JP7066931B2 - 車両用スピーカシステム - Google Patents

車両用スピーカシステム Download PDF

Info

Publication number
JP7066931B2
JP7066931B2 JP2018055670A JP2018055670A JP7066931B2 JP 7066931 B2 JP7066931 B2 JP 7066931B2 JP 2018055670 A JP2018055670 A JP 2018055670A JP 2018055670 A JP2018055670 A JP 2018055670A JP 7066931 B2 JP7066931 B2 JP 7066931B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
speaker
vehicle
vehicle interior
interior space
space
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018055670A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019166947A (ja
Inventor
景 田辺
秋雄 鈴木
亮 伊藤
洋 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Alpine Electronics Inc
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Alpine Electronics Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp, Alpine Electronics Inc filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2018055670A priority Critical patent/JP7066931B2/ja
Publication of JP2019166947A publication Critical patent/JP2019166947A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7066931B2 publication Critical patent/JP7066931B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Fittings On The Vehicle Exterior For Carrying Loads, And Devices For Holding Or Mounting Articles (AREA)
  • Details Of Audible-Bandwidth Transducers (AREA)
  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)

Description

本発明は、ドアおよびインストルメントパネル(インパネ)におけるスピーカの占有率を高めることなく前方定位感を確保することが可能な車両用スピーカシステムに関する。
車両用スピーカシステムとして最も一般的なものは、高域を担う面積の小さいスピーカ(ツイータ)をインパネに設置し、中低域を担う面積の比較的大きいスピーカ(ミッドバス)をドアに横向きに設置し、超低域(約60Hz以下)を担うスピーカ(サブウーファ)を車両後方のトランク等に設置するものである。これによれば、超低域から高域までの全帯域の音を発生することができる。また、60Hz以下の音は人間の耳ではどこで鳴っているのか分からないと言われており、スピーカを車両後方に設置しても前方定位感を得ることができる。
しかし、このようなシステムでは、面積が大きいミッドバスをドアに設置するので、ドアが厚みを増して車室内空間が狭くなる問題があった。また、横向きなので直接音が搭乗者に届きにくく音質が低下してしまうという問題があった。
そこで、ミッドバスをドアに設けないシステムとして、例えば特許文献1には、低域用スピーカおよび高域用スピーカのそれぞれがインパネに設置されたスピーカシステムが提案されている。
特開平10-224877号公報
特許文献2に開示されるスピーカシステムでは、その実施形態(図1)において、低音の再生能力を高めるためのバスレフ型スピーカがインパネ内に組み込まれている。このような容積が大きなスピーカをインパネ側方、特にハンドルよりも外側に配置すると、スピーカによってインパネが大きく張り出すことになる。このような配置は搭乗者の足元空間を狭め車室内空間の居住性を低下させる。また、運転者の車両操作性を著しく低下させるおそれもあり、安全性の観点からも現実的な配置とはいえない。また、特許文献1においては超低域を担うサブウーファについての記載がなく、超低域から高域までの全帯域の音を発生できているとは言い難い。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、超低域から高域までの全帯域の音を発生させるとともに前方定位感を損なわないことを前提として、車室を広くすることができ、スピーカによるインパネ専有面積の増大を抑え、かつインパネの張り出しを抑えることができる車両用スピーカシステムを提供することにある。
