JP2007282923A - 人工括約筋 - Google Patents

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Hiroshi Endo
拓 遠藤
Yasutaro Kamisaka
保太郎 上坂
Akira Henmi
暁 辺見
Takahiro Suga
貴博 須賀
Taeko Endo
多恵子 遠藤
Takashi Yokota
崇 横田
Osamu Yamaguchi
脩 山口
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Abstract

【課題】流体を封入した流体容器の圧迫部を尿道管の周囲に装着する人工活約筋において、圧迫部をポンプ等の特別の駆動装置を用いることなく、磁石により圧迫すること。
【解決手段】尿道管12の周囲に流体容器4の圧迫部43を装着し、流体容器4の溜部41を鉄板FP1と内部磁石M1で圧縮して、流体容器4の流体を溜部41から圧迫部43へ移動する。圧迫部43は、膨張して尿道管12を圧迫し尿道13を閉じる。即ち排尿停止状態にする。この状態において、体外の外部磁石M2を内部磁石M1の近傍の皮膚51に近付けると、内部磁石M1は、鉄板FP1から離れて溜部41の圧縮を停止して溜部41を開放するため、圧迫部43は、膨張から収縮へ変わり、尿道13を開く。即ち排尿状態にする。
【選択図】図1

Description

本願発明は、尿道、肛門等の括約筋の機能を補助或いは代行する人工括約筋に関する。
図9、図10により従来の人工括約筋について説明する。なお両図に共通の部分は、同じ符号を使用している。
まず図9の人工括約筋について説明する(例えば特許文献1参照)。
図9(a)は、側面図、図9(b),(c)は、図9(a)のX1部分の矢印方向の断面図である。
図9の人工括約筋は、膀胱11に通じる尿道管12の周囲にカフ21を装着し、その外側にリザーバリング22を配置してある。カフ21、リザーバリング22は、管231,232により弁部242に連結し、その弁部242を介してポンプ241に通じている。ポンプ241は、液体をカフ21からリザーバリング22へ移動したり、逆にリザーバリング22からカフ21へ移動したりする。弁部242は、複数の弁からなり、液体の移動方向を制御する(切り替える)。
カフ21は、ポンプ241が作動して液体がリザーバリング22から移動すると膨張して圧力が高くなり、図9(b)のように尿道管12を圧迫して、尿道13を閉じる。即ち排尿停止状態になる。
次に弁部242の弁を切替えポンプ241を作動すると、液体はカフ21からリザーバリング22へ移動してカフ21を収縮するとともに、リザーバリング22は伸びて曲率が大きくなりカフ21から離れるため、尿道管12は、収縮する。尿道管12が収縮すると、図9(c)のように尿道13が開く。即ち排尿状態になる。
ここで尿道(尿の通路)13と尿道13の周囲の海綿体を含めて尿道管と呼ぶ。以下本願において同様である。
次に図10の人工括約筋について説明する(例えば特許文献2参照)。
図10(a)は、側面図、図10(b),(c)は、図10(a)のX1部分の矢印方向の断面図である。
図10の人工括約筋は、磁性流体(図示せず)を封入した袋状の磁性流体容器3とリング状の磁石34からなり、磁性流体容器3は、磁性流体を溜める溜部31、尿道管12を圧迫する圧迫部(カフ)33、溜部31と圧迫部33の間に設け両部の磁性流体を中継する中継部32からなる。圧迫部33は、尿道管12の周囲に巻き付け、その周囲に磁石34を装着してある。
通常、磁性流体は、磁石34に引き寄せられて圧迫部33に集まり、圧迫部33を膨張する。圧迫部33の膨張により、尿道管12は圧迫されて収縮し、図10(b)のように尿道13を閉じる。即ち排尿停止状態になる。
次に体外の外部磁石35を、体内の溜部31に近付けると、磁性流体は、外部磁石35に引き寄せられて圧迫部33から溜部31へ移動するため、圧迫部33は収縮する。圧迫部33が収縮すると、尿道管12は、圧迫から開放されて膨張し、図10(c)のように尿道13が開く。即ち排尿状態になる。
