JP2007278414A - スラストころ軸受用保持器とその製造方法 - Google Patents

スラストころ軸受用保持器とその製造方法 Download PDF

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    • F16C19/30Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for axial load mainly

Abstract

【課題】コスト上昇の原因となる、研削等の仕上加工を要する事なく、各ポケット5の内周縁のうちで、各ころの転動面と擦れ合う部分の表面粗さを良好にする。そして、これら各ころの転動面の損傷を防止し、スラストころ軸受の耐久性向上を図れる構造とその製造方法とを実現する。
【解決手段】保持器1aの径方向に関して、各ポケット5の中央部に存在する中央平板部8の打ち抜き方向と、両端部に存在する外径側、内径側両平板部9、10の打ち抜き方向とを互いに逆にする。そして、各平板部8〜10の円周方向両端縁に存在する係合突部13a〜13cの先端縁に存在する破断面を、何れも保持器1aの軸方向に関して外端部側に位置させる。この構成により、この破断面が上記各ポケット5内に保持されたころの転動面と擦れ合う事を防止して、上記課題を解決する。
【選択図】図4

Description

この発明は、自動車用変速機、工作機械等、各種機械装置の回転支持部に組み込むスラストころ軸受を構成する保持器とその製造方法に関する。具体的には、1枚の金属板に打ち抜き加工及び塑性加工を施す事により低コストで造れるスラストころ軸受用保持器とその製造方法の改良に関する。より具体的には、コスト上昇の原因となる、研削等の仕上加工を要する事なく、ポケットの内周縁のうちで、各ころの転動面と擦れ合う部分の表面粗さを良好にして、これら各ころの転動面の損傷を防止し、スラストころ軸受の耐久性向上を図れる構造とその製造方法とを実現するものである。
スラストころ軸受用保持器とその製造方法として、特許文献1〜4に記載された技術が知られている。図10〜12は、このうちの特許文献2に記載された、スラストころ軸受用の保持器1を示している。この保持器1は、金属板を曲げ形成する事により一体に造られたもので、内径側リム部2と、外径側リム部3と、中間板部4と、複数のポケット5、5とを備える。このうちの内径側リム部2は、上記保持器1の内周縁部に存在するもので、全周に亙って連続する円環状である。又、上記外径側リム部3は、上記保持器1の外周縁部に存在するもので、上記内径側リム部2と同心で全周に亙って連続する円環状である。又、上記中間板部4は、この内径側リム部2と上記外径側リム部3との間に存在するもので、断面形状が径方向に関して屈曲している。更に、上記各ポケット5、5は、上記中間板部4に円周方向に関して間欠的に、放射方向に形成されたもので、それぞれの内側にころ6、6を、転動自在に保持する。上記中間板部4のうちで、円周方向に隣り合うポケット5、5同士の間部分は、柱部7、7となっている。
又、上記中間板部4は、中央平板部8と、外径側平板部9と、内径側平板部10と、内径側連続部11と、外径側連続部12とから成る。このうちの中央平板部8は、径方向(図10〜11の左右方向)中間部で軸方向一端(図11〜12の上端)寄り部分に形成されている。又、上記外径側平板部9は、上記外径側リム部3の径方向内側(図10〜11の右側)に隣接する、軸方向他端(図11〜12の下端)寄り部分に形成されている。又、上記内径側平板部10は、上記内径側リム部2の径方向外側(図10〜11の左側)に隣接する、軸方向他端寄り部分に形成されている。又、上記内径側連続部11は、上記内径側平板部10の外周縁と、上記中央平板部8の内周縁とを連続させ、上記外径側連続部12は、この中央平板部8の外周縁と上記外径側平板部9の内周縁とを連続させる。これら内径側、外径側両連続部11、12同士の間隔は、上記中央平板部8から離れる程大きくなる。
上述の様に構成する保持器1は、上記各ポケット5、5内に各ころ6、6を転動自在に保持した状態で、軸方向に対向する1対の平面同士の間に挟持する。上記中間板部4を構成する、上記中央、外径側、内径側各平板部8〜10のうち、上記各柱部7、7の円周方向両側縁部分は、上記内径側、外径側両連続部11、12の両側縁部分に比べて、上記各ポケット5、5内に向け少し突出する係合突部13a、13b、13cとなっている。上記各ポケット5、5内に上記各ころ6を保持する際には、上記各柱部7、7を円周方向に弾性変形させる。これら各ポケット5、5内に上記各ころ6を保持した状態では、上記各係合突部13a、13b、13cがこれら各ころ6の転動面と係合して、これら各ころ6に対する、上記保持器1の軸方向の変位を抑える。即ち、この保持器1の軸方向に関する位置決めを、所謂ころ案内により図る。
