JP2005027055A - スピーカシステム - Google Patents

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Akira Motojima
顕 本島
Akira Nishikawa
彰 西川
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Abstract

【課題】車室内で一席のみの明確な音像定位を確保するとともに、複数の座席に対しても音像定位の偏りが少ない音響の出力を実現するスピーカシステムを提供すること。
【解決手段】中高域用スピーカ10R,10Lは、インパネと一体化するか、またはインパネの上面に載置し、中低域用スピーカ11R,11Lは、運転席21および助手席22の足元付近、たとえばフロントドアの下部に配置している。運転席および助手席のどちらにも聴取者が存在している場合は、中低域用スピーカ11から出力される音響信号の周波数帯域を高周波数側にシフトさせる。たとえば、運転席モードおよび助手席モードでは、100Hz〜400Hzおよび50Hz〜90Hzであった出力周波数帯域を、フロントモードでは、500Hz〜1000Hzおよび50Hz〜90Hzにシフトさせる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車室内に設置するスピーカシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
車室内には、ラジオや、CD(Compact Disk)プレイヤーなどの音源からの音響信号を出力するスピーカが備えられている。備えられるスピーカは、高帯域の信号を出力する高帯域用スピーカ、中帯域の信号を出力する中帯域用スピーカなど、車室内での適切な音像定位を実現するために複数種類のスピーカが組み合わされている。さらに、運転席か、または助手席の聴取者に対する音像定位を明確にするため、各スピーカから聴取位置までの音響の到達時刻が同じになるように、各スピーカへの音響信号を遅延させる、いわゆるタイムアライメント処理を行っている。スピーカは、車両の前後を結ぶ線を中心に左右対称に配置され、音像定位を運転席に合わせる運転席モードおよび助手席に合わせる助手席モードの各モードでは、左右のスピーカの出力タイミングをずらしている。運転席が右側にある場合、運転席モードのときは、運転席に近い右側スピーカからの出力を、運転席から遠い左側スピーカからの出力より遅延させる。助手席モードのときは逆に左側スピーカからの出力を、右側スピーカからの出力より遅延させる。また、スピーカの指向軸を反射音が発生しないように調整している。
【0003】
信号の遅延処理は、スピーカが接続された信号処理装置によって行われる。この信号処理装置は、音源から入力された音声信号を、各スピーカから上記のようなタイミングで出力させる。モードは、インストゥルメントパネル(略称「インパネ」)に備えられるモード切り替えスイッチをユーザが押すことで切り替えることができる。たとえば、切り替えスイッチを一回押すごとに運転席モードと助手席モードとが切り替わるように構成されている。信号処理装置は、モード切り替えスイッチからの入力を検出し、切り替えられたモードに応じて、各スピーカからの出力タイミングを調製する。
【0004】
また、一般的に中高域用スピーカをインパネ近傍に配置し、中低域用スピーカをフロントドアの下部などに配置し、聴取位置での音像定位の変動を少なくするために、中高域スピーカの再生帯域を広くしている。
【0005】
車室内の音響効果に関する従来技術として、次のような発明が開示されている。特許文献1記載の非対称音場補正装置は、車室の前方左右および中央に配置されるスピーカとを備え、各座席において音響の聴取を行うか否かが指定入力されると、入力に応じて各座席に左右対称な音場を形成することができる演算定数を設定し、設定された演算定数を用いて、音響信号のレベルおよび位相のいずれかを演算処理して出力する。
【0006】
