JP2007280828A - 燃料電池用カーボン担体、燃料電池用電極材、それを用いた膜電極接合体、燃料電池、燃料電池電源システム及び電子機器 - Google Patents

燃料電池用カーボン担体、燃料電池用電極材、それを用いた膜電極接合体、燃料電池、燃料電池電源システム及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池の膜電極接合体を長時間にわたって安定的に稼動させること。
【解決手段】電子伝導性の優れたカーボン担体に触媒と担持し、スルホン酸基やスルホアルキル基などのプロトン伝導性付与基と、ホスホン酸基やホスホアルキル基等の過酸化水素分解性基を導入する。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池用カーボン担体、燃料電池電極材、これを利用した膜電極接合体、燃料電池、燃料電池電源システム及び電子機器に関する。
固体高分子電解質形燃料電池は、高出力密度、低温作動、環境調和性が高いという特長を持つことから、自動車用電源、分散型コジェネレーション電源やモバイル用電源としてその実用化に向けた開発が推進されている。これらの燃料電池はよく知られているように、高分子電解質膜の両面にアノード電極とカソード電極を接合した膜/電極接合体(MEA)を搭載し、アノード電極に燃料を供給し電気化学反応により発電する装置である。燃料としては、水素、メタノール、ジメチルエーテル、エチレングリコールやヒドラジンなどの燃料(還元剤)が用いられ、カソード電極に空気、酸素などの酸化剤が供給される。
通常、MEAは触媒担持カーボン、高分子電解質と溶媒を混合してペーストを作製し、このペーストを高分子電解質膜1の両側に塗布し、乾燥して電極とすることにより作製されている。電極層には粒径が10〜50nmの一次粒子が数珠状に連なった構造を有するカーボンブラックが使用され、その表面に粒径が1〜6nmのPt又はPt/Ru触媒微粒子を担持している。このカーボン担持触媒の表面に高分子電解質が被覆されている。
各電極で生じる電気化学反応を酸化剤として酸素、還元剤として水素を用いた場合を例に下記に示す。
アノード電極:H→2H+2e ・・・・(1)
カソード電極:1/2O+2H+2e→HO ・・・・(2)
全反応:H+1/2O→HO ・・・・(3)
この反応式から明らかなように、アノード電極の触媒上で水素が酸化され、電子とプロトンが生成し、プロトンは電極内の高分子電解質、高分子電解質膜を移動してカソード電極へと運ばれる。電子はカーボンを移動して集電され、外部回路を通ってカソード電極へ移動する。従って、各電極の反応は、活物質であるガス(水素または酸素)、プロトン(H)および電子(e)の授受を同時に行うことができる高分子電解質とカーボンに接している触媒微粒子の表面(三相界面)でのみ進行する。
触媒微粒子担持カーボンと高分子電解質を混合してペーストを作り、塗布乾燥して作られる従来の電極層では10〜50nmのカーボンの粒子が凝集し、数十nm程度の細孔(一次細孔)を持つ集合体となり、更に凝集体同士が凝集し、数百nm程度の隙間(二次細孔)を造っている。高分子電解質の分子の大きさはポリマであるため、数十nm程度で一次細孔へは進入できない(非特許文献1)。即ち、一次細孔内の触媒は高分子電解質に被覆されておらず、電池反応に寄与できない。このため、触媒の利用率は低く、通常、触媒量の10〜30%程度である。一次細孔内の触媒を有効に使うため、一次細孔内の触媒担持カーボンにプロトン伝導性を付与する方法が提案されている(特許文献1、2)。
特許文献1は発煙硫酸等で一次細孔内の触媒担持カーボンにスルホン酸基等を直接結合させることにより、一次細孔内に高分子電解質が存在しなくともプロトンの移動を可能ならしめるものである。
一方、特許文献2は、一次細孔内の触媒担持カーボンにプロトン伝導性モノマ等のプロトン伝導性物質前駆体を配置させ、その後、その前駆体を結合若しくは重合させ、プロトン伝導性ポリマ等のプロトン伝導物質とすることを開示している。プロトン伝導性物質前駆体はポリマでなく、モノマであるのでサイズが小さいため、一次細孔内に入り込むことができる。前記特許文献1や特許文献2の方法は高分子電解質に覆われていない触媒も電池反応に寄与し、触媒の利用率を向上させ、MEAの出力密度の向上や高コストの触媒使用量の低減を図るため、有効である。しかし、前記特許文献1や特許文献2の方法を採用した触媒担持カーボンを組込んだ燃料電池を長時間稼動させると特性が低下するという問題が生じる。
特開2004−79420号公報 再公表特許WO04/17446号公報 J.Electrochem.Soc.,142,4143(1995)
本発明の課題は、燃料電池の長時間稼動安定性を向上させることである。
本発明は、カーボン表面に、プロトン伝導性付与基と過酸化水素分解性基を導入したことを特徴とする燃料電池用カーボン担体、電極材、それを用いた膜/電極接合体、燃料電池、燃料電池電源システム、及び電子機器を提供する。
本発明によれば、一次細孔内の触媒を長期間にわたって有効に利用できる。その結果、MEAの高出力密度化、或いは触媒の使用量を低減することができ、その効果を長時間継続することができる。このため、燃料電池の小型軽量化、低コスト化、長寿命化を図ることができる。
本発明者は燃料電池内のプロトン伝導性を付与したカーボンの挙動を詳細に検討し、プロトン伝導性付与基と過酸化水素分解性基を導入した燃料電池用カーボン担体、電極材、それを用いた膜電極接合体、燃料電池、燃料電池システム及び電子機器を提供するものである。
本発明者の研究によれば、一次細孔内では燃料や酸素等が欠乏し易く、過酸化水素が生成し易いことが分かり、その過酸化水素が周囲の構成部材等を酸化させ、寿命を低下させる可能性があることを見出し、本発明に至った。即ち、一次細孔内のカーボンにプロトン伝導性基を付与すると共にホスホン酸基等の過酸化水素を分解する過酸化水素分解性基を導入することにより、カーボンの酸化劣化を抑制し、長時間安定的に稼動できる。プロトン伝導性基および過酸化水素分解性基をカーボン担体の表面に導入するにあたって使用する処理剤は、モノマ又は低分子量であることが好ましい。分子量が大きいと、担体の細孔内に入り込むことができず、細孔内に十分に上記の官能基を導入することができなくなるからである。
過酸化水素分解性基は燃料電池の反応によって電極表面及び細孔内で形成される過酸化水素を分解して、課作家水素にいる構成部材の劣化を抑制するものである。構成部材の耐酸化性を向上するという意味で、この官能基を耐酸化性付与基と称することもできる。
また、前記プロトン伝導性基および過酸化水素分解性基を導入した後、高分子電解質のモノマ又は前駆体をカーボンの表面及び細孔内に付与し、反応場を形成する。本発明においては、高分子電解質のモノマ又は前駆体を使用することが極めて好ましい。従来の燃料電池の電極層の透過型電子顕微鏡写真によれば、細孔内の触媒は高分子電解質に被覆されておらず、電池反応に寄与できない。それは、高分子電解質ポリマの形で用いるためである。これに対し、カーボン電極触媒に高分子電解質混合するにあたり、モノマー又は紺分子の前駆体のような低分子量の物質を用いると、電解質が細孔内によく入り込むことが出来、三相界面を形成する。更に撥水性界面活性剤等でカソード用カーボン担体を処理すると、三相界面がより確実に形成される。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明が適用される電解質膜/電極接合体の断面構造を示し、電解質膜1は燃料となる水素やメタノール等が反応するアノード電極2と空気等の酸化剤ガスが反応するカソード電極3によってサンドイッチ構造を構成する。
図2は本発明の実施例による燃料電池用の電極を形成するために用いられるカーボン担体の構成を説明する概略図で、カーボンの一次粒子5上に貴金属触媒粒子等の触媒金触媒粒子90が微細に分散担持されている。カーボン粒子の表面にはプロトン伝導性付与基40と過酸化水素分解性基100とが、カーボン粒子の表面に直接又は適当な有機基R、R’例えばOH−CH―を介して結合される。これらの官能基は、図示していないが、カーボン粒子が集合して形成されるカーボン二次粒子7の表面及び二次粒子7の細孔4内にも形成される。
本発明におけるカーボン担体のうち、カソード用カーボン担体は、適当な撥水性界面活性剤によって処理することによって、カーボンの表面及びカーボン二次粒子の細孔4内に撥水性膜6を形成することが好ましい。したがって、図2はカソード側電極に用いられるカーボン担体の構成を示すものであるが、アノード用カーボン電極においては撥水性膜の形成は不要であり、むしろ有害である。
以上のようにして形成されたカーボン担体を用いて、図1に示す、膜/電極接合体を構成した。そして、その外側にアノード拡散層24、カソード拡散層25を配置し、更にその外側にアノード集電体40、カソード集電体41を積層した。そして、アノード端子14、カソード端子15を取り付け、アノード端板16、カソード端板17で挟んでボルト/ナット20で全体を固定して図3に示す燃料電池発電装置単電池セルを構成する。図3に示す単電池セルは、受動型メタノール燃料電池であって、燃料12は燃料室を循環し、空気13がカソード拡散層25と直接接するように、カソード端板17に窓が形成される。
