JP2007278202A - 斜板式液圧回転機 - Google Patents

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Yoshinori Takeuchi
祥典 竹内
Minoru Hayakawa
稔 早川
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陽一 飯塚
Yutaka Okazaki
豊 岡崎
Kazuro Yokoyama
和朗 横山
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Abstract

【課題】 複数のシューをリテーナの挿通穴内に円滑に組付けることができ、シューがリテーナの挿通穴に干渉、衝突するのを防止できるようにする。
【解決手段】 斜板11の表面に各シュー9を押付けた状態に保持するためリテーナ12には、シュー9が挿通される複数の挿通穴18を形成する。そして、複数の挿通穴18のうち一の挿通穴18Aは、シュー9の段部9Bに対応する切欠き幅をもってリテーナ12の径方向に延び、リテーナ12の外周に開口するU字状の切欠き穴として形成する。また、他の挿通穴18B,18B,…は、シュー9の円板部9Aよりも小径で、ピストン8の外径よりも大径に形成され、シュー9の段部9Bが非接触状態となるように隙間をもって挿入される貫通穴によって構成する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、例えば油圧ショベル、油圧クレーン、ホイールローダ等の建設機械に設けられ、油圧ポンプまたは油圧モータとして好適に用いられる斜板式液圧回転機に関する。
一般に、可変容量型または固定容量型の斜板式液圧回転機は、例えば油圧ショベル等の建設機械において、その油圧源を構成する斜板式の油圧ポンプとして用いられる。また、油圧アクチュエータとして用いる場合には、例えば旋回用、走行用の油圧モータ等を構成するものである。
そして、この種の従来技術による斜板式液圧回転機は、筒状のケーシングと、該ケーシングに回転可能に設けられた回転軸と、該回転軸と一体に回転するように前記ケーシング内に設けられ周方向に離間して軸方向に延びる複数のシリンダを有したシリンダブロックと、該シリンダブロックの各シリンダに往復動可能に挿嵌された複数のピストンと、前記各シリンダから突出する該各ピストンの突出端側に装着された複数のシューと、前記ケーシング内に設けられ表面側で該各シューを摺動可能に案内する斜板と、該斜板の表面に各シューを押付けた状態に保持するため環状板として形成され前記各シューが挿通される複数の挿通穴を有したリテーナとを備えている。
この場合、前記リテーナは、ばね等の付勢手段によって斜板の表面側に付勢され、複数の挿通穴内に挿通された夫々のシューを斜板の表面に向けて押圧することにより、シリンダブロックの回転に伴って各シューに連れ回されるように斜板に対して相対回転し、各シリンダ内をそれぞれ往復動するピストンの動きを安定させるものである(例えば、特許文献1参照)。
また、このような斜板式液圧回転機とは逆に、シリンダ側をケーシングに固定して設け、斜板を回転軸と一体に回転させることにより、各シリンダ内でピストンを往復動させて冷媒ガス等の流体を圧縮する構成とした可変容量型の斜板式圧縮機が知られている(例えば、特許文献2参照)。
そして、このような斜板式圧縮機では、各ピストンの突出端側に揺動可能に設けられた夫々のシューが、回転軸と一緒に回転する斜板の表面上を摺接し続けるように、非回転状態に保持されたリテーナを用いて各シューを斜板の表面側に押圧する構成としている。即ち、非回転のリテーナには、各シューが挿通される複数の挿通穴が形成され、これらの挿通穴内に配置された各シューを非回転のリテーナで斜板側に押付ける構成としている。
特開平10−288147号公報 特開平9−329080号公報
ところで、上述した従来技術による斜板式液圧回転機では、複数のシューを挿通するためにリテーナに穿設する複数の挿通穴を、斜板の傾転角に対応して変化するシューの移動範囲を包含した穴形状(大径穴)に形成し、複数のシューをリテーナに組込むときには、これらの挿通穴内にシューを緩やかに嵌め込む構成としている。
しかし、例えば斜板式液圧回転機をエンジン等の原動機により回転駆動される油圧ポンプとして用いた場合には、エンジン側の回転変動による捩り振動等の影響で複数のシューがリテーナの挿通穴(穴の周壁部)に干渉、衝突することがあり、このときの衝突音が異音、騒音の原因になるばかりでなく、場合によってシューまたはリテーナが衝突によって摩耗、損傷されるという問題がある。
一方、特許文献2に記載の従来技術(斜板式圧縮機)では、リテーナに設けた複数の挿通穴のうち一の挿通穴を、リテーナの径方向でシューが摺動可能に接触する穴形状に形成し、他の挿通穴は、全てシューの可動範囲よりも大きい穴形状に形成する構成とし、これによって、複数のシューがリテーナの挿通穴(穴の周壁部)に干渉、衝突するのを抑え、騒音の発生やリテーナの損傷等を防ぐようにしている。