また、特許文献2記載の車室内音響再生装置は、ダッシュボード上に取り付けられた高域再生用のダイポール音源と、フロントドアまたはダッシュボードに取り付けられた中低域用のスピーカと、信号処理手段とを備え、ダイポール音源からの音と、スピーカからの音とをサイドウィンドおよびフロントウィンドで反射させることにより、聴取位置に同時に到達するように構成されている。
【0007】
【特許文献1】
実開平5−11699号公報
【特許文献2】
特開平6−72253号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
聴取者は、運転席および助手席ともに座っている場合が多く、従来の技術のように、いずれか一方の座席に音像定位を合わせると、もう一方の座席に座っている聴取者にとっては音像定位が偏ってしまうという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、複数の座席に対しても音像定位の偏りが少ない音響の出力を実現するスピーカシステムを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも2つ以上のスピーカと、
音源からの音響信号を2以上の帯域に帯域分割し、各周波数帯域の音響信号を所定のスピーカから出力するように制御する信号処理装置とを有し、
信号処理装置は、各スピーカから出力された音響が、車室内のいずれか1つの座席位置にほぼ同時に到達するように制御するスピーカシステムであって、
最も高い周波数帯域以外の周波数帯域の音響信号を出力するスピーカのうち少なくとも1つが車室内の前方下部に配置され、
信号処理装置は、車室内の前方下部に配置されるスピーカが出力する音響信号の周波数帯域を、高周波数側に変更可能に構成していることを特徴とするスピーカシステムである。
【0011】
本発明に従えば、信号処理装置が音源からの音響信号を2以上の帯域に帯域分割し、各周波数帯域の音響信号を所定のスピーカから出力する。
【0012】
最も高い周波数帯域以外の周波数帯域の音響信号を出力するスピーカのうち少なくとも1つを車室内の前方下部、たとえばフロントドアの足元付近に配置する。信号処理装置は、車室内の前方下部に配置されるスピーカが出力する音響信号の周波数帯域を、高周波数側に変更することができる。
【0013】
これにより、音像定位に寄与する周波数の反射音が増加し、音像がぼけるため、運転席および助手席の聴取者にとって音像の偏りが抑制される。したがって、運転席および助手席ともに聴取者が座っている場合に、いずれの聴取者にも対応する音像定位を実現することができる。
【0014】
また本発明は、信号処理装置は、最も高い周波数帯域をさらに高周波数側に変更可能であることを特徴とする。
【0015】
本発明に従えば、最も高い周波数帯域をさらに高周波数側に変更することも可能である。これにより、再生周波数の重なりを防止し、スピーカから出力される音響の音質を向上させることができる。
【0016】
また本発明は、信号処理装置は、フィルタを用いて帯域分割を行い、フィルタに設定された通過周波数帯域を変更することで、周波数帯域を変更することを特徴とする。
【0017】
本発明に従えば、帯域分割用のフィルタに設定された通過周波数帯域を、高周波数側に変更することで、周波数帯域を変更する。これにより、容易にスピーカが出力する音響信号の周波数帯域を、高周波数側に変更することができる。
【0018】
また本発明は、最も高い周波数帯域の音響信号を出力するスピーカの方向を、水平方向から鉛直上向きの間で変更可能に構成していることを特徴とする。
【0019】
また本発明は、スピーカの方向は、水平方向を基準に60°〜80°の範囲で変更可能であることを特徴とする。
【0020】
本発明に従えば、最も高い周波数帯域の音響信号を出力するスピーカの方向を、水平方向から鉛直上向きの間で、水平方向を基準に60°〜80°の範囲で変更可能に構成されている。
【0021】
これにより、フロントウィンドでの反射音が加わるため、反射音がさらに増加し、運転席および助手席の聴取者にとって音像の偏りがより抑制される。
【0022】
また本発明は、最も高い周波数帯域の音響信号を出力するスピーカの方向を、車両後方から車両内側に変更可能に構成していることを特徴とする。
【0023】
また本発明は、スピーカの方向は、車両後方方向を基準に45°〜60°の範囲で変更可能であることを特徴とする。
