JP2011097561A - オーディオシステム位相イコライゼーション - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車内の対称軸外に配列された聴取位置における両耳間の時間差を最小化することを可能にする方法を提供すること。
【解決手段】聴取室内の少なくとも1つの聴取位置(10)において音響ローカライゼーションを最適化する方法であって、該方法は、該第2のラウドスピーカ(4)に供給する少なくとも該オーディオチャネルのための位相イコライゼーションフィルタのフィルタ係数を計算することであって、該位相イコライゼーションフィルタの位相応答は、該少なくとも1つの聴取位置(10)における両耳の位相差(Δφmn)、または2つ以上の聴取位置(10、11)の上に平均される平均的な両耳の位相差(mΔφmn)が所定の周波数範囲内で最小化されるように設計される、ことと、該位相イコライゼーションフィルタを該それぞれのオーディオチャネルに適用することとを包含する、方法。
【選択図】図3

Description

(技術分野)
本発明は、オーディオシステムにおける位相イコライゼーションのための方法に関し、特に、自動車の客室内の任意の聴取位置におけるステレオ信号の両耳間の時間差を最小化する方法に関する。
(背景)
特に高級リムジンにおける先進の車両サウンドシステムは、通常、車両の客室内の異なる位置に置かれた複数の単一のスピーカとそれらのアレイとを備えている高度に複雑な構成を有し、これらの単一のスピーカおよびそれらのアレイは、典型的には、多様な周波数帯域専用である(例えば、サブウーハ、ウーハ、中間域スピーカおよびトウィータスピーカなど)。
そのような先行技術のサウンドシステムは、各々の場合に関係する車両のタイプのために音響技術者によって手動で調整、すなわち最適化され、主として彼らの経験に基づき、そして彼らの訓練された聴覚に基づいて、主観的に所望の音響品質を達成する。この目的のために、彼らは、典型的には、双二次フィルタ(例えば、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ、ローパスフィルタ、オールパスフィルタ)、双一次フィルタ、デジタルディレイライン、クロスオーバフィルタなどの公知の信号処理アセンブリと、信号動的応答を変化させるアセンブリ(コンプレッサ、リミッタ、エクスパンダ、ノイズゲートなど)とを利用し、クロスオーバフィルタ、ディレイラインおよび周波数応答の大きさの関連するカットオフ周波数パラメータを規定し、その結果、最終的に、動力車両におけるサウンドシステムの音の印象は、サウンドシステムのスペクトルバランス(すなわち、調性、調性の優秀性)および周囲(すなわち、空間バランス、音の空間性)に関して最適化され、達成される。
そのような調整の目的は、すべての聴取位置、換言すると車両の客室におけるすべての着席位置(聴取位置)において、最適化されるような音を達成することであり、従って、動力車両のサウンドシステムの調整において複雑さを実質的にさらに追加する。オーディオ信号が周囲に知覚される仕方およびオーディオ信号がステレオ音響でローカライズされる仕方に大いに影響を及ぼすのは、特に、動力車両における様々な聴取位置または着席位置における両耳間の時間差である。
車両の客室内の任意の聴取位置、特に自動車内の対称軸外に配列された聴取位置における両耳間の時間差を最小化することを可能にする方法に対する一般的なニーズがある。
(概要)
聴取室内の少なくとも1つの聴取位置において音響ローカライゼーションを最適化する方法が開示される。音場は、少なくとも1つの聴取位置に割り当てられたラウドスピーカの群によって生成され、ラウドスピーカの群は、第1のラウドスピーカおよび少なくとも第2のラウドスピーカを備え、スピーカの各々は、オーディオチャネルを介してオーディオ信号が供給される。方法は、第2のラウドスピーカに供給する少なくともオーディオチャネルのための位相イコライゼーションフィルタのフィルタ係数を計算することを包含し、位相イコライゼーションフィルタの位相応答は、少なくとも1つの聴取位置における両耳の位相差または複数の聴取位置の上に平均される平均的な両耳の位相差が所定の周波数範囲内で最小化され、位相イコライゼーションフィルタをそれぞれのオーディオチャネルに適用するように設計される。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
聴取室内の少なくとも1つの聴取位置(10)において音響ローカライゼーションを最適化する方法であって、音場は、該少なくとも1つの聴取位置(10、11)に割り当てられた一群のラウドスピーカ(2、4)によって生成され、該一群のラウドスピーカは、第1のラウドスピーカ(2)および少なくとも第2のラウドスピーカ(4)を備え、該スピーカの各々は、オーディオチャネルを介してオーディオ信号が供給され、該方法は、
該第2のラウドスピーカ(4)に供給する少なくとも該オーディオチャネルのための位相イコライゼーションフィルタのフィルタ係数を計算することであって、該位相イコライゼーションフィルタの位相応答は、該少なくとも1つの聴取位置(10)における両耳の位相差(Δφmn)、または2つ以上の聴取位置(10、11)の上に平均される平均的な両耳の位相差(mΔφmn)が所定の周波数範囲内で最小化されるように設計される、ことと、
該位相イコライゼーションフィルタを該それぞれのオーディオチャネルに適用することと
を包含する、方法。
(項目2)
上記位相イコライゼーションフィルタの係数を計算するステップは、
少なくとも1つのオーディオチャネルに適用可能な周波数および位相シフトに依存する位相差のアレイ内の最小限の探索を実行することであって、該最小限の探索は周波数(f)の関数として最適な位相シフト(φ)を表す最適位相関数φX,FILT(f)を生み出す、ことを包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目3)
上記位相イコライゼーションフィルタの係数を計算するステップは、
各聴取位置(10、11)に対して、それぞれの聴取位置(10、11)に割り当てられた群の各ラウドスピーカ(2、4)に対する両耳の伝達特性を決定することと、
所定の周波数範囲から一組の周波数(f)を選択し、所定の位相範囲から一組の位相シフト(φ)を選択することと、
各聴取位置(10、11)、該一組の周波数の各周波数(f)、および該一組の位相シフトの各位相シフト(φ)に対して両耳の位相差(Δφmn)を計算し、該計算に関して、オーディオ信号が各ラウドスピーカ(2、4)に供給されると仮定することであって、該少なくとも1個の第2のラウドスピーカ(4)に供給される該オーディオ信号は、該第1のラウドスピーカ(2)に供給される該オーディオ信号に対してそれぞれの位相シフト(φ)によって位相シフトされ、従って、該それぞれの聴取位置(10、11)に対する両耳の位相差(Δφmn)のアレイを提供する、ことと、
該少なくとも1つの聴取位置(10、11)において、該両耳の位相差(Δφmn)の重み付け平均を計算することによって、平均的な両耳の位相差(mΔφmn)のアレイを提供することと、
該平均的な両耳の位相差(mΔφmn)のアレイにおいて、各周波数(f)に対する最適な位相シフト(φ)を探索することであって、該最適な位相シフト(φ)は該平均的な両耳の位相差(mΔφmn)の最小値を生み出し、従って、結果として、周波数(f)の関数として該最適な位相シフト(φ)を表す最適位相関数φX,FILT(f)をもたらす、ことと
を包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目4)
各考えられる聴取位置(10、11)において上記両耳の位相差(Δφmn)を計算するステップは、
上記一組の周波数の各周波数(f)および上記一組の位相シフト(φ)に対して、各聴取位置(10、11)において重なりスペクトル値を計算することと、
各計算された重なりスペクトル値に対する該重なりスペクトルの位相を計算することであって、該重なりスペクトルの位相は、該それぞれの聴取位置(10、11)において該両耳の位相差(Δφmn)を表す、ことと
を包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目5)
上記最適位相関数φX,FILT(f)を近似する位相応答を提供するように設計されるデジタル位相イコライゼーションフィルタを提供するステップをさらに包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目6)
上記両耳の伝達特性を決定するステップは、
広帯域試験信号を各ラウドスピーカ(2、4、3)に順次に供給することと、
各聴取位置(10、11)に到達する、結果として生じる音響信号を両耳で測定することと、