図4は図3に示すような単電池セルを任意数積層して目的の発電能力を持つ燃料電池発電装置を構成する方法を説明する展開斜視図である。図4の詳細については追って説明する。
本発明に用いられる触媒担体としては、電子導伝性のカーボンであればいずれのものでも良い。例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、アモルファスカーボン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、活性炭、黒鉛等が挙げられ、これらを単独あるいは混合して使用する。このうち、カーボンブラックが一次細孔構造や二次凝集構造の観点から好ましい。これらのカーボンにプロトン伝導性を付与する基としてはプロトンを伝導し、一次細孔内に燃料や酸素等の移動を制限しないものであれば特に制限は無い。具体的にはスルホン酸基やスルホアルキル基等がある。
カーボンにプロトン伝導性を付与する方法として以下の方法等がある。
(1)硫酸ガス、発煙硫酸、硫酸等で処理してスルホン酸基を導入する等の方法。
(2)亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、ホルマリン水溶液及びパラホルムアルデヒド等で処理し、スルホメチル基を導入する方法。
(3)ハロゲノアルキル化し、次いで、アセチルチオ化し、酸化してスルホアルキル基を導入する方法、或いは、サルトンを用いて直接スルホアルキル基を導入する方法。
直接カーボンにプロトン伝導性基を付与しても、あるいは触媒担持カーボンにプロトン伝導性基を付与しても特に制限は無いが、触媒担持カーボンに処理する方が、特性のばらつきが無く好ましい。プロトン伝導付与基の導入量は0.4〜1.8ミリ当量/g乾燥カーボンの範囲が好ましい。
過酸化水素分解性基(カーボンに過酸化水素分解性を付与する基)としては過酸化水素の分解を促進し、一次細孔内に燃料や酸素等の移動を制限しないものであれば特に制限は無い。具体的にはホスホン酸基、ホスホアルキル基等がある。カーボンに過酸化水素分解性を付与する方法としては例えば、カーボンにクロロメチル基を導入し、それにホスホン酸トリエチルエーテルを反応させ、加水分解させる方法等がある。過酸化水素分解性基の導入量は0.2〜0.6ミリ当量/g乾燥カーボンの範囲が好ましく、特に0.3〜0.4ミリ当量/g乾燥カーボンの範囲が好ましい。
カソード電極(担体)は生成水を除去し、フラッデングを防ぐため、撥水処理をすることが好ましい。撥水剤としては、例えばフッ化カーボン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、およびテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等が使用される。
本発明に用いられる触媒としては、水素、メタノール、ジメチルエーテル、エチレングリコールやヒドラジンなどの燃料の酸化反応および酸素の還元反応を促進する金属であればいずれのものでもよい。例えば、白金(Pt)、金、銀、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム(Ru)、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、タングステン、マンガン、バナジウム、あるいはそれらの合金が挙げられる。このような触媒の中で、特にPt、白金/ルテニウム(Pt/Ru)が多くの場合用いられる。
触媒となる金属の粒径は、通常は10〜300オングストロームである。これらの触媒はカーボン等の担体に付着させた方が触媒の使用量が少なくコスト的に有利である。触媒の担持量は電極が成形された状態で0.01〜10mg/cmが好ましい。触媒層の厚みは特に制限はないが10〜100μmが好ましい。特に10〜50μmが好ましい。耐久性を考慮すると10μmより厚い方が好ましく、触媒の効率を考慮すると50μmより薄い方が好ましい。アノード触媒層はメタノール等の燃料水溶液に前記(1)式の反応が遅い為、カソード触媒層より厚いほうが好ましい。
アノード触媒層の厚さは10〜200μm、特に50〜150μmが好ましい。カソード触媒層の厚さは1〜50μm、特に5〜20μmが好ましい。アノード触媒層、アノード拡散層はメタノール等の燃料水溶液と濡れ易くする為、親水処理をしているほうが好ましい。逆にカソード拡散層は発生する水の滞留を防ぐ為、撥水処理をしているほうが好ましい。
本発明に用いられる固体高分子電解質膜としてプロトン伝導性を有する固体高分子電解質膜であれば特に制限は無い。具体的には、例えば、Nafion(登録商標、デュポン社製)、Aciplex(登録商標、旭化成工業株式会社製)、Flemion(登録商標、旭硝子株式会社製)の商品名で知られるポリパーフルオロスルホン酸膜に代表されるフッ素系固体高分子電解質膜がある。
特開平9−102322号公報に記載されているような炭化フッ素系ビニルモノマと炭化水素系ビニルモノマとの共重合によって作られた主鎖と、スルホン酸基を有する炭化水素系側鎖とから構成される、スルホン酸型ポリスチレン−グラフト−エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)膜もある。
特開平9−102322号公報に開示されているスルホン酸型ポリスチレン−グラフト−ETFE膜や米国特許第4,012,303号及び米国特許第4,605,685号に開示されている炭化フッ素系ビニルモノマと炭化水素系ビニルモノマとの共重合によって作られた膜に、α,β,β−トリフルオロスチレンをグラフト重合させ、これにスルホン酸基を導入して固体高分子電解質膜とした、スルホン酸型ポリ(トリフルオロスチレン)−グラフト−ETFE膜等の部分フッ素化固体高分子電解質膜がある。
特開平6−93114号公報に開示されているスルホン化ポリエーテルエーテルケトン、特開平9−245818号公報、特開平11−111116679号公報等に開示されているスルホン化ポリエーテルスルホン、特表平10−503788号公報に開示されているスルホン化アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンポリマがある。また、特表平11−510198号公報に開示されているスルホン化ポリスルフィッド、特表平11−51555040号公報に開示されているスルホン化ポリフェニレン等のスルホン化エンジニアプラスチック系電解質膜がある。
特開2002−110174号公報に開示されているスルホアルキル化ポリエーテルエーテルケトン、スルホアルキル化ポリエーテルスルホン、スルホアルキル化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホアルキル化ポリスルホン、スルホアルキル化ポリスルフィッド、スルホアルキル化ポリフェニレンもある。
特開2003−100317号公報に開示されているスルホアルキル化ポリエーテルエーテルスルホン等のスルホアルキル化エンジニアプラスチック系電解質膜、特開2003−187826号公報に開示されているスルホアルキルエーテル化ポリフェニレン等の芳香族炭化水素系固体高分子電解質膜がある。
このうち、燃料透過性の観点から芳香族炭化水素系固体高分子電解質膜が好ましい。特に、モバイル用燃料電池に用いる場合、メタノール透過性、耐膨潤性及び耐久性の観点からアルキレンスルホン酸基を導入した芳香族炭化水素系固体高分子電解質膜が好ましい。
又、タングステン酸化物水和物、ジルコニウム酸化物水和物、スズ酸化物水和物、ケイタングステン酸、ケイモリブデン酸、タングストリン酸、モリブドリン酸などのプロトン導電性無機物を耐熱性樹脂にミクロ分散した複合電解質膜等を用いることによって、より高温域まで運転できる燃料電池とすることもできる。
上記した水和型の酸性電解質膜は一般に乾燥時と湿潤時とでは膨潤によって膜の変形が発生し、十分にイオン導電性の高い膜では機械強度が十分でない場合が生じる。このような場合には、機械強度、耐久性、耐熱性に優れた繊維を不織布或いは織布状で芯材として用い、電解質膜製造時にこれらの繊維をフィラーとして添加、補強することは電池性能の信頼性を高める上で有効な方法である。
又、電解質膜の燃料透過性を低減するためにポリベンズイミダゾール類に硫酸、リン酸、スルホン酸類やホスホン酸類をドープした膜を使用することもできる。
該固体高分子電解質膜のスルホン酸当量としては0.5〜2.0ミリ当量/g乾燥樹脂、特に0.7〜1.6ミリ当量/g乾燥樹脂の範囲が好ましい。スルホン酸当量がこの範囲より低い場合には膜のイオン伝導抵抗が大きくなり、一方、高い場合には水に溶解しやすくなり好ましくない。
該固体高分子電解質膜の厚みは特に制限はないが10〜200μmが好ましい。特に30〜100μmが好ましい。実用に耐える膜の強度を得るには10μmより厚い方が好ましく、膜抵抗の低減つまり発電性能向上のためには200μmより薄い方が好ましい。溶液キャスト法の場合、膜厚は溶液濃度あるいは基板上への塗布厚により制御できる。溶融状態より製膜する場合、膜厚は溶融プレス法あるいは溶融押し出し法等で得た所定厚さのフィルムを所定の倍率に延伸することで膜厚を制御できる。
本発明に用いられる前記高分子電解質膜とアノード触媒を担持させたカーボン粉末、或いはアノード触媒を担持させたカーボン粉末同士を接着させ、プロトンを伝導する高分子電解質として高分子電解質であれば特に制限はない。具体的には、例えば、Nafion(登録商標、デュポン社製)、Aciplex(登録商標、旭化成工業株式会社製)、Flemion(登録商標、旭硝子株式会社製)の商品名で知られるポリパーフルオロスルホン酸膜に代表されるフッ素系固体高分子電解質膜がある。