上記課題を解決するために提供される本発明は、車両隔壁板により車室内空間と車室外空間とが隔てられ前記車室内空間の前側にインストルメントパネルが設置され前記車室内空間にシートが設置されてなる車両に用いられる車両用スピーカシステムであって、20Hz以上60Hz未満を超低域、60Hz以上150Hz未満を低域、150Hz以上5000Hz未満を中域、5000Hz以上20kHz以下を高域として、前記車両隔壁板における前記シートの背もたれ部よりも前側の位置に設置され、前記超低域および前記低域を含む第1周波数帯域に対応する第1電気信号により駆動されて前記車室内空間に後ろ向きに音圧を放射するとともにエンクロージャを用いることなく前記車室外空間に向けて直接に背圧を排出する大面積の第1スピーカと、前記インストルメントパネル、前記インストルメントパネルの側方に設けられるフロントピラー、およびドアからなる群から選ばれる少なくとも1つにおける前記背もたれ部よりも前側の位置に設置され、前記中域および前記高域を含む第2周波数帯域に対応する第2電気信号により駆動されて前記車室内空間に後ろ向きに音圧を放射する小面積の第2スピーカと、を備え、前記第1スピーカは、車室内の下方空間と車室外空間とを隔てる下側隔壁板に設置され、前記第1スピーカの背圧が、車両の外側空間へと排出されることを特徴とする車両用スピーカシステムである。
低域の音圧を発生させるスピーカ(低域スピーカ)は、背もたれ部近傍にその耳が位置する搭乗者に届くべき正相の音圧とは位相が反対の逆相である背圧を適切に制御(抑制・反転)させるための構造が必要である。特許文献1に開示されるスピーカシステムでは、低域スピーカがインパネ内に組み込まれており、具体的な例示と示される低域スピーカはバスレフ型である。したがって、特許文献1に記載されるスピーカシステムでは、低域スピーカには、背圧を受けるためのエンクロージャおよび背圧を反転させて車室内空間に放射するダクトが設けられている。その結果、特許文献1に記載されるスピーカシステムの低域スピーカは著しく体積が大きくなって、運転席および助手席の足元の空間が狭くなっている。これが車室内空間の居住性を低下させるとともに、運転者の操作性に悪影響を及ぼしうることはいうまでもない。
そこで、本発明の一態様に係るスピーカシステムでは、低域の音圧を含む第1スピーカについて、車室外空間に背圧が排出される構造を有する。このような構造を有することにより、第1スピーカに必要とされる体積を少なくすることができる。その結果、第1周波数帯域に基づく音像の前方定位感を高めるようにシートの背もたれ部よりも前方に第1スピーカを配置した場合であっても、インパネが張り出すことがなく、車室内空間の居住性が低下しにくい。なお、本発明の第1スピーカは、人間の耳がどこで鳴っているのか感じることができると言われている60Hz以上の帯域を担っているが、背もたれ部よりも前方に配置されているので、前方定位感を損なうことはない。
そして、指向性が比較的高い第2周波数帯域の信号に基づく音圧を発生させる第2スピーカもシートの背もたれ部よりも前に配置することによって、全域にわたって前方定位感のある音像を発生させることができる。なお、第2スピーカは低域を担わないので小面積にすることができ、背圧も小容積のエンクロージャや吸音材により処理できるので、インパネ等の占有面積を増大させることもなく、インパネの張り出しが大きくなることもない。
上記のスピーカシステムにおいて、前記第1スピーカは、前記第2スピーカよりも前方に位置し、前記シートの背もたれ部から第1スピーカまでの距離は、前記シートの背もたれ部から第2スピーカまでの距離よりも長く設定されており、前記第2電気信号による前記第2スピーカの駆動を、前記第1電気信号による前記第1スピーカの駆動よりも遅延させてもよい。このようにして、第1スピーカの搭乗者への音の到達時間と第2スピーカの搭乗者への音の到達時間のズレを小さくすると、第1スピーカの音と第2スピーカの音とが重なる帯域において両スピーカからの音の位相のズレを小さくすることができ、音の打消し合いを防止することができる。なお、サブウーファを車両後方に設置した場合において前席の搭乗者に対して最適な遅延時間を設定すると後席の搭乗者に対しては不適な遅延時間となってしまい、後席での音質が著しく悪化してしまう。しかし、本発明によれば、前席の搭乗者に対して最適な遅延時間を設定すれば後席の搭乗者に対してもほぼ最適な遅延時間となり、後席での音質の悪化を防止することができる。
