(1) 表示状態が変化可能な可変表示装置を有し、当該可変表示装置に表示される識別情報の表示結果があらかじめ定められた特定の表示態様となった場合、遊技に際して遊技者側に有利となる特定遊技状態を発生させる遊技機であって、可変表示装置に表示される識別情報の表示過程および表示結果を決定するための抽選を行う抽選手段と、抽選手段による抽選結果に基づいて、識別情報の最終的な表示結果である最終表示態様を決定する最終表示態様決定手段と、最終表示態様決定手段によって決定された最終表示態様で識別情報を停止させるまでの間、当該識別情報を所定の表示態様でいったん仮停止した後、再び変動表示を行う再変動表示を所定数回実行する再変動表示実行手段と、再変動表示実行手段によって再変動表示が実行される際、抽選手段の抽選結果に基づいて、特定遊技状態となる可能性の程度に対応付けられた期待値を表示する期待値表示手段とを備える。
このような構成によれば、弾球遊技機のように遊技球を用いる遊技機において、再変動表示手段によって再変動表示が行われる際、期待値表示手段は、特定遊技状態、すなわち、大当たりとなる期待値を、抽選手段による抽選結果に基づいて、特定遊技状態となる可能性の程度に対応付けられた値として表示する。すなわち、再変動表示の際には、遊技者に対して特定遊技状態となる期待値の目安が表示されることになるため、遊技者は、大当たりとなる期待度を容易に把握することができる。
(2) あらかじめ設定された変動表示開始条件を満足した場合、可変表示装置上に複数配置される各識別情報の変動表示を開始するとともに、所定時間経過後に変動表示を停止する変動表示手段と、変動表示手段による識別情報の表示過程および表示結果を決定するための抽選を行う抽選手段と、抽選手段における抽選結果に基づいて、変動表示手段により変動表示を行う識別情報の最終表示態様を決定する最終表示態様決定手段と、最終表示態様決定手段によって決定された最終表示態様で識別情報を停止させるまでの間、当該識別情報を所定の表示態様でいったん仮停止した後、再び変動表示を行う再変動表示を所定数回実行する再変動表示実行手段と、再変動表示実行手段によって再変動表示が実行される際、抽選手段の抽選結果に基づいて、特別遊技状態となる可能性の程度に対応付けられた期待値を表示する期待値表示手段とを備える。
このような構成によれば、弾球遊技機のような遊技機に限らず、ゲーム装置のような遊技機に本発明を適用した場合でも、前述した第一の観点にかかる遊技機と同様に、再変動表示の際には、遊技者に対して特定遊技状態となる期待値の目安が表示されることになるため、遊技者は、大当たりとなる期待度を容易に把握することができる。
なお、前述した(1)および(2)の観点にかかる遊技機に追加して、抽選手段によって、あらかじめ定められた範囲の値から任意の値を選択的に抽出し、再変動表示実行手段によって、抽出された値に応じて再変動表示の内容を決定するように構成することが望ましい。具体的には、抽選手段による抽選結果から特定遊技状態となる可能性を示す期待値を設定する期待値設定手段と、期待値設定手段によって設定された期待値に応じて、前記再変動表示実行手段によって再変動表示を実行する回数を設定する再変動回数設定手段とを備えるようにする。これによって、例えば、特定遊技状態となる期待値が高ければ高いほど、再変動表示の回数が多くなるように設定しておくことにより、再変動表示の回数によっても大当たりとなる期待度を把握することができる。
また、期待値設定手段によって設定された特定遊技状態となる期待値に応じて、再変動表示実行手段によって再変動表示を開始する前に仮停止する表示態様を決定する仮停止表示態様決定手段を備えるようにする。すなわち、再変動表示の際に仮停止する表示態様に特定の停止図柄を用意することにより、遊技者に対して、再変動表示の仮停止の際に表示される停止図柄を注視させる効果が高まり、ひいては遊技興趣を高めることができる。
そして、再変動回数設定手段により設定された再変動表示の回数に応じて、再変動実行手段による再変動表示が行われている間、期待値表示手段によって表示される期待値の内容を変化させることが好ましく、さらには、期待値表示手段は、再変動実行手段による再変動表示が行われる際の再変動タイミングに同期して期待値の表示を行うようにすることが有効である。すなわち、例えば、再変動表示を行うたびに、表示される期待値を変化させることによって、表示内容を注視させる効果が高まり、ひいては遊技興趣を高めることができる。
また、この場合、期待値設定手段によって設定された特定遊技状態となる期待値が、あらかじめ設定された複数段階の期待値レベル中で、いずれのレベルにあるかを判別するレベル判別手段を備え、期待値表示手段は、レベル判別手段によって判別されたレベルに対応して、特定遊技状態となる期待値を段階的に表示することが好ましい。すなわち、例えば、期待値表示手段における段階的な表示を、期待値レベルと対応させておくことにより、期待値表示手段の表示によって、大当たりとなる期待度を容易に把握することができる。
そして、表示装置上に所定種別のキャラクタ画像を所定数表示させるキャラクタ画像表示手段を備え、キャラクタ画像表示手段は、再変動回数設定手段により設定された再変動の回数に対応して、表示させるキャラクタ画像の種別または数の少なくともいずれか一方を決定することが有効である。すなわち、再変動表示の際にキャラクタ画像を表示させる場合、再変動の回数に応じて異なる種別のキャラクタ画像を表示させたり、あるいは、再変動の回数に対応する数のキャラクタ画像を表示させたりすることで、キャラクタ画像の種別または数から大当たりとなる期待度を容易に把握することができる。なお、この場合、キャラクタ画像の種別または数に限らず、再変動の回数を数字、棒グラフ、円グラフなどによって明示的に表示しても構わない。
(3) 本発明にかかる記録媒体は、あらかじめ設定された変動表示開始条件を満足するか否かを判定する開始条件判定処理と、開始条件判定処理において変動開始条件を満足すると判定した場合、可変表示装置上に複数配置される各識別情報の変動表示を開始するとともに、所定時間経過後に変動表示を停止する変動表示処理と、変動表示処理による識別情報の表示過程および表示結果を決定するための抽選を行う抽選処理と、抽選処理における抽選結果に基づいて、変動表示処理により変動表示を行う識別情報の最終表示態様を決定する最終表示態様決定処理と、最終表示態様決定処理によって決定された最終表示態様で識別情報を停止させるまでの間、当該識別情報を所定の表示態様でいったん仮停止した後、再び変動表示を行う再変動表示を所定数回実行する再変動表示実行処理と、再変動表示実行処理によって再変動表示が実行される際、抽選処理の抽選結果に基づいて、特別遊技状態となる可能性の程度に対応付けられた期待値を表示する期待値表示処理と、最終表示態様決定処理による識別情報の最終表示態様があらかじめ定められた特定の表示態様となることで、遊技に際して遊技者側に有利となる特定遊技状態を発生させる特定遊技状態発生処理とをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録している。
すなわち、記録媒体中に含まれるプログラムをコンピュータ装置(ゲーム装置を含む)などに読み込ませ、一連の処理を実行させることで、本発明の遊技機を容易に実現することができる。すなわち、プログラムを記録した記録媒体という形態を採ることにより、ソフトウェア商品として、装置とは独立した形で、生産、販売、配布などを容易に行うことができる。また、コンピュータ装置(ゲーム装置を含む)などのハードウェアに、このソフトウェアを組み込むことによって本発明における演出表示技術を容易に実施することができる。
さらに、本発明にかかる演出表示制御方法は、あらかじめ設定された変動表示開始条件を満足するか否かを判定し、その結果、変動開始条件を満足すると判定した場合、可変表示装置上に複数配置される各識別情報の変動表示を開始するとともに、所定時間経過後に変動表示を停止する変動表示手順と、変動表示手順による識別情報の表示過程および表示結果を決定するための抽選を行う抽選手順と、抽選手順における抽選結果に基づいて、変動表示を行う識別情報の最終表示態様を決定し、決定された最終表示態様決定で識別情報を停止させるまでの間、当該識別情報を所定の表示態様でいったん仮停止した後、再び変動表示を行う再変動表示を所定数回実行する再変動表示実行手順と、再変動表示実行手順によって再変動表示が実行される際、抽選手順による抽選結果に基づいて、特定遊技状態となる可能性の程度に対応付けられた期待度期待値を表示する期待値表示手順と、識別情報の最終表示態様があらかじめ定められた特定の表示態様となることで、遊技に際して遊技者側に有利となる特定遊技状態を発生させる特定遊技状態発生手順とを含んでいる。
すなわち、上記方法による手順を、コンピュータ装置(ゲーム装置を含む)などに実行させることにより、本発明の遊技機と同様の効果を得ることができる。すなわち、前述の処理手順を、コンピュータ装置(ゲーム装置を含む)などのハードウェアを用いて実現することにより、当該ハードウェア上で、本発明における演出表示技術を容易に実施することができる。
また、上記方法による手順を、コンピュータ装置(ゲーム装置を含む)などに実行させるためのプログラムまたはデータを符号化し、搬送波に重畳されたプログラムコード信号として送信するとともに、この搬送波に重畳されたプログラムコード信号を受信し、元のプログラムまたはデータに復号化してコンピュータ装置(ゲーム装置を含む)などに実行させることにより、本発明における演出表示技術を容易に実施することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。
(第1実施例)
本実施例における遊技機としては、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader )式の第1種パチンコ遊技機を例に採って説明するが、適用対象となる遊技機としては、これに限るものではない。例えば、第3種特別電動役物を有するパチンコ遊技機(第3種パチンコ遊技機)、一般電役機、またはパチコンと呼ばれる確率設定機能付きパチンコ遊技機などであっても構わない。
また、適用対象となる遊技機としては、プリペイドカードによって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機(以下、CR機)だけではなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機(以下、現金機)であってもよい。すなわち、LCDまたはCRT表示装置などからなる特別図柄表示装置を有し、特図ゲームを行う弾球遊技機であれば、どのような形態のものであってもよい。
