JP2000329054A - シュー付ピストン並びにその製造方法及びその製造装置 - Google Patents

シュー付ピストン並びにその製造方法及びその製造装置

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JP2000329054A
JP2000329054A JP11135172A JP13517299A JP2000329054A JP 2000329054 A JP2000329054 A JP 2000329054A JP 11135172 A JP11135172 A JP 11135172A JP 13517299 A JP13517299 A JP 13517299A JP 2000329054 A JP2000329054 A JP 2000329054A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 斜板式プランジャ型油圧機器のピストンかし
め時の外周部のふくらみを防止する。 【解決手段】 ピストン11を基準台21に載置し、ピ
ストン11の一端部に設けた凹球面部12にシュー13
の凸球面部14を挿入する。昇降自在な押し付け部材2
3の下方に緩衝部材26を介してセンタ24を取着し、
その先端部をシュー13のセンタ穴16に挿入して下向
きに付勢して位置決めする。ピストン11の上端部の外
周に第1,第2,第3ローラ30a,30b,30cを
配設する。第1ローラ30aの外周面は最大勾配角度α
の第1テーパ面31aと小さい勾配角度βの第2テーパ
面31bとで構成し、第2,第3ローラ30b,30c
の外周面は最大勾配角度αの第1テーパ面31aで構成
する。3個のローラの第1テーパ面31aの高さは同一
にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、斜板式の油圧ポン
プや油圧モータ等(以後、斜板型液圧回転機と言う)の
シュー付ピストンとその製造装置とその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、斜板式の油圧ポンプや油圧モータ
等は多くの産業分野で汎用的に広く利用されている。図
1は、斜板型液圧回転機の一例としての油圧モータの構
成例を示す側面断面図である。軸方向の一端側が閉塞し
た筒状のケース2aの他端側にはエンドカバー2bが取
着されている。ケース2aには一端側に斜板3が内設さ
れており、駆動軸6がケース2a及びエンドカバー2b
の軸心上に斜板3を貫通して軸受け7a,7bを介して
回転自在に支承されている。駆動軸6にはシリンダブロ
ック8がスプライン6aを介して取着されており、シリ
ンダブロック8に円周上に軸方向に設けられた複数個の
シリンダ穴9にはピストン11が摺動自在に嵌入されて
いる。ピストン11の先端部には凹球面部12が設けら
れており、凹球面部12にシュー13の一端部に設けら
れた凸球面部14を嵌合して凹球面部12の先端部を縮
径することにより、揺動自在に結合し、シュー付ピスト
ン10を構成している。シュー13の他端部に設けられ
た摺動面15は斜板3に摺動自在に当接している。ケー
ス2aの斜板3の対向面には弁板4が配設され、弁板4
はシリンダブロック8に摺動自在に当接しており、弁板
4にはシリンダ穴9の圧油を供給又は排出するポート5
が設けられている。ポート5はケース2aに設けられた
図示しない圧油の給排通路と接続している。
【0003】上記構成による作動について説明する。図
示しない油圧源からポート5に送られた圧油はシリンダ
穴9に流入し、ピストン11を斜板3側に押す。そし
て、シュー13はピストン11を介して斜板3に押し付
けられる。ここで、斜板3はピストン11の軸心に対し
て傾斜しているため、シュー13の摺動面15は斜板3
上を摺動し、この反力によりシリンダブロック8は回転
する。これに伴い、駆動軸6も回転して回転力を発生す
る。
【0004】このとき、ピストン11の作動のときにシ
ュー13とピストン11との縮径部(カシメ部)には非
