JP2007282202A - サウンドシステムをイコライジングする方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】サウンドシステムを自動的にイコライジングする方法を提供すること。
【解決手段】サウンドシステムを目標サウンドに調整する方法であって、該サウンドシステムは、音響サウンド信号に変換されるべき電気サウンド信号が供給される少なくとも2つのグループのラウドスピーカを有し、該方法は、各グループにそれぞれの電気サウンド信号を個々に供給するステップと、少なくとも1つのリスニング位置において、各グループのラウドスピーカに対する該目標サウンドからの該音響サウンド信号の偏差を個々に評価するステップと、少なくとも2つのグループのラウドスピーカに供給されたそれぞれの電気サウンド信号をイコライジングすることによって、該少なくとも2つのグループのラウドスピーカを、該目標サウンドからの最小偏差に調整するステップとを包含する、方法。
【選択図】図25

Description

本発明は、サウンドシステムを自動的にイコライジングする方法に関する。
従来、通例として、自動車のような専用システムを音響的に最適化することは、手動で行われてきた。これまで、この手動プロセスを自動化するために、多大な努力がなされてきたが、例えば、Cooper/Bauk法などのこれらの方法は、実行面で弱みを示してきた。自動車の内部のような小さい非常に反射性の高いエリアにおいては、音響における改善は一般にない。そのほとんどの場合、その結果は悪化することさえある。
今日まで、これらの不都合の解析および修正のために、多大な努力が捧げられてきた。異なるリスニングロケーションで同時に発生する音響ポールおよび音響ヌルのイコライジング化法(CAP法)、あるいは、例えば、MELMS(多数誤差最小二乗平均)アルゴリズムを用いてエリア内の多数のセンサを用いたイコライジングを達成するように意図される方法は、述べる価値がある。空間フィルタまたはJohn N.Mourjopoulosによる複雑なスムージングのようなスムージング方法は、あるいは、重心方法は、貧弱な音響環境で良好な音響を達成するという目標に限られた範囲までのみしか導かれていない。しかしながら、専門の音響学者による業績によって、シンプルな手段を用いてでさえも、良好な音響の結果を達成することが可能であることが分かってきた。
実際、任意の音響がモデル化されることを事実上任意のエリアで可能にする方法が、既に一つある。しかしながら、波フィールドの合成は、コンピュータ計算能力、メモリ、ラウドスピーカ、増幅器チャネルなどのような非常に広範なリソースを要求する。このように、この技術は、現時点では、自動車用途には、コストおよび実現可能性の面からの理由で適切ではない。
本発明の目的は、例えば、自動車の客室内において、サウンドシステムをイコライジングする自動化方法を提供することである。この方法は、従来使用され、経験ある音響学者による手動イコライジングの複雑な処理に置き換わり、所定の目標関数のプロファイルに、最も正確になるようにマッチングする車内の所定の座席位置で再生されるサウンド信号のレベルおよび位相の周波数応答を確実に提供する。上記のサウンドシステムは、音響サウンド信号に変換されるべき電気サウンド信号が供給される少なくとも2つのグループのラウドスピーカを含む。
本発明による方法は、そのようなサウンドシステムを目標サウンドに自動的に調整する方法であって、各グループにそれぞれの電気サウンド信号を個々に供給するステップと、
少なくとも1つのリスニング位置において、各グループのラウドスピーカに対する該目標サウンドからの該音響サウンド信号の偏差を個々に評価するステップと、少なくとも2つのグループのラウドスピーカの該グループに供給されたそれぞれの電気サウンド信号をイコライジングすることによって、該少なくとも2つのグループのラウドスピーカを、該目標サウンドからの最小偏差に調整するステップとを包含し、該評価するステップは、あるグループのラウドスピーカから該音響サウンド信号を該リスニング位置で受信することを含み、全てのリスニング位置にわたる総合評価は、位置特定因子で重み付けされた、該少なくとも1つのリスニング位置での評価から導出され、各位置特定因子は、振幅特定因子および位相特定因子を備える。
従って、例えば、自動車のサウンドシステムの個々のラウドスピーカ全ての伝達関数の振幅および位相をイコライジングする自動方法、例えば、自動反復方法が、開示される。この方法は、手動アクションを一切なしに、イコライジングするのに必要なパラメータの全てを決定し、こうして、例えば、デジタル信号処理システムにおいて、適切なフィルタリングを提供する。
本発明で有利な効果が得られるのは、サウンドシステムの伝達関数を所定の目標関数に完全に自動マッチングさせることに起因する。この場合、サウンドシステムに対して使用されるラウドスピーカの数および周波数範囲は、可変となり得る。
さらなる利点が得られるのは、自動アルゴリズムが所定の目標関数に近づく場合、サウンドシステムにおけるステレオペアを個々に形成するラウドスピーカのペアの個々のラウドスピーカそれぞれを考慮すること、および、その伝達関数をイコライジングすることに関して、個々のラウドスピーカそれぞれを最適化することに起因し得る。
さらなる利点すらも、また取得され得るのは、サウンドシステムにおけるラウドスピーカのイコライジングが、自動アルゴリズムによって実行されるだけでなく、サウンドシステムにおけるラウドスピーカの全てに対するクロスオーバフィルタがモデル化され、デジタル信号処理システムでインプリメントされる場合である。
またさらなる利点は、自動アルゴリズムが、例えば、運転手の座席位置のような1つの座席位置だけに対するイコライジングを最適化するだけでなく、自動車内の全ての位置が、こうして、聴取者の位置が、選択可能な重み付けを有するイコライジング処理に含まれることが可能になることに、同様に起因し得る。
本発明は例えば以下の手段を提供する。
(項目1)
サウンドシステムを目標サウンドに調整する方法であって、
該サウンドシステムは、音響サウンド信号に変換されるべき電気サウンド信号が供給される少なくとも2つのグループのラウドスピーカを有し、該方法は、
各グループにそれぞれの電気サウンド信号を個々に供給するステップと、
少なくとも1つのリスニング位置において、各グループのラウドスピーカに対する該目標サウンドからの該音響サウンド信号の偏差を個々に評価するステップと、
少なくとも2つのグループのラウドスピーカに供給されたそれぞれの電気サウンド信号をイコライジングすることによって、該少なくとも2つのグループのラウドスピーカを、該目標サウンドからの最小偏差に調整するステップと
を包含し、
該評価するステップは、あるグループのラウドスピーカから該音響サウンド信号を該リスニング位置で受信することを含み、
全てのリスニング位置にわたる総合評価は、位置特定因子で重み付けされた、該少なくとも1つのリスニング位置での評価から導出され、
各位置特定因子は、振幅特定因子および位相特定因子を備える、方法。
(項目2)
各音響サウンド信号は、位相および振幅を備え、
該位相および振幅は、互いに独立に処理され、イコライジングされる、項目1に記載の方法。
(項目3)
少なくとも1つのグループのラウドスピーカは、1つのラウドスピーカのみを備える、項目1または項目2に記載の方法。
(項目4)
少なくとも1つのグループのラウドスピーカは、2つ以上のラウドスピーカを備える、項目1、項目2または項目3のいずれか1項に記載の方法。
(項目5)
各ラウドスピーカは、それぞれの位置に配置され、上記それぞれの音響サウンド信号をそれぞれの周波数範囲で放出し、
少なくとも1つのラウドスピーカは、該位置および/または該周波数範囲および/または電気サウンド信号チャネルにおいて、その他の1つ以上のラウドスピーカとは異なり、
ラウドスピーカの各グループは、所定のエリアにおいて配置されるか、および/または、所定の周波数範囲を有する1つまたは複数のラウドスピーカのみを備える、項目1ないし項目4のいずれか1項に記載の方法。
(項目6)
少なくとも1つのグループのラウドスピーカは、前方左、前方右、後方左、または後方右の位置に配置された1つまたは複数のラウドスピーカを備える、項目5に記載の方法。
(項目7)
少なくとも1つのグループのラウドスピーカは、高位置または低位置に配置された1つ数または複数のラウドスピーカを備える、項目5または項目6に記載の方法。
(項目8)
少なくとも1つのグループのラウドスピーカは、上記それぞれの音響サウンド信号を、高周波数範囲内、中周波数範囲内、低周波数範囲内、または超低周波数範囲内で放出する1つまたは複数のラウドスピーカを備える、項目5、項目6または項目7に記載の方法。
(項目9)
1つのグループのラウドスピーカを上記目標サウンドからの最小偏差に調整する上記ステップは、上記それぞれのグループが、上記それぞれの電気サウンド信号を供給されるときに行われる、項目1ないし項目8のいずれか1項に記載の方法。
(項目10)
上記複数のグループのラウドスピーカを上記目標サウンドからの最小偏差に調整する上記ステップは、全てのグループの偏差が評価された後に行われる、項目1ないし項目8のいずれか1項に記載の方法。
(項目11)
上記複数のグループのラウドスピーカは、所与の順番で、上記目標サウンドからの最小偏差に順次調整される、項目1ないし項目10のいずれか1項に記載の方法。
(項目12)
上記複数のグループのラウドスピーカは、該複数のグループの偏差によるランキングに従って、上記目標サウンドからの最小偏差に調整される、項目1ないし項目9のいずれか1項に記載の方法。
(項目13)
上記複数のグループのラウドスピーカは、最大の偏差を有するグループが、最初に調整されるようにランク付けされる、項目12に記載の方法。
(項目14)
上記偏差は、上記評価された音響サウンド信号と上記目標サウンドとの間の周波数上での積分振幅差である、項目12または項目13に記載の方法。
(項目15)
上記偏差は、上記評価された音響サウンド信号と上記目標サウンドとの間の周波数上での最大振幅差である、項目12または項目13に記載の方法。
(項目16)
少なくとも2つのグループのラウドスピーカに対する上記調整ステップが終了した後、以下の
上記それぞれの電気サウンド信号を各グループに順次供給するステップと、
各グループのラウドスピーカに対して上記目標サウンドからの上記音響サウンド信号の偏差を順次評価するステップと、
少なくとも2つのグループのラウドスピーカ毎に供給されたそれぞれの電気サウンド信号をイコライジングすることによって、該少なくとも2つのグループのラウドスピーカを該目標サウンドからの最小偏差に調整すると
が再び行われる、項目1ないし項目15のいずれか1項に記載の方法。
(項目17)
少なくとも2つのグループのラウドスピーカは、共通交差周波数を含む隣接する周波数範囲を有し、
上記方法は、各グループのラウドスピーカに、上記目標サウンドからの上記音響サウンド信号の偏差のそれぞれの評価による該交差周波数を調整するステップ
をさらに包含する、項目5ないし項目16のいずれか1項に記載の方法。
(項目18)
上記方法は、少なくとも2つの異なるリスニング位置で、各グループのラウドスピーカ毎に上記目標サウンドからの上記音響サウンド信号の偏差を評価するステップをさらに包含する、項目1ないし項目17のいずれか1項に記載の方法。
(項目19)
各グループのラウドスピーカに対する上記目標サウンドからの上記音響サウンド信号の偏差は、上記少なくとも2つの異なるリスニング位置で評価される、項目18に記載の方法。
(項目20)
全リスニング位置に対する上記総合評価は、上記少なくとも2つの異なるリスニング位置での、位置特定因子で重み付けされた上記評価から導出される、項目19に記載の方法。
(項目21)
各位置特定因子は、振幅特定因子および位相特定因子を備える、項目20に記載の方法。
(項目22)
各グループのラウドスピーカ毎に上記目標サウンドから上記音響サウンド信号の偏差を評価するステップは、2チャネル音響信号をピックアップすることと、該音響信号を2チャネル電気サウンド信号に変換することと、各チャネルに対する該偏差を計算することとを含む、項目1ないし項目21のいずれか1項に記載の方法。
(項目23)
各グループのラウドスピーカ毎に上記目標サウンドからの上記音響サウンド信号の偏差を評価する前に、上記それぞれの電気サウンド信号を周波数上での所与の振幅最大および振幅最小に限定することによって、全てのグループのラウドスピーカを事前イコライジングするステップをさらに包含する、項目1ないし項目22のいずれか1項に記載の方法。
(項目24)
上記少なくとも2つのグループのラウドスピーカに供給された上記それぞれの電気サウンド信号をイコライジングすることによって、該少なくとも2つのグループのラウドスピーカを上記目標サウンドからの最小偏差に調整するステップは、所与の値への上記イコライジングによって生じた周波数ごとの上記振幅変化および/または上記位相変化を制限することを含む、項目1ないし項目23のいずれか1項に記載の方法。
(項目25)
目標関数は、制限されたイコライジングが行われたときの音響サウンド信号が、該目標関数に適合可能となるようにスケーリングされる、、項目24に記載の方法。
(項目26)
上記音響サウンド信号は、1つのマイクによって、上記目標サウンドからの偏差を処理するためにピックアップされる、項目1ないし項目25のいずれか1項に記載の方法。
(項目27)
上記音響サウンド信号は、少なくとも2つのマイクによって、上記目標サウンドからの偏差を処理するためにピックアップされる、項目1ないし項目25のいずれか1項に記載の方法。
(項目28)
2つのマイクは、ダミーヘッド内に配置される、項目27に記載の方法。
(項目29)
1つ以上の上記低周波数ラウドスピーカに対する上記位相は、まず、上記目標関数に適合され、次いで、上記振幅は、全ての位置に対する全体的な振幅イコライジング関数を用いて重み付けすることを含む、全てのラウドスピーカに対する該目標関数に適合される、項目1ないし項目28のいずれか1項に記載の方法。
(項目30)
1つの位置の周波数上のレベルまたは全ての位置の周波数上の平均レベルが、基準として取られ、引き続き、上記目標関数からの各個々の位置の距離が決定される、項目1ないし項目29のいずれか1項に記載の方法。
(項目31)
上記個々の距離は、加算されて、上記基準からの全体的な距離を表すコスト関数を導く、項目30に記載の方法。
(項目32)
上記コスト関数を最小化するために、どの位相シフトが、該コスト関数に対するどのような影響を与えるかが調べられる、項目31に記載の方法。
(項目33)
全ての位置の平均レベルを表わす関数を決定するステップと、
第一の因子によって、該平均レベル関数を表わす該関数を反転し重み付けするステップと、
該第一の因子と相補的である第二の因子によって重み付けされた内部距離を加算し、修正コスト関数を表わす新たな内部距離を導くステップと、
該修正コスト関数を最小化するステップと
をさらに含む、項目30ないし項目32のいずれか1項に記載の方法。
(項目34)
周波数変化ごとの上記位相シフトは、所定の最大位相シフトに制限され、
そのように制限された位相シフト範囲のそれぞれに対して、局所最小は、各周波数に対して決定され、次いで、位相イコライジング処理において、新たな位相の値として機能する、項目1ないし項目33のいずれか1項に記載の方法。
(項目35)
個々のラウドスピーカに対する上記位相イコライジング関数を決定するステップと、
引き続き、上記古い基準信号を上記新たな位相イコライジングされたラウドスピーカのグループと重ね合わせることによって、新たな基準信号を導出するステップと
を包含する、項目1ないし項目34のいずれか1項に記載の方法。
(項目36)
上記新たな基準信号は、調べられるべき次のラウドスピーカに対する基準として機能する、項目35に記載の方法。
(項目37)
調査中の全ての位置の周波数上での平均振幅から基準を導出するステップと、
次いで、振幅イコライジング関数によって、目標関数に該基準を適合させるステップと
をさらに包含する、項目35または項目36に記載の方法。
(項目38)
上記目標関数は、調べられるべき全ての位置に対して同じである、項目37に記載の方法。
(項目39)
上記目標関数は、各位置での目標関数に自動的に従う自動イコライジングアルゴリズムの修正された合計振幅応答である、項目38に記載の方法。
(項目40)
グローバルイコライジング関数を導出するために、全ての位置の平均振幅応答から上記目標関数を減算するステップをさらに包含する、項目39に記載の方法。
(項目41)
上記グローバル振幅イコライジング関数は、全てのグループに適用される、項目40に記載の方法。
(項目42)
上記位相および/または振幅イコライジングは、最小位相FIRフィルタリングによって実行される、項目1ないし項目41のいずれか1項に記載の方法。
(摘要)
サウンドシステムを目標サウンドに調整する方法であって、該サウンドシステムは、音響サウンド信号に変換されるべき電気サウンド信号を供給される少なくとも2つのグループのラウドスピーカを有し、該方法は、該それぞれの電気サウンド信号を各グループに順次供給するステップと、各グループのラウドスピーカに対する該目標サウンドからの該音響サウンド信号の偏差を順次評価するステップと、少なくとも2つのグループのラウドスピーカに供給された該それぞれの電気サウンド信号をイコライジングすることによって、該目標サウンドからの最小偏差に、該少なくとも2つのグループのラウドスピーカを調整するステップとを包含する、方法。
以下の例は、例えば、本発明によるイコライジングフィルタを自動調整するためのアルゴリズムで、以下のテキストでAutoEQとも称されるアルゴリズムを形成するための手順および探索を記載する。2つの手順が探索され、順次方法、および、測定されたレベルプロファイルと所定の目標関数との最大間隔を考慮に入れる方法と一緒に、さらに詳細に以下に開示される。得られた結果は、次いで、自動イコライジングに用いられる、すなわち、関与するパラメータに対する手動の影響は一切受けることはない、方法を導出するために用いられる。考慮に入れられるべき主たる音調感度(tonal sensitivity)は、この場合、サウンドの人間の知覚の心理音響パラメータを備え、ロケーション能力、音調性(tonality)、および、ステージングである。
この場合、ロケーション能力は、また、ローカライゼーションとも称され、例えば、ステレオ信号の重ね合わせの結果から、ヒアリングイベントが認識されたロケーションを意味する。音調性は、サウンドの時間アレンジメントおよび調和、ならびに、例えば、ステレオオーディオ信号で表される有用信号に対する背景ノイズの比に起因する。ステージングは、オーケストラに起因するステージングのように、個々のヒアリングイベントからなる複合ヒアリングイベントの発生点の認識の作用を指して用いられる。この場合、例えば、楽器である個々のヒアリングイベントは、それら自身のロケーション能力を常に有する。