特公平6−38808号公報 特開2006−25824号公報
従来のポンプを用いた人工括約筋は、ポンプ、弁部、ポンプ作動用の電源やスイッチ等の手段が必要になるから、装置が複雑になり故障の原因が増え、体内に長期間装着するのに適していない。
一方磁性流体を封入した袋を用いる人工括約筋は、非磁性流体を用いることができない。
本願発明は、従来の前記人工括約筋の問題点に鑑み、ポンプを用いることなく尿道管の尿道の開閉を磁石によって行い、かつ非磁性流体を封入した袋も用いることができる人工括約筋を提供することを目的とする。
本願発明は、その目的を達成するため、請求項1に記載の人工括約筋は、体内に装着する流体容器、磁性体及び内部磁石、体外の外部磁石からなり、流体容器は、尿道管等の器官の周囲に装着する圧迫部、流体を溜める溜部、圧迫部と溜部の間に設け溜部と圧迫部の流体を中継する中継部からなり、溜部は磁性体と内部磁石の間に配置し、磁性体又は内部磁石のいずれか一方は支持部材に固定し他方は移動可能であることを特徴とする。
請求項2に記載の人工括約筋は、請求項1に記載の人工括約筋において、前記圧迫部の前記器官に接する側は膨張が容易で前記器官に接触しない側は膨張し難い構造であることを特徴とする。
請求項3に記載の人工括約筋は、請求項1に記載の人工括約筋において、前記流体容器の内側(前記器官に接する側)は凹凸状の弛みを形成してあることを特徴とする
請求項4に記載の人工括約筋は、請求項1に記載の人工括約筋において、前記圧迫部の外側に装着する膨張阻止部材を備えていることを特徴とする。
請求項5に記載の人工括約筋は、請求項1に記載の人工括約筋において、前記溜部は、前記移動可能な磁性体又は内部磁石に取り付けてあることを特徴とする。
請求項6に記載の人工括約筋は、請求項1に記載の人工括約筋において、前記移動可能な磁性体又は内部磁石に連結手段を介して移動補助磁性体を取り付けてあることを特徴とする。
請求項7に記載の人工括約筋は、請求項1から請求項6のいずれかの請求項に記載の人工括約筋において、前記流体は、磁性流体であることを特徴とする。
請求項8に記載の人工括約筋の駆動装置は、体内に装着する磁性体及び内部磁石、体外の外部磁石からなり、磁性体及び内部磁石は対向するように配置し、その磁性体又は内部磁石のいずれか一方は支持部材に固定し他方は移動可能であり、その移動可能な磁性体又は内部磁石に連結手段を介して移動補助磁性体を取り付けてあることを特徴とする。
本願発明の人工括約筋は、溜部を磁性体と磁石の間に配置して、磁性体又は内部磁石の一方を固定し、他方を外部磁石によって移動することにより、溜部の流体を圧迫部へ移動したり、圧迫部の流体を溜部へ移動したりできるから、人工括約筋の駆動装置は、ポンプ等の特別な駆動装置を設ける必要がなく、電源も必要でない。したがって本願発明の人工括約筋は、構造が簡単になり電源を補充する必要もないから、取り扱いが容易で故障が少なく長期間体内に装着して使用することができる。また流体に磁性流体を用いた場合には、圧迫部の流体を溜部へ移動させるとき、磁性流体には磁石の吸引力も加わるから、非磁性流体よりも迅速に磁性流体を移動させることができる。
本願発明の人工括約筋は、圧迫部が尿道管を包み込むように尿道管の周囲に装着するから、尿道管を一様に圧迫し、かつ尿道管の長手方向の広い範囲を圧迫するから、比較的小さな圧迫力で尿道を閉じることができる。そして圧迫部は、流体の入った袋で構成するから、尿道管の圧迫がソフトになる。したがって尿道管を長時間圧迫し続けても、血行障害を低減できる。
本願発明の人工括約筋の圧迫部は、尿道管に接する側は膨張が容易で尿道管に接しない側は膨張し難い構造であるから、尿道管側にのみ膨張する。したがって圧迫部の膨張力を尿道管の圧迫に有効に利用することができる。また圧迫部の周囲(外側)に膨張阻止部材を装着することにより、圧迫部は、尿道管側にのみ膨張する。したがって圧迫部の膨張力を尿道管の圧迫に有効に利用することができる。そして本願発明の人工括約筋は、圧迫部の膨張力を尿道管の圧迫に有効に利用できるから、内部磁石を小型にすることができ、溜部も小型にすることができる。
