JP2015106799A - 方法および電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】一例として、より簡単な手法で、聴取者がいる位置での音響効果を改善することが可能な方法を提供する。【解決手段】実施形態による方法は、一例として、互いに隣接するように設けられた複数のスピーカのうち、聴取者に対して近い位置に設けられた第1スピーカから出力される第1の音の位相を入力信号の位相に対して遅延させ、複数のスピーカのうち聴取者に対して遠い位置に設けられた第2スピーカから出力される第2の音の位相を入力信号の位相に対して進行させる。【選択図】図3

Description

本発明の実施形態は、方法および電子機器に関する。
従来、車載用音響システムなどの、複数のスピーカが室内で互いに隣接するように設けられた構成が知られている。このような構成では、複数のスピーカから出力される音が室内で反響および干渉することにより、聴取者がいる位置での音響効果が損なわれる場合がある。そこで、聴取者がいる位置での音響効果を改善するために、各スピーカの音響特性などを考慮した複雑な計算を伴うフィルタリング処理を行うことにより、聴取者が位置する方向に向けて音が出力されるように、スピーカ全体から出力される音に指向性を持たせる技術が提案されている。
特開2007−43377号公報
上記のような技術では、一例として、より簡単な手法で、聴取者がいる位置での音響効果を改善することができれば望ましい。
実施形態による方法は、一例として、互いに隣接するように設けられた複数のスピーカのうち、聴取者の頭部に対して近い位置に設けられた第1スピーカから出力される第1の音の位相を入力信号の位相に対して遅延させ、複数のスピーカのうち聴取者の頭部に対して遠い位置に設けられた第2スピーカから出力される第2の音の位相を入力信号の位相に対して進行させる。
図1は、実施形態によるスピーカ装置を備えた車両を示した例示概略図である。 図2は、実施形態によるスピーカ装置と聴取者(乗員)との位置関係を示した例示概略図である。 図3は、実施形態によるスピーカ装置の内部構成を示した例示ブロック図である。 図4は、実施形態によるスピーカ装置から出力される音の音圧が互いに異なる3つの位置においてそれぞれどのようになるかを示した例示図である。 図5は、実施形態によるスピーカ装置に含まれる2つのFIRフィルタにおいてそれぞれ用いられるフィルタ係数を示した例示図である。 図6は、実施形態の効果を説明するための例示図である。 図7は、第1変形例によるスピーカ装置に含まれる2つのFIRフィルタにおいてそれぞれ用いられるフィルタ係数を示した例示図である。 図8は、第2変形例によるスピーカ装置の内部構成を示した例示ブロック図である。 図9は、第2変形例によるスピーカ装置に含まれる2つのFIRフィルタにおいてそれぞれ用いられるフィルタ係数を示した例示図である。 図10は、第3変形例によるスピーカ装置の内部構成を示した例示ブロック図である。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1〜図6を参照して、本実施形態によるスピーカ装置100の構成について説明する。なお、スピーカ装置100は、「電子機器」の一例である。
図1および図2に示すように、スピーカ装置100は、一例として、車両VのフロントドアDに備えられている。
図2に示すように、スピーカ装置100は、スピーカ装置100からの音を聴く聴取者である車両Vの乗員Hの足元側に設けられている。また、スピーカ装置100は、互いに隣接するように設けられたスピーカ11aおよび11bを備える。スピーカ11aは、乗員Hに対して近い位置に設けられている。スピーカ11bは、乗員Hに対して遠い位置に設けられている。スピーカ11aおよび11bは、それぞれ、「第1スピーカ」および「第2スピーカ」の一例である。
より具体的には、図3に示すように、スピーカ装置100は、2つのスピーカ11aおよび11bと、2つのアンプ12aおよび12bと、2つのFIRフィルタ13aおよび13bとを備える。アンプ12aおよび12bは、それぞれ、スピーカ11aおよび11bに接続されている。FIRフィルタ13aおよび13bは、それぞれ、アンプ12aおよび12bに接続されている。
ここで、乗員Hの足元側にスピーカ装置100が設けられた上記のような構成では、入力信号に対して何らの処理も行わないと、スピーカ11aおよび11bから出力される音が、乗員Hの頭側(矢印A参照)には向かわずに、主にスピーカ装置100の正面側(矢印B参照)および乗員Hの足元側(矢印C参照)に向かって進むことになる。このため、乗員Hの足元側における車内の内装などによる音の反射・干渉が発生しやすく、音質の劣化が起こりやすい。したがって、上記のような構成では、音が乗員Hの頭側に進むように音に指向性を持たせるなどの処理を施すことにより、乗員Hの頭側の位置で最適な音響環境を得ることが望まれている。