また、前記車両隔壁板に第1スピーカを、前記インストルメントパネル、前記インストルメントパネルの側方に設けられるフロントピラー、およびドアからなる群から選ばれる少なくとも1つにおける前記背もたれ部よりも前側の位置に第2のスピーカを配置すると、前記シートの背もたれ部から第1スピーカまでの距離は、前記シートの背もたれ部から第2スピーカまでの距離よりも長くなる。この場合、第2スピーカの音が第1スピーカの音よりも乗員の耳に早く届くことになり、乗員が違和感を覚える可能性があるが、第2スピーカの駆動を遅延させることにより、そのような違和感を低減できる。
上記の車両用スピーカシステムにおいて、前記車両隔壁板は、前記車室内空間の下方に位置する車室外下方空間と前記車室内空間とを隔てる下側隔壁板を含み、前記第1スピーカは、前記下側隔壁板に設置されていてもよい。この場合には、第1スピーカの背圧は、車両の外側空間へと排出される。
上記のスピーカシステムにおいて、前記第2スピーカは、前記インストルメントパネルおよび前記フロントピラーからなる群から選ばれる少なくとも1つに設けられていてもよい。すなわち、第2スピーカはドアには設けられていないことが好ましい場合がある。ドアの厚さは限定的であるため、第2スピーカの形状に関する設計自由度が低くなる。また、車両におけるドア以外の部分で第2電気信号が生成され、ドア内の第2スピーカに有線接続される場合には、ドアヒンジの周囲または内部にケーブルを配置する必要があり、製造時の組立性の低下をもたらすこともある。
なお、第1スピーカおよび第2スピーカのいずれについても、複数のスピーカによって構成されていてもよい。
本発明の車両用スピーカシステムによれば、超低域から高域までの全帯域の音を発生させるとともに前方定位感を損なわないことを前提として、車室を広くすることができ、スピーカによるインパネ専有面積の増大を抑え、かつインパネの張り出しを抑えることができる。
本発明の一実施形態に係る車両用スピーカシステムを備える車両の構成を概念的に示す(a)断面図および(b)上面図である。 本発明の一実施形態に係る車両用スピーカシステムのブロック図である。 本発明の一実施形態の好適例に係る車両用スピーカシステムが備えるスピーカのそれぞれから発生する音圧の帯域分布を概念的に示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る車両用スピーカシステムが備えるスピーカの構造を概念的に示す断面図である。
以下、発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1(a)は、本発明の一実施形態に係る車両用スピーカシステムを備える車両の構成を概念的に示す断面図であり、図1(b)は、本発明の一実施形態に係る車両用スピーカシステムを備える車両の構成を概念的に示す上面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る車両用スピーカシステムを備える車両100は、車両隔壁板の一種である前側隔壁板110により車室内空間S1と車室外空間の一つとして位置付けられる車室外前方空間SEとが隔てられている。具体的には、車室内空間S1の前方(図1ではX1-X2方向X2側)に車室外前方空間SEが位置し、これらの空間を隔てる部材として、前側隔壁板110が設けられている。また、車室内空間S1の前側(X1-X2方向X2側)にインストルメントパネル(本明細書において、「インパネ」と略記することもある。)90が設置され、車室内空間S1の中央(インパネ90よりもX1-X2方向X1側)にシート80(右側シート80R,左側シート80L)が設置されている。シート80のそれぞれ(右側シート80R,左側シート80L)には、背もたれ部80b(右側シート背もたれ部80Rb,左側シート背もたれ部80Lb)があり、使用状態では、これらの背もたれ部80bに搭乗者の頭が触れるように位置する。
車両100は、1つの第1スピーカ21と2つの第2スピーカ22(右側第2スピーカ22R,左側第2スピーカ22L)とを備える。なお、第1スピーカ21の面積は大きく、第2スピーカ22の面積は小さいものとなっている。
第1スピーカ21は、車両隔壁板におけるシート80の背もたれ部80bよりも前側に位置する車両隔壁板である前側隔壁板110に設けられ、車室内空間S1に音圧APを放射することができる。したがって、第1スピーカ21から発生する音の前方定位感を確保することができる。なお、本事例においては第1スピーカ21の振動板12の直径は20cmである。
第1スピーカ21は前側隔壁板110に設けられているため、車室外前方空間SEに背圧BPを排出することができる。前側隔壁板110は、車室内空間S1の静粛性を確保するために、車室外前方空間SEから車室内空間S1への音の入り込みを抑制する適切な防音対策が施されている部材である。したがって、前側隔壁板110は、車室内空間S1と車室外前方空間SEとを音響的に適切に隔離するバッフル板として機能することができる。そこで、第1スピーカ21を前側隔壁板110に取り付けて、車室外前方空間SEに背圧BPを排出することにより、第1スピーカ21はエンクロージャが実質的に不要となって、その体積を小さくすることができる。このように、第1スピーカ21は、シート80の背もたれ部80bよりも前側(X1-X2方向X2側)に配置されることにより高い前方定位感を実現しつつ、車室内空間S1の居住性の低下を抑制することができる。