上述の様な保持器1を造る製造方法として特許文献2には、図13の(A)〜(F)に示す様な製造方法が記載されている。この特許文献2に記載された製造方法の場合、金属板を打ち抜いて成る、図13の(A)に示した円輪状の素材14に塑性加工を施す事により、それぞれが同図の(B)〜(F)に示す様な断面形状を有する第一〜第五中間素材15〜19に順次加工する。そして、(F)に示した、特許請求の範囲に記載した中間素材に対応する第五中間素材19に打ち抜き加工を施して、複数のポケット5、5(図10〜12参照)を形成する事により、上記保持器1として完成する。これら各ポケット5、5を打ち抜く作業は、一挙に(総てのポケット5、5の打ち抜き加工を同時に)行なうか、或いは、上記第五中間素材19を所定角度ずつ回転させつつ(割り出しを行ないつつ)、1乃至複数のポケットを順番に打ち抜き加工する。何れの場合でも、各ポケット5、5は、これら各ポケット5、5の形状に見合う(これら各ポケット5、5と相似形で僅かに大きな)断面形状を有する受孔を設けた受型と、同じく(これら各ポケット5、5と同一形状、若しくは、相似形で僅かに小さな)先端面形状を有するパンチとの間で上記第五中間素材19の一部を強く挟持する(受孔内にパンチを挿入する)事により行なう。
ところが、この様にして上記各ポケット5、5の打ち抜き加工を行なうと、製造コストを抑えつつスラストころ軸受の耐久性向上を図る事が難しい。この理由に就いて、図14〜16を参照しつつ説明する。上記各ポケット5、5の打ち抜き加工は、プレス加工の技術分野で広く知られている如く、図14に示す様に、上記各ポケット5、5に見合う形状及び大きさの端面形状を有するパンチ20により、上記第五中間素材19を構成する金属板21の一部を、受型22に設けた受孔23内に押し込む事により行なう。この様な打ち抜き加工に伴って、上記金属板21の一部で上記パンチ20の外周縁と上記受孔23の内周縁とに挟まれる部分に剪断力が加わり、このパンチ20の先端面が突き当てられた部分が打ち抜かれてポケット5となる。
この様な打ち抜き加工の初期段階では、上記金属板21の一部で上記各ポケット5の内周縁に対応する部分に剪断面24が生じ、上記パンチ20が或る程度進行すると、このパンチ20の先端面外周縁に対応する部分が一気に破断する。この状態で、上記各ポケット5の内周縁に対応する部分に破断面25が生じる。尚、上記打ち抜き加工の極く初期段階では、上記金属板21の一部にダレ26が生じる。従って、打ち抜き加工後に於ける上記各ポケット5の内周縁には、図15に示す様に、上記パンチ20の入口側から順番に、ダレ26と、剪断面24と、破断面25とが生じる。何れにしても、上記保持器1の製造コストを抑える為には、この様に加工された上記各ポケット5の内周縁に、表面粗さを向上させる(平滑にする)為の、研削等の仕上加工を施す事は好ましくない。
一方、上記剪断面24の表面粗さの値と上記破断面25の表面粗さの値とを比較した場合、剪断面24の表面粗さの値の方が小さい(平滑面に近く、擦れ合い面として良好である)。又、上記ダレ26に就いても、表面粗さに関して、上記剪断面24と同等以上の、良好な面である。従って、上記各ポケット5の内周縁のうちの円周方向両側縁で、これら各ポケット5内に最も突出した、前記各係合突部13a、13b、13cの先端縁のうち、これら各ポケット5内に保持された各ころ6の転動面と対向する部分は、上記剪断面24若しくは上記ダレ26である事が好ましい。言い換えれば、上記破断面25が上記各ころ6の転動面と対向する事は好ましくない。この理由は、表面粗さの値が大きい(粗い面である)上記破断面25と上記各ころ6の転動面とが擦れ合う事で、これら各ころ6の転動面に擦り傷が付いたり、この転動面が著しく摩耗する事を防止する為である。
ところが、従来の製造方法により保持器1を造ると、この保持器1の軸方向に関する、上記剪断面24と上記破断面25との位置関係が、上記各係合突部13a、13b、13cの先端縁同士の間で、図16に示す様に、互いに同じとなる。この図16の場合、パンチ20(図14参照)を同図の上から下に突き通す事により、上記各ポケット5を形成した場合に就いて示している。この場合には、上記各係合突部13a、13b、13cの先端縁のうちで、図16の上寄り部分にダレ26及び剪断面24が存在し、下寄り部分には破断面25が存在する状態となる。この様な場合には、例えば中央平板部8の円周方向両端縁に存在する係合突部13b、13bに関しては、上記各ポケット5内に保持された各ころ6の転動面と上記破断面25とが対向乃至は摺接する。これに対して、外径側、内径側両平板部9、10の円周方向両端縁に存在する係合突部13a、13cに関しては、上記各ポケット5内に保持された各ころ6の転動面と上記ダレ26又は剪断面24とが対向乃至は摺接する。上記パンチ20を突き通す方向を逆にした場合には逆になり、何れにしても、何れかの係合突部の先端縁で、上記各ころ6の転動面の一部が上記破断面25と対向乃至は摺接する。