そこで、本実施形態では、乗員Hの頭側の位置で最適な音響環境を得るために、スピーカ11aから出力される第1の音の位相と、スピーカ11bから出力される第2の音の位相とを互いにずらすことにした。より具体的には、スピーカ11aから出力される第1の音の位相をFIRフィルタ13aによって入力信号に対してπ/4遅延させ、かつ、スピーカ11bから出力される第2の音の位相をFIRフィルタ13bによって入力信号に対してπ/4進行させることにした。これにより、以下に説明するように、乗員Hの頭側の位置における音響環境を改善することができる。以下、原理を説明するために、位相差が有効に作用する周波数における状態について説明する。
図4は、第1の音および第2の音の位相を上記のようにずらした場合における、第1の音および第2の音の合成音の音圧を示した例示図である。この図4では、第1の音が一点鎖線の矢印によって表され、第2の音が二点鎖線の矢印によって表され、合成音が太線の矢印によって表されている。また、図4では、位相の進行する方向が反時計回り方向の矢印R1によって表され、位相の遅延する方向が時計回り方向の矢印R2によって表されている。
図4(a)は、乗員Hの頭側(図1〜図3の矢印A参照)の位置における合成音の音圧を示した例示図である。図4(b)は、スピーカ11aおよび11bに対して正面側(図1〜図3の矢印B参照)の位置における合成音の音圧を示した例示図である。図4(c)は、乗員Hの足元側(図1〜図3の矢印C参照)の位置における合成音の音圧を示した例示図である。
図4(b)に示すように、スピーカ11aおよび11bに対して正面側(図1〜図3の矢印B参照)の位置では、上記の設定通り、第1の音の位相が入力信号に対してπ/4遅延しており、第2の音の位相が入力信号に対してπ/4進行している。
これに対して、乗員Hの頭側(図1〜図3の矢印A参照)の位置では、スピーカ11aとの間の相対的な距離が、上記図4(b)の場合よりも小さくなるため、その分、第1の音の位相の遅延が相殺される。したがって、乗員Hの頭側の位置では、図4(a)に示すように、第1の音の位相の遅れがπ/4よりも小さくなる。また、乗員Hの頭側の位置では、スピーカ11bとの間の相対的な距離が、上記図4(b)の場合よりも大きくなるため、その分、第2の音の位相の進行が相殺される。したがって、乗員Hの頭側の位置では、図4(a)に示すように、第2の音の位相の進みがπ/4よりも小さくなる。
この結果、本実施形態によれば、乗員Hの頭側(図1〜図3のの矢印A参照)の位置において第1の音および第2の音が互いに強め合うので、乗員Hの頭側の位置における合成音の音圧を上記図4(b)の場合よりも大きくすることができる。したがって、本実施形態によれば、システム全体の音量を抑えても、乗員Hの頭側の位置における音の大きさを維持することができるので、音響出力効率を改善することができる。
また、乗員Hの足元側(図1〜図3のの矢印C参照)の位置では、スピーカ11aに対する相対的な距離が、上記図4(b)の場合よりも大きくなるため、その分、第1の音の位相の遅れが増大する。したがって、乗員Hの足元側の位置では、図4(c)に示すように、第1の音の位相の遅れがπ/4よりも大きくなる。また、乗員Hの足元側の位置では、スピーカ11bに対する相対的な距離が、上記図4(b)の場合よりも小さくなるため、その分、第2の音の位相の進行が増大する。したがって、乗員Hの足元側の位置では、図4(c)に示すように、第2の音の位相の進みがπ/4よりも大きくなる。
この結果、本実施形態によれば、乗員Hの足元側(図1〜図3のの矢印C参照)の位置において、第1の音および第2の音が互いに打ち消し合うので、矢印C側の位置における合成音の音圧を上記図4(b)の場合よりも小さくすることができる。したがって、本実施形態によれば、乗員Hの足元側に向けて出力される音が車内の内装や乗員Hなどによって反射・干渉することに起因して、乗員Hの頭側の位置で聞こえる音の音質が劣化するのを抑制することができるので、乗員Hの頭側の位置における音響環境を改善することができる。