常に大きな引き抜き力が作用するので、引き抜きに対す
るカシメ部の強度を大きく維持することがシュー付ピス
トン10を製造する際の重要な課題となっている。
【0005】以下に、従来のシュー付ピストンの製造装
置について説明する。従来のロールによるかしめ盤は、
横型のねじ転造盤の改造タイプが主流である。図5はこ
の従来技術に係るシュー付ピストン製造装置50の構成
を示す側面一部断面図であり、図6は図5のC−C矢視
図である。図5に示すように水平線X−X上には、シュ
ー13及びピストン11の位置決めを行う第1位置決め
センタ51及び第2位置決めセンタ52が配設されてい
る。図5及び図6に示すように、第2位置決めセンタ5
2の前方の下方にはピストン11を支持するワーク受け
台53が設けられ、ピストン11の一端部の左右には一
対のかしめ用のローラ54,54が自転可能で、かつ左
右方向に(つまりピストン11に接近又は離反する方向
に)移動自在に配設されている。ローラ54の外周面に
は、所定の勾配角度α(例えば20°)のテーパ面55
が設けられている。シュー13の凸球面部14と反対側
の端部にはセンタ穴16が設けられており、またピスト
ン11の凹球面部12と反対側の端部にはセンタ穴56
が設けられている。
【0006】上記のようなシュー付ピストン製造装置5
0によるシュー付ピストン10の製造方法について、以
下に説明する。 1)ピストン11の凹球面部12にシュー13の凸球面
部14を挿入して横置きし、ピストン11をワーク受け
台53により支持する。 2)次に、シュー13のセンタ穴16に第1位置決めセ
ンタ51の先端部を挿入し、ピストン11のセンタ穴5
6に第2位置決めセンタ52を挿入し、シュー13及び
ピストン11の位置決めを行う。この後、ワーク受け台
53は下方に退避する。 3)次に、図6に示す矢印57の方向に自転するローラ
54,54を左右からピストン11の凹球面部12の外
縁部に押し付ける。これにより、ピストン11はローラ
54との間の摩擦力により矢印58の方向に回転しなが
らかしめられる。 4)次に、図7に示すようにローラ54,54をピスト
ン11の軸心に向かう方向に所定の位置まで移動させ、
ピストン11の凹球面部12の外縁部を図示の破線位置
から実線位置までかしめ、凹球面部12と凸球面部14
との間に所定の隙間を設けて回動自在に結合する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のシュー付ピストンの製造装置及び製造方法において
は以下のような問題点がある。 1)図7に示すように、ローラ54のテーパ面55によ
り転圧するピストン11の外縁部の箇所は、シュー13
の凸球面部14の球面中心よりも軸心方向の少し先端側
となっている。このため、転圧したときに転圧部近傍で
スプリングバックが発生してピストン11の外周部(図
中のM部)が膨らむという現象が発生し、この膨らみに
よりピストン11とシリンダ穴9との摺動面が損傷した
り、摺動が滑らかでない等の問題がある。又、転圧時に
ピストン11の外周面が圧延され、ピストン11の端面
のN部が先端側に突出するので、作業者の取り扱いが困
難であるという問題がある。 2)かしめ時に第1,第2位置決めセンタ51,52の
軸心と2個のローラ54,54の中心との間にずれがあ
ると、かしめ部がひずんだり、又は必要以上に縮径され
たりして、かしめ箇所の摺動面が滑らかに動かないとい
う不良が発生する。また、そのまま長時間使用すると異
常磨耗や焼きつき等の原因となり、ついには破損に至る
場合がある。そのため、第1,第2位置決めセンタ5
1,52の位置と、ワーク受け台53と、ローラ54,
54との相対位置を正確に位置決めする必要があり、よ
って高い機械精度が要求されるので製造装置が高価にな
る。また、図5に示すように、かしめ時にローラ54の
テーパ面55の作用でピストン11には図の右向きの大
きな力が加わり、機械強度を増す必要がある。そのた
め、製造装置は構造が複雑で、大型になるという問題が
ある。