図1は、第1実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)10と、遊技盤10を支持固定する遊技機用枠(台枠)30とから構成されている。遊技盤10には内レール11および外レール12からなるガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域13が形成されている。
遊技領域13内には、遊技領域13中に発射した遊技球が発射経路に戻ってくるのを防止するため、内レール11の先端位置にファール球止め14が設けられている。また、遊技領域13中に発射した遊技球がそのまま遊技領域13の右側にいってしまわないように、外レール12の右上位置に返しゴム15が設けられている。
遊技領域13のほぼ中央位置には、特別図柄表示装置6が配置されており、特別図柄表示装置6で行われる特図ゲームによってパチンコ遊技機1における遊技興趣が高められている。特別図柄表示装置6は、TFT(Thin Film Transistor)によるアクティブマトリクス型LCDによって構成され、特図ゲームに伴う背景画像、キャラクタ画像、変動図柄などを表示する。
本実施例におけるパチンコ遊技機の特別図柄としては、「1」〜「16」まで数字に対応する16個の表示図柄、「0」,「1」,「2」,「3」,「4」,「5」,「6」,「7」,「8」,「9」,「A」,「B」,「C」,「D」,「E」,「F」が用意されている。
また、特別図柄表示装置6の表示領域中には、「特別図柄左図柄」、「特別図柄中図柄」、「特別図柄右図柄」を表示するための3つの特別図柄表示領域6a,6b,6cと、後述する期待値ゲージ6gを表示するための期待値ゲージ表示領域6xとが設けられている。なお、特別図柄表示装置6としては、本実施例におけるLCDに限らず、CRT表示装置、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electro Luminescence)、蛍光表示管、またはLED(Light Emitting Diode)を用いた表示装置に置換することが可能である。
特別図柄表示装置6の下方位置には、電動チューリップ型役物(普通電動役物)4を兼用する特別図柄始動口(スタートチャッカ)5と、大当たり発生時にソレノイドなどを駆動することで開放動作を行う大入賞口(第1種特別電動役物)7とが順に配設されている。大入賞口7は、特別図柄始動口5への入賞タイミングに基づいて特図ゲームが行われた結果、大当たりとなった場合に、大入賞口扉8を1回につき約29.5秒間の開放動作を行う。
この開放動作は、遊技球が大入賞口7内の特定領域9を通過することを条件として最大16回継続して行う。これによって、遊技者に対して特別遊技(ボーナスゲーム)による多くの賞球獲得の機会を与える。なお、大入賞口7内に、遊技球がおおむね10個入賞した場合は、開放時間が約29.5秒以内であっても大入賞口7の開放動作は停止する。
特別図柄表示装置6の下部には、特別図柄始動口5への入賞の記憶状態を表示する特図保留記憶表示部5a〜5dが配設されている。特図保留記憶表示部5a〜5dは、特別図柄始動口5に遊技球が入賞するごとに順次発光させ、かつ、特図ゲーム開始時に順次消灯させることによって、特別図柄始動口5への現在の入賞記憶状態を外部に報知するようになっている。
また、特別図柄表示装置6の左右側部には、遊技球を特別図柄始動口5の上方位置に設けられたステージ16まで導くワープルート17L,17Rが設けられている。左側のワープルート17Lの遊技球通過口位置には、普通図柄始動ゲート(ゲートチャッカ)2が設けられており、特別図柄表示装置6の上方位置には、普通図柄表示装置3が配設されている。普通図柄表示装置3は、7セグメントLEDによって構成され、普通図柄表示領域3aにおいて普図ゲームに伴う変動図柄などを表示する。本実施例におけるパチンコ遊技機の普通図柄としては、「0」,「1」,「3」,「5」,「7」,「9」の6個の表示図柄が用意されている。
普通図柄表示装置3の左右近傍位置には、特別図柄の場合と同様に、普通図柄始動ゲート2への通過球の記憶状態を表示する普図保留記憶表示部2a〜2dが配設されている。普図保留記憶表示部2a〜2dは、特図保留記憶表示部5a〜5dと同様に、普通図柄始動ゲート2を遊技球が通過するごとに順次発光させ、かつ、普通図柄の変動表示を開始する際に順次消灯させることによって、普通図柄始動ゲート2への現在の通過記憶状態を外部に報知するようになっている。
普通図柄表示装置3の上方位置には天入賞口21が設けられており、ステージ16の左右位置には袖入賞口22L,22Rが、また、大入賞口7の左右位置には落とし入賞口23L,23Rがそれぞれ設けられている。さらに、普通図柄表示装置3の左右位置には風車24L,24Rが、また、特別図柄表示装置6と袖入賞口22L,22Rとの間には風車25L,25Rが配設されている。そして、遊技領域13の左右位置には、サイドランプ26L,26Rが配設され、また、大入賞口7の下方位置には、入賞しなかった遊技球を回収するため、アウト口飾り27内にアウト口28が設けられている。
遊技機用枠30は、大別して、内枠31と、プラ枠32と、外枠33とから構成されている。内枠31は、ヒンジ34a,34bを介して外枠33に取り付けられており、後述するシリンダ錠40を開けることで前方に開き、遊技盤面の裏面側を操作することができるようになっている。内枠31の上方位置および周縁部には、大当たり動作中に点灯する遊技効果LED35と、リーチ状態などに明滅する遊技効果ランプ36とが設けられている。プラ枠32内の左上部位置には、賞球時に点灯する賞球LED群37と、球切れ時に点灯する球切れLED群38とが設けられている。また、内枠31におけるプラ枠32の左側には、球抜き穴39が設けられ、内枠31におけるプラ枠32の右側には、シリンダ錠40が設けられている。
プラ枠32の下部位置には、上受皿ユニット41が取り付けられており、上受皿ユニット41の下方には、下受皿ユニット51が取り付けられている。上受皿ユニット41は、遊技領域13中に発射すべき遊技球を、発射装置55に供給するためのものであり、玉貸機からの貸玉および賞球による出玉を一定量貯留することができるように構成されている。このため、上受皿ユニット41には、受皿本体42上に、球排出口43と導通する上受皿44が形成されるとともに、球貸しボタン45および返却ボタン46を配置するための受皿トップ部47が形成されている。また、受皿トップ部47の右上位置には、上受皿44内に貯留した遊技球を下受皿ユニット51側に流すための上皿球抜きレバー48が設けられ、受皿本体42の下部中央位置にはブザー49が設けられている。
一方、下受皿ユニット51には、賞球などの出玉を貯留するための下受皿52と、下受皿52内の遊技球を出玉ケース(ドル箱)内に投下するための下皿球抜きレバー53と、灰皿54とが一体的に設けられている。また、下受皿ユニット51の右側には、遊技球の発射を操作するための発射装置55を操作するための発射装置ハンドル56が設けられ、発射装置ハンドル56の左下に位置する部分には、発射装置レバー57を回転させることで突出するウエイトボタン58が設けられている。
ウエイトボタン58は、発射装置レバー57を操作して発射装置55から遊技球の打ち出しを行っている最中に押下することで、即座に遊技球の打ち出しを停止することができ、押下を解除すると打ち出しを再開するものである。さらに、遊技盤10の左右上部位置には、効果音を再生出力するステレオスピーカ61L,61Rが設けられている。
パチンコ遊技機1の左側には、プリペイドカードユニット900が配置されている。プリペイドカードユニット900は、CR機が動作するためになくてはならないものであり、その前面には、カード利用可ランプ901、金額設定ボタン902、貸し出し金額表示部903、端数表示スイッチ904、連結台方向表示部905、カード挿入ランプ906、カード挿入口907、カードユニット錠908が設けられている。
図2は、第1実施例におけるパチンコ遊技機の背面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機1の背面には、詳細を後述する、遊技制御部(遊技制御基板)200と、表示制御部(表示制御基板)500と、音声制御部(電飾制御基板)600と、賞球制御部(賞球基板)700と、情報出力部(情報端子基板)800とを備えている。また、プリペイドカードユニット900の背面には、遊技機接続コネクタ909とJBOX接続コネクタ910とが設けられている。
特別図柄表示装置6における特図ゲームは、発射装置55から遊技領域13内に発射された遊技球が、特別図柄始動口5に入賞することで、特別図柄表示領域6a,6b,6cに表示される、「左図柄」、「中図柄」、「右図柄」の各表示図柄がそれぞれ変動表示を開始する。変動表示を開始してから所定時間(5秒以上)経過後、「左図柄」、「右図柄」、「中図柄」の順にそれぞれ変動を停止する。変動停止時の停止図柄態様が「000」〜「999」,「AAA」〜「FFF」のように、同一の表示図柄が三つ揃いになった場合を大当たりとし、大入賞口7を約29.5秒間開放する。このような大当たり決定および停止図柄の決定などは、後述する遊技制御部200によって生成される乱数に基づいて行われ、特図ゲームに偶然性を伴った確率的要素を盛り込むことで、パチンコ遊技に対する興趣を盛り上げている。
図3は、遊技制御部におけるシステム構成例を示すブロック図である。本実施例におけるパチンコ遊技機1は、主として、電源部100と、遊技制御部(遊技制御基板)200と、入力スイッチ群300と、出力ソレノイド群400と、表示制御部(表示制御基板)500と、音声制御部(電飾制御基板)600と、賞球制御部(賞球基板)700と、情報出力部(情報端子基盤)800とを備えている。
遊技制御部200と、他の各機能ブロック、すなわち、入力スイッチ群300、出力ソレノイド群400、表示制御部500、音声制御部600、賞球制御部700、情報出力部800とは、それぞれ信号線で接続されており、遊技制御部200との間で制御コマンドおよびデータなどの授受を行うことができるように構成されている。
なお、抽選手段、最終表示態様決定手段、再変動表示実行手段、期待値表示手段、および、期待値設定手段、再変動回数設定手段、仮停止表示態様設定手段、レベル判別手段、キャラクタ画像表示手段の各手段の有する機能は、主に遊技制御部200および表示制御部500によって実現されている。
電源部100は、ヒューズ回路101と、電源回路102とから構成されている。ヒューズ回路101は、定格電流を越える電流が電源回路102に流れるのを防止するための保護回路である。電源回路102は、交流電流源99から供給される交流電流を、直流電流に整流した後に所定電圧に変換し、パチンコ遊技機1内の各回路に供給するものである。なお、交流電流源99は、一般商用電源から得られる高圧交流を24ボルトの交流電流に変換し、供給するものである。