【0024】
本発明に従えば、最も高い周波数帯域の音響信号を出力するスピーカの方向を、車両後方から車両内側に、車両後方方向を基準に45°〜60°の範囲で変更可能に構成されている。
【0025】
これにより、反射音がさらに増加し、運転席および助手席の聴取者にとって音像の偏りがより抑制される。
【0026】
また本発明は、少なくとも3つ以上のスピーカと、
音源からの音響信号を、高周波数帯域、中周波数帯域および低周波数帯域の3つの帯域に帯域分割し、各周波数帯域の音響信号を所定のスピーカから出力するように制御する信号処理装置とを有し、
中周波数帯域の音響信号を出力するスピーカを車室内の前方下部に配置し、
低周波数帯域の音響信号を出力するスピーカを車室内の後方部に配置し、
中周波数帯域を、高周波数側に変更するとともに、低周波数帯域の音響信号の出力レベルを下げることを特徴とするスピーカシステムである。
【0027】
本発明に従えば、信号処理装置が音源からの音響信号を、高周波数帯域、中周波数帯域および低周波数帯域の3つの帯域に帯域分割し、各周波数帯域の音響信号を所定のスピーカから出力する。
【0028】
中周波数帯域の音響信号を出力するスピーカを車室内の前方下部、たとえばフロントドアの足元付近に配置する。また、低周波数帯域の音響信号を出力するスピーカを車室内の後方部、たとえばリア席の後部に配置する。信号処理装置は、中周波数帯域を、高周波数側に変更するとともに、低周波数帯域の音響信号の出力レベルを下げる。
【0029】
これにより、音像定位に寄与する周波数の反射音が増加し、音像がぼけるため、運転席および助手席の聴取者にとって音像の偏りが抑制される。したがって、運転席および助手席ともに聴取者が座っている場合に、いずれの聴取者にも対応する音像定位を実現することができる。また、リア席に聴取者が座っている場合に、低周波数帯域の音響信号の出力レベルが下がるので、リア席の聴取者に対する音質を向上させることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態であるスピーカシステム1の構成を示すブロック図である。スピーカシステム1は、中高域用スピーカ10、中低域用スピーカ11、低域用スピーカ12、パワーアンプ13、信号処理装置14を有する。スピーカシステム1は、CDプレイヤーまたはMDプレイヤーなどのソース(音源)2と接続し、ソース2から入力された音響信号を、信号処理装置14で、各種処理を行い、パワーアンプ13で増幅した音響信号を、中高域用スピーカ10、中低域用スピーカ11および低域用スピーカ12から音響として出力する。
【0031】
中高域用スピーカ10および中低域用スピーカ11は、主に車室内の前方、インパネ近傍に配置され、低域用スピーカ12は、後部座席付近に配置される。なお、スピーカシステム1は、低域用スピーカ12を含まない構成であっても良い。
【0032】
信号処理装置14は、DSP(Digital Signal Processor)などで実現され、帯域分割フィルタ141およびレベル調整部142を備えている。帯域分割フィルタ141は、ソース2から入力された音響信号を主に3つの帯域に分割する。具体的には、帯域分割フィルタ141は、中高域用スピーカ10から出力する信号を通過させるHPF(high path filter)、中低域用スピーカ11から出力する信号を通過させるBPF(band path filter)、低域用スピーカ12から出力する信号を通過させるLPF(low path filter)を用いて帯域を分割する。さらに、レベル調整部142は、分割された各帯域別にスピーカからの出力レベルを調整する。
【0033】
また、信号処理装置14は、スピーカからの音響の出力モードを複数有し、出力モードに応じて、中高域用スピーカ11、中低域用スピーカ12からの出力を遅延させ、各スピーカから出力された音響が、車両内のいずれか1つの座席位置にほぼ同時に到達するように制御するタイムアライメント処理を行う。出力モードには、運転席モードおよび助手席モードがあり、それぞれのモードでは、音像定位が運転席および助手席に合わせられる。なお、信号処理装置14には、選択手段であるモード切り替えスイッチ15が接続され、ユーザがスイッチを押すことで、運転席モードおよび助手席モードを選択して切り替えることができる。
