JP2007281372A - 小型昇圧トランス - Google Patents
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Abstract
【課題】 フェライトコアに巻回された一次コイルと二次コイルとの間隔の変えて漏れインダクタンス値の所望の値に設定することを容易ならしめた小型昇圧トランスを提供すること。
【解決手段】 内脚31および2つの外脚32よりなる2つのE字形のフェライトコア3と、四角筒形の巻線部11、この巻線部11の両端に形成された2つの鍔部12、15、一端の鍔部12の下部に形成された端子部13、他端の鍔部15の下部に形成された連結部16とよりなる2つのボビン1、2とを具備し、2つのボビン1、2に一次コイル5aおよび二次コイル5をそれぞれ巻線して、連結部16により2つのボビンを連結し、2つのE字形のフェライトコア3の内脚を連結したボビンの四角筒形の巻線部11に挿通して接合したものである。
【選択図】 図3
【解決手段】 内脚31および2つの外脚32よりなる2つのE字形のフェライトコア3と、四角筒形の巻線部11、この巻線部11の両端に形成された2つの鍔部12、15、一端の鍔部12の下部に形成された端子部13、他端の鍔部15の下部に形成された連結部16とよりなる2つのボビン1、2とを具備し、2つのボビン1、2に一次コイル5aおよび二次コイル5をそれぞれ巻線して、連結部16により2つのボビンを連結し、2つのE字形のフェライトコア3の内脚を連結したボビンの四角筒形の巻線部11に挿通して接合したものである。
【選択図】 図3
Description
この発明は、液晶表示装置などのバックライトとして用いられる冷陰極放電管用のインバータ回路に使用する昇圧トランスに関する。
液晶表示装置などのバックライトとして冷陰極放電管が使用されている。冷陰極放電管を反射板とともに表示パネルに取り付けたとき、昇圧トランスの二次側の冷陰極放電管を含む通電回路と接地との間に容量成分が形成される。
昇圧トランスの漏れインダクタンス値をある程度大きくすることにより、その漏れインダクタンスと昇圧トランスの二次側に形成される容量成分との間で共振回路を構成することができる。
インバータ回路の動作周波数と冷陰極放電管を含む放電回路の共振周波数に大幅なずれがあると、インバータ回路の出力インピーダンスと放電インピーダンスの関係から電力を有効に利用できなくなる。
下記特許文献に開示されているように、昇圧トランスの漏れインダクタンス値を大きくするとともに、インバータ回路の動作周波数と冷陰極放電管を含む放電回路の共振周波数とをほぼ一致させると、インバータ回路の変換効率が改善されて昇圧トランスの小型化が可能になることが開示されている。これは、昇圧トランス一次巻線に流れる励磁電流が少なくなって、トランスの一次巻線側から見た力率が向上し、昇圧トランスの銅損が減少することに基づくものである。
特開2005−113753号
このような漏れインダクタンス値を有する昇圧トランスにおいては、二次側回路の共振周波数に合わせるために、漏れインダクタンス値を最適に設定しなければならない。
そこで、この発明は、昇圧トランスの設計および製造を容易ならしめるために考えられたもので、所望の漏れインダクタンス値を得るために、フェライトコアに巻回された一次コイルと二次コイルとの間隔の設定を容易ならしめるように構成したものである。
この発明の小型昇圧トランスは、内脚および2つの外脚よりなる2つのE字形のフェライトコアと、四角筒形の巻線部、この巻線部の両端に形成された2つの鍔部、一端の前記鍔部の下部に形成された端子部、他端の前記鍔部の下部に形成された連結部とよりなる2つのボビンとを具備し、上記2つのボビンに一次コイルおよび二次コイルをそれぞれ巻線して、連結部により2つのボビンを連結し、上記2つのE字形のフェライトコアの内脚を連結したボビンの四角筒形の巻線部に挿通して接合したものである。
この発明の小型昇圧トランスによると、漏れインダクタンス値を大きくすること、および所望の漏れインダクタンス値に設定することが容易であるから、一次コイルに接続されたインバータ回路の動作周波数と、二次コイルに接続された冷陰極放電管を含む放電回路の共振周波数とをほぼ一致させることが容易である。
したがって、インバータ回路の変換効率が改善されて昇圧トランスの小型化が可能になり、昇圧トランス一次コイルに流れる励磁電流が少なくなって、トランスの一次巻線側から見た力率を向上させることを可能にする。
(第1の実施形態)