本願発明の人工括約筋は、圧迫部に凹凸状の或いは波状の弛み(皴)を作るだけで圧迫部の膨張を容易にできるから、流体容器は、構造が簡単になり製造が容易になる。
本願発明の人工括約筋の駆動装置は、移動可能な磁性体又は内部磁石に連結手段を介して移動補助磁性体を取り付けてあるから、人工括約筋の装着位置に関係なく移動補助磁性体を皮膚近くに配置することができる。したがって人工括約筋の装着位置の選定が容易になり、かつ移動可能な磁性体又は内部磁石を体外から確実に駆動することができ、外部磁石を小型にすることもできる。
図1、図2によって本願発明の実施の形態を説明する。なお両図に共通の部分は、同じ符号を使用している。
図1は、本願発明の実施の形態に係る人工括約筋を尿道管に装着した状態を示し、図2は、体内の人工括約筋の装着位置を示す。
図1(a)は、側面図、図1(b),(c)は、図1(a)のX1部分の矢印方向の断面図である。
人工括約筋は、流体を封入する流体容器4、鉄板(磁性体)FP1、内部磁石M1からなり、流体容器4は、流体を溜める溜部41、尿道管12を圧迫する圧迫部43、溜部41と圧迫部43の間に設け両部の流体を中継する中継部42からなる。流体容器4は、ビニール、シリコーン等を用いて袋状或いは筒状に形成し、流体を封入してある。流体は、空気等の気体、水等の非磁性液体、磁性流体のいずれであってもよい。また鉄板(磁性体)FP1、内部磁石M1及び外部磁石M2は、人工括約筋の駆動装置を構成している。
圧迫部43は、尿道管12の周囲に巻き付けるように装着する。溜部41は、鉄板FP1と内部磁石M1の間に配置してある。鉄板FP1は、支持部材(図示せず)に固定し、内部磁石M1は、移動することができ、鉄板FP1に引き寄せられたり、外部磁石M2に引き寄せられたり(鉄板FP1から離れたり)する。
通常(排尿停止時)は、図1(b)のように、内部磁石M1は、鉄板FP1に引き寄せられて溜部41を圧縮する。溜部41が圧縮すると、溜部41の流体は、中継部42を介して圧迫部43へ移動して、圧迫部43を膨張する。圧迫部43が膨張すると、尿道管12は収縮して尿道13を閉じる。即ち排尿停止状態にする。
次に図1(c)のように、外部(体外)磁石M2を内部磁石M1に近い皮膚51に近付けると、内部磁石M1は、外部磁石M2に引き寄せられて鉄板FP1から離れ、溜部41を開放する(圧縮を解除する)。溜部41が開放されると、膨張した圧迫部43は収縮して尿道管12を開放し(圧迫を解除し)、尿道13を開く。即ち排尿状態になる。排尿後外部磁石M2を皮膚51から遠ざけると、内部磁石M1は、図1(b)の状態に戻る。なおその際、外部磁石M2を回転して外部磁石M2の極性が内部磁石M1の極性と同じになるように操作すると、内部磁石M1に反発力が働くため内部磁石M1は、図1(b)の状態へ素早く戻る
なお図1は、鉄板FP1を支持部材に固定し、内部磁石M1を移動する例について説明したが、内部磁石M1を支持部材に固定し、鉄板FP1を移動するように構成してもよい。
流体容器4に封入する流体が磁性流体の場合には、溜部41の圧縮を解除すると、磁性流体は、内部磁石M1、外部磁石M2に引き寄せられるから、圧迫部43から溜部41へ迅速に移動する。なお溜部41を圧縮するとき、磁性流体には、内部磁石M1に引き寄せられる力が働くが、内部磁石M1が磁性流体を引き寄せる力は、鉄板FP1が内部磁石M1を引き寄せる力よりも小さいため、溜部41の磁性流体は、圧迫部43へ移動できる。
本実施の形態の人工括約筋は、鉄板FP1と内部磁石M1で尿道管を圧迫し、外部磁石M2によりその圧迫を解除できるから、電源で作動する駆動装置を用いる必要がなく、構造が簡単で故障も少なくなる。したがって本実施の形態の人工括約筋は、体内に長期間装着することができ、また操作も簡単になる。また尿道管12の周囲には、流体を封入した圧迫部43を装着するから、尿道管12を全周方向から均一に圧迫することができ、かつ幅広の圧迫部43が尿道管12に接触するから、比較的小さな圧迫力で尿道13を閉じることができる。そして袋状の圧迫部43には流体を封入してあるから、尿道管12をソフトに圧迫することができ、尿道管12を長時間圧迫しても血行障害が起こり難い。