しかし、このような従来技術の斜板式圧縮機は、油圧ポンプ、油圧モータ等に用いる斜板式液圧回転機とは異なり、シリンダ側をケーシングに固定して設け、複数のピストン、シューおよびリテーナ等が回転軸の周囲で回転するのを抑える構成としている。そして、この状態で斜板を回転軸と一体に回転させると、各シリンダ内でピストンが往復動することによって、冷媒ガス等の流体がシリンダ内で圧縮されるものである。
また、従来技術の斜板式圧縮機にあっては、シリンダ内を往復動するピストンに対してコネクティングロッドを着脱可能に取付け、ピストンから突出するコネクティングロッドの突出端側にシューを設ける構成としている。このため、複数のシューをリテーナの挿通穴内に組付けるときには、予めシューをコネクティングロッドの突出端側に取付けておくだけでよく、その後にコネクティングロッドをピストンに固定する手順で組立て作業を行うことが可能である。
これに対し、油圧ポンプ、油圧モータ等に用いる斜板式液圧回転機の場合は、ピストンの突出端側にシューを直に連結する構成としている。このため、複数のシューをリテーナの挿通穴内に組付けるときには、シューをピストンの突出端側に予め取付けておく必要が生じる。
そして、斜板式液圧回転機の場合には、このような必要性を満たすために、リテーナの挿通穴をピストンの外径よりも予め大径に形成しておき、シューと共にピストンをリテーナの挿通穴内に挿入して組立て作業を行うようにしている。
しかし、上記の組立て方法の場合には、リテーナの各挿通穴をピストンの外径よりも大径に形成するために、例えばエンジン側の回転変動等によって前述の如くシューがリテーナの挿通穴に干渉、衝突する虞れがあり、このときの衝突音により異音、騒音が発生し易くなる。そして、シューまたはリテーナが衝突によって摩耗、損傷され易く、耐久性、寿命等を高めるのが難しいものである。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、例えば回転軸側の回転変動等によりシューがリテーナの挿通穴に干渉したり、衝突したりするのを防ぎ、シューやリテーナ等の耐久性、寿命を向上できると共に、異音、騒音等の発生を抑えることができるようにした斜板式液圧回転機を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、複数のシューをリテーナの挿通穴内に円滑に組付けることができ、組立て時の作業性を向上することができるようにした斜板式液圧回転機を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明は、筒状のケーシングと、該ケーシングに回転可能に設けられた回転軸と、該回転軸と一体に回転するように前記ケーシング内に設けられ周方向に離間して軸方向に延びる複数のシリンダを有したシリンダブロックと、該シリンダブロックの各シリンダに往復動可能に挿嵌された複数のピストンと、前記各シリンダから突出する該各ピストンの突出端側に装着された複数のシューと、前記ケーシング内に設けられ表面側で該各シューを摺動可能に案内する斜板と、該斜板の表面に各シューを押付けた状態に保持するため環状板として形成され前記各シューが挿通される複数の挿通穴を有したリテーナとを備え、前記各シューは、前記リテーナの挿通穴よりも大径に形成され前記斜板の表面に摺接する摺接部と、該摺接部よりも小径となって該摺接部に一体形成され前記リテーナの挿通穴内に挿入される段部とを有し、該シューの段部と前記ピストンの突出端との間には両者を揺動可能に連結する継手部を設けてなる斜板式液圧回転機に適用される。
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記リテーナに設けた複数の挿通穴のうち、一の挿通穴は、前記シューの段部に対応する切欠き幅をもって前記リテーナの径方向に延び該リテーナの外周に開口するU字状の切欠き穴として形成し、他の挿通穴は、前記シューの摺接部よりも小径で前記ピストンの外径よりも大径に形成され前記シューの段部が隙間をもって挿入される貫通穴によって構成したことにある。
また、請求項2の発明によると、前記U字状の切欠き穴は、前記シューの段部が摺動可能に接触する穴形状を有し、前記ピストンをシューに取付けた状態で該シューの段部を前記リテーナの外周側から径方向内向きに挿入する構成としている。
また、請求項3の発明によると、前記リテーナには、前記U字状の切欠き穴に対する当該リテーナの回転バランスを取るため前記回転軸を中心として前記U字状の切欠き穴とは径方向で反対側となる位置に肉削ぎ部を設ける構成としている。
また、請求項4の発明によると、前記斜板は、前記ケーシング内で傾転角零の中立位置から最大傾転位置まで傾転アクチュエータを用いて傾転駆動する構成とし、前記シリンダブロックの各シリンダが直径(D1 )の円上に配置され、前記シューの段部の直径を寸法(ds )とした場合に、前記U字状の切欠き穴は、前記回転軸の中心に対する離間寸法Lが、寸法{(D1 /2)−(ds /2)}以下となる位置から前記リテーナの外周に向け径方向に延びて外周側に開口する構成としている。