この発明の昇圧トランスは、図1に示す2つのE字形フェライトコア3を突き合わせた磁芯と、図2に示す一次コイルを巻線する一次コイル用ボビンと、二次コイルを巻線する二次コイル用ボビンとにより構成される。なお、一次コイル用ボビンと二次コイル用ボビン2は、同じボビンを使用することができるので、以下、一次コイル用ボビン1について説明する。
この発明の昇圧トランスは、図1に示す2つのE字形フェライトコア3を突き合わせた磁芯と、図2に示す一次コイルを巻線する一次コイル用ボビンと、二次コイルを巻線する二次コイル用ボビンとにより構成される。なお、一次コイル用ボビンと二次コイル用ボビン2は、同じボビンを使用することができるので、以下、一次コイル用ボビン1について説明する。
E字形フェライトコア3は、図1(a)の平面図および図1(b)(c)の側面図に示すように、巻線を施す扁平な板状の内脚31と2つの外脚32とよりなり、板状の内脚31の下面は外脚32と同一平面にあり、板状の内脚31の上面は外脚32より窪んでおり、巻線したボビン1に挿通する部分を形成している。
そして、E字形のフェライトコア3の板状の内脚31および2つの外脚32よりなる閉磁路を形成する各部分の断面積は、ほぼ等しく設定されて磁束密度を一定化ならしめている。
ボビン1は、合成樹脂を成型したもので、図2(a)の平面図、図2(b)の正面図、図2(c)の底面図、図2(d)(e)の側面図に示すように、四角筒形の巻線部11と、この巻線部11の両端に形成された2つの鍔部12、15と、一端の鍔部12の下部に形成された端子部13と、他端の鍔部15の下部に形成された連結部16とにより構成される。
ボビン1の端子部13には、巻線の端部を接続するとともに、プリント基板に表面実装するための端子となるクランク状に屈曲させた端子片4が植設されており、鍔部12の内側から端子片4へ巻線を引き出す溝条14が形成されている。
ボビン1の連結部16は、2つのボビンを連結するもので、頭部18aおよび頚部18bよりなる雄部と、雄部の頚部18bを受け入れる隙間17bおよびこの隙間17bに連なる頭部18aを受け入れる湾状部17aよりなる雌部とを軸線と直交方向に配列したものである。
さらに、この連結部16の側方には、クランク状に屈曲させた端子片41が植設されており、鍔部15の内側から端子片41へ巻線を引き出す溝条19が形成されている。この端子片41は、端子部13の端子片4から隔離された高電圧用の端子として使用される。
一次コイル用ボビン1および二次コイル用ボビン2において、両端子部13の形状は同じであり、四角筒形の巻線部11は、その長さが巻回数および線径により異なる。
この発明の昇圧トランスにおいては、一次コイルと二次コイルとの漏れインダクタンスを調整するためには、両コイルの間隔を変化させることが必要である。実験により得た最適なデータに基づいて、一次コイルと二次コイルとの間隔を設計する。
一次コイルおよび二次コイルに同じボビンを使用できる場合には、図3(a)の平面図に示すように、両ボビンに巻線5、5aを施して、両ボビンを連結部16により連結したのち、図3(b)の平面図に示すように、両側から2つのE字形のフェライトコア3を挿し込むと、挿し込まれた2つのフェライトコア3の接合部34は、2つのボビンの連結部16において露出するので、コアの接合部34の周囲に接着剤を塗布して固定することができる。
接合されたフェライトコア3の接着をボビンの中で行うと、突き合わせた接合面の隙間に接着剤が入り、接着剤がスペーサに磁気抵抗を高めることがあり、また、固化した接着剤の熱膨張率がフェライトコア3の熱膨張率よりも大きいので、温度上昇によりフェライトコア3の内脚をボビンの外へ押し出してフェライトコアを破損することがあった。このようにフェライトコア3をボビンの中で接着することなく、露出した部分で接着すると、熱膨張率の相違に基づくフェライトコアの破損を防止することができる。
(第2の実施形態)
一次コイルと二次コイルとの間隔を最適値に設定する際には、ボビンの連結部16の形状を図4(a)の平面図および図4(b)の正面図に示すように変更して、一次コイル用ボビン2とする。すなわち、2つの鍔部22、25の間隔(四角筒形の巻線部21の長さ)を必要な値および位置に設定し、端子部13と連結部16との間隔を変えることなく、連結部16を有する一方の鍔部25側にスペーサ部26を介在させる。
一次コイルと二次コイルとの間隔を最適値に設定する際には、ボビンの連結部16の形状を図4(a)の平面図および図4(b)の正面図に示すように変更して、一次コイル用ボビン2とする。すなわち、2つの鍔部22、25の間隔(四角筒形の巻線部21の長さ)を必要な値および位置に設定し、端子部13と連結部16との間隔を変えることなく、連結部16を有する一方の鍔部25側にスペーサ部26を介在させる。