ラウドスピーカ(2、4、3)と聴取位置(10、11)との各対に対して対応する両耳の伝達特性を計算することと
を包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目7)
上記位相イコライジングフィルタの位相応答を計算する前に、上記最適位相関数φX,FILT(f)のスムージングを行うステップをさらに包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目8)
上記スムージングを行うステップは、非線形の複素スムージングフィルタを用いて行われる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目9)
上記スムージングステップは、周波数の増加にともない動的応答が減少するスムージングフィルタを用いて行われる、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目10)
上記位相イコライゼーションフィルタのフィルタ係数を計算するステップは、
所定の周波数範囲から一組の周波数(f)を選択し、所定の位相範囲から一組の位相シフト(φ)を選択することと、
音場を生成するために、各選択された周波数(f)に対して、該それぞれの周波数(f)を有するオーディオ信号を各ラウドスピーカ(2、4)に供給することであって、該少なくとも1個の第2のラウドスピーカ(4)に供給される該オーディオ信号は、該第1のラウドスピーカ(2)に供給される該オーディオ信号に対して該それぞれの位相シフト(φ)によって位相シフトされる、ことと、
位相シフト(φ)と周波数(f)との各組み合わせに対して、各聴取位置(10、11)に到達する、結果として生じる音響信号を両耳で測定することと、
該それぞれの両耳で測定された音響信号から各聴取位置(10、11)に対する両耳の位相差(Δφmn)を計算し、従って、位相シフト(φ)と周波数(f)との各組み合わせに対する両耳の位相差値を含む該各聴取位置(10、11)に対する両耳の位相差(Δφmn)のアレイを提供することと、
該少なくとも1つの聴取位置(10、11)において該両耳の位相差(Δφmn)の重み付けされた平均を計算することによって、平均的な両耳の位相差(mΔφmn)のアレイを提供することと、
該平均的な両耳の位相差(mΔφmn)のアレイにおいて、各周波数(f)に対する最適な位相シフト(φ)を探索することであって、該最適な位相シフト(φ)は該平均的な両耳の位相差(mΔφmn)の最小値を生み出し、従って、結果として周波数(f)の関数として該最適な位相シフト(φ)を表す最適位相関数φX,FILT(f)をもたらす、ことと、
該最適な位相φX,FILT(f)関数に近似する位相イコライゼーションフィルタに対する位相応答を計算することと
を包含する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目11)
聴取室内の少なくとも1つの聴取位置(10)において音響ローカライゼーションを最適化するシステムであって、該システムは、
音場を生成するために該少なくとも1つの聴取位置(10、11)に割り当てられたラウドスピーカ(2、4)の群であって、該ラウドスピーカの群は、第1のラウドスピーカ(2)および少なくとも第2のラウドスピーカ(4)を含む、ラウドスピーカ(2、4)の群と、
オーディオ信号を各ラウドスピーカにそれぞれのオーディオチャネルを介して提供する信号源と、
該第2のラウドスピーカ(4)に供給する少なくとも該オーディオチャネル適用される位相イコライゼーションフィルタのフィルタ係数を計算するように構成される信号処理ユニットであって、該位相イコライゼーションフィルタの位相応答は、該少なくとも1つの聴取位置(10)における両耳の位相差(Δφmn)または複数の聴取位置(10、11)の上に平均される平均的な両耳の位相差(mΔφmn)が所定の周波数範囲内で最小化されるように設計される、信号処理ユニットと
を備えている、システム。
(項目12)
上記位相イコライゼーションフィルタの係数を計算するために、上記信号処理ユニットは、少なくとも1つのオーディオチャネルに適用可能な周波数および位相シフトに依存する位相差のアレイ内の最小限の探索を実行するように構成され、該最小限の探索は、周波数(f)の関数として最適な位相シフト(φ)を表す最適位相関数φX,FILT(f)を生み出す、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目13)
位相イコライゼーションフィルタの係数を計算するために、信号処理ユニットは、
各聴取位置(10、11)に対して、該それぞれの聴取位置(10、11)に割り当てられた群の各ラウドスピーカ(2、4)に対する両耳の伝達特性を決定することと、
所定の周波数範囲から一組の周波数(f)を選択し、所定の位相範囲から一組の位相シフト(φ)を選択することと、
各聴取位置(10、11)、該一組の周波数の各周波数(f)、および該一組の位相シフトの各位相シフト(φ)に対して両耳の位相差(Δφmn)を計算し、該計算に関して、オーディオ信号が各ラウドスピーカ(2、4)に供給されると仮定することであって、該少なくとも1個の第2のラウドスピーカ(4)に供給される該オーディオ信号は、該第1のラウドスピーカ(2)に供給される該オーディオ信号に対してそれぞれの位相シフト(φ)によって位相シフトされ、従って、該それぞれの聴取位置(10、11)に対して両耳の位相差(Δφmn)のアレイを提供する、ことと、
該少なくとも1つの聴取位置(10、11)において、該両耳の位相差(Δφmn)の重み付け平均を計算することによって、平均的な両耳の位相差(mΔφmn)のアレイを提供することと、
該平均的な両耳の位相差(mΔφmn)のアレイにおいて、各周波数(f)に対する最適な位相シフト(φ)を探索することであって、該最適な位相シフト(φ)は該平均的な両耳の位相差(mΔφmn)の最小値を生み出し、従って、結果として、周波数(f)の関数として該最適な位相シフト(φ)を表す最適位相関数φX,FILT(f)をもたらす、ことと、
上記最適な位相φX,FILT(f)関数に近似する位相イコライゼーションフィルタに対する位相応答を計算することと
を行うように構成される、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目14)
上記位相イコライジングフィルタの位相応答を計算する前に、上記最適位相関数φX,FILT(f)のスムージングを行うように構成されるスムージングフィルタをさらに備えている、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目15)
上記スムージングフィルタは、非線形の複素スムージングフィルタであり、動的応答が、周波数が増加するにつれ動的応答が減少する、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(摘要)
聴取室内の少なくとも1つの聴取位置において音響ローカライゼーションを最適化する方法が開示される。音場は、少なくとも1つの聴取位置に割り当てられたラウドスピーカの群によって生成され、ラウドスピーカの群は、第1のラウドスピーカおよび少なくとも第2のラウドスピーカを備え、スピーカの各々は、オーディオチャネルを介してオーディオ信号が供給される。方法は、第2のラウドスピーカに供給する少なくともオーディオチャネルのための位相イコライゼーションフィルタのフィルタ係数を計算することを包含し、位相イコライゼーションフィルタの位相応答は、少なくとも1つの聴取位置における両耳の位相差または複数の聴取位置の上に平均される平均的な両耳の位相差が所定の周波数範囲内で最小化され、位相イコライゼーションフィルタをそれぞれのオーディオチャネルに適用するように設計される。
本発明は、以下の図面および説明を参照してより良く理解され得る。図における構成要素は、必ずしも一定の縮尺ではなく、代わりに、本発明の原理を例示することに強調がなされている。さらに図において同様の参照数字は、対応する部品を示す。