具体的には、信号線151を介して各種ソレノイドおよびランプなどの高圧デバイスを駆動するための直流30ボルトの直流電圧を供給し、信号線152を介して各種表示部に供給するための直流21ボルトの直流電圧を供給する。また、信号線153を介して各種スイッチ類を駆動するための直流12ボルトの直流電圧を供給し、信号線154を介して各種ロジック回路に供給するための直流5ボルトの直流電圧を供給する。さらに、信号線155を介して特別図柄表示装置13を構成するLCDに直流Lボルト(LCD駆動用電圧)の直流電圧を供給するものである。
遊技制御部200は、遊技制御基板内に設けられた各種回路から構成されており、初期リセット回路201と、定期リセット回路202と、セキュリティワンチップと呼ばれる遊技制御用MCU(Micro Controller Unit )203と、アドレスデコード回路204と、I/Oポート205と、スイッチ入力回路206と、ソレノイド駆動回路207と、特別図柄表示装置回路208と、LED駆動回路209と、音出力回路210と、電飾信号回路211と、入賞データ信号入力回路212と、賞球個数信号出力回路213と、情報出力回路214とを備えている。
遊技制御部200は、特図ゲームおよび普図ゲームで用いる一様乱数を生成する機能、ランプおよびLEDの明滅表示を行う機能、パチンコホール(遊技店)の管理装置に対し、特別図柄始動口14への入賞数、特図ゲームの有効始動回数数、特図ゲームにおける大当たりの発生、大当たり時のラウンド継続回数、確率変動または時間短縮動作中の有無、入賞による不正、コネクタの抜けによる不正などの各種情報を出力する機能を有している。
初期リセット回路201は、パチンコ遊技機1の電源投入時に、遊技制御用MCU203をリセットするための初期リセット信号を、信号線251を介して出力するものである。定期リセット回路202は、内部クロックオシレータから出力される基準クロック信号を分周することで約2ミリ秒ごとに定期リセット信号を生成し、信号線252を介して遊技制御用MCU203に出力するものである。CPU221は、定期リセット信号が入力されるたびにゲーム制御用のプログラムを先頭から再度実行する。
遊技制御用MCU203は、MC68系(米国モトローラ社)の8ビットCPU(Central Processing Unit )221をコアとして、ROM(Read Only Memory)222およびRAM(Random Access Memory)223を1チップ化した、いわゆるシングルチップマイクロコンピュータ(株式会社エルイーテック,商品名:LE2168A−PA)であり、パチンコ遊技機1の遊技制御部200における制御中枢をなすものである。
CPU221は、定期リセット回路202から約2ミリ秒ごとに入力される定期リセット信号に基づいて、リセット割り込みによる時分割処理を行う。ROM222は、遊技制御用MCU203によって利用される各種制御プログラムおよびデータなどを格納する半導体メモリである。ROM222には、セキュリティ対策のために、一度書き込んだプログラムおよびデータなどの内容を新たに書き換えることのできないワンタイムROMが用いられている。
RAM223は、遊技制御用MCU203におけるプログラム処理実行中に利用されるプログラムデータなどを格納したり、遊技に関連するデータを一時的に記憶したり、あるいは作業領域として利用される半導体メモリである。RAM223内には、普図ゲームを行う際、普通図柄始動ゲート2への通過球に基づく普通図柄判定用乱数の抽選値を4つまで順次記憶する、所定の記憶領域(普通図柄判定用バンク)と、特図ゲームを行う際、特別図柄始動口5への入賞球に基づく特別図柄判定用乱数の抽選値を4つまで順次記憶する、所定の記憶領域(特別図柄判定用バンク)とが設けられている。
普通図柄判定用バンクに抽選値が記憶されると、普通図柄通過記憶カウンタを更新し、普通図柄通過記憶カウンタに対応する普図保留記憶表示部2a〜2dを点灯させ、普通図柄表示装置記憶(普図保留メモリ)の記憶状態を示す。一方、特別図柄判定用バンクに抽選値が記憶されると、特別図柄入賞記憶カウンタを更新し、特別図柄入賞記憶カウンタに対応する特図保留記憶表示部5a〜5dを点灯させ、特別図柄表示装置記憶(特図保留メモリ)の記憶状態を示す。
遊技制御用MCU203は、ROM222から読み込まれたプログラム処理手順に従い、RAM223に随時データの書き込みまたは読み込みを行いながら、1シーケンス単位で各種プログラム処理を実行する。具体的には、I/Oポート205を介して、遊技盤面に設けられた各種センサなどからの信号を取り込み、取り込んだ信号に基づいて必要な処理を行う。そして、普図ゲームおよび特図ゲームに用いる乱数を必要とする場合、後述するケタ上がり方式のカウンタによって乱数値を生成する機能も有している。
アドレスデコード回路204は、遊技制御用MCU203から信号線253を介して出力されるアドレス信号を入力しデコードする。デコードした結果、遊技制御用MCU203の制御対象が、遊技制御用MCU203内に含まれるROM222およびRAM223、あるいは、I/Oポート205のいずれであるかを選択するための信号を、信号線254を介して遊技制御用MCU203出力するものである。
I/Oポート205は、遊技制御用MCU203によって扱われる各種入出力信号のインターフェースであり、信号線255を介して入力される制御信号を外部に出力したり、外部から入力された各種信号を、信号線255を介して遊技制御用MCU203に出力するものである。このため、I/Oポート205には、信号線257を介してスイッチ入力回路206が、信号線258を介してソレノイド駆動回路207が、信号線260を介して特別図柄表示装置回路208が、信号線262,264,266を介してLED駆動回路209が、信号線268を介して音出力回路210が、信号線270を介して電飾信号回路211が、信号線273を介して入賞データ信号入力回路が、信号線274を介して賞球個数信号出力回路213が、信号線276を介して情報出力回路214がそれぞれ接続されている。
スイッチ入力回路206は、信号線256を介して入力スイッチ群300から入力される入力信号を、ローパスフィルタなどを通してパルス波として整形した後に、バッファゲートなどによって増幅し、信号線257を介してI/Oポート205に出力するものである。ソレノイド駆動回路207は、信号線258を介してI/Oポート205から入力される入力信号に基づいて、信号線259を介して出力ソレノイド群400に駆動制御信号(励磁制御信号)を出力する。
特別図柄表示装置回路208は、信号線260を介してI/Oポート205から入力される入力信号に基づいて、信号線261を介して表示制御部500に遊技制御用MCU203からのコマンドおよび表示タイミング信号などを出力する。LED駆動回路209は、信号線262,264,266を介してI/Oポート205から入力される入力信号に基づいて、信号線263を介して特図保留記憶表示部5a〜5dの明滅動作を制御する制御信号を出力する。また、信号線265を介して普通図柄表示装置3を駆動する制御信号を出力する。さらには、信号線267を介して普図保留記憶表示部2a〜2dの明滅動作を制御する制御信号を出力する。
具体的には、RAM223の特別図柄判定用バンクに抽選値が記憶されると、信号線263を介して出力される制御信号によって特別図柄判定用バンクに対応する特図保留記憶表示部5a〜5dを点灯させる。そして、スイッチ入力回路206から普通図柄始動ゲート2において遊技球の通過を検出した旨の信号が入力されると、信号線265を介して普通図柄表示装置3に図柄変動の制御信号を出力する。また、RAM223の普通図柄判定用バンクに抽選値が記憶されると、信号線267を介して出力される制御信号によって普通図柄判定用バンクに対応する普図保留記憶表示部2a〜2dを点灯させる。
音出力回路210は、信号線268を介してI/Oポート205から入力される入力信号に基づいて、信号線269を介して音声制御部600に遊技制御用MCU203からの音データなどを出力する。電飾信号回路211は、信号線270を介してI/Oポート205から入力される入力信号に基づいて、信号線271を介して音声制御部600に電飾制御コマンドなどを出力する。
入賞データ信号入力回路212は、信号線272を介して賞球制御部700から入力される入賞データ信号を、信号線273およびI/Oポート205を介して遊技制御用MCU203に出力する。賞球個数信号出力回路213は、信号線274を介してI/Oポート205から入力される入力信号に基づいて、信号線275を介して賞球制御部700に賞球個数信号を出力する。すなわち、賞球制御部700からの入賞データ信号に応じて、賞球制御部700に賞球個数信号を与える。
具体的には、特別図柄始動口スイッチ304のオンに対応した入賞データ信号の入力があると、賞球個数信号として「6」を出力し、カウントスイッチ303または特定領域スイッチ304のオンに対応した入賞データ信号の入力があると、賞球個数信号として「15」を出力する。そして、これらの各スイッチがオンしない場合に入賞データ信号の入力があると、賞球個数信号として「10」を出力する。
情報出力回路214は、信号線276を介してI/Oポート205から入力される入力信号に基づいて、大当たりの発生中を示す大当たり情報、確率変動状態にあることを示す確率変動情報、普図ゲームにおける普通図柄の確定を示す普通図柄確定情報、特図ゲームにおける特別図柄の確定を示す特別図柄確定情報、特図ゲームの開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動球情報などを、信号線277を介して情報出力部800に出力する。
図4は、入力スイッチ群を構成するセンサおよびスイッチを示す図である。入力スイッチ群300は、普通図柄始動スイッチ301、特別図柄始動スイッチ302、カウントスイッチ303、特定領域スイッチ304、入賞球検出スイッチ305などから構成されている。
普通図柄始動スイッチ301は、普通図柄始動ゲート2内を通過した遊技球を検出するためのホールセンサであり、同様に、特別図柄始動スイッチ302は、特別図柄始動口5内に入賞した遊技球を検出するためのホールセンサである。また、カウントスイッチ303は、大入賞口7内に入賞した遊技球を検出するためのホールセンサであり、特定領域スイッチ304は、大入賞口7内の特定領域9を通過した遊技球を検出するためのホールセンサである。また、入賞球検出スイッチ305は、その他の入賞口内に入賞した遊技球を検出するためのホールセンサである。