【0008】本発明は上記の問題点に着目し、かしめ時
のピストンの外周部の膨らみが無く、かしめ部の先端部
突出量が少なく、精度の良いかしめ作業が容易に可能
で、しかも小型、軽量化が可能なシュー付ピストンとそ
の製造方法ならびにその製造装置を提供することを目的
としている。
【0009】
【課題を解決するための手段、作用および効果】上記の
目的を達成するために、本発明に係る第1発明のシュー
付ピストンの製造方法は、斜板型液圧回転機のピストン
及びシューのそれぞれに設けられた凹球面部及び凸球面
部を互いに嵌挿した後、ピストンの凹球面部の外縁部を
複数のローラにより転圧してかしめ、ピストンとシュー
とを摺動自在に結合してなるシュー付ピストンを製造す
るシュー付ピストンの製造方法において、外周面にそれ
ぞれ異なる勾配角度のテーパ面を有する複数のローラの
前記外周面をピストンの凹球面部の外縁部に当接させ、
それぞれのローラをピストンの軸心に向かう方向に所定
の位置まで押し付けて凹球面部の先端側から凹球面部中
央に向って縮径しながらかしめる方法としている。
【0010】第1発明の方法によれば、勾配角度の異な
るテーパ面を有する複数のローラでピストンの凹球面部
側の一端部の外縁部に当接させ、これらのローラを所定
の位置まで押し付けてかしめるので、かしめ面を小さい
勾配角度から大きい勾配角度へとなだらかに逐次変化さ
せることが可能である。したがって、かしめ時のスプリ
ングバックを低減することができ、ピストン外周面のふ
くらみを防止することができる。
【0011】また本発明に係る第2発明のシュー付ピス
トンの製造装置は、斜板型液圧回転機のピストン及びシ
ューのそれぞれに設けられた凹球面部及び凸球面部を互
いに嵌挿した状態でピストンの軸心と略一致する回転軸
回りに回転自在に位置決めする位置決め装置と、位置決
め装置の回転軸の周囲にこの回転軸へ接近又は離反する
方向に移動自在に、かつ回転自在に配設されると共に、
外周面に所定勾配角度のテーパ面を有する複数のローラ
とを備え、位置決め装置により凹球面部及び凸球面部を
位置決めした状態で、回転する複数のローラによりピス
トンの凹球面部の外縁部を押し付けてかしめ、ピストン
とシューとを摺動自在に結合してなるシュー付ピストン
を製造するシュー付ピストンの製造装置において、複数
のローラは、外周面にそれぞれ異なる勾配角度のテーパ
面を有する構成としている。
【0012】第2発明の構成によれば、勾配角度の異な
るテーパ面を有する複数個のローラを備えているため、
かしめ面を連続して逐次変化させることができる。した
がって、かしめ面は滑らかになり、スプリングバックに
よるピストン外周面のふくらみを防止できる。
【0013】第3発明は、第2発明に基づき、複数のロ
ーラはそれぞれ、最大勾配角度のテーパ面とこれよりも
小さい勾配角度のテーパ面とを軸方向の異なる位置に有
する構成としている。
【0014】第3発明の構成によれば、各ローラに勾配
角度の異なるテーパ面を軸方向の異なる位置に設けたた
め、最大勾配角度のテーパ面を同一高さに配置すること
ができる。したがって、この同一高さのテーパ面により
ピストンはカシメ時に調心され、良好なかしめ作業を行
うことができる。
【0015】第4発明は、第2発明に基づき、前記位置
決め装置は、ピストンの凹球面部及びシューの凸球面部
を互いに嵌挿した状態で、かつ凹球面部を上方に向けて
配置したピストンの凹球面部と反対側の端面を水平方向
に摺動自在に載置する基準台と、シューの摺動面側を上
方から押し付ける押し付け手段とを備え、複数のローラ
はそれぞれ、同一勾配角度のテーパ面を軸方向の同一位
置に有する構成としている。
【0016】第4発明の構成によれば、シューとピスト
ンとを上下方向にして基準台に載置したため、ローラで
の転圧時の軸方向の力は基準台で受けることとなり、製
造装置を構造な簡単で、しかも軽量化して製造可能であ
る。また、ピストンは水平方向に摺動可能な基準台に載
置されるので、シューを押し付け手段で押し付けた場合
にシューとピストンとは凸球面部と凹球面部のそれぞれ