原則的に、ステレオオーディオ信号によって生成されるファンタムサウンド源のロケーション能力は、到着サウンド信号の遅延時間差、到着サウンド信号のレベル差、右耳と左耳との間の到着サウンドの両耳間レベル差(両耳間強度差IID)、右耳と左耳との間の到着サウンドの両耳間遅延時間差(両耳間時間差ITD)、頭部伝達関数HRTFといった複数のパラメータ、および、レベルが上がった特定の周波数帯に依存する。前記ロケーション能力は、この後者の場合において、これらの特定周波数帯のサウンド信号における
同時の遅延時間差またはレベル差を一切伴うことなく、これら周波数帯におけるサウンドのレベルにのみ依存する前方、上方および後方という意味での空間方向ローカライゼーションを有する。
空間音響認識に対する主たるパラメータは、両耳間時間差ITD、両耳間強度差IID、および、頭部伝達関数HRTFである。ITDは、側面から来るサウンド信号に応答して右耳と左耳との間の遅延時間差から生じ、0.7ミリ秒までの大きさのオーダーを取る。音速が、343m/sである場合、これは、音響信号の経路長さで約24センチメートルの差に相当し、そして、このように、人間の聴取者の解剖学的特性に相当する。この場合、ヒアリングは、第一波面到着の法則の心理音響効果を見積もる。同時に、側面で頭に到着するサウンド信号にとって、空間的にさらに遠い耳に加えられる音圧は、サウンド減衰のために、より小さい(IID)ことは明らかである。
また、人間の耳の外耳は、聴覚系の中で受信されたオーディオ信号に対する伝達関数を表わすように形成されることは、周知である。外耳は、このように、所与のサウンド信号入射角に対する特徴的な周波数応答および位相応答を有する。この特徴的な伝達関数は、聴覚系に入り、空間的聴取能力に大きく寄与するサウンドに畳み込まれる(convolved)。さらに、人間の耳に到達するサウンドは、また、さらなる影響によっても変化する。これらの変化は、耳の環境によって、すなわち、体の解剖学的構造によって生じる。
人間の耳に到達するサウンドは、一般的な空間音響のみならず、頭の影になること、あるいは、肩または体の上で反射することによって、耳への経路上で既に変化してきている。これらの影響を全て考慮する特徴的な伝達関数は、この場合、頭部伝達関数(HRTF)と称され、サウンド伝達の周波数依存性を記述する。HRTFは、このように、聴覚系が音響サウンド源のローカライゼーションおよび認識のために用いる物理学的特徴を記載する。この場合、また、入射サウンドの水平な角度と垂直な角度との間に相関がある。
ステレオ表現の最もシンプルな実施形態において、相関信号は、2つの物理的に離れたラウドスピーカを経由して提供され、この2つのラウドスピーカの間で、いわゆるファンタムサウンド源を形成する。ファンタムサウンド源の表現が使用されるのは、異なるラウドスピーカによって形成された2つ以上のサウンド信号の重ね合わせおよび足し合わせの結果、ラウドスピーカのないところからヒアリングイベントが認識されることによる。同じレベルの2つの相関信号は、ステレオ配置における2つのラウドスピーカによって再生され、次いで、サウンド源(ファンタムサウンド源)は、ラウドスピーカベースに、すなわち、中央にあるかのように位置づけられる。これは、ラウドスピーカを多数用いるサウンドシステムを介するオーディオ信号の提示に、原則として、適用される。これは、今日、家庭内のステレオシステムにおいても、自動車用用途においても双方に、普通に利用されている。
ファンタムサウンド源は、2つのラウドスピーカ信号の間の遅延時間差および/またはレベル差の結果として、ラウドスピーカの間で移動し得る。15dBと20dBとの間のレベル差、および0.7msと1msとの間の遅延時間差で最大2msまでの遅延時間差は、信号によっては、ファンタムサウンド源を一方の側の端に極端にシフトすることを必要とする。
車内のラウドスピーカ構成に対する座席位置(運転手、前方席の客、座席の前列および後列)が非対称であると、サウンドは、単一の聴取者の位置に対して、同じ位相で到着することも、同じ遅延時間で到着することもない。非対称な座席配置は、主として、空間感度を変化させる。しかし、音調性およびローカライゼーションにも、また、悪影響を与えられる。ステージングは、聴取者の前で不均等に両側に拡がる。個々の聴取者位置に対して遅延時間補正は可能であろうが、該遅延時間補正は1つの個人席に対して特別にマッチングするように自動的に導くと、その自動車内の残りの座席に対しては、不利な影響を与えるので、望ましくない。
既に述べたように、空間的方向ローカライゼーションは、特定の周波数帯のサウンドレベルに依存し、そこには、同時に、それらのサウンド信号の間で遅延時間差またはレベル差が一切ない(例えば、前方から来るモノ信号)。例として、この場合、1kHzおよび10kHz超の中間周波数(狭帯域テスト信号)に対して、テスト対象は、それら対象の後ろにあるように提供される信号を位置づけ、その一方で、8kHzの中間周波数の同一のサウンドイベントは、上にあるとして位置づけされることが、探索によって示された。信号が約400Hzまたは約4kHzの周波数を含む場合、次いで、このサウンドは、前方から来たサウンドの印象を強調し、こうして、信号の存在を強調する。これらの異なる周波数範囲は、図1に示され、Blauert方向決定帯(Jens BlauertによるRaeumliches Hoeren(空間リスニング)、Hirzel Verlag、Stuttgart、1974年)と称される。所望のヒアリング感度を生成するために、これら様々な周波数帯が複合サウンド信号の空間的ローカライゼーションに与える影響の知見は、複合サウンド信号をフィルタリングまたはイコライジングするのに非常に有用であり得る。なぜなら、事前に、これらの周波数範囲を決定することが可能だからである。例えば、これらの周波数範囲では、周波数範囲の決定と関連するフィルタリングおよびイコライジングによって、最大限可能な所望の効果を最もよく達成される。
異なる周波数範囲のレベル、ラウドスピーカ間およびラウドスピーカグループ間でのレベル差、右耳と左耳に到着する信号間での位相差のような様々なパラメータの影響が、ローカライゼーション能力、音調性およびステージングへ及ぼす効果について、以下のテキストで探索される。これは、得られた知見を次に使用することにより、例えば、自動車のサウンドシステムの自動イコライジング方法を導くためである。
探索の間、安定な音調特性および良好なロケーション(ロカライゼーション能力)の生成は、到着サウンド信号の位相角度を支配することによってのみ、本質的に達成され、振幅のイコライジングによって達成され得ないことが分かった。この場合、マッチング処理は、上述されたBlauert方向決定帯を考慮し、かつ、サウンドシステム内の個々のラウドスピーカグループを考慮して実行された。本発明によると、この手順は、この場合、最適ヒアリング環境の調整のために、音響学者による既知の手順と同様である。この手順は、相互に関連するラウドスピーカのグループが、所望の要求される周波数応答に対する自身の寄与を決定するために、連続的に処理されること(シーケンシャル方法)で特徴付けられる。
要求される周波数応答は、この場合、基準として使用され、以下のテキストにおいて、周波数にわたるレベルおよび位相プロファイルの目標関数とも称されるが、ヒアリング試験の間に、決定される。この場合、個々のラウドスピーカの全てを有するサウンドシステムは、例えば、自動車の客室内でサウンドを生成するときの条件のような実験室(低反響室)条件で、シミュレーションされる。この場合、試験対象の有意なグループは、クラシック、ロック、ポップなどの異なるスタイルの音楽を備える様々なサウンド信号が提供された。試験対象は、サウンドシステムのパラメータ(例えば、ラウドスピーカのクロスオーバフィルタの遮断周波数、様々なスペクトル範囲、それゆえ、ラウドスピーカグループ(ウーファ、中間トーンスピーカ、高音ラウドスピーカ)のレベルプロファイル、あるいは、テスト対象のロケーションに到着するサウンド信号の位相角)の異なる設定に対し、その主観的なヒアリング印象(音調性、ローカライゼーション能力、存在、ステージングなど)を再生する。この結果、自動車内のサウンドシステムのイコライジングに対する基準として使用され、実際の環境条件におけるこれら環境システムによりできるだけ正確に達成することが意図される理想化された目標関数が決定される。この場合、ヒアリング環境を複雑なサウンドシステムで、所望の個々の特徴を有するように形成することが可能になり、それゆえ、サウンドシステム、および/または、例えば、ラウドスピーカの特定のメーカに慣れた聴取者と関連し得るヒアリング環境を形成することが、例えば、可能になることに留意すべきである。
さらに以前で述べた、最適リスニング環境を達成するために、サウンドシステムのイコライジングのために述べたラウドスピーカグループは、この場合、例としてであって、サブウーファ、ウーファ、後方、側面、前方、中央のグループを備え、例えば、前方左、後方右にあるこれらラウドスピーカグループの位相は、それぞれのラウドスピーカグループからの信号が、左耳と右耳とで同じ位相で、できるだけ離れて到達するようなイコライジング処理によってマッチングされ、こうして、可能な最善のロケーション能力効果を達成できる。
典型的に、音調性の調整処理は、個々の独立したラウドスピーカのグループの位相が一度マッチングすれば、開始される。この目的のために、個々のラウドスピーカのグループは、最初に、総和目標関数に対応するレベルに対して、別々にイコライジングされる。この結果、中高トーンラウドスピーカのペアの全てが、同じように聞こえるようになる。個々のラウドスピーカグループにおいて、および/または、個々のスペクトル範囲において、レベルが過度になると、いわゆるスイートスポット、すなわち、リスニング体験が指定されたパラメータの観点からその最適になる空間エリアを減らす。なぜなら、ローカライゼーションは、そのときに再生される信号に対して最も高いレベルを実際に生成するラウドスピーカのグループ上に固定されるからである。
一度、個々のラウドスピーカのペアをイコライジングするこの処理が一度実行されると、これらの個々のグループのレベルは、互いにマッチングされる。これは、個々の広帯域ラウドスピーカグループの測定サウンドレベルの最大を共通のレベル値に変更することによって、シンプルな形式で行われる。これは、特定のラウドスピーカグループのレベルを下げることによって、特定のラウドスピーカグループのレベルを上げることによって、あるいは、これらの技術をミックスして行われ得る。各場合とも、ラウドスピーカグループのどれもが、レベルを上げることによって、非線形歪みのような望ましくない効果が生じ得るような暴走が確実に起こらないように、一方、このラウドスピーカグループと関連する周波数成分の全てを確実に、もはや適切に送信できないような過度に低いレベルとならないように、注意が払われる。
低音チャネルのマッチングに対するレベルは、先述のイコライジング処理において同様に事前歪みを受け、この場合、幾分か改変された方法を使用して、正確に言えば、中間トーン範囲に対する全てのラウドスピーカグループの総和関数を、目標関数に関連付けることによって決定される。広帯域の場合において、低音チャネルのレベルは、マッチング処理の間に異なったように扱われる。
さらなる方法のステップにおいて、このラウドスピーカグループのレベルは、それぞれのラウドスピーカグループの周波数範囲にわたって平均化され、また、個々のラウドスピーカグループが互いにマッチングしなくてはならない、すなわち、共通の中間レベル値に変化しなくてはならない範囲に対する目安(measure)として使用され得る。この場合、上述のように、個々のラウドスピーカグループから、このマッチング処理が、過度に高いサウンドレベルまたは過度に低いサウンドレベルのような望ましくない効果に確実に導かれないようにするために注意が払われる。
さらに、サウンドレベルは、マッチングプロセスの前に、いわゆるA評価されたレベルを用いて、評価され得る。図2に示されるように、人間の耳の感度は、周波数に依存する。超低周波数でのトーンおよび超高周波数でのトーンは、この場合、中間周波数のトーンより静かなものとして認識される。
この文脈において使用されるボリュームと音の大きさ(loudness)という表現は、同じ感度変数に関連し、その単位が異なるのみである。これらは、人間の耳の周波数依存感度を考慮に入れる。心理音響変数の大きさは、特定のスペクトル成分を有し、特定の継続時間に対するサウンドイベントが、特定レベルで主観的に、いかに大きく認識されるかを示す。サウンドが2倍の大きさとして認識されるとき、その大きさは、2倍にされ、こうして、音の大きさは、認識されたボリュームに対して異なるサウンドイベントの比較を可能にする。音の大きさの評価および測定の単位は、この場合、ソーンである。ソーンは、40ホーンのサウンドイベントの認識されたボリューム、すなわち、40dBの音圧レベルを有する1kHzの周波数の正弦波トーンと同等に大きいとして認識されるサウンドイベントの認識されたボリュームとして定義される。
中間および高いボリュームレベルにおいて、10ホーンずつボリュームを上げると、音の大きさは倍になる。低いボリュームレベルでは、たとえ、わずかなボリュームの増加であっても、音の大きさが2倍になったものと認識される。この場合、人々によって認識されるボリュームは、音圧レベル、周波数スペクトル、および、時間にわたるサウンド挙動に依存し、同様に、マスキング効果のモデリングに対しても使用される。一例として、音の大きさ測定の標準化された測定方法は、DIN45631、および、ISO532Bに従うものが存在する。
図2は、等しいボリュームのカーブを示す。この場合、周波数は、横座標軸に対数で示され、提供された狭帯域サウンドのレベルLは、縦座標軸に示される。単位がホーンである様々なレベルボリュームL、および、単位がソーンである関連する音の大きさNに対して、同じ音圧レベルLを有するトーンまたはノイズは、中間周波数でよりも、低周波数および高周波数で、より静かであると認識される。図2の図は、E.ZwickerおよびR.Feldtkellerによる「Das Ohr als Nachrichtenempfaenger(情報受信機としての耳)」(S.Hirzel Verlag、Stuttgart、1967年)から引用された。
ボリューム感度の周波数依存性に関する知見は、様々なラウドスピーカグループをマッチングする前に、サウンドに含まれる周波数に上述したA評価を施すことによって、本発明に従って考慮され得る。A評価は、測定サウンドレベルの周波数依存性補正である。この補正によって、単位としてdB(A)を用いて記述されるこの評価から得られるレベル値を用いて、人間の耳の生理学的ヒアリング能力がシミュレーションされる。一般的に知られるように、A評価によって、高および低レベルは、減少し、中間レベルは、(わずかに)増加する。
しかしながら、個々のラウドスピーカグループによって初期に実行されるように、提供された周波数帯の比較的粗いサブ分割を用いるより、むしろ、周波数範囲をさらにサブグループにサブ分割することによって、かなり異なるマッチング処理が得られる。これは、ラウドスピーカグループにおける近接する境界のある周波数範囲の任意のレベルピークが、このラウドスピーカグループによって表される全周波数範囲の対応する減少を招くことを防ぐ。この場合、このサブ分割は、例えば、3分の1の端数で、あるいは、人間のヒアリングの特徴に向けられた領域で実行される。このサブ分割については、さらに詳細に以下に記載される。
個々のイコライジングされた周波数範囲またはラウドスピーカグループのレベルプロファイルの加算は、所望の要求される周波数応答のプロファイルに、必ずしも対応しないので、個々のイコライジングされた範囲およびグループの加算から得られるその総和関数自体は、さらなる処理ステップでイコライジングされる。本発明によると、この手順は、この場合、再び、最適ヒアリング環境の調整のために音響学者によって既知の手順と同様であり、すなわち、ラウドスピーカグループの順次処理である。
この処理の間、総和レベルのプロファイルに最大の影響を有するグループは、まず、このことが、結果として、要求される所望の周波数応答にできるだけ近いプロファイルとなるように変化される。この最大の影響を有するラウドスピーカグループへのこの変化は、事前に規定された範囲内で実行される。これは、ラウドスピーカグループのどれについても、レベルを上げることによって暴走して、非線形歪みのような望ましくない効果を生じ得るのをもう一度確実に起こらないようにし、一方で、過度にレベルを下げることは、このラウドスピーカグループと関連する周波数成分の全ての適切な送信が、もはや確保できないっことを意味し得る。
要求される周波数応答のプロファイルを、総和レベルの変化に最も寄与するラウドスピーカグループに、できるだけ正確に近似する狙いは、この場合に、考慮する周波数範囲で達成されないときは、総和レベルを変化させることに次に大きく寄与するグループは、次いで、変化させられる。本発明によると、この手順は、要求される周波数応答が適切に近似されるか、あるいは、対応するグループにおける許容レベルの変化に対し、事前に規定された所定の限界に達するまで続く。
実行された調査によって、ステージングおよび空間感度は、様々なラウドスピーカグループのボリュームが互いに対して変化するとき、特に、望ましいステージングが達成されると、グループの一連の処理における変化によって影響され得ることが示された。例えば、前方座席の乗客が、ステージングが、前方から、より認識されるヒアリング印象を与えられるべき場合、後方および/または側面のラウドスピーカは、下げられ得るか、あるいは、前方のラウドスピーカまたは中央のラウドスピーカは、そのレベルを上げる必要がある。
対照的に、ステージングの認識されるロケーションが、初期に、あまりにも上方または下方であるとき、あるいは、あまりにも前方または後方である場合、所望の効果は、達成され得る。ステージングの認識されるロケーションは、Blauert方向決定帯(図1参照)のエリア内の適切な中程度のレベル変化によって、必要に応じて最適化され得る。しかしながら、Blauert方向決定帯のエリア内の中程度のレベル変化の場合においてさえも、あるいは、個々のラウドスピーカグループがステージングを最適化するために上げるか、または、下げるかされる場合、要求される周波数応答に既にマッチングしている総和レベルにおける引き続く変化、そして、このように更新され、おそらく望ましくない要求される周波数応答からの不一致が、結果として生じ得ることは明らかである。
ステージングの最適化の結果であるこの望ましくない影響を、つまり、要求される周波数応答に既にマッチングしている総和レベルの引き続く変化をできるだけ小さくなるように保つために、本発明により、順次処理は、特定の方法で事前に規定される。この場合、本発明による手順は、事前に、イコライジングを調整するために個々のラウドスピーカグループを処理する順序の規定を含む。このイコライジングは、これが要求される周波数応答に対して、既に達成された近似からの不一致が最小化されることを実験的に確保するような方法で行われる。