この様に、従来の製造方法により造られた保持器1の場合、上記各ころ6の転動面の一部が上記破断面25と対向乃至は摺接する事が避けられず、これら各ころ6の転動面に擦り傷が付いたり、この転動面が著しく摩耗する可能性がある。この結果、上記保持器1を組み込んだスラストころ軸受の耐久性を確保する為の設計が難しくなる。勿論、研削等の仕上加工により上記破断面25を平滑にすれば、耐久性確保の面から問題はなくなるが、前述した様に、製造コストを抑える面からは不利になる。
特開平6−94038号公報 特開2000−213546号公報 特開2002−206525号公報 特開平11−351245号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、コスト上昇の原因となる、研削等の仕上加工を要する事なく、ポケットの内周縁のうちで、各ころの転動面と擦れ合う部分の表面粗さを良好にして、これら各ころの転動面の損傷を防止し、スラストころ軸受の耐久性向上を図れる構造とその製造方法とを実現すべく発明したものである。
本発明のスラストころ軸受用保持器とその製造方法の対象となるスラストころ軸受用保持器は、前述した従来から知られているスラストころ軸受用保持器と同様に、素材となる金属板に塑性加工及び打ち抜き加工を施す事により造られる。そして、内周縁部分に全周に亙って設けられた円環状の内径側リム部と、外周縁部分に全周に亙って設けられた円環状の外径側リム部と、これら内径側リム部と外径側リム部との間に存在する中間板部とを備える。
この中間板部は、中央平板部と、外径側平板部と、内径側平板部と、内径側連続部と、外径側連続部とから成るもので、断面形状を波形(略M字形)としている。
又、このうちの中央平板部は、径方向中間部で軸方向一端寄り部分に形成されており、上記外径側平板部は、上記外径側リム部の径方向内側に隣接する、軸方向他端寄り部分に形成されており、上記内径側平板部は、上記内径側リム部の径方向外側に隣接する、軸方向他端寄り部分に形成されている。
又、上記内径側連続部は、上記内径側平板部の外周縁と上記中央平板部の内周縁とを連続させており、上記外径側連続部は、この中央平板部の外周縁と上記外径側平板部の内周縁とを連続させている。
又、上記中間板部に、それぞれの内側にころを転動自在に保持する複数のポケットを、この中間板部に打ち抜き加工を施す事により、円周方向に関して間欠的に、放射方向に形成している。
更に、上記中間板部のうちで円周方向に隣り合うポケット同士の間部分を、それぞれの両端部を上記外径側、内径側両リム部の軸方向他端縁に連続させた状態で、円周方向に関して間欠的に、放射方向に配置された、複数本の柱部としている。
特に、請求項1に記載したスラストころ軸受用保持器に於いては、上記各ポケットの内周縁の一部を構成する、上記中央、外径側、内径側各平板部の円周方向両側縁に、上記各ポケットの打ち抜き加工に伴って形成された、剪断面と破断面とのうちの剪断面を、何れの平板部に関しても、上記内径側、外径側両リム部の軸方向に関して中央側に存在させている。
又、請求項2、3に記載したスラストころ軸受用保持器の製造方法は、上述の様なスラストころ軸受用保持器を造る為に、素材となる金属板に塑性加工を施す事により中間素材を造った後、この中間素材に打ち抜き加工を施す事により、それぞれの内側にころを転動自在に保持する為のポケットを形成する。
上記塑性加工により造られる中間素材は、内周縁部分に全周に亙って設けられた円環状の内径側リム部と、外周縁部分に全周に亙って設けられた円環状の外径側リム部と、これら内径側リム部と外径側リム部との間に存在する中間板部とを備える。又、この中間板部は、前述した様に、中央平板部と、外径側平板部と、内径側平板部と、内径側連続部と、外径側連続部とから成る。
そして、請求項2に記載したスラストころ軸受用保持器の製造方法の場合には、上記中間板部に上記各ポケットを形成する打ち抜き加工を、上記中央平板部に対応する部分と上記外径側、内径側両平板部に対応する部分とで別個に行なう。そして、このうちの中央平板部に対応する部分では、打ち抜き用のパンチを軸方向他端側から一端側に貫通させる。これに対して、上記外径側、内径側両平板部に対応する部分では、打ち抜き用のパンチを軸方向一端側から他端側に貫通させる。
そして、上記打ち抜き用のパンチによる上記各ポケットの打ち抜き加工に伴ってこれら各ポケットの内周縁の一部を構成する、上記中央、外径側、内径側各平板部の円周方向両側縁に形成される、剪断面と破断面とのうちの剪断面を、何れの平板部に関しても、上記内径側、外径側両リム部の軸方向に関して中央側に存在させる。