本実施の形態の人工括約筋を体内に装着するとき、装着場所はいろいろ選定できるが、男性の場合、例えば図2のように装着する。即ち膀胱11から亀頭14に至る尿道管12の途中に圧迫部43を装着し、できるだけ皮膚51に近い場所に溜部41を装着する。その場合、中継部42の長さは、溜部41と圧迫部43の距離に対応して少なくともその距離よりも長く設定する。
次に図3〜図8により本願発明の実施例を説明する。なお各図に共通の部分は、同じ符号を使用している。
図3、図4により実施例1に係る人工活約筋を説明する。
まず図3について説明する。
図3(a)は、側面図、図3(b1),(b2)は、図3(a)のX1部分の矢印方向の断面図、図3(c)は、流体容器の尿道管に接する側の展開平面図、3(d1),3(d2)は、3(c)のX2部分の矢印方向の断面図である。
流体容器6は、図3(c)のように、袋状の溜部61、中継部621、袋状の圧迫部63、中継部622、溜部64からなり、溜部61,64は、中継部621,622、袋状の圧迫部63よりも幅を広く形成してある。また流体容器6は、長手方向に伸びる(溜部61から溜部64に至る)凹凸部65(縦皺状の凹凸)を形成してある。凹凸部65において実線は、凸状部(山部)、破線は、凹状部(谷部)を表している。流体容器6は、尿道管12に接する側(内側)の部材と外側の部材からなり、両部材の周辺部を接着して袋状(或いは筒状)に形成してある。その接着の際、内側の部材は、凹凸状になるように(波状になるように)弛ませて接着する。流体容器6には、流体64を封入してある。
流体容器6の溜部61には磁石M1を取り付け、溜部64には、鉄板PF1を取り付けてある。鉄板PF1は、支持部材(図示せず)に固定し、内部磁石M1は、移動することができ、鉄板FP1に引き寄せられたり、鉄板FP1から離れたりする。
流体容器6は、圧迫部63を尿道管12の周囲に巻き、鉄板PF1と内部磁石M1が対向し、両者の間に溜部61と溜部64が介在するように装着する。
通常(排尿停止時)、内部磁石M1は、図3(b1)のように鉄板PF1に引き寄せられ、溜部61と溜部64を圧縮する。溜部61,64が圧縮すると、溜部61,64の流体は、圧迫部63へ移動するため、圧迫部63は、図3(d2)のように膨張して尿道管12を圧迫して尿道13を閉じる。この状態において、図3(b2)のように内部磁石M1に外部磁石M2を近付けると、内部磁石M1は外部磁石M2に引き寄せられて鉄板PF1から離れるため、圧迫部63は、図3(d1)のように収縮して尿道管12を開放する。尿道管12が開放されると、尿道13は開き排尿状態になる。
このように図3の人工括約筋は、内部磁石M1の移動により流体容器6内の流体を移動させて、尿道管12を圧迫したり、開放したりすることにより、尿道13を閉じたり、開いたりすることができる。
図3の人工括約筋は、外側の部材と内側の部材を接着するのみで流体容器6を作製でき、その接着のとき内側の部材を弛ませるのみで内側へ膨張する凹凸部65を形成できるから、構造が簡単で製作が容易であり、かつ流体容器6の圧迫部63を尿道管12の周囲に巻き付けるだけで装着できるから、装着作業が容易になる。また図3の人工括約筋の駆動装置は、内部磁石M1と鉄板PF1に流体容器6の溜部61,64を取り付けるのみでよいから、構造が簡単になる。
なお流体容器6は、上記のように外側の部材と内側の部材を接着することなく、例えば、成形型を用いて一体的に形成することもできる。また圧迫部63の膨張力を尿道管12の圧迫に有効に利用するため、圧迫部63を尿道管12の周囲に装着した後、圧迫部63の外側に硬質プラスチック等からなるリング状の膨張阻止部材(図示せず)を装着して、圧迫部63が外側へ膨張しないようにすることもできる。
次に図4により図3の流体容器6について説明する。
まず図4(a)について説明する。
図4(a)は、図3の流体容器6の展開図(図3(c)と同じ図)である。