なお、図4(b)の位置における第1の音の位相の遅延と第2の音の位相の進行とを共にπ/4に設定したのは、次の理由による。すなわち、第1の音と第2の音との位相差を大きくしすぎると、スピーカ11aおよび11bから出力された時点で打ち消しあう成分が多くなり、音響出力効率が低下してしまう。このため、本実施形態では、音圧を最も強めたい図4(a)の位置において、第1の音の位相の遅延と第2の音の位相の進行とを共に0に設定し、かつ、音圧を最も抑えたい図4(c)の位置において、第1の音の位相の遅延と第2の音の位相の進行とを共にπ/2に設定することができれば望ましい。そこで、本実施形態では、両者の中間である図4(b)の位置において、第1の音の位相の遅延と第2の音の位相の進行とが、共に、0とπ/2との中間であるπ/4になるようにした。これにより、図4(a)の位置における音響環境を効果的に改善することができる。
さらに、本実施形態では、乗員Hの頭側の位置における音響環境をさらに改善するために、距離差によって位相変化が大きくなることに起因して第1の音と第2の音との干渉が起こりやすい高周波数帯域(詳細は、後述する)において、第1の音の出力と第2の音の出力との間に、第1の音と第2の音との行路差に応じた時間分遅延させることにした。行路差は、2つのスピーカ11aおよび11bから乗員Hの頭側の位置までの距離の差に対応している。これにより、第1の音が乗員Hの頭側の位置に到達する時間と、第2の音が乗員Hの頭側の位置に到達する時間とを揃えることができるので、乗員Hの頭側の位置における音響環境をさらに改善することができる。
上記のような位相制御および時間制御は、図5に示すようなフィルタ係数をFIRフィルタ13aおよび13bに設定することにより実現される。図5(a)および(b)は、それぞれ、FIRフィルタ13aおよび13bに設定するフィルタ係数を示した例示図である。この図5に示した例では、サンプリング周波数を48kHzとして計算している。
図5(a)は、第1の音の位相を、入力信号を64サンプル分遅延させた信号に対してπ/4遅延させ、かつ、第1の音の高周波数帯域の出力を第1の音と第2の音との行路差に応じた時間差の半分だけ遅延させるように設計したフィルタ係数を示した例示図である。この図5(a)に示したフィルタ係数は、3kHz以上の高周波数帯域において、約50mmの行路差に対応する時間差の半分の遅延を含むように設計されている。図5(b)は、第2の音の位相を、入力信号を64サンプル分遅延させた信号に対してπ/4進行させ、かつ、第2の音の高周波数帯域の出力を第1の音と第2の音との行路差に応じた時間差の半分の遅延を減らすように設計したフィルタ係数を示した例示図である。この図5(b)に示したフィルタ係数は、3kHz以上の高周波数帯域において、約50mmの行路差に対応する時間差の半分の遅延が少なくなるように設計されている。
上記図5に示したようなフィルタ係数を使用した場合、第1の音および第2の音の合成音の音圧は、図6に示したグラフのようになる。
図6の一点鎖線l1は、乗員Hの頭側(図1〜図3の矢印A参照)の位置における合成音の音圧を示している。また、図6の二点鎖線l2は、乗員Hの足元側(図1〜図3の矢印C参照)の位置における合成音の音圧を示している。また、図6の実線l3は、乗員Hの頭側の位置における合成音と、乗員Hの足元側の位置における合成音との音圧比を示している。
図6の点線l4は、比較例として、位相の制御を組み込んだ本実施形態のフィルタ係数(図5参照)を使用することなく、第1の音と第2の音との行路差に応じた時間の遅延のみを組み込んだフィルタ係数を使用した場合の、矢印C側の位置における合成音の音圧を示している。この点線l4は、上記二点鎖線l2よりも上側(音圧が高い側)に位置している。これにより、位相の制御を組み込んだ本実施形態(二点鎖線l2)によれば、位相の制御を組み込まない比較例(点線l4)に比べて、乗員Hの足元側の位置における合成音の音圧がより小さくなることが分かる。すなわち、本実施形態によれば、位相の制御を組み込んだフィルタ係数を使用している分、乗員Hの足元側の位置における音の反射・干渉をより抑制することができ、乗員Hの足元側とは反対側の頭側の位置における音響環境をより改善することができる。
以上説明したように、本実施形態では、乗員Hに対して近い位置に設けられたスピーカ11aから出力される第1の音の位相を入力信号の位相に対して遅延させるFIRフィルタ13aと、乗員Hに対して遠い位置に設けられたスピーカ11bから出力される第2の音の位相を入力信号の位相に対して進行させるFIRフィルタ13bとが設けられている。これにより、スピーカ11aおよび11bの音響特性などを考慮した複雑な計算を伴うフィルタリング処理を行うことなく、より簡単な手法で、乗員Hの頭側の位置での音響効果を改善することができる。この効果は、フィルタリングのためのヘッドルーム・マージンを必要としないため、音響装置の設置スペースが限られている場合などにおいて特に有効である。