図1は、ダミーヘッドを用いて車両の中心線(対称軸)において測定される場合の両耳の位相差を例示する図である。 図2は、車両の中心線外に位置を定められる運転席の聴取位置においてダミーヘッドを用いて測定される場合の両耳の位相差を例示する図である。 図3は、例としてオーディオシステムのラウドスピーカの配列を示す、車両の客室において試験されたすべての測定位置の上面図である。 図4は、車両の客室において試験されたすべての測定位置の側部図である。 図5は、前部左チャネルに対して0°から180°まで、1°のステップで連続位相シフトが適用される、車両における2個の異なる着席位置における周波数の関数としての両耳の伝達関数の重なりスペクトルの位相の三次元図である。 図6は、図5に示されるような重なりスペクトルの位相の三次元図の上面図であり、両耳の重なりスペクトルの位相を最小化する、前部左チャネルに対する1周波数当たりの位相シフトを示す。 図7は、前部左チャネルに対する最適な位相シフトを例示する図であり、この最適な位相シフトは、重なりスペクトルの位相の最大の最小化を、そして従って、平均して車両の両方の前部着席位置における最適な水平ローカライゼーションという結果をもたらす。 図8は、図7に示されるように、最適な位相シフトに近似するための、前部左チャネルに対する位相イコライザの群遅延を例示する図である。 図9は、図8に示されるような前部左チャネルの位相イコライザのインパルス応答を例示する図(下図:大きさの線形表現、上図:大きさの対数表現)である。 図10は、図8に示されるような前部左チャネルの位相イコライザのボードダイアグラム(下図:周波数応答の大きさ、上図:位相周波数応答)である。 図11は、位相イコライザの適用前および適用後の車両内のすべての4つの着席位置における両耳の重なりスペクトルの位相差を例示する図である。 図11は、位相イコライザの適用前および適用後の車両内のすべての4つの着席位置における両耳の重なりスペクトルの位相差を例示する図である。 図11は、位相イコライザの適用前および適用後の車両内のすべての4つの着席位置における両耳の重なりスペクトルの位相差を例示する図である。 図11は、位相イコライザの適用前および適用後の車両内のすべての4つの着席位置における両耳の重なりスペクトルの位相差を例示する図である。
(詳細な説明)
オーディオシステムを手動で調整するための音響的手段を用いることは、時代遅れであるが、その目的は、特に、位相を微調整するために、例えば、個々の増幅器チャネルの遅延を主としてイコライズするディレイラインを利用することである。位相応答を直接的に修正するために、オールパスフィルタが通常利用される。しかしながら、個々のラウドスピーカの伝達帯域を制限するために主として利用されるクロスオーバフィルタがまた、再生されるオーディオ信号の位相応答を微調整する。部分的に、勾配が異なる多様なタイプのフィルタ(Butterworth、Bessel、Linkwitz−Rileyなど)が、異なる位相遷移によって明確にサウンドを微調整するために意図的に利用される。
強力なデジタル信号プロセッサの利用可能性は、非常に大きなフィルタの柔軟性を(低コストで)もたらし、例えば、大きさおよび位相周波数応答の各々が、互いに別個に設定されることを可能にする。しかしながら、優先度は、FIRフィルタの利用に向けられる。なぜならば、適切な等価IIRフィルタを実現することは、IIRフィルタのより低いフィルタ次数に起因して、より安価に実装されるにもかかわらず、今もなお極めて困難であるからである。
FIRフィルタは、有限のインパルス応答を有することと、通常アナログ信号のサンプリング周波数によって決定される別個の時間的なステップで作動することとによって特徴付けられる。N次のFIRフィルタは、次の差分方程式
によって記述され、ここで、y(n)は、時間n(nは、サンプル番号であり、従って時間のインデックスである)の時点における開始値であり、フィルタ係数bによって重み付けされる、現時点およびN個の最近サンプリングされた入力値x(n−N−1)〜x(n)の合計から得られ、それによって、所望の伝達関数が、フィルタ係数bを指定することによって実現される。
例えば、分割(partitioned)高速畳み込みなどの多様な信号処理アルゴリズムを利用することまたはフィルタバンクを用いることが、実際に任意の市販されているデジタル信号プロセッサによって達成可能であるような、十分に長いFIRフィルタを実現することを可能にする。このことは、実装に含まれる問題を目立たなくさせ、音響の永続的な向上のためのオーディオ信号の位相周波数応答の正しく導かれた微調整と、特に、車両の客室内の多様な聴取位置におけるオーディオ信号のローカライゼーションとを可能にする。
ローカライゼーションは、両方の耳(両耳の聴覚)による聴覚の結果として、音源の水平方向および音源からの距離を認識することであると理解される。サウンドがどの側から到来するかを決定するために、人の耳の知覚の感覚は、左、真正面、右などの方向を区別することに関して、両方の耳の間の遅延およびレベルにおける差を評価する。
人の耳は、知覚されるサウンドがどの方向から到来するかを決定することに関して、両方の耳の間の遅延における差(「両耳間の時間差」と呼ばれ、ITDと略記する)を主として評価する。右から到来するサウンドは、左耳よりも早く右耳に到達し、区別が、低い周波数における位相遅延の評価と、高い周波数における群遅延の評価と、両方の耳の間の周波数の関数としてのレベル差(「両耳間のレベル差」と呼ばれ、ILDと略記する)の評価との間でなされる。
右から到来するサウンドは、右耳において左耳よりも高いレベルを有する。なぜならば、頭部が左耳における信号をさえぎるからである。これらのレベル差は、周波数の関数であり、周波数を増大させることによって増大する。約800Hz未満の低い周波数において評価されるのは、特に、遅延における差(位相遅延または遅延における位相差)であるのに対して、約1500Hz超の高い周波数においては、特に、レベルの差が評価される。両方の機構が役割を果たす(「トレード(trading)」)重複領域が間に配置される。
低い周波数においては、耳から耳までの距離d=21.5cmを有する頭部の寸法が、0.63msの遅延における差に対応し、サウンドの波長の半分よりも小さい。両方の耳の間の遅延における差を耳が非常に正確に評価し得るのはこの点であるが、レベル差は、かなり小さいので、どのような精度によっても評価され得ない。80Hz未満の周波数は、もはやそれらの方向においてローカライズされ得ない。低い周波数において、頭部の寸法は、サウンドの波長よりも小さい。ここにおいて、耳は、もはや遅延における差から方向を明示的に決定し得ないが、両耳間のレベル差は、より大きくなるので、次いで、耳によって評価される。
そのような変数を測定することにおいて目的の結果を達成するために、人の頭部の形状および反射/回折の特性を複製した、いわゆるダミーヘッドが使用される。耳の代わりに、そのようなダミーヘッドは、様々な条件下で到着する信号を測定するために、対応して位置決めされた2個のマイクロホンを有する。例えば、そのようなダミーヘッドの位置は、聴取室において変わり得る。
両耳間のレベル差に加えて(より高い周波数においても同様に)、両方の耳の間の群遅延が評価され、群遅延は、新しいサウンドが発生する場合に、その方向が、両方の耳の間のサウンド発生における遅延から決定され得ることを意味している。この機構は、特に残響環境において重要である。サウンドの発生において、直接的サウンドがすでに聴取者に到達しているが、反射サウンドがまだそのうえに到達する短い時間が存在する。耳は、この時間の間隙を開始時間において用いることにより、方向を決定し、反射が原因で、もはや方向を明示的に決定することが可能でなくなるまで、測定された方向を保持する。この現象は、「ハース効果」、「先行音効果」、または「第一波面の法則」と呼ばれる。
音源のローカライゼーションは、いわゆる周波数群で行われる。人の聴覚範囲は、約24の周波数群(各々1Barkまたは100Melの幅)に分割される。方向を決定するために、人の耳は、1つの周波数群に入る共通の信号成分を評価する。
評価することにおいて、人の耳は、臨界周波数群または臨界帯域幅(CB)とも呼ばれる限定された周波数帯域に存在するサウンドキューを組み合わせるが、臨界周波数群または臨界帯域幅の幅は、特定の周波数帯域に存在するサウンドを、これらのサウンドから発する音響心理学的な聴覚感覚に関して、共通の聴覚感覚の中に組み合わせることができる人の耳に基づいている。単一周波数群の中に存在するサウンド事象は、様々な周波数群に存在するサウンドのそれと異なる効果を有する。例えば、ある周波数群の中で同じレベルを有する2個の音調が、様々な周波数群に存在するときよりも柔らかく聞かれる。
エネルギーが同じであり、かつマスカが中心周波数としてテストトーンの周波数を有する周波数帯域に入る場合には、マスカ内のテストトーンが可聴であるので、周波数群の所望の帯域幅が決定され得る。低い周波数において、周波数群は、100Hzの帯域幅を有する。500Hz超の周波数において、周波数群は、関係する周波数群の中心周波数の約20%に達する帯域幅を有する(Zwicker,E.;Fastl,H.Psychoacoustics−Facts and Models,2nd edition,Springer−Verlag,Berlin/Heidelberg/New York,1999)。