図4(a)の流体容器6は、前述したように内側の部材(尿道管に接する側の部材)を弛ませた状態で外側の部材に接着すれば袋状に形成できるから、製作が簡単になる。一方尿道管を圧迫する機能の点からみると、凹凸部65は、少なくとも圧迫部63に形成すればよく、中継部621,622に形成する必要はない。即ち尿道管の圧迫には、圧迫部63が膨張すればよい。そこで中継部621,622は、伸縮性の小さい部材で覆ってその部分の凹凸部65が膨張しないように、膨張阻止手段を施すこともできる。また中継部621,622は、溜部61,64、圧迫部63と別体にして、膨張の小さい構造或いは素材で作製してもよい。
中継部621,622の膨張を小さくすると、溜部61,64を圧縮したとき、その圧縮力を圧迫部63に集中させて圧迫部63のみを膨張させることができるから、溜部61,64の圧縮力を尿道管の圧迫に有効に活用できる。したがって中継部621,622の膨張を小さくすると、内部磁石M1を小型にすることができ、溜部61,64も小型にすることができる。特に溜部61,64と圧迫部63の距離が大きい場合には、中継部621,622の膨張を小さくすることが望ましい。
流体容器6は、圧迫部63の膨張を容易にするため凹凸部65を形成してあるが、凹凸部65を形成する代わりに、流体容器6の内側の部材に変形し易いフィルム状の素材を用いて、流体の圧力が小さいときは、萎むように形成してもよい。また流体容器6は、ゴムのように伸縮性の大きい素材を用いて作製してもよい。
流体容器6は、溜部64と中継部622を設けてあるが、溜部64と中継部622は設けなくてもよい。溜部64と中継部622を設けない場合には、両部に相当する部分は、袋状でなく、例えば帯状に形成してもよい。
流体容器6の圧迫部63は、膨張するとき(図3(b1)の状態)、外側(尿道管が接しない側)へも膨張するから、その外側への膨張を小さくして圧迫部63を尿道管側へのみ膨張させ、膨張力を尿道管の圧迫に有効に利用するのが望ましい。圧迫部63の外側への膨張を小さくするには、流体容器6の外側の部材に内側の部材よりも厚い素材を用いる、或いは外側の部材に伸び難い素材を用いて、外側への膨張阻止手段を施すとよい。膨張阻止手段は、前述したように圧迫部63を尿道管の周囲に装着した後、圧迫部の外側に硬質プラスチック等からなるリング状の膨張阻止部材を装着してもよい。
なお図4(a)の流体容器6の場合、圧迫部63と中継部621,622の部分(長さL2に相当する部分)は、同じ構造であるから、長さL2に相当する部分の内、尿道管に装着する部分を圧迫部63と呼び、残りの部分を中継部621,622と呼ぶ。したがって圧迫部63の長さは、圧迫部63を装着する尿道管の太さによって変わる。
次に図4(b)について説明する。
図4(a)の流体容器6は、溜部61,64の幅を、圧迫部63、中継部621,622の幅よりも広く形成してあるが、図4(b)のように、全体を同じ幅に形成してもよい。全体の幅が同じ場合には、流体容器6は単純な形状になるから、製造が容易になる。その場合、溜部61,64の容積が小さ過ぎることもあるが、その場合には、図4(c)のように溜部61に膨らみを形成してもよい。またその膨らみは、溜部61,64の双方に形成してもよい。
ここで図4(a)の流体容器6、即ち図3の流体容器6の圧力の測定結果について説明する。
測定に用いた流体容器6の寸法は、L1=2.5cm、L2=6.6cm、L3=2.0cm、L4=L6=2.5cm、L5(凹凸部65の幅)=1.4cmである。流体容器6には、水3.5mlを封入した。また尿道管の代わりに空気を封入したゴムチューブを用い、そのゴムチューブに圧迫部を装着し、圧迫部を膨張したときと収縮したときのゴムチューブの圧力を測定した。なおゴムチューブの圧力は、当初2kPaに設定した。
測定結果は、図8の通りである。図8において、縦軸は、尿道管(ゴムチューブ)の圧力、横軸は、流体容器6の圧迫部63を膨張した時間と収縮した時間を表している。