特開平9−102322号公報に記載されているような炭化フッ素系ビニルモノマと炭化水素系ビニルモノマとの共重合によって作られた主鎖と、スルホン酸基を有する炭化水素系側鎖とから構成される、スルホン酸型ポリスチレン−グラフト−エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)膜がある。
更に、特開平9−102322号公報に開示されているスルホン酸型ポリスチレン−グラフト−ETFE膜や米国特許第4,012,303号及び米国特許第4,605,685号に開示されている炭化フッ素系ビニルモノマと炭化水素系ビニルモノマとの共重合によって作られた膜に、α,β,β−トリフルオロスチレンをグラフト重合させ、これにスルホン酸基を導入して固体高分子電解質膜とした、スルホン酸型ポリ(トリフルオロスチレン)−グラフト−ETFE膜等の部分フッ素化固体高分子電解質膜もある。
また、特開平6−93114号公報に開示されているスルホン化ポリエーテルエーテルケトン、特開平9−245818号公報、特開平11−116679号公報等に開示されているスルホン化ポリエーテルスルホン、特表平10−503788号公報に開示されているスルホン化アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンポリマがある。
特表平11−510198号公報に開示されているスルホン化ポリスルフィッド、特表平11−515040号公報に開示されているスルホン化ポリフェニレン等のスルホン化エンジニアプラスチック系電解質膜、特開2002−110174号公報に開示されているスルホアルキル化ポリエーテルエーテルケトン、スルホアルキル化ポリエーテルスルホン、スルホアルキル化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホアルキル化ポリスルホン、スルホアルキル化ポリスルフィッド、スルホアルキル化ポリフェニレンがある。
特開2003−100317号公報に開示されているスルホアルキル化ポリエーテルエーテルスルホン等のスルホアルキル化エンジニアプラスチック系電解質膜、特開2003−187826号公報に開示されているスルホアルキルエーテル化ポリフェニレン等の芳香族炭化水素系固体高分子電解質膜がある。このうち、耐酸化性の良好な高分子電解質であることが好ましい。
かかる高分子電解質膜のスルホン酸当量としては0.5〜2.5ミリ当量/g乾燥樹脂、特に0.8〜1.8ミリ当量/g乾燥樹脂の範囲が好ましい。かかる高分子電解質のスルホン酸当量は高分子電解質膜の当量より大きいことがイオン伝導性の観点から好ましい。通常の高分子に使用される可塑剤、酸化防止剤、過酸化水素分解剤、金属捕捉材、界面活性剤、安定剤、離型剤等の添加剤を本発明の目的に反しない範囲内で使用できる。
酸化防止剤としてはフェノール−α−ナフチルアミン、フェノール−β−ナフチルアミン、ジフェニルアミン、p−ヒドロキシジフェニルアミン、フェノチアジン等のアミン系酸化防止剤がある。また、2,6−ジ(t−ブチル)−p−クレゾール、2,6−ジ(t−ブチル)−p−フェノール、2,4−ジメチル−6−(t−ブチル)−フェノール、p−ヒドロキシフェニルシクロヘキサン、ジ−p−ヒドロキシフェニルシクロヘキサン、スチレン化フェノール、1,1’−メチレンビス(4−ヒドロキシ−3,5−t−ブチルフェノール)等のフェノール系酸化防止剤もある。
ドデシルメルカプタン、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジラウリルサルフィッド、メルカプトベンゾイミダゾール等の硫黄系酸化防止剤がある。更に、トリノリルフェニルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリトリチオホスファイト等の燐系酸化防止剤がある。
過酸化水素分解剤は、過酸化物を分解する触媒作用を有するものであれば、特に限定されるものではない。例えば、前記酸化防止剤のほかに、金属、金属酸化物、金属リン酸塩、金属フッ化物、大環状金属錯体等が挙げられる。これらから選ばれる一種を単独で用いるか、あるいは二種以上を併用すればよい。なかでも、金属としてはRu、Ag等、金属酸化物としては、RuO、WO、CeO、Fe等、金属リン酸塩としてはCePO、CrPO、AlPO、FePO等、金属フッ化物としてはCeF、FeF等、大環状金属錯体としてはFe−ポルフィリン、Co−ポルフィリン、ヘム、カタラーゼ等が好適である。特に、過酸化物の分解性能が高いという理由から、RuO、CePOを用いるとよい。
また、金属捕捉剤としてFe++やCu++イオン等の金属イオンと反応して錯体を作り、金属イオンを不活性化し、金属イオンの持つ劣化促進作用を抑制するものであれば特に制限は無い。そのような金属捕捉剤としてテノイルトリフルオロアセトン、ジエチルチオカルバミン酸ナトリウム(DDTC)や1,5−ジフェニル−3−チオカルバゾン、さらには1,4,7,10,13−ペンタオキシシクロペンタデカンや1,4,7,10,113,16−ヘキサオキシシクロペンタデカン等のクラウンエーテル、4,7,13,16−テトラオキサ−1,10−ジアザシクロオクタデカンや4,7,13,16,21,24−ヘキサオキシ−1,10−ジアザシクロヘキサコサン等のクリプタンドがある。更に、テトラフェニルポルフィリン等のポルフィリン系の材料でも構わない。また、それら材料の混合量は実施例に記載したものに限定されるものではない。
これらのうち、特にフェノール系酸化防止剤と燐系酸化防止剤の併用系が、少量で効果があり、燃料電池の諸特性に悪影響を及ぼす程度が少ないので好ましい。これらの酸化防止剤、過酸化水素分解剤、金属捕捉材は電解質膜、電極に加えても、或いは、膜と電極の間に配しても良い。特に、カソード電極、或いはカソード電極と電解質膜の間に配するのが少量で効果があり、燃料電池の諸特性に悪影響を及ぼす程度が少ないので好ましい。
燃料電池として用いる際の電解質膜と電極を接合する方法についても特に制限はなく、公知の方法を適用することが可能である。MEAの製作方法として、例えば、導電材、例えば、カーボンに担持させたPt触媒紛とポリテトラフロロエチレン懸濁液とを混ぜ、カーボンペーパーに塗布、熱処理して触媒層を形成する。
次いで、バインダーとして電解質膜と同一の電解質溶液或いはフッ素系電解質を触媒層に塗布し、電解質膜とホットプレスで一体化する方法がある。この他、以下の方法等がある。
(1)電解質複合と同一の電解質溶液を予めPt触媒紛にコーテイングする方法。
(2)触媒ペーストを印刷法、スプレー法、スリットスプレー法、インクジェット法で電解質膜の方に塗布する方法。
(3)電解質膜に電極を無電解鍍金する方法。
(4)電解質膜に白金族の金属錯イオンを吸着させた後、還元する方法。
このうち、触媒ペーストをインクジェット法で電解質膜に塗布する方法が触媒のロスが少なく優れている。
以下実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の範囲はここに開示した実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1〜4)
(1)カーボンブラックへのホスホン酸基の導入
10gのPtとRuの原子比が1/1のPt/Ru合金微粒子を50wt%分散担持したPt/Ru触媒担持カーボンブラックに表1記載の量の無水塩化アルミニウム(AlCl)を添加し、更に、表1記載の量の塩化チオリン酸(PSCl)を35℃以下の温度に保持するように徐々に添加した。次いで、45分間70〜75℃に保持した。冷却後、50mlのクロロホルムを添加し、濾過した。ジエチルエーテルで十分に洗浄した後、200mlのイオン交換水を加え、20時間、還流した。ホスホン酸基の当量は表1に示すように0.4〜1.1ミリ当量/g乾燥カーボン担体であった。
同様に30wt%の白金微粒子を担持した触媒担持カーボンブラック10gに表1記載の量の無水塩化アルミニウム(AlCl)を添加し、更に、表1記載の量の塩化チオリン酸(PSCl)を35℃以下の温度に保持するように徐々に添加した。次いで、45分間70〜75℃に保持した。冷却後、50mlのクロロホルムを添加し、濾過した。ジエチルエーテルで十分に洗浄した後、200mlのイオン交換水を加え、20時間、還流した。ホスホン酸基の当量は表1に示すように0.4〜1.1ミリ当量/g乾燥カーボン担体であった。
(2)カーボンブラックへのスルホン酸基の導入
前記例(1)で得られたPt/Ru触媒担持カーボンブラック100gを105℃で1時間加熱した。これに80〜110℃に加熱した三酸化硫黄ガスを乾燥空気に対して表1記載の濃度となるように導入し、表1記載の時間反応させた。その後、冷却し、Pt/Ru触媒担持カーボンブラックをイオン交換水中に投入し、攪拌した後ろ過し、濾液のpHが一定になるまでイオン交換水で水洗した。得られたPt/Ru触媒担持カーボンブラックのフーリエ変換赤外線吸収スペクトルと三酸化硫黄ガス処理前のPt/Ru触媒担持カーボンブラックのフーリエ変換赤外線吸収スペクトルとの差スペクトルには1225cm−1、1037cm−1及び620cm−1に−SOH基に基づく吸収が認められた。このことから、Pt/Ru触媒担持カーボンブラックの表面に−SO3H基が導入されていることが確認できた。得られたホスホン酸基とスルホン酸基を導入したカーボンブラックのスルホン酸基の当量は表1に示すように1.2〜1.8ミリ当量/g乾燥カーボン担体であった。