例として、ステージングの認識されるロケーションをさらに前に移動したいと希望する場合、通常よく起こる状況であるが、イコライジングは、ラウドスピーカグループの以下の順序で、すなわち、サブウーファ、ウーファ、後方、側面、中央、前方の順序で実行されることが勧められる。この固定された所定の順序におけるバリエーションは、この場合、今日の音響環境に関する状況、および、特定の音響構成に対する好みに依存して規定され得る。例えば、経験から、この場合において、後方と側面とのラウドスピーカで、また、中央と前方とのラウドスピーカで、順序において相互に交換可能であり、この場合も、所望のステージングが生成され、しかし、音響環境の全体印象におけるバリエーションが可能である。これによって、既に要求される周波数応答に既にマッチングされた総和レベルを過度に変更せずに、手順自体の間に、ラウドスピーカグループの処理の順序の、事前に規定された巧みな選択をすることで、良好なステージングが可能になる。
一般的に、目的は、自動車内の音響表現に対して、位置にできるだけ依存しないイコライジング処理を行うことである。これは、イコライジング処理の目的が、そのようなスイートスポットを生成するべきのみならず、運転手および前方客席の乗客、ならびに、後列の座席の乗客のそれぞれの位置で、できるだけ大きな最適表現の空間エリアを提供しながら、できるだけ大きな空間エリアをカバーして、最適表現の領域をカバーすべきことを意味する。自動車の客室用サウンドシステムの測定およびイコライジングにおける同じ目的の、音響学者による手動作業を人が観察すれば、これらの音響学者が、左右がバランスされるように各ラウドスピーカグループのイコライジング用フィルタを設定しているのは、明らかである。これは、理解できることである。なぜなら、サウンドシステム自体のラウドスピーカと自動車の客室のインテリアとの双方の配置は、ハンドルとダッシュボードを除き、通常、厳格に左右対称となるように設計されているからである。この手順は、本発明による自動イコライジングのための本発明による方法にも適用される。
調整済みサウンドシステムのインパルス応答の記録によるそれぞれのイコライジング処理で達成された結果を判断するために、調査のコースの間、運転手、前方座席旅客、後方左および後方右用の4つの座席位置に、分離ディスクを一切用いない2つのB&K(Bruel & Kjaer、デンマーク)製1/2”マイクが、150mm離して導入された。これは、サウンドシステム内の伝達関数の調査のための通常の測定方法に対応する。
サウンドシステムを介する音響表現の最適化のさらなる局面は、個々のラウドスピーカに対して、また、周波数フィルタとも称されるクロスオーバフィルタの設定である。原則的に、これらのクロスオーバフィルタは、サウンドシステム全体の任意のイコライジング処理を実行する前の第一のステップとして、調整されなくてはならない。調査のコースが実行される間、この場合において、クロスオーバフィルタの自動調整用の許容可能な計算の複雑さを有する適切なアルゴリズムを開発することは比較的複雑であり、従って、これらのクロスオーバフィルタが更なる調査のコースの間、自動で調整されないことが分かっているので、最初に手動で調整された(クロスオーバフィルタを自動調整する方法は、さらに以下で記載される)。このような手動調整は、今回の場合のように、ラウドスピーカおよびその設置に対する物理的データが既知である場合、迅速で効率的に実行され得る。また、FIRフィルタ(有限インパルス応答フィルタ)またはIIRフィルタ(無限インパルス応答フィルタ)が、クロスオーバフィルタに対する実施形態として使用され得る。
FIRフィルタは、送信範囲において、非常に線形な周波数応答を有し、非常に高い遮断減衰、線形位相および一定のグループ遅延時間を有し、有限インパルス応答を有し、通常はアナログ信号のサンプリング周波数によって支配されるディスクリートな時間ステップで動作することで特徴付けられる。N番目のFIRフィルタは、この場合、以下の微分方程式:
で記載される。ここで、y(n)は、時間nの初期値であり、フィルタ係数bで重み付けされたN個の最も最近にサンプリングされた入力値x(n−N)からx(n)の総和から計算される。この場合において、所望の伝達関数、従って、信号のフィルタリングは、フィルタ係数bの定義によって達成される。
FIRフィルタとは対照的に、IIRフィルタも、また、計算(巡回フィルタ)において、既に計算された初期値を使用し、それらは無限インパルス応答を有し、初期振動がなく、レベル低下がなく、そして、非常に高い遮断減衰を有することで特徴付けられる。FIRフィルタに比べて不利な点は、IIRフィルタは、線形位相応答を有しないことであり、これは、音響アプリケーションにおいては、しばしば非常に望ましいことである。しかしながら、IIRフィルタの場合の計算値は、有限時間の後には、非常に小さくなるので、計算は、実際には、サンプル値nの有限な数の後に終了し、計算能力の複雑さは、FIRフィルタに対して要求される複雑さより、かなり緩和される。IIRフィルタの計算ルールは、
である。ここで、y(n)は、時間nの初期値であり、初期値y(n)のフィルタ係数aで重み付けされた総和に、フィルタ係数bで重み付けされ、サンプリングされた入力値x(n)の総和を加算したものから計算される。この場合、所望の伝達関数は、再び、フィルタ係数aおよびbの定義によって達成される。
FIRフィルタとは対照的に、IIRフィルタは、この場合、不安定であるが、同じインプリメンテーションの複雑さに対して、より高い選択性を有する。実際、選択されたフィルタは、要求された条件を、要求とその要求に関連する計算の複雑さとを考慮に入れて、最適に満足するものである。
今回の場合、このように、IIRフィルタの形式で、クロスオーバフィルタが使用されることが好ましい。FIRフィルタの使用は、FIRフィルタの場合は位相の線形プロファイルのために有利であるが、要求される低フィルタ遮断周波数のために使用の間は、望ましからぬ高レベルな計算の複雑さを招く。こうして、IIRフィルタは、以下のテキストにおいて、クロスオーバフィルタ用のベースとして使用されたが、この場合、これらのクロスオーバフィルタは、本発明による自動イコライジング(AutoEQ)処理を、そのパラメータが最初に引き続くAutoEQアルゴリズムに移送され、実行する前に調整される。これは、これらIIRフィルタによって生じた送信信号の位相歪みが、以上で更に述べたように、ロケーション能力に対し、位相マッチングのためのイコライジングフィルタの計算において考慮され、また、この位相歪みは、必要に応じて、適切に補償され得るように行われる。
個々のラウドスピーカグループのチャネルゲインは、自動イコライジング処理の開始前に、同様に設定されるべきである。これは、手動または自動で行われ得る。好ましい実施形態における自動マッチングのステップごとの手順は、例として、以下のように記載される。
1)最も静かなラウドスピーカに至るまでのより静かなラウドスピーカグループを、最も大きい(loudest)ラウドスピーカペアの周波数応答の振幅の最大値(maximum)に上げるように、全ての広帯域ラウドスピーカグループの周波数応答の振幅の最大値を最高(highest)値に自動マッチングする。
2)前もって自動で個々に既にイコライジングされた広帯域のラウドスピーカグループの平均レベルを目標関数に自動マッチングする。
3)その間にレベルがマッチングされた広帯域のラウドスピーカの周波数応答の振幅の総和を形成する。
4)ウーファラウドスピーカのチャネルゲインを広帯域ラウドスピーカの周波数応答の最大値または該周波数応答の振幅の総和の平均レベルに設定する。
5)ウーファラウドスピーカを含む広帯域ラウドスピーカの周波数応答の振幅の新たな総和を形成する。
6)サブウーファラウドスピーカのチャネルゲインを、5からのウーファラウドスピーカを含む広帯域ラウドスピーカの周波数応答の新たな最大値、または、該周波数応答の振幅の新たな総和の平均レベルに設定する。
さらに、また、レベルの最大値および/またはレベルの平均値は、A評価レベルとのマッチング前に、上述の方法ステップ1〜6に対しても随意に評価され得る。さらに以前に記載されたように、A評価は、人間の耳の生理学的ヒアリング能力をシミュレーションする測定サウンドレベルの周波数依存補正を表わす。
クロスオーバフィルタの使用とは対照的に、FIRフィルタは、その利点は、さらに上述のとおりであるが、サウンドシステムの増幅器における自動イコライジング(AutoEQアルゴリズム)に対して決定されるフィルタのインプリメンテーションにおいて使用される。実施形態に依存し、特に、広い帯域幅を有するとき、これらのFIRフィルタは、要求を実行するデジタル信号プロセッサの計算能力に対する厳しい要求を結果として生じ得るので、人間のヒアリングの心理音響特性は、この場合にも、また利用される。本発明によると、これは、周波数依存に対応する方法で、人間のヒアリング特性を組み込んで、フィルタリングが、フィルタバンクを介してFIRフィルタによって、周波数が増えるにともないフィルタの帯域幅も増やして、実行されるという点において達成される。
心理音響ヒアリング感度のモデリングは、この場合、人間のヒアリングの基本特性、特に、内耳のヒアリングの基本特性をベースとしている。人間の内耳は、いわゆる錐体骨の中に組み込まれており、非圧縮性のリンパ液で満ちている。この場合、内耳は、約2.5回巻きの虫(蝸牛)の形状をしている。蝸牛は平行に走るチャネルを有しており、上部および下部チャネルは、基底板によって分離されている。聴覚細胞を有する皮質器官は、この基底板上に位置する。基底板が、サウンドの刺激により振動を生じるとき、いわゆる移動波が、この処理の間に形成される。すなわち、振動腹または振動節がない。これは、ヒアリング処理、いわゆる、基底板上の周波数/ロケーション変換を支配する結果を招く。このプロセスは、ヒアリングの心理音響隠蔽作用および明確な周波数選択性を説明するために使用され得る。
この場合、人間のヒアリングは、限られた周波数範囲に収まる様々なサウンド刺激を備える。これらの周波数帯は、臨界周波数グループ、または、臨界帯域幅CBとも称される。この周波数グループの幅は、人間のヒアリングが特定の周波数範囲で発生するサウンドを組み合わせ、これらのサウンドから生じる心理音響ヒアリング感度の意味において、共通のヒアリング感度を形成するという事実に基づいている。この場合、1つの周波数グループ内のサウンドイベントは、異なる周波数グループ内で発生するサウンドと異なる影響を生成する。例えば、1つの周波数グループ内にある同じレベルの2つのトーンは、これらのトーンが異なる周波数グループ内にある場合に比べ、より静かであるように認識される。
エネルギレベルが同じであり、テストトーンの周波数がその中間周波数として有する周波数帯に、マスカ(masker)が収まるとき、マスカ内のテストトーンが可聴であるので、その周波数グループの所望の帯域幅を決定することが可能である。低周波数において、周波数グループは、100Hzの帯域幅を有する。500Hzを超える周波数において、周波数グループは、そのそれぞれの周波数グループの中間周波数の約20%に相当する帯域幅を有する(Zwicker,E.;Fastl,H.、Psychoacoustics − Facts and Models、第2版、Springer−Verlag、Berlin/Heidelberg/New York、1999年)。
臨界周波数グループの全てが、そのヒアリング範囲全体にわたって、連続的に配置された場合、単位としてBarkを用いる、音調性と称されるヒアリング指向非線形周波数スケールという結果になる。これは、周波数グループが、各ポイントで正確に1Barkの同じ幅を有するように、周波数軸の歪んだスケーリングを表わす。周波数と音調性との非線形関係は、基底板上での周波数/ロケーション変換に起因する。音調性関数は、Zwicker(Zwicker,E.;Fastl,H.、Psychoacoustics − Facts and Models、第2版、Springer−Verlag、Berlin/Heidelberg/New York、1999年)によって、閾値と音の大きさとをモニタした調査に基づいて、表形式で述べられている。以上のように、24の周波数グループは、その関連音調性範囲が、0〜24Barkとなるように、0〜16kHzの可聴周波数範囲で連続的に配置される。
本発明によるサウンドシステムの増幅器におけるアプリケーションに移ると、これが意味するのは、フィルタバンクは、各場合において、帯域幅が1Bark以下である個々のFIRフィルタから形成されることが好ましいということである。FIRフィルタは、調査を進めていくときに、実施形態を生成するために、自動イコライジングに使用される。しかし、可能性のある代替も存在し、それらは、例えば、急速畳み込み(rapid convolution)、PFDFCアルゴリズム(Partition Frequency Domain Fast Convolution Algorithm)、WFIRフィルタ、GALフィルタまたはWGALフィルタを含む。
サウンドシステムのレベルおよび/または増幅の自動イコライジングに対して、以下のテキストでは、「MaxMag」および「Sequential」とも称される2つの異なる方法が調査された。この場合の「MaxMag」は、以上でさらに記載された方法で、探索される。利用可能な独立のラウドスピーカグループの全ての中から、最大または平均レベルの観点で、周波数プロファイルの目標関数から最も遠く、それゆえ、レベルを上げるか、または、下げるかによって目標関数への近似に最大の寄与を提供するラウドスピーカを見出す。選択されたラウドスピーカグループの最大可能なレベル変化が、所定の限界値の領域に制限され、このケースにおいて目標関数に完全に近似するのには十分でないと分かった場合、許容可能な限界値内で選択されたラウドスピーカグループに対して設定される値は、目標関数に最大可能な近似ができる値である。これに引き続き、選択され、そのレベルが変化されるラウドスピーカグループは、レベルが、まだマッチングされていないラウドスピーカグループの中からの目標関数からの最大のレベル差を現時点で有するものである。この方法は、目標関数が十分な精度に到達したとき、または、システム全体の動的限界、すなわち、イコライザによる許容可能な減少または増加(限界値)が、それぞれのラウドスピーカグループ内で使い果たされるまで続く。
対照的に、以上に詳細に記載されたように、Sequential方法は、既存のラウドスピーカグループを、先に定義された順序で、連続的に処理する。この場合、ユーザは、順序の先に述べた定義によって、ステージングのマッピングに、記載された影響を生成し得る。この場合も、自動アルゴリズムは、また、許容可能な限界(動的範囲)内の第一のラウドスピーカグループをただイコライジングすることによって、目標関数に最適な近似を達成しようと試みる。
この方法をさらに改善するために、この方法は、各周波数ロケーションで、各グループがその最大動的限界にもはや到達しないが、制限された動的範囲でのみ今や機能し得るように改変された。このアルゴリズムは、重み付けパラメータとして、この周波数ロケーションで、既存の総和信号ベクトルに関連するグループの信号ベクトルの比を使用する。これによって、第一のグループが(広帯域幅にわたって)過度に減衰されるように処理されることは避けられる。総和関数の最小に向けられ、次いで、所定の周波数範囲の総和伝達関数の最小値が、目標関数未満の最大許容可能な増加で位置づけられるように、目標関数をスケーリングする自己スケーリング目標関数の導入によって、これは、「MaxMag」および「Sequential」の2つのバージョンの強みと弱みとを示した。
しかしながら、この手順は、第一のラウドスピーカグループのレベルプロファイルをもたらし、このレベルプロファイルは、広帯域にわたって比例する以上に上げるか、あるいは、下げるかされて、記載された「Sequential」方法を用いてイコライジングすることによって改変される。一方、対照的に、「Sequential」方法を用いて処理された他のラウドスピーカグループは、どのような変更も施されないか、あるいは、わずかな変更のみしか施されない。なぜなら、目標関数は、第一のラウドスピーカグループをイコライジングすることによって、既にかなり近似されているからである。この場合、ことによると、一つの不利な効果は、定義された順序の第一のラウドスピーカは、この手順の結果、続くラウドスピーカのグループが、ほとんど変化しないまま残り、大きな増加または減衰を経験し得ることである。従って、第一のラウドスピーカのグループによって表わされる周波数範囲が、比例以上の増幅または減衰となり、所望のサウンド印象からのかなりの不一致を導き得る。
「Sequential」方法は、引き続き、単一のラウドスピーカのグループが、理論的な最大利用可能な動的範囲内で、もはや上げ得ることも下げ得ることもできないが、それより小さい動的範囲内でのみ、上げ得ることも下げ得ることもできるように修正され得る。この小さくなった動的範囲は、当初の最大動的範囲を重み付けすることによって、この当初の最大動的範囲から計算される。この重み付けの際、その関連ラウドスピーカグループの中でこの周波数範囲にあるラウドスピーカグループの全てからの合計全体レベルに対する関連ラウドスピーカの全体レベルの比から取得される因子を用いる。従って、この因子は、常に1(unity)より小さく、関連ラウドスピーカのグループに対して、調節された最大動的範囲を制約する結果となる。これは、先に決定された順序で処理される第一のラウドスピーカグループのレベルプロファイルが、自動イコライジング処理のコースにおいて、望ましくないほど、強烈に上がること、または、下がることを確実に避ける。
ラウドスピーカグループの最大制御範囲(動的範囲)に、この制約を考慮するために、また、改変が、達成されるべき目標関数にも導入されてきた。これは、ラウドスピーカグループの制御範囲が小さくなったにも関わらず、所望のレベルおよび位相プロファイルの目標関数に対する信頼性のある近似を常に確保するためである。この場合、達成されるべき目標関数は、その全体のレベルプロファイル(周波数応答を変化させることのないレベルプロファイルの平行シフトで、以下のテキストで、また、スケーリングとも称される)にわたって、上げるか、または、下げるかされる。これは、所定の周波数範囲で、この目標関数と、考慮されるべきで、自動イコライジング処理によって調整されるべきラウドスピーカグループ全てのレベルプロファイルの総和関数との間隔が、個々のラウドスピーカグループのレベルプロファイルで上述した方法を用いて決定されるような最大増加または最大減少より大きくならないようにする。
目標関数と全ラウドスピーカグループの総和関数とのレベルプロファイルが比較される特定の周波数範囲は、例えば、使用されているラウドスピーカグループの送信帯域幅に向けられ得るが、以上で更に述べたように、Barkスケールに向けられることが好ましい。すなわち、周波数グループの広周波数範囲または部分的範囲の領域において、こうして、もう一度、この場合、特定のトーンレベル認識およびボリューム感度(音の大きさ)における人間のヒアリングの生理学的ヒアリング能力を考慮に入れる。
上述の実施形態をベースとする「Sequential」および「MaxMag」の2つの方法によって達成されるラウドスピーカの設定の結果は、適切な対象を用いるヒアリング試験によって、すなわち、サウンドシステムによって形成されたサウンド環境の評価における体験を有する対象を用いるヒアリング試験によって得られる。この場合、これらの試験は、自動車の客室の4つの座席位置の各場合に対して、ロケーション能力、音調性およびステージングのようなヒアリング印象の主たるパラメータを評価するために、実行される。これらの座席位置は、運転手、前方旅客、後方左、および後方右である。
