕上げ材等の資材の揚重・小運搬作業の作業性を向上させることができ、揚重・小運搬作業の労力を低減させることができる。
また、仮設エレベータ3が構造物内部のEVシャフト空間Sに設置されるため、仮設エレベータ3を建物外周部に設置する場合に比べて壁つなぎ材24…が単純となる。これによって、揚重装置1の設置に用いられる壁つなぎ材24…の設置計画を簡素化することができるとともに、壁つなぎ材24…自体のコストダウンを図ることもできる。
また、上記した構成からなる揚重装置1によれば、エレベータマスト6が仮設リフト領域Bまで伸延されているので、クライミング時のエレベータマスト6の継ぎ足し作業が、仮設リフト2下方の狭い中間階でなく、広い最上階のところで行われる。これによって、エレベータマスト6の伸延作業の作業性・安全性を向上させることができる。
また、仮設リフト2には、ラックレール20,20が付設されたリフトマスト16,16と、図示せぬピニオン及びその駆動源が搭載されたリフト搬器17とが備えられ、エレベータマスト6が仮設リフト領域Bまで伸延されており、このエレベータマスト6に対してリフトマスト16,16が上下方向に摺動自在に取り付けられているため、リフト搬器17に搭載された駆動源を使ってリフトマスト16,16を自走式に上方に移動させることができる。これによって、仮設リフト2のクライミングが安全且つ容易となる。
また、通常、仮設リフト2の設置の際、リフトマスト16,16の自立使用高さ(リフトマスト16を自立した状態で使用できる高さ)はリフトマスト16,16自体の強度によって決まる。ところが、上記した構成からなる揚重装置1によれば、リフトマスト16,16がエレベータマスト6に対して上下方向に摺動自在に取り付けられているため、リフトマスト16,16の水平方向の支持をエレベータマスト6から取ることができる。これによって、リフトマスト16,16の高さをリフトマスト16の最大自立使用高さを超えて設定することができ、リフトマスト16,16を補強せずに、型枠解体階の下階(N3階)から立上り施工階(N階)までリフトマスト16,16を延在させ、リフト搬器17を立上り施工階(N階)に着床させることができる。
また、上記した構成からなる揚重装置1によれば、リフトベース15は、仮設リフト領域Bにおける最下階(N3階)の開口K´に架け渡されたベースビーム材18,18からなり、ベースビーム材18,18の両端部18a…が伸縮可能になっているため、仮設リフト2をクライミングする際に、ベースビーム材18,18の両端部18a…がEVシャフト空間S廻りの躯体に引っ掛からないように、ベースビーム材18,18の両端部18a…を収縮させておくことができる。これによって、仮設リフト2のクライミングをスムーズに行うことができる。
また、上記した構成からなる揚重装置1によれば、リフト搬器17には、開口Kに架け渡される着床ビーム材22,22が備えられているため、仮設リフト2のクライミング時に、これらの着床ビーム材22,22の両端部22a…を開口K周りの躯体に載置させて着床ビーム材22,22を開口Kに架け渡すことで、クライミング時の垂直力が着床ビーム材22,22が載置された躯体に作用し、エレベータマスト6にクライミング時の垂直力が作用しない。これによって、エレベータマスト6の設計の際、クライミング時の水平力を考慮すればよく、仮設リフト2のクライミング時の垂直力を考慮する必要がなく、また、エレベータマスト6を補強することなく仮設リフト2のクライミング時に仮設エレベータ3を供用することが可能である。
また、仮設リフト2をステージとして利用する際に、着床ビーム材22,22の両端部22a…を開口K周りの躯体に載置させて着床ビーム材22,22を開口Kに架け渡すことで、リフト搬器17上に載せられた資材の荷重やリフト搬器17自体の荷重を、リフトマスト16,16等に作用させずに、着床ビーム材22,22を介して躯体で受けることになる。これによって、エレベータマスト6は地震等による水平力を負担すればよく、仮設リフト2をステージとして利用する場合であってもリフトマスト16,16を補強する必要がなく、簡易的な構成で仮設リフト2をステージとして利用することができる。
また、着床ビーム材22,22の両端部22a…が伸縮可能になっているため、仮設リフト2の通常運転時に、着床ビーム材22,22の両端部22a…を収縮させておくことができ、着床ビーム材22,22の両端部22a…がEVシャフト空間S廻りの躯体に引っ掛かることがない。これによって、リフト搬器17をスムーズに昇降させることができ、上記したように必要なときだけ着床ビーム材22,22の端部22a…を突出させることができる。