このようにスペーサ部26を介在させて、四角筒形の巻線部21に一次コイル5aを施すと、一次コイル5aと二次コイル5との間隔が拡がって漏れインダクタンス値を変化させることができる。
第1の実施形態と同様に、図5(a)の平面図に示すように、両ボビンに巻線5、5aを施して、両ボビンを連結部16により連結したのち、図5(b)の平面図に示すように、両側から2つのE字形のフェライトコア3を挿し込むと、挿し込まれた2つのフェライトコア3の接合部34は、2つのボビンの連結部16において露出するので、コアの接合部34の周囲に接着剤を塗布して固定することができる。
(第3の実施形態)
一次コイル用ボビンおよび二次コイル用ボビンに同じボビンを使用しても、図6に示すように、一次コイル用ボビンの四角筒形の巻線部11にスペーサ6を嵌め込んで巻線幅を狭めることにより、一次コイルと二次コイルとの間隔を最適値に設定することができる。
一次コイル用ボビンおよび二次コイル用ボビンに同じボビンを使用しても、図6に示すように、一次コイル用ボビンの四角筒形の巻線部11にスペーサ6を嵌め込んで巻線幅を狭めることにより、一次コイルと二次コイルとの間隔を最適値に設定することができる。
(第4の実施形態)
図7(a)(b)の平面図に示すように、巻線した2つのボビンと2つのE字形のフェライトコア3とを組み立てたとき、2つのボビンの間に外脚と内脚で囲まれた空間が存在するので、この空間において角棒状のフェライトコア35を外脚32の内側に貼り付けて、外脚32と内脚31との間に漏洩磁束を集中させる磁路を形成し、一部の磁束をバイパスさせることにより漏れインダクタンス値を調整することができる。
図7(a)(b)の平面図に示すように、巻線した2つのボビンと2つのE字形のフェライトコア3とを組み立てたとき、2つのボビンの間に外脚と内脚で囲まれた空間が存在するので、この空間において角棒状のフェライトコア35を外脚32の内側に貼り付けて、外脚32と内脚31との間に漏洩磁束を集中させる磁路を形成し、一部の磁束をバイパスさせることにより漏れインダクタンス値を調整することができる。
このように、漏洩磁束をフェライトコア3の内側に集中させることにより、フェライトコア3の外側に漏洩する磁束を減らすことができて、漏洩磁束に基づくノイズの発生を抑制することができる。
1 一次コイル用ボビン
11 四角筒形の巻線部
12 鍔部
13 端子部
15 鍔部
16 連結部
2 二次コイル用ボビン
21 四角筒形の巻線部
22 鍔部
25 鍔部
26 スペーサ部
3 E字形のフェライトコア
31 内脚
32 外脚
34 コアの接合部
35 板状のフェライトコア
4 端子片
5 巻線
6 スペーサ
11 四角筒形の巻線部
12 鍔部
13 端子部
15 鍔部
16 連結部
2 二次コイル用ボビン
21 四角筒形の巻線部
22 鍔部
25 鍔部
26 スペーサ部
3 E字形のフェライトコア
31 内脚
32 外脚
34 コアの接合部
35 板状のフェライトコア
4 端子片
5 巻線
6 スペーサ
Claims (4)
- 内脚および2つの外脚よりなる2つのE字形のフェライトコアと、
四角筒形の巻線部、該巻線部の両端に形成された2つの鍔部、一端の前記鍔部の下部に形成された端子部、他端の前記鍔部の下部に形成された連結部とよりなる2つのボビンと、
を具備し、上記2つのボビンに一次コイルおよび二次コイルをそれぞれ巻線して、連結部により2つのボビンを連結し、上記2つのE字形のフェライトコアの内脚を連結したボビンの四角筒形の巻線部に挿通して接合したことを特徴とする小型昇圧トランス。 - ボビンの端子部と連結部との間隔を変えることなく、巻線部の長さを短くすることを特徴とする請求項1に記載の小型昇圧トランス。
- ボビンの巻線部にスペーサをを嵌め込んで巻線幅を狭めることを特徴とする請求項1に記載の小型昇圧トランス。
- 2つのE字形のフェライトコアの接合部において、内脚と外脚との間に磁束をバイパスさせる棒状のフェライトコアを設けて漏れインダクタンス値を調整することを特徴とする請求項1に記載の小型昇圧トランス。
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- 2006-04-11 JP JP2006108978A patent/JP2007281372A/ja active Pending
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