(第1変形例)
次に、図3および図7を参照して、第1変形例について説明する。第1変形例とは、干渉が起こりやすい高周波数帯域の音を、スピーカ11aおよび11bのうちの一方のみから出力させるように構成した変形例である。
図3に示すように、第1変形例によるスピーカ装置101は、上記実施形態によるスピーカ装置100と略同様の構成を有する。スピーカ装置101は、「電子機器」の一例である。
第1変形例では、2つのFIRフィルタ23aおよび23bのうちの一方が、第1の音および第2の音のうちの一方の高周波成分をフィルタリングするように構成されている。これにより、第1の音および第2の音のうちの一方は、高周波成分がフィルタリングされた状態で出力され、第1の音および第2の音のうちの他方は、高周波成分を含んだ状態で出力される。
上述したように、第1の音および第2の音の位相を制御すれば、スピーカ11aおよび11bからの音が乗員Hの頭側(矢印A側)に進むように音に指向性を持たせることと同等の効果を得ることができる。しかしながら、乗員Hの頭側と足元側(矢印C側)との間における第1の音および第2の音の位相差の変化は、音の波長に依存する。
すなわち、低音域では、波長が長いため、第1の音および第2の音の行路差(2つのスピーカ11aおよび11bの間の距離)は、波長に対して相対的に小さくなる。したがって、低音域では、第1の音および第2の音の位相差が小さくなり、乗員Hの頭側と足元側との間における音圧の変化が小さくなる。また、高音域では、波長が短いため、第1の音および第2の音の行路差は、波長に対して相対的に大きくなる。
ここで、上述したように、位相制御の効果が最大になるのは、第1の音および第2の音の位相をπ/4ずつずらすことによって両者の位相差をπ/2とした場合である。位相差をπ/2とした場合とは、言い換えると、第1の音および第2の音の行路差が波長の1/4に等しい場合である。このため、波長が行路差の4倍よりも短くなると、位相の回転が過多になり、位相制御の効果が得にくくなる。
さらに、第1の音および第2の音の位相をそれぞれπ/2よりも大きくずらすことによって両者の位相差をπよりも大きくした場合について考える。位相差がπよりも大きい場合とは、行路差が波長の1/2よりも短い場合である。この場合では、乗員Hの足元側における合成音の音圧の方が、乗員Hの頭側における合成音の音圧よりも大きくなってしまうので、乗員Hの足元側における音の反射・干渉が大きくなり、上記実施形態のような指向性の効果が得られなくなる。
そこで、第1変形例では、行路差の1/4〜1/2付近の波長に対応する高周波数帯域において、スピーカ11bから音を出力させずにスピーカ11aのみから音を出力させるように、FIRフィルタ23aおよび23bのフィルタ係数を設定することにした。すなわち、第1変形例では、FIRフィルタ23bがローパスフィルタとしての機能も有するように、FIRフィルタ23bのフィルタ係数を設計することにした。これにより、高周波数帯域においても、音の干渉を抑制することができる。図7は、このような効果を得るために設計したフィルタ係数を示した例示図である。
図7(a)は、FIRフィルタ23aに設定するフィルタ係数を示した例示図である。この図7(a)に示したフィルタ係数は、高周波数帯域(一例として、2625Hz以上の周波数帯域)における利得が2になるように設計されている。また、図7(b)は、FIRフィルタ23bに設定するフィルタ係数を示した例示図である。この図7(b)に示したフィルタ係数は、高周波数帯域における利得が0になるように設計されている。
(第2変形例)
次に、図8および図9を参照して、第2変形例について説明する。第2変形例とは、干渉が起こりやすい高周波数帯域の音を、スピーカ11aおよび11bとは別個に設けた部材から出力させるように構成した変形例である。
すなわち、図8に示すように、第2変形例によるスピーカ装置102は、上記実施形態と異なり、スピーカ11aおよび11bとは別個に設けられたツイータ11cを備える。スピーカ装置102は、「電子機器」の一例である。ツイータ11cは、「第3スピーカ」の一例である。
ここで、第2変形例では、ツイータ11cは、乗員Hの頭側に主として音を出力するように設けられている。すなわち、ツイータ11cは、物理的に矢印A方向を向くように設置されている。
また、第2変形例では、ツイータ11cには、アンプ12cを介してハイパスフィルタ33cが接続されている。また、FIRフィルタ33aおよび33bは、上記実施形態と同様の位相制御を行う機能の他に、ローパスフィルタとしての機能を有する。