2つの第2スピーカ22(右側第2スピーカ22R,左側第2スピーカ22L)は、インパネ90における背もたれ部80bよりも前側(X1-X2方向X2側)の位置に設けられ、車室内空間S1に後ろ向き(X1-X2方向X1側)に音圧APを放射することができる。なお、後述するように、第2スピーカ22から放射される音圧APの周波数帯域は略150Hz以上であるから、小型のエンクロージャや吸音材を用いて容易に背圧BPを処理することができる。なお、本事例においては第2スピーカ22の振動板12の直径は6cmである。すなわち、本事例において、第1スピーカ21の振動板12は相対的に大面積であり、第2スピーカ22の振動板12は相対的に小面積である。なお、シートの背もたれ部80bから第1スピーカ21までの距離は、シートの背もたれ部80bから第2スピーカ22までの距離よりも長い。
図2は、本発明の一実施形態に係る車両用スピーカシステムのブロック図である。図2には、デジタル信号を音源とする場合のブロック図が具体的一例として示されている。本実施形態に係る車両用スピーカシステムに係る音響システム200は、音源30と、信号発生手段70と、スピーカ20とからなる。信号発生手段70は、フィルター部40と、D/A変換部50と、増幅部60とを備える。スピーカ20は、前述のとおり、第1スピーカ21と、右側第2スピーカ22Rおよび左側第2スピーカ22Lとからなる。
音源30は、右側デジタル信号を出力する右側音源32Rおよび左側デジタル信号を出力する左側音源32Lからなる。音源30は、不揮発性メモリ、ハードディスク、CD-ROMなどデジタル信号を保存するデジタル音源であってもよいし、オーディオテープなどアナログ信号を保存するアナログ音源と、アナログ音源からのアナログ信号をデジタル化するA/D変換装置とからなるものであってもよい。
音源30の右側音源32Rから出力された右側デジタル信号は、フィルター部40の右側ハイパスフィルター42Rおよび信号混成部43のそれぞれに入力する。右側ハイパスフィルター42Rは、入力された右側デジタル信号に基づいて、アナログ化したときに150Hz以上5000Hz未満の中域および5000Hz以上20kHz未満の高域からなる第2周波数帯域のアナログ信号となる右側第2デジタル信号を生成して、この右側第2デジタル信号を出力する。
音源30の左側音源32Lから出力された左側デジタル信号は、フィルター部40の左側ハイパスフィルター42Lおよび信号混成部43のそれぞれに入力する。左側ハイパスフィルター42Lは、入力された左側デジタル信号に基づいて、アナログ化したときに150Hz以上5000Hz未満の中域および5000Hz以上20kHz未満の高域からなる第2周波数帯域のアナログ信号となる左側第2デジタル信号を生成して、この左側第2デジタル信号を出力する。
信号混成部43では、入力された右側デジタル信号および左側デジタル信号に基づいて、アナログ化したときに左右の音が混成された音となる混成デジタル信号を生成し、この混成デジタル信号を出力する。信号混成部43から出力された混成デジタル信号は、ローパスフィルター41に入力する。ローパスフィルター41は、入力された混成デジタル信号に基づいて、アナログ化したときに20Hz以上60Hz未満の超低域および60Hz以上150Hz未満の低域からなる第1周波数帯域のアナログ信号となる第1デジタル信号を生成して、この第1デジタル信号を出力する。
なお、このフィルター部40は、デジタルシグナルプロセッサの機能の一部であるが、デジタルシグナルプロセッサの他の機能として、右側第2デジタル信号および左側第2デジタル信号を第1デジタル信号よりも遅延させる信号遅延手段を設けてもよい。
D/A変換部50は、3つのD/A変換装置、すなわち、右側第2D/A変換装置52R、左側第2D/A変換装置52L、および第1D/A変換装置51を備える。右側第2D/A変換装置52Rには右側第2デジタル信号が入力し、右側第2D/A変換装置52Rは、入力された右側第2デジタル信号に基づいて第2周波数帯域のアナログ信号である右側第2アナログ信号を生成して、この右側第2アナログ信号を出力する。なお、D/A変換の際には不可避的に周波数帯域の広がりが生じるため、右側第2アナログ信号は、低強度であるが、20Hz未満の音および150Hz以上の音を含む。他のD/A変換についても同様である。左側第2D/A変換装置52Lには左側第2デジタル信号が入力し、左側第2D/A変換装置52Lは、入力された左側第2デジタル信号に基づいて第2周波数帯域のアナログ信号である左側第2アナログ信号を生成して、この左側第2アナログ信号を出力する。第1D/A変換装置51には第1デジタル信号が入力し、第1D/A変換装置51は、入力された第1デジタル信号に基づいて第1周波数帯域のアナログ信号である第1アナログ信号を生成して、この第1アナログ信号を出力する。こうして、D/A変換部50からは3種類のアナログ信号が出力される。
