JP2007278371A - 高温腐食環境用転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】コストアップを招くことなく締結ナットの緩みを防止することのできる高温腐食環境用転がり軸受を提供する。
【解決手段】高温腐食環境下で使用される転がり軸受の保持器14は、転動体13を収容する転動体ポケット18を形成する二つの保持リング15と、保持リング15内を軸方向に貫通する複数の締結ボルト16と、締結ボルト16を介して保持リング15を締結する複数の締結ナット17とを有している。さらに、保持器14は締結ナット17の緩みを防止する複数の緩み防止用ナット19を有し、緩み防止用ナット19が締結ナット17から突出する締結ボルト16の先端部に設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、高温腐食環境下で使用される転がり軸受に関する。
高温腐食環境下で使用される従来の転がり軸受の一例を図3に示す。同図に示される転がり軸受は内輪11及び外輪12を備えており、内輪11と外輪12との間には、複数の転動体13が組み込まれているとともに、転動体13を保持する保持器14が設けられている。
保持器14は二つの保持リング15と、これらの保持リング15内を軸方向に貫通する複数の締結ボルト16と、これらの締結ボルト16を介して保持リング15を締結する複数の締結ナット17とからなり、内輪11と外輪12との間には、転動体13を収容する複数の転動体ポケット18が保持器14の保持リング15によって形成されている。
このような転がり軸受の保持器は、従来、締結ボルト16が保持リング15よりも線膨張係数の大きい金属材料から形成されている。このため、図4に示すように、保持リング15と締結ボルト16の熱膨張量差によるギャップが保持リング15と締結ナット17との間に発生すると、締結ナット17の緩みが発生し、締結ナット17が締結ボルト16から脱落したりする虞がある。これを防止する方策としては、締結ボルト16を保持リング15と線膨張係数が同じ金属材料から形成することが考えられる。しかしながら、締結ボルト16を保持リング15と線膨張係数が同じ金属材料から形成すると、保持器のコストアップを招くという問題が発生する。
本発明は上述した問題点に着目してなされたものであり、その目的は、コストアップを招くことなく締結ナットの緩みを防止することのできる高温腐食環境用転がり軸受を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、高温腐食環境下で使用され、内輪と外輪との間に設けられた複数の転動体を保持する保持器が、前記転動体を収容する転動体ポケットを形成する二つの保持リングと、該保持リング内を軸方向に貫通する複数の締結ボルトと、該締結ボルトを介して前記保持リングを締結する複数の締結ナットとを備えてなる高温腐食環境用転がり軸受において、前記締結ナットの緩みを防止する緩み防止用ナットを前記締結ナットから突出する前記締結ボルトの先端部に設けたことを特徴とする。
請求項2の発明は、高温腐食環境下で使用され、内輪と外輪との間に設けられた複数の転動体を保持する保持器が、前記転動体を収容する転動体ポケットを形成する二つの保持リングと、該保持リング内を軸方向に貫通する複数の締結ボルトと、該締結ボルトを介して前記保持リングを締結する複数の締結ナットとを有してなる高温腐食環境用転がり軸受であって、前記締結ボルトが前記締結ナットの緩みを防止する緩み防止部を有し、該緩み防止部が前記締結ナットから突出する締結ボルトの先端部を加締めて形成されていることを特徴とする。
請求項3の発明は、高温腐食環境下で使用され、内輪と外輪との間に設けられた複数の転動体を保持する保持器が、前記転動体を収容する転動体ポケットを形成する二つの保持リングと、該保持リング内を軸方向に貫通する複数の締結ボルトと、該締結ボルトを介して前記保持リングを締結する複数の締結ナットとを有してなる高温腐食環境用転がり軸受であって、前記締結ボルトが前記締結ナットの緩みを防止する緩み防止部を有し、該緩み防止部が前記締結ナットから突出する締結ボルト先端部のねじ山部を加締めて形成されていることを特徴とする。
請求項1の発明に係る高温腐食環境用転がり軸受では、締結ナットの緩みが緩み防止用ナットによって抑制され、これにより、締結ナットの緩みを防ぐために締結ボルトを保持リングと線膨張係数が同じ金属材料から形成する必要がないので、コストアップを招くことなく締結ナットの緩みを防止することができる。
請求項2及び3の発明に係る高温腐食環境用転がり軸受では、締結ナットの緩みが締結ボルトの緩み防止部によって抑制され、これにより、締結ナットの緩みを防ぐために締結ボルトを保持リングと線膨張係数が同じ金属材料から形成する必要がないので、コストアップを招くことなく締結ナットの緩みを防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明の第1の実施形態に係る高温腐食環境用転がり軸受を図1に示す。同図に示される高温腐食環境用転がり軸受は内輪11及び外輪12を備えており、内輪11と外輪12との間には、球形状をなす複数の転動体13が組み込まれているとともに、転動体13を保持する保持器14が設けられている。
保持器14は二つの保持リング15と、これらの保持リング15内を軸方向に貫通する複数の締結ボルト16と、これらの締結ボルト16を介して保持リング15を締結する複数の締結ナット17とを有しており、内輪11と外輪12との間には、転動体13を収容する複数の転動体ポケット18が保持器14の保持リング15によって形成されている。