【0034】
図2は、各スピーカの車室20における配置を示す図である。運転席21または助手席22の音像定位を明確にするために、中高域用スピーカ10R,10Lは、インパネと一体化するか、またはインパネの上面に載置するとともに、出力した音響が各席に到達するまでに反射することが無いように配置されている。たとえば、スピーカから各座席までの指向軸上に音響を反射する物体が存在しないように配置する。音響の反射が無いようなスピーカの配置とし、タイムアライメント処理を行うことで、明確な音像定位を実現している。
【0035】
中低域用スピーカ11R,11Lは、運転席21および助手席22の足元付近、たとえばフロントドアの下部に配置している。低域用スピーカは、リア席23の後部に配置している。
【0036】
運転席モードおよび助手席モードのときの信号処理装置14によるフィルタリング処理では、周波数帯域は、たとえばHPFの通過周波数が100Hz〜400Hz、BPFの通過周波数が100Hz〜400Hzおよび50Hz〜90Hz、LPFの通過周波数が40Hz〜100Hzである。配置された各スピーカは、それぞれこれらの周波数帯域の音響信号を出力する。
【0037】
運転席モードで音響が出力される場合、助手席22に座っている聴取者にとっては、音像定位が運転席21側に偏ってしまう。同様に、助手席モードで音響が出力される場合、運転席21に座っている聴取者にとっては、音像定位が助手席22側に偏ってしまう。
【0038】
本発明では、運転席および助手席のどちらにも聴取者が存在している場合は、このような偏りを抑制するために、フロントモードとして中低域用スピーカ11から出力される音響信号の周波数帯域を高周波数側にシフトさせている。フロントモードとは、運転席および助手席のフロント2席のいずれにも聴取者が座っている場合に適するモードである。たとえば、運転席モードおよび助手席モードでは、100Hz〜400Hzおよび50Hz〜90Hzであった出力周波数帯域を、フロントモードでは、500Hz〜1000Hzおよび50Hz〜90Hzにシフトさせている。フロントモードへの切り替えは、運転席モードと助手席モードの切り替えと同様に、モード切り替えスイッチ15をユーザが押すことで、切り替えることができるように構成されている。このフロントモードが選択されると、帯域分割フィルタ141のBPFの通過周波数帯域が切り替えられることによって、中低域用スピーカ11の出力周波数帯域のシフトを実現している。
【0039】
これにより、音像定位に寄与する周波数の反射音が増加し、音像がぼけるため、運転席および助手席の聴取者にとって音像の偏りが抑制される。したがって、運転席および助手席ともに聴取者が座っている場合に、いずれの聴取者にも対応する音像定位を実現することができる。
【0040】
さらに、中低域用スピーカ11の出力周波数だけでなく、中高域用スピーカ10の出力周波数を高周波数側にシフトさせてもよい。たとえば、運転席モードおよび助手席モードでは、100Hz〜400Hzであった出力周波数帯域を、フロントモードでは、500Hz〜1000Hzにシフトさせる。フロントモードが選択されると、帯域分割フィルタ141のHPFの通過周波数帯域が切り替えられることによって、中高域用スピーカ10の出力周波数帯域のシフトを実現している。
【0041】
これにより、再生周波数の重なりを防止し、スピーカから出力される音響の音質を向上させることができる。
【0042】
上記のように、スピーカシステム1は、低域用スピーカ12を含まない構成であっても良いが、含む構成であっても、運転席モード、助手席モードおよびフロントモードで、通過周波数を変化させる必要はない。運転席モードおよび助手席モードの通過周波数とフロントモードの通過周波数のいずれも40Hz〜100Hzである。しかし、一般的に低域用スピーカ12は、リア席23の後部に配置されるので、リア席23の聴取者に対しては、低域用スピーカ12の出力が影響を及ぼすこととなる。したがって、ALLモードでは、低域用スピーカ12からの出力レベルを低下させる。ALLモードとは、リア席23と、少なくともフロント2席のいずれかの席とに聴取者が座っている場合に適するモードである。たとえば、運転席モード、助手席モードおよびフロントモードの場合に対して、ALLモードでは、低域用スピーカ12の出力レベルを6dB低下させる。フロントモードが選択されると、レベル調整部142が低域用スピーカ12の出力レベルを低下させる。低域用スピーカ12の出力レベルを低下させることで、リア席23の聴取者に対する音質を向上させることができる。