全部の聴覚範囲にわたってすべての臨界周波数群を一列に並べることは、ピッチ(単位が「Bark」である)と呼ばれる、聴覚指向の非線形な周波数尺度を結果としてもたらす。それは周波数軸の歪んだ尺度化を表し、それによって、周波数群が、各々の位置(point)において正確に1Barkの同一の幅を有することを特徴とする。周波数とピッチとの非線形関係は、その起源を基底板上の周波数/場所の変換に有している。ピッチ関数は、Zwickerによって、聴取閾値および音の大きさ(loudness)に関する試験に基づき、表および式の形態で定式化されている(Zwicker,E.;Fastl,H.Psychoacoustics−Facts and Models,2nd edition,Springer−Verlag,Berlin/Heidelberg/New York,1999)。ちょうど24個の周波数群が、0kHz〜16kHzの可聴周波数範囲に一列に並べられ得、それによって、対応するピッチ範囲が、0Barkから24Barkに達することが示された。1Bark当たりのピッチzは、式
に示され、対応する周波数群の幅Δfは、式
に示される。
閉じた室において、耳に作用するのは、サウンドシステムの方向からのサウンドだけでなく、壁から反射されたサウンドもまた作用する。しかしながら、方向を決定することにおいて、耳は、後から到着する任意の反射音ではなく、まさに最初に到着する直接的サウンドを評価し(第一波面の法則)、それによって、正しく音源の方向を決定することが可能であり続ける。この目的のために、耳は、時間と共に様々な周波数群における音の大きさの強い変化を評価する。1つ以上の周波数群において音の大きさの強い増大がある場合には、このことは、音源から新しく発生する直接的サウンドかまたは特性が変わる信号を含むあらゆる可能性を有する。この短い時間が、耳によって方向を決定するために用いられる。
後から到着する反射サウンドは、もはや関係する周波数群における音の大きさに追加されず、それによって、後から到着する反射サウンドが、方向の新しい決定を促し得るところまで、すなわち、一旦認識された方向が、音の大きさのより強い増大によって方向の再決定が可能にされるまで、音源の方向として維持される。2個のラウドスピーカまたはラウドスピーカアレイの間の正確に中間の聴取位置においては、中心のローカライゼーション、強いローカライゼーションが焦点に集まり、従って、対称的な周囲知覚が自動的に実現される。この考察は、信号が左側ステレオチャネルと右側ステレオチャネルとの間に同じレベルおよび同じ遅延を有する状態でいつも放出されることを想定する。
しかしながら、車両の客室における通常の聴取位置が一般にそうであるように、聴取位置がこの対称軸外にある場合には、ローカライゼーションの所望の品質はもはや、単にレベルをイコライズすることだけでは達成され得ない。ラウドスピーカの左側ステレオチャネルおよび右側ステレオチャネルの信号の振幅を適応させて、ラウドスピーカの放出角の差を補償することでさえも、ステレオラウドスピーカの間の対称軸上の聴取位置に対応する結果を達成することができない。
位相をそれぞれ調整するいかなる方法においても、遅延における信号の差が対称性を欠く着席位置によって変わることは、簡単な測定によって示され得る。耳を表す2個のマイクロホンを含むダミーヘッドを位置決めすることによって、客室内の聴取者の生理機能を、車両内に配列されたラウドスピーカの間の長手方向の中心線において正確にシミュレートし、両耳の位相差を測定することは、両方のステレオ信号が非常に高い程度に一致することを示す。約1500Hzまでの音響心理学的に関連する領域における対応する測定結果は、図1から明らかである。
ここで、図1を参照すると、ダミーヘッドのマイクロホンによって測定される場合の信号の位相差の曲線が例示され、左側の測定信号と右側の測定信号との間の位相差を、対数目盛の周波数の関数として度の単位で示している。実際の車両の客室内部で測定された場合の例から、2つの測定された信号の位相差が、100Hz未満の周波数に対しては比較的わずかであり、正の方向および負の方向において45度を超えないことは明らかである。
ここで、図2を参照すると、運転者の場所で位置決めされたダミーヘッドのマイクロホンによって測定される場合の信号の位相差の曲線が例示され、再び左側の測定信号と右側の測定信号との間の位相差を、対数目盛の周波数の関数として度の単位で示している。図2から、この場合において、測定された2つの信号の位相差が、100Hz超の周波数に対して正の方向および負の方向において45度をすでに超えていることは明らかである。300Hz超の周波数において、位相差は、180度と同じ高さに現れている。図1と図2との測定結果を比較すると、ラウドスピーカの間の対称軸外の聴取位置は、この場合の運転者の位置がそうであるように、左耳および右耳に到着する信号の実質的により大きな位相差、関係するオーディオ信号のローカライゼーションの大きな損失という結果をもたらすことは明らかである。
動力車両のオーディオシステムを手動で調整する過程において、位相を微調整(すなわち、調整)するための上記のような手段のすべてが、良い音響を達成するために、いわゆる「ステージ」を配置し、構成するように用いられる。対照的に、周波数応答の大きさをイコライズすることは、いわゆる調性を最適化することにもっぱら役立つ。これらの目的はまた、ここに記載されるような方法に関係し、すなわち、周波数応答の大きさをイコライズすることに関して任意に所定の標的の機能を達成することに関係する。位相イコライゼーションの方法を重点的に取り扱うことは、さらに、車両内のすべての可能性のある聴取位置において、対称性および広がりをステージに与えることを向上させること、および現実的なステージ幅を維持しながらローカライゼーションの正確さを向上させることに役立つ。
他の研究グループは、様々なラウドスピーカの異種の位相調整によって発生させられた櫛形フィルタ効果を、調査された測定点において低減するために位相を用いることにより、室内のこの位置において、スペクトル的により接近した、従って、向上した周波数応答の大きさを発生させる。このことに加えて、最適な周波数応答の大きさが原理的にローカライゼーションの品質について結論を可能にしないので、これはたぶん主要な所望の目標ではなかったが、ローカライゼーションがまた改善され得るのはこの様態においてである。
位相イコライゼーションに対して従来から公知のアプローチから、所望の位相周波数応答を単に複製するこの目的のために設計されたFIRオールパスフィルタは、その位相に全く影響しないが、変動する大きさの狭帯域グリッチを主として含む、周波数応答の大きさに対して特定の強い影響を有することもまた明らかである。このことは別にして、上記の観点によって生成される位相イコライザは、サウンドの知覚をだめにし得る、長いインパルス応答によって特徴付けられる。位相イコライゼーションにおいてインパルス応答を試験することは、調性の妨害と、位相イコライザの群遅延が設計される仕方との間に直接的つながりがあることを示した。
例えば、位相イコライザの群遅延の狭いスペクトル帯域における大きく、かつ突然の変化は、ちょうどこれらの周波数において高いQファクタ/利得を有するフィルタに類似して、インパルス応答内の振動を結果としてもたらす。この効果は、「時間的拡散」とも呼ばれ、すなわち、調性の妨害は、ますますさらに長く持続し、従って、ますます有害であり、狭いスペクトル帯域における偏差はますます動的である。代わりに、位相イコライザの群遅延の突然の変化が非常に低い周波数帯域内にある場合には、これは、ほとんど有害ではないとして経験され、ほとんどの場合に無視して良いことさえある。しかしながら、ともかく、この文脈は、オーディオシステムの衝撃性をだめにしないように、聴覚指向のスムージングによって、例えば、位相イコライザを設計する場合に考慮される必要がある。換言すると、良い衝撃性のために、位相イコライザの群遅延は、より高い周波数に対して低減された動的応答を有する必要がある。
位相イコライゼーションフィルタ用のフィルタに加えて、大きさイコライゼーション用のフィルタもまた、オーディオシステムの衝撃性に影響を及ぼす。ここで、位相イコライゼーション用のフィルタ、すなわち位相イコライザの設計におけるように、聴覚指向の非線形で、複雑なスムージングが使用される。この上に、衝撃性が影響される仕方はまた、大きさイコライゼーション用のフィルタの設計に依存する。すなわち、周波数応答の大きさの所定の所望の曲線が、線形に変換されるかまたは最小の位相調整が行われるか否かに依存して、妨害は多くなるかまたは少なくなる。
これは、良い衝撃性に対して、大きさイコライゼーションを実現するために最小位相フィルタの独占的使用が推奨される理由であるが、最小位相フィルタは、位相イコライゼーションを実装することにおいて考慮される必要があるように、特定の最小位相応答を特徴とする。これは、まさに同じことが位相に影響を及ぼす他の構成要素(例えばディレイライン、クロスオーバフィルタなど)に対してあてはまる。このことに加えて、周波数応答の大きさをイコライズするために最小位相フィルタを用いることは、線形の位相設計に比べて、同じ所望の周波数応答の大きさを達成するために、それらがほんの半分の個数のフィルタ係数を必要とし、従って非常に効率的に実現される利点を有する。