また、保持器14は締結ナット17の緩みを防止する複数の緩み防止用ナット19を有しており、これらの緩み防止用ナット19は締結ナット17から突出する締結ボルト16の先端部に螺嵌されている。
このように構成される転がり軸受を高温腐食環境下で使用すると、締結ボルト16は保持リング15よりも線膨張係数の大きい金属材料から形成されているため、保持リング15と締結ボルト16の熱膨張量差によるギャップが保持リング15と締結ナット17との間に発生するが、本実施形態では、締結ナット17から突出する締結ボルト16の先端部に緩み防止用ナット19が設けられているため、締結ナット17の緩みが緩み防止用ナット19によって抑制される。これにより、締結ナット17の緩みを防ぐために締結ボルト16を保持リング15と線膨張係数が同じ金属材料から形成する必要がないので、コストアップを招くことなく締結ナット17の緩みを防止することができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る高温腐食環境用転がり軸受を図2に示す。同図に示される高温腐食環境用転がり軸受は内輪11及び外輪12を備えており、内輪11と外輪12との間には、球形状をなす複数の転動体13が組み込まれているとともに、転動体13を保持する保持器14が設けられている。
保持器14は二つの保持リング15と、これらの保持リング15内を軸方向に貫通する複数の締結ボルト16と、これらの締結ボルト16を介して保持リング15を締結する複数の締結ナット17とを備えており、内輪11と外輪12との間には、転動体13を収容する複数の転動体ポケット18が保持器14の保持リング15によって形成されている。
締結ボルト16は緩み防止部20を有しており、この緩み防止部20は締結ナット17から突出する締結ボルト16の先端部を加締めて形成されている。
このように構成される転がり軸受を高温腐食環境下で使用すると、締結ボルト16が保持リング15より線膨張係数の大きい金属材料から形成されているため、保持リング15と締結ボルト16の熱膨張量差によるギャップが保持リング15と締結ナット17との間に発生するが、本実施形態では、締結ボルト16が緩み防止部20を締結ナット17から突出する先端部に有しているため、締結ナット17の緩みが緩み防止部20によって抑制される。これにより、締結ナット17の緩みを防ぐために締結ボルト16を保持リング15と線膨張係数が同じ金属材料から形成する必要がないので、コストアップを招くことなく締結ナット17の緩みを防止することができる。
なお、上述した第2の実施形態では締結ナット17から突出する締結ボルト16の先端部を加締めて緩み防止部20を形成したが、締結ナット17から突出する締結ボルト先端部のねじ山部を加締めて緩み防止部20を形成してもよい。
また、上述した第1及び第2の実施形態では、本発明を玉軸受に適用した場合を例示したが、本発明は玉軸受に限られるものではなく、例えばころ軸受についても本発明を適用できることは勿論である。
本発明の第1の実施形態に係る高温腐食環境用転がり軸受を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る高温腐食環境用転がり軸受を示す断面図である。 従来の高温腐食環境用転がり軸受の一例を示す断面図である。 保持器の保持リングと締結ナットとの間に発生するギャップを示す断面図である。
符号の説明
10 転がり軸受
11 内輪
12 外輪
13 転動体
14 保持器
15 保持リング
16 締結ボルト
17 締結ナット
18 転動体ポケット
19 緩み防止用ナット
20 緩み防止部

Claims (3)

  1. 高温腐食環境下で使用され、内輪と外輪との間に設けられた複数の転動体を保持する保持器が、前記転動体を収容する転動体ポケットを形成する二つの保持リングと、該保持リング内を軸方向に貫通する複数の締結ボルトと、該締結ボルトを介して前記保持リングを締結する複数の締結ナットとを備えてなる高温腐食環境用転がり軸受において、
    前記締結ナットの緩みを防止する緩み防止用ナットを前記締結ナットから突出する前記締結ボルトの先端部に設けたことを特徴とする高温腐食環境用転がり軸受。
  2. 高温腐食環境下で使用され、内輪と外輪との間に設けられた複数の転動体を保持する保持器が、前記転動体を収容する転動体ポケットを形成する二つの保持リングと、該保持リング内を軸方向に貫通する複数の締結ボルトと、該締結ボルトを介して前記保持リングを締結する複数の締結ナットとを有してなる高温腐食環境用転がり軸受であって、
    前記締結ボルトが前記締結ナットの緩みを防止する緩み防止部を有し、該緩み防止部が前記締結ナットから突出する締結ボルトの先端部を加締めて形成されていることを特徴とする高温腐食環境用転がり軸受。
  3. 高温腐食環境下で使用され、内輪と外輪との間に設けられた複数の転動体を保持する保持器が、前記転動体を収容する転動体ポケットを形成する二つの保持リングと、該保持リング内を軸方向に貫通する複数の締結ボルトと、該締結ボルトを介して前記保持リングを締結する複数の締結ナットとを有してなる高温腐食環境用転がり軸受であって、
    前記締結ボルトが前記締結ナットの緩みを防止する緩み防止部を有し、該緩み防止部が前記締結ナットから突出する締結ボルト先端部のねじ山部を加締めて形成されていることを特徴とする高温腐食環境用転がり軸受。
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