上述の如く、請求項1に記載の発明によれば、複数のシューをそれぞれピストンに取付けた状態で、これらのシューをリテーナの各挿通穴内に組付けるときに、ピストンの外径よりも大径な貫通穴からなる他の挿通穴に対しては、夫々のシューと共にピストンを挿入して組付けることができ、U字状の切欠き穴からなる一の挿通穴に対しては、シューをピストンと共にリテーナの径方向外側から内側に押込むようにスライドさせて組付けることができる。そして、この状態で夫々のピストンをリテーナから下向きに垂下させるように配置しつつ、各ピストンをシリンダブロックのシリンダ内にそれぞれ挿嵌することにより、複数のピストン、シューおよびリテーナをシリンダブロックに対して容易に組付けることができる。
また、液圧回転機として作動させるときには、一の挿通穴をシューの段部に対応する切欠き幅をもったU字状の切欠き穴として形成しているので、当該シューの段部を一の挿通穴に摺動可能に接触させつつ、環状板からなるリテーナ全体をシリンダブロックの回転に伴ってシューにより連れ回すように回転させることができる。このとき、他のシューの段部は、残りの挿通穴(大径な貫通穴)に対し隙間をもって非干渉状態で挿入されているので、リテーナが斜板に対して相対回転する間にも、他のシューを残りの挿通穴に対して非接触な状態に保つことができる。
このため、例えば回転軸側に回転変動等が発生しても、夫々のシューがリテーナの挿通穴に干渉したり、衝突したりするのを防ぐことができ、衝突に伴う異音、騒音等の発生を抑えることができる。そして、シューやリテーナが衝突により摩耗、損傷されるのを防止でき、その耐久性、寿命等を向上することができる。しかも、複数のシューをリテーナの挿通穴内に円滑に組付けることができ、組立て時の作業性を向上することができる。
また、請求項2に記載の発明によると、U字状の切欠き穴からなる一の挿通穴は、シューの段部が摺動可能に接触する穴形状を有しているので、ピストンをシューに取付けた状態で当該シューの段部を、リテーナの外周側から一の挿通穴(U字状の切欠き穴)内に向けて径方向に挿入するように組付けることができ、組付け作業性を向上できる。そして、液圧回転機として作動させるときには、当該シューの段部を一の挿通穴に対して摺動可能な接触状態に保つことができ、環状板からなるリテーナ全体を当該シューの回転により連れ回すように回転させることができる。
また、請求項3に記載の発明によると、リテーナにはU字状の切欠き穴と径方向で反対側となる位置に肉削ぎ部を設ける構成としているので、前記U字状の切欠き穴に対するリテーナ全体の回転バランスを取ることができ、斜板に対するリテーナの相対回転を円滑化し、回転の安定化を図ることができる。
さらに、請求項4に記載の発明では、斜板をケーシング内で傾転角零の中立位置から最大傾転位置まで傾転アクチュエータを用いて任意の傾転角となる位置に傾転駆動することができる。そして、シリンダブロックの各シリンダを直径(D1 )の円上に配置し、シューの段部を直径(ds )とした場合を想定すると、リテーナに設ける複数の挿通穴のうち一の挿通穴を、回転軸の中心に対する離間寸法Lが、寸法{(D1 /2)−(ds /2)}以下となる位置から前記リテーナの外周に向けて径方向に延びるU字状の切欠き穴として形成できる。この結果、当該切欠き穴内に配置したシューによってリテーナを連れ回すように回転することができ、斜板に対するリテーナの相対回転を安定させることができる。
以下、本発明の実施の形態による斜板式液圧回転機を、可変容量型の斜板式油圧ポンプに適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
ここで、図1ないし図7は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1は本実施の形態で採用した可変容量型の斜板式油圧ポンプ(以下、油圧ポンプ1という)、2は該油圧ポンプ1の外殻を構成するケーシングで、該ケーシング2は、一側がフロント底部3Aとなった段付筒状のケーシング本体3と、該ケーシング本体3の他側を閉塞するようにケーシング本体3に固定して設けられたリヤケーシング4とにより構成されている。
そして、ケーシング2のケーシング本体3内には、フロント底部3A側に後述の斜板11を傾転可能に支持する斜板支持体10等が設けられている。また、リヤケーシング4側には、後述の弁板15、給排通路16,17等が設けられるものである。
5はケーシング2内に回転可能に設けられた回転軸を示し、該回転軸5は、軸方向の一側がケーシング本体3のフロント底部3A内に軸受等を介して回転可能に取付けられ、他側はリヤケーシング4に軸受等を介して回転可能に取付けられている。そして、回転軸5の一側は、ケーシング本体3のフロント底部3Aから外部に突出する突出端5Aとなっている。
ここで、回転軸5の突出端5A側には、例えば油圧ショベルの原動機となるエンジンが動力伝達機構(いずれも図示せず)等を介して連結される。そして、油圧ポンプ1は、前記エンジンで回転軸5を回転駆動することにより、後述の給排通路16から高圧油(圧油)を吐出させる所謂ポンプ作用を行うものである。
