JP4007438B2 - シュー付ピストン並びにその製造方法及びその製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、斜板式の油圧ポンプや油圧モータ等(以後、斜板型液圧回転機と言う)のシュー付ピストンとその製造装置とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、斜板式の油圧ポンプや油圧モータ等は多くの産業分野で汎用的に広く利用されている。図1は、斜板型液圧回転機の一例としての油圧モータの構成例を示す側面断面図である。軸方向の一端側が閉塞した筒状のケース2aの他端側にはエンドカバー2bが取着されている。ケース2aには一端側に斜板3が内設されており、駆動軸6がケース2a及びエンドカバー2bの軸心上に斜板3を貫通して軸受け7a,7bを介して回転自在に支承されている。駆動軸6にはシリンダブロック8がスプライン6aを介して取着されており、シリンダブロック8に円周上に軸方向に設けられた複数個のシリンダ穴9にはピストン11が摺動自在に嵌入されている。ピストン11の先端部には凹球面部12が設けられており、凹球面部12にシュー13の一端部に設けられた凸球面部14を嵌合して凹球面部12の先端部を縮径することにより、揺動自在に結合し、シュー付ピストン10を構成している。シュー13の他端部に設けられた摺動面15は斜板3に摺動自在に当接している。ケース2aの斜板3の対向面には弁板4が配設され、弁板4はシリンダブロック8に摺動自在に当接しており、弁板4にはシリンダ穴9の圧油を供給又は排出するポート5が設けられている。ポート5はケース2aに設けられた図示しない圧油の給排通路と接続している。
【0003】
上記構成による作動について説明する。図示しない油圧源からポート5に送られた圧油はシリンダ穴9に流入し、ピストン11を斜板3側に押す。そして、シュー13はピストン11を介して斜板3に押し付けられる。ここで、斜板3はピストン11の軸心に対して傾斜しているため、シュー13の摺動面15は斜板3上を摺動し、この反力によりシリンダブロック8は回転する。これに伴い、駆動軸6も回転して回転力を発生する。
【0004】
このとき、ピストン11の作動のときにシュー13とピストン11との縮径部(カシメ部)には非常に大きな引き抜き力が作用するので、引き抜きに対するカシメ部の強度を大きく維持することがシュー付ピストン10を製造する際の重要な課題となっている。
【0005】
以下に、従来のシュー付ピストンの製造装置について説明する。従来のロールによるかしめ盤は、横型のねじ転造盤の改造タイプが主流である。図5はこの従来技術に係るシュー付ピストン製造装置50の構成を示す側面一部断面図であり、図6は図5のC−C矢視図である。図5に示すように水平線X−X上には、シュー13及びピストン11の位置決めを行う第1位置決めセンタ51及び第2位置決めセンタ52が配設されている。図5及び図6に示すように、第2位置決めセンタ52の前方の下方にはピストン11を支持するワーク受け台53が設けられ、ピストン11の一端部の左右には一対のかしめ用のローラ54,54が自転可能で、かつ左右方向に(つまりピストン11に接近又は離反する方向に)移動自在に配設されている。ローラ54の外周面には、所定の勾配角度α(例えば20°)のテーパ面55が設けられている。シュー13の凸球面部14と反対側の端部にはセンタ穴16が設けられており、またピストン11の凹球面部12と反対側の端部にはセンタ穴56が設けられている。
【0006】
上記のようなシュー付ピストン製造装置50によるシュー付ピストン10の製造方法について、以下に説明する。
1)ピストン11の凹球面部12にシュー13の凸球面部14を挿入して横置きし、ピストン11をワーク受け台53により支持する。
2)次に、シュー13のセンタ穴16に第1位置決めセンタ51の先端部を挿入し、ピストン11のセンタ穴56に第2位置決めセンタ52を挿入し、シュー13及びピストン11の位置決めを行う。この後、ワーク受け台53は下方に退避する。
3)次に、図6に示す矢印57の方向に自転するローラ54,54を左右からピストン11の凹球面部12の外縁部に押し付ける。これにより、ピストン11はローラ54との間の摩擦力により矢印58の方向に回転しながらかしめられる。