前記例(1)で得られたPt微粒子を担持した触媒担持カーボンブラック100gを105℃で1時間加熱した。これに80〜110℃に加熱した三酸化硫黄ガスを乾燥空気に対して表1記載の濃度となるように導入し、表1記載の時間反応させた。その後、冷却し、Pt触媒担持カーボンブラックをイオン交換水中に投入し、攪拌した後、ろ過し、濾液のpHが一定になるまでイオン交換水で水洗した。
得られたPt触媒担持カーボンブラックのフーリエ変換赤外線吸収スペクトルと三酸化硫黄ガス処理前のPt触媒担持カーボンブラックのフーリエ変換赤外線吸収スペクトルとの差スペクトルには1225cm−1、1037cm−1及び620cm−1に−SOH基に基づく吸収が認められた。このことから、Pt触媒担持カーボンブラックの表面に−SOH基が導入されていることが確認できた。得られたホスホン酸基とスルホン酸基を導入したカーボンブラックのスルホン酸基の当量は表1に示すように1.2〜1.8ミリ当量/g乾燥カーボン担体であった。
(3)クロロメチル化ポリエーテルスルホンの合成
撹拌機、温度計、塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの四つ口丸底フラスコの内部を窒素置換した後、30gのポリエーテルスルホン(PES)、テトラクロロエタン250mlを入れた。更にクロロメチルメチルエーテル40mlを加えた後、無水塩化錫(IV)1mlとテトラクロロエタン20mlの混合溶液を滴下し、80℃に過熱して90分間加熱撹拌した。次いで、該反応溶液をメタノール1リットル中に落とし、ポリマを析出させた。析出した沈殿をミキサーで粉砕してメタノールで洗浄し、クロロメチル化ポリエーテルスルホンを得た。
Figure 2007280828
核磁気共鳴スペクトルによるクロロメチル基の導入率{式(1)における全構造単位(x及びyの合計)対するクロロメチル基の導入された構造単位の割合}は36%であった。
(4)アセチルチオ化ポリエーテルスルホンの合成
得られたクロロメチル化ポリエーテルスルホンを撹拌機、温度計、塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた1000mlの4ツ口丸底フラスコに入れ、N−メチルピロリドン600mlを加えた。これに、チオ酢酸カリウム9gとN−メチルピロリドン(NMP)50mlの溶液を加え、80℃に加熱し3時間加熱撹拌した。次いで、該反応液を水1リットル中に落とし、ポリマを析出させた。析出させた沈殿をミキサーで粉砕し、水で洗浄した後、加熱乾燥してアセチルチオ化ポリエーテルスルホン32gを得た。
(5)スルホメチル化ポリエーテルスルホンの合成
得られたアセチルチオ化ポリエーテルスルホン20gを撹拌機、温度計、塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの4ツ口丸底フラスコに入れ、さらに酢酸300ml加えた。過酸化水素水20mlを加え、45℃に加熱し4時間加熱撹拌した。
次いで、6規定の水酸化ナトリウム水溶液1リットル中に、冷却しながら該反応溶液を加え、しばらく撹拌した。ポリマをろ過し、アルカリ成分が抜けるまで水で洗浄した。その後、1規定の塩酸300mlにポリマを加え、しばらく撹拌した。ポリマをろ過し、酸成分が抜けるまで水で洗浄し、減圧乾燥することで、定量的にスルホメチル化ポリエーテルスルホン20gを得た。NMRのメチレンプロトンのケミカルシフトが3.78ppmにシフトしていることにより、スルホメチル基の存在を確認した。
式(2)スルホメチル基の導入率{式(2)における全構造単位(x及びyの合計)対するルホメチル基の導入された構造単位の割合}はクロロメチル基の導入率から36%であった。
Figure 2007280828
(6)高分子電解質膜の作製
前記(5)で得られたスルホメチル化ポリエーテルスルホンを5重量%の濃度になるようにジメチルアセトアミド−メトキシエタノールの混合溶媒(1:1)に溶解した。この溶液をスピンコートによりガラス上に展開し、風乾した後、80℃で真空乾燥して膜厚42μmのスルホメチル化ポリエーテルスルホン電解質膜を作成した。この高分子電解質膜の室温におけるメタノール透過性は12mA/cm、イオン伝導性が0.053S/cmであった。
(7)膜電極接合体(MEA)の作製
上記(3)〜(6)と同様にしてスルホメチル基の導入率{式(2)における全構造単位(x及びyの合計)対するルホメチル基の導入された構造単位の割合}が41%であるスルホメチル化ポリエーテルスルホンを合成し、これをアノード電極の高分子電解質とした。
前記(2)で得たホスホン酸基とスルホン酸基を導入したPt/Ru触媒担持カーボンと30wt%の前記高分子電解質(スルホメチル化ポリエーテルスルホン)の1−プロパノール、2−プロパノールとメトキシエタノールの混合溶媒のスラリーを調整した。これをスクリーン印刷法でポリイミドフィルム上に厚さ約125μm、幅30mm、長さ30mmのアノ−ド電極を作製した。
次に、前記(2)で得たホスホン酸基とスルホン酸基を導入したPt触媒担持スルホン化カーボンとポリパーフルオロスルホン酸の1−プロパノール、2−プロパノールとメトキシエタノールの混合溶媒をバインダーとして水/アルコール混合溶媒のスラリーを調整した。次いでスクリーン印刷法でポリイミドフィルム上に厚さ約20μm、幅30mm、長さ30mmのカソ−ド電極を作製した。アノ−ド電極表面に5重量%の前記高分子電解質の1−プロパノール、2−プロパノールとメトキシエタノールの混合溶媒を約0.5ml浸透させた後に前記(6)で作製したスルホメチル化ポリエーテルスルホン電解質膜に接合し、約1kgの荷重をかけて80℃で3時間乾燥した。
次にカソ−ド電極表面に5重量%のポリパーフルオロスルホン酸の1−プロパノール、2−プロパノールとメトキシエタノールの混合溶媒を約0.5ml浸透させた後、前記高分子電解質膜に先に接合したアノ−ド層と重なるように接合して約1kgの荷重をかけて80℃で3時間乾燥することによってMEA(a)を作製した。
炭素粉末に焼成後の重量で40wt%となるように撥水剤ポリテトラフロロエチレン(PTFE)微粒子の水性分散液(デイスパージョンD−1:ダイキン工業製)を添加し混練してペースト状になったものを、厚さ約350μm、空隙率87%のカーボンクロスの片面に塗布し、室温で乾燥した後270℃で3時間焼成して炭素シートを形成した。PTFE量はカーボンクロス布に対して5〜20wt%となるようにした。得られたシートを上記MEAの電極サイズと同じ形状に切り出してカソード拡散層とした。
厚さ約350μm、空隙率87%のカーボンクロスを1mol%の硫酸に浸たし、窒素気流下2日間60℃の温度に保持した。次いで、フラスコの温度を室温迄冷却した。硫酸を除去し、カーボンクロスを蒸留水が中性になるまでよく洗浄した。
次いで、メタノールに浸漬、乾燥した。得られたカーボンクロスの赤外線分光吸収スペクトルの1225cm−1及び1413cm−1に−OSOH基に基づく吸収が認められた。又、1049cm−1に−OH基に基づく吸収が認められた。このことから、カーボンクロスの表面に−OSOH基や−OH基が導入され、硫酸処理されていないカーボンクロスとメタノール水溶液との接触角81°より小さく、親水性であった。又、導電性にも優れていた。これを上記MEA(a)の電極サイズと同じ形状に切り出してアノード拡散層とした。
(8)燃料電池(DMFC)の発電性能
図3に示す高分子形燃料電池発電装置単セルを用いて、前記MEA(a)を組込んで電池性能を測定した。図3において、1は高分子電解質膜、2はアノード電極、3はカソード電極、24はアノード拡散層、25はカソード拡散層、40はアノード集電体、41はカソード集電体である。12は燃料、13は空気、14はアノード端子、15はカソード端子、16はアノード端板、17はカソード端板、18はガスケット、19はO−リング、20はボルト/ナットである。燃料12としてアノードに20wt%のメタノール水溶液を循環させ、カソードに自然呼気で空気13を供給した。そのときの出力電圧及び出力電力密度の電流密度依存性を図5に示す。
図5〜図7は本発明の実施例及び比較例による負荷電流―出力電圧、出力密度特性を示すグラフである。図において、101は実施例1の出力電圧、102は実施例2の出力電圧、103は実施例31の出力電圧、104は実施例4の出力電圧、105は実施例5の出力電圧、106は実施例6の出力電圧、107は実施例7の出力電圧である。
また、108は実施例8の出力電圧、109は実施例9の出力電圧、110は実施例10の出力電圧、111は実施例11の出力電圧、112は実施例12の出力電圧、201は実施例1の出力密度である。202は実施例2の出力密度、203は実施例31の出力密度、204は実施例4の出力密度、205は実施例5の出力密度、206は実施例6の出力密度、207は実施例7の出力密度、208は実施例8の出力密度である。209は実施例9の出力密度、210は実施例10の出力密度、211は実施例11の出力密度、212は実施例12の出力密度、401は比較例1の出力密度、402は比較例2の出力密度、301は比較例1の出力電圧、302は比較例2の出力電圧である。303は比較例3の出力電圧、401は比較例1の出力密度、402は比較例2の出力密度である。