増幅部60は、3つの増幅器、すなわち、右側第2増幅器62R、左側第2増幅器62L、および第1増幅器61を備える。右側第2増幅器62Rには右側第2アナログ信号が入力し、右側第2増幅器62Rは、その強度を増幅して右側第2電気信号を生成し、この右側第2電気信号を出力する。左側第2増幅器62Lには左側第2アナログ信号が入力し、左側第2増幅器62Lはその強度を増幅して左側第2電気信号を生成し、この左側第2電気信号を出力する。第1増幅器61には第1アナログ信号が入力し、第1増幅器61はその強度を増幅して第1電気信号を生成し、この第1電気信号を出力する。こうして、増幅部60からは3種類の電気信号が出力される。
右側第2電気信号は右側第2スピーカ22Rに入力し、第2周波数帯域の右側の音を構成する音圧APが発生する。左側第2電気信号は左側第2スピーカ22Lに入力し、第2周波数帯域の左側の音を構成する音圧APが発生する。第1電気信号は第1スピーカ21に入力し、第1周波数帯域の音を構成する音圧APが発生する。第1周波数帯域は低周波数の帯域を含むが、前述のように、第1スピーカ21の背圧BPは車室外前方空間SEに排出されるため、第1スピーカ21は特段のエンクロージャを必要とすることなく、低周波数帯域の音を効率的に発生させることができる。
図3は、本発明の一実施形態の好適例に係る車両用スピーカシステムが備えるスピーカのそれぞれから発生する音圧APの帯域分布を概念的に示すグラフである。図3において、破線が第1スピーカ21により発生する音の周波数分布を示すグラフであり、実線が第2スピーカ22(右側第2スピーカ22R,左側第2スピーカ22L)により発生する音の周波数分布を示すグラフである。図3に示されるように、第1スピーカ21により、第1周波数帯域が適切にカバーされ、第2スピーカ22により、第2周波数帯域が適切にカバーされる。したがって、スピーカ数が3と比較的シンプルな構成でありながら、本発明の一実施形態に係る車両用スピーカシステムは、広い周波数帯域にわたって明瞭な音像を、前方定位感を確保した状態で、シート80に着座する搭乗者に提供することができる。なお、図3に示されるグラフでは、第2スピーカ22(右側第2スピーカ22R,左側第2スピーカ22L)は20kHzを超えて40kHz程度の帯域まで音圧APを良好に発生させることができることが示されている。このように、第2スピーカ22(右側第2スピーカ22R,左側第2スピーカ22L)は、第2周波数帯域よりも高周波の帯域の音圧APを発生させることができてもよい。
図4は、本発明の一実施形態に係る車両用スピーカシステムが備えるスピーカの構造を概念的に示す断面図である。スピーカ20の1つである第1スピーカ21を具体例として構造を説明する。第1スピーカ21略円錐台形状を有するフレーム11に各種部材が取り付けられている。フレーム11は外周縁側に円環状の環状部11aおよび環状部11aから延設されるスポーク状の支持部11cを有する。この支持部11cは、図面上は便宜的に切欠き孔11bを有する点線で描かれている。
第1スピーカ21において音圧APを発生させる振動板12は略円錐台形状を有し、外周縁側にエッジ12aを有しており、このエッジ12aがフレーム11の環状部11aに取り付けられている。図4に示す第1スピーカ21では、具体的には、エッジ12aはフレーム11の環状部11aに接着剤により接着されている。このようにフレーム11に支持されることにより、振動板12はフレーム11の前後方向(図4におけるX1-X2方向)に沿って振動可能とされている。
振動板12は中央部に開口(振動板開口)12bを有する。この振動板開口12bを含む振動板12の内周縁側を塞ぐように、円椀形状のキャップ13が振動板12に取り付けられている。
フレーム11の略円錐台形状を有する支持部11cにおける頂部(磁気回路取付部11d)には、磁気回路部14が取り付けられている。磁気回路部14は、柱状のセンターポール部14aを有し、センターポール部14aの中心軸は振動板12の振動方向(X1-X2方向)を向いている。センターポール部14aのX1-X2方向X2側の周囲にはボトムプレート部14bが一体的に設けられ、ボトムプレート部14b部のX1-X2方向X1側に環状のマグネット14cが取り付けられている。マグネット14cのX1-X2方向X1側には環状のトッププレート部14dが取り付けられている。このマグネット14cが設けられていることにより、センターポール部14aとトッププレート部14dとの間には、環状の磁気ギャップ14eが形成される。なお、ボトムプレート部14bとトッププレート部14dがヨーク部を形成している。