の曲面当りとなり調心する。したがって、基準台に載置
する場合にその位置は多少ずれても支障はなく、ロボッ
トによる取り付け、取り外し作業も容易になる。さら
に、複数個のローラをピストンの外周部の所定位置に配
設し、各ローラの軸方向の同一位置に同一勾配角度のテ
ーパ面を設けたため、かしめ時にピストンを調心する力
が発生し、ピストンは良好なかしめ品質が得られる。
【0017】第5発明は、第4発明に基づき、位置決め
装置の押し付け手段は緩衝部材を有し、緩衝部材を介し
てシューの摺動面側を押し付ける構成としている。
【0018】第5発明の構成によれば、緩衝部材を設け
たためにシューとピストンとは水平方向への多少の移動
は可能となる。したがって、かしめ時にローラにより定
められる調心位置に倣って移動し、各ローラから均一に
無理のないかしめ作業が行われ、シューとピストンとが
滑らかに摺動する良好なシュー付ピストンを製造でき
る。
【0019】第6発明は、斜板型液圧回転機のピストン
及びシューのそれぞれに設けられた凹球面部及び凸球面
部を互いに嵌挿した状態でピストンの凹球面部の外縁部
をかしめ、ピストンとシューとを摺動自在に結合してな
るシュー付ピストンにおいて、ピストンの凹球面部の球
面中心近傍を通り、かつピストンの軸心に直交する平面
上のピストンの外周面に所定幅で所定深さの環状溝を設
け、この環状溝よりも軸心方向先端側をかしめた構成と
している。
【0020】第6発明の構成によれば、ピストンの外周
面に環状溝を設けたため、小さなかしめ力で容易にかし
めることができ、かつ、かしめ時のスプリングバッグに
よるふくらみは無くなる。また、ピストンの凹球面部の
端部への突出量も低減される。これにより、シリンダ穴
の内面の損傷がなくなので寿命を長期化でき、突出部が
無いので取り扱いが容易となり、良質なシュー付ピスト
ンが得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る実施形態に
ついて図2〜4を参照して詳述する。
【0022】図2は、シュー付ピストン製造装置20の
構成図である。フレーム27に基準台21が固設されて
おり、ピストン11の凹球面部12を上方に向けて直立
させた状態で凹球面部12と反対側の端面が水平方向に
摺動自在に基準台21上に載置される。基準台21の上
方には、押し付け手段22が配設されている。押し付け
手段22は、押し付け部材23と、シュー13及びピス
トン11を位置決めするセンタ24と、緩衝部材26と
を備えている。すなわち、フレーム27の上部で、かつ
基準台21に対向する位置には昇降自在に押し付け部材
23が取着されており、押し付け部材23の下部には、
センタ24の上部に設けられたバネ受け25が押し付け
部材23に対して上下方向に摺動可能で、かつ水平方向
にも多少の自由度を持って移動自在に装着されている。
押し付け部材23とバネ受け25との間にはバネ等より
なる緩衝部材26が配設されており、センタ24は緩衝
部材26により下方に付勢されている。またシュー13
の摺動面15には、センタ穴16が設けられている。上
記において、基準台21と押し付け手段22とは位置決
め装置を構成している。すなわち、基準台21上に直立
させたピストン11の凹球面部12にシュー13の凸球
面部14を嵌挿した状態で、押し付け手段22の押し付
け部材23を下降させると、センタ24の下端部がシュ
ー13のセンタ穴16に挿入され、押し付け部材23は
緩衝部材26を介してセンタ24によりシュー13及び
ピストン11を上方から押し付けて位置決めするように
なっている。
【0023】ピストン11の上端部の外周には、第1ロ
ーラ30a、第2ローラ30b及び第3ローラ30cの
3個のローラが詳細は図3にて示すがピストン11の半
径方向及び円周方向に等間隔で配設されている。第1,
第2,第3ローラ30a,30b,30cの外周面に
は、所定の勾配角度のテーパ面が設けられている。図2
においては第1実施形態のテーパ面を示しており、第1