6はケーシング2内に位置して回転軸5の外周側に設けられたシリンダブロックで、該シリンダブロック6には、図2に示す如く周方向に離間して軸方向に延びる複数(例えば、合計9個)のシリンダ7,7,…が穿設されている。また、シリンダブロック6の一側には、後述の斜板11側に向けて軸方向に突出する筒状突部6Aが一体形成されている。そして、該筒状突部6Aの外周側には、後述の球状ガイド13が軸方向に相対変位可能に挿嵌されている。
また、シリンダブロック6の内周側には、回転軸5の外周側にスプライン結合される段付きの軸穴6Bが形成され、この軸穴6Bは、筒状突部6Aの内周側を軸方向に延びている。そして、シリンダブロック6は、軸穴6Bを介して回転軸5と一体に回転駆動され、このときに後述の球状ガイド13も回転軸5と一体に回転されるものである。また、シリンダブロック6の他側は、後述の弁板15に対して摺動可能に当接される凹湾曲状の摺動面6Cとなっている。
8,8,…はシリンダブロック6の各シリンダ7内に摺動可能に挿嵌されたピストンで、該各ピストン8は、図3に示す如く外径dp の円柱状に形成されている。そして、ピストン8は、図1に示すシリンダブロック6の回転に伴って夫々のシリンダ7内を往復動し、後述の弁板15側から各シリンダ7内に作動油を吸込みつつ、これを高圧の圧油として吐出させるものである。
即ち、これらのピストン8は、図1に例示するように回転軸5の上側となる位置でシリンダ7から大きく突出(伸長)した下死点位置となり、回転軸5の下側となる位置ではシリンダ7内へと縮小した上死点位置となる。そして、シリンダブロック6が1回転する間に、各ピストン8はシリンダ7内を上死点から下死点に向けて摺動変位する吸入行程と、下死点から上死点に向けて摺動変位する吐出行程とを繰返すことになる。
そして、シリンダブロック6の半回転分に相当するピストン8の吸入行程では、後述の給排通路17側からシリンダ7内に作動油を吸込み、シリンダブロック6の残りの半回転分に相当するピストン8の吐出行程では、ピストン8が各シリンダ7内の油液を高圧の圧油として後述の給排通路16側から吐出配管(図示せず)に吐出させるものである。
9,9,…は各ピストン8の突出端側に揺動可能に設けられたシューで、該各シュー9は、図3に示す如く後述するリテーナ12の挿通穴18よりも大径な円板状に形成され、斜板11の平滑板11B上を摺接する摺接部としての円板部9Aと、該円板部9Aよりも小径となって該円板部9Aに一体形成され、リテーナ12の挿通穴18内に挿入される段部9Bと、該段部9Bと共に挿通穴18内に挿通され、ピストン8の突出端側に揺動可能に取付けられる継手部としての球形部9Cとにより構成されている。
そして、シュー9の段部9Bは、球形部9Cを円板部9Aに一体化するための取付台座を構成するものである。また、シュー9の円板部9Aは、図3に示す如くピストン8の外径dp よりも大きい外径da (da >dp )に形成され、段部9Bの外径となる直径は寸法ds となり、この直径ds は、ピストン8の外径dp よりも小さい寸法(ds <dp <da )に形成されている。
ここで、シュー9の円板部9Aは、ピストン8からの押付力(油圧力)で後述のリテーナ12等を介して斜板11の平滑板11Bに押付けられた状態に保持される。そして、各シュー9は、この状態で回転軸5、シリンダブロック6およびピストン8と一緒に回転することにより、リング状軌跡を描くように後述の平滑板11B上を摺動するものである。
10はケーシング本体3のフロント底部3Aに設けられた斜板支持体で、該斜板支持体10は、図1に示す如く回転軸5の周囲に位置して斜板11の裏面側に配置され、ケーシング本体3のフロント底部3Aに固定されている。そして、斜板支持体10には、回転軸5を挟んで左,右(または、上,下)に離間した一対の傾転摺動面10Aが設けられ、該傾転摺動面10Aは、斜板11を傾転可能に支持するために凹湾曲面として形成されている。
11はケーシング2内に傾転可能に設けられた斜板で、該斜板11は、図1に示すように斜板本体11Aと、該斜板本体11Aの表面側に固定して設けられた平滑板11Bとにより構成されている。また、斜板11の中央部には、回転軸5が隙間をもって挿通される軸挿通穴11Cが穿設されている。そして、斜板本体11Aは、その裏面(背面)側がケーシング本体3のフロント底部3A側に斜板支持体10を介して傾転可能に取付けられている。
ここで、斜板11は、当該油圧ポンプ1の容量可変部を構成し、斜板本体11Aの裏面側は、斜板支持体10の各傾転摺動面10Aに対して傾転可能に当接した状態に保持されるものである。そして、斜板11の斜板本体11Aは、ケーシング2に設けられた傾転アクチュエータ(図示せず)によって、平滑板11Bと一緒に図1中の矢示A,B方向に傾転駆動されるものである。
12は各シュー9を斜板11の平滑板11B上で摺動可能に保持するリテーナで、該リテーナ12は、図4に示す如く環状板として形成され、その内周側は、後述の球状ガイド13(図2参照)が摺動可能に嵌合される断面円弧状の嵌合穴12Aとなっている。また、リテーナ12には、その周方向に間隔をもって後述の挿通穴18が形成され、これらの挿通穴18には、それぞれシュー9が挿通されるものである。