又、請求項3に記載したスラストころ軸受用保持器の製造方法の場合には、上記中間板部に上記各ポケットを形成する打ち抜き加工を、上記中央平板部に対応する第一の部分と、上記外径側、内径側両平板部に対応する第二の部分とのうち、一方の部分を完成後の大きさに迄、他方の部分を完成後の大きさよりも小さい大きさに、この一方の部分に関してパンチの移動方向が、上記内径側、外径側両リム部の軸方向に関して中央側から軸方向端部に向かう方向として行なう。その後、上記他方の部分の内側縁を、上記パンチと反対方向に移動する第二のパンチによりそぎ落として、この他方の部分を完成後の大きさにする。
そして、上記打ち抜き用のパンチ及びそぎ落とし用の第二のパンチによる上記各ポケットの打ち抜き加工に伴ってこれら各ポケットの内周縁の一部を構成する、上記中央、外径側、内径側各平板部の円周方向両側縁に形成される、剪断面と破断面とのうちの剪断面を、何れの平板部に関しても、上記内径側、外径側両リム部の軸方向に関して中央側に存在させる。
上述の様な本発明のスラストころ軸受用保持器とその製造方法によれば、コスト上昇の原因となる、研削等の仕上加工を要する事なく、各ポケットの内周縁のうちで、各ころの転動面と擦れ合う部分の表面粗さを良好にして、これら各ころの転動面の損傷を防止し、スラストころ軸受の耐久性向上を図れる。
即ち、各ポケットの内周縁のうちの円周方向両内側縁を構成する、中央、外径側、内径側各平板部の円周方向両側縁のうち、上記各ころの転動面と対向乃至は摺接する部分は、何れの平板部に関しても、剪断面乃至はダレになる。破断面がこれら各ころの転動面と対向乃至は摺接する事はない。
この為、上記中央、外径側、内径側各平板部の円周方向両側縁に、研削等の仕上加工を施さなくても、上記各ころの転動面に、擦り傷が形成されたり、著しい摩耗が生じる事がなく、保持器を組み込んだスラストころ軸受の耐久性を確保できる。
[実施の形態の第1例]
図1〜4は、請求項1、2に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。先ず、完成後の保持器1aの構造に就いて、図1〜3により説明する。この保持器1aは、前述の図10〜12に示した従来構造と同様、鋼板、ステンレス鋼板等の金属板を曲げ形成する事により一体に造られたもので、内径側リム部2aと、外径側リム部3aと、中間板部4と、複数のポケット5、5とを備える。
このうちの内径側リム部2aは、上記保持器1aの内周縁部に存在するもので、全周に亙って連続する円環状である。本例の場合に上記内径側リム部2aは、上記従来構造とは異なり、上記金属板1枚分のみの厚さを有する。又、上記外径側リム部3aは、上記保持器1aの外周縁部に存在するもので、上記内径側リム部2aと同心で全周に亙って連続する円環状である。本例の場合に上記外径側リム部3aは、軸方向他端側が開口した、断面コ字形としている。又、上記中間板部4は、この上記外径側リム部3aと内径側リム部2aとの間に存在するもので、断面形状が径方向に関して屈曲している。更に、上記各ポケット5、5は、上記中間板部4に円周方向に関して間欠的に、放射方向に形成されたもので、それぞれの内側にころ6(図3参照)を、転動自在に保持する。上記中間板部4のうちで、円周方向に隣り合うポケット5、5同士の間部分は、柱部7、7となっている。又、上記中間板部4は、上記従来構造の場合と同様に、中央平板部8と、外径側平板部9と、内径側平板部10と、内径側連続部11と、外径側連続部12とから成る。この様な中間板部4の構造に就いては、上記従来構造と同じである。
特に、本例の保持器1aの場合には、図3に示す様に、上記各ポケット5、5の内周縁の一部を構成する、上記中央、外径側、内径側各平板部8、9、10の円周方向両側縁に、上記各ポケット5、5の打ち抜き加工に伴って形成された剪断面24と破断面25とダレ26とのうちの剪断面24及びダレ26を、何れの平板部8、9、10に関しても、上記内径側、外径側両リム部2a、3a(保持器1a)の軸方向に関して中央側(図3の上下方向中央側)に存在させている。即ち、上記各平板部8、9、10のうち、上記保持器1aの軸方向一端側(図1〜2の手前側、図3の上側)に存在する中央平板部8の円周方向両端縁から円周方向に突出した係合突部13bの先端縁に関しては、図3に示す様に、一端縁側から順番に、破断面25と剪断面24とダレ26とを配置している。これに対して、上記保持器1aの軸方向他端側(図1〜2の奥側、図3の下側)に存在する外径側、内径側両平板部9、10の円周方向両端縁から円周方向に突出した係合突部13c、13aの先端縁に関しては、図3に示す様に、他端縁側から順番に、破断面25と剪断面24とダレ26とを配置している。