遊技球が、普通図柄始動スイッチ301、特別図柄始動口スイッチ304、カウントスイッチ303、特定領域スイッチ304を通過したときは、以下のようにして「作動契機成立」と、「通過」または「入賞」とを判定する。
普通図柄始動スイッチ301では、遊技制御部200が2ミリ秒ごとにI/Oポート205の状態をチェックし、2回連続してオンを検出したときに「作動契機成立」と判定する。「作動契機成立」であれば、普通図柄判定用乱数を抽出して、作動保留球数に応じた普通図柄判定用バンクに格納する。また、普通図柄入賞記憶カウンタを抽出して、作動保留球数に対応する入賞時記憶数バンクに格納し、普通図柄通過記憶カウンタの値に1加算する。
特別図柄始動口スイッチ304では、遊技制御部200が2ミリ秒ごとにI/Oポート205の状態をチェックし、2回連続してオンを検出したとき「作動契機成立」と判定する。「作動契機成立」であれば、特別図柄判定用乱数、大当たり図柄判定用乱数を抽出して、作動保留球数に応じた特別図柄判定用バンク、大当たり図柄判定用バンクに格納する。また、特別図柄入賞記憶カウンタを抽出して、作動保留球数に対応する入賞時記憶数バンクに格納し、特別図柄入賞記憶カウンタの値に1加算する。
カウントスイッチ303では、遊技制御部200が2ミリ秒ごとにI/Oポート205の状態をチェックし、2回連続してオンを検出したとき「入賞」と判定する。「入賞」であれば、大当たり中のときには大入賞口入賞個数カウンタの値に1加算する。また、エラーフラグの中から大入賞口未入賞エラーと特定領域通過エラーとを解除する。同様にして、特定領域スイッチ304では、遊技制御部200が2ミリ秒ごとにI/Oポート205の状態をチェックし、2回連続してオンを検出したとき「通過」と判定する。「通過」であれば、特定領域有効時間中であるか否かを判定し、有効時間中であれば、特定領域通過フラグに遊技球の特定領域通過を設定する。
入賞球検出スイッチ305では、遊技制御部200が2ミリ秒ごとにI/Oポート205の状態をチェックし、2回連続してオンを検出したとき「入賞」と判定する。「入賞」であれば、入賞球検出スイッチ305から賞球制御部700に対して入賞信号が出力され、その結果、賞球制御部700から入賞データ信号入力回路212が出力される。
図5は、出力ソレノイド群を構成する各ソレノイドを示す図である。出力ソレノイド群400は、普通電動役物用ソレノイド401、大入賞口用ソレノイドA402、大入賞口用ソレノイドB403から構成されている。普通電動役物用ソレノイド401は、電動チューリップ型役物4の開閉動作を行うためのものであり、大入賞口用ソレノイドA402および大入賞口用ソレノイドB403は、大入賞口7の開閉動作および特定領域9を開閉するためのものである。
図6は、表示制御部におけるシステム構成例を示すブロック図である。表示制御部500は、表示制御基板内に設けられた各種回路から構成され、遊技制御部200とは独立して特図ゲームにおける画像処理のための表示制御を行うものである。表示制御部500は、特別図柄表示装置回路208から信号線261を介して出力される表示データ信号に基づいて特図ゲームに用いられる画像を特別図柄表示装置6上に表示する。このため、表示制御部500は、発振回路501と、リセット回路502と、表示制御用MCU503と、制御ROM504と、I/Oポート505と、ビデオディスプレイコントローラ(以下、VDC:VideoDisplay Controller)506と、キャラクタROM507と、VRAM(VideoRAM )508と、LCD駆動回路509とを備えている。
発振回路501は、信号線551を介して表示制御用MCU503に基準クロック信号を出力するものであり、リセット回路502は、信号線552を介して表示制御用MCU503をリセットするためのリセット信号を出力するものである。表示制御用MCU503は、表示制御用MCU301は、MC68系(米国モトローラ社)の32ビットCPU521をコアとして、ワークRAM522を備えたものである。
CPU521は、特別図柄表示装置回路208から信号線261を介してコマンドデータが入力されると、信号線581を介してワークRAM522を作業領域として用いながら、信号線582を介して制御ROM504から表示制御のための制御データを読み出す。また、CPU521は、読み出した制御データに基づき、信号線554を介してVDC506に制御信号を出力する。
制御ROM504は、表示制御用MCU503によって利用される各種制御プログラムなどを格納する半導体メモリである。I/Oポート505は、遊技制御部200からの入力信号を表示制御用MCU503に受け渡すためのインターフェースである。VDC506は、画面表示を行うためのCRTC(Cathode RayTube Controller )機能および高速描画機能を有し、CPU521からの描画命令にしたがって動作する。また、CPU521とは独立した2次元のアドレス空間を持ち、そこにVRAM508をマッピングしている。
VDC506は、入力された制御信号に基づいて、信号線583を介してキャラクタROM507からキャラクタ画像データを読み出す。そして、読み出したキャラクタ画像データを用いて表示画像データを生成し、その画像データを、信号線584を介してVRAM508に格納する。VRAM508に格納された画像データは、最終的にVDC506により読み出される。そして、VDC506は、信号線584を介してVRAM508から読み出した画像データを、信号線555を介してLCD駆動回路509に出力する。
キャラクタROM507は、特別図柄表示装置6に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、例えば、人物,動物,文字,図形または記号をあらかじめ格納しておくためのものである。VRAM508は、VDC506により生成された画像データを格納するためのフレームバッファメモリである。LCD駆動回路509は、信号線555を介してVDC506から入力された画像データを、色信号と同期信号とからなるビデオ信号に変換し、信号線556を介して特別図柄表示装置6を構成するLCDに出力する。
図7は、音声制御部におけるシステム構成例を示すブロック図である。音声制御部600は、電飾制御基板内に設けられた各種回路から構成され、主に、特図ゲームにおける音声処理のための音声制御と、遊技盤10面および遊技機用枠30に配設されたランプおよびLEDを駆動するための表示制御とを行う。
音声制御部600は、発振回路601と、リセット回路602と、音声制御用MCU603と、I/Oポート604および605と、音声合成回路606と、音声増幅回路607と、LED駆動回路608とを備えている。発振回路601は、信号線651を介して音声制御用MCU603に基準クロック信号を出力するものであり、リセット回路602は、信号線652を介して音声制御用MCU603をリセットするためのリセット信号を出力するものである。
音声制御用MCU603は、CPU621をコアとして、ROM622、RAM623を備えたものである。CPU621は、音出力回路210から信号線269を介してコマンドデータが入力されると、信号線681を介してROM622から音声制御のためのデータおよびLED駆動データなどを読み込む。そして、信号線682を介してRAM623を作業領域として用いながら、ROM622から読み込んだデータに対応する制御信号を、信号線654を介してI/Oポート605に出力する。
I/Oポート604は、遊技制御部200からの入力信号を音声制御用MCU603に受け渡すためのインターフェースであり、I/Oポート605は、音声制御用MCU603からの出力信号を音声合成回路606またはLED駆動回路608に受け渡すためのインターフェースである。音声合成回路606は、特図ゲームにおけるBGM(BackGround Music)および効果音を生成するものであり、音量増幅回路607は、音声合成回路606によって生成された音声信号を増幅し、ステレオスピーカ61L,61Rに出力するためのものである。
すなわち、音声制御部600は、音出力回路210から信号線269を介して出力される音声データ信号に基づいて特図ゲームに用いられる音声をステレオスピーカ61L,61Rから再生する。また、電飾信号回路211から信号線271を介して出力される信号に基づいて枠LEDなどの明滅制御を行う。
図8は、賞球制御部におけるシステム構成例を示すブロック図である。賞球制御部700は、賞球基板内に設けられた各種回路から構成され、主に、遊技球の払出制御などを行い、また、プリペイドカードユニット900との間でデータの授受を行う。このため、賞球制御部700は、発振回路701と、リセット回路702と、賞球制御用MCU703と、I/Oポート704および705とを備えている。
発振回路701は、信号線751を介して賞球制御用MCU703に基準クロック信号を出力するものであり、リセット回路702は、信号線752を介して賞球制御用MCU703をリセットするためのリセット信号を出力するものであ賞球制御用MCU703は、CPU721をコアとして、ROM722、RAM723を備えたものである。CPU721は、ROM722内のプログラムに基づいてRAM723を作業領域として動作し、信号線272を介して入賞データ信号入力回路212に入賞データ信号を出力するとともに、信号線275を介して賞球個数信号出力回路213から賞球個数信号を入力する。
I/Oポート704は、遊技制御部200からの入力信号を賞球制御用MCU703に受け渡すためのインターフェースであり、I/Oポート705は、賞球制御用MCU703とセンサおよび表示器などとのデータ授受を行うためのインターフェースである。I/Oポート705には、エラー表示器、球切れ検出器、満タン検出器、球払い出し検出器、払い出しモータ、払い出しソレノイド、賞球LED群37、球切れLED群38、およびプリペイドカードユニット900と接続されている。
なお、賞球制御部700には、発射装置ハンドル56および発射装置レバー57からの入力信号に基づいて遊技球の発射制御を行うタッチ基板720が接続されており、このタッチ基板720には、ハンドルタッチセンサ721と、単発発射スイッチ722とからのスイッチ入力が入力される。ハンドルタッチセンサ721は、発射装置ハンドル56の発射装置レバー57に設けられたアースタッチセンサであり、発射装置レバー57が導電体によって接地されることによりオンするものである。これによって、発射装置レバー57に遊技者が触れると、ハンドルタッチセンサ721はオンとなり、遊技者による発射装置レバー57の操作を検出する。単発発射スイッチ722は、発射装置レバー57の回動位置に対応する発射強度で遊技球を発射するためのスイッチセンサである。