ここで、リテーナ12は、後述のスプリング14により球状ガイド13を介して斜板11(平滑板11B)に向けて付勢される。そして、リテーナ12は、挿通穴18内に挿通された夫々のシュー9を平滑板11Bの表面に押付けた状態に保持し、これによって、各シュー9が斜板11の平滑板11B上でリング状軌跡を描くように摺動変位するのを補償するものである。
13はシリンダブロック6の筒状突部6Aとリテーナ12の嵌合穴12Aとの間に設けられた球状ガイドで、該球状ガイド13は、図2に示すように内周側が筒状突部6Aの外周側に摺動可能に挿嵌され、その外周面(球形面)側にはリテーナ12の嵌合穴12Aが揺動(摺動)可能に嵌合されている。また、球状ガイド13は、図1に示す如く内周側が回転軸5にスプライン結合され、回転軸5と一体に回転するものである。
14はシリンダブロック6の筒状突部6Aと球状ガイド13との間に配設されたスプリングで、該スプリング14は、例えば複数枚の皿ばねを重合わせることにより構成され、回転軸5の外周側でシリンダブロック6と球状ガイド13とを互いに逆向きに付勢している。そして、スプリング14は、シリンダブロック6の摺動面6Cを後述の弁板15に押圧すると共に、球状ガイド13によりリテーナ12を介して各シュー9を斜板11の平滑板11Bに押圧するものである。
15はリヤケーシング4に固定して設けられた弁板で、該弁板15は、シリンダブロック6の端面に摺接する切換弁板を構成している。このため、弁板15には、回転軸5の周囲を眉形状をなして延びる一対の給排ポート15A,15Bが形成されている。そして、これらの給排ポート15A,15Bのうち、例えば給排ポート15Aは高圧側の吐出ポートとなり、給排ポート15Bは低圧側の吸込ポートを構成するものである。
16,17はリヤケーシング4に形成された一対の給排通路で、該給排通路16,17のうち高圧側の給排通路16は、例えば高圧の吐出配管等に接続され、低圧側の給排通路17は、作動油タンク(図示せず)側に接続されるものである。また、高圧側の給排通路16は、弁板15の給排ポート15Aに連通し、低圧側の給排通路17は給排ポート15Bに連通している。
そして、ケーシング2内で回転軸5を回転駆動すると、シリンダブロック6の回転に伴って各シリンダ7内をピストン8が往復動し、これらのピストン8が給排通路17側からシリンダ7内に作動油を吸込みつつ、給排通路16側に圧油を吐出するものである。
18A,18B,18B,…はリテーナ12に形成した複数の挿通穴(全体として挿通穴18という)で、これらの挿通穴18のうち一の挿通穴18Aは、図5に示すようにシュー9の段部9B(直径ds )に対応する切欠き幅Ws 、即ち下記の数1式を満たす切欠き幅Ws をもってリテーナ12の径方向に延び、リテーナ12の外周に開口するU字状の切欠き穴として形成されている。
そして、U字状の切欠き穴からなる挿通穴18Aは、シュー9の段部9Bが摺動可能に接触する穴形状を有し、図6に示す如くピストン8をシュー9の球形部9Cに取付けた状態で、段部9Bがリテーナ12の外周側から挿通穴18A内へと径方向内向きに挿入されるものである。
Figure 2007278202
また、他の挿通穴18B,18B,…は、シュー9の円板部9A(外径da )よりも小径で、ピストン8の外径dp よりも大径な真円形の貫通穴(穴径dr )として形成されている。そして、挿通穴18Bの穴径dr は、下記の数5式を満たす関係に設定され、シュー9の段部9Bは、挿通穴18Bの周壁部に接触することのない状態(非干渉状態)となるように、挿通穴18B内に隙間をもって挿入されるものである。
ここで、シリンダブロック6の各シリンダ7が、図2に示す如く直径D1 の円上に配置され、斜板11が傾転角θ(0≦θ≦θmax )となる場合を例に挙げると、シュー9は、斜板11に対して下記の数2式による寸法D2 を長径とし、直径D1 を短径とする楕円形のリング状軌道を描くように、平滑板11B上を摺動変位するものである。
Figure 2007278202
そして、斜板11の傾転角θが最大傾転角θmax となった場合には、数2式による寸法D2 は、下記の寸法D2mとして導かれる。
Figure 2007278202
このため、リテーナ12に形成する各挿通穴18Bは、図4、図5中に示すように直径D1 の仮想円19と寸法D2m を直径とする仮想円20とに対し、下記の数4式で示される直径Dr の仮想円21を基準とした穴径dr の貫通穴として設定される。即ち、これらの挿通穴18Bは、直径Dr の仮想円21上に位置する点Pb を中心とした直径(穴径dr )の真円穴として形成される。なお、仮想円19,20,21は、回転軸5の中心Oに対して同心円をなすものである。
Figure 2007278202
Figure 2007278202
そして、挿通穴18Bの穴径dr は、下記の数6式の関係を満たすように、シュー9の円板部9A(外径da )よりも小さい寸法で、ピストン8の外径dp 、段部9Bの直径ds よりも大きい寸法に設定されるものである。
Figure 2007278202