また、上記した構成からなる揚重装置1によれば、仮設リフト2と仮設エレベータ3との間には、開口K´を塞ぐ仮設遮蔽床23が備えられ、この仮設遮蔽床23によって仮設リフト領域Bと仮設エレベータ領域Aとが区画されているため、仮設遮蔽床23により、仮設リフト2の下方への人や物の落下を防止することができる。これによって、安全性を更に向上させることができる。また、仮設遮蔽床23によって、仮設リフト2や仮設エレベータ3の駆動時の騒音を遮断することができ、さらに、仮設遮蔽床23が雨養生となるため、遮音設備や雨養生を別途設ける必要がない。
また、上記した構成からなる揚重装置1によれば、リフトマスト16,16とリフトベース15と仮設遮蔽床23とが一体的に形成されているため、仮設リフト2をクライミングする際に、リフトマスト16,16が上方に移動されるとともに、リフトベース15や仮設遮蔽床23も一緒に上方に移動される。これによって、リフトベース15や仮設遮蔽床23を別途盛替える必要がなく、仮設リフト2をクライミングする際の作業手間を軽減することができる。
また、上記した構成からなる揚重装置1のクライミング方法によれば、仮設リフト2をクライミングさせる際、エレベータマスト6をガイドとして利用してリフトマスト16,16が上昇し、仮設リフト2が自走式にクライミングされる。これによって、安全且つ短時間に仮設リフト2のクライミングを行うことができる。
また、上記した構成からなる揚重装置1のクライミング方法によれば、仮設リフト2のクライミングの際に、エレベータマスト6を伸延させるため、仮設エレベータ3のクライミング時にエレベータマスト6の継ぎ足し作業を行う必要がない。これによって、仮設エレベータ3のクライミングに伴う仮設エレベータ3の休止時間を短縮することができる。
以上、本発明に係る揚重装置及びそのクライミング方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記した実施の形態では、揚重装置1をクライミングする際、リフト搬器17をエレベータマスト6に連結しているが、本発明は、リフト搬器を構造物の躯体に連結させてもよい。これによって、連結箇所を介してクライミング時の垂直力を躯体に作用させることができる。
また、上記した実施の形態では、仮設エレベータ3がワイヤー8,8による吊り上げ方式で昇降する構成になっているが、本発明に係る仮設エレベータは、ラック・ピニオン機構を用いて昇降する仮設エレベータであってもよい。
また、上記した実施の形態では、ベースビーム材18,18はエレベータマスト6を両側(左右)から挟むように配設されているが、本発明は、ベースビーム材がエレベータマスト6を前後から挟むように配設されていてもよく、或いは、複数のエレベータマストの間にベースビーム材が配置されていてもよく、エレベータマストの前後左右の何れかにベースビーム材が配設された構成であってもよい。
また、上記した実施の形態では、リフトマスト16,16がエレベータマスト6を両側(左右)から挟むように配設されているが、本発明は、リフトマストがエレベータマストを前後から挟むように配設されていてもよく、また、複数のエレベータマストの間にリフトマストが挟み込まれた構成でもよく、さらに、エレベータマストとリフトマストとが前後或いは左右に2本平行に並べられた構成であってもよい。
また、上記した実施の形態では、リフトマスト16,16とリフトベース15と仮設遮蔽床23とが一体に形成されているが、本発明は、リフトマストとリフトベースと仮設遮蔽床とが一体化されていなくてもよい。この場合、リフトマストを上方に移動させた後、リフトベースおよび仮設遮蔽床を別途盛替える必要がある。
また、上記した実施の形態では、リフトベース15が、両端が伸縮可能な2本のベースビーム材18,18から構成されているが、本発明は、リフトベースが1本或いは3本以上のベースビーム材から構成されていてもよい。また、リフトベースが、両端が伸縮せず回動もしないビーム材からなっていてもよく、或いは、ビーム材以外の構成(版状等)からなっていてもよい。また、本発明は、ベースビーム材の両端が回動可能になっていてもよい。この場合、ベースビーム材は、リフトベースを上方に移動させる際にはベースビーム材の両端を回動させて折り畳んだ状態にし、それ以外の時にはベースビーム材の両端を真直ぐに張り出させた状態にする。