ローラ30aは最大勾配角度α(例えば20°)の第1
テーパ面31aと、これに隣接し、最大勾配角度αより
も小さい勾配角度β(例えば8°)の第2テーパ面31
bとを有し、また第2,第3ローラ30b,30cは共
に最大勾配角度αの第1テーパ面31aを有している。
したがって、第1ローラ30aのテーパ面は20°と8
°を有している。また第1,第2,第3ローラ30a,
30b,30cは、それぞれの第1テーパ面31aが全
て同一高さに位置するように設けられている。
【0024】また、ピストン11の凹球面部12の球面
中心近傍を通り、かつピストン11の軸心に直交する平
面上のピストン11の外周面には、所定幅で、所定深さ
の環状溝17が設けられている。尚図2においては、環
状溝17の断面形状を円弧状に設けているが、本発明は
この形状に限定しない。
【0025】図3は、図2のA−A矢視図である。同図
に示すように、ピストン11の上端部の外周には、第1
ローラ30a、第2ローラ30b及び第3ローラ30c
の3個のローラがピストン11の半径方向及び円周方向
に等間隔で配設されている。第1,第2,第3ローラ3
0a,30b,30cはそれぞれ図示の矢印の方向に自
転すると共に、ピストン11の軸心に向けて半径方向に
移動自在となっている。
【0026】次に、かしめ方法及び作動について説明す
る。 1)基準台21上のほぼ所定位置に、ピストン11を凹
球面部12を上向きにして載置する。 2)次に、凹球面部12にシュー13の凸球面部14を
嵌挿する。 3)次に、押し付け部材23を下降させ、シュー13の
センタ穴16にセンタ24の先端部を挿入する。押し付
け部材23は緩衝部材26を介してセンタ24によりシ
ュー13を下方に押し付け、位置決めする。ピストン1
1は、凹球面部12とシュー13の凸球面部14との曲
面どうしの倣いによって、シュー13の凸球面部14の
中心がピストン11の軸心と一致するように基準台21
上を摺動して調心され、所定位置に位置決めされる。 4)次に、第1,第2,第3ローラ30a,30b,3
0cを回転させ、ピストン11に向けて半径方向に移動
させる。第1,第2,第3ローラ30a,30b,30
cがピストン11の上端部の外縁部に当接すると、3個
のローラの第1テーパ面31aが同一高さに位置してお
り、ピストン11が基準台21上に摺動自在に載置され
ており、さらにセンタ24も緩衝部材26を介して多少
の自由度をもって付勢されているので、ピストン11及
びシュー13は曲面に倣い調心され、3個のローラの第
1テーパ面31aから等しい位置に基準台21上を摺動
して移動し、位置決めされる。 5)第1,第2,第3ローラ30a,30b,30cは
図3の矢印に示す方向に回転し、図2の細い破線に示す
ように、さらにピストン11に向けて押し付けることに
より、ピストン11は矢印方向に回転しながら転圧され
てかしめられる。すなわち、ピストン11の上端部は図
2の細い2点鎖線に示す所定位置にかしめられてシュー
13を摺動自在に結合し、これによりシュー付ピストン
10が製造される。
【0027】上記のような製造装置及び製造方法によっ
てピストン11のかしめ作業を行うので、以下のような
効果が得られる。 1)第1ローラ30aは勾配角度の小さい第2テーパ面
31bを有しているため、第2テーパ面31bによりピ
ストン11の外周面がふくらむのが防止される。また、
ピストン11の外周面には所定幅で所定深さの環状溝1
7が設けられているため、ピストン11の外周面が直径
より大きくふくらむことはなく、また外周面が圧延され
ないのでピストン11の端面から上方に突出する量も少
なくなる。よって、摺動面の損傷が無くなり、斜板型液
圧回転機の寿命が向上する。 2)ピストン11は調心されて複数(本実施形態では3
個)のローラにより均一にかしめられるため、ピストン
11とシュー13との球面部での摺動が滑らかとなり、
回転抵抗が少ない斜板型液圧回転機が得られる。 3)かしめ時にはピストン11に下向きの大きな力が加
わるが、基準台21が受けるため、製造装置の剛性が高