【0043】
中低域用スピーカ11の出力周波数シフトに加えて、中高域用スピーカ10の指向軸方向を変化させることで、音像がさらにぼけることになり、いずれの聴取者にも対応する音像定位を実現することができる。たとえば、中高域用スピーカ11R,11Lの指向軸を鉛直上向き方向、または車両内側方向に変位させることができるように、中高域用スピーカ11R,11Lの向きを可動としている。特に、指向軸を鉛直上向き、車両内側方向にすることで、中高域用スピーカ11R,11Lから出力された音響が、フロントウィンドで反射される。
【0044】
スピーカの指向軸は、スピーカの構造によって決定され、スピーカが備える振動板の中心を通り、振動板に対して垂直な方向に延びる軸である。したがって、振動板の向きを変えることで、指向軸の方向を変えることができる。振動板と筐体とが一体となっているスピーカ構造の場合には、筐体の向きが鉛直上向き方向、または車両内側方向に可動なように構成され、ユーザが手動で筐体の向きを変えることで指向軸の方向を変えることができる。また、筐体がインパネと一体化しているような場合は、振動板の向きが鉛直上向き方向、または車両内側方向に可動なように構成され、ユーザが手動で振動板の向きを変えることで指向軸の方向を変えることができる。
【0045】
図3は、中高域用スピーカ11の指向軸Lの変位範囲を示す図である。鉛直方向の変位範囲は、図3(a)に示すように、水平方向を基準として、上向きにθ=60°〜80°である。車両内側方向の変位範囲は、図3(b)に示すように、車両後方を基準として、内向きにφ=45°〜60°である。なお、中高域用スピーカ11の指向軸は、鉛直上向き方向のみ、車両内側方向のみに可動であってもよいし、鉛直上向きかつ車両内側方向に可動であってもよい。また、モード切り替えスイッチ15が入力され、フロントモードまたはALLモードが選択されたときに、自動で中高域用スピーカ10の向きを変化させて、指向軸の方向を変化させる構成であってもよい。
【0046】
図4は、音響出力処理を示すフローチャートである。
電源をオンすることで処理が開始され、ステップS1では、帯域分割フィルタ141の通過周波数帯域を、運転席モードおよび助手席モード用の帯域に設定する。また、中高域用スピーカ11を初期位置に移動させるここで初期位置とは、運転席モードおよび助手席モード時の位置であり、反射音が発生しない位置である。ステップS2では、モード切り替えスイッチ15の入力に基づいて、運転席モードまたは助手席モードかどうかを判断する。運転席モードまたは助手席モードが選択されていればステップS4に進み、いずれも選択されていなければ、すなわちフロントモードかALLモードが選択されていればステップS3に進む。
【0047】
ステップS3では、帯域分割フィルタ141の通過周波数を変更する。また、中高域用スピーカ11の向きを変更する。ステップS4では、タイムアライメント処理によりソース2からの音響信号を音響として各スピーカから出力する。このときのタイムアライメント処理では、運転席モードおよび助手席モードが選択されている場合は、そのモードに応じた処理を行い、フロントモードが選択されている場合は、直前に選択されていた運転席モードまたは助手席モードのいずれかと同様の処理を行ってもよいし、必ず運転席モードと同様の処理を行ってもよい。
【0048】
以上のように、主に中低域スピーカ11からの出力周波数を高周波数側にシフトさせることで、反射音を増加させ、運転席および助手席いずれの聴取者にも対応する音像定位を実現することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、音像定位に寄与する周波数の反射音が増加し、音像がぼけるため、運転席および助手席の聴取者にとって音像の偏りが抑制される。したがって、運転席および助手席ともに聴取者が座っている場合に、いずれの聴取者にも対応する音像定位を実現することができる。