図5で101は実施例1の出力電圧の電流密度依存性を示すデータで、102は実施例2の出力電圧の電流密度依存性を示すデータである。103は実施例3の出力電圧の電流密度依存性を示すデータで、104は実施例1の出力電圧の電流密度依存性を示すデータである。201は実施例1の出力密度の電流密度依存性を示すデータで、202は実施例2の出力密度の電流密度依存性を示すデータである。203は実施例3の出力密度の電流密度依存性を示すデータで、204は実施例4の出力密度の電流密度依存性を示すデータである。50mA/cmの電流密度で負荷し、4000時間稼動後の出力電圧を、表1に記す。
Figure 2007280828
表1から分かるように、本実施例による単電池セルは、4000時間稼動後でも出力電圧が殆ど初期と変わらず、耐久性に優れていることが分かる。又、表1、図5から分かるようにスルホン化の程度が大きいほど50mA/cmの低電流密度負荷時の出力電圧や最大出力密度が向上している。特に、カソードにポンプやブロア等の補機で空気を強制的に供給する機構を有さないパッシブ型の燃料電池では、電流密度が高くなるほどカソード側に生成する水の量が多くなり、滞留する水により空気(酸素)が十分に供給されなくなり、発電不能となってしまう。従って、低電流密度での出力向上が強く望まれており、本実施例は特にこれに適している。
(比較例1)
(1)膜電極接合体(MEA)の作製
PtとRuの原子比が1/1のPt/Ru合金微粒子を50wt%分散担持したPt/Ru触媒担持カーボンブラック(スルホン化処理をしていないもの)を準備した。30wt%ポリパーフルオロスルホン酸電解質をバインダーとして、上記カーボンブラックを水/アルコール混合溶媒(水、イソプロパノール、ノルマルプロパノールが重量比で20:40:40の混合溶媒)に分散してスラリーを調整した。これをスクリーン印刷法でポリイミドフィルム上に厚さ約125μm、幅30mm、長さ30mmのアノ−ド電極を作製した。
次に、30wt%の白金微粒子を担持した、スルホン化処理をしていないカーボンと30wt%ポリパーフルオロスルホン酸をバインダーとして水/アルコール混合溶媒のスラリーを調整してスクリーン印刷法でポリイミドフィルム上に厚さ約20μm、幅30mm、長さ30mmのカソ−ド電極を作製した。アノ−ド電極表面に5重量%のポリパーフルオロスルホン酸アルコール水溶液(水、イソプロパノール、ノルマルプロパノールが重量比で20:40:40の混合溶媒)を約0.5ml浸透させた後に実施例1の(5)で作製したスルホメチル化ポリエーテルスルホン電解質膜に接合し、約1kgの荷重をかけて80℃で3時間乾燥した。次にカソ−ド電極表面に5重量%のポリパーフルオロスルホン酸の1−プロパノール、2−プロパノールとメトキシエタノールの混合溶媒を約0.5ml浸透させた後に前記高分子電解質膜に先に接合したアノ−ド層と重なるように接合して約1kgの荷重をかけて80℃で3時間乾燥することによってMEA(b)を作製した。
これと実施例1で作製した親水化カーボンクロスをアノード拡散層に、撥水化カーボンクロスをカソード拡散層に用いた。
(2)燃料電池(DMFC)の発電性能
図3に示す高分子形燃料電池発電装置単セルを用いて前記MEA(b)を組込んで電池性能を測定した。燃料としてアノードに20wt%のメタノール水溶液を循環させ、カソードに空気を供給した。燃料としてアノードに20wt%のメタノール水溶液を循環させ、カソードに自然呼気で空気を供給した。そのときの出力電圧及び出力電力密度の電流密度依存性を図5に示す。図5で301は比較例1の出力電圧の電流密度依存性を示すデータである。401は比較例1の出力密度の電流密度依存性を示すデータである。又、50mA/cmの負荷時の出力電圧と最大出力密度と、50mA/cmの電流密度で負荷し、4000時間稼動後の出力電圧を表1に記す。
表1から分かるようにプロトン伝導性付与基と耐酸化性付与酸基を導入したカーボン担体を用いると、出力電圧が向上するとともに、耐久性が優れている。
(比較例2)
(1)カーボンブラックへのメチレンスルホン酸基の導入
撹拌機、温度計、還流冷却器をつけた500mlの四つ口丸底フラスコの内部を窒素置換した後、窒素気流下100.0gのPt/Ru触媒担持カーボンブラック、17.5gの亜硫酸ナトリウム(0.14モル)、12.5gの重亜硫酸ナトリウム(0.12モル)、50.0gの37wt%ホルマリン水溶液(0.62モル)及び30.0gのパラホルムアルデヒド(ホルムアルデヒド換算1.00モル)を入れた。85℃で1時間加熱、次いで90℃で15時間加熱した。
これをろ過し、Pt/Ru触媒担持カーボンブラックを1規定の硫酸水溶液に浸漬し、Naをプロトン化し、イオン交換水で十分に洗浄した。得られたPt/Ru触媒担持カーボンブラックと無処理のPt/Ru触媒担持カーボンブラックのフーリエ変換赤外吸収スペクトルを測定した。処理Pt/Ru触媒担持カーボンブラックのスペクトルと無処理Pt/Ru触媒担持カーボンブラックとのスペクトルの差スペクトルには、620cm−1及び1037cm−1にそれぞれSO伸縮振動、とSO対称伸縮振動のピークが認められた。これらのピークはPt/Ru触媒担持カーボンブラックに導入されたメチレンスルホン酸基に基づくものと考えられる。
スルホン酸処理した、Pt/Ru触媒担持カーボンブラックを元素分析し、硫黄原子の含有重量%を求め、スルホン酸基の当量を計算した。カーボンブラックのスルホン酸基の当量は1.8ミリ当量/g乾燥カーボン担体であった。
撹拌機、温度計、還流冷却器をつけた500mlの四つ口丸底フラスコの内部を窒素置換した後、窒素気流下100.0gのPt触媒担持カーボンブラック、17.5gの亜硫酸ナトリウム(0.14モル)、12.5gの重亜硫酸ナトリウム(0.12モル)、50.0gの37wt%ホルマリン水溶液(0.62モル)及び30.0gのパラホルムアルデヒド(ホルムアルデヒド換算1.00モル)を入れ、85℃で1時間加熱、次いで90℃で15時間加熱した。これをろ過し、Pt/Ru触媒担持カーボンブラックを1規定の硫酸水溶液に浸漬し、Naをプロトン化し、イオン交換水で十分に洗浄した。
得られたPt触媒担持カーボンブラックと無処理のPt触媒担持カーボンブラックとのフーリエ変換赤外吸収スペクトルを測定した。処理Pt触媒担持カーボンブラックのスペクトルと無処理Pt触媒担持カーボンブラックのスペクトルの差スペクトルには、620cm−1及び1037cm−1にそれぞれSO伸縮振動、とSO対称伸縮振動のピークが認められた。これらのピークはPt触媒担持カーボンブラックに導入されたメチレンスルホン酸基に基づくものと考えられる。処理Pt触媒担持カーボンブラックを元素分析し、硫黄原子の含有重量%を求め、スルホン酸基の当量を計算した。カーボンブラックのスルホン酸基の当量は1.8ミリ当量/g乾燥カーボン担体であった。
(2)膜電極接合体(MEA)の作製
スルホン化触媒担持カーボンを前記(1)で作成したメチレンスルホン酸基導入触媒カーボンに代えた以外、全く実施例1と同様にしてMEA(c)を製作した。
(3)燃料電池(DMFC)の発電性能
図4に示す高分子形燃料電池発電装置単セルを用いて前記MEA(c)を組込んで電池性能を測定した。燃料としてアノードに20wt%のメタノール水溶液を循環させ、カソードに空気を供給した。そのときの出力電圧及び出力電力密度の電流密度依存性を図5に示す。図5で302は比較例2の出力電圧の電流密度依存性を示すデータである。402は比較例2の出力密度の電流密度依存性を示すデータである。又、50mA/cmの負荷時の出力電圧と最大出力密度と、50mA/cmの電流密度で負荷し、4000時間稼動後の出力電圧を表1に記す。
表1から分かるようにプロトン伝導性付与基と耐酸化性付与酸基を導入したカーボン担体を用いると、出力電圧が向上するとともに、耐久性が優れている。
(比較例3)
(1)カーボンブラックへの三酸化硫黄ガスによるスルホン酸基の導入
白金とルテニウムの原子比が1/1の白金/ルテニウム合金微粒子を50wt%分散担持したPt/Ru触媒担持カーボンブラック100gを105℃で1時間加熱した。これに80〜110℃に加熱した三酸化硫黄ガスを乾燥空気に対して表1記載の濃度となるように導入し、表1記載の時間反応させた。その後、冷却し、Pt/Ru触媒担持カーボンブラックをイオン交換水中に投入し、攪拌した後、ろ過し、濾液のpHが一定になるまでイオン交換水で水洗した。
得られたPt/Ru触媒担持カーボンブラックのフーリエ変換赤外線吸収スペクトルと三酸化硫黄ガス処理前のPt/Ru触媒担持カーボンブラックのフーリエ変換赤外線吸収スペクトルとの差スペクトルには1225cm−1、1037cm−1及び620cm−1に−SOH基に基づく吸収が認められた。このことから、Pt/Ru触媒担持カーボンブラックの表面に−SOH基が導入されている。得られたスルホン化カーボンブラックのイオン交換容量を表1に記す。
同様に30wt%の白金微粒子を担持した触媒担持カーボンブラック100gを105℃で1時間加熱した。これに80〜110℃に加熱した三酸化硫黄ガスを乾燥空気に対して表1記載の濃度となるように導入し、表1記載の時間反応させた。その後、冷却し、Pt触媒担持カーボンブラックをイオン交換水中に投入し、攪拌した後、ろ過し、濾液のpHが一定になるまでイオン交換水で水洗した。