以下は、位相応答を周波数の関数としてイコライズする仕方が、ローカライゼーションの著しい向上を結果としてもたらすように設計され得るかを記述する。この目的のために、対応する前の考察および実行される場合の試験がここで詳細になる。
基本的に、3つの因子が水平ローカライゼーションに責任があり、3つの因子とは、すなわち、上記のハース効果または先行音効果(第一波面の法則とも呼ばれる)と、両耳間の時間差(ITD)と、両耳間のレベル差(ILD)とである。先行音効果は、残響環境において主として有効であり、両耳間の時間差は、Blauertに従うと最高約1500Hzまでのより低いスペクトル帯域において有効であり、両耳間のレベル差は、主として約4000Hz超において有効である。
しかしながら、本システムによって考慮されるローカライゼーションに対して、関心のあるスペクトルの範囲は、聴取者によって知覚されるようなローカライゼーションを分析したり、修正したりする場合に、両耳間の時間差(ITD)だけが考慮される必要のある最高約1500Hzまでの可聴周波数範囲であることが判明した。
従って、車両内部のすべての着席位置における各々のラウドスピーカの両耳室内インパルス応答(BRIR)が記録された。この目的のために、人工的な頭部(「人の頭部の耳がある位置においてマイクロホンを備えるダミーヘッド」)が、マネキンに取り付けられ、これに加えて、車両の客室内のすべての残りの座席が、所望の調整のタイプ(すなわち、運転者最適化調整、前部最適化調整、後部最適化調整、またはすべての位置に対する最適化調整)に依存して、乗客および/またはマネキンによって占められ得るかまたは占められないことがあり得る。
ここで、図3を参照すると、例としてオーディオシステムのラウドスピーカの配列と共に、概略的に示される車両内部1においてダミーヘッドの助けによって試験される場合のすべての位置が上面図で例示される。車両内部は、以下のラウドスピーカを備えているオーディオシステムを特徴とする。すなわち、前部左ラウドスピーカ2、前部中央ラウドスピーカ3、前部右ラウドスピーカ4、側部左ラウドスピーカ5、側部右ラウドスピーカ6、後部左ラウドスピーカ7、後部中央サブウーハ8ならびに後部右ラウドスピーカ9である。また図3から明らかなことは、ダミーヘッドの助けによってBRIRを測定する場所であり、これらの場所は、10aおよび11a(運転者および前部乗客の前部着席位置)、10bおよび11b(運転者および前部乗客の中央着席位置)、ならびに10cおよび11c(運転者および前部乗客の後部着席位置)である。さらに明らかなことは、測定位置12(後部左着席位置)および13(後部右着席位置)である。
ここで、図4を参照すると、ダミーヘッドの助けによって車両客室14において試験されるすべての測定位置の側面図が例示される。車両の2つの前部着席場所において、ダミーヘッド信号の各々は、座席の位置を決めることによって3つの位置(前部、中央、後部)において測定され、座席の位置を決めることは、結果として、客室において前部左に配列された運転者の座席および前部右に配列された前部乗客の着席位置、測定位置10aおよび11a(運転者および前部乗客の前部着席位置)、10bおよび11b(運転者および前部乗客の中央着席位置)ならびに10cおよび11c(運転者および前部乗客の後部着席位置)となった。この状況において、着席位置における前部から後部への移動の他に、同時に下部から上部への移動が、小柄な人、普通の大きさの人および背の高い人を考慮して行われる。
図4に示される側面図からさらに明らかなことは、ダミーヘッドの高さが2つの後部着席場所(左手および右手、図3を参照されたい)において調整される仕方であり、2つの後部着席場所の各々は、信号を測定する、左および右の後部着席場所に対する3つの位置、すなわち、左および右の後部着席場所に対する位置12aおよび13a、左および右の後部着席場所に対する中央位置12bおよび13b、ならびに左および右の後部着席場所に対する下方位置12cおよび13cに設定される。各場合における最高位置と最低位置との間のダミーヘッド配列の高さの変更は、これも異なる大きさの人を考慮して行われる。この配列の意図は、体の大きさの差、従って車両の客室における実際の乗客の耳に関する聴覚位置における差を再現することである。
前部着席位置における水平ローカライゼーションに対して、前部ラウドスピーカ2、4、およびオプションで3のみが関連する。同様に、前部ラウドスピーカ2、3、および使用可能な場合3の他に後部着席位置における水平ローカライゼーションに対して、後部ラウドスピーカ7、9、ならびに側部ラウドスピーカ5および6が関連する。しかしながら、着席位置が環境(すなわち、客室)ならびにそこにあるラウドスピーカの配列に依存するローカライゼーションにどれかのラウドスピーカが関連する。換言すると、各着席位置(および従って聴取位置)に対して、ラウドスピーカの規定された群が考えられ、ラウドスピーカの各群は少なくとも2個の単一のラウドスピーカを備えている。
(関連する群から選ばれる)聴取位置およびラウドスピーカの各対に対して両耳室内インパルス応答(BRIR)を測定した後に、さらなる分析およびフィルタ統合がオフラインで実行され得る。位相を調整するためのすべての手段を考慮に入れる際に、考えられる聴取位置に関連する群の対応するラウドスピーカを重ねることは、重なりスペクトルの所望の位相周波数応答を生成する。
2つの前部座席の聴取位置に対する両耳間の時間差(ITD)を最適化することは、1°のステップで0から180°までの位相シフトをラウドスピーカの関連する群のラウドスピーカのうちの1つに特定の周波数で供給されるオーディオ信号に賦課することによって、実行される。すなわち、特定の周波数fのオーディオ信号は、前部聴取位置、例えばラウドスピーカ2および4(中央スピーカ3が存在しない場合)に割り当てられる群のラウドスピーカに供給される。次いで後に、0°から180°までの位相シフトφがラウドスピーカ2(または、代わりにラウドスピーカ4)に供給され、このとき、他のラウドスピーカに供給されるオーディオ信号の位相は、不変のままである。このことは、例えば100Hz〜1500Hzなどの所与の周波数範囲における異なる周波数に対してなされる。上記のように、1500Hz未満の周波数範囲は、車両の客室などの反響する環境において水平ローカライゼーションに対して主として決定的である。
各考えられる聴取位置に対する測定された両耳室内インパルス応答(BRIR)を用いて、結果として生じる位相差Δφmnは、周波数fと位相シフトφとの各対に対して計算され得る。位相差Δφmnは、ダミーヘッドの2個のマイクロホン(すなわち、「耳」)に存在する音響信号の位相差であるか、または、換言すると、考えられる聴取位置に配置されるダミーヘッドの「耳」に存在する、結果として生じる音響信号から計算される重なりスペクトルの位相である。
本例において、左前部ラウドスピーカ2の信号の位相は変化させられが、但し、代案として、右ラウドスピーカ4の信号は同様に変化させられ得る。それに続いて、対象とする全スペクトルバンドにおいて重なりスペクトルの、結果として生じる位相Δφmnを得ること、次いで、結果を行列の中に入れることがなされる。複数のラウドスピーカが試験される特定の動力車両のサウンドシステムに存在する場合、3個以上のラウドスピーカの信号もまた、考えられる聴取位置に対する最適の結果を達成するために変化させられるように選ばれ得る。この場合、結果は、位相差の三次元「行列」である。しかしながら、ものごとを複雑にすることを避けるために、さらなる考察は、2個のラウドスピーカ(例えば、前部ラウドスピーカ3および4)のみを備えているラウドスピーカの群に限定し、その結果、1個のラウドスピーカの音声信号のみが位相シフトされる必要がある。
位相シフトを挿入し、結果として生じる位相差Δφmnを計算する手順は、割り当てられた関連するラウドスピーカの同じ群を有する各聴取位置に対してなされ得る。本例において、前部ラウドスピーカ2および4を備えている群が考えられた。ラウドスピーカのこの群は、車両の前部の6つの聴取位置(運転者位置:前方、中央、後方、前部乗客位置:前方、中央、後方)に割り当てられる。その結果、上記の手順を用いて、6つの行列Δφmnが計算され得、各行列は特定の聴取位置に属する。
以下の最適化に関して、各聴取位置に対して計算された位相差Δφmnは平均され得、平均位相差mΔφmnの行列を得る。従って、平均位相差mΔφmnの最適化は、達成され得、すべての考えられる聴取位置において良好なローカライゼーションの理由となり得る。