「MaxMag」方法に基づく方法に対して、これらのヒアリング試験は、サウンド印象の音調性は、前方座席上と後方座席上との双方で、かなりのプラスであることを示した。「MaxMag」方法を使用する評価の一つの不利な点は、ローカライゼーションおよびローカライゼーション明確度の悪化、それゆえのステージングの悪化も、全ての座席位置で認識されたことである。
個々のラウドスピーカグループをイコライジングする「MaxMag」方法に基づく処理は、最初に、そのラウドスピーカグループの変化(上げ、または下げ)が所定の目標関数に最も寄与するラウドスピーカのグループの全体にわたる総和関数を近似するラウドスピーカグループが主として強調されるので、自動化処理は、ラウドスピーカグループの不適切な処理順序となり得る。例えば、前方ラウドスピーカ用のラウドスピーカグループの場合、イコライジングする自動化アルゴリズムが最初に、目標関数への所望の近似への最大の寄与を識別し、それに対応して、そのレベルプロファイルを強く上げるか、または下げるかする状況が、発生することがあり得る。
さらに以前に提供された記載から分かるように、前方ラウドスピーカは、大きな割合で、例えば、良好なステージングに特に寄与し、これは、その送信品質と関連するが、これらの前方ラウドスピーカは、このように使用され得る設備ロケーションおよびラウドスピーカの品質のおかげで、サウンドシステムの他のラウドスピーカグループと比べると、比較的問題がない。このような状況において、ロケーション能力に逆効果を有する邪魔なスペクトル成分を有し得る更なるラウドスピーカグループは、自動イコライジング処理には、もはや含まれない。その結果、上述した方法では、パラメータはさらに悪化する。
「Sequential」方法に基づく方法に対して、これらのヒアリング試験では、全ての座席位置で、提供されるオーディオ信号に対する非常に良好なチャネル分離およびローカライゼーション明確度が結果として得られた。「Sequential」方法を用いて、前方座席に非常にて良好な音調性が、また達成されるが、この音調性は、後方座席位置では、最初にこの方法によって扱われたラウドスピーカグループでの変化の結果、かなり悪化し、この悪化の度合いは、それぞれのラウドスピーカグループの最大許容可能な引き上げまたは引き下げに比例して増大する。これが意味するのは、「Sequential」方法に基づく処理が、個々のラウドスピーカグループ、特に、処理の所定の順序における第一のラウドスピーカグループでの最大減少または最大増加を小さくすることが既に導入されたにも関わらず、それでも、まだ過度の変化を生成する自動アルゴリズムを結果として生じることである。
今までに調査された自動イコライジング処理の実施形態において、実行されたヒアリングテストで使用されたこの2つの方法は、「Sequential」方法が、「MaxMag」方法に比べ、全体としては有利に見えるが、いずれも常に良好な結果を必ずしも生成するわけではない。自動化処理で、良好なローカライゼーションと良好な音調性との双方で達成し、また、自動車の客室内の前方座席位置と後方座席位置との双方で、これら双方を達成するために、記載された方法のさらなる改変が、以下のテキストで調査される。
さらなる調査から分かったことは、「Sequential」方法を用いるとき、ラウドスピーカのグループ、特に、それぞれの特定の順序における第一のラウドスピーカのグループのレベルで許容可能な減少に、さらに大きな制約があっても、ヒアリング感度のような音調性に対してさえも、全ての座席位置に対して満足いく結果を達成することが可能なことである。これは、先述の自動イコライジングの実施形態では、後方座席位置では満足いかなかった。以上でさらに述べたように、達成されるべき目標関数は、その全体プロファイルレベル(周波数応答の変化なしでのレベルプロファイルのスケーリング、平行シフト)にわたって上げるか、または、下げるかされる。これは、目標関数と、考慮されるべきで、自動イコライジング処理によって処理されるべき全てのラウドスピーカのグループのレベルプロファイルの総和関数との間隔が、所定の周波数範囲において、それぞれの周波数範囲における個々のラウドスピーカグループのレベルプロファイルでの最大許容可能な引き上げ、または引き下げよりも大きくならないようになされる。
これは、イコライジング処理によって近似されるべき目標関数が、考慮されるべきラウドスピーカグループ全てのレベルプロファイルの総和関数の最小レベルでのその絶対位置におけるこのスケーリングによって位置合わせされることを意味する。これは、この近似されるべき目標関数において、通常、減少となり、一部の場合は、かなりの減少となる。なぜなら、考慮されるべきラウドスピーカグループ全てのレベルプロファイルの総和関数は、強調された最大、および、特に、強調された最小で、非常に揺らぎのあるプロファイルを有するからである。このように、前の処理ステップにおいて、考慮されるべきラウドスピーカグループ全てのレベルプロファイルの総和関数を変化させることは望ましい。それは、これらの強調された最大、および、特に、強調された最小がもはや発生しないように、そして、その結果として、目標関数のこの総和関数に対する絶対位置のマッチングまたはスケーリングが、元々の特定の目標関数での更に少ない減少となる。
これは、以下のテキストにおいて、マッチングによって達成される。このマッチングは、レベルプロファイルの目標関数に対する、個々のラウドスピーカグループ(総和関数ではない)のレベルの「事前イコライジング」とも称される。この事前イコライジング処理は、以上で既に述べたような位相のイコライジングと合わせられて、また、イコライジング前にすら、実行される。位相は、それぞれのラウドスピーカグループからの信号が、左耳と右耳とに、できるだけ同じ位相で来るように、イコライジングによってマッチングされる。個々のラウドスピーカグループのこの以前の事前イコライジングは、また、該総和関数をもたらす。この総和関数は、この段階で、目標関数に近似される個々のラウドスピーカグループのレベルプロファイルから、総和関数で強調された最小の結果としての、目標関数における大きな減少の上述された問題が、もはや発生しない程度において生ずる。
事前イコライジング処理のコースの中で決定されるイコライジング値は、この場合、「Sequential」方法によって、引き続く最終イコライジングするための初期値として、使用される。しかしながら、ラウドスピーカグループ全てにわたるレベルプロファイルの加算前に、事前イコライジング処理による第一のステップで目標関数に近似されたようなラウドスピーカグループのレベルは、それぞれ関連クロスオーバフィルタによって境界づけられる自身の周波数範囲で、互いにマッチングされなくてはならない。このマッチング処理は、必要であるのは、様々なラウドスピーカグループは、有効性が異なり得るからである。また、各ラウドスピーカグループが、できるだけ同一のボリューム感度を生成することは、望ましい。これは、ボリューム感度が、様々なラウドスピーカグループのサウンド成分に対して同じとき、これらのサウンド成分を生成するために、これらのラウドスピーカグループが、かなり異なる電圧レベルで動作されることとなり得るからである。
グループ間のレベル差は、事前イコライジング処理によっても増幅される。なぜなら、イコライザの動的範囲は、大きな減少が許され、しかし、わずかな増加しか許されないように設計されるからである。グループの周波数応答が目標関数から大きな程度に異なれば、それゆえ、かなりのレベルの減少が期待されねばならない。大きなレベルの増加は、それゆえ、許容可能ではない。なぜなら、それらは高フィルタQ因子と、特に関係のあるものとして、妨害するものとして認識されるからである。
適切なヒアリング試験および測定を検証することは可能であったように、記載された方法の所望の結果は、一度イコライジング処理が実行されたら、全てのラウドスピーカグループの送信応答は、広帯域にわたって維持され、ラウドスピーカグループそれぞれは、それぞれ自身の権利の中で、良好な音調性と、考慮中の4つの座席位置全てに、できるだけ大きく可能なスイートスポットをもたらすように、全体のサウンド印象に寄与するという点において得られる。
さらに、その結果得られる総和伝達関数は、すなわち、ラウドスピーカグループの全てにわたるレベルプロファイルの加算は、所望のレベル周波数応答の目標関数に対して、その自身の権利の中で、事前イコライジングするステップによって、ある程度まで近似される。この程度は、目標関数がもはや総和関数最小に対する、スケーリング処理で、そのような大きな程度まで減少される必要はない程度であり、確かに強調が少なくなっている。上述されたように、これは、再び、サウンドシステムにおける全てのラウドスピーカのレベルプロファイルの総和を自動イコライジングするための既に記載された2つの方法(「Sequential」および「MaxMag」)の一方の発明に従う使用に対する事前条件である。これは、最終的に、全ての座席位置に対して、バランスのとれたサウンド印象を得るためでもある。
今までは、ラウドスピーカのイコライジングは、2つ以上のラウドスピーカのグループで実行されてきた。しかしながら、振幅および位相に基づくラウドスピーカのグループ(1つのみのラウドスピーカのグループをそれぞれ形成する)全てにおける各個別のラウドスピーカのイコライジングは、音界で以前に達成された厳密な対称性が結果として得られたこの処理は、もはや得られないのであるが、より良好な結果すらも得られることを示した。この場合、個々のラウドスピーカの全てをイコライジングする利点は、例えば、運転手の座席位置のように、自動車の客室の1つの位置でのみ確かであるのみならず、他の座席位置でも確かである。
これに対する1つの前提条件は、記載された測定方法を用いて異なる座席位置で、両耳的に記録された伝達関数の結果が、イコライジングフィルタの定義に適切な重み付けとともに含まれることである。期待されるとおり、両耳的に測定された伝達関数の等しい重み付けによって、最適な結果を達成することが可能である。この左半球と右半球との空間伝達関数の同等に扱われた考慮は、イコライジングフィルタが、ラウドスピーカ特定ベースで現在設定されていたとしても、車内でのほぼバランスの取れた音響をもたらす。
個々のラウドスピーカベースのこのイコライジング処理は、個々に考慮されるべきフィルタの数を事実上50%増やす。なぜなら、専用イコライジングフィルタ、それゆえ、専用フィルタ係数セットは、ラウドスピーカグループのラウドスピーカ毎に自動イコライジングに対するアルゴリズムの各場合に、今、必要とされるからである。このラウドスピーカグループは、車内の長手方向軸に対して対称に配置され、その伝達関数は、過去と同じように、各場合において、共通イコライジングフィルタによってイコライジングされた。これから生じる追加の複雑さ、および、その結果、イコライジングフィルタの提供のためのデジタル信号プロセッサの計算能力に対するより厳しい要求は、発明者らの意見として、正当化されるように見える。しかしながら、一部の場合において、ヒアリングテストの結果は、認識されたヒアリング印象をかなりおよび顕著に改善される結果になる。
事前イコライジングの後に、ラウドスピーカ全ての伝達関数の総和関数をイコライジングする今までに記載された二段階手順は、記載された利点により、ラウドスピーカ特定ベースで、事前イコライジングとイコライジングとの双方が現在実行される手順とともに、保持される。処理ステップの以前の順序とは対照的に、チャネルゲインのマッチングは、しかしながら、もはや引き続き実行されないが、事前イコライジングが実行された後に実行される。この場合、チャネルゲインのマッチングとクロスオーバフィルタの調整との双方は、各ラウドスピーカグループに対して、以前のように、直接実行される。
これは、各場合におけるステレオラウドスピーカの対照的に配置されたペアの個々のラウドスピーカの伝達関数が、それらに適用される同じチャネルゲインおよび同じクロスオーバフィルタを有することを意味する。この規約は、調査のコースで、ラウドスピーカ特定のチャネルゲインを用いるとき、特にウーファラウドスピーカの場合、個々のチャネルゲインで大きな差が発生する一部の場合の状況が起こったので作られる。これは、サウンド印象を空間で、不自然な望まれない方法でシフトするものである。このタイプの問題は、クロスオーバフィルタが、ラウドスピーカ特定ベースで設計された場合にも、また起こる。ラウドスピーカ特定のクロスオーバフィルタは、通常はラウドスピーカペアであるラウドスピーカグループの各ラウドスピーカが、その周波数範囲での最大効率で動作されることを可能にする。しかし、ラウドスピーカ環境または設備状況が同じでないとき、ラウドスピーカグループ内の1つのラウドスピーカの送信範囲が、同じラウドスピーカグループの別のラウドスピーカの送信範囲とは、かなりの程度異なる状況が、結果として生じ得る。このような状況のクロスオーバフィルタが、ラウドスピーカ特定ベースで設計されたら、これは、同様に、その結果得られるサウンド印象の望ましくない空間シフトをもたらす。
クロスオーバフィルタリングと、位相応答と振幅周波数応答との双方のラウドスピーカ特定の事前イコライジングと、チャネルゲインのマッチングとを実行した後、総和伝達関数の細かいマッチング、すなわち、関与するラウドスピーカ全てのレベルプロファイルの総和のマッチングが目標関数に対して実行される。以前の手順とは対照的に、「MaxMag」方法に基づく処理は、この場合、「Sequential」方法に基づく処理より好ましい。事前イコライジング処理が、ラウドスピーカ特定のベースで、直ちに実行され、個々のラウドスピーカのわずかな数の狭帯域周波数範囲のみが、目標関数の所望の近似を達成するために、すぐに、フィルタアルゴリズムによって改変される必要がある。過去に「MaxMag」方法を用いていたとき、ロケーション能力の意味で望ましくない結果を導いていたイコライジングフィルタによって生成される広帯域および大きなレベル変化は、もはや発生しない。ヒアリング試験の結果は、ラウドスピーカ特定の事前イコライジング処理を用いることに対して、「MaxMag」方法に基づく自動イコライジング用の処理を用いてでも、良好なローカライゼーション能力が、直ちに達成されることが裏付けされている。この場合において、また音調性も、以前のラウドスピーカ特定の事前イコライジング処理で、追加的に改善される。
対照的に、ラウドスピーカ特定のイコライジングと合わせた「Sequential」方法に基づく処理の使用は、今や、かなりの不利な点を有し得る。この不利な点は、サウンド印象の大きな空間シフトの形式で明らかになる。これは、「Sequential」方法で規定される順序での処理チェーンにおける第一の個々のラウドスピーカが、最悪の場合、その関連する周波数範囲の全てにおける自身の伝達関数を変化させることによる。これは、通常は、(この方法の狙いであるように)目標関数からの距離が最小となるように、大きな範囲までイコライジングフィルタによって減らすことによってである。この狙いが、第一の個々のラウドスピーカによって既に達成されていたら、引き続くラウドスピーカの全ては、自動アルゴリズムによって、特に、追加的に、伝達関数が変更された個々のラウドスピーカが関連するバランスされたラウドスピーカのペアにおけるパートナーによって、もはや、それ以上一切処理されない。これは、広帯域での、関連する個々のラウドスピーカの周波数範囲のレベルプロファイルの片側減少を結果として生じる。これは、サウンドイベントの認識のロケーションの望ましくない空間シフトを招く。
必要であれば、この効果の影響は、「Sequential」方法に基づく処理を、ラウドスピーカ特定の事前イコライジングとは関係なく、既知のラウドスピーカグループのそれぞれに、連帯して適用することによって、弱めることができる。しかしながら、調査は、「Sequential」方法に基づくイコライジング処理のためのラウドスピーカの事前イコライジングから生じた変更された初期状況は、グループで実行された事前イコライジングを用いる「Sequential」方法に比べて、より貧弱な結果を招くことを示してきた。したがって、この方法は、さらに引き続いて、ラウドスピーカ特定の事前イコライジングと併せて、考えることは、もはや一切できなかった。
非線形のスムージングの影響の新たな調査は、過度のスムージング(例えば、サード(third)平均化)が、「活気のない(lifeless)」、「柔らかい(soft)」、または「色あせた(washed−out)」サウンド印象をもたらし、一方、対照的に、スムージングなし、または、ただの過度に弱いスムージング(例えば、サード/12平均化)は、過度に「硬い(hard)」、「甲高い(piercing)」サウンド印象をもたらすことを示した。それゆえ、サード/8平均化が、良好な妥協点になり得る。
以上に更に述べたように、クロスオーバフィルタは、以前の調査のコースにおいて、簡便化のために、手動で調整された。以下において、この調整処理を自動的にうまく実行するために一つのアプローチが探索される。なぜなら、本発明の目的は、自動車内のサウンドシステムにおいて、できるだけ分かりやすく、全ての局面をカバーする自動イコライジングの開発であり、これには、自動イコライジング処理におけるクロスオーバフィルタの調整も同様に含むからである。
クロスオーバフィルタの自動調整に関する以下の開示は、十分な次数のバターワースフィルタは、原則的に、関連ラウドスピーカのそれぞれの周波数応答の所望の描写に十分であるという仮定に基づいている。サウンドシステムのイコライジングに対して、何年にもわたって維持されてきた音響学者の実験値は、四次フィルタが、所望のクロスオーバフィルタ品質を達成するために、ハイパスフィルタおよびローパスフィルタの双方に十分であることを示している。高次フィルタは、例えば、より急峻なエッジ勾配を有することによって有利性をもたらすが、デジタル信号プロセッサでの実施に対するこの目的のために必要とされる計算時間の量が、対応する方法で同時に増加する。四次のバターワースフィルタは、それゆえ、以下のテキストでは使用される。
記載された測定方法を用いて両耳的に測定され、運転手席および前方客席でのレコーディングにわたって平均化された左後方ラウドスピーカの伝達関数は、図3の左上で使用される目標関数と比較して示されている。この場合から分かるように、この図から、特に、下部周波数範囲において、目標関数のプロファイルと比較して、測定された伝達関数のプロファイルからクロスオーバハイパスフィルタの下部遮断周波数を規定することは、難しいように見える。これとは、対照的に、クロスオーバローパスフィルタの適切な上部遮断周波数を規定することは、本ケースでは、非常に容易に決定され得る。