得られたPt触媒担持カーボンブラックのフーリエ変換赤外線吸収スペクトルと三酸化硫黄ガス処理前のPt触媒担持カーボンブラックのフーリエ変換赤外線吸収スペクトルとの差スペクトルには1225cm−1、1037cm−1及び620cm−1に−SOH基に基づく吸収が認められた。このことから、Pt触媒担持カーボンブラックの表面に−SOH基が導入されている。得られたスルホン化カーボンブラックのイオン交換容量を表1に記す。
(2)膜電極接合体(MEA)の作製
スルホン化触媒担持カーボンを前記(1)で作成したメチレンスルホン酸基導入触媒カーボンに代えた以外、全く実施例1と同様にしてMEA(d)を製作した。
(3)燃料電池(DMFC)の発電性能
図4に示す高分子形燃料電池発電装置単セルを用いて前記MEA(d)を組込んで電池性能を測定した。燃料としてアノードに20wt%のメタノール水溶液を循環させ、カソードに空気を供給した。50mA/cmの負荷時の出力電圧と最大出力密度と、50mA/cmの電流密度で負荷し、4,000時間稼動後の出力電圧を表1に記す。
表1から分かるようにプロトン伝導性付与基と耐酸化性付与酸基を導入したカーボン担体を用いると、出力電圧が向上するとともに、耐久性が優れている。
(実施例5〜8)
(1)カーボンブラックへのホスホン酸基の導入
50gのPtとRuの原子比が1/1のPt/Ru合金微粒子を50wt%分散担持したPt/Ru触媒担持カーボンブラックに268gの三塩化リン(PCl)、60gの無水塩化アルミニウム(AlCl)を入れ、6時間還流した。その後、過剰の三塩化リンを溜去した。次いで、500mlのイオン交換水を加えた。濾過後、イオン交換水で十分洗浄した。次いで、2規定の水酸化ナトリウム水溶液を加え、90℃の温度に2時間保持した。濾過後、4規定の塩酸水溶液、イオン交換水の順で十分洗浄した。これに2規定の硝酸水溶液を加え、95℃の温度に2時間保持後、冷却し、濾過、水洗した。ホスホン酸基の当量は表2に示すように0.5〜1.0ミリ当量/g乾燥カーボン担体であった。
Figure 2007280828
同様に30wt%の白金微粒子を担持した触媒担持カーボンブラック10gに268gの三塩化リン(PCl)、60gの無水塩化アルミニウム(AlCl)を入れ、6時間還流した。その後、過剰の三塩化リンを溜去した。次いで、500mlのイオン交換水を加えた。濾過後、イオン交換水で十分洗浄した。次いで、2規定の水酸化ナトリウム水溶液を加え、90℃の温度に2時間保持した。濾過後、4規定の塩酸水溶液、イオン交換水の順で十分洗浄した。これに2規定の硝酸水溶液を加え、95℃の温度に2時間保持後、冷却し、濾過、水洗した。ホスホン酸基の当量は表2に示すように0.5〜1.0ミリ当量/g乾燥カーボン担体であった。
(2)カーボンブラックへのスルホン酸基の導入
前記例(1)で得られたPt/Ru触媒担持カーボンブラック100gを105℃で1時間加熱した。これに80〜110℃に加熱した三酸化硫黄ガスを乾燥空気に対して表1記載の濃度となるように導入し、表1記載の時間反応させた。その後、冷却し、Pt/Ru触媒担持カーボンブラックをイオン交換水中に投入し、攪拌した後、ろ過し、濾液のpHが一定になるまでイオン交換水で水洗した。得られたPt/Ru触媒担持カーボンブラックのフーリエ変換赤外線吸収スペクトルと三酸化硫黄ガス処理前のPt/Ru触媒担持カーボンブラックのフーリエ変換赤外線吸収スペクトルとの差スペクトルには1225cm−1、1037cm−1及び620cm−1に−SOH基に基づく吸収が認められた。このことから、Pt/Ru触媒担持カーボンブラックの表面に−SOH基が導入されている。
得られたホスホン酸基とスルホン酸基を導入したカーボンブラックのスルホン酸基の当量は表1に示すように1.2〜1.8ミリ当量/g乾燥カーボン担体であった。
前記例(1)で得られたPt微粒子を担持した触媒担持カーボンブラック100gを105℃で1時間加熱した。これに80〜110℃に加熱した三酸化硫黄ガスを乾燥空気に対して表1記載の濃度となるように導入し、表1記載の時間反応させた。その後、冷却し、Pt触媒担持カーボンブラックをイオン交換水中に投入し、攪拌した後、ろ過し、濾液のpHが一定になるまでイオン交換水で水洗した。
得られたPt触媒担持カーボンブラックのフーリエ変換赤外線吸収スペクトルと三酸化硫黄ガス処理前のPt触媒担持カーボンブラックのフーリエ変換赤外線吸収スペクトルとの差スペクトルには1225cm−1、1037cm−1及び620cm−1に−SOH基に基づく吸収が認められた。このことから、Pt触媒担持カーボンブラックの表面に−SOH基が導入されている。得られたホスホン酸基とスルホン酸基を導入したカーボンブラックのスルホン酸基の当量は表1に示すように1.2〜1.8ミリ当量/g乾燥カーボン担体であった。
(3)膜電極接合体(MEA)の作製
スルホン化触媒担持カーボンを前記(1)で作成したメチレンスルホン酸基導入触媒カーボンに変えた以外、全く実施例1と同様にしてMEA(e)を製作した。
(4)燃料電池(DMFC)の発電性能
図3に示す高分子形燃料電池発電装置単セルを用いて前記MEA(e)を組込んで電池性能を測定した。図3において、1は高分子電解質膜、2はアノード電極、3はカソード電極、8はアノード拡散層、9はカソード拡散層、40はアノード集電体、41はカソード集電体である。また、12は燃料、13は空気、14はアノード端子、15はカソード端子である。16はアノード端板、17はカソード端板、184はガスケット、19はO−リング、20はボルト/ナットである。燃料としてアノードに20wt%のメタノール水溶液を循環させ、カソードに自然呼気で空気を供給した。そのときの出力電圧及び出力電力密度の電流密度依存性を図5に示す。
図5で105は実施例5の出力電圧の電流密度依存性を示すデータである。106は実施例6の出力電圧の電流密度依存性を示すデータで、107は実施例7の出力電圧の電流密度依存性を示すデータである。108は実施例8の出力電圧の電流密度依存性を示すデータで、205は実施例5の出力密度の電流密度依存性を示すデータである。206は実施例6の出力密度の電流密度依存性を示すデータで、207は実施例7の出力密度の電流密度依存性を示すデータである。208は実施例8の出力密度の電流密度依存性を示すデータである。又、50mA/cmの負荷時の出力電圧、最大出力密度と50mA/cmの負荷電流で4,000時間経過後の出力電圧を表3に記した。
Figure 2007280828
実施例5〜8と比較例1から、ホスホン化およびスルホン化した触媒担持カーボンブラックを電極に用いると、従来の触媒担持カーボンブラックを電極用いた燃料電池より、50mA/cmの低電流密度負荷時の出力電圧や最大出力密度が向上する。それと同時に長時間稼動しても出力電圧が低下しないことが分かる。実施例5〜8と比較例2から、ホスホン化およびスルホン化した触媒担持カーボンブラックを電極に用いると、従来のスルホアルキル化した触媒担持カーボンブラックを電極を用いた燃料電池より、電極がメタノールに溶解又は膨潤せずに耐久性が向上していることが分かる。
(実施例9〜12)
(1)カーボンブラックへのホスホメチル基の導入
撹拌機、温度計、塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの四つ口丸底フラスコの内部を窒素置換した後、PtとRuの原子比が1/1のPt/Ru合金微粒子を50wt%分散担持したPt/Ru触媒担持カーボンブラック30g、二硫化炭素250mlを入れ、更に表3記載の量のクロロメチルメチルエーテルを加えた後、無水塩化錫(IV)1mlと二硫化炭素20mlの混合溶液を滴下し、46℃で表3記載の時間加熱撹拌した。
次いで、該反応溶液をメタノール1リットル中にあけ、沈殿をミキサーで粉砕してメタノールで洗浄し、クロロメチル化カーボンを得た。前記クロロメチル化カーボンをホスホン酸トリエチルエステルに浸漬し、12時間加熱還流した。該反応溶液をエタノール中に入れ、沈殿をミキサーで粉砕してエタノールで洗浄し、クロロメチルジエチルホスホメチル化カーボンを得た。ホスホメチル基の当量は表3に記載したように0.4〜0.7ミリ当量/g乾燥樹脂であった。
(2)カーボンブラックへのスルホメチル基の導入
得られたクロロメチルジエチルホスホメチル化カーボン20gを撹拌機、温度計、塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた1000mlの4ツ口丸底フラスコに入れ、N−メチルピロリドン600mlを加えた。これに、チオ酢酸カリウム9gとN−メチルピロリドン(NMP)50mlの溶液を加え、80℃に加熱し3時間加熱撹拌した。次いで、該反応液を水1リットル中にあけ、沈殿をミキサーで粉砕し、水で洗浄した後、加熱乾燥してアセチルチオジエチルホスホメチル化カーボンを得た。
得られたアセチルチオジエチルホスホメチル化カーボン20gを撹拌機、温度計、塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの4ツ口丸底フラスコに入れ、さらに酢酸300ml加えた。過酸化水素水20mlを加え、45℃に加熱し4時間加熱撹拌した。