4)次に、図7に示すようにローラ54,54をピストン11の軸心に向かう方向に所定の位置まで移動させ、ピストン11の凹球面部12の外縁部を図示の破線位置から実線位置までかしめ、凹球面部12と凸球面部14との間に所定の隙間を設けて回動自在に結合する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のシュー付ピストンの製造装置及び製造方法においては以下のような問題点がある。
1)図7に示すように、ローラ54のテーパ面55により転圧するピストン11の外縁部の箇所は、シュー13の凸球面部14の球面中心よりも軸心方向の少し先端側となっている。このため、転圧したときに転圧部近傍でスプリングバックが発生してピストン11の外周部(図中のM部)が膨らむという現象が発生し、この膨らみによりピストン11とシリンダ穴9との摺動面が損傷したり、摺動が滑らかでない等の問題がある。又、転圧時にピストン11の外周面が圧延され、ピストン11の端面のN部が先端側に突出するので、作業者の取り扱いが困難であるという問題がある。
2)かしめ時に第1,第2位置決めセンタ51,52の軸心と2個のローラ54,54の中心との間にずれがあると、かしめ部がひずんだり、又は必要以上に縮径されたりして、かしめ箇所の摺動面が滑らかに動かないという不良が発生する。また、そのまま長時間使用すると異常磨耗や焼きつき等の原因となり、ついには破損に至る場合がある。そのため、第1,第2位置決めセンタ51,52の位置と、ワーク受け台53と、ローラ54,54との相対位置を正確に位置決めする必要があり、よって高い機械精度が要求されるので製造装置が高価になる。また、図5に示すように、かしめ時にローラ54のテーパ面55の作用でピストン11には図の右向きの大きな力が加わり、機械強度を増す必要がある。そのため、製造装置は構造が複雑で、大型になるという問題がある。
【0008】
本発明は上記の問題点に着目し、かしめ時のピストンの外周部の膨らみが無く、かしめ部の先端部突出量が少なく、精度の良いかしめ作業が容易に可能で、しかも小型、軽量化が可能なシュー付ピストンとその製造方法ならびにその製造装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段、作用および効果】
上記の目的を達成するために、本発明に係る第1発明のシュー付ピストンの製造方法は、斜板型液圧回転機のピストン及びシューのそれぞれに設けられた凹球面部及び凸球面部を互いに嵌挿した後、ピストンの凹球面部の外縁部を複数のローラにより転圧してかしめ、ピストンとシューとを摺動自在に結合してなるシュー付ピストンを製造するシュー付ピストンの製造方法において、外周面にそれぞれ異なる勾配角度のテーパ面を有し、かつ少なくとも1つのローラは外周面に勾配角度が異なる複数のテーパ面を軸方向の異なる位置に有する複数のローラの前記外周面をピストンの凹球面部の外縁部に当接させ、それぞれのローラをピストンの軸心に向かう方向に所定の位置まで押し付けて凹球面部の先端側から凹球面部中央に向って縮径しながらかしめる方法としている。
【0010】
第1発明の方法によれば、勾配角度の異なるテーパ面を有する複数のローラでピストンの凹球面部側の一端部の外縁部に当接させ、これらのローラを所定の位置まで押し付けてかしめるので、かしめ面を小さい勾配角度から大きい勾配角度へとなだらかに逐次変化させることが可能である。したがって、かしめ時のスプリングバックを低減することができ、ピストン外周面のふくらみを防止することができる。
【0011】
また本発明に係る第2発明のシュー付ピストンの製造装置は、斜板型液圧回転機のピストン及びシューのそれぞれに設けられた凹球面部及び凸球面部を互いに嵌挿した状態でピストンの軸心と略一致する回転軸回りに回転自在に位置決めする位置決め装置と、位置決め装置の回転軸の周囲にこの回転軸へ接近又は離反する方向に移動自在に、かつ回転自在に配設されると共に、外周面に所定勾配角度のテーパ面を有する複数のローラとを備え、位置決め装置により凹球面部及び凸球面部を位置決めした状態で、回転する複数のローラによりピストンの凹球面部の外縁部を押し付けてかしめ、ピストンとシューとを摺動自在に結合してなるシュー付ピストンを製造するシュー付ピストンの製造装置において、複数のローラは、外周面にそれぞれ異なる勾配角度のテーパ面を有し、かつそのうちの少なくとも1つのローラは、外周面に勾配角度が異なる複数のテーパ面を軸方向の異なる位置に有する構成としている。
【0012】
第2発明の構成によれば、勾配角度の異なるテーパ面を有する複数個のローラを備えているため、かしめ面を連続して逐次変化させることができる。したがって、かしめ面は滑らかになり、スプリングバックによるピストン外周面のふくらみを防止できる。
【0013】