図9は、情報出力部におけるシステム構成例を示すブロック図である。情報出力部800は、情報端子基板内に設けられた出力端子群であり、情報出力回路214から信号線277を介して出力される各種情報をホールの管理コンピュータなどのホストコンピュータに対して出力するものである。具体的には、大当たりの発生中を示す大当たり情報、確率変動状態にあることを示す確率変動情報、普図ゲームにおける普通図柄の確定を示す普通図柄確定情報、特図ゲームにおける特別図柄の確定を示す特別図柄確定情報、特図ゲームの開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動球情報などを外部に出力する。
次に、本実施例の動作(作用)を説明する。
まず、本実施例のパチンコ遊技機における遊技の流れの概略について説明する。パチンコ遊技機1の右下位置に設けられた発射装置ハンドル56を操作することにより発射装置55から発射された遊技球は、ガイドレールに案内されて遊技盤10中の遊技領域13中に発射される。
遊技制御部200では、普通図柄始動スイッチ301、特別図柄始動スイッチ302、カウントスイッチ303、特定領域スイッチ304などの入力の有無を監視しており、遊技球が特別図柄始動口5に入賞した場合、特別図柄始動スイッチ302において遊技球の入賞が検出されるとともに、検出信号のチャタリングの除去および論理変換などが行われて入力処理が行われる。
また、特別図柄始動口5において、遊技球の入賞が検出された場合、特別図柄判定用バンクに入賞した遊技球の数が4つ分まで記憶されるとともに、入賞時の乱数の抽選値も特別図柄判定用バンクに一時的に保管される。そして、特別図柄始動口5への遊技球の入賞記憶、すなわち、特別図柄判定用バンクに保管されたデータに基づいて特別図柄表示装置6において特図示ゲームを開始する。
特図ゲームでは、特図フラグ情報に基づいて様々な処理を実行する。遊技制御部200には、最終停止図柄を格納するための図柄メモリ(図示せず)が設けられており、この図柄メモリは、特別図柄表示装置6における各特別図柄表示領域6a,6b,6cに対応する表示図柄の記憶領域として、リセット割り込みごとに順次更新される。
次に、遊技制御部200は、変動図柄の停止状態が大当たり状態であるか、リーチ状態であるか、またはハズレ状態であるかを判断し、大当たり状態であると判断したときにはRAM223内の大当たり図柄メモリ領域に、リーチ状態であると判断したときにはRAM223内のリーチ図柄メモリ領域に、ハズレ状態であると判断したときにはRAM223内のハズレ図柄メモリ領域に図柄データをそれぞれ格納する。
一方、CPU221では、大当たり決定の抽選値により抽出される停止図柄に基づいて、大当たり判定か、リーチ判定か、ハズレ判定かを決定し、大当たり判定の場合には、大当たり図柄メモリ領域に格納されている大当たり図柄により停止図柄を確定し、リーチ判定の場合には、リーチ図柄メモリ領域に格納されているリーチ図柄により停止図柄を確定するとともに、ハズレ判定の場合には、ハズレ図柄メモリ領域に記憶されているハズレ図柄により停止図柄を確定する。
特図ゲームにおいて設定される、特別図柄表示装置6に関する表示図柄データは、最終停止図柄を含む数コマ分のデータをRAM223内に記憶し、この記憶した表示図柄データを、特別図柄表示装置回路208を介して表示制御部500に順次出力するようになっている。表示制御部500では、後述する手順により、特別図柄表示装置6に表示される各表示図柄の変動表示を行う。
次に、遊技制御部における処理内容を詳しく説明する。
図10は、遊技制御部における処理動作例を示すフローチャートである。本実施例における遊技制御用MCU203は、前述したように、定期リセット回路202から入力される定期リセット信号によって約2ミリ秒ごとに起動する。すなわち、遊技制御部200は、リセット割り込み方式を使用し、以下の各処理をリセット割り込みごとに行う。
定期リセット信号によって遊技制御部200が起動されると、遊技制御部200は、スタックポインタにスタックポインタ指定番地をセットする、いわゆるスタックセット処理を行う(ステップS101)。次に、遊技制御部200は、システムチェック用のフラグ情報を確認する。ここで、プログラムの暴走または電源投入直後のようにRAM223の内容が不定であり、システムチェック用のフラグ情報が正常動作判定値とは異なる値であった場合にはRAM223内の作業領域をクリアする、システムチェック処理を行う(ステップS102)。
次いで、遊技制御部200は、普図ゲームおよび特図ゲームにおける各種フラグ情報等を取得する情報出力処理と、普図ゲームおよび特図ゲームにおける効果音およびエラー発生時のブザー音の出力を行う音出力処理との時分割処理を行う(ステップS103)。次に、カウントスイッチ303の状態を検出し、検出した状態に対応するカウントスイッチ処理を行い(ステップS104)、続いて、普通図柄始動スイッチ304の状態を検出し、検出した状態に対応する普図始動スイッチ処理を行い(ステップS105)、詳細を後述する、普通図柄プロセス処理を実行する(ステップS106)。
同様にして、特定領域スイッチ304の状態を検出し、検出した状態に対応する特定領域スイッチ処理を行う(ステップS107)。次に、特別図柄始動スイッチ303の状態を検出し、検出した状態に対応する特図始動スイッチ処理を行い(ステップS108)、詳細を後述する、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS109)。
次いで、普図ゲームおよび特図ゲームに用いる判定用乱数である、普通図柄判定用乱数R1、特別図柄判定用乱数R2、大当たり図柄判定用乱数RT、リーチ判定用乱数RH、仮停止判定用乱数RS、再変動回数判定用乱数RNの各乱数を更新するための乱数更新処理を行う(ステップS110)。続いて、普図ゲームおよび特図ゲームに用いる表示図柄用乱数である、普通図柄用乱数RF、特別図柄左用乱数RL、特別図柄中用乱数RC、特別図柄右用乱数RRの各乱数を更新するための表示図柄乱数更新処理を行う(ステップS111)。
そして、遊技制御部200は、カウントスイッチ303において、大入賞口7の開放時間中に遊技球が入賞しなかった未入賞エラー、または大入賞口7中に遊技球が詰まってしまった球詰まりエラー等の不正の有無を検出し、エラー発生の有無を判定するとともに、エラー発生時に必要に応じてブザー音を発する、エラー処理を行う(ステップS112)。
さらに、遊技制御部200は、スイッチ入力回路206を介して、入力スイッチ群300からの検出信号を入力し、各入賞口または入賞装置に対する入賞有無を判定する、入賞球処理を行う(ステップS113)。次いで、遊技制御部200は、各出力ポートに対して音声データ、表示制御信号、飾りLED、飾りランプ、情報信号、ソレノイド駆動信号、賞球個数信号などのコマンドを送信するための出力処理を行う(ステップS114)。
その後、遊技制御部200は、定期リセット回路202から定期リセット信号が与えられるまで表示図柄決定用乱数および判定用乱数を更新する、残時間処理を繰り返す(ステップS115)。なお、ここで加算されるのは、表示図柄決定用乱数以外に、リーチ判定用乱数RH、仮停止判定用乱数RS、再変動回数判定用乱数RNであり、これらの乱数は、定期リセット信号が入力されるまでの間にそれぞれ1つずつ加算される。
以下、本実施例のケタ上がり方式のカウンタにおける乱数生成を説明する。本実施例における実際の乱数生成は、定期リセット回路202から定期リセット信号が出力されるごとに、規則的に1つずつカウントアップするケタ上がり方式のカウンタによって生成されている。すなわち、本実施例で生成される乱数は正確には一様乱数とはなっていないが、ケタ上がり方式のカウンタが1加算される時間は、タイマ割り込み処理に対応して約2ミリ秒といったごく短い期間であり、また、カウンタ値を所得するタイミングにはばらつきがあり、一巡周期も十分に短いということから、本実施例では乱数として用いられている。
本実施例で用いる乱数は、普通図柄判定用乱数R1、特別図柄判定用乱数R2、大当たり図柄判定用乱数RT、普通図柄用乱数RF、特別図柄左用乱数RL、特別図柄中用乱数RC、特別図柄右用乱数RR、リーチ判定用乱数RH、仮停止判定用乱数RS、再変動回数判定用乱数RNの各乱数となっている。これらの乱数を、例えば、遊技球の入賞タイミングに合わせて取得することで、本実施例における抽選手段としての機能を実現している。
普通図柄判定用乱数R1は、普図ゲームにおいて小当たりとするか否かを判定するためのランダム変数であり、“3”〜“13”の範囲で、リセット割り込み(2ミリ秒)ごとに1ずつ加算していき、“13”の次に“3”に戻るような構成となっている。普通図柄判定用乱数R1は、普通図柄始動スイッチ301の通過時に抽出し、普通図柄通過記憶カウンタに対応する普通図柄判定用バンクに格納する。格納した値は、普通図柄の判定を行う際に読み出し、小当たりの判定の使用する。低確率時においては、“3”〜“5”であれば小当たりと判定し、値が“6”〜“13”の場合はハズレとする。また、高確率時においては、“3”〜“12”であれば小当たりと判定し、値が“13”の場合はハズレとする。
同様にして、特別図柄判定用乱数R2は、特図ゲームにおいて大当たりとするか否かを判定するためのランダム変数であり、“0”〜“249”の範囲で、リセット割り込み(2ミリ秒)ごとに1ずつ加算していき、“249”の次に“0”に戻るような構成となっている。特別図柄判定用乱数R2は、特別図柄始動スイッチ302の通過時に抽出し、特別図柄入賞記憶カウンタに対応する特別図柄判定用バンクに格納する。格納した値は、大当たり判定を行う際に読み出し、低確率時においては、“3”、高確率時においては、“3”、“7”、“79”、“103”、“107”であれば大当たりと判定し、その他の値の場合はハズレとする。
大当たり図柄判定用乱数RTは、大当たり時における表示図柄を判定するためのランダム変数であり、“0”〜“15”の範囲で、リセット割り込み(2ミリ秒)ごとに1ずつ加算していき、“15”の次に“0”に戻るような構成となっている。大当たり図柄判定用乱数RTは、特別図柄始動スイッチ302の通過時に抽出し、特別図柄入賞記憶カウンタに対応する大当たり図柄判定用バンクに格納する。格納した値は、特別図柄停止処理を行う際に読み出し、大当たりとする場合は特別図柄の停止図柄の選択に使用する。
普通図柄用乱数RFは、普図ゲームにおける停止図柄を判定するためのランダム変数であり、“0”〜“5”の範囲で、リセット割り込み(2ミリ秒)ごとに1ずつ加算していき、“5”の次に“0”に戻るような構成となっている。普通図柄用乱数RFは、普通図柄始動スイッチ301の通過時に抽出し、普通図柄入賞記憶カウンタに対応する普通図柄判定用バンクに格納する。格納した値は、普通図柄停止処理を行う際に読み出し、普通図柄の停止図柄の選択に使用する。