上述の様に構成する保持器1aは、図3に示す様に、上記各ポケット5内に上記各ころ6を転動自在に保持する。これら各ポケット5内にこれら各ころ6を保持した状態では、前述した従来構造と同様に、上記各係合突部13a、13b、13cが上記各ころ6の転動面と係合して、これら各ころ6に対する、上記保持器1aの軸方向の変位を抑える。即ち、この保持器1aの軸方向に関する位置決めを、所謂ころ案内により図る。特に、本例の場合には、上記各ポケット5内に上記各ころ6を転動自在に保持した状態で、これら各ころ6の転動面と、上記各係合突部13a、13b、13cの先端縁に存在する、上記剪断面24又は上記ダレ26とが、対向乃至摺接する。これら各係合突部13a、13b、13cの先端縁に存在する上記破断面25が、上記各ころ6の転動面と対向乃至摺接する事はない。この為、上記中央、外径側、内径側各平板部8、9、10の円周方向両側縁である、上記各係合突部13a、13b、13cの先端縁に、研削等の仕上加工を施さなくても、上記各ころ6の転動面に、擦り傷が形成されたり、著しい摩耗が生じる事がなくなる。この結果、上記保持器1aを組み込んだスラストころ軸受の耐久性を確保できる。
次に、この様な保持器1aの製造方法に就いて、図4を参照しつつ説明する。先ず、金属板にプレスによる曲げ加工を施す事により、図4の(A)に示す様な中間素材27を造る。この中間素材27の加工方法は、前述の図13に示した通りであり、この中間素材27は、多少の形状の相違はあるにしても、この図13に示した第五中間素材19に対応する。即ち、上記中間素材27の加工方法に就いては、前述の特許文献2に記載される等により従来から広く知られた方法であるから、詳しい説明は省略する。本例の製造方法の特徴は、上記各係合突部13a、13b、13cの先端縁に存在する上記破断面25が、上記各ころ6の転動面と対向乃至摺接する事がない様に、上記中間素材27に上記各ポケット5を形成する工程を工夫した点にある。言い換えれば、本例の製造方法の特徴は、上記各係合突部13a、13b、13cの先端縁のうちで上記保持器1aの軸方向に関して中央寄り部分に、上記ダレ26及び剪断面24を配置する為の打ち抜き方法にある。そこで、以下、この打ち抜き方法に就いて説明する。
上記各ポケット5を打ち抜き加工する場合に本例の場合も、前述の図14に示す様に、パンチ20により上記中間素材27を構成する金属板のうちで前記中間板部4に対応する部分の一部を、受型22の受孔23内に押し込む。特に本例の場合には、この中間板部4に上記各ポケット5を形成する打ち抜き加工を、複数段階(本例の場合には2段階)に分けて行なう。即ち、本例の場合には、先ず、図4の(B)に示す様に、上記中間板部4の径方向中間部で上記中央平板部8に対応する部分を、円周方向複数個所部分(各ポケット5、5に整合する部分)で、軸方向他端側から一端側に打ち抜く。この結果、前記各柱部7のうち、上記中央平板部8に対応する部分の円周方向両側縁に存在する上記各係合突部13b、13bの先端縁には、上記保持器1aの軸方向一端側から順番に、破断面25と剪断面24とダレ26とが存在する状態となる。従って、上記各係合突部13b、13bの先端縁に存在する破断面25が、上記各ポケット5内に保持されたころ6の転動面に、対向乃至摺接する事はなくなる。
本例の場合には、上記中間板部4の径方向中間部で上記中央平板部8に対応する部分を打ち抜いた後、図4の(C)に示す様に、上記中間板部4の外径寄り部分で前記外径側平板部9に対応する部分、及び、この中間板部4の内径寄り部分で前記内径側平板部10に対応する部分を、軸方向一端側から他端側に打ち抜く。円周方向に関する打ち抜き位置は、上記中央平板部8に関する打ち抜き位置と一致させる。そして、これら各平板部8、9、10の打ち抜き孔を連続させて、上記各ポケット5とする。このうちの外径側、内径側両平板部9、10に対応する部分を、軸方向一端側から他端側に打ち抜く結果、上記各柱部7のうち、これら外径側、内径側両平板部9、10に対応する部分の円周方向両側縁に存在する前記各係合突部13c、13aの先端縁には、上記保持器1aの軸方向他端側から順番に、破断面25と剪断面24とダレ26とが存在する状態となる。従って、上記各係合突部13a、13cの先端縁に存在する破断面25も、上記各ポケット5内に保持された各ころ6の転動面に、対向乃至摺接する事はなくなる。尚、上記各平板部8、9、10同士の間に存在する、内径側、外径側両連続部11、12の円周方向両側縁は、上記各ころ6、6の転動面と擦れ合う事はない。従って、これら内径側、外径側両連続部11、12の円周方向両側縁に関しては、破断面25が何れの部分に存在しても差し支えない。
[実施の形態の第2例]
図5は、請求項1、2に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合、各ポケット5を打ち抜き形成する順番を、上述した第1例の場合とは逆にしている。即ち、本例の場合には、図5の(A)→(B)に示す様に、中間板部4の外径寄り部分で外径側平板部9に対応する部分、及び、この中間板部4の内径寄り部分で内径側平板部10に対応する部分を、一端側から他端側に打ち抜いた後、図5の(B)→(C)に示す様に、上記中間板部4の径方向中間部で中央平板部8に対応する部分を、軸方向他端側から一端側に打ち抜く様にしている。その他の部分の構成及び作用は、上述した第1例の場合と同様であるから、重複する説明は省略する。
[実施の形態の第3例]