第3発明は、第2発明に基づき、複数のローラはそれぞれ、最大勾配角度のテーパ面とこれよりも小さい勾配角度のテーパ面とを軸方向の異なる位置に有する構成としている。
【0014】
第3発明の構成によれば、各ローラに勾配角度の異なるテーパ面を軸方向の異なる位置に設けたため、最大勾配角度のテーパ面を同一高さに配置することができる。したがって、この同一高さのテーパ面によりピストンはカシメ時に調心され、良好なかしめ作業を行うことができる。
【0015】
第4発明は、第2発明に基づき、前記位置決め装置は、ピストンの凹球面部及びシューの凸球面部を互いに嵌挿した状態で、かつ凹球面部を上方に向けて配置したピストンの凹球面部と反対側の端面を水平方向に摺動自在に載置する基準台と、シューの摺動面側を上方から押し付ける押し付け手段とを備え、複数のローラはそれぞれ、同一勾配角度のテーパ面を軸方向の同一位置に有する構成としている。
【0016】
第4発明の構成によれば、シューとピストンとを上下方向にして基準台に載置したため、ローラでの転圧時の軸方向の力は基準台で受けることとなり、製造装置を構造な簡単で、しかも軽量化して製造可能である。また、ピストンは水平方向に摺動可能な基準台に載置されるので、シューを押し付け手段で押し付けた場合にシューとピストンとは凸球面部と凹球面部のそれぞれの曲面当りとなり調心する。したがって、基準台に載置する場合にその位置は多少ずれても支障はなく、ロボットによる取り付け、取り外し作業も容易になる。さらに、複数個のローラをピストンの外周部の所定位置に配設し、各ローラの軸方向の同一位置に同一勾配角度のテーパ面を設けたため、かしめ時にピストンを調心する力が発生し、ピストンは良好なかしめ品質が得られる。
【0017】
第5発明は、第4発明に基づき、位置決め装置の押し付け手段は緩衝部材を有し、緩衝部材を介してシューの摺動面側を押し付ける構成としている。
【0018】
第5発明の構成によれば、緩衝部材を設けたためにシューとピストンとは水平方向への多少の移動は可能となる。したがって、かしめ時にローラにより定められる調心位置に倣って移動し、各ローラから均一に無理のないかしめ作業が行われ、シューとピストンとが滑らかに摺動する良好なシュー付ピストンを製造できる。
【0019】
第6発明は、斜板型液圧回転機のピストン及びシューのそれぞれに設けられた凹球面部及び凸球面部を互いに嵌挿した状態でピストンの凹球面部の外縁部をかしめ、ピストンとシューとを摺動自在に結合してなるシュー付ピストンにおいて、ピストンの凹球面部の球面中心近傍を通り、かつピストンの軸心に直交する平面上のピストンの外周面に所定幅で所定深さの環状溝を設け、この環状溝よりも軸心方向先端側をかしめた構成としている。
【0020】
第6発明の構成によれば、ピストンの外周面に環状溝を設けたため、小さなかしめ力で容易にかしめることができ、かつ、かしめ時のスプリングバッグによるふくらみは無くなる。また、ピストンの凹球面部の端部への突出量も低減される。これにより、シリンダ穴の内面の損傷がなくなので寿命を長期化でき、突出部が無いので取り扱いが容易となり、良質なシュー付ピストンが得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る実施形態について図2〜4を参照して詳述する。
【0022】
図2は、シュー付ピストン製造装置20の構成図である。フレーム27に基準台21が固設されており、ピストン11の凹球面部12を上方に向けて直立させた状態で凹球面部12と反対側の端面が水平方向に摺動自在に基準台21上に載置される。基準台21の上方には、押し付け手段22が配設されている。押し付け手段22は、押し付け部材23と、シュー13及びピストン11を位置決めするセンタ24と、緩衝部材26とを備えている。すなわち、フレーム27の上部で、かつ基準台21に対向する位置には昇降自在に押し付け部材23が取着されており、押し付け部材23の下部には、センタ24の上部に設けられたバネ受け25が押し付け部材23に対して上下方向に摺動可能で、かつ水平方向にも多少の自由度を持って移動自在に装着されている。押し付け部材23とバネ受け25との間にはバネ等よりなる緩衝部材26が配設されており、センタ24は緩衝部材26により下方に付勢されている。またシュー13の摺動面15には、センタ穴16が設けられている。上記において、基準台21と押し付け手段22とは位置決め装置を構成している。すなわち、基準台21上に直立させたピストン11の凹球面部12にシュー13の凸球面部14を嵌挿した状態で、押し付け手段22の押し付け部材23を下降させると、センタ24の下端部がシュー13のセンタ穴16に挿入され、押し付け部材23は緩衝部材26を介してセンタ24によりシュー13及びピストン11を上方から押し付けて位置決めするようになっている。