特別図柄左用乱数RL、特別図柄中用乱数RC、特別図柄右用乱数RRは、特図ゲームにおいてハズレとなる場合、あるいは、再変動表示を行う際の仮停止図柄を判定するためのランダム変数である。特別図柄左用乱数RL、特別図柄中用乱数RC、特別図柄右用乱数RRは、共に“0”〜“15”の範囲で、1つずつ加算していき、“15”の次に“0”に戻るような構成となっている。ただし、特別図柄左用乱数RLは、リセット割り込み(2ミリ秒)ごと、および、図10のステップS115に示す残時間処理中に1ずつ加算し、特別図柄中用乱数RCは、特別図柄左用乱数RLが“15”から“0”にケタ上がりするごとに、また、特別図柄右用乱数RRは、特別図柄中用乱数RCが“15”から“0”にケタ上がりするごとに1つずつ加算する。
リーチ判定用乱数RHは、リーチ状態となったときの演出パターンを判定するためのランダム変数であり、“0”〜“99”の範囲で、リセット割り込み(2ミリ秒)ごと、および、図10のステップS115に示す残時間処理中に1ずつ加算していき、“99”の次に“0”に戻るような構成となっている。リーチ判定用乱数RHは、リーチフラグの設定処理を行う際に抽出し、[表1]に示すようなリーチ振り分けテーブルデータからリーチパターンを選択するために使用する。
すなわち、特別図柄判定用乱数R2が当たり値である場合、高確率時においては、‘パターンB’から‘パターンE’までのリーチパターンがリーチ判定用乱数RHの値によって選択される。同様にして、低確率時においては、‘パターンA’から‘パターンE’までのすべてのリーチパターンがリーチ判定用乱数RHの値によって選択される。一方、特別図柄判定用乱数R2がハズレである場合、‘パターンA’から‘パターンC’までの限られたリーチパターンがリーチ判定用乱数RHの値によって選択される。
仮停止判定用乱数RSは、いったんハズレ図柄で停止した後に再変動表示を行うか否かを判定するためのランダム変数であり、“0”〜“165”の範囲で、リセット割り込み(2ミリ秒)ごと、および、図10のステップS115に示す残時間処理中に1ずつ加算していき、“165”の次に“0”に戻るような構成となっている。仮停止判定用乱数RSは、仮停止の判定処理を行う際に抽出し、[表2]に示すような仮停止振り分けテーブルデータから仮停止の有無を選択するために使用する。
すなわち、特別図柄判定用乱数R2が当たり値である場合、166分の83、つまり、2分の1の確率で仮停止からの再変動表示を行うものと判定し、一方、特別図柄判定用乱数R2がハズレ値である場合、166分の1の確率で仮停止からの再変動表示を行う。本実施例のパチンコ遊技機1は、大当たり確率が250分の1であるので、再変動表示を行う確率は、低確率時に125分の1(=(1/250)×(1/2)+(249/250)×(1/166))、高確率時に2075分の33(=(5/250)×(1/2)+(245/250)×(1/166))となっており、平均確率は93.939分の1となる。
再変動回数判定用乱数RNは、再変動表示を行う際の再変動回数を判定するためのランダム変数であり、“0”〜“99”の範囲で、リセット割り込み(2ミリ秒)ごと、および、図10のステップS115に示す残時間処理中に1ずつ加算していき、“99”の次に“0”に戻るような構成となっている。再変動回数判定用乱数RNは、再変動回数の判定処理を行う際に抽出し、[表3]に示すような再変動回数振り分けテーブルデータから再変動表示の回数を選択するために使用する。
すなわち、前述したように、低確率時に再変動表示を行う確率は、125分の1であり、再変動回数が1回の場合の大当たり期待度は約1パーセント(91分の1)、同様にして、2回の場合の大当たり期待度は約10パーセント(10分の1)、3回の場合の期待度は約30パーセント(3.30分の1)、4回の場合の期待度は約50パーセント(2.02分の50)、5回の場合の期待度は100パーセント(1分の1)となっている。
一方、高確率時に再変動表示を行う確率は、2075分の33であり、再変動回数が1回の場合の大当たり期待度は約5.34パーセント(18.711分の1)、同様にして、2回の場合の大当たり期待度は約36.09パーセント(2.771分の1)、3回の場合の期待度は約68.82パーセント(1.453分の1)、4回の場合の期待度は約83.26パーセント(1.201分の1)、5回の場合の期待度は100パーセント(1分の1)となっている。このように、本実施例では、再変動表示の回数の増加に合わせて大当たりとなる期待度も高くなるように設定されている。
図11は、図10の普通図柄プロセス処理における処理例を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、特別図柄プロセス処理と同様に、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための普図フラグ情報にしたがって、該当する処理を選択的に実行する。そして、普図フラグ情報の値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。普通図柄プロセス処理では、普図フラグ情報に対応して以下に示す各処理を実行する。
普図フラグ情報の値が“0”のとき、普図ゲームにおいて変動表示前の初期化処理を行う「普通図柄変動待ち処理」を実行する(ステップS201)。普図フラグ情報の値が“1”のとき、普通図柄が小当たりとなっているか否かを判定する「普通図柄判定処理」を実行する(ステップS202)。普図フラグ情報の値が“2”のとき、普通図柄表示装置3において普図ゲームにおける変動処理を行う「普通図柄変動処理」を実行する(ステップS203)。
普図フラグ情報の値が“3”のとき、普通図柄の停止処理を行う「普通図柄停止処理」を実行する(ステップS204)。普図フラグ情報の値が“4”のとき、普通電動役物である電動チューリップ型役物4の開放制御を行う「普通電動役物開放処理」を実行する(ステップS205)。
普図ゲームでは、遊技球が普通図柄始動ゲート2を通過したとき、普通図柄判定用乱数R1の値によって普通図柄の小当たり、ハズレを判定する。判定の結果、小当たりとなった場合には、普通図柄表示装置3に小当たりとなる「7」を表示する。一方、ハズレとなった場合には、普通図柄用乱数RFの値に対応する普通図柄を表示する。
図12は、普通図柄用乱数の値に対応する普通図柄を示す図である。普通図柄用乱数RFの値が“0”のときは「0」、“1”のときは「1」、“2”のときは「3」、“3”のときは「5」、“4”のときは「7」、“5”のときは「9」となる。なお、普通図柄判定用乱数R1の判定結果がハズレであるにもかかわず、普通図柄用乱数RFの値が“4”となった場合には、普通図柄として強制的に「9」を表示する。
図13は、普図ゲームにおける普通図柄の確定手順を説明するためのタイミングチャートである。普通図柄の変動時間には、低確率時と高確率時との2種類があり、普通図柄の変動開始時の状態により変動時間を決定する。普通図柄は、遊技球が普通図柄始動スイッチ301を通過する際、図13(a)に示すように、2ミリ秒間隔で2回連続してオンを検出すると「作動契機成立」となる。「作動契機成立」となると、図13(b)に示すように、「作動契機成立」から2ミリ秒後に普通図柄の変動表示を開始し、低確率時には29.200秒後、高確率時には5.100秒後に停止する。
なお、停止図柄が「7」(図12参照)となって小当たりとなると、図柄停止時から2ミリ秒後に普通電動役物用ソレノイド401を励磁し、電動チューリップ型役物4の開放動作を行う。このとき、低確率時には、図13(c)に示すように、0.5秒間の開放動作を1回行い、高確率時には、図13(d)に示すように、2.2秒間の開放動作の後に閉鎖し、3秒後に再度2.2秒間の開放動作を行う。普通図柄が小当たりとなる図柄を表示する確率は、低確率時に11分の3(約3.667分の1)、高確率時に11分の10(約1.1分の1)となっており、平均確率は2.383分の1となる。
図14は、図10の特別図柄プロセス処理における処理例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特図フラグ情報にしたがって、該当する処理を選択的に実行する。そして、特図フラグ情報の値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。特別図柄プロセス処理では、特図フラグ情報に対応して以下に示す各処理を実行する。
特図フラグ情報の値が“0”および“1”のとき、特図ゲームにおいて抽選した乱数値が大当たり値と一致するか否かを判定したり、特別図柄入賞記憶カウンタに対応する特図保留記憶表示部5a〜5dの点灯により外部に報知する処理などの通常の遊技状態における「特別図柄通常処理」を実行する(ステップS301,S302)。特図フラグ情報の値が“2”のとき、特別図柄表示装置6において特図ゲームにおける変動表示を開始する「特別図柄変動開始処理」を実行する(ステップS303)。特図フラグ情報の値が“3”のとき、特別図柄表示装置6において特図ゲームにおける変動処理を行う「特別図柄変動処理」を実行する(ステップS304)。
特図フラグ情報の値が“4”のとき、非確率変動時における第1停止図柄である特別図柄左図柄の減速停止処理を行う「特別図柄左減速処理」を実行する(ステップS305)。特図フラグ情報の値が“5”のとき、非確率変動時における第2停止図柄である特別図柄右図柄の減速停止処理を行う「特別図柄右減速処理」を実行する(ステップS306)。特図フラグ情報の値が“6”のとき、非確率変動時における最終停止図柄である特別図柄中図柄の減速停止処理を行う「特別図柄中減速処理」を実行する(ステップS307)。
特図フラグ情報の値が“7”のとき、第1停止図柄と第2停止図柄とが一致した場合のリーチ状態の演出表示を行う「特別図柄リーチ処理」を実行する(ステップS308)。特図フラグ情報の値が“8”のとき、仮停止後の再変動表示を行う「特別図柄再変動処理」を実行する(ステップS309)。特図フラグ情報の値が“9”のとき、確率変動時における特別図柄の停止処理を行う「特別図柄停止処理」を実行する(ステップS310)。
特図フラグ情報の値が“10”のとき、大当たり動作のための初期化処理を行う「大入賞口開放前処理」を実行する(ステップS311)。特図フラグ情報の値が“11”のとき、大当たり動作に関する様々な処理、および1回当たりの大入賞口7の開放時間をチェックする「大入賞口開放中処理」を実行する(ステップS312)。特図フラグ情報の値が“12”のとき、インターバル期間中の様々な処理、および処理終了時に大当たり時にセットされた各種フラグを再設定する「大入賞口開放後処理」を実行する(ステップS313)。