上記のような構成により、第2変形例では、第1の音および第2の音の両方の高周波成分がFIRフィルタ33aおよび33bによってそれぞれフィルタリングされる。そして、入力信号のうちの高周波成分が、ハイパスフィルタ33cを介して乗員Hの頭側(矢印A参照)に音を出力するツイータ11cから出力される。これにより、高周波数帯域の音を、スピーカ11aおよび11bとは別個に設けられたツイータ11cから乗員Hの頭側に向けて物理的に指向性を持たせた状態で出力することができるので、高周波数帯域の音がスピーカ11aおよび11bの各々から位相がずれた状態で出力されることに起因して音の干渉が発生するのを回避することができる。
図9(a)および(b)は、それぞれ、FIRフィルタ33aおよび33bに設定するフィルタ係数を示した例示図である。図9(a)に示したフィルタ係数は、低音域の第1の音の位相を入力信号に対してπ/4遅延させるように設計されている。図9(b)に示したフィルタ係数は、低音域の第2の音の位相を入力信号に対してπ/4進行させるように設計されている。
(第3変形例)
次に、図10を参照して、第3変形例について説明する。第3変形例とは、第1の音および第2の音の行路差に応じた時間の遅延を、フィルタ係数によってではなく物理的な回路によって発生させるように構成した変形例である。
図10に示すように、第3変形例によるスピーカ装置103は、スピーカ11aおよび11bと、アンプ12aおよび12bと、FIRフィルタ43aおよび43bと、ハイパスフィルタ43cと、ミキサ44aおよび44bと、遅延回路45とを備える。スピーカ装置103は、「電子機器」の一例である。
ミキサ44aは、アンプ12aとFIRフィルタ43aとの間に設けられている。ハイパスフィルタ43cは、遅延回路45を介してミキサ44aに接続されている。ミキサ44bは、アンプ12bとFIRフィルタ43bとの間に設けられている。ハイパスフィルタ43cは、遅延回路45を介さずにミキサ44bに接続されている。
ここで、第3変形例においても、上記第2変形例と同様に、FIRフィルタ43aおよび43bは、上記実施形態と同様の位相制御を行う機能の他に、ローパスフィルタとしての機能を有する。また、遅延回路45は、第1の音と第2の音との行路差に応じた時間の遅延を発生させる機能を有する。
上記のような構成により、第3変形例では、第1の音が、遅延回路45を介して遅延した高周波成分を含むものとなる。また、第2の音が、遅延が無い高周波成分を含むものとなる。これにより、時間の遅延を組み込んだフィルタ係数を用いることなく、簡単に、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の実施形態および変形例を説明したが、上記実施形態および変形例はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態変形例は、様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態および変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
たとえば、上記実施形態では、「電子機器」の一例として、車両に備えられたスピーカ装置を示したが、上記実施形態の技術は、車両に備えられたスピーカ装置以外のスピーカ装置にも適用可能である。また、上記実施形態の技術は、音を出力再生可能な電子機器であれば、スピーカ装置以外の電子機器にも適用可能である。
また、上記実施形態では、第1の音および第2の音の位相を入力信号に対して同じ位相(π/4)ずつずらす例を示したが、他の実施形態として、入力信号に対してずらす位相を第1の音と第2の音とで異ならせることも考えられる。たとえば、第1の音の位相はずらさずに、第2の音の位相をπ/2進行させてもよい。しかしながら、第1の音および第2の音の位相を入力信号に対して同じ位相(π/4)ずつずらす上記実施形態の構成の方が、第1の音および第2の音の合成音の位相を元々の入力信号の位相に合わせる処理を行う必要がない分、より簡単に効果を得ることができる。
また、他の実施形態として、第1の音および第2の音の位相のずらし量をπ/4以外に設定することも考えられる。この場合、音圧を最も抑制したい方向で、各周波数帯域における第1の音および第2の音の位相差がπになるように、位相のずらし量を決定すればよい。