く、構造が簡単で、しかも小型で軽量にすることができ
る。 4)ピストン11は調心作用があるため、最初にピスト
ン11を基準台21に載置する場合、所定位置におおま
かに載置すればよく、高い位置精度は必要ない。このた
め、ロボット等で載置するのが非常に容易である。 5)かしめ終了後、シュー付ピストン10をロボット等
で取り出す場合、従来は図5において、第1,第2位置
決めセンタ51,52でシュー付ピストン10を支持し
た状態のままロボット等でピストン11を把持し、次に
第1,第2位置決めセンタ51,52を外すのを待って
ロボット等で搬出する必要があるため、把持及び搬出の
タイミングをとるための時間を要し、よって搬送時間が
多くなり、作業効率が悪いという問題がある。本実施形
態によると、ピストン11を基準台21上に載置してい
るので、押し付け部材23を上昇させると共に、ロボッ
ト等でシュー付ピストン10を把持するようにし、この
後センタ24の先端部がシュー13の摺動面15から離
脱すると同時にロボット等で取り出し可能となる。した
がって、ロボット等で取り出す場合のサイクルタイムが
早くなり、作業効率を向上できる。
【0028】図4は、第2実施形態のテーパ面を有する
ローラでピストンをかしめた場合を示す図である。本実
施形態の各ローラは、それぞれ勾配角度α,γ,δのテ
ーパ面31a,31b,31cをピストン11の軸方向
の異なる位置に有する。例えば、勾配角度α,γ,δは
それぞれ20°、10°、5°である。このような構成
により、ピストン11のかしめ面はなだらかなほぼ曲線
に近い形状となり、良好なかしめ品質が得られる。この
場合、各ローラのテーパ面の勾配角度は例えば第1ロー
ラ30aでは20°、第2ローラ30bでは20°と1
0°、第3ローラ30cでは20°と5°とする。な
お、他の実施例として、ローラのテーパ面の組み合わせ
は、それぞれ第1ローラ30aでは20°と10°、第
2ローラ30bでは20°と8°、第3ローラ30cで
は20°と5°の勾配角度であってもよい。また、ロー
ラを4個とし、第1ローラ及び第2ローラは20°と8
°、第3ローラは20°と5°、第4ローラは20°と
10°の勾配角度のテーパ面をそれぞれ組み合わせて有
していてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】斜板型液圧回転機例の油圧モータの側面断面図
である。
【図2】本発明に係るシュー付ピストン製造装置の構成
図である。
【図3】図2のA−A矢視図である。
【図4】第2実施形態のテーパ面を有するローラでかし
めたピストンの形状を示す図である。
【図5】従来のシュー付ピストン製造装置の構成図であ
る。
【図6】図5のC−C矢視図である。
【図7】従来のシュー付ピストン製造装置でかしめたピ
ストン形状を示す図である。
【符号の説明】
10:シュー付ピストン、11:ピストン、12:先端
球面穴、13:シュー、14:球面凸部、15:摺動
面、16:センタ穴、17:環状溝、20:シュー付ピ
ストン製造装置、21:基準台、22:押し付け手段、
23:押し付け部材、24:センタ、25:バネ受け、
26:緩衝部材、27:フレーム、30a:第1ロー
ラ、30b:第2ローラ、30c:第3ローラ、31
a:第1テーパ面、31b:第2テーパ面。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 斜板型液圧回転機のピストン(11)及びシ
    ュー(13)のそれぞれに設けられた凹球面部(12)及び凸球
    面部(14)を互いに嵌挿した後、ピストン(11)の凹球面部
    (12)の外縁部を複数のローラにより転圧してかしめ、ピ
    ストン(11)とシュー(13)とを摺動自在に結合してなるシ
    ュー付ピストン(10)を製造するシュー付ピストンの製造
    方法において、外周面にそれぞれ異なる勾配角度のテー
    パ面(31a,31b,31c) を有する複数のローラ(30a,30b,30