図6は、請求項1、2に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、図6の(A)→(B)に示す様に、中間板部4の径方向中間部で中央平板部8に対応する部分を、軸方向他端側から一端側に打ち抜くと同時に、上記中間板部4の外径寄り部分で外径側平板部9に対応する部分、及び、この中間板部4の内径寄り部分で内径側平板部10に対応する部分を、一端側から他端側に打ち抜く様にしている。この様に、各部の打ち抜きを同時に行なう為、各ポケット5を打ち抜き加工する為に要する時間の短縮化により、保持器1aの加工作業の能率を向上させられる。その他の部分の構成及び作用は、前述した第1例の場合と同様であるから、重複する説明は省略する。
[実施の形態の第4例]
図7は、請求項1、2に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例の場合には、先ず、図7の(A)→(B)に示す様に、中間素材27を反転させた後、中間板部4の径方向中間部で中央平板部8に対応する部分を、軸方向他端側から一端側に打ち抜いて、第二中間素材28とする。その後、図7の(B)→(C)に示す様に、この第二中間素材28を再び反転させてから、上記中間板部4の外径寄り部分で外径側平板部9に対応する部分、及び、この中間板部4の内径寄り部分で内径側平板部10に対応する部分を、一端側から他端側に打ち抜く様にしている。この為、各工程でのパンチの移動方向を一致させて、打ち抜き加工装置の構造の簡略化を図れる。その他の部分の構成及び作用は、前述した第1例の場合と同様であるから、重複する説明は省略する。
[実施の形態の第5例]
図8は、請求項1、3に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合には、先ず、図8の(A)→(B)に示す様に、中間板部4に、形成すべき各ポケット5と同じ数だけの素孔29を、これら各ポケット5と同じ位相で打ち抜き加工により形成して、中間素材27を第二中間素材28aとする。この打ち抜き加工の際、パンチは、この中間素材27の一端側から他端側に突き通す。上記各素孔29の円周方向に関する幅寸法は、外径側、内径側両平板部9、10に対応する第二の部分で、完成後の各ポケット5の幅寸法に一致しており、中央平板部8に対応する第一の部分で、完成後の各ポケット5の幅寸法よりも少し小さい。即ち、上記第二の部分の円周方向両端縁部には、完成後の状態と同じ係合突部13a、13cを形成する。これに対して、上記第一の部分の円周方向両端縁部は、完成状態で得られる係合突部13b、13bよりも、上記各ポケット5の内側に突出している。
本例の場合には、上記各素孔29を有する上記第二中間素材28aを加工した後、図8の(B)→(C)に示す様に、これら各素孔29のうちで、上記中央平板部8に対応する第一の部分に、完成後のポケット5の幅寸法に見合う第二のパンチを、上記第二中間素材28aの他端側から一端側に突き通す。そして、上記第一の部分の先端部分を上記第二のパンチによりそぎ落として、この第一の部分に存在する、上記各係合突部13b、13bを、完成後の大きさにする。又、この完成後の状態で、これら各係合突部13a、13b、13cの先端縁に存在する破断面25が、保持器1aの軸方向両端側に位置する。この結果、この破断面25が、上記各ころ6の転動面と対向乃至摺接する事がない。その他の部分の構成及び作用は、前述した第1例の場合と同様であるから、重複する説明は省略する。
[実施の形態の第6例]
図9は、請求項1、3に対応する、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例の場合、各ポケット5を加工すべく、各素孔29aを打ち抜き形成する方向と、これら各素孔29aの一部を第二のパンチによりそぎ落とす方向とを、上述した第5例の場合とは逆にしている。即ち、本例の場合には、図9の(A)→(B)に示す様に、上記各素孔29aを打ち抜き加工の際にパンチを、中間素材27の他端側から一端側に突き通す。これら各素孔29aの円周方向に関する幅寸法は、中央平板部8に対応する第一の部分で、完成後の各ポケット5の幅寸法に一致させ、外径側、内径側両平板部9、10に対応する第二の部分で、完成後の各ポケット5の幅寸法よりも少し小さくする。即ち、上記第一の部分の円周方向両端縁部に、完成後の状態と同じ係合突部13b、13bを形成する。これに対して、上記第二の部分の円周方向両端縁部は、完成状態で得られる係合突部13a、13cよりも、上記各ポケット5の内側に突出している。
本例の場合には、上記各素孔29aを有する第二中間素材28bを加工した後、図9の(B)→(C)に示す様に、これら各素孔29aのうちで、上記外径側、内径側両平板部9、10に対応する第二の部分に、完成後のポケット5の幅寸法に見合う第二のパンチを、上記第二中間素材28bの一端側から他端側に突き通す。そして、上記第二の部分の先端部分を上記第二のパンチによりそぎ落として、この第二の部分に存在する、上記各係合突部13a、13cを、完成後の大きさにする。その他の部分の構成及び作用は、上述した第5例の場合と同様であるから、重複する説明は省略する。