【0050】
また本発明によれば、再生周波数の重なりを防止し、スピーカから出力される音響の音質を向上させることができる。
【0051】
また本発明によれば、容易にスピーカが出力する音響信号の周波数帯域を、高周波数側に変更することができる。
【0052】
また本発明によれば、フロントウィンドでの反射音が加わるため、反射音がさらに増加し、運転席および助手席の聴取者にとって音像の偏りがより抑制される。
【0053】
また本発明によれば、リア席に聴取者が座っている場合に、低周波数帯域の音響信号の出力レベルが下がるので、リア席の聴取者に対する音質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態であるスピーカシステム1の構成を示すブロック図である。
【図2】各スピーカの車室20における配置を示す図である。
【図3】中高域用スピーカ11の指向軸の変位範囲を示す図である。
【図4】音響出力処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 スピーカシステム
2 ソース(音源)
10 中高域用スピーカ
11 中低域用スピーカ
12 低域用スピーカ
13 パワーアンプ
14 信号処理装置
15 切り替えスイッチ
20 車室
21 運転席
22 助手席
23 リア席
141 帯域分割フィルタ
142 レベル調整部

Claims (8)

  1. 少なくとも2つ以上のスピーカと、
    音源からの音響信号を2以上の帯域に帯域分割し、各周波数帯域の音響信号を所定のスピーカから出力するように制御する信号処理装置とを有し、
    信号処理装置は、各スピーカから出力された音響が、車室内のいずれか1つの座席位置にほぼ同時に到達するように制御するスピーカシステムであって、
    最も高い周波数帯域以外の周波数帯域の音響信号を出力するスピーカのうち少なくとも1つが車室内の前方下部に配置され、
    信号処理装置は、車室内の前方下部に配置されるスピーカが出力する音響信号の周波数帯域を、高周波数側に変更可能に構成していることを特徴とするスピーカシステム。
  2. 信号処理装置は、最も高い周波数帯域をさらに高周波数側に変更可能であることを特徴とする請求項1記載のスピーカシステム。
  3. 信号処理装置は、フィルタを用いて帯域分割を行い、フィルタに設定された通過周波数を変更することで、周波数帯域を変更することを特徴とする請求項1または2記載のスピーカシステム。
  4. 最も高い周波数帯域の音響信号を出力するスピーカの方向を、水平方向から鉛直上向きの間で変更可能に構成していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のスピーカシステム。
  5. スピーカの方向は、水平方向を基準に60°〜80°の範囲で変更可能であることを特徴とする請求項4記載のスピーカシステム。
  6. 最も高い周波数帯域の音響信号を出力するスピーカの方向を、車両後方から車両内側に変更可能に構成していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のスピーカシステム。
  7. スピーカの方向は、車両後方方向を基準に45°〜60°の範囲で変更可能であることを特徴とする請求項6記載のスピーカシステム。
  8. 少なくとも3つ以上のスピーカと、
    音源からの音響信号を、高周波数帯域、中周波数帯域および低周波数帯域の3つの帯域に帯域分割し、各周波数帯域の音響信号を所定のスピーカから出力するように制御する信号処理装置とを有し、
    中周波数帯域の音響信号を出力するスピーカを車室内の前方下部に配置し、
    低周波数帯域の音響信号を出力するスピーカを車室内の後方部に配置し、
    中周波数帯域を、高周波数側に変更するとともに、低周波数帯域の音響信号の出力レベルを下げることを特徴とするスピーカシステム。
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