また、上記した実施の形態では、リフト搬器17には、両端が伸縮可能な2本の着床ビーム材22,22が備えられているが、本発明は、搬器に着床ビーム材が1本或いは3本以上備えられていてもよい。また、本発明は、着床ビーム材の両端が回動可能になっていてもよい。この場合、着床ビーム材は、仮設リフトをステージとして利用する際、或いは、リフトマスト等を上方に移動させる際には、着床ビーム材の両端を真直ぐに張り出させた状態にし、それ以外の仮設リフトの通常運転時には着床ビーム材の両端を回転させて折り畳んだ状態にする。また、本発明は、両端が伸縮も回動もしないビーム材が搬器に備えられていてもよく、或いは、搬器に上記した着床ビーム材が備えられていなくてもよい。
また、上記した実施の形態では、仮設リフト2のリフトベース15が設置された階に仮設遮蔽床23が備えられているが、本発明は、仮設遮蔽床がリフトベースと異なる階に設置されていてもよく、リフトベースと仮設遮蔽床とが離間されていてもよい。さらに、本発明は、仮設遮蔽床が備えられていなくてもよく、例えばリフトベースが版状の場合には、リフトベースが仮設遮蔽床の機能を兼ねることができる。
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
本発明に係る実施の形態を説明するための揚重装置の全体斜視図である。 本発明に係る実施の形態を説明するための仮設リフトの正面斜視図である。 本発明に係る実施の形態を説明するための仮設リフトの裏面斜視図である。 本発明に係る実施の形態を説明するための搬器の正面斜視図である。 本発明に係る実施の形態を説明するための揚重装置のクライミング工程を表す仮設リフトの正面斜視図である。 本発明に係る実施の形態を説明するための揚重装置のクライミング工程を表す仮設リフトの正面斜視図である。 本発明に係る実施の形態を説明するための揚重装置のクライミング工程を表す仮設リフトの正面斜視図である。
符号の説明
1 揚重装置
2 仮設リフト
3 仮設エレベータ
6 エレベータマスト
15 リフトベース
16 リフトマスト
17 リフト搬器(搬器)
18 ベースビーム材
20 ラックレール
22 着床ビーム材
23 仮設遮蔽床
A 仮設エレベータ領域
B 仮設リフト領域
S EVシャフト空間(開口空間)

Claims (5)

  1. 工事中の構造物に形成された上下方向に複数階に亘って延在する開口空間の中で、仮設リフトおよび仮設エレベータが仮設リフトを上に仮設エレベータを下にして上下に配設された構成からなる揚重装置において、
    前記仮設リフトは、仮設リフト領域内の下部に設けられたリフトベースと、該リフトベース上に立設されているとともに上下方向に延在するラックレールが付設されたリフトマストと、前記ラックレールに噛合されるピニオンが備えられているとともに該ピニオンを回転駆動させる駆動源が搭載された搬器とを有する構成からなり、
    前記仮設エレベータのエレベータマストは、仮設エレベータ領域を越えてその上方の前記仮設リフト領域に達するまで伸延されており、
    前記リフトマストは、前記エレベータマストに対して上下方向に摺動自在に取り付けられていることを特徴とする揚重装置。
  2. 請求項1記載の揚重装置において、
    前記リフトベースは、仮設リフト領域における最下階の開口に架け渡されたベースビーム材からなり、該ベースビーム材の両端が伸縮又は回動可能になっていることを特徴とする揚重装置。
  3. 請求項1または2記載の揚重装置において、
    前記搬器には、該搬器の着床階の開口に架け渡される着床ビーム材が備えられており、該着床ビーム材の両端が伸縮又は回動可能になっていることを特徴とする揚重装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の揚重装置において、
    前記仮設リフトと前記仮設エレベータとの間には、開口を塞ぐ仮設遮蔽床が備えられ、該仮設遮蔽床によって前記仮設リフト領域と前記仮設エレベータ領域とが区画されていることを特徴とする揚重装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の揚重装置のクライミング方法において、
    前記エレベータマストの上端に該エレベータマストの部品を継ぎ足して前記エレベータマストを上方に伸延させる工程と、
    前記搬器と前記エレベータマスト或いは前記構造物の躯体とを連結する工程と、
    前記駆動源を駆動させ、前記搬器をその場の位置に保持させたまま、少なくとも前記リフトマストを前記エレベータマストに沿って上方に移動させる工程と
    を備えることを特徴とする揚重装置のクライミング方法。
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