図3の右上図は、使用された目標関数と比較して、左後方ラウドスピーカの同じ伝達関数を示す。この伝達関数は、本発明による事前イコライジングを実行した後に、記載された測定方法を用いて両耳的に測定され、運転手席および前方客席でのレコーディングにわたって平均化されたものである。分かり得るように、調査される広帯域のラウドスピーカの伝達関数の境界範囲は、より著しく明確な方法で、はっきりとしており、グラフから難なく読み取られ得る。この場合、当業者は、このような伝達関数の表現および意味を扱うのに、熟練により援助される。しかしながら、自動イコライジング処理を実行することと併せて、クロスオーバフィルタの遮断周波数の定義が、どのようにアルゴリズムの補助として、十分に精度良く、信頼性があり得るかという疑問が上がってくる。
この目的のために開発されてきたアルゴリズムが以下に記載される。第一のステップにおいて、差が、目標関数と事前イコライジング後に決定されたそれぞれの伝達関数との間に形成される。検討中の例と関連する結果は、図3の左下の図に示されている。この差伝達関数は、以下のテキストでは、略して、差とも称され、以下のステップで調査され、この差関数の周波数が、特定の所定の限界範囲内か、その範囲を上回るか、あるいは、その範囲を下回るところで、これを決定する。この例示された例において規定された閾値は、例えば、目標関数に対応するレベルで事前イコライジングした後に決定されるような伝達関数での全ての周波数で生じる差関数のヌルポイントから±6dBに限界を有する対称的な限界範囲を決定する。
なぜなら、さらに以上で述べたように、とりわけ、人間のヒアリングは、周波数に関連する周波数分解能を有するので、限界範囲が上限を上回ったか、下限を下回ったかの評価の前に、平均化することによってスムージングされたレベル差関数に、測定データおよび目標関数から計算されるような差伝達関数が、導入される。この場合、それぞれの周波数での平均値は、1/8サード(third)オクターブ帯(以下では、単に「サード」と述べる)の幅を有する範囲にわたる実験値から計算されることが好ましい。これは、スムージングされたレベル差関数の分解能が、低周波数で高く、周波数が増加するとともに減少することを意味する。これは、人間のヒアリングの基本的な周波数依存性挙動に対応する。このように、その特徴は、図3のレベル差関数の図は、マッチングされる。
次いで、バイアス問題と、このバイアス問題から生じるスムージング依存の周波数シフトとを除去するために、低周波数から高周波数の方向に、および、高周波数から低周波数の方向に、シンプルな一次IIRローパスフィルタを一助にした更なる処理ステップで、再び、レベル差関数は、スムージングされる。このようにして生成されたレベル差スペクトルは、ここで、範囲限界(この場合、±6dB)を有する自動アルゴリズムによって比較され、これが、レベル差スペクトルのプロファイルのトレンドに対する値を形成するために使用される。この場合、このトレンドに対する値「1」は、上部範囲限界が、レベル差スペクトルのそれぞれの周波数で超えたことを示し、値「−1」は、レベル差スペクトルの上部範囲限界が、それぞれの周波数で下回ったことを示し、トレンドに対する値「0」は、それぞれの周波数でのレベル差スペクトルのレベル値が、所定の範囲限界内にあることを示す。このような評価の結果は、それぞれの周波数でのレベル差スペクトルの記載され、計算されたトレンドを示す赤いグラフとともに、図3の右下の図に示されている。
トレンドの評価前に、レベル差スペクトルの信号のスペクトルが上述のスムージングをされたにも関らず、レベル差スペクトルが、自動化方法において、すなわち、自動アルゴリズムを用いるとき、初期に知られない場合、所定の範囲限界が、比較的狭いスペクトル範囲内を超える状況が起こる可能性がある。例えば、サウンドが発せられるラウドスピーカおよび/または空間が、狭い共振ポイントを有し、レベル差スペクトルのプロファイルが、再び、所定の範囲限界を下回ったとき(同じタイプの状況は、また、所定範囲限界が目標を下回ったときも起こる)である。これらのような状況において、以前に記載された方法は、クロスオーバフィルタに対する明確な遮断周波数を決定し得ない。
このように、更なる処理ステップにおいて、1/8サードの幅を用いる各場合において、フィルタを用いて平均化して決定されるレベル値は、所定の範囲限界の連続的な上回りおよび下回りの周波数に対して、このように調査される。所定範囲限界の関連する上回りおよび下回りの特定の最小数(アルゴリズムで決定される)が、連続する周波数ポイントで上回ったときのみ、これは、所定範囲限界の信頼性ある上回りまたは下回りとして、こうして、クロスオーバフィルタの遮断周波数の周波数位置として、アルゴリズムによって解釈される。本場合において、±6dBの範囲限界で、1/8サードの幅を有するフィルタを用いてレベルプロファイルをスムージングし、1/8サードによって分離されたディスクリートなレベル値を有するこれから生じるレベルスペクトルでは、範囲限界(±6dB)を上回るか、あるいは、下回る関連レベル値のこの最小数は、典型的には、約5レベル値〜10レベル値である。
アルゴリズムによって処理されたそれぞれのラウドスピーカが、広帯域または狭帯域送信応答を有するように設計されたラウドスピーカであるかどうかによって、それぞれのラウドスピーカタイプの上部および下部遮断周波数が、経験によって、あるいは、そのラウドスピーカに対する特徴データに基づいて、移動する上部および下部遮断周波数範囲が事前に決定される。このようにして、自動アルゴリズムは、非常に頑強で、事前に既知のパラメータまたはパラメータ範囲を追加することで、適切になるように設計され得る。本場合で用いられた広帯域ラウドスピーカの場合において、例えば、fgu=50Hzの最小下部遮断周波数が仮定され得ると、一方で、低トーン範囲で使用される狭帯域ラウドスピーカ(ウーファ)の場合において、fgo=500Hzの上部遮断周波数が仮定され得る。最も大きい見出された関連するレベル上回りまたはレベル下回り範囲が、このように描かれた周波数範囲内に、現在位置される場合、レベル上回りおよび/またはレベル下回りの極値は、この周波数範囲(レベルプロファイルの最大および最小)内で探索される。
この場合、この最も大きい見出された関連するレベル上回りまたはレベル下回り範囲の極値が、この場合において、特定の遮断周波数(例えば、約1kHz)未満の場合、また、この極値がさらにマイナスの値(最小)をさらに有する場合、探し出されたクロスオーバフィルタに対して、ハイパスフィルタを使用するように決定がなされる。このハイパスフィルタの遮断周波数を見出すために、ここで、最小の周波数から開始し、より高い周波数の方向へ向かっての調査が、0dB線との最初の交点に対して事前イコライジングした後に決定されたようなレベル差関数の中で実行される。この周波数は、クロスオーバハイパスフィルタのフィルタ遮断周波数を意味する。
この最も大きい見出された関連するレベル上回りまたはレベル下回り範囲の極値が、特定の遮断周波数(例えば、約10kHz)を超えると、また、この極値がさらにマイナスの値(最小)をさらに有する場合、探し出されたクロスオーバフィルタに対して、ローパスフィルタを使用するような決定がなされる。このローパスフィルタの遮断周波数を見出すために、ここで、最小の周波数から開始し、より低い周波数の方向へ向かっての調査が、0dB線との最初の交点に対して事前イコライジングした後に決定されたようなレベル差関数の中で実行される。この周波数は、クロスオーバローパスフィルタのフィルタ遮断周波数を意味する。
複数の極値が存在する場合、この場合、少なくとも2つの最も強調された極値は、マイナスの性質であるはずだが、また、一方の最小が、特定の遮断周波数(例えば、約1kHz)未満で、他方の最小が、特定の遮断周波数(例えば、約10kHz)を超える場合、探し出されるクロスオーバフィルタに対して、バンドパスフィルタを使用するような決定がなされる。このバンドパスフィルタの遮断周波数を見出すために、ここで、例えば、約1kHzの遮断周波数未満である最小の周波数から開始し、0dB線との最初の交点に対して事前イコライジングした後に決定されたレベル差関数の中で、より高い周波数の方向に向かって、また、他方の最小から、あるいは、その周波数から、0dB線との最初の交点に対して、下部周波数の方向に向かって、調査が実行される。これらの周波数は、本発明による自動アルゴリズムの結果として、クロスオーババンドパスフィルタのフィルタ遮断周波数を意味する。図3の例に適用すると、この結果、fgu=125Hzの下部遮断周波数およびfgo=7887Hzの上部遮断周波数を有するクロスオーババンドパスフィルタを得る。
調節され、イコライジングされるべきサウンドシステムの中高トーン範囲の全ての広帯域ラウドスピーカのクロスオーバフィルタ遮断周波数は、上記の方法で決定され、設定される。狭帯域低トーンラウドスピーカのクロスオーバフィルタ遮断周波数は、さらなるステップで、別個に扱われ、ここでは、単に論理範囲限界に制限される。しかしながら、これは、最終値をまだ表わす必要はない。一般に、低トーンラウドスピーカ用のクロスオーバフィルタの下部範囲限界は、その下部遮断値fgu=10Hzで上記の処理をした後に留まる。一方、これとは対照的に、上部範囲限界は、広帯域ラウドスピーカの下部周波数、例えば、50Hzより大きいという条件で、広帯域ラウドスピーカの全ての最も低い遮断周波数によって支配される。この以前の規約が、上述の方法で重要である。なぜなら、クロスオーバフィルタ遮断周波数の全てが、一度設定されると、第二のランにおいて、クロスオーバフィルタを考慮して、目標関数へのより精度良い近似を達成するために、この完全な自動イコライジング処理(AutoEQ)は、再び実行されるからである。低トーンラウドスピーカに対するクロスオーバフィルタのこの最終範囲限界は、次いで、以下のテキストで記載されるように探索される。
一度、上述のように、広帯域ラウドスピーカの全てのクロスオーバフィルタが、定義され、低トーンラウドスピーカの狭帯域ラウドスピーカのクロスオーバフィルタは、適切な値に事前設定されると、低トーンラウドスピーカに対するより良好なフィルタ遮断周波数値の探索が開始され得る。この手順は、低トーン再生用狭帯域ラウドスピーカから広帯域ラウドスピーカへの周波数変移が、使用されている低トーンラウドスピーカの性質および数に依存するので、比較されるような方法では、容易に決定され得ないために必要である。
原則的に、特徴は、クロスオーバフィルタ遮断周波数の調整のための2つの典型的な状況の間に、引き付けられる。第一の状況は、1つのサブウーファのみ、または1つのウーファステレオペアのみによってモデル化される下部周波数の下部スペクトル範囲を有し、他の状況で、サブウーファとともに、ウーファステレオペアによってモデル化される低周波数の下部スペクトル範囲を有する。これらの2つの状況のいずれが適切であるかには、関わらず、ウーファのクロスオーバフィルタ遮断周波数は、この場合、いつも同じ方法で規定され、決定される。上述の2つの条件の間にあるサブウーファに対するクロスオーバフィルタ遮断周波数の計算に、その違いがちょうど引き出される。サブウーファのクロスオーバフィルタ遮断周波数は、この場合、1つのサブウーファのみが使用され、ウーファステレオペアが使用されない状況におけるウーファステレオペアに対しての場合と同様にして計算される。サブウーファに加え、ウーファステレオペアもまた存在する状況においてのみ、サブウーファのクロスオーバフィルタ遮断周波数が計算される方法が、変更される。
図4の左上の図に示されるように、特に、ウーファラウドスピーカから約50Hz〜約150Hzの範囲の広帯域への変移の場合、目標関数に対して、総和振幅周波数応答にピークがある(図4左上図の青いカーブ)。この場合、総和振幅周波数応答は、広帯域ラウドスピーカのレベル寄与およびウーファラウドスピーカのレベル寄与からのみ形成されることに留意されなくてはならない。存在し得る任意のサブウーファラウドスピーカは、この場合、この段階で無視される。変移範囲内の総和振幅周波数応答におけるピークをできるだけ小さく保つために、あるいは、この変移範囲をできるだけ目標関数にマッチングさせるために、図4の図に境界線で示されているように、事前イコライジング後の総和伝達関数(図4の左上図の青いカーブ)と目標関数(図4の左上図の黒いカーブ)との間をできるだけバランスされた差を求めるサーチが、上部および下部スペクトル範囲の中でのみ実行された。この場合、最小距離を求めるサーチが実行される上部スペクトル範囲は、ウーファラウドスピーカの上部フィルタ遮断周波数に由来する。この遮断周波数は、これ以前に、すなわち、広帯域ラウドスピーカのクロスオーバフィルタ遮断周波数を求めるサーチの間に、既に決定されている。この場合、上述のように、fgo=500Hzであると規定された低トーンラウドスピーカの二重上部フィルタ遮断周波数および最大許容可能な上部フィルタ遮断周波数からの最小が、上部スペクトル範囲の上限を決定し、その一方で、その半分の値は、上部スペクトル範囲の関連下限を決定する。遮断周波数を求めるサーチのための下部スペクトル範囲の下限は、これとは対照的に、上述のように、fgu=10Hzに設定される低トーンラウドスピーカの最小許容可能な下部フィルタ遮断周波数の最大と、下部フィルタ遮断周波数の半分とから設定される。遮断周波数を求めるサーチのための下部スペクトル範囲の上限は、下限の値の2倍から生ずる。
ウーファラウドスピーカに対するクロスオーバフィルタの上部または下部遮断周波数が低減されるべきか、あるいは、増加されるべきかの判断は、しかしながら、総和振幅周波数応答と目標関数との間の差の距離のプロファイルから直接なされるのではなく、図4の右上図に例として示されているように、事前にスムージングされたレベルプロファイルからなされる。
以上で更に述べたように、関連ラウドスピーカまたはラウドスピーカグループに対するクロスオーバフィルタ遮断周波数の決定の手順は、単一のサブウーファラウドスピーカのみを備えるサウンドシステムにおいても、あるいは、ウーファラウドスピーカから形成されるステレオペアを備えるサウンドシステムにおいても、全く同じである。以下のテキストは、単一のサブウーファまたはウーファステレオペアの伝達関数およびレベルプロファイルも、関連クロスオーバフィルタ遮断周波数の決定手順も、説明して記載する。
この場合、再び、ウーファラウドスピーカに対して探し求められていたクロスオーバフィルタの1つまたは複数のフィルタ遮断周波数は、このように平均値の大きさを減らすことが可能な限り、総和振幅周波数応答と目標関数との差(距離)のプロファイルからそれぞれ形成された、下部または上部スペクトル範囲の許容可能な限界内で変化する自身の周波数を有する。上部スペクトル範囲の距離の平均値の大きさが、この場合、下部スペクトル範囲の距離の平均値の大きさより大きければ、上部スペクトル範囲の距離の平均値がプラスであるか、または、マイナスであるかに依存して、上部クロスオーバフィルタのフィルタ遮断周波数は、下部クロスオーバフィルタのフィルタ遮断周波数が到達するまで、最大限で減少されるか、あるいは、低トーンラウドスピーカ(約500Hz)の最大許容可能なフィルタ遮断周波数が到達するまで、最大限で増加される。これとは対照的に、上部スペクトル範囲の距離の平均値の大きさが、下部スペクトル範囲の距離の平均値の大きさより小さければ、下部スペクトル範囲の距離の平均値がプラスであるか、または、マイナスであるかに依存して、下部クロスオーバフィルタのフィルタ遮断周波数は、せいぜい低トーンラウドスピーカ(約10Hz)の最小許容可能なフィルタ遮断周波数が到達されるまで減少されるか、あるいは、せいぜい下部クロスオーバフィルタのフィルタ遮断周波数が到達されるまで増加される。
適切な回数のランの後、この方法によって、クロスオーバフィルタをもたらす。このクロスオーバフィルタは、これがフィルタ遮断周波数がその最小または最大許容可能な範囲限界のいずれかに到達するように、あるいは、これら範囲限界によって事前に定められた周波数範囲内に位置するように設定され、かつ、該フィルタ遮断周波数が下部スペクトル範囲の下部範囲限界と上部スペクトル範囲の上部範囲限界との間の距離の平均値が最小化されるように設定される。これは、再び、例として、図4の2つの下側の図に描かれており、その左側の図は、再び、伝達関数の振幅周波数応答を示し、その右側の図は、レベル関数の周波数応答を示す。以上に更に述べたように、この方法は、サウンドシステムが、低トーン再生用の単一のサブウーファラウドスピーカのみを有するか、または、ウーファラウドスピーカから形成される一つのステレオペアのみを有するかのいずれかのときに使用される。
以下のテキストは、サウンドシステムが、ウーファラウドスピーカから形成された上述のようなステレオペアを備えるのみならず、同時に、これに加え、サブウーファラウドスピーカも備える状況に対するクロスオーバフィルタの遮断周波数の決定手順を記載する。本発明による方法は、この場合、前もって計算され、既に利用可能なこの状況におけるウーファラウドスピーカから形成されるステレオペアに対するクロスオーバフィルタのフィルタ遮断周波数に依存する。なぜなら、これらは、サブウーファに対するクロスオーバフィルタのフィルタ遮断周波数を決定するための入力変数として使用されるからである。
サブウーファラウドスピーカに対するクロスオーバフィルタのフィルタ遮断周波数を設定するために、その上部遮断周波数は、まず、ウーファラウドスピーカの上部クロスオーバフィルタの上部遮断周波数の値に、スタート値として設定される。既に以前に決定された下部フィルタ遮断周波数は、既にウーファラウドスピーカに対して記載されたのと同じ方法で、許容可能なフィルタ遮断周波数に対する新たな下部および上部範囲限界を決定するために使用される。
アルゴリズムによるサブウーファに対するクロスオーバフィルタの上部フィルタ遮断周波数の許容可能な周波数範囲へのこの更なる制約は、下部周波数の方向における周波数範囲での減少を一般に表すが、サブウーファが過度に高い周波数を再生しないようにするために必要である。サウンドシステムで単一のラウドスピーカとして随意で使用されるサブウーファの主たる目的は、人間のヒアリングが任意の空間ロケーションを実行し得ない周波数範囲でサウンド成分を再生することである。この場合のサブウーファの動作範囲は、それぞれの設備状況、および、サウンドが出力されると意図されるエリアの特徴とは独立に、理想的には、約50Hzまでの周波数範囲をカバーする。これは、その動作範囲が、原則として、それゆえ、前もって事前に正確に規定され得ないようにするためである。
サブウーファラウドスピーカに対するクロスオーバフィルタのフィルタ遮断周波数は、サブウーファが、サウンドシステムの低周波数の再生を担う唯一のラウドスピーカである場合と異なる方法で、今は見出される。第一のステップで、総和振幅周波数応答が、各場合において、サブウーファラウドスピーカを含んで、および、含まずに、この目的のために決定される。そして、対応する目標関数が、これら2つの総和振幅周波数応答のそれぞれに対して決定され、それぞれの関連する差の伝達関数が計算される。これらは、次いで、記載された方法を用いて再び平均化され、いずれの場合も適切なレベル関数に変更される。
図5の左上図は、この場合、目標関数の振幅周波数応答、ならびにサブウーファを含む差関数および総和関数の振幅周波数応答を示し、かつ、サブウーファラウドスピーカに対するクロスオーバフィルタのフィルタ遮断周波数に対して許容可能な上部および下部スペクトル範囲に対する、これから派生する範囲限界を示す。図5の右上図は、対照的に、差の平均化されていないレベル関数および平均化されたレベル関数を、サブウーファを有するとき、および、有しない各場合において示す。これから理解されるように、差関数は、サブウーファラウドスピーカを含むことで増加する。すなわち、望ましくないことだが、不一致が増加する。