一方、リテーナ12の挿通穴18Aについては、図5中に示すように後述の点Pa を中心とした半径rs の円弧からなるU字状の切欠き穴として形成されている。そして、この場合の点Pa とは、回転軸5の中心Oを通る半径方向線R−Rと直径D1 の仮想円19とが交差する点であり、半径rs は下記の数7式で示されるものである。
Figure 2007278202
このため、リテーナ12の挿通穴18Aは、前記数1式と数7式により回転軸5の中心Oに対する離間寸法が、下記の数8,9式による寸法Lとなる位置からリテーナ12の外周に向けて径方向に(半径方向線R−Rに沿って)延びるU字状の切欠き穴として形成されるものである。
Figure 2007278202
Figure 2007278202
本実施の形態による可変容量型の斜板式油圧ポンプ1は、上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、エンジン等の原動機によって回転軸5を回転駆動すると、ケーシング2内でシリンダブロック6が回転軸5と一体に回転される。これにより、斜板11の表面(平滑板11B)に沿って複数のシュー9がリング状軌跡を描くように摺動変位し、これに伴って夫々のピストン8がシリンダブロック6の各シリンダ7内で往復動を繰返すようになる。
このため、シリンダブロック6が1回転する間に、各ピストン8はシリンダ7内を上死点から下死点に向けて摺動変位する吸入行程と、下死点から上死点に向けて摺動変位する吐出行程とを繰返す。そして、ピストン8の吸入行程では、例えば給排通路17側からシリンダ7内に作動油を吸込み、ピストン8の吐出行程では、ピストン8が各シリンダ7内の油液を高圧の圧油として給排通路16側から吐出させる。
この場合、リテーナ12は、スプリング14により球状ガイド13を介して斜板11(平滑板11B)に向けて付勢され、挿通穴18内に挿通された夫々のシュー9を平滑板11Bの表面に押付けた状態に保持すると共に、回転軸5の周囲でシュー9に追従して連れ回わされるように回転する。これによりリテーナ12は、各シュー9が斜板11の平滑板11B上でリング状軌跡を描くように円滑に摺動変位するのを補償するものである。
そして、斜板11の傾転角θ(0≦θ≦θmax )を最大傾転角θmax とした場合に、夫々のシュー9は、斜板11に対して上記の数3式による寸法D2mを長径とし、直径D1 を短径とする楕円形のリング状軌道を描くように、平滑板11B上を摺動変位する。このために、シュー9の段部9Bは、最大傾転角θmax のときに図5中の直径(寸法D2m)の仮想円20上に位置する点P2 を中心とした位置に配置される。また、斜板11の傾転角θが最小の零(θ=0)となったときに、シュー9の段部9Bは、図5中示す如く直径D1 の仮想円19上に位置する点P1 を中心とした位置に配置される。
ところで、複数のシュー9は、夫々のピストン8に予め取付けた状態とし、その後にリテーナ12に対して組付ける必要がある。このため、従来技術の場合には、リテーナの挿通穴を全てピストンの外径よりも大きい穴径に形成している。しかし、従来技術の場合は、これが原因となってシューがリテーナ(挿通穴の周壁部)に干渉、衝突し、騒音が発生したり、摩耗、損傷が発生したりする等の不具合が生じることがある。
そこで、本実施の形態では、リテーナ12に設けた複数の挿通穴18のうち一の挿通穴18Aは、シュー9の段部9Bにほぼ等しい切欠き幅Ws をもってリテーナ12の径方向に延び、該リテーナ12の外周に開口するU字状の切欠き穴として形成している。そして、他の挿通穴18B,18B,…は、シュー9の円板部9A(外径da )よりも小径で、ピストン8の外径dp よりも大径となるように、穴径dr の貫通穴として形成している。
即ち、他の挿通穴18Bは、前述した数1〜数5式の関係を満たすように穴径dr の貫通穴により構成している。このため、シュー9の段部9Bを他の挿通穴18B内に十分な隙間をもって挿入することができ、斜板11の傾転角θを最大傾転角θmax まで大きくした場合でも、リテーナ12が斜板11に対して相対回転する間にシュー9の段部9Bを挿通穴18Bの周壁部に対して非接触な状態に保つことができる。
これにより、複数のシュー9をそれぞれピストン8に取付けた状態で、これらのシュー9をリテーナ12の各挿通穴18A,18B,18B,…内に組付けるときに、ピストン8の外径dp よりも大径な貫通穴からなる他の挿通穴18Bに対しては、夫々のシュー9と共にピストン8を図6、図7中に示す矢示F,F方向(リテーナ12の平面と垂直な方向)で挿入して組付けることができる。
また、U字状の切欠き穴からなる一の挿通穴18Aに対しては、シュー9の段部9Bをピストン8と共にリテーナ12の径方向外側から内側へと、図6中の矢示H方向に押込むようにスライドさせて組付けることができる。そして、この状態で夫々のピストン8をリテーナ12の挿通穴18A,18Bから下向きに垂下させるように配置しつつ、各ピストン8を図7に示す如くシリンダブロック6のシリンダ7内にそれぞれ挿嵌する。
これにより、複数のピストン8、シュー9およびリテーナ12をシリンダブロック6に対して図7、図2に例示するように予備組立てすることができる。そして、このように予備組立てされたシリンダブロック6(ピストン8、シュー9およびリテーナ12を含む)は、図1に示すように回転軸5と共にケーシング2内に装入され、油圧ポンプ1として組立てられるものである。