本発明の技術思想は、スラスト円筒ころ軸受用保持器に限らず、スラスト円すいころ軸受、ラジアル円筒ころ軸受、球面ころ軸受(自動調心ころ軸受)等、他の構造のころ軸受用保持器にも適用できる。但し、ポケットの円周方向両側の内側縁が各ころの転動面に、これら各ころのピッチ円の内径側と外径側との両側で対向する事が、本発明を適用する為の条件である。言い換えれば、ポケットの円周方向両側の内側縁が、ころのピッチ円の内径側と外径側とのうちの何れか一方の側のみで対向する構造であれば、本発明を適用する必要はない。従って、ラジアル円筒ころ軸受や球面ころ軸受の如く、ポケットの円周方向両側の内側縁を各ころの転動面に、ころのピッチ円の内径側と外径側との両側で対向させなくても、保持器の径方向に関する位置決めをころ案内により図れる構造の場合には、本発明の技術思想を適用する必要性は薄い。但し、ラジアル円筒ころ軸受や球面ころ軸受で、ポケットの円周方向両側の内側縁を各ころの転動面に、ころのピッチ円の内径側と外径側との両側で対向させる構造を実施する場合に、本発明の技術思想を利用する事は自由である。この場合には、断面波形(略M字形)で全体を円筒状に形成した中間素材にポケットを打ち抜き加工する為に、この中間素材にパンチを突き通す作業を、内径側と外径側とから行なう。これに対して、上記スラスト円すいころ軸受に関して本発明を実施する場合には、そのまま適用できる(本発明の技術的範囲である)。
本発明の実施の形態の第1例を示す、保持器の全体構成を示す斜視図。 図1のイ部拡大図。 ポケットにころを組み込んだ状態で、このころの転動面と、このポケットの内周縁に存在する剪断面及び破断面との関係を、図2のロ−ロ断面とハ−ハ断面とを合成した状態で示す模式図。 中間素材にポケットを打ち抜く工程を順番に示す、部分斜視図及び部分断面図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図4と同様の図。 同第3例を示す、図4と同様の図。 同第4例を示す、図4と同様の図。 同第5例を示す、図4と同様の図。 同第6例を示す、図4と同様の図。 従来から知られているスラスト円筒ころ軸受用保持器の部分平面図。 同じく半部断面図。 図10の拡大ニ−ニ断面図。 従来の製造方法を工程順に示す断面図。 ポケットを打ち抜き加工する状態を示す部分断面図。 打ち抜き加工に伴ってポケットの内周縁に形成される面を説明する為の図で、(A)は図14の拡大ホ矢視図、(B)は(A)のヘ−ヘ断面図。 ポケットにころを組み込んだ状態で、このころの転動面と、このポケットの内周縁に存在する剪断面及び破断面との関係を示す、図3と同様の図。
符号の説明
1、1a 保持器
2、2a 内径側リム部
3、3a 外径側リム部
4 中間板部
5 ポケット
6 ころ
7 柱部
8 中央平板部
9 外径側平板部
10 内径側平板部
11 内径側連続部
12 外径側連続部
13a、13b、13c 係合突部
14 素材
15 第一中間素材
16 第二中間素材
17 第三中間素材
18 第四中間素材
19 第五中間素材
20 パンチ
21 金属板
22 受型
23 受孔
24 剪断面
25 破断面
26 ダレ
27 中間素材
28、28a、28b 第二中間素材
29、29a 素孔

Claims (3)

  1. 素材となる金属板に塑性加工及び打ち抜き加工を施す事により造られて、内周縁部分に全周に亙って設けられた円環状の内径側リム部と、外周縁部分に全周に亙って設けられた円環状の外径側リム部と、これら内径側リム部と外径側リム部との間に存在する中間板部とを備え、
    この中間板部は、中央平板部と、外径側平板部と、内径側平板部と、内径側連続部と、外径側連続部とから成り、
    このうちの中央平板部は、径方向中間部で軸方向一端寄り部分に形成されたものであり、
    上記外径側平板部は、上記外径側リム部の径方向内側に隣接する、軸方向他端寄り部分に形成されたものであり、
    上記内径側平板部は、上記内径側リム部の径方向外側に隣接する、軸方向他端寄り部分に形成されたものであり、
    上記内径側連続部は、上記内径側平板部の外周縁と上記中央平板部の内周縁とを連続させたものであり、
    上記外径側連続部は、この中央平板部の外周縁と上記外径側平板部の内周縁とを連続させたものであり、
    上記中間板部に、それぞれの内側にころを転動自在に保持する複数のポケットが、この中間板部に打ち抜き加工を施す事により、円周方向に関して間欠的に、放射方向に形成されており、