    c) の前記外周面をピストン(11)の凹球面部(12)の外縁
    部に当接させ、それぞれのローラ(30a,30b,30c) をピス
    トン(11)の軸心に向かう方向に所定の位置まで押し付け
    て凹球面部(12)の先端側から凹球面部(12)中央に向って
    縮径しながらかしめることを特徴とするシュー付ピスト
    ンの製造方法。
  2. 【請求項2】 斜板型液圧回転機のピストン(11)及びシ
    ュー(13)のそれぞれに設けられた凹球面部(12)及び凸球
    面部(14)を互いに嵌挿した状態でピストン(11)の軸心と
    略一致する回転軸回りに回転自在に位置決めする位置決
    め装置と、位置決め装置の回転軸の周囲にこの回転軸へ
    接近又は離反する方向に移動自在に、かつ回転自在に配
    設されると共に、外周面に所定勾配角度のテーパ面を有
    する複数のローラとを備え、位置決め装置により凹球面
    部(12)及び凸球面部(14)を位置決めした状態で、回転す
    る複数のローラによりピストン(11)の凹球面部(12)の外
    縁部を押し付けてかしめ、ピストン(11)とシュー(13)と
    を摺動自在に結合してなるシュー付ピストン(10)を製造
    するシュー付ピストンの製造装置において、複数のロー
    ラ(30a,30b,30c) は、外周面にそれぞれ異なる勾配角度
    のテーパ面(31a,31b,31c) を有することを特徴とするシ
    ュー付ピストンの製造装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のシュー付ピストンの製造
    装置において、複数のローラ(30a,30b,30c) はそれぞ
    れ、最大勾配角度のテーパ面(31a) とこれよりも小さい
    勾配角度のテーパ面(31b,31c) とを軸方向の異なる位置
    に有することを特徴とするシュー付ピストンの製造装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のシュー付ピストンの製造
    装置において、前記位置決め装置は、ピストン(11)の凹
    球面部(12)及びシュー(13)の凸球面部(14)を互いに嵌挿
    した状態で、かつ凹球面部(12)を上方に向けて配置した
    ピストン(11)の凹球面部(12)と反対側の端面を水平方向
    に摺動自在に載置する基準台(21)と、シュー(13)の摺動
    面(15)側を上方から押し付ける押し付け手段(22)とを備
    え、複数のローラ(30a,30b,30c) はそれぞれ、同一勾配
    角度のテーパ面(31a) を軸方向の同一位置に有すること
    を特徴とするシュー付ピストンの製造装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のシュー付ピストンの製造
    装置において、位置決め装置の押し付け手段(22)は緩衝
    部材(26)を有し、緩衝部材(26)を介してシュー(13)の摺
    動面(15)側を押し付けることを特徴とするシュー付ピス
    トンの製造装置。
  6. 【請求項6】 斜板型液圧回転機のピストン(11)及びシ
    ュー(13)のそれぞれに設けられた凹球面部(12)及び凸球
    面部(14)を互いに嵌挿した状態でピストン(11)の凹球面
    部(12)の外縁部をかしめ、ピストン(11)とシュー(13)と
    を摺動自在に結合してなるシュー付ピストン(10)におい
    て、ピストン(11)の凹球面部(12)の球面中心近傍を通
    り、かつピストン(11)の軸心に直交する平面上のピスト
    ン(11)の外周面に所定幅で所定深さの環状溝(17)を設
    け、この環状溝(17)よりも軸心方向先端側をかしめたこ
    とを特徴とするシュー付ピストン。
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