それゆえ、再び、サブウーファを考慮しない場合のように目標関数からの少なくともちょうど短い距離を達成するために、サブウーファラウドスピーカに対するクロスオーバフィルタの遮断周波数は、アルゴリズムによって、変化されねばならない。この繰り返し方法は、サブウーファを含むシステムが目標関数からの距離になるまで続けられる。この目標関数は、せいぜい、サブウーファなしのサウンドシステムに対しての以前の場合と同じくらい大きい。この場合において、処理ステップで以前に決定されたようなサブウーファラウドスピーカなしのサウンドシステムと、目標関数との差は、この繰り返しに対する基準として使用される。
成功裏に繰り返しが行われた後に結果として得られた振幅周波数応答は、図5の左下図に示されており、その関連レベル周波数応答は、図5の右下図に示されている。これは、サブウーファが含まれる差関数が、繰り返しの前後で、どのように挙動するかを示す。繰り返し実行後、クロスオーバフィルタのフィルタ遮断周波数に対しての2つの許容可能なスペクトル範囲の特に上部における差関数は、必要に応じて、繰り返し処理の前の状態から、かなり減少される。
さらに、また、以前のサブウーファを使用しなかった場合よりも、差関数のより一層均一なプロファイルが、今や全体にわたって達成され得る。サブウーファに対するクロスオーバフィルタの上部フィルタ遮断周波数が減少すると、自動アルゴリズムを実行することによって、総和振幅周波数応答を達成することが可能になる。この総和周波数応答は、目標関数からの距離が同時に減少され、さらにより均一なプロファイルを有するので、こうして、サブウーファを使用しないサウンドシステムに比べて、サウンドシステムの伝達関数をかなり改善に導くことができる。
クロスオーバフィルタの遮断周波数の全てが、上述の方法を用いて、一度決定されると、イコライジング処理の完全な自動アルゴリズムが、再び実行される。しかし、以前に決定されたクロスオーバフィルタの遮断周波数は、固定されたまま留まり、この繰り返しランによって再び改変されない。この場合、再び、自動イコライジング(AutoEQ)に対するアルゴリズムを通す前に、すなわち、一度、位相イコライジングおよびラウドスピーカ特定の事前イコライジングが既に実行される前に、インパルス応答は、まず、サウンドシステムの個々のラウドスピーカの全てに対し、全てのラウドスピーカの対して合同で、一度はサブウーファを有して、一度は有せずに、その間に規定されたクロスオーバフィルタを用いて決定される。関連する結果が、図6に示される。この場合、図6は、前方左および前方右の個々のラウドスピーカ(図6のFrontLeftおよびFrontRight)、左側および右側の個々のラウドスピーカ(図6のSideLeftおよびSideRight)、後方左および後方右の個々のラウドスピーカ(図6のRearLeftおよびRearRight)、左および右にあるウーファ個別のラウドスピーカ(図6のWooferLeftおよびWooferRight)、中央ラウドスピーカ(図6のCenter)、サブウーファラウドスピーカ(図6のSub)、サブウーファラウドスピーカを一切含まない合同のラウドスピーカの全て(図6のBroadband−Sum+Woofer)およびサブウーファラウドスピーカを含む合同のラウドスピーカの全て(Complete Sum)に対して測定された伝達関数を、この全ての場合において、規定された目標関数(図6のTarget Function)と比較して示す。この場合、AutoEQアルゴリズムを介しての第一のランで決定された設定および値は、ラウドスピーカ特定の事前イコライジングフィルタに対して、および、位相イコライジングフィルタに対して使用される。
以下のステップにおいて、「MaxMag」方法による処理が、最適化総和伝達関数を形成するために使用される。関連する結果が、再び、ローカライゼーション能力および音調性を支配する約3kHzまでの周波数範囲に対して、図7に示される。
図7から分かるように、「MaxMag」方法を用いる自動アルゴリズムによって、このランで実行される総和関数のイコライジングは、再び、図6に示される総和関数に比べて、より良好な目標関数への近似を生成する。このアルゴリズムのこの実施形態において、約30Hzまでを考慮した伝達関数の最低スペクトル範囲のみが、目標関数に幾分か不十分な近似を、約3dBまでの不一致を伴って示す。これに対する一つの大きな理由は、イコライジングに使用されるFIRフィルタ、この場合は、サブウーファラウドスピーカに対するFIRフィルタの実施形態である。これは、本例において、周波数に関わらず、計算において、4096の総和ステップまたはサンプリングポイントの最大長に限定されたものである。
超低周波数で目標関数への近似を改善するためには、FIRフィルタの近似に対する総和ステップの数を増やし、同時に、デジタル信号プロセッサにおけるメモリおよび計算の複雑さに対する要求も増やすが、これは、いつでも可能であり、また、高周波数でのFIRフィルタに対して必要なときも可能である。しかしながら、この場合におけるFIRフィルタの長さを制限する影響は、30Hz未満の周波数範囲でのみ、わずかに影響を受けることから、4096の計算ステップのこの最大長さは、また、FIRフィルタ全てに対して、引き続き維持された。
以下のテキストは、サウンドシステムのインパルス応答の測定手順、ならびに、送信周波数応答の総和関数および周波数の関数としての関連レベルプロファイルの総和関数の形成の手順を述べる。この場合、図8の左図は、この場合において、モノ信号の表現の例を表す中央ラウドスピーカCを用いて、客室内の前方左位置および前方右位置に対する両耳間伝達関数の測定の原理を示す。さらに、図8の左図は、前方左FL_Posおよび前方右FR_Posの2つの測定位置、および、それらと関連し、各場合において、それらの測定点での左耳Lおよび右耳Rに対する測定マイクによってシミュレーションされた位置を示す。この場合において、中央ラウドスピーカCから前方左の測定位置FL_Posの左耳位置Lへの伝達関数は、H_FL_Pos_CLで注釈付けられ、中央ラウドスピーカCから前方左の測定位置FL_Posの右耳位置Rへの伝達関数は、H_FL_Pos_CRで注釈付けられ、中央ラウドスピーカCから前方右の測定位置FR_Posの左耳位置Lへの伝達関数は、H_FR_Pos_CLで注釈付けられ、そして、中央ラウドスピーカCから前方右の測定位置FR_Posの右耳位置Rへの伝達関数は、H_FR_Pos_CRで注釈付けられる。最初に述べたように、モノ信号のローカライゼーションは、両耳間レベル差IIDおよび両耳間遅延時間差ITDに、実質的に依存する。これらの差は、左前方の座席位置で、伝達関数H_FL_Pos_CLおよびH_FL_Pos_CRによって、右前方の座席位置で、伝達関数H_FR_Pos_CLおよびH_FR_Pos_CRによって、それぞれ形成される。
対照的に、図8の右図は、また、前方ラウドスピーカのペアFL(前方左ラウドスピーカ)およびFR(前方右ラウドスピーカ)の例を用いて、客室内の前方左位置と前方右位置に対する両耳間伝達関数の測定原理を示す。この場合、ステレオ信号の表現の例を表す。さらに、図8の右図は、再び、前方左FL_Posおよび前方右FR_Posの2つの測定位置、および、各場合において、それらの測定点での左耳Lおよび右耳Rに対する測定マイクそれぞれによってモデル化された関連位置を示す。この場合において、前方左ラウドスピーカFLから前方左の測定位置FL_Posの左耳位置Lへの伝達関数は、H_FL_Pos_FLLで注釈付けられ、前方左ラウドスピーカFLから前方左の測定位置FL_Posの右耳位置Rへの伝達関数は、H_FL_Pos_FLRで注釈付けられ、前方左ラウドスピーカFLから前方右の測定位置FR_Posの左耳位置Lへの伝達関数は、H_FR_Pos_FLLで注釈付けられ、前方左ラウドスピーカFLから前方右の測定位置FR_Posの右耳位置Rへの伝達関数は、H_FR_Pos_FLRで注釈付けられ、前方右ラウドスピーカFRから前方左の測定位置FL_Posの左耳位置Lへの伝達関数は、H_FL_Pos_FRLで注釈付けられ、前方右ラウドスピーカFRから前方左の測定位置FL_Posの右耳位置Rへの伝達関数は、H_FL_Pos_FRRで注釈付けられ、前方右ラウドスピーカFRから前方右の測定位置FR_Posの左耳位置Lへの伝達関数は、H_FR_Pos_FRLで注釈付けられ、そして、前方右ラウドスピーカFRから前方右の測定位置FR_Posの右耳位置Rへの伝達関数は、H_FR_Pos_FRRで注釈付けられる。ペアで配置され、ウーファ、側面に配置されたラウドスピーカ、および後方ラウドスピーカを備える更なるラウドスピーカグループに対する伝達関数は、対応する方法で取得される。サウンドシステムの完全な総和伝達関数に対して、これらの伝達関数から得られる総和伝達関数および総和レベルの加算と、測定点の重み付けとは、図8に示すモノ信号およびステレオ信号に対する条件の例示的な記述から容易に導出され得るので、本明細書にて詳細に記載されない。
以上に既に更に述べたように、サウンドシステムおよびその個々のラウドスピーカおよびラウドスピーカグループのインパルス関数の形式でのそれぞれの両耳間伝達関数は、しかしながら、座席の第二の列を有する車両の場合において、2つの前方座席位置においてのみならず、2つの後方座席位置においても測定される。このアルゴリズムは、任意の時間での座席位置に対する成分の重み付けを適切に分配することによって、例えば、ミニバスまたはバンのような第三の列の座席における座席位置に、例えば、拡張され得る。しかしながら、本発明は、車内に限定されず、例えば、居間、コンサートホール、ボールルーム(ball room)、アリーナ、鉄道の駅、空港などのあらゆる種類の部屋にも、戸外の条件でも適用可能である。
実施形態の全てに対して、単一のラウドスピーカの測定された多数の伝達関数は、それぞれの座席位置で左耳の位置と右耳の位置とで組み合わされることにより、共通の伝達関数を形成しなければならないことが言い得る。これは、自動イコライジング用のアルゴリズムにおける処理に対し、サウンドシステムの個々のラウドスピーカそれぞれで単一の代表伝達関数を得るためである。特に、様々な座席位置での伝達関数が、伝達関数に対する追加処理に、各場合に含まれる重み付けは、車内(車種)および個々の座席位置の好みに応じて、この場合において、別々に選択され得る。
例として、以下のテキストは、本発明に関する調査のコースで用いられてきた手順を記載する。しかしながら、本発明によるアルゴリズムは、この手順に限定されない。以上に更に記載されたように、個々のラウドスピーカの伝達関数全体を形成するための伝達関数の加算において、様々な座席位置でのそれぞれの成分が、より正確に言えば、様々な座席位置での振幅周波数応答および位相周波数応答の双方に対して、重み付けされる。2列の座席を有する車内に対する注釈付けは、この場合、以下のとおり:
α:前方左の座席位置での振幅周波数応答の成分の重み付け、
β:前方右の座席位置での振幅周波数応答の成分の重み付け、
γ:後方左の座席位置での振幅周波数応答の成分の重み付け、
δ:後方右の座席位置での振幅周波数応答の成分の重み付け、
ε:前方左の座席位置での位相周波数応答の成分の重み付け、
φ:前方右の座席位置での位相周波数応答の成分の重み付け、
ψ:後方左の座席位置での位相周波数応答の成分の重み付け、
η:後方右の座席位置での位相周波数応答の成分の重み付け
となる。
この場合、以下のテキストで記載される例における振幅周波数応答の成分の重み付けに対し、α=0.5、β=0.5、γ=0、およびδ=0が使用され、位相周波数応答の成分の重み付けに対し、ε=1.0、φ=0、ψ=0、およびη=0が使用される。すなわち、この例において、2つの座席位置の測定のみが、結果として得られる振幅周波数応答の計算に対し、同じ重み付け(各場合とも0.5)で使用され、運転手位置(本明細書のように、一般に前方左)に対する測定は、結果として得られる位相周波数応答の決定に対し、それら自身で使用される。実行されたヒアリングテストによって、この非常に粗い重み付けを用いてさえも、全ての座席位置で非常に良好な結果を達成することが可能なことが示された。しかし、原則的に、自動アルゴリズムは、重み付けの任意の所望の分配に対して設計される。また、全ての座席位置での、統計学的に著しい数のテスト対象を伴うヒアリングテストは、非常に時間を費やすので、これ以上に達成し得るヒアリング印象の改善は、将来の調査の対象事項である。測定されるべき座席位置の数に関わらず、各場合の様々な座席位置での送信周波数応答の重み付けおよび位相周波数応答の重み付けの全ての和は、結果として、値の1(value unity)が得られる。
中央ラウドスピーカC(モノ信号)の場合における位置の全てに対する伝達関数の全ての組み合わせは、従って、各場合において、左耳を表すマイクに対して、
であり、各場合において、右耳を表すマイクに対して、
である。
全ての座席位置(この場合、4つの座席位置)にわたって左マイクおよび右マイクに対し、このように決定された組み合わせ伝達関数は、左耳および右耳、すなわち、H_CLおよびH_CRに対して重み付けされた形式で加算された伝達関数に対応し、次いで、逆フーリエ変換(IFFT)を用いて、周波数ドメインを時間ドメインに変換される。この場合、その実数部分のみが重要であり、
である。
次のステップにおいて、これらの実インパルス応答は、フーリエ変換(FFT)を用いて、時間ドメインから周波数ドメインに変換して戻され、次いで、中央ラウドスピーカCのH_Cの伝達関数を形成するために組み合わされ、
となる。
さらに、前方ラウドスピーカFLおよびFR(ステレオ信号)を備えるラウドスピーカのペアの場合、全ての位置との全ての伝達関数の組み合わせは、各場合において、左耳を表すマイクと左前方ラウドスピーカFLとに対して
であり、各場合において、右耳を表すマイクと左前方ラウドスピーカFLとに対して、
であり、各場合において、左耳を表すマイクと右前方ラウドスピーカFRに対して、
であり、各場合において、右耳を表すマイクと右前方ラウドスピーカFRに対して、
である。
左および右のマイクに対する組み合わせ伝達関数は、このように、決定され、次いで、全ての座席位置(この場合、4つの座席位置)にわたって、逆フーリエ変換(IFFT)を用いて、周波数ドメインを時間ドメインに変換される。これは、FLおよびFRそれぞれのラウドスピーカに対する左耳および右耳に対して、すなわち、H_FLL、H_FLR、H_FRLおよびH_FRRに対して重み付けされた形式で加算された伝達関数に対応し、次いで、逆フーリエ変換(IFFT)を用いて、周波数ドメインを時間ドメインに変換される。この場合、再び、その実数部分のみが重要であり、
である。
次のステップにおいて、これらの実インパルス応答は、再び、フーリエ変換(FFT)を用いて、時間ドメインから周波数ドメインに変換され、次いで、左ラウドスピーカFLおよび右ラウドスピーカFRに対するそれぞれの伝達関数H_FLおよびH_FRを形成するために組み合わされ、それぞれ
である。
上記の式が示すように、自動車の客室内の各座席位置に対する伝達関数の位相成分と振幅成分(magnitude component)との双方は、選択された重み付けに依存し、最終的に結果をもたらす伝達関数の生成に含まれ得る。この場合、幾つかの異なる重み付けは、この発明の出願と関連する調査において、既に使用されてきており、これらは、以下の暫定的な発見に導かれた。2つ以上の座席位置にわたる位相周波数応答の任意のこのような重ね合わせは、車内で受ける音響の劣化を常に、一部の場合においては、かなりの劣化を招く結果となる。さらに、この劣化は、どのリスニング位置においても、一般に明らかであり、それゆえ、位置依存性はない。
この理由のため、位相周波数応答のこれまでの更なる調査において、結果として得られたラウドスピーカ依存性のある伝達関数は、運転手の位置(一般に、前方左)での測定に、もっぱら依存するように、正確に言えば、左と右とのマイクの位相周波数応答の組み合わせによってなされた。他の座席位置の他の位相周波数応答はいずれも、含まれない。この規約(stipulation)は、初期に、これと関連する努力の量を、特に、ヒアリングテストを著しい数のテスト対象に関連付ける努力の量を、制限するためになされた。ヒアリング印象における更なる改善に繋がる位相周波数応答の重ね合わせの他の配置(constellation)(重み付け)が、見出され得ないかどうかを判断するために、より詳細な調査は、これに関連して実行されなくてはならない。例えば、一つのアプローチは、位相応答に対するイコライジングフィルタを計算するためのインパルス応答を記録するための唯一の点として、客室の中央、あるいは、2つの前方座席の間の位置における位置を使用することである。
異なる印象が、追加された振幅周波数応答の形成において得られた。なぜなら、AutoEQアルゴリズムは、もはやペアとしてではなく、ラウドスピーカ特定のベースで処理され、今や、結果得られる振幅周波数応答の形成における左半球と右半球との間の対称性に、注意が払われねばならない。すなわち、この対称性を維持するために、左測定位置の重み付け値は、右測定位置の重み付け値と対応しなくてはならない。
この場合において、測定位置の全てに対する均一の重み付けは、良好な音響結果を、より良好な結果すらも生成するが、結果として得られる振幅周波数応答を形成するために、2つの前方測定位置のみを用いて達成された。しかしながら、この場合においても、結果として得られる振幅周波数応答の形成に適切な重み付けをすること(例えば、α=0.35、β=0.35、γ=0.15、およびδ=0.15)で、後方位置の測定を含むことによって、より良好な結果を達成することすらも可能である。
一度、上述のような測定が、座席位置の全てにわたる各ラウドスピーカに対して、両耳的に組み合わされると、その結果得られる個々のラウドスピーカの伝達関数は、その実数部と虚数部とに分かれる。本例において、これは、中央ラウドスピーカCからのモノ信号の場合、
ReC=Re{H_C}およびImC=Im{H_C}
を意味し、ラウドスピーカFLおよびFRからのステレオ信号の場合、
ReFL=Re{H_FL}およびImFL=Im{H_FL}、ならびに
ReFR=Re{H_FR}およびImFR=Im{H_FR}
を意味する。
それぞれのラウドスピーカのそれぞれの位相周波数応答は、次いで、実数部および虚数部から決定され、実数部および虚数部は、次いで、0°の所望の位相シフトが常に達成されるように変化する。すなわち、純粋に実信号が生成される。モノ信号(ラウドスピーカC)の例において、これは、ラウドスピーカの信号の位相応答が、
PhaseC=−arctan(ImCold/ReCold
となり、したがって、
で、新たな実数部および虚数部が得られる。これは、今や、広帯域にわたって、0°の位相シフトを有する。対応する状況は、ステレオ信号の例に適用すると、
PhaseFL=−arctan(ImFLold/ReFLold
PhaseFR=−arctan(ImFRold/ReFRold