次いで、6規定の水酸化ナトリウム水溶液1リットル中に、冷却しながら該反応溶液を加え、しばらく撹拌した。ろ過し、アルカリ成分が抜けるまで水で洗浄した。その後、1規定の塩酸300mlを加え、しばらく撹拌した。ろ過し、酸成分が抜けるまで水で洗浄し、減圧乾燥することで、定量的にスルホメチルジエチルホスホメチル化カーボン20gを得た。スルホメチル基の当量は表3に示すように0.3〜0.4ミリ当量/g乾燥樹脂であった。
(3)膜電極接合体(MEA)の作製
スルホン化触媒担持カーボンを前記(1)で作成したメチレンスルホン酸基導入触媒カーボンに代えた以外、実施例1と全く同様にしてMEA(f)を製作した。
(4)燃料電池(DMFC)の発電性能
図3に示す高分子形燃料電池発電装置単セルを用いて前記MEA(f)を組込んで電池性能を測定した。燃料としてアノードに20wt%のメタノール水溶液を循環させ、カソードに空気を供給した。そのときの出力電圧及び出力電力密度の電流密度依存性を図6に示す。図6で109は実施例9の出力電圧の電流密度依存性を示すデータで、110は実施例10の出力電圧の電流密度依存性を示すデータである。112は実施例12の出力電圧の電流密度依存性を示すデータで、113は実施例13の出力電圧の電流密度依存性を示すデータである。209は実施例9の出力密度の電流密度依存性を示すデータで、210は実施例10の出力密度の電流密度依存性を示すデータである。211は実施例11の出力密度の電流密度依存性を示すデータで、212は実施例12の出力密度の電流密度依存性を示すデータである。301は比較例1の出力電圧の電流密度依存性を示すデータである。401は比較例1の出力密度の電流密度依存性を示すデータである。
又、50mA/cmの負荷時の出力電圧、最大出力密度と50mA/cmの負荷電流で4,000時間経過後の出力電圧を表3に記した。
実施例9〜12と比較例1から、ホスホメチル化とスルホアルキル化した触媒担持カーボンブラックを電極に用いると、従来の触媒担持カーボンブラックを電極用いた燃料電池より、50mA/cmの低電流密度負荷時の出力電圧や最大出力密度が向上する。同時に長時間稼動しても出力電圧が低下しないことが分かる。実施例9〜12と比較例2から、ホスホメチル化とスルホアルキル化した触媒担持カーボンブラックを電極に用いると、従来のスルホアルキル化した触媒担持カーボンブラックを電極に用いた燃料電池より、メタノールに溶解せずに耐久性が向上していることが分かる。
(実施例13、比較例4)
図4に示す水素を燃料とする小型単電池セルを用いて実施例1のMEA(a)を組込んで図4に示す燃料電池発電装置を組み立て、電池性能を測定した。図4において、1は高分子電解質膜、2はアノード電極、3はカソード電極、24はアノード拡散層、25はカソード拡散層である。26は極室分離と電極へのガス供給通路の役割を兼ねた導電性のセパレータ(バイポーラプレート)の燃料流路、27は極室分離と電極へのガス供給通路の役割を兼ねた導電性のセパレータ(バイポーラプレート)の空気用流路である。また、28は燃料の水素と水、29は水素、30は水、31は空気、32は空気と水である。小型単電池セルを恒温槽に設置し、セパレータ内に挿入した熱電対(図示していない)による温度が70℃になるよう恒温槽の温度を制御した。アノード及びカソードの加湿は外部加湿器を用い、加湿器出口付近の露点が70℃になるように加湿器の温度を70〜73℃の間で制御した。露点は露点計による計測の他、加湿水の消費量を常時計測し、反応ガスの流量、温度、圧力から求められる露点が所定の値であることを確認した。
水素利用率を70%、空気利用率を40%とし、250mA/cmの電流を負荷し、実施例1のMEA(a)を組込んだPEFCを10,000時間連続運転した。10,000時間連続運転後の出力電圧は0.85Vで初期と殆ど変わらなかった。一方、比較例3のMEA(d)を組込んだPEFCは約4,000時間で出力はほぼゼロとなった。即ち、プロトン伝導性付与基と過酸化水素分解性基を導入したカーボン担体を用いた本発明の実施例によるMEAは長時間連続運転可能である。
(実施例14)
(1)燃料電池の製造
実施例1で作成した膜電極接合体を組込んだ燃料電池44の組み立ての一例を図8に示す。燃料電池は、133はカソード端板、134はカソード集電体、135は実施例1で作成した拡散層付膜/電極接合体搭載部、136はパッキング、137はアノード端板、138は燃料タンク部、139はアノード端板であり、これらを順にボルト132とナット131で締め付け、組み立てたものである。
(2)燃料電池電源システムの製造
前記燃料電池144を組込んだ電源システムの一例を図9に示す。図9で144は燃料電池、140は電気二重層コンデンサ、141はDC/DCコンバータ、142は負荷遮断スイッチ143のON、OFFを制御する判別制御手段である。この図では電気二重層コンデンサを二直列にしている。燃料電池144で発生する電気を電気二重層コンデンサ140に一時蓄える。判別制御手段142が電気二重層コンデンサ内の電気量を測定し、規定量の電気が蓄えられると負荷遮断スイッチ143をONにして、DC/DCコンバータで所定の電圧に昇圧した電気を電子機器に供給する。
(3)携帯用情報端末の製造
上記(2)の燃料電池電源システムを携帯用情報端末に実装した例を図10に示す。この携帯用情報端末は、タッチパネル式入力装置が一体化された表示装置47とアンテナ49を内蔵した部分と燃料電池44を備える。また、メインボード48はプロセッサ、揮発及び不揮発メモリ、電力制御部、燃料電池及び二次電池ハイブリッド制御、燃料モニタなどの電子機器及び電子回路などを実装している。リチウムイオン二次電池52を搭載する部分が燃料カートリッジのホルダーを兼ねたカートリッジホルダー付ヒンジ50で連結された折りたたみ式の構造を採っている。
電源実装部は、隔壁によって区分され、下部にメインボード48及びリチウムイオン二次電池52が収納されて、上部に燃料電池電源システムが配置されている。筐体の上及び側壁部には空気及び電池排ガス拡散のためのスリット46が設けられ、筐体内のスリット46の表面には空気フィルタ57が、隔壁面には吸水性速乾材料54が設けられている。空気フィルタは気体の拡散性が高く、粉塵などの進入を防ぐ材料であれば特に限定は無いが、合成樹脂の単糸をメッシュ状、または、織布のものは目詰まりを起こすことなく好適である。
本実施例においては、撥水生の高いポリテトラフルオロエチレン単糸メッシュを用いる。この携帯用情報端末は50mA/cmの負荷電流で0.9Vの出力を示し、50mA/cmの負荷電流で4,000時間以上連続運転可能であった。
本発明によれば、電子伝導性の優れたカーボンにプロトン伝導性付与基と過酸化水素分解性基を導入することにより、一次細孔内への燃料や酸素等の移動を妨げずに、電子伝導性を保持したままプロトン伝導性を長期間にわたって付与することができる。即ち、一次粒子の細孔内の触媒をも長時間にわたって有効に電池反応に関与させることができる。特に、稼動時にカソードに生成する水の量が少ない低負荷電流において長時間に渡って高出力化が図れる。又、長時間にわたって最大出力密度が向上する。そのため、燃料電池の小型軽量化、低コスト化か図れる。更に、同じ出力密度ならば触媒量を減らすことができる。
本発明の実施例による膜電極接合体を用いた直接メタノール方式の燃料電池電源システムを二次電池搭載の携帯電話器、携帯用パーソナルコンピュータ、携帯用オーデイオ、ビジュアル機器、その他の携帯用情報端末に付設するバッテリーチャージャーとして用いることができる。或いは二次電池を搭載することなく直接内蔵電源とすることによってこれらの電子機器の小型軽量化、低コスト化が可能となる。
また、本発明による膜電極接合体を用いた水素を燃料とした高分子形燃料電池は家庭用及び業務用コジェネレーション分散電源、移動体用の燃料電池電源として小型軽量化、低コスト化が可能となる。一次細孔内の触媒を一次細孔内の触媒の利用率を長期間にわたって高めることができ、稼動時にカソードに生成する水の量が少ない低負荷電流において長期間の高出力化が図れる。そのため、燃料電池の小型軽量化、低コスト化が図られる。更に、同じ出力密度ならば触媒量を減らすことができる。
カソードで発生する水を速やかに除去しないと酸素が不足し、所謂、フラッデング現象が起こり、発電の継続が不可能になる。又、触媒上で過酸化水素の副生が多くなり、カーボン担体や電解質膜の劣化をきたす。カソードの第1次細孔内にスルホン酸基やホスホン酸基を導入すると親水性が強くなり、発生した水の除去が不十分になり易い。そのため、一次細孔内のプロトン伝導性を付与したカーボンブブラックに撥水性を付与することが好ましい。
一次細孔内のプロトン伝導性を付与したカソード側電極のカーボンブブラックに撥水性を付与する方法としては特に制限は無い。例えば、パーフルオロポリエーテル鎖とアルコキシシラン残基を有する含フッ素化合物またはフルオロアルキル基とアルコキシシラン基を有する含フッ素化合物で処理することにより一次細孔内のプロトン伝導性を付与したカーボンブブラックに撥水性を付与することができる。上記のうち、パーフルオロポリエーテル鎖とアルコキシシラン残基を有する含フッ素化合物のほうがより、撥水性を付与できるため好ましい。フルオロアルキル基とアルコキシシラン基を有する含フッ素化合物としては、フルオロアルキル基とアルコキシシラン基の両方を有していれば特に制限は無い。