そして、上記特図フラグ情報の値による各処理を実行した後、表示制御処理を実行する(ステップS314)。なお、特別図柄プロセス処理において実行される各処理としては、前述した処理だけに限るものではなく、他の処理に置換したり、さらに他の処理を追加しても構わない。また、特図フラグ情報の値によって分岐される各処理の処理内容が複雑化して、リセット割り込み時間内で処理を完了させることができない場合には、本実施例のように同一処理を複数追加するようにしてもよい。
特図ゲームでは、遊技球が特別図柄始動口5を通過したとき、特別図柄判定用乱数R2の値によって特別図柄の大当たり、ハズレを判定する。判定の結果、大当たりとなった場合には、特別図柄表示装置6に大当たり図柄判定用乱数RTの値に対応する特別図柄の組み合わせを特別図柄表示装置6に表示する。一方、ハズレとなった場合には、特別図柄左用乱数RL、特別図柄中用乱数RC、特別図柄右用乱数RRの値に対応する特別図柄を表示する。
図15は、特別図柄用乱数の値に対応する特別図柄を示す図である。具体的には、特別図柄左用乱数RL、特別図柄中用乱数RC、特別図柄右用乱数RRの各値が“0”〜“9”のときは「0」〜「9」、“10”〜“15”のときは「A」〜「F」となる。ここで、特別図柄判定用乱数R2の判定結果がハズレで、かつ、特別図柄左用乱数RL、特別図柄中用乱数RC、特別図柄右用乱数RRの各値が同一であり、大当たりとなる図柄の組み合わせとなった場合には、特別図柄中用乱数RCの値から1減算し、ハズレとなる図柄を表示する。
すなわち、特別図柄判定用乱数R2の値によって、大当たりの場合には大当たり図柄判定用乱数RT、ハズレの場合には特別図柄左用乱数RL、特別図柄中用乱数RC、特別図柄右用乱数RRの各値に対応する特別図柄を表示することで、本実施例における最終表示態様決定手段としての機能を実現している。
図16〜図18は、特図ゲームにおける特別図柄の確定手順を説明するためのタイミングチャートであり、図16は、リーチ動作なしでの特別図柄の確定手順を示し、図17は、リーチ動作ありでの特別図柄の確定手順を示し、図18は、仮停止から再変動表示を行う場合の特別図柄の確定手順を示す。
特別図柄は、遊技球が特別図柄始動スイッチ302を通過する際、図16(a)に示すように、2ミリ秒間隔で2回連続してオンを検出すると「作動契機成立」となる。「作動契機成立」となると、図16(b)〜(d)に示すように、「作動契機成立」から2ミリ秒後に特別図柄左図柄、特別図柄中図柄、特別図柄右図柄の変動表示を開始し、特別図柄左図柄、特別図柄右図柄、特別図柄中図柄の順に減速処理を行い、停止する。
本実施例の特別図柄ゲームにおける減速処理には、表示図柄1コマ当たり0.3秒かけてスクロール減速を行う高速減速処理と、表示図柄1コマ当たり0.5秒かけてスクロール減速を行う中速減速処理と、表示図柄1コマ当たり0.7秒かけてスクロール減速を行う低速減速処理との3種類の減速処理パターンが用意されている。
ここで、[表1]に示すリーチ振り分けテーブルデータにより、特別図柄判定用乱数R2の値がハズレであり、リーチ判定用乱数RHの値が‘パターンA’(リーチ動作なし)を示す通常動作の場合、特別図柄左図柄は、図16(b)に示すように、変動開始から4.6秒間加速した後、等速変動表示を行い、その後、1.2秒間で高速減速処理により停止する。同様に、特別図柄右図柄は、図16(c)に示すように、変動開始から5.7秒間加速した後、等速変動表示を行い、その後、1.2秒間で高速減速処理により停止する。また、特別図柄中図柄は、図16(d)に示すように、変動開始から6.8秒間加速した後、等速変動表示を行い、その後、1.2秒間で高速減速処理により停止する。
そして、特別図柄判定用乱数R2の値がハズレであり、リーチ判定用乱数RHの値が‘パターンB’〜‘パターンE’(リーチ動作あり)を示すリーチ動作の場合、特別図柄左図柄は、図17(a)に示すように、変動開始から4.6秒間加速した後、等速変動表示を行い、その後、1.2秒間で高速減速処理を行い停止する。同様に、特別図柄右図柄は、図17(b)に示すように、変動開始から5.7秒間加速した後、等速変動表示を行い、その後、1.2秒間で高速減速処理により停止する。
続いて、特別図柄中図柄は、そのパターンに対応して、例えば、‘パターンB’の場合、図17(c)に示すように、変動開始から6.8秒間加速した後、等速変動表示を行い、その後、1.8〜6.3秒間で高速減速処理により停止する。‘パターンC’の場合、図17(d)に示すように、変動開始から6.8秒間加速し、等速変動表示を行った後、6.3秒間で高速減速を行い、その後、0.5〜8.0秒間で中速減速処理により停止する。
‘パターンD’の場合、図17(e)に示すように、変動開始から6.8秒間加速し、等速変動表示を行った後、6.3秒間で高速減速処理を行い、その後、8.0秒間で中速減速処理を行い、さらに、0.7〜11.2秒間で低速減速処理により停止する。‘パターンE’の場合、図17(f)に示すように、変動開始から6.8秒間加速し、等速変動表示を行った後、特別図柄左図柄、特別図柄右図柄、特別図柄中図柄の各特別図柄が同一図柄で一体となって6.3〜11.2秒間で低速減速処理により停止する。
また、[表2]に示す仮停止振り分けテーブルデータにより、特別図柄判定用乱数R2の値がハズレで、かつ、仮停止判定用乱数RSの値が“165”であった場合、または特別図柄判定用乱数R2の値が当たりで、かつ、仮停止判定用乱数RSの値が“0”〜“82”であった場合には、以下に詳細を説明するような再変動表示を行う。
特別図柄判定用乱数R2の値がハズレの場合、[表3]に示す再変動振り分けテーブルデータにより、再変動回数判定用乱数RNの値が“0”〜“29”であれば、再変動表示を1回行い、同様に、“30”〜“59”であれば、再変動表示を2回行い、“60”〜“82”であれば、再変動表示を3回行い、“83”〜“99”であれば、再変動表示を4回行う。
一方、特別図柄判定用乱数R2の値が大当たりの場合、[表3]に示す再変動振り分けテーブルデータにより、再変動回数判定用乱数RNの値が“0”であれば、再変動表示を1回行い、同様に、“1”〜“10”であれば、再変動表示を2回行い、“11”〜“40”であれば、再変動表示を3回行い、“41”〜“90”であれば、再変動表示を4回行い、“91”〜“99”であれば、再変動表示を5回行う。
再変動回数が1回の場合、特別図柄左図柄は、図18(a)左側に示すように、変動開始から4.6秒間加速した後、等速変動表示を行い、その後、1.2秒間で高速減速処理により停止する。同様に、特別図柄右図柄は、図18(b)左側に示すように、変動開始から5.7秒間加速した後、等速変動表示を行い、その後、1.2秒間で高速減速処理により停止する。また、特別図柄中図柄は、図18(c)左側に示すように、変動開始から6.8秒間加速した後、等速変動表示を行い、その後、1.2秒間で高速減速処理により停止する。
そして、特別図柄中図柄が停止してから0.5秒以内に、再び特別図柄左図柄は、図18(a)右側に示すように、再変動開始から4.6秒間加速した後、等速変動表示を行い、その後、1.2秒間で高速減速処理により停止する。同様に、特別図柄右図柄は、図18(b)右側に示すように、再変動開始から5.7秒間加速した後、等速変動表示を行い、その後、1.2秒間で高速減速処理により停止する。また、特別図柄中図柄は、図18(c)に示すように、再変動開始から6.8秒間加速した後、等速変動表示を行い、その後、1.2秒間で高速減速処理により停止する。
再変動回数が2〜5回の場合も同様に、図18に示す変動パターンを繰り返すことにより再変動表示を行う。ここで、再変動前の仮停止図柄は、変動表示開始時点での特別図柄左用乱数RL、特別図柄中用乱数RC、特別図柄右用乱数RRの各値によって決定され、特別図柄左用乱数RLと特別図柄右用乱数RRとの値がたまたま一致した場合には、特別図柄右用乱数RRの値から1減算し、特別図柄左図柄とは非同一となる図柄を表示する。
なお、再変動表示を行うパターンは、再変動回数にかかわらず一定とするだけではなく、図18に示すように、再変動回数が増えるごとにその変動時間が短くなるように設定してもよい。これによって、よりスピーディなゲーム展開が可能となる。このように、特別図柄判定用乱数R2の値と[表3]に示す再変動振り分けテーブルデータとに基づいて、本実施例における再変動表示実行手段および再変動回数設定手段としての機能を実現している。
そして、停止図柄が「0,0,0」〜「9,9,9」、「A,A,A」〜「F,F,F」となって大当たりとなると、特定遊技状態となって図柄停止時から2ミリ秒後に大入賞口用ソレノイドA402を励磁し、大入賞口7の開放動作を行う。このとき、大入賞口扉8は、約29.5秒間の開放され、開放動作中に特定領域9を遊技球が通過することによって、この開放動作を最大16回継続する。特別図柄が大当たりとなる図柄を表示する確率は、低確率時に250分の1、高確率時に250分の5(50分の1)となっており、平均確率は150分の1となる。
図19は、再変動表示が行われる場合の特別図柄表示装置における表示例を示す図である。本実施例のパチンコ遊技機1では、再変動表示を行う際に大当たりとなる期待度を表示するための期待値表示を行う。このため、特別図柄表示装置6の表示領域中には、特別図柄表示領域6a,6b,6c以外に、期待値ゲージ6gを表示するための期待値ゲージ表示領域6xが設けられている。
期待値ゲージ6gは、5段階のレベル表示が可能な棒グラフ状のバーゲージであり、本実施例では、再変動表示が行われるごとに1つずつ段階的にバーの長さを長くする表示を行う。すなわち、再変動回数が1回の場合、仮停止後に1段階分の期待値ゲージ6gを表示し、再変動回数が増えるごとに、図19(a)〜(f)に示す動作を繰り返すことによって、仮停止後に1段階分追加した期待値ゲージ6gを表示するようになっている。
これによって、低確率時において、期待値ゲージ6gが1段階分表示された場合には大当たり期待度が約1パーセント、同様にして、2段階分表示された場合には大当たり期待度が約10パーセント、3段階分表示された場合には大当たり期待度が約30パーセント、4段階分表示された場合には大当たり期待度が約50パーセント、5段階分表示された場合には大当たり期待度が100パーセントとなる。すなわち、遊技者は、再変動表示の回数をわざわざ数えることなく、期待値ゲージ6gの状態を確認するだけで、大当たりとなる期待度を容易に把握することができる。