振動板12のX1-X2方向X2側には筒状のボビン15が固定される。図4に示されるように、ボビン15は、振動板12の後側(X1-X2方向X2側)に位置する磁気回路部14の磁気ギャップ14eに挿入されている。ボビン15における磁気ギャップ14eに挿入されている部分の側面には、ボイスコイル16が巻かれている。磁気ギャップ14e内に位置するボイスコイル16に流れる電流に応じてボビン15がX1-X2方向に往復動することによって、振動板12が振動して、振動板12からX1-X2方向X1側に音圧APが発生し、X1-X2方向X2側に背圧BPが排出される。2つの第2スピーカ22(右側第2スピーカ22R,左側第2スピーカ22L)も基本構造は第1スピーカ21と共通であり、振動板12の面積が第1スピーカ21の振動板12の面積よりも小さい。
振動方向(X1-X2方向)で振動板12と磁気回路部14との間にはダンパ17が位置する。ダンパ17は、外周縁側がフレーム11の支持部11cに支持され、内周縁側においてボビン15を支持している。上記のボビン15の往復動に伴い、振動板12のみならず、ダンパ17も振動方向(X1-X2方向)に往復動する。ダンパ17は弾性部材から形成され、ボイスコイル16に電流が流れていない状態において、弾性回復力によってボビン15を中立位置に戻す機能を有する。
このような構成を備える第1スピーカ21は、ボイスコイル16に電流を流して振動板12を振動させることにより、車室内空間S1側に正相の音圧APを放射し、車室外前方空間SE側に逆相の音圧(背圧)BPを排出することができる。
上記に本実施形態およびその適用例を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、前述の各実施形態またはその適用例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含有される。
例えば、第1スピーカ21は複数あってもよい。ただし、第1周波数帯域の音は第2周波数帯域の音に比べて指向性が高くないため、例えば第1スピーカ21を2つ用意して音を左右に分けるよりも、1つに集約して第1スピーカ21全体の体積を少なくする方が好ましい。
第2スピーカ22は、ドアに設けられていてもよい。この場合であっても、ドアの高さ方向で中央部または上方に位置して、後ろ向き(X1-X2方向X1側)に音圧APを放射できるような配置であることが好ましい。
なお、第2スピーカ22をドアに設けた場合には、ドア内空間はインパネ90内空間よりも狭いため、第2スピーカ22自体の構造に関する設計自由度、および第2スピーカ22のドア内の配置に関する設計自由度は比較的低い。また、第2スピーカ22をドアに設けて第2電気信号を有線で第2スピーカ22に伝える場合には、ドアヒンジの内部または周囲に第2電気信号を伝えるための配線が必要となる。したがって、製造時の組立性を高める観点、ドアヒンジ周りの意匠性を高める観点などから、第2スピーカ22はドアには設けられていないことが好ましい場合がある。
第2スピーカ22は、一群のスピーカから構成されていてもよい。例えば、右側第2スピーカ22Rが2個以上のスピーカから構成されていてもよい。この場合において、それぞれのスピーカから異なる周波数帯域の音圧APが放射されてもよい。そのような場合の具体例として、インパネ90に中域のスピーカが配置され、Aピラー120に高域のスピーカが配置される場合が挙げられる。
スピーカ20は、図4に示されるようなボイスコイル16でボビン15を駆動する構成に限定されない。そのような構成である場合において、振動板12および磁気回路部14の配置と音圧APの放射方向との関係は任意である。音圧APは、図4に示されるように振動板12側に放射されてもよいし、磁気回路部14側(図4ではX1-X2方向X2側)に放射されてもよい。
100 車両
110 前側隔壁板
90 インストルメントパネル(インパネ)
80 シート
80R 右側シート
80L 左側シート
80b 背もたれ部
80Rb 右側シート背もたれ部
80Lb 左側シート背もたれ部
21 第1スピーカ
22 第2スピーカ
22R 右側第2スピーカ
22L 左側第2スピーカ
AP 音圧
BP 背圧
200 音響システム
30 音源
70 信号発生手段
20 スピーカ
40 フィルター部
50 D/A変換部
60 増幅部
32R 右側音源
32L 左側音源
42R 右側ハイパスフィルター
42L 左側ハイパスフィルター
43 信号混成部
41 ローパスフィルター
52R 右側第2D/A変換装置
52L 左側第2D/A変換装置
51 第1D/A変換装置
62R 右側第2増幅器
62L 左側第2増幅器
61 第1増幅器
11 フレーム
11a 環状部
11b 切欠き孔
11c 支持部
11d 磁気回路取付部
12 振動板
12a エッジ
12b 振動板開口
13 キャップ
14 磁気回路部
14a センターポール部
14b ボトムプレート部
14c マグネット
14d トッププレート部
14e 磁気ギャップ
15 ボビン
16 ボイスコイル
17 ダンパ
S1 車室内空間
SE 車室外前方空間
SX 車両外下方空間
91 センターコンソール
130 下側隔壁板
120 フロントピラー(Aピラー)