ここで、図5を参照すると、2個の前部測定位置10および11(例えば、中心位置10b、11b)の上の重なりスペクトルの位相の形式において上記に得られるような結果の三次元表現mΔφmnが例示され、2個の前部測定位置10および11において、設定された位相シフトφは0〜180°のy軸に入り、一方、各々の場合において、z軸は重なりスペクトルの平均位相差mΔφmnをプロットし、x軸は対応する周波数fをプロットする。この三次元表現における最小限の高さの線は、対応する着席位置または複数のそれぞれの着席位置に対する最小限の両耳間の時間差の意味において最適な位相シフトに対応する。位相差mΔφmnのN×N行列を仮定すると(ここで、周波数指数mは0からM−1に動き、位相指数nは0からN−1に動く)、周波数fにおいて最適なシフトφx(f)を生む指数Xは、以下の関係から導かれ得る。
mΔφmX=min{mΔφmn}、ここでn=0,1,...,N−1、
ここで、上記に論議される例において、N=180、すなわちφ=n°、ここでn=0、1、...、179である。例をあげると、周波数値数Mは、M=1500、すなわちf=m Hzから選択され得、ここでm=1,2,...,1500である。あるいは、周波数値fの代わりに対数間隔が選ばれ得る。最適な位相シフトは、最小限の位相差という結果をもたらす。
ここで、図6を参照すると、図5に示されるような三次元表現の上面図が例示され、図6において、横座標は、Hz単位で測定周波数fをプロットし、一方、縦座標は、ここでは左ラウドスピーカ2(図3を参照されたい)であるラウドスピーカのオーディオ信号に賦課される位相シフトΔφをプロットする。この上面図に重ねられるのは、位相差、従って図5に示されるように三次元表現mΔφmnからの最小値として得られる両耳間の時間差(ITD)に対する最小限の高さの「線」(例えば、fの関数としての最適な位相シフトφ)である。
ここで、図7を参照すると、測定された結果の三次元表現から分離された、上面図における最小限の「高さ」の線(すなわち、最小限の位相差であり、図6も参照されたい)がより明快に例示される。ここで再び、横座標は、Hz単位で周波数fをプロットし、一方、縦座標は、左ラウドスピーカ2(図3を参照されたい)に対する対応する位相シフトφをプロットする。図7から明らかな曲線は、従って前部左チャネルに対する最適量としての(周波数依存の)最適な位相シフトφの曲線であり、重なりスペクトル位相の最大の最小化、および従って2個の前部着席場所の上の平均としての最適の水平ローカライゼーションの結果をもたらし、重なりスペクトル位相の最大の最小化および最適な水平ローカライゼーションの各々はまた、結果として生じる重なりスペクトルを計算するためにオプションで重み付けされ得る。結果は、図6および図7に示されるように、試験された2個の左および右の前部着席位置の同等の重み付けから得られる。しかし、計算において、より大きな重みを有する運転者の場所に入り、おそらく最も多く占有される着席位置であるものに対して両耳間の時間差を最適化することに、より多くの重みを与えることは正に可能である。
行列最小値を利用して、位相イコライザを直接形成することは、上記に説明されるように、非最適化の瞬間力を有するフィルタという結果をもたらすが、可能な限り最良のローカライゼーションを提供する。従って、このことは、最適なローカライゼーションと瞬間力ノイズ含有量との間の妥協を伴う。
この目的のために、行列最小値φ(f)は、位相イコライゼーションフィルタが計算される前に、スライディング、非線形の複素スムージングフィルタの助けによってスムージングされる(複合フィルタリングの詳細については、Mourjopoulos,John N.;Hatziantoniou,Panagiotis D.:“Real−Time Room Equalization Based on Complex Smoothing:Robustness Results”,AES Paper 6070,AES Convention 116,2004年5月を参照されたい)。このことは、一方において、車両内のその後の聴取試験によって確認されたように、ローカライゼーションの精度が今までと同じく良好のままであることを確実にし、他方において、再び車両内のその後の聴取試験によって確認されたように、位相イコライザの瞬間力をそれがもはや迷惑物として感じられない点まで高める。
スムージングされた最適位相関数φX,FILT(f)は、考察中のラウドスピーカ(上記に論議される例において前部左ラウドスピーカ2)に供給されるオーディオ信号の位相をイコライズする位相イコライザの設計のための基準(設計目標)として用いられる。イコライジングフィルタは、例えば、FIRフィルタまたはIIRフィルタなどの任意のデジタルフィルタ技術によって実装され得る。
ここで、図8を参照すると、非線形の複素スムージングフィルタの適用後の位相イコライザの、結果として生じる群遅延と、Hz単位にて対数で周波数fをプロットする横座標と、周波数の関数として位相イコライザφX,FILT(f)の対応する群遅延をプロットする縦座標とが例示される。図8から見られ得るように、この場合の群遅延の動的応答が少なければ少ないほど、周波数は高い。既に上記に説明されたように、これは利点である。なぜなら、このような方法で時間的拡散が実質的に防げるからである。
ここで、図9を参照すると、前部左チャネル(図3に示されるようなラウドスピーカ2)の得られたFIR位相イコライザのインパルス応答が例として示される。図9の下図は時間の関数としてのインパルス応答の大きさの線形の表現を例示し、図9の上図は時間の関数としてのインパルス応答の大きさの対数の表現を例示する。
ここで、図10を参照すると、FIRフィルタとして実装された、図9に示されるような位相イコライザφX,FILT(f)のボードダイアグラムが例示され、上と下の両図における横座標は対数目盛りで周波数をプロットし、図10の下図の縦座標はdB単位でレベルをプロットし、図10の上図の縦座標は位相をプロットする。
このような方法で実現されるような位相イコライザは、次いで左前部ラウドスピーカ2(図3を参照されたい)の信号に適用された。本例において、全部の手順は、関連する群の他のラウドスピーカ、すなわちラウドスピーカ3および4(図3を参照されたい)に対して行われる。これらのラウドスピーカまたはそれらのそれぞれの活性化信号(ラウドスピーカに供給されるオーディオ信号)のために、対応する位相イコライザが、測定されたBRIRおよびその後の信号処理の結果から得られた。前部ラウドスピーカの位相イコライゼーションに対する最適曲線を得、それを適用した後に、後部着席位置のために着席位置最適化がさらに行われた。この目的のために、オーディオ信号のローカライゼーションは、側部左および側部右にそれぞれ配列された(図3を参照されたい)ラウドスピーカ5および6を利用する前部着席位置に関して説明された方法と同じ方法で最適化された。ダミーヘッドが対応して位置決めされた方法は、図3および図4に示される(位置12a、13a、12b、13b、12cおよび13c)。
オーディオ信号のローカライゼーションは、ここで、時間的拡散の迷惑物を作ることなく、位相イコライザによる周波数応答の大きさにおける望まない変化に我慢する必要もなく、説明された方法で動力車両の客室内の4つのすべての着席位置において相当に向上し得る。
ここで、図11a〜図11dを参照すると、最適化(位相イコライザを挿入すること、とりわけすべての位相イコライズされたチャネルに対する位相関数φX,FILT(f))の後に、車両内の4つすべての着席位置10、11、12および13において測定された両耳の重なりスペクトルの位相周波数応答が位相イコライザの適用前に測定された両耳の重なりスペクトルの位相周波数応答と比較する仕方が例示される。図11a〜図11dの横座標はHz単位にて対数表現で周波数をプロットし、縦座標は両耳の位相差曲線を度でプロットする。図11aは、車両内の左前部着席位置に対する最適化の前および後の両耳の位相差周波数応答である。図11bにおいて、車両内の右前部着席位置に対する最適化の前および後の両耳の位相差周波数応答が対応して比較される。図11cにおいて車両内の左後部着席位置に対する最適化の前および後の両耳の位相差周波数応答が比較され、そして図11dにおいて車両内の右後部着席位置に対する最適化の前および後の両耳の位相差周波数応答が比較される。最適化の前に得られた周波数依存の両耳の位相差は、図において「A」と識別され、最適化の後に得られた位相差は「B」と各々識別される。図11a〜図11dから明らかなことは、理想の0ラインから位相周波数応答のより少ない偏移が、特に、車両内の4つのすべての着席位置に対してより低い周波数で達成可能であり、その結果、すべての着席位置に対して車両オーディオシステム内のローカライゼーションの実質的な向上がもたらされることである。