となり、したがって、
である。
サウンドシステムをイコライジングする自動アルゴリズム(AutoEQ)は、以上により詳細に記載されたが、この自動アルゴリズムのこれらの処理ステップ(位相のイコライジング)に従うと、ここで、以前のように、事前イコライジング処理が実行される。その基本的な手順は、以下に概略される。
1)それぞれのラウドスピーカの振幅周波数応答の(好ましくは、1/8サード(third)にわたる平均化を伴う非線形な)スムージング。
2)既にスムーズな個々の振幅周波数応答に対する目標関数のスケーリング。この場合、目標関数のスケーリング因子は、広帯域にわたって計算されないが、所定の周波数範囲で決定される。この周波数範囲は、fgu=10Hzの下限およびfgo=3kHzの上限、ならびに、関連する既に決定され調整されたクロスオーバフィルタに対するそれぞれの限界によって、事前に決定される。
3)事前イコライジングの計算の前に、個々のスムージングされた振幅周波数応答とそれにスケーリングされた目標関数との間の距離の決定。
4)スケーリングされた目標関数とスムージングされた振幅周波数応答との間の差の逆プロファイルに相当する事前イコライジングの計算。この場合、目標関数のプロファイルは、値の一部がこれらの範囲限界を超えるか、あるいは、達しない場合、最大許容可能な増加および減少に対応する上端と下端に制限される。
5)振幅周波数応答に、4)で計算されたような事前イコライジングの適用の後、しかしながら、3)においてのような距離の新たな計算。
6)事前イコライジングの適用の後の距離の振幅は、事前イコライジングの適用前に3)で決定された距離より小さいこれら周波数に対する事前イコライジングのフィルタ係数の採用。
7)事前イコライジングによって決定された振幅周波数応答の随意の(好ましくは、例えば、1/8サードフィルタリングを用いた非線形な)スムージング。
8)「周波数サンプリング」方法を一助として、スペクトルFIRフィルタ係数セットの事前イコライジングから時間ドメインへの変換、および、時間ドメインにおけるFIRフィルタ係数の長さの随意の制限と、引き続くスペクトルドメインへと戻る変換。
9)広帯域ラウドスピーカのクロスオーバフィルタ遮断周波数の決定、および、随意で、狭帯域クロスオーバ遮断周波数の初期割り当て。
10)個々の事前イコライジングフィルタ係数セットの格納、および、以前に決定されたように、それぞれのクロスオーバフィルタ遮断周波数の格納。
一度、事前イコライジングフィルタが計算され、格納されると、必要に応じて、クロスオーバフィルタのフィルタ遮断周波数およびチャネルゲインに対する個々の値は、計算され、適用され、総和伝達関数は、総和伝達関数のイコライジングが以下のテキストで記載される「MaxMag」方法を用いて、次いで実行される前に、実数部および虚数部を基に計算される。
1)(好ましくは、1/8サードフィルタリングを用いて非線形な)総和振幅周波数応答のスムージング
2)既にスムージングされた総和振幅周波数応答に対する目標関数のスケーリング。この場合、目標関数に対するスケーリング因子は、オーディオスペクトル範囲全体にわたって計算されず、所定の周波数範囲内で決定される。この周波数範囲は、fgu=10Hzの下限およびfgo=3kHzの上限、ならびに、関連する既に決定され調整されたクロスオーバフィルタに対するそれぞれの限界によって、事前に決定される。
周波数(0<f≦fs/2)にわたるループとしての以下の計算ステップは、
3)周波数fで、実数部および虚数部に基づく現在の総和伝達関数の新たな計算。
4)点fでの総和伝達関数と目標関数との間の現在の差の決定。
5)以前の最小距離の再設定、距離を4)で決定されたような新たな距離に設定すること、および、カウンタのインクリメント(周波数fにわたるループ)。
繰り返しとして、
6)周波数fでの事前イコライジングの以前に決定されたフィルタに基づく、振幅イコライジングに対する全てのフィルタの計算。
7)許容可能な上げ範囲および下げ範囲に振幅イコライジングするための、フィルタの制限。
8)個々の振幅の計算、および、周波数fでの目標関数へのそれぞれの距離の計算。
9)既に所定の上げ限界または下げ限界に到達したこれら全ての値をイコライジングから除去した後に、サーチは、最大振幅および最大距離を有する振幅値に対して実行される。
10)最大距離を有する個々のラウドスピーカは、点fでその振幅イコライジングが変化し、こうして、目標関数の方向に総和伝達関数の距離が最大の減少をすると期待されるように導くとき、次いで選択され、その振幅イコライジングの関連する関数は、このことが距離を所望の減少に導くように、関連周波数fで改変される。
11)振幅および位相に基づく総和伝達関数は、再び、振幅イコライジングに対する現在のパラメータを用いて計算され、次いで、以前の距離と現在の繰り返しステップが行われている中で決定された距離との新たな差の計算が行われる。以前の距離と現在の距離との差が、この場合の特定の所定の閾値未満である場合、繰り返しは終了する。いずれの場合も、終わりなきループとなることを避けるために、この繰り返しは、特定の所定の繰り返し回数(例えば、20回)を実行した後に、遅くとも終了される。
12)最終的に、新たに計算された距離は、現在の距離として設定され、この処理は、次の繰り返しステップへと続く。
一度、総和伝達関数のイコライジングの繰り返しが終了されると、繰り返し処理のコースの中で改変されたフィルタは、事前イコライジングのために、再び、随意にスムージングされ(好ましくは、例えば、1/8サードフィルタリングを用いて、非線形にヒアリングにマッチングされ)、次いで、「周波数サンプリング」方法を用いて、時間ドメインに変換され、最終的に、随意で、スペクトルドメインへと戻る変換がなされる前に、その長さは制限され、こうして、振幅イコライジングに対する最終フィルタが得られる。位相をイコライジングするためのFIRフィルタは、この場合、以下の方法を用いて、決定される。
位相をイコライジングするためのフィルタのプロファイルは、各ラウドスピーカに対して個々に、
PhaseEQ=−arctan(Im/Re)
となるように計算される。
随意にスムージングされた後、このプロファイルは、再び、実数部と虚数部とに分解され、
RePhaseEQ=cos(PhaseEQ)および
ImPhaseEQ=sin(PhaseEQ)
となる。
次いで、このスペクトルは、その2つの測波帯スペクトルに対称に拡がり、こうして、時間ドメインに生成される実FIRフィルタが、結果として得られ、
RePhaseEQ=[RePhaseEQ RePhaseEQ(end−1:−1:2)]および
ImPhaseEQ=[ImPhaseEQ−ImPhaseEQ(end−1:−1:2)]
となる。
(複合)伝達関数は、次いで、実数部と虚数部とから計算され、
H PhaseEQ=RePhaseEQ+j*ImPhaseEQ
である。
因果(causal)全域通過FIRフィルタを得るために、フィルタは、理想的にはFIRフィルタの半分の長さを有するモデリング遅延を用いて重ね合わされなくてはならず、
H_PhaseEQ=H_PhaseEQ*H_Delay
である。ここで、H_Delay=FFT(Delay)およびDelay=[1,0,0,・・・,0]であり、位相をイコライジングするFIRフィルタの長さの半分に対応する長さを有する。このように改変されてきた伝達関数は、位相をイコライジングするフィルタのFIRフィルタ係数に対応する実数部
h_PhaseEQ=Re{IFFT{H_PhaseEQ}}
を伴って、時間ドメインに再び変換される。
振幅周波数応答をイコライジングする以前に計算されたフィルタを畳み込むと、最終的に、非線形のラウドスピーカ特定のイコライジング用FIRフィルタが結果的に得られる。これは、サウンドシステムの位相をイコライジングするためにも、振幅周波数応答をイコライジングするためにも、双方で用いられる。
所与のリスニング位置に対し、高い対称性と高い音響サウンド品質とを有するために、位置特定イコライジングは、該リスニング位置と関連するこれらのラウドスピーカ位置のみを考慮して、該位置でピックアップされるサウンドのみに基づき得る。さらに、対称性を維持するために、チャネル(グループ)特定のイコライジングが、隣接するラウドスピーカ位置のみが、イコライジングに使用される効果に、各位置で適用される。このように、前方位置および後方位置に対して、別個の計算となる。前方チャネルは、例えば、前方左チャネルおよび前方右チャネル(FL、FR)および中央スピーカを含み得る。これらのスピーカは、クロスオーバ周波数、ゲイン、振幅、および位相に対する前方左および前方右のリスニング位置と関連するのみである。したがって、後方の左スピーカおよび右スピーカは、後方リスニング位置に対してのみ使用される。しかしながら、全ての位置は、ウーファからのサウンドによって影響を受ける。図9は、図の中に、周波数上の異なる位置(FL_Pos+FR_Pos+RL_Pos+RR_Pos)/4および(FL_Pos+FR_Pos)/2での測定に対する例示的なスペクトル重み付け関数を示す。
図10から分かるように、サウンドレベルは、特定の位置および周波数に依存して変動し得る。この状況に対処する改善は、低音管理システムによって達成され得る。車の後方に配置された特にウーファおよびサブウーファで生じる問題は、40Hz〜90Hzの周波数範囲で起こることが、測定によって分かった。この周波数範囲は、これが定常波によることを示す車内の長さの半分の波長に対応する。特に、周波数にわたる符号なしの振幅の測定によって、前方座席の符号なしの振幅は、後方座席での符号なしの振幅と異なることが分かった。すなわち、後方座席で最大が、前方座席で最小が起こり得る。前方座席と後方座席との間の差は、特にサブウーファが車のトランクに配置された場合(図11参照)、10dBまでであり得る。例えば、サブウーファを、例えば、前方座席の下などの異なる位置に置くと、幾分かの改善を提供し得るが、本発明による低音管理システムは、前方後方のモードの観点のみならず、左右のモードの観点からも、サウンドをさらにもっと改善する。本発明の低音管理システムは、異なるロケーションで、同じ音圧または少なくとも類似の音圧を、すなわち、1つ以上の低周波数ラウドスピーカに対して、周波数上の位相を適応させることにより生成する。これが連続的に行われた場合、周波数上の振幅を目標関数に適用することは、問題がない。なぜなら、周波数上の振幅が全ての位置で目標関数に等しくなるようにするために、全てのラウドスピーカは、全体の振幅イコライジング関数で重み付けされる必要があるのみだからである。
しかしながら、異なる位置でのサウンドレベルがほぼ同じになるように位相を適合することは難しい。主たる問題は、引き続き最小化されるべき適切なコスト関数を見出すことである。例えば、1つの位置の周波数上のレベル、または、全ての位置の周波数上の平均レベルは、基準として採られ得る。続いて、個々の位置それぞれの基準への距離は、決定される。個々の距離は、上述した基準からの距離全体を表す第一のコスト関数に繋がるように加算される。第一のコスト関数を最小化するため、どの位相シフトが、コスト関数にどのような影響を及ぼすかが調査される。
非常にシンプルなアプローチは、第一のグループのラウドスピーカ(ラウドスピーカが1つのみであり得る)または第一のチャネルを、コスト関数を最小化する位相の観点から、第二のラウドスピーカのグループ(ラウドスピーカが1つのみのこともあり得る)または第二のチャネルが適合する基準として機能するように選択することである。個々の周波数で、コスト関数への第二のチャネルの位相シフト(0°〜360°)の影響を調査すると、位相からの距離への依存を示す位相上のコスト関数が導かれる。このコスト関数を最小を決定すると、それぞれのグループまたはチャネルに適用されるべき位相シフトを招く。これは、コスト関数の最大の減少を達成するため、したがって、全ての位置でのサウンドレベルの最大イコライジングを達成するためである。
しかしながら、上述のステップは、結果として、サウンドレベルの望ましからぬ全体的な低下を生じ得る。この問題を克服するために、各位置における同じサウンドレベルのみならず、考えられる最大の全体サウンドレベルにも影響を及ぼす別の条件が導入される。これは、上述の距離をスケーリングするための平均位置サウンドレベルの逆関数を採ることによって達成される。ここで、スケーリングは、重み付け関数によって調整可能である。
図12に示されるように、70Hzで0°の位相シフトのとき、前方位置と後方位置との間に大きな差がある。追加の位相シフトを導入すると、各位置でのレベルは、さらに低下し、しかしながら、レベルは、イコライジングされる。このようないわゆる内部距離の挙動は、すなわち、全てのリスニング位置の最大適合に対するコスト関数は、約180°の位相シフトでその最小を有する。MagMeanとして示されたカーブは、全ての位置の平均レベルを表す。MagMean関数を反転し、例えば、0.65の因子で重み付けし、相補因子0.35(=1−0.65)によって重み付けされた内部距離を加算し、最終的に最小化されるコスト関数である新たな内部距離InnerDistanceNewを導く。図12は、平均音圧レベルを変化することによって、どのようにコスト関数が変化されるかを示す。図12の例において、最適位相シフトは、変化しない。なぜなら、オリジナルのコスト関数および改変されたコスト関数が、同じ位置でそれらの全体の最小を有するからである。上述の改変によって、全ての位置での良好な振幅イコライジングおよび最大レベルの他に、さらに、より均等な位相イコライジングも達成され得る。
しかしながら、上述の対策は、非常に長いFIRフィルタ長を必要とする非常に不連続な位相挙動にもたらし得る。背後の問題は、図13に示されるもののような三次元図から、より良く理解される。ここで、図12のコスト関数は、位相[度]および周波数[Hz]上の内部距離(InnerDistance[dB])としての1つのラウドスピーカ(または、1つのラウドスピーカグループ)のコスト関数を表す「山」状の三次元構造に結果としてなるように並んで配置されている。図14は、基準信号に対する前方右のラウドスピーカに対する、対応するイコライジング位相周波数応答を示す。
上記「山」において、より真っ直ぐですらあり、より連続的なカーブを達成するために、特に、非常に連続的な位相挙動を達成するために、周波数変化(例えば、1Hz)毎の位相シフトは、ある最大位相シフト(例えば、±10°)に制限され得る。このように制限された位相シフト範囲に対して、局所最小は、各周波数(例えば、1Hzステップ)毎に決定され、次いで、位相イコライジング処理において、新たな位相値として使用される。この結果は、図13の三次元図から分かり得る。ここで、位相変化毎の最大位相シフトは、周波数ステップ毎に±10°に制限されている。図16は、基準信号に対する前方右のラウドスピーカに対する、対応するイコライジング位相周波数応答を示す。
既に述べたように、周波数変化毎の最大位相シフトの制約は、例えば、他のイコライジング処理の目的でも使用されるような既存のFIRフィルタが適用可能であるような平坦な位相応答をもたらす。このようなFIRフィルタは、44.1kHzのサンプル周波数で、4096個のタップのみを備え得る。その結果は、図17に示される。図から分かるように、短いフィルタであっても、所望の挙動(オリジナル)と良好な近似を既に示す。
個々のラウドスピーカに対する位相イコライジング関数が決定すると、引き続き、新たな基準信号が、古い基準信号を新たに位相イコライジングされたラウドスピーカグループ(または、チャネル)の重ね合わせることによって導出される。新たな基準信号は、調査されるべき次のラウドスピーカに対する基準として機能する。各ラウドスピーカグループ(または、チャネル)は、基準信号として使用され得るが、前方左位置が好まれ得る。なぜなら、ほとんどのカーステレオシステムは、この特定の位置にラウドスピーカを有するからである。
図18は、既に述べた前方座席および後方座席との間の差を有する車内の4つの位置での周波数上の音圧レベルを示す。図19は、位相制約のない位相イコライジングを用いて、上述の方法に従って、それぞれの電気サウンド信号をフィルタリングした後の周波数上の音圧レベルを示す。図20は、ステップ毎に±10°の位相制約のような位相制約を適用した場合を示す。図21は、4096のタップを有するFIRフィルタを用いて、周波数上の音圧レベルのような低音管理システムの性能を示す。
明らかに、上記で検討された全ての種類の低音管理システムは、150Hz未満の周波数を有する位置のそれぞれに対して、平均音圧レベルを下げることなく、同様の状況を形成する。さらに、約100Hzより上でのみ、位相制約を有する場合と有さない場合とで顕著な差がある。最終的に、理論的な最適挙動(図20)と4096のタップFIRフィルタによる理論的な最適挙動の近似の挙動(図21)との間に、顕著な差はない。
このようなイコライジングフィルタリングの後に、基準が、調査中の全ての位置の周波数全体の平均振幅から導出される。該基準は、次いで、調査されるべき全ての位置に対して同じである振幅イコライジング関数によって、目標関数に適合される。目標関数は、例えば、順に、自動的にそのそれぞれの目標関数に追随する自動イコライジングアルゴリズムの手動で改変された総和振幅応答であり得る。低音管理システムに対して結果として得られる目標関数は、図22および図23で、「Target」と示される。全ての位置の平均周波数応答から目標関数を減算すると、グローバルなイコライジング関数(図23の「オリジナル」)が導出される。この対策により、低周波数での低下を避けるために、グローバル振幅イコライジング関数(図2の「半波整流された」)が、この低下を補償するために適用される。図24は、その結果として、位相およびグローバル振幅イコライジング後の異なる位置における全てのスピーカの総和の伝達関数を示す。
FIRフィルタは、一般的に、上記の例で使用されてきたが、全ての種類のデジタルフィルタリングが使用され得る。しかしながら、特に、音響結果の面からも、フィルタ長の面からも、最高の効率を示した最小位相のFIRフィルタに力点が置かれる。
図25は、上述の方法のシステム実行における信号の流れを示す。図25のシステムにおいて、左チャネルLおよび右チャネルRの2つのステレオ信号チャネルは、自身の5つのチャネルを生成するサウンドプロセッサユニットSPに供給される。該5つのチャネルは、前方右チャネルFR、後方右チャネルRR、後方左チャネルRL、前方左チャネルFL、ならびにウーファおよび/またはサブウーファチャネルLOWである。該5つのチャネルのそれぞれは、増幅および位相イコライジングのためのそれぞれのイコライザユニットEQ_FR、EQ_RR、EQ_RL、EQ_FL、およびEQ_LOWに供給される。イコライザユニットEQ_FR、EQ_RR、EQ_RL、EQ_FL、およびEQ_LOWは、イコライザ制御バスBUS_EQを介して、このシステムの他のユニットを制御するために、基本サウンド解析も実行する制御ユニットCONTROLによって制御される。イコライザユニットEQ_FR、EQ_RR、EQ_RL、EQ_FL、およびEQ_LOWは、好ましくは、最小位相FIRフィルタを備える。