また、リテーナ12に設けた複数の挿通穴18のうち一の挿通穴18Aを、シュー9の段部9Bが摺動可能に接触する切欠き幅Ws のU字状穴として形成しているので、当該油圧ポンプ1を作動させるときには、シュー9の段部9Bを一の挿通穴18Aに摺動可能に接触させつつ、環状板からなるリテーナ12全体をシリンダブロック6の回転に伴ってシュー9により連れ回すように回転させることができる。
このとき、上記以外の残りのシュー9は、それぞれの段部9Bが他の挿通穴18B(大径な貫通穴)に対し非干渉状態で隙間をもって挿入されているので、リテーナ12が斜板11に対して相対回転する間にも、残りのシュー9を他の挿通穴18Bに対して非接触な状態に保つことができる。
このため、例えばエンジン(回転軸5)側に回転変動等が発生しても、夫々のシュー9がリテーナ12の挿通穴18に干渉したり、衝突したりするのを防ぐことができ、衝突に伴う異音、騒音等の発生を抑えることができる。そして、シュー9やリテーナ12の損傷、破損等を防止でき、その耐久性、寿命を向上することができる。しかも、複数のシュー9をリテーナ12の挿通穴18内に円滑に組付けることができ、組立て時の作業性を向上することができる。
次に、図8は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。しかし、本実施の形態の特徴は、リテーナ31の外周側に円弧状の肉削ぎ部32を設ける構成としたことにある。
ここで、リテーナ31は、第1の実施の形態で述べたリテーナ12と同様に構成され、その内周側には球状ガイド13(図2参照)を摺動可能に嵌合させるための嵌合穴31Aが設けられている。そして、リテーナ31にも、U字状の切欠き穴からなる一の挿通穴18Aと、大径の貫通穴からなる他の挿通穴18B,18B,…とが形成されている。
しかし、この場合のリテーナ31は、回転軸5の中心Oを挟んで一の挿通穴18Aとは径方向で反対側となる位置に円弧状の肉削ぎ部32を設け、該肉削ぎ部32により一の挿通穴18A(U字状の切欠き穴)に対するリテーナ31全体の回転バランスを取る構成としている。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の効果を得ることができ、組立て時の作業性を向上できると共に、リテーナ31等の耐久性、寿命を高めることができる。
そして、本実施の形態では、リテーナ31の外周側に肉削ぎ部32を設けているので、U字状の切欠き穴からなる一の挿通穴18Aに対するリテーナ31全体の回転バランスを、肉削ぎ部32により確保することができ、斜板11に対するリテーナ31の相対回転を円滑化し、回転の安定化を図ることができる。
次に、図9は本発明の第3の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、ピストンの突出端側に球形部を一体に形成し、シューの継手部を該球形部が装着される凹球面部として形成する構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図中、41は本実施の形態で採用したピストンで、該ピストン41は、第1の実施の形態で述べたピストン8とほぼ同様に構成され、外径dp をもって形成されている。しかし、この場合のピストン41は、その先端(突出端)側に球形部41Aが一体に形成されている点で第1の実施の形態とは異なるものである。そして、ピストン41の球形部41Aは、後述するシュー42とピストン41とを揺動可能に連結する継手部を後述の凹球面部42Cと共に構成するものである。
42はピストン41の突出端側に設けられたシューで、該シュー42は、第1の実施の形態で述べたシュー9とほぼ同様に構成され、斜板11の平滑板11B上を摺接する摺接部としての円板部42Aと、該円板部42Aに一体形成され円板部42Aよりも小径になった段部42B等とを有している。
そして、シュー42の円板部42Aは、ピストン41の外径dp よりも大きい外径da (da >dp )に形成され、段部42Bの直径ds は、ピストン41の外径dp よりも小さい寸法(ds <dp <da )に形成されている。
しかし、この場合のシュー42は、凹球面部42Cが段部42Bに形成されている点で第1の実施の形態とは異なっている。そして、シュー42の凹球面部42Cは、ピストン41の球形部41Aが揺動可能に取付けられる継手部を、球形部41Aと共に構成するものである。
43は各シュー42を斜板11の平滑板11B上で摺動可能に保持するリテーナで、該リテーナ43は、第1の実施の形態で述べたリテーナ12と同様に構成され、その内周側は、球状ガイド13(図2参照)が摺動可能に嵌合される断面円弧状の嵌合穴43Aとなっている。また、リテーナ43には、その周方向に間隔をもって複数の挿通穴44が形成されている。