また、上記実施形態では、乗員の頭側の位置で、第1の音および第2の音の位相が互いに同相に近づくように設定したが、周波数によって位相のずれ具合が異なる場合がある。この場合、位相差に起因する音圧差が発生することがある。そこで、この音圧差を補正するための補正特性をフィルタ係数の設計に組み込むことも可能である。すなわち、位相差によって振幅が減少する分を予め補正した上で逆フーリエ変換することによりフィルタ係数を設計することも可能である。
11a スピーカ(第1スピーカ)
11b スピーカ(第2スピーカ)
11c ツィータ(第3スピーカ)
13a、13b、23a、23b、33a、33b、43a、43b FIRフィルタ
33c、43c ハイパスフィルタ
100、101、102、103 スピーカ装置(電子機器)

Claims (14)

  1. 互いに隣接するように設けられた複数のスピーカのうち、聴取者の頭部に対して近い位置に設けられた第1スピーカから出力される第1の音の位相を入力信号の位相に対して遅延させ、
    前記複数のスピーカのうち前記聴取者の頭部に対して遠い位置に設けられた第2スピーカから出力される第2の音の位相を前記入力信号の位相に対して進行させる、方法。
  2. さらに、高周波数帯域において、前記第1の音の位相と前記第2の音の位相との間に、前記第1の音と前記第2の音との行路差に応じた位相差を持たせる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1の音の位相を所定の位相分遅延させ、
    前記第2の音の位相を前記所定の位相分進行させる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記所定の位相の大きさは、π/4である、請求項3に記載の方法。
  5. さらに、前記第1の音および前記第2の音のうちの一方の高周波成分をフィルタリングする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. さらに、前記第1の音および前記第2の音の両方の高周波成分をフィルタリングし、
    前記入力信号のうちの高周波成分を、前記複数のスピーカに含まれる、前記聴取者の頭部側に主として音を出力する第3スピーカから出力させる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  7. さらに、前記第1の音の高周波成分をフィルタリングし、
    前記入力信号のうちの高周波成分を、前記第1の音と前記第2の音との行路差に応じた時間分遅延させた状態で、前記第1の音とともに前記第1スピーカから出力させる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  8. 互いに隣接するように設けられた複数のスピーカと、
    前記複数のスピーカのうち聴取者の頭部に対して近い位置に設けられた第1スピーカから出力される第1の音の位相を入力信号の位相に対して遅延させるとともに、前記複数のスピーカのうち前記聴取者の頭部に対して遠い位置に設けられた第2スピーカから出力される第2の音の位相を前記入力信号の位相に対して進行させるフィルタとを備える、電子機器。
  9. 前記フィルタは、さらに、高周波数帯域において、前記第1の音の位相と前記第2の音の位相との間に、前記第1の音と前記第2の音との行路差に応じた位相差を持たせるように構成されている、請求項8に記載の電子機器。
  10. 前記フィルタは、前記第1の音の位相を所定の位相分遅延させ、かつ、前記第2の音の位相を前記所定の位相分進行させるように構成されている、請求項8または9に記載の電子機器。
  11. 前記所定の位相の大きさは、π/4である、請求項10に記載の電子機器。
  12. 前記フィルタは、さらに、前記第1の音および前記第2の音のうちの一方の高周波成分をフィルタリングするように構成されている、請求項8〜11のいずれか1項に記載の電子機器。
  13. 前記複数のスピーカは、前記聴取者の頭部側に主として音を出力する第3スピーカをさらに含み、
    前記フィルタは、さらに、前記第1の音および前記第2の音の両方の高周波成分をフィルタリングし、前記入力信号のうちの高周波成分を前記第3スピーカから出力させるように構成されている、請求項8〜11のいずれか1項に記載の電子機器。
  14. 前記フィルタは、さらに、前記第1の音の高周波成分をフィルタリングし、前記入力信号のうちの高周波成分を、前記第1の音と前記第2の音との行路差に応じた時間分遅延させた状態で、前記第1の音とともに前記第1スピーカから出力させるように構成されている、請求項8〜11のいずれか1項に記載の電子機器。
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