ゴムチューブの圧力は、内部磁石から外部磁石を遠ざけると(溜部を圧縮すると)3kPaに上昇し、内部磁石に外部磁石を近付けると(溜部の圧縮を解除すると)2kPaに戻ることが分かる。即ち外部磁石を内部磁石から遠ざけたり、内部磁石に近付けたりすることにより、圧迫部63を膨張したり収縮したりして、尿道を閉じたり開いたりできることが分かる。またゴムチューブの圧力の昇圧・減圧特性は、急峻になるから、排尿や排尿停止を円滑に行うことができる。
なお動物実験によると、尿道は、尿道管に加わる圧力が2kPaのときには開いているが、3kPaになると閉じることも分かった。
図5、図6により実施例2に係る人口括約筋を説明する。
まず図5について説明する。
図5(a),(b)は、人工括約筋を尿道管に装着した状態を示し、図5(c1),(c2)は、図5(b)のX3部分の矢印方向の断面を示す。また図5(d1),(d2)は、圧迫部の固定例を示す。
流体容器7は、溜部71、中継部72、圧迫部73からなり、溜部71と圧迫部73は、収縮・膨張可能に形成してある。
溜部71は、ケース74に固定した鉄板FP1と内部磁石M1の間に配置してある。内部磁石M1は、ケース74内を移動し鉄板FP1から離れたり、鉄板FP1に近付いたりする。
通常(排尿停止時)、内部磁石M1は、図5(a)のように鉄板FP1に引き寄せられ、溜部71を圧縮する。溜部71が圧縮すると、流体は、溜部71から圧迫部73へ移動するため、圧迫部73は、図5(a)のように膨張して尿道管12を圧迫して尿道13を閉じる。この状態において、図5(b)のように内部磁石M1に外部磁石M2を近付けると、内部磁石M1は外部磁石M2に引き寄せられて鉄板FP1から離れるため、圧迫部73は、収縮して尿道管12を開放する。尿道管12が開放されると、尿道13は開き排尿状態になる。
鉄板FP1は、図5(c1)のように1枚に形成してもよいし、図5(c2)のように2枚に分割して形成してもよい。
圧迫部73は、膨張したとき外側に開く傾向があるから、圧迫部73が開くのを阻止するため、図5(d1)は、圧迫部73の両端部にかぎ部材75(例えば平面ファスナー)を取り付けてある。また図5(d2)は、圧迫部73の周囲に硬質プラスチックや金属からなるリング状の膨張阻止部材76を装着してある。図5(d2)の場合には、圧迫部73の膨張力は全て尿道管12方向に作用するから、尿道管12を効率的に圧迫することができる。
図5の人工括約筋は、流体容器7の溜部71の両側に鉄板FP1と内部磁石M1を配置するのみで、溜部71の流体を圧迫部73へ送り出すことができるから、構造が簡単になる。
図6は、図5の流体容器7の形状例を示す。
流体容器7は、図6(a)のように溜部71、中継部72、圧迫部73を夫々別々に形成して一体に組み立ててもよい。図6(a)の圧迫部73は、中継部72から両側へ分岐しているが、圧迫部73の一方の端(或いは側面)に中継部72を取り付けてもよい。図6(a)のように圧迫部73が両側へ分岐している場合には、流体の移動距離が小さくなるから、圧迫部の膨張・収縮をより迅速に行うことができる。なお図6(a)の流体容器7の圧迫部73は、実施例1の流体容器6の圧迫部63と同様の構造にすることができる。
流体容器7は、図6(b)のように溜部71、中継部72、圧迫部73を一体的に形成することもできる。その場合、図6(b)の流体容器7の構造は、実施例1の流体容器6と同様の構造にすることができる。
図7により実施例3に係る人工括約筋を説明する。
まず図7(a1),(a2)について説明する。
図7(a1),(a2)の人工括約筋は、基本的構成は図5の人工括約筋と同じであるが、人工括約筋の駆動装置の構成が相違している。即ち図5の内部磁石に移動補助磁石(移動補助磁性体)を取り付けた点が図5と相違している。
内部磁石M1には、連結手段(連結ロッド)CRを取り付け、その連結ロッドCRの他端には、移動補助磁石M3を取り付けてある。図7(a1)のように、移動補助磁石M3に外部磁石M2を近付けると、移動補助磁石M3は、外部磁石M2に引き寄せられて外部磁石M2側へ移動するが、そのとき内部磁石M1も移動補助磁石M3とともに移動する。