【0023】
ピストン11の上端部の外周には、第1ローラ30a、第2ローラ30b及び第3ローラ30cの3個のローラが詳細は図3にて示すがピストン11の半径方向及び円周方向に等間隔で配設されている。第1,第2,第3ローラ30a,30b,30cの外周面には、所定の勾配角度のテーパ面が設けられている。図2においては第1実施形態のテーパ面を示しており、第1ローラ30aは最大勾配角度α(例えば20°)の第1テーパ面31aと、これに隣接し、最大勾配角度αよりも小さい勾配角度β(例えば8°)の第2テーパ面31bとを有し、また第2,第3ローラ30b,30cは共に最大勾配角度αの第1テーパ面31aを有している。したがって、第1ローラ30aのテーパ面は20°と8°を有している。また第1,第2,第3ローラ30a,30b,30cは、それぞれの第1テーパ面31aが全て同一高さに位置するように設けられている。
【0024】
また、ピストン11の凹球面部12の球面中心近傍を通り、かつピストン11の軸心に直交する平面上のピストン11の外周面には、所定幅で、所定深さの環状溝17が設けられている。尚図2においては、環状溝17の断面形状を円弧状に設けているが、本発明はこの形状に限定しない。
【0025】
図3は、図2のA−A矢視図である。同図に示すように、ピストン11の上端部の外周には、第1ローラ30a、第2ローラ30b及び第3ローラ30cの3個のローラがピストン11の半径方向及び円周方向に等間隔で配設されている。第1,第2,第3ローラ30a,30b,30cはそれぞれ図示の矢印の方向に自転すると共に、ピストン11の軸心に向けて半径方向に移動自在となっている。
【0026】
次に、かしめ方法及び作動について説明する。
1)基準台21上のほぼ所定位置に、ピストン11を凹球面部12を上向きにして載置する。
2)次に、凹球面部12にシュー13の凸球面部14を嵌挿する。
3)次に、押し付け部材23を下降させ、シュー13のセンタ穴16にセンタ24の先端部を挿入する。押し付け部材23は緩衝部材26を介してセンタ24によりシュー13を下方に押し付け、位置決めする。ピストン11は、凹球面部12とシュー13の凸球面部14との曲面どうしの倣いによって、シュー13の凸球面部14の中心がピストン11の軸心と一致するように基準台21上を摺動して調心され、所定位置に位置決めされる。
4)次に、第1,第2,第3ローラ30a,30b,30cを回転させ、ピストン11に向けて半径方向に移動させる。第1,第2,第3ローラ30a,30b,30cがピストン11の上端部の外縁部に当接すると、3個のローラの第1テーパ面31aが同一高さに位置しており、ピストン11が基準台21上に摺動自在に載置されており、さらにセンタ24も緩衝部材26を介して多少の自由度をもって付勢されているので、ピストン11及びシュー13は曲面に倣い調心され、3個のローラの第1テーパ面31aから等しい位置に基準台21上を摺動して移動し、位置決めされる。
5)第1,第2,第3ローラ30a,30b,30cは図3の矢印に示す方向に回転し、図2の細い破線に示すように、さらにピストン11に向けて押し付けることにより、ピストン11は矢印方向に回転しながら転圧されてかしめられる。すなわち、ピストン11の上端部は図2の細い2点鎖線に示す所定位置にかしめられてシュー13を摺動自在に結合し、これによりシュー付ピストン10が製造される。
【0027】
上記のような製造装置及び製造方法によってピストン11のかしめ作業を行うので、以下のような効果が得られる。
1)第1ローラ30aは勾配角度の小さい第2テーパ面31bを有しているため、第2テーパ面31bによりピストン11の外周面がふくらむのが防止される。また、ピストン11の外周面には所定幅で所定深さの環状溝17が設けられているため、ピストン11の外周面が直径より大きくふくらむことはなく、また外周面が圧延されないのでピストン11の端面から上方に突出する量も少なくなる。よって、摺動面の損傷が無くなり、斜板型液圧回転機の寿命が向上する。
2)ピストン11は調心されて複数(本実施形態では3個)のローラにより均一にかしめられるため、ピストン11とシュー13との球面部での摺動が滑らかとなり、回転抵抗が少ない斜板型液圧回転機が得られる。