なお、期待値の表示には、本実施例における期待値ゲージ6gのような棒グラフ状のバーゲージに限らず、環状のサークルメータであっても構わない。また、段階的なレベル表示を行うためには、保留記憶表示部のように所定数(本例では5個)のドット表示を行うものであってもよい。さらには、これらの期待値表示を特別図柄表装置6以外に設けられたLEDなどによって明示するよう構成しても構わない。このように、再変動回数を参照することで、本実施例における期待値設定手段およびレベル判定手段としての機能を実現している。
(第1実施例の第1変形例)
前述の第1実施例では、再変動表示を行う際に大当たりとなる期待度を表示するため、特別図柄表示装置6の表示領域中に期待値ゲージ6gを表示する場合を例に採り説明したが、本変形例では、特別図柄表示装置6における表示領域内の背景に、特定のキャラクタ画像を表示することにより、同様の効果を得るようにしたものである。これによって、本変形例における表示制御部500は、キャラクタ画像表示手段としての機能を実現している。
図20は、図19に代わる再変動表示が行われる場合の特別図柄表示装置における表示例を示す図である。本実施例のパチンコ遊技機1では、再変動表示を行う際に大当たりとなる期待度を示すため、図21に示すようなキャラクタ画像を表示する。このため、特別図柄表示装置6の表示領域中には、特別図柄表示領域6a,6b,6c以外の背景領域にキャラクタ画像6haを表示する。
図21は、再変動回数に対応して表示されるキャラクタ画像例(成長パターン)を示す図である。キャラクタ画像6hは、表示制御部500内のキャラクタROM507内にあらかじめ格納されており、1つのキャラクタが5段階に成長する過程を画像データとして格納している。すなわち、本変形例では、再変動表示が行われるごとに1段階ずつキャラクタが成長し、成長したキャラクタ画像6hが表示される。つまり、再変動回数が1回の場合、仮停止後にキャラクタ画像6haから1段階分成長したキャラクタ画像6hbを表示する。そして、図20(a)〜(f)に示す動作を繰り返すごとに再変動回数が増え、仮停止後に、図21に示すような1段階分ずつ成長したキャラクタ画像6hb〜6hfを表示するようになっている。
キャラクタ画像6hの表示形態として、あるキャラクタの成長過程を示すキャラクタ画像6hにより再変動回数を示すだけでなく、キャラクタのコスチュームやポーズによって再変動回数を示すように構成してもよい。また、完全に種類の異なるキャラクタによって再変動回数を示すように構成してもよい。
図22は、再変動回数に対応して表示されるキャラクタ画像例(種類別パターン)を示す図である。同図に示すように、5種類の異なるキャラクタ画像6h1〜6h5を用意する。そして、各キャラクタ画像6h1〜6h5を再変動表示回数と対応させ、対応するキャラクタ画像6h1〜6h5を再変動表示が行われる前に表示させる。これによって、再変動表示の予告および再変動表示回数の報知を行うことができる。具体的には、最初に再変動表示が行われる際、再変動回数3回に対応するキャラクタ6h3が登場すれば、第1実施例と同様の設定であると仮定した場合、再変動回数が3回となって大当たり期待度が約30パーセントとなることがわかる。
また、大当たり期待度は順次向上するだけではなく、特定のキャラクタ画像6hが表示されることによって、大当たり期待度が低下するように設定することも可能である。具体的には、図22に示すキャラクタ画像6h1〜6h5を流用して説明すると、あらかじめキャラクタ画像6h1〜6h5が表示される際の大当たり期待度を、それぞれ約5パーセント、約20パーセント、約50パーセント、約10パーセント、約100パーセントに設定しておく。
すなわち、表示されるキャラクタ画像が6h1〜6h3となるまでは、大当たり期待度が順次向上するようになっている。しかし、次のキャラクタ画像6h4が表示されると、大当たり期待度が約50パーセントから約10パーセントに低下する。これによって、遊技者はただ単に再変動回数の更新を望むのではなく、特定回数となることを期待するようになり、再変動表示の際の遊技興趣を高める効果がある。さらに、キャラクタ画像6hの表示形態として、同一または異なるキャラクタ画像6hを複数表示させることにより、再変動表示の予告または再変動表示回数の報知を行うようにすることもできる。
図23は、再変動表示の際の画像表示例を示す図であり、同図では、最初に再変動表示が行われる際、仮停止の状態において5体のキャラクタ画像が表示されている状態を示す。すなわち、再変動表示回数と表示されるキャラクタ画像6hの数とを対応させることで、図23に示すように5体のキャラクタ画像6hが表示されると、第1実施例と同様の設定であると仮定した場合、再変動回数が5回となって大当たり期待度が100パーセントとなることがわかる。
なお、本変形例によるキャラクタ画像6hの表示は、単独で用いるだけではなく、前述の第1実施例における期待値ゲージ6gと併用しても構わない。さらに、本変形例におけるキャラクタ画像6hの表示とリーチ演出とを組み合わせることにより、さらなる遊技興趣の向上を図ることができる。
(第1実施例の第2変形例)
前述の第1実施例および第1変形例では、再変動表示を行う前には、必ずハズレ図柄によって仮停止していた。詳しくは、仮停止図柄は、変動表示開始時点での特別図柄左用乱数RL、特別図柄中用乱数RC、特別図柄右用乱数RRの各値によって決定しており、特別図柄左用乱数RLと特別図柄右用乱数RRとの値がたまたま一致した場合には、特別図柄右用乱数RRの値から1減算することで、特別図柄左図柄とは非同一となる図柄を表示していた。
本変形例では、あらかじめ特定のハズレ図柄の組み合わせパターンを登録しておき、再変動表示回数に対応したハズレ図柄の組み合わせパターンを、いずれかの仮停止時に表示するものである。すなわち、特別図柄左図柄、特別図柄中図柄、特別図柄右図柄の各図柄が「0」〜「9」,「F」,「V」の12図柄であるパチンコ遊技機を想定し、例えば、再変動表示回数が4回となる大当たり期待値の高い再変動表示を行う場合には、あらかじめ最初の再変動表示を行う前の仮停止図柄が「F,F,V」となるように設定しておく。
以上のように設定することで、最初に再変動表示が行われる際に、図23に示すように、仮停止図柄が「F,F,V」となって再変動表示となると、第1実施例と同様の設定であると仮定した場合、遊技者は、大当たり期待値が約50パーセントとなることを理解できる。このように、仮停止時における特定のハズレ図柄の組み合わせパターンを、いわゆるリーチ目として扱うことができる。
このような設定を行っておくことで、遊技者に対し、再変動の際の仮停止図柄に対しても注視させる効果を増大させ、特図ゲームの遊技興趣を高めることができる。また、前述の期待値ゲージ6gによる期待値表示、あるいは、図23に示すようなキャラクタ画像6hによる期待値表示などと組み合わせることにより、さらなる遊技興趣の向上を図ることができる。
以上、本発明の遊技機を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で色々な変形および応用が可能である。例えば、図3〜図9に示すブロック構成は、任意に変更および修正が可能である。
なお、上記実施の形態では、本発明を実現するためのプログラムおよびデータをROMなどの半導体メモリに格納した場合を例に採り説明したが、本発明を実現するためのプログラムおよびデータを様々な記憶媒体に格納することで利用するものであっても構わない。記録媒体として用いるメディアとしては、FD(Floppy(登録商標) Disk )、HD(Hard Disk )、DAT(Digital Audio Tape)のような磁気メディア、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory )、PD(Phasechange Disk )、DVD(Digital Versatile Disk)のような光ディスク、MO(Magneto Optical disk)のような光磁気ディスクであってもよい。
また、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、コンピュータ装置(ゲーム装置を含む)に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、あらかじめコンピュータ装置(ゲーム装置を含む)の有する半導体記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線などを介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線などを介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリなどにいったん格納することにより実行可能とする形態、通信回線などを介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置(ゲーム装置を含む)などとネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
1 パチンコ遊技機(遊技機)、2 普通図柄始動ゲート、2a〜2d 普図保留記憶表示部、3 普通図柄表示装置、3a 普通図柄表示領域、4 電動チューリップ型役物(普通電動役物)、5 特別図柄始動口、5a〜5d 特図保留記憶表示部、6 特別図柄表示装置、6a,6b,6c 特別図柄表示領域、6g 期待値ゲージ、6x 期待値ゲージ表示領域、7 大入賞口(特別電動役物)、8 大入賞口扉、9 特定領域、10 遊技盤、13 遊技領域、28 アウト口、30 遊技機用枠、41 上受皿ユニット、51 下受皿ユニット、55 発射装置、56 発射装置ハンドル、57 発射レバー、100 電源部、200 遊技制御部(遊技制御基板)、201 初期リセット回路、202 定期リセット回路、203 遊技制御用MCU、204 アドレスデコード回路、205 I/Oポート、206 スイッチ入力回路、207 ソレノイド駆動回路、208 特別図柄表示装置回路、209 LED駆動回路、210 音出力回路、211 電飾信号回路、212 入賞データ信号入力回路、213 賞球個数信号出力回路、214 情報出力回路、300 入力スイッチ群、301 普通図柄始動スイッチ、302 特別図柄始動スイッチ、303 カウントスイッチ、304 特定領域スイッチ、305 入賞球検出スイッチ、400 出力ソレノイド群、401 普通電動役物用ソレノイド、402 大入賞口用ソレノイドA、403 大入賞口用ソレノイドB、500 表示制御部(表示制御基板)、600 音声制御部(電飾制御基板)、700 賞球制御部(賞球基板)、720 タッチ基板、800 情報出力部(情報端子基板)、900 プリペイドカードユニット。