Claims (4)

  1. 車両隔壁板により車室内空間と車室外空間とが隔てられ前記車室内空間の前側にインストルメントパネルが設置され前記車室内空間にシートが設置されてなる車両に用いられる車両用スピーカシステムであって、
    20Hz以上60Hz未満を超低域、60Hz以上150Hz未満を低域、150Hz以上5000Hz未満を中域、5000Hz以上20kHz以下を高域として、
    前記車両隔壁板における前記シートの背もたれ部よりも前側の位置に設置され、前記超低域および前記低域を含む第1周波数帯域に対応する第1電気信号により駆動されて前記車室内空間に後ろ向きに音圧を放射するとともにエンクロージャを用いることなく前記車室外空間に向けて直接に背圧を排出する大面積の第1スピーカと、
    前記インストルメントパネル、前記インストルメントパネルの側方に設けられるフロントピラー、およびドアからなる群から選ばれる少なくとも1つにおける前記背もたれ部よりも前側の位置に設置され、前記中域および前記高域を含む第2周波数帯域に対応する第2電気信号により駆動されて前記車室内空間に後ろ向きに音圧を放射する小面積の第2スピーカと、を備え、
    前記第1スピーカは、車室内の下方空間と車室外空間とを隔てる下側隔壁板に設置され、前記第1スピーカの背圧が、車両の外側空間へと排出されることを特徴とする車両用スピーカシステム。
  2. 前記第1スピーカは、前記第2スピーカよりも前方に位置し、
    前記シートの背もたれ部から第1スピーカまでの距離は、前記シートの背もたれ部から第2スピーカまでの距離よりも長く設定されており、
    前記第2電気信号による前記第2スピーカの駆動を、前記第1電気信号による前記第1スピーカの駆動よりも遅延させる、請求項1に記載の車両用スピーカシステム。
  3. 前記車両隔壁板は、前記車室内空間の前方に位置する車室外前方空間と前記車室内空間とを隔てる前側隔壁板を含み、
    前記第1スピーカは、前記前側隔壁板に設置された、請求項1または2に記載の車両用スピーカシステム。
  4. 前記第2スピーカは、前記インストルメントパネルおよび前記フロントピラーからなる群から選ばれる少なくとも1つに設けられ前記ドアには設けられていない、請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用スピーカシステム。