このような他のユニットには、各それぞれの入力信号を、一方は高周波数範囲の、他方は中間周波数範囲の2つの出力信号に分割するために、例えば、制御可能なクロスオーバ周波数を有し、それぞれのイコライザユニットEQ_FR、EQ_RR、EQ_RL、EQ_FL、およびEQ_LOWに下流で接続されている制御可能なクロスオーバフィルタユニットCO_FR、CO_RR、CO_RL、およびCO_FLがある。クロスオーバフィルタCO_FR、CO_RR、CO_RL、およびCO_FLからの信号は、それぞれの制御可能なスイッチS_FR_H、S_RR_H、S_RL_H、S_FL_H、S_FR_M、S_RR_M、S_RL_M、およびS_FL_M、ならびに制御可能なゲインユニットG_FR_H、G_RR_H、G_RL_H、G_FL_H、G_FR_M、G_RR_M、G_RL_M、およびG_FL_Mを介して、ラウドスピーカLS_FR_H、LS_RR_H、LS_RL_H、LS_FL_H、LS_FR_M、LS_RR_M、LS_RL_M、およびLS_FL_Mに供給される。イコライザユニットEQ_LOWからの信号は、2つの制御可能なスイッチS_LOW1およびS_LOW2、ならびに、それぞれの制御可能なゲインユニットG_LOW1およびG_LOW2を介して、(サブ)ウーファラウドスピーカLS_LOW1およびLS_LOW2に供給される。制御可能なスイッチS_FR_H、S_RR_H、S_RL_H、S_FL_H、S_FR_M、S_RR_M、S_RL_M、S_FL_M、S_LOW1およびS_LOW2、ならびに制御可能なゲインユニットG_FR_H、G_RR_H、G_RL_H、G_FL_H、G_FR_M、G_RR_M、G_RL_M、G_FL_M、G_LOW1およびG_LOW2は、それぞれ制御バスBUS_SまたはBUS_Gを介して、制御ユニットCONTROLによって制御される。
サウンド解析に関して、2つのマイクMIC_LおよびMIC_Rは、ラウドスピーカが位置する室内に位置するダミーヘッドDH内に配置される。マイクMIC_LおよびMIC_Rからの信号は、本明細書で以上にさらに記載されたように評価される。ここで、解析処理の間に、あるグループのラウドスピーカ(1つのラウドスピーカのみしか有しないグループを含む)は、スイッチオンされ、一方、その他のグループは、制御スイッチS_FR_H、S_RR_H、S_RL_H、S_FL_H、S_FR_M、S_RR_M、S_RL_M、S_FL_M、S_LOW1およびS_LOW2によって、スイッチオフにされる。グループは、所与の順序に従って、または、目標関数からの偏差に依存して、順次、スイッチオンされ得る。
本発明を実現する様々な例が開示されてきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の利点の一部を達成する様々な変更および改変がなされ得ることは、当業者には明らかである。同じ機能を達成する他の構成要素が、適切に置換し得ることも、当業者には明らかである。本発明のコンセプトにこのような改変を行うことは、添付の請求項によって、カバーされることが意図される。AutoEQに関連してのみしか示されていないが、例えば、クロスオーバ周波数の適応方法および低音管理方法は、スタンドアロンのアプリケーションとして、あるいは、またイコライジング方法と関連付けて、それぞれ使用され得る。
本発明は、以下の図面および説明を参照することによって、より良く理解され得る。図面のコンポーネントは、必ずしも縮尺通りに描かれておらず、その代わりに、本発明の原理を説明することに重点が置かれている。さらに、図面において、同様の参照番号は、対応する部分を示す。
図1は、Blauert方向決定帯を示す。 図2は、平面音界における等ボリュームカーブを示す。 図3は、広帯域ラウドスピーカの伝達関数およびクロスオーバ周波数を自動的に見出す方法を示す。 図4は、ウーファラウドスピーカペアまたはラウドスピーカの個々のサブウーファの伝達関数およびレベル関数、ならびに、クロスオーバ周波数を自動的に見出す方法を示す。 図5は、同時にウーファラウドスピーカペアを用いる間のサブウーファラウドスピーカのクロスオーバ周波数を自動的に見出す方法のための伝達関数およびレベル関数を示す。 図6は、サブウーファラウドスピーカを有する、および、有さない、事前イコライジングが実行された後のクロスオーバフィルタを含むサウンドシステムの、全てのラウドスピーカの振幅周波数応答、および、その結果得られる全体の振幅周波数応答を示す。 図7は、全体の振幅周波数応答をイコライジングする前後におけるサウンドシステムの全体の振幅周波数応答を示す。 図8は、モノ信号およびステレオ信号に対する両耳間伝達関数を決定するための自動車内の測定配置を示す。 図9は、異なる位置での測定に対するスペクトル重み付け関数を示す。 図10は、周波数上の4つのリスニング位置での下部周波数範囲における音圧レベルを示す。 図11は、自動車内の定常波の音圧分布を示す。 図12は、基準チャネルに関連するある周波数における1つのチャネルの位相シフトを示す。 図13は、位相制限のない位相イコライジング関数の三次元図を示す。 図14は、図13の例の基準信号に対し、ある位置に対するイコライジング位相周波数応答を示す。 図15は、位相制限のある位相イコライジング関数の三次元図を示す。 図16は、図15の例の基準信号に対し、ある位置に対するイコライジング位相周波数応答を示す。 図17は、基準信号に対し、ある位置に対するモデル化されたイコライジング位相周波数応答を示す。 図18は、位相イコライジング前の異なる位置での全てのスピーカの総和の伝達関数を示す。 図19は、位相イコライジング後の異なる位置での全てのスピーカの総和の伝達関数を示す。 図20は、位相イコライジングおよび位相シフト制限後の異なる位置での全てのスピーカの総和の伝達関数を示す。 図21は、位相イコライジングおよびグローバル振幅イコライジング後の異なる位置での全てのスピーカの総和の伝達関数を示す。 図22は、位相イコライジング後の異なる位置での全てのスピーカの総和の伝達関数を示す。 図23は、低音管理に対するグローバル振幅イコライジング関数を示す。 図24は、位相およびグローバル振幅イコライジング後の異なる位置での全てのスピーカの総和の伝達関数を示す。 図25は、本発明による方法で実行するシステムの信号流れ図を示す。
符号の説明
CONTROL:制御ユニット
CO_FR、CO_RR、CO_RL、CO_FL:クロスオーバフィルタ
EQ_FR、EQ_RR、EQ_RL、EQ_FL、EQ_LOW:イコライザユニット
FR:前方右チャネル
FL:前方左チャネル
LS_FR_H、LS_RR_H、LS_RL_H、LS_FL_H、LS_FR_M、LS_RR_M、LS_RL_M、LS_FL_M:ラウドスピーカ
LS_LOW1、LS_LOW2:(サブ)ウーファラウドスピーカ
LOW:にウーファおよび/またはサブウーファチャネル
MIC_L、MIC_R:マイク
RR:後方右チャネル
RL:後方左チャネル
SP:サウンドプロセッサユニット

Claims (42)

  1. サウンドシステムを目標サウンドに調整する方法であって、
    該サウンドシステムは、音響サウンド信号に変換されるべき電気サウンド信号が供給される少なくとも2つのグループのラウドスピーカを有し、該方法は、
    各グループにそれぞれの電気サウンド信号を個々に供給するステップと、
    少なくとも1つのリスニング位置において、各グループのラウドスピーカに対する該目標サウンドからの該音響サウンド信号の偏差を個々に評価するステップと、
    少なくとも2つのグループのラウドスピーカに供給されたそれぞれの電気サウンド信号をイコライジングすることによって、該少なくとも2つのグループのラウドスピーカを、該目標サウンドからの最小偏差に調整するステップと
    を包含し、
    該評価するステップは、あるグループのラウドスピーカから該音響サウンド信号を該リスニング位置で受信することを含み、
    全てのリスニング位置にわたる総合評価は、位置特定因子で重み付けされた、該少なくとも1つのリスニング位置での評価から導出され、
    各位置特定因子は、振幅特定因子および位相特定因子を備える、方法。
  2. 各音響サウンド信号は、位相および振幅を備え、
    該位相および振幅は、互いに独立に処理され、イコライジングされる、請求項1に記載の方法。
  3. 少なくとも1つのグループのラウドスピーカは、1つのラウドスピーカのみを備える、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 少なくとも1つのグループのラウドスピーカは、2つ以上のラウドスピーカを備える、請求項1、請求項2または請求項3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 各ラウドスピーカは、それぞれの位置に配置され、前記それぞれの音響サウンド信号をそれぞれの周波数範囲で放出し、
    少なくとも1つのラウドスピーカは、該位置および/または該周波数範囲および/または電気サウンド信号チャネルにおいて、その他の1つ以上のラウドスピーカとは異なり、
    ラウドスピーカの各グループは、所定のエリアにおいて配置されるか、および/または、所定の周波数範囲を有する1つまたは複数のラウドスピーカのみを備える、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 少なくとも1つのグループのラウドスピーカは、前方左、前方右、後方左、または後方右の位置に配置された1つまたは複数のラウドスピーカを備える、請求項5に記載の方法。
  7. 少なくとも1つのグループのラウドスピーカは、高位置または低位置に配置された1つ数または複数のラウドスピーカを備える、請求項5または請求項6に記載の方法。
  8. 少なくとも1つのグループのラウドスピーカは、前記それぞれの音響サウンド信号を、高周波数範囲内、中周波数範囲内、低周波数範囲内、または超低周波数範囲内で放出する1つまたは複数のラウドスピーカを備える、請求項5、請求項6または請求項7に記載の方法。
  9. 1つのグループのラウドスピーカを前記目標サウンドからの最小偏差に調整する前記ステップは、前記それぞれのグループが、前記それぞれの電気サウンド信号を供給されるときに行われる、請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記複数のグループのラウドスピーカを前記目標サウンドからの最小偏差に調整する前記ステップは、全てのグループの偏差が評価された後に行われる、請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記複数のグループのラウドスピーカは、所与の順番で、前記目標サウンドからの最小偏差に順次調整される、請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記複数のグループのラウドスピーカは、該複数のグループの偏差によるランキングに従って、前記目標サウンドからの最小偏差に調整される、請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記複数のグループのラウドスピーカは、最大の偏差を有するグループが、最初に調整されるようにランク付けされる、請求項12に記載の方法。
  14. 前記偏差は、前記評価された音響サウンド信号と前記目標サウンドとの間の周波数上での積分振幅差である、請求項12または請求項13に記載の方法。
  15. 前記偏差は、前記評価された音響サウンド信号と前記目標サウンドとの間の周波数上での最大振幅差である、請求項12または請求項13に記載の方法。
  16. 少なくとも2つのグループのラウドスピーカに対する前記調整ステップが終了した後、以下の
    前記それぞれの電気サウンド信号を各グループに順次供給するステップと、
    各グループのラウドスピーカに対して前記目標サウンドからの前記音響サウンド信号の偏差を順次評価するステップと、
    少なくとも2つのグループのラウドスピーカ毎に供給されたそれぞれの電気サウンド信号をイコライジングすることによって、該少なくとも2つのグループのラウドスピーカを該目標サウンドからの最小偏差に調整すると
    が再び行われる、請求項1ないし請求項15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 少なくとも2つのグループのラウドスピーカは、共通交差周波数を含む隣接する周波数範囲を有し、
    前記方法は、各グループのラウドスピーカに、前記目標サウンドからの前記音響サウンド信号の偏差のそれぞれの評価による該交差周波数を調整するステップ
    をさらに包含する、請求項5ないし請求項16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記方法は、少なくとも2つの異なるリスニング位置で、各グループのラウドスピーカ毎に前記目標サウンドからの前記音響サウンド信号の偏差を評価するステップをさらに包含する、請求項1ないし請求項17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 各グループのラウドスピーカに対する前記目標サウンドからの前記音響サウンド信号の偏差は、前記少なくとも2つの異なるリスニング位置で評価される、請求項18に記載の方法。
  20. 全リスニング位置に対する前記総合評価は、前記少なくとも2つの異なるリスニング位置での、位置特定因子で重み付けされた前記評価から導出される、請求項19に記載の方法。
  21. 各位置特定因子は、振幅特定因子および位相特定因子を備える、請求項20に記載の方法。
  22. 各グループのラウドスピーカ毎に前記目標サウンドから前記音響サウンド信号の偏差を評価するステップは、2チャネル音響信号をピックアップすることと、該音響信号を2チャネル電気サウンド信号に変換することと、各チャネルに対する該偏差を計算することとを含む、請求項1ないし請求項21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 各グループのラウドスピーカ毎に前記目標サウンドからの前記音響サウンド信号の偏差を評価する前に、前記それぞれの電気サウンド信号を周波数上での所与の振幅最大および振幅最小に限定することによって、全てのグループのラウドスピーカを事前イコライジングするステップをさらに包含する、請求項1ないし請求項22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記少なくとも2つのグループのラウドスピーカに供給された前記それぞれの電気サウンド信号をイコライジングすることによって、該少なくとも2つのグループのラウドスピーカを前記目標サウンドからの最小偏差に調整するステップは、所与の値への前記イコライジングによって生じた周波数ごとの前記振幅変化および/または前記位相変化を制限することを含む、請求項1ないし請求項23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 目標関数は、制限されたイコライジングが行われたときの音響サウンド信号が、該目標関数に適合可能となるようにスケーリングされる、請求項24に記載の方法。
  26. 前記音響サウンド信号は、1つのマイクによって、前記目標サウンドからの偏差を処理するためにピックアップされる、請求項1ないし請求項25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 前記音響サウンド信号は、少なくとも2つのマイクによって、前記目標サウンドからの偏差を処理するためにピックアップされる、請求項1ないし請求項25のいずれか1項に記載の方法。
  28. 2つのマイクは、ダミーヘッド内に配置される、請求項27に記載の方法。
  29. 1つ以上の前記低周波数ラウドスピーカに対する前記位相は、まず、前記目標関数に適合され、次いで、前記振幅は、全ての位置に対する全体的な振幅イコライジング関数を用いて重み付けすることを含む、全てのラウドスピーカに対する該目標関数に適合される、請求項1ないし請求項28のいずれか1項に記載の方法。
  30. 1つの位置の周波数上のレベルまたは全ての位置の周波数上の平均レベルが、基準として取られ、引き続き、前記目標関数からの各個々の位置の距離が決定される、請求項1ないし請求項29のいずれか1項に記載の方法。
  31. 前記個々の距離は、加算されて、前記基準からの全体的な距離を表すコスト関数を導く、請求項30に記載の方法。
  32. 前記コスト関数を最小化するために、どの位相シフトが、該コスト関数に対するどのような影響を与えるかが調べられる、請求項31に記載の方法。
  33. 全ての位置の平均レベルを表わす関数を決定するステップと、
    第一の因子によって、該平均レベル関数を表わす該関数を反転し重み付けするステップと、
    該第一の因子と相補的である第二の因子によって重み付けされた内部距離を加算し、修正コスト関数を表わす新たな内部距離を導くステップと、
    該修正コスト関数を最小化するステップと
    をさらに含む、請求項30ないし請求項32のいずれか1項に記載の方法。
  34. 周波数変化ごとの前記位相シフトは、所定の最大位相シフトに制限され、
    そのように制限された位相シフト範囲のそれぞれに対して、局所最小は、各周波数に対して決定され、次いで、位相イコライジング処理において、新たな位相の値として機能する、請求項1ないし請求項33のいずれか1項に記載の方法。
  35. 個々のラウドスピーカに対する前記位相イコライジング関数を決定するステップと、
    引き続き、前記古い基準信号を前記新たな位相イコライジングされたラウドスピーカのグループと重ね合わせることによって、新たな基準信号を導出するステップと
    を包含する、請求項1ないし請求項34のいずれか1項に記載の方法。
  36. 前記新たな基準信号は、調べられるべき次のラウドスピーカに対する基準として機能する、請求項35に記載の方法。
  37. 調査中の全ての位置の周波数上での平均振幅から基準を導出するステップと、
    次いで、振幅イコライジング関数によって、目標関数に該基準を適合させるステップと
    をさらに包含する、請求項35または請求項36に記載の方法。
  38. 前記目標関数は、調べられるべき全ての位置に対して同じである、請求項37に記載の方法。
  39. 前記目標関数は、各位置での目標関数に自動的に従う自動イコライジングアルゴリズムの修正された合計振幅応答である、請求項38に記載の方法。
  40. グローバルイコライジング関数を導出するために、全ての位置の平均振幅応答から前記目標関数を減算するステップをさらに包含する、請求項39に記載の方法。
  41. 前記グローバル振幅イコライジング関数は、全てのグループに適用される、請求項40に記載の方法。
  42. 前記位相および/または振幅イコライジングは、最小位相FIRフィルタリングによって実行される、請求項1ないし請求項41のいずれか1項に記載の方法。
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