本方法は、聴取室1内の少なくとも1つの聴取位置(例えば、運転者中央位置10b)における音響ローカライゼーションを最適化するために有効に用いられ得る。音場は少なくとも1つの聴取位置に割り当てられるラウドスピーカの群(例えば、前部ラウドスピーカ2および4)によって生成され、この場合、ラウドスピーカの群は、第1のラウドスピーカ(例えば、前部左ラウドスピーカ2)と、少なくとも第2のラウドスピーカ(例えば、前部右ラウドスピーカ4、およびオプションで中央ラウドスピーカ3)とを備えている。各ラウドスピーカは、オーディオチャネルを介してオーディオ信号が供給される。本方法は、第2のラウドスピーカ4に供給する少なくともオーディオチャネルのための位相イコライゼーションフィルタのフィルタ係数を計算することを包含する。位相イコライゼーションフィルタの位相応答は、少なくとも1つ聴取位置10における両耳の位相差Δφmn、または代わりに複数の聴取位置が考えられる場合、複数の聴取位置(例えば、前部位置10b、11b)の平均された平均的な両耳の位相差mΔφmnが所定の周波数範囲内で最小化されるように、設計される。方法は、位相イコライゼーションフィルタをそれぞれのオーディオチャネルに適用するステップをさらに包含する。
上記のように、それぞれの聴取位置(例えば、前部左位置10および前部右位置11、図3を参照されたい)において、1人または1人より多い聴取者によって知覚される両耳間の時間差は、本方法によって最小化され得る。各考えられる聴取位置10、11において位相イコライゼーションフィルタを第1に計算するステップを実行するために、両耳の伝達特性は、考えられる聴取位置10、11に割り当てられる群の各ラウドスピーカ2、4に対して決定され得る。これは、例えば上記のようにダミーヘッドを用いる測定によって達成され得る。
最適化は所定の周波数範囲内で実行され得、従って、所定の周波数範囲内から選ばれた一組の周波数fは、所定の位相範囲(例えば、φ={1°,2°,...,180°})から選ばれた一組の位相シフトφと同様に定義される。
両耳の位相差Δφmnは、各考えられる聴取位置10、11において計算され得、それによって、計算は、一組の周波数の各周波数fおよび一組の位相シフトの各位相シフトφに対して行われる。それによって、計算(これはシミュレーションとも呼ばれ得る)の目的のために、オーディオ信号が各ラウドスピーカ2、4に供給されることが仮定され、それによって、少なくとも1個の第2のラウドスピーカ4に供給されるオーディオ信号は、第1のラウドスピーカ2に供給されるオーディオ信号に対して位相シフトφだけ位相シフトされる。各考えられる聴取位置10、11に対する両耳の位相差Δφmnのアレイは、このように生成される。Mの異なる周波数値fおよびNの異なる位相シフトφの場合、結果として生じる行列は、ラウドスピーカの関連する群が2個のラウドスピーカを備えている場合、M×N行列である。3つのラウドスピーカ(例えば、追加の中央ラウドスピーカ3、図3を参照されたい)に関して、結果として生じる行列は、同じ組の位相シフトφが第2のラウドスピーカ3および第3のラウドスピーカ4に供給されるオーディオ信号に適用される場合、M×N×N構成要素を備えている三次元アレイである。
すべての考えられる聴取位置において、向上したローカライゼーションを達成するために、考えられる聴取位置10、11における両耳の位相差Δφmnの重み付けされた平均である平均的な両耳の位相差mΔφmnのアレイが計算され得る。重み付け係数は、0もしくは1または区間[0,1]であり得る。しかしながら、1つのみの聴取位置(例えば、運転者位置10)が考えられる場合、運転者位置10における両耳の位相差ΔφmnのそれぞれのアレイがアレイmΔφmnとして用いられ得る。
実際の最適化は、平均的な両耳の位相差mΔφmnのアレイにおいて、少なくとも1個の第2のラウドスピーカ4に出力されるオーディオ信号に適用される各周波数fに対して最適位相シフトφを探索することによって、実行され得る。最適の位相シフトφは、平均的な両耳の位相差mΔφmnの最小値を生み出すように定義される。従って、位相関数φX,FILT(f)は、周波数fの関数として最適な位相シフトφを表す少なくとも1個の第2のラウドスピーカに対して得られ得る。さらなるラウドスピーカが考えられる場合(例えば、第3の中央ラウドスピーカ3、図3を参照されたい)、最適な位相シフトφは、第2のラウドスピーカおよび各さらなるラウドスピーカ3、4に供給されるオーディオ信号に対して最適な位相シフトを含むベクトルである。
両耳の位相差Δφmnは、各聴取位置に存在する音響信号の重なりスプペクトルの位相である。これらの重なりスペクトルは、ラウドスピーカの関連する群のラウドスピーカおよび以前に測定された対応するBRIRに供給されるオーディオ信号を考えることによって容易に計算(すなわち、シミュレート)され得る。
本方法は、測定された両耳室内インパルス応答(BRIR)用いて、音響信号をシミュレートし、その音響信号は、計算において仮定されるように、オーディオ信号がすべての関連するラウドスピーカに供給され、位相シフトが少なくとも1個の第2のラウドスピーカの供給チャネルに挿入される場合に存在する。各聴取位置におけるシミュレートされた(両耳の)信号から、対応する両耳間の位相差が引き出され得る。しかしながら、このシミュレーションは、現実の測定値によって置き換えられ得る。すなわち、シミュレーションにおいて言及されたオーディオ信号は、ラウドスピーカに実際に供給され得、聴取位置において、結果として生じる音響信号は、両耳で測定され得る。所望の両耳間の位相差は、シミュレートされた信号から引き出される方法と同じ方法で測定された信号から引き出され得、従って、結果として、シミュレーションに基づく「オフライン」方法に関して上記に論議されるように両耳間の位相差の行列と同じ行列がもたらされる。この両耳間の位相差の行列は、両方の場合において同じ方法で処理される。しかしながら、後者の場合、ラウドスピーカから放出されるオーディオ信号の周波数および位相は実際には変化させられ、第1の場合において、このことは、シミュレーション中にコンピュータにおいてのみ行われる。
本発明を実現する様々な例が開示されたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の利点のいくつかを達成する様々な変更および修正が行われ得ることは当業者に明らかである。同じ機能を果たす他の構成要素が適切に代わりに用いられ得ることは当業者に明らかである。本発明の概念に対するそのような修正は、添付の特許請求の範囲に含まれることが意図される。さらに本発明の範囲は、自動車の用途に限定されるのではなく、例えば、ホームシネマまたは類似のものならびにシネマおよびコンサートホールまたは類似のものの場合などの任意の他の環境においても適用され得る。
1 車両内部
2 前部左ラウドスピーカ
3 前部中央ラウドスピーカ
4 前部右ラウドスピーカ
5 側部左ラウドスピーカ
6 側部右ラウドスピーカ
7 後部左ラウドスピーカ
8 後部中央サブウーハ
9 後部右ラウドスピーカ

Claims (15)

  1. 聴取室内の少なくとも1つの聴取位置(10)において音響ローカライゼーションを最適化する方法であって、音場は、該少なくとも1つの聴取位置(10、11)に割り当てられた一群のラウドスピーカ(2、4)によって生成され、該一群のラウドスピーカは、第1のラウドスピーカ(2)および少なくとも第2のラウドスピーカ(4)を備え、該スピーカの各々は、オーディオチャネルを介してオーディオ信号が供給され、該方法は、
    該第2のラウドスピーカ(4)に供給する少なくとも該オーディオチャネルのための位相イコライゼーションフィルタのフィルタ係数を計算することであって、該位相イコライゼーションフィルタの位相応答は、該少なくとも1つの聴取位置(10)における両耳の位相差(Δφmn)、または2つ以上の聴取位置(10、11)の上に平均される平均的な両耳の位相差(mΔφmn)が所定の周波数範囲内で最小化されるように設計される、ことと、
    該位相イコライゼーションフィルタを該それぞれのオーディオチャネルに適用することと
    を包含する、方法。
  2. 前記位相イコライゼーションフィルタの係数を計算するステップは、
    少なくとも1つのオーディオチャネルに適用可能な周波数および位相シフトに依存する位相差のアレイ内の最小限の探索を実行することであって、該最小限の探索は周波数(f)の関数として最適な位相シフト(φ)を表す最適位相関数φX,FILT(f)を生み出す、ことを包含する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記位相イコライゼーションフィルタの係数を計算するステップは、
    各聴取位置(10、11)に対して、それぞれの聴取位置(10、11)に割り当てられた群の各ラウドスピーカ(2、4)に対する両耳の伝達特性を決定することと、
    所定の周波数範囲から一組の周波数(f)を選択し、所定の位相範囲から一組の位相シフト(φ)を選択することと、