そのような化合物としては、例えば、パーフルオロオクチルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルトリエトキシシラン、パーフルオロデシルトリメトキシシラン、パーフルオロデシルトリエトキシシラン等がある。又、パーフルオロポリエーテル鎖とアルコキシシラン残基を有する含フッ素化合物としては、例えば、[F{CF(CF)−CFO}−CF(CF)]−X−Si(OR)、F(CFCFCFO)}−X−Si(OR)、{H(CF}−X−Si(OR)、{F(CF}−X−Si(OR)等がある。ここで、Xはパーフルオロポリエーテル鎖とアルコキシシラン残基との結合部位、Yはパーフルオロアルキル鎖とアルコキシシラン残基との結合部位、Rはアルキル基である。具体的には、パーフルオロオクチルカルバモイルメチルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルカルバモイルメチルトリエトキシシラン等がある。
(実施例15〜18)
実施例1〜4の(2)で得られたホスホン酸基とスルホン酸基を導入したPt担持カーボンブラックを0.1重量%のパーフルオロオクチルカルバモイルメチルトリメトキシシランのメタノール水溶液に1昼夜浸漬し、濾過した。その後、100℃で1時間加熱し、カーボンブラックの1時細孔内を撥水化した。このカーボンブラックの模式図を示せば図2のようになる。
ホスホン酸基とスルホン酸基を導入したPt担持カーボンブラックの代わりに前記撥水化したホスホン酸基とスルホン酸基を導入したPt担持カーボンブラックを使った以外、全く実施例1〜4と同じ実験を行い、第4表の結果を得た。表から分かるようにカソードの1時細孔内を撥水化処理することにより、最大出力密度が高くなっている。
Figure 2007280828
本発明の実施例に関わる膜電極接合体の概略構成断面図。 本発明に関わる電極層におけるカーボン担体の概念を示す模式図。 本発明に関わる直接メタノール方式の燃料電池発電装置単電池セルの構成を示す断面図。 本発明の実施例に関わる固体高分子形燃料電池発電装置単電池セルの構成を示す展開斜視図。 本発明の実施例及び比較例に関わる負荷電流−出力電圧、出力密度特性を示すグラフ。 本発明の他の実施例及び比較例に関わる負荷電流−出力電圧、出力密度特性を示すグラフ。 本発明の更に他の実施例及び比較例に関わる負荷電流−出力電圧、出力密度特性を示すグラフ。 本発明の実施例に関わる水素―酸素燃料電池の主要部を示す展開斜視図。 本発明の実施例による膜電極接合体を使用した燃料電池を搭載した燃料電池電源システムを示す線図。 本発明の膜電極接合体を使用した燃料電池を使った燃料電池電源システムを搭載した携帯情報端末を表わす断面図。
符号の説明
1…高分子電解質膜、2…アノ−ド電極、3…カソード電極、4…二次粒子細孔、5…カーボン一次粒子、6…高分子電解質、7…カーボン二次粒子、8…アノード拡散層、9…カソ−ド拡散層、10…アノード集電体、11…カソード集電体、12…燃料、13…空気、14…アノード端子、15…カソード端子、16…アノード端板、17…カソード端板、18…ガスケット、19…O−リング、20…ボルト/ナット、24…アノード拡散層、25…カソ−ド拡散層、26…セパレータの燃料導路、27…セパレータの空気導路、28…水素+水、29…水素、30…水、31…空気、32…空気+水、45…燃料カートリッジ入りヒンジ部、46…スリット、47…表示装置、48…メインボード、49…アンテナ、50…カートリッジホルダー付ヒンジ、51…メインボード、52…リチウムイオン二次電池、53…空気フィルタ、54…吸水性速乾材料、55…筐体、60…界面活性剤膜、90…触媒粒子、100…プロトン伝導性付与基、133…カソード端板、134…カソード集電体、135…拡散層付MEA搭載部、136…パッキング、137…アノード端板、138…燃料タンク部、139…アノード端板、140…電気二重層コンデンサ、141…DC/DCコンバータ、142…判別制御手段、143…負荷遮断スイッチ、144…燃料電池。

Claims (28)

  1. カーボン表面に、プロトン伝導性付与基と過酸化水素分解性基を導入したことを特徴とする燃料電池用カーボン担体。
  2. 前記プロトン伝導性付与基と過酸化水素分解性基が前記カーボン表面及び細孔内に形成されていることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用カーボン担体。
  3. カーボン粒子表面及び細孔内に撥水性膜を有することを特徴とする請求項1記載の燃料電池用カーボン担体。
  4. 前記過酸化水素分解性基がホスホン酸基又はホスホアルキル基である請求項1記載の燃料電池用カーボン。
  5. 前記過酸化水素分解性基の導入量が0.2〜0.6ミリ当量/乾燥カーボンである請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池用カーボン。
  6. 前記プロトン伝導性付与基がスルホン酸基、又はスルホアルキル基である請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池用カーボン。
  7. プロトン伝導性付与基の導入量が0.4〜1.8ミリ当量/乾燥カーボンである請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池用カーボン。
  8. カーボン表面に、プロトン伝導性付与基と過酸化水素分解性基を導入し、かつ触媒を担持したことを特徴とする燃料電池用電極材。
  9. カーボン表面に、プロトン伝導性付与基と過酸化水素分解性基を導入し、かつ触媒を担持した電極材と高分子電解質が混合していることを特徴とする燃料電池電極材。
  10. カーボン粒子表面及び細孔内に撥水性界面活性剤膜が形成されていることを特徴とする請求項8又は9記載の燃料電池電極材。
  11. 電極材と高分子電解質とを混合したことを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の燃料電地電極材。
  12. 高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜を挟むカソード電極及びアノード電極とを有し、前記カソード電極及びアノード電極が、少なくともカーボン担体、前記カーボン担体に担持された電極触媒と高分子電解質を含む膜電極接合体であって、前記カーボン担体がプロトン伝導性付与基と過酸化水素分解性基を導入したものであることを特徴とする膜電極接合体。
  13. カーボン表面触媒を担持したことを特徴とする請求項12記載の膜電極接合体。
  14. カーボン表面に、触媒を担持し、かつカーボンと高分子電解質が混合していることを特徴とする請求項12記載の膜電極接合体。
  15. カーボン粒子表面及び細孔内に撥水性膜を有することを特徴とする請求項12記載の膜電極接合体。
  16. 前記カーボン担体の過酸化水素分解性基がホスホン酸基又はホスホアルキル基であることを特徴とする請求項12記載の膜電極接合体。
  17. 前記カーボン担体の過酸化水素分解性基の導入量が0.2〜0.6ミリ当量/乾燥カーボンである燃料電池用カーボン担体であることを特徴とする請求項12記載の膜電極接合体。
  18. 前記カーボン担体のプロトン伝導性付与基がスルホン酸基、又はスルホアルキル基であることを特徴とする請求項12記載の膜電極接合体。
  19. 高分子電解質を挟んでアノード電極とカソード電極を配置した膜/電極接合体、前記膜/電極接合体のアノード電極の外側に配置されたアノード拡散層、カソード電極の外側に配置されたカソード拡散層、前記アノード拡散層の外側に配置されたアノード集電板とアノード端板、前記カソード拡散層の外側に配置されたカソード集電板とカソード端板を供え、前記カソード電極及びアノード電極が、少なくともカーボン担体、前記カーボン担体に担持された電極触媒および高分子電解質を含み、前記カーボン担体がプロトン伝導性付与基と過酸化水素分解性基を導入したものであることを特徴とする燃料電池。
  20. 前記燃料電池がメタノールを燃料とするものであることを特徴とする請求項19記載の燃料電池。
  21. カーボン粒子表面及び細孔内に撥水性膜を有することを特徴とする請求項19記載の燃料電池。
  22. 前記燃料電池のアノード電極が空気極であって、カソード電極がメタノール燃料極であることを特徴とする請求項19記載の燃料電池。
  23. 前記カーボン担体の過酸化水素分解性基がホスホン酸基又はホスホアルキル基であることを特徴とする請求項19記載の燃料電池。
  24. 前記カーボン担体の過酸化水素分解性基の導入量が0.2〜0.6ミリ当量/乾燥カーボンであることを特徴とする請求項19記載の燃料電池。
  25. 前記カーボン担体のプロトン伝導性付与基がスルホン酸基、又はスルホアルキル基である請求項19に記載の燃料電池。
  26. 請求項19に記載の燃料電池と、電源制御部およびDC−DCコンバータを備えたことを特徴とする燃料電池電源システム。
  27. 請求項26の燃料電池電源システムを装着したことを特徴とする電子機器。
  28. 請求項27の電子機器が携帯情報端末、モバイル用ノートブック型パーソナルコンピュータ、携帯用電話又はカムコーダーのいずれかであることを特徴とする電子機器。
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