そして、これらの挿通穴44は、第1の実施の形態で述べた挿通穴18と同様に形成され、それぞれシュー42の段部42Bが挿通されるものである。即ち、複数の挿通穴44のうち一の挿通穴は、U字状の切欠き穴として形成され、他の挿通穴は、シュー42の段部42Bが非干渉状態で隙間をもって挿入される大径な貫通穴として形成されるものである。
かくして、このように構成される本実施の形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様の効果を得ることができ、組立て時の作業性を向上できると共に、シュー42、リテーナ43等の耐久性、寿命を高めることができる。
なお、前記各実施の形態では、斜板式液圧回転機を可変容量型の斜板式油圧ポンプ1に適用する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば可変容量型の斜板式油圧モータに適用してもよい。また、固定容量型の斜板式液圧回転機(例えば、斜板式油圧ポンプまたは油圧モータ)に適用してもよいものである。
本発明の第1の実施の形態による可変容量型の斜板式油圧ポンプを示す縦断面図である。 図1中のシリンダブロック、シリンダ、ピストン、シュー、斜板およびリテーナ等を拡大して示す縦断面図である。 図2中のピストン、シュー、斜板およびリテーナを組立てた状態での位置関係等を示す縦断面図である。 リテーナを単体として図3中の矢示IV−IV方向からみた側面図である。 図4に示すリテーナの部分拡大図である。 ピストンに予め取付けた複数のシューをリテーナの挿通穴に組付ける状態を示す組付け工程の説明図である。 図6の組付け工程に続いて各ピストンをシリンダブロックの各シリンダ内に挿嵌する状態を示す分解斜視図である。 第2の実施の形態によるリテーナを示す正面図である。 第3の実施の形態によるピストン、シュー、斜板およびリテーナを示す縦断面図である。
符号の説明
1 可変容量型の斜板式油圧ポンプ(斜板式液圧回転機)
2 ケーシング
3 ケーシング本体
3A フロント底部
4 リヤケーシング
5 回転軸
6 シリンダブロック
7 シリンダ
8,41 ピストン
9,42 シュー
9A,42A 円板部(摺接部)
9B,42B 段部
9C 球形部(継手部)
10 斜板支持体
11 斜板
11A 斜板本体
11B 平滑板(表面)
12,31,43 リテーナ
13 球状ガイド
14 スプリング
15 弁板
16,17 給排通路
18,44 挿通穴
18A 一の挿通穴(U字状の切欠き穴)
18B 他の挿通穴(貫通穴)
32 肉削ぎ部
41A 球形部(継手部)
42C 凹球面部(継手部)

Claims (4)

  1. 筒状のケーシングと、該ケーシングに回転可能に設けられた回転軸と、該回転軸と一体に回転するように前記ケーシング内に設けられ周方向に離間して軸方向に延びる複数のシリンダを有したシリンダブロックと、該シリンダブロックの各シリンダに往復動可能に挿嵌された複数のピストンと、前記各シリンダから突出する該各ピストンの突出端側に装着された複数のシューと、前記ケーシング内に設けられ表面側で該各シューを摺動可能に案内する斜板と、該斜板の表面に各シューを押付けた状態に保持するため環状板として形成され前記各シューが挿通される複数の挿通穴を有したリテーナとを備え、
    前記各シューは、前記リテーナの挿通穴よりも大径に形成され前記斜板の表面に摺接する摺接部と、該摺接部よりも小径となって該摺接部に一体形成され前記リテーナの挿通穴内に挿入される段部とを有し、
    該シューの段部と前記ピストンの突出端との間には両者を揺動可能に連結する継手部を設けてなる斜板式液圧回転機において、
    前記リテーナに設けた複数の挿通穴のうち、一の挿通穴は、前記シューの段部に対応する切欠き幅をもって前記リテーナの径方向に延び該リテーナの外周に開口するU字状の切欠き穴として形成し、他の挿通穴は、前記シューの摺接部よりも小径で前記ピストンの外径よりも大径に形成され前記シューの段部が隙間をもって挿入される貫通穴によって構成したことを特徴とする斜板式液圧回転機。
  2. 前記U字状の切欠き穴は、前記シューの段部が摺動可能に接触する穴形状を有し、前記ピストンをシューに取付けた状態で該シューの段部を前記リテーナの外周側から径方向内向きに挿入する構成としてなる請求項1に記載の斜板式液圧回転機。
  3. 前記リテーナには、前記U字状の切欠き穴に対する当該リテーナの回転バランスを取るため前記回転軸を中心として前記U字状の切欠き穴とは径方向で反対側となる位置に肉削ぎ部を設ける構成としてなる請求項1または2に記載の斜板式液圧回転機。
  4. 前記斜板は、前記ケーシング内で傾転角零の中立位置から最大傾転位置まで傾転アクチュエータを用いて傾転駆動する構成とし、前記シリンダブロックの各シリンダが直径(D1 )の円上に配置され、前記シューの段部の直径を寸法(ds )とした場合に、前記U字状の切欠き穴は、前記回転軸の中心に対する離間寸法Lが、寸法{(D1 /2)−(ds /2)}以下となる位置から前記リテーナの外周に向け径方向に延びて外周側に開口する構成としてなる請求項1,2または3に記載の斜板式液圧回転機。
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