    上記中間板部のうちで円周方向に隣り合うポケット同士の間部分が、それぞれの両端部を上記外径側、内径側両リム部の軸方向他端縁に連続させた状態で、円周方向に関して間欠的に、放射方向に配置された複数本の柱部となっているスラストころ軸受用保持器に於いて、
    上記各ポケットの内周縁の一部を構成する、上記中央、外径側、内径側各平板部の円周方向両側縁に、上記各ポケットの打ち抜き加工に伴って形成された、剪断面と破断面とのうちの剪断面が、何れの平板部に関しても、上記内径側、外径側両リム部の軸方向に関して中央側に存在する事を特徴とするスラストころ軸受用保持器。
  2. 素材となる金属板に塑性加工を施す事により中間素材を造った後、この中間素材に打ち抜き加工を施す事により、それぞれの内側にころを転動自在に保持する為のポケットを形成するスラストころ軸受用保持器の製造方法であって、
    上記塑性加工により造られる中間素材は、内周縁部分に全周に亙って設けられた円環状の内径側リム部と、外周縁部分に全周に亙って設けられた円環状の外径側リム部と、これら内径側リム部と外径側リム部との間に存在する中間板部とを備え、
    この中間板部は、中央平板部と、外径側平板部と、内径側平板部と、内径側連続部と、外径側連続部とから成り、
    このうちの中央平板部は、径方向中間部で軸方向一端寄り部分に形成されたものであり、
    上記外径側平板部は、上記外径側リム部の径方向内側に隣接する、軸方向他端寄り部分に形成されたものであり、
    上記内径側平板部は、上記内径側リム部の径方向外側に隣接する、軸方向他端寄り部分に形成されたものであり、
    上記内径側連続部は、上記内径側平板部の外周縁と上記中央平板部の内周縁とを連続させたものであり、
    上記外径側連続部は、この中央平板部の外周縁と上記外径側平板部の内周縁とを連続させたものであり、
    上記中間板部に上記各ポケットを形成する打ち抜き加工を、上記中央平板部に対応する部分と上記外径側、内径側両平板部に対応する部分とで別個に行ない、このうちの中央平板部に対応する部分では、打ち抜き用のパンチを軸方向他端側から一端側に貫通させ、上記外径側、内径側両平板部に対応する部分では、打ち抜き用のパンチを軸方向一端側から他端側に貫通させる事により、
    上記打ち抜き用のパンチによる上記各ポケットの打ち抜き加工に伴ってこれら各ポケットの内周縁の一部を構成する、上記中央、外径側、内径側各平板部の円周方向両側縁に形成される、剪断面と破断面とのうちの剪断面を、何れの平板部に関しても、上記内径側、外径側両リム部の軸方向に関して中央側に存在させる事を特徴とするスラストころ軸受用保持器の製造方法。
  3. 素材となる金属板に塑性加工を施す事により中間素材を造った後、この中間素材に打ち抜き加工を施す事により、それぞれの内側にころを転動自在に保持する為のポケットを形成するスラストころ軸受用保持器の製造方法であって、
    上記塑性加工により造られる中間素材は、内周縁部分に全周に亙って設けられた円環状の内径側リム部と、外周縁部分に全周に亙って設けられた円環状の外径側リム部と、これら内径側リム部と外径側リム部との間に存在する中間板部とを備え、
    この中間板部は、中央平板部と、外径側平板部と、内径側平板部と、内径側連続部と、外径側連続部とから成り、
    このうちの中央平板部は、径方向中間部で軸方向一端寄り部分に形成されたものであり、
    上記外径側平板部は、上記外径側リム部の径方向内側に隣接する、軸方向他端寄り部分に形成されたものであり、
    上記内径側平板部は、上記内径側リム部の径方向外側に隣接する、軸方向他端寄り部分に形成されたものであり、
    上記内径側連続部は、上記内径側平板部の外周縁と上記中央平板部の内周縁とを連続させたものであり、
    上記外径側連続部は、この中央平板部の外周縁と上記外径側平板部の内周縁とを連続させたものであり、
    上記中間板部に上記各ポケットを形成する打ち抜き加工を、上記中央平板部に対応する第一の部分と、上記外径側、内径側両平板部に対応する第二の部分とのうち、一方の部分を完成後の大きさに迄、他方の部分を完成後の大きさよりも小さい大きさに、この一方の部分に関してパンチの移動方向が、上記内径側、外径側両リム部の軸方向に関して中央側から軸方向端部に向かう方向として行なった後、上記他方の部分の内側縁を、上記パンチと反対方向に移動する第二のパンチによりそぎ落として、この他方の部分を完成後の大きさにする事により、
    上記打ち抜き用のパンチ及びそぎ落とし用の第二のパンチによる上記各ポケットの打ち抜き加工に伴ってこれら各ポケットの内周縁の一部を構成する、上記中央、外径側、内径側各平板部の円周方向両側縁に形成される、剪断面と破断面とのうちの剪断面を、何れの平板部に関しても、上記内径側、外径側両リム部の軸方向に関して中央側に存在させる事を特徴とするスラストころ軸受用保持器の製造方法。
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