JP2018055670A 2018-03-23 2018-03-23 車両用スピーカシステム Active JP7066931B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018055670A JP7066931B2 (ja) 2018-03-23 2018-03-23 車両用スピーカシステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018055670A JP7066931B2 (ja) 2018-03-23 2018-03-23 車両用スピーカシステム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019166947A JP2019166947A (ja) 2019-10-03
JP7066931B2 true JP7066931B2 (ja) 2022-05-16

Family

ID=68106081

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018055670A Active JP7066931B2 (ja) 2018-03-23 2018-03-23 車両用スピーカシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7066931B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112331172A (zh) * 2020-10-26 2021-02-05 吉林大学 大型客车车内声功能分区自适应声品质控制方法和系统

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005027055A (ja) 2003-07-02 2005-01-27 Fujitsu Ten Ltd スピーカシステム
JP2005086604A (ja) 2003-09-10 2005-03-31 Alpine Electronics Inc スピーカの取付構造及びメータ一体型スピーカユニット
JP2010245890A (ja) 2009-04-07 2010-10-28 Toyota Boshoku Corp 車載用スピーカ装置
JP2015106799A (ja) 2013-11-29 2015-06-08 株式会社東芝 方法および電子機器

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6277985U (ja) * 1985-11-01 1987-05-19
JPH0550899U (ja) * 1991-12-06 1993-07-02 オンキヨー株式会社 音響再生装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005027055A (ja) 2003-07-02 2005-01-27 Fujitsu Ten Ltd スピーカシステム
JP2005086604A (ja) 2003-09-10 2005-03-31 Alpine Electronics Inc スピーカの取付構造及びメータ一体型スピーカユニット
JP2010245890A (ja) 2009-04-07 2010-10-28 Toyota Boshoku Corp 車載用スピーカ装置
JP2015106799A (ja) 2013-11-29 2015-06-08 株式会社東芝 方法および電子機器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019166947A (ja) 2019-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9445197B2 (en) Signal processing for a headrest-based audio system
KR102077486B1 (ko) 라우드스피커 시스템
CA2515281C (en) Vehicle loudspeaker array
US9338536B2 (en) Modular headrest-based audio system
US7343020B2 (en) Vehicle audio system with directional sound and reflected audio imaging for creating a personal sound stage
US8144894B2 (en) Ducting sound
JP2003235088A (ja) スピーカを備えた椅子
GB2595318A (en) Loudspeaker arrangement
US11167700B2 (en) Vehicle audio system
JP7066931B2 (ja) 車両用スピーカシステム
US9967672B2 (en) Audio system
JPH10224877A (ja) 車載用スピーカシステム
JP2010179880A (ja) スピーカ配設構造
EP3503585A1 (en) Vehicle speaker system and audio system
US11838740B2 (en) Automotive audio system and method with tri-polar loudspeaker configuration and floating waveguide equipped transducers in an automotive headrest
US11375303B2 (en) Near to the ear subwoofer
WO2023081437A1 (en) Instrument panel speaker system
JP2022018899A (ja) 車室内音響装置
JP2004040728A (ja) 圧電型スピーカ装置
JP2004056403A (ja) 音響再生装置および音響再生方法
JP2023027196A (ja) 放音装置
JP2020102702A (ja) 車載用オーディオ装置
JP2005022546A (ja) 車載用ステレオスピーカ装置
JP2009255797A (ja) 車載用フロントスピーカ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200827

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210803

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210927

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220215

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220318

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7066931

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150