人工括約筋を体内に装着するとき、内部磁石M1が皮膚51から離れている場合には、内部磁石M1と外部磁石M2の距離が大きくなり、内部磁石M1を外部磁石M2に引き寄せることが困難になる場合がある。そのような場合、図7(a1),(a2)の人工括約筋は、連結ロッドCRの長さを調整することにより移動補助磁石M3を皮膚51の近くに装着することができるから、人工括約筋の装着場所に関係なく、内部磁石M1を確実に移動することができる。即ち移動補助磁石M3は、皮膚51の近傍に装着して内部磁石M1の移動を補助する機能を有する。
図7(b1),(b2)の人工括約筋は、尿道管12の両側に鉄板FP1と内部磁石M1を配置し、内部磁石M1を移動して尿道管12を鉄板FP1と内部磁石M1によって直接圧迫する例である。内部磁石M1は、図7(a1),(a2)の人工括約筋と同様に移動補助磁石M3とともに移動する。
なお図7(a1),(a2)、図7(b1),(b2)の人工括約筋の外、尿道管12の周囲に紐状部材(図示せず)を装着し、内部磁石M1と移動補助磁石M3の移動により紐状部材を、引張たり緩めたりして、尿道管12を締め付けたり(圧迫したり)緩めたりすることもできる。
移動補助磁石M3は、磁石でなく鉄板(磁性体)であってもよいが、磁石の方が外部磁石M2に吸引される力が大きくなる。
前記各実施例は、尿道管の尿道を閉じたり開いたりする例について説明したが、尿道管の外人工肛門等、括約筋によって閉じたり開いたりする器官に利用できる。
本願発明の実施の形態に係る人工括約筋を示す。 図1の人工括約筋を体内に装着した状態を示す。 本願発明の実施例1に係る人工括約筋を示す。 図3の人工括約筋の流体容器の形状例を示す。 本願発明の実施例2に係る人工括約筋を示す。 図5の人工括約筋の流体容器の形状例を示す。 本願発明の実施例3に係る人工括約筋を示す。 図3の人工括約筋の尿道管の圧力の測定結果を示す。 従来の人工括約筋を示す。 従来の人工括約筋を示す。
符号の説明
11 膀胱
12 尿道管
13 尿道
4,6,7 流体容器
41,61,64,71 溜部
42,621,622,72 中継部
43,63,73 圧迫部
51 皮膚
64 流体
65 凹凸部
74 ケース
75 かぎ部材
76 膨張阻止部材
CR 連結手段
FP1 鉄板
M1 内部磁石
M2 外部磁石
M3 移動補助磁石

Claims (8)

  1. 体内に装着する流体容器、磁性体及び内部磁石、体外の外部磁石からなり、流体容器は、尿道管等の器官の周囲に装着する圧迫部、流体を溜める溜部、圧迫部と溜部の間に設け溜部と圧迫部の流体を中継する中継部からなり、溜部は磁性体と内部磁石の間に配置し、磁性体又は内部磁石のいずれか一方は支持部材に固定し他方は移動可能であることを特徴とする人工括約筋。
  2. 請求項1に記載の人工括約筋において、前記圧迫部の前記器官に接する側は膨張が容易で前記器官に接触しない側は膨張し難い構造であることを特徴とする人工括約筋。
  3. 請求項1に記載の人工括約筋において、前記流体容器の内側(前記器官に接する側)は凹凸状の弛みを形成してあることを特徴とする人工括約筋。
  4. 請求項1に記載の人工括約筋において、前記圧迫部の外側に装着する膨張阻止部材を備えていることを特徴とする人工括約筋。
  5. 請求項1に記載の人工括約筋において、前記溜部は、前記移動可能な磁性体又は内部磁石に取り付けてあることを特徴とする人工括約筋。
  6. 請求項1に記載の人工括約筋において、前記移動可能な磁性体又は内部磁石に連結手段を介して移動補助磁性体を取り付けてあることを特徴とする人工括約筋。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかの請求項に記載の人工括約筋において、前記流体は、磁性流体であることを特徴とする人工括約筋。
  8. 体内に装着する磁性体及び内部磁石、体外の外部磁石からなり、磁性体及び内部磁石は対向するように配置し、その磁性体又は内部磁石のいずれか一方は支持部材に固定し他方は移動可能であり、その移動可能な磁性体又は内部磁石に連結手段を介して移動補助磁性体を取り付けてあることを特徴とする人工括約筋の駆動装置。
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