    各聴取位置(10、11)、該一組の周波数の各周波数(f)、および該一組の位相シフトの各位相シフト(φ)に対して両耳の位相差(Δφmn)を計算し、該計算に関して、オーディオ信号が各ラウドスピーカ(2、4)に供給されると仮定することであって、該少なくとも1個の第2のラウドスピーカ(4)に供給される該オーディオ信号は、該第1のラウドスピーカ(2)に供給される該オーディオ信号に対してそれぞれの位相シフト(φ)によって位相シフトされ、従って、該それぞれの聴取位置(10、11)に対する両耳の位相差(Δφmn)のアレイを提供する、ことと、
    該少なくとも1つの聴取位置(10、11)において、該両耳の位相差(Δφmn)の重み付け平均を計算することによって、平均的な両耳の位相差(mΔφmn)のアレイを提供することと、
    該平均的な両耳の位相差(mΔφmn)のアレイにおいて、各周波数(f)に対する最適な位相シフト(φ)を探索することであって、該最適な位相シフト(φ)は該平均的な両耳の位相差(mΔφmn)の最小値を生み出し、従って、結果として、周波数(f)の関数として該最適な位相シフト(φ)を表す最適位相関数φX,FILT(f)をもたらす、ことと
    を包含する、請求項1に記載の方法。
  4. 各考えられる聴取位置(10、11)において前記両耳の位相差(Δφmn)を計算するステップは、
    前記一組の周波数の各周波数(f)および前記一組の位相シフト(φ)に対して、各聴取位置(10、11)において重なりスペクトル値を計算することと、
    各計算された重なりスペクトル値に対する該重なりスペクトルの位相を計算することであって、該重なりスペクトルの位相は、該それぞれの聴取位置(10、11)において該両耳の位相差(Δφmn)を表す、ことと
    を包含する、請求項3に記載の方法。
  5. 前記最適位相関数φX,FILT(f)を近似する位相応答を提供するように設計されるデジタル位相イコライゼーションフィルタを提供するステップをさらに包含する、請求項2〜4のうちの1項に記載の方法。
  6. 前記両耳の伝達特性を決定するステップは、
    広帯域試験信号を各ラウドスピーカ(2、4、3)に順次に供給することと、
    各聴取位置(10、11)に到達する、結果として生じる音響信号を両耳で測定することと、
    ラウドスピーカ(2、4、3)と聴取位置(10、11)との各対に対して対応する両耳の伝達特性を計算することと
    を包含する、請求項3〜5のうちの1項に記載の方法。
  7. 前記位相イコライジングフィルタの位相応答を計算する前に、前記最適位相関数φX,FILT(f)のスムージングを行うステップをさらに包含する、請求項2〜6のうちの1項に記載の方法。
  8. 前記スムージングを行うステップは、非線形の複素スムージングフィルタを用いて行われる、請求項7に記載の方法。
  9. 前記スムージングステップは、周波数の増加にともない動的応答が減少するスムージングフィルタを用いて行われる、請求項7または8に記載の方法。
  10. 前記位相イコライゼーションフィルタのフィルタ係数を計算するステップは、
    所定の周波数範囲から一組の周波数(f)を選択し、所定の位相範囲から一組の位相シフト(φ)を選択することと、
    音場を生成するために、各選択された周波数(f)に対して、該それぞれの周波数(f)を有するオーディオ信号を各ラウドスピーカ(2、4)に供給することであって、該少なくとも1個の第2のラウドスピーカ(4)に供給される該オーディオ信号は、該第1のラウドスピーカ(2)に供給される該オーディオ信号に対して該それぞれの位相シフト(φ)によって位相シフトされる、ことと、
    位相シフト(φ)と周波数(f)との各組み合わせに対して、各聴取位置(10、11)に到達する、結果として生じる音響信号を両耳で測定することと、
    該それぞれの両耳で測定された音響信号から各聴取位置(10、11)に対する両耳の位相差(Δφmn)を計算し、従って、位相シフト(φ)と周波数(f)との各組み合わせに対する両耳の位相差値を含む該各聴取位置(10、11)に対する両耳の位相差(Δφmn)のアレイを提供することと、
    該少なくとも1つの聴取位置(10、11)において該両耳の位相差(Δφmn)の重み付けされた平均を計算することによって、平均的な両耳の位相差(mΔφmn)のアレイを提供することと、
    該平均的な両耳の位相差(mΔφmn)のアレイにおいて、各周波数(f)に対する最適な位相シフト(φ)を探索することであって、該最適な位相シフト(φ)は該平均的な両耳の位相差(mΔφmn)の最小値を生み出し、従って、結果として周波数(f)の関数として該最適な位相シフト(φ)を表す最適位相関数φX,FILT(f)をもたらす、ことと、
    該最適な位相φX,FILT(f)関数に近似する位相イコライゼーションフィルタに対する位相応答を計算することと
    を包含する、請求項1に記載の方法。
  11. 聴取室内の少なくとも1つの聴取位置(10)において音響ローカライゼーションを最適化するシステムであって、該システムは、
    音場を生成するために該少なくとも1つの聴取位置(10、11)に割り当てられたラウドスピーカ(2、4)の群であって、該ラウドスピーカの群は、第1のラウドスピーカ(2)および少なくとも第2のラウドスピーカ(4)を含む、ラウドスピーカ(2、4)の群と、
    オーディオ信号を各ラウドスピーカにそれぞれのオーディオチャネルを介して提供する信号源と、
    該第2のラウドスピーカ(4)に供給する少なくとも該オーディオチャネル適用される位相イコライゼーションフィルタのフィルタ係数を計算するように構成される信号処理ユニットであって、該位相イコライゼーションフィルタの位相応答は、該少なくとも1つの聴取位置(10)における両耳の位相差(Δφmn)または複数の聴取位置(10、11)の上に平均される平均的な両耳の位相差(mΔφmn)が所定の周波数範囲内で最小化されるように設計される、信号処理ユニットと
    を備えている、システム。
  12. 前記位相イコライゼーションフィルタの係数を計算するために、前記信号処理ユニットは、少なくとも1つのオーディオチャネルに適用可能な周波数および位相シフトに依存する位相差のアレイ内の最小限の探索を実行するように構成され、該最小限の探索は、周波数(f)の関数として最適な位相シフト(φ)を表す最適位相関数φX,FILT(f)を生み出す、請求項11に記載のシステム。
  13. 位相イコライゼーションフィルタの係数を計算するために、信号処理ユニットは、
    各聴取位置(10、11)に対して、該それぞれの聴取位置(10、11)に割り当てられた群の各ラウドスピーカ(2、4)に対する両耳の伝達特性を決定することと、
    所定の周波数範囲から一組の周波数(f)を選択し、所定の位相範囲から一組の位相シフト(φ)を選択することと、
    各聴取位置(10、11)、該一組の周波数の各周波数(f)、および該一組の位相シフトの各位相シフト(φ)に対して両耳の位相差(Δφmn)を計算し、該計算に関して、オーディオ信号が各ラウドスピーカ(2、4)に供給されると仮定することであって、該少なくとも1個の第2のラウドスピーカ(4)に供給される該オーディオ信号は、該第1のラウドスピーカ(2)に供給される該オーディオ信号に対してそれぞれの位相シフト(φ)によって位相シフトされ、従って、該それぞれの聴取位置(10、11)に対して両耳の位相差(Δφmn)のアレイを提供する、ことと、
    該少なくとも1つの聴取位置(10、11)において、該両耳の位相差(Δφmn)の重み付け平均を計算することによって、平均的な両耳の位相差(mΔφmn)のアレイを提供することと、
    該平均的な両耳の位相差(mΔφmn)のアレイにおいて、各周波数(f)に対する最適な位相シフト(φ)を探索することであって、該最適な位相シフト(φ)は該平均的な両耳の位相差(mΔφmn)の最小値を生み出し、従って、結果として、周波数(f)の関数として該最適な位相シフト(φ)を表す最適位相関数φX,FILT(f)をもたらす、ことと、
    前記最適な位相φX,FILT(f)関数に近似する位相イコライゼーションフィルタに対する位相応答を計算することと
    を行うように構成される、請求項11または12に記載のシステム。
  14. 前記位相イコライジングフィルタの位相応答を計算する前に、前記最適位相関数φX,FILT(f)のスムージングを行うように構成されるスムージングフィルタをさらに備えている、請求項12または13に記載のシステム。
  15. 前記スムージングフィルタは、非線形の複素スムージングフィルタであり、動的応答が、周波数が増加するにつれ動的応答が減少する、請求項14に記載のシステム。
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