3)かしめ時にはピストン11に下向きの大きな力が加わるが、基準台21が受けるため、製造装置の剛性が高く、構造が簡単で、しかも小型で軽量にすることができる。
4)ピストン11は調心作用があるため、最初にピストン11を基準台21に載置する場合、所定位置におおまかに載置すればよく、高い位置精度は必要ない。このため、ロボット等で載置するのが非常に容易である。
5)かしめ終了後、シュー付ピストン10をロボット等で取り出す場合、従来は図5において、第1,第2位置決めセンタ51,52でシュー付ピストン10を支持した状態のままロボット等でピストン11を把持し、次に第1,第2位置決めセンタ51,52を外すのを待ってロボット等で搬出する必要があるため、把持及び搬出のタイミングをとるための時間を要し、よって搬送時間が多くなり、作業効率が悪いという問題がある。本実施形態によると、ピストン11を基準台21上に載置しているので、押し付け部材23を上昇させると共に、ロボット等でシュー付ピストン10を把持するようにし、この後センタ24の先端部がシュー13の摺動面15から離脱すると同時にロボット等で取り出し可能となる。したがって、ロボット等で取り出す場合のサイクルタイムが早くなり、作業効率を向上できる。
【0028】
図4は、第2実施形態のテーパ面を有するローラでピストンをかしめた場合を示す図である。
本実施形態の各ローラは、それぞれ勾配角度α,γ,δのテーパ面31a,31b,31cをピストン11の軸方向の異なる位置に有する。例えば、勾配角度α,γ,δはそれぞれ20°、10°、5°である。このような構成により、ピストン11のかしめ面はなだらかなほぼ曲線に近い形状となり、良好なかしめ品質が得られる。この場合、各ローラのテーパ面の勾配角度は例えば第1ローラ30aでは20°、第2ローラ30bでは20°と10°、第3ローラ30cでは20°と5°とする。
なお、他の実施例として、ローラのテーパ面の組み合わせは、それぞれ第1ローラ30aでは20°と10°、第2ローラ30bでは20°と8°、第3ローラ30cでは20°と5°の勾配角度であってもよい。また、ローラを4個とし、第1ローラ及び第2ローラは20°と8°、第3ローラは20°と5°、第4ローラは20°と10°の勾配角度のテーパ面をそれぞれ組み合わせて有していてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】斜板型液圧回転機例の油圧モータの側面断面図である。
【図2】本発明に係るシュー付ピストン製造装置の構成図である。
【図3】図2のA−A矢視図である。
【図4】第2実施形態のテーパ面を有するローラでかしめたピストンの形状を示す図である。
【図5】従来のシュー付ピストン製造装置の構成図である。
【図6】図5のC−C矢視図である。
【図7】従来のシュー付ピストン製造装置でかしめたピストン形状を示す図である。
【符号の説明】
10:シュー付ピストン、11:ピストン、12:先端球面穴、13:シュー、14:球面凸部、15:摺動面、16:センタ穴、17:環状溝、20:シュー付ピストン製造装置、21:基準台、22:押し付け手段、23:押し付け部材、24:センタ、25:バネ受け、26:緩衝部材、27:フレーム、30a:第1ローラ、30b:第2ローラ、30c:第3ローラ、31a:第1テーパ面、31b:第2テーパ面。
Claims (6)
- 斜板型液圧回転機のピストン(11)及びシュー(13)のそれぞれに設けられた凹球面部(12)及び凸球面部(14)を互いに嵌挿した後、ピストン(11)の凹球面部(12)の外縁部を複数のローラにより転圧してかしめ、ピストン(11)とシュー(13)とを摺動自在に結合してなるシュー付ピストン(10)を製造するシュー付ピストンの製造方法において、
外周面にそれぞれ異なる勾配角度のテーパ面(31a,31b,31c)
を有し、かつ少なくとも1つのローラは外周面に勾配角度が異なる複数のテーパ面 (31a,31b,31c) を軸方向の異なる位置に有する複数のローラ(30a,30b,30c)
の前記外周面をピストン(11)の凹球面部(12)の外縁部に当接させ、それぞれのローラ(30a,30b,30c) をピストン(11)の軸心に向かう方向に所定の位置まで押し付けて凹球面部(12)の先端側から凹球面部(12)中央に向って縮径しながらかしめる
ことを特徴とするシュー付ピストンの製造方法。 - 斜板型液圧回転機のピストン(11)及びシュー(13)のそれぞれに設けられた凹球面部(12)及び凸球面部(14)を互いに嵌挿した状態でピストン(11)の軸心と略一致する回転軸回りに回転自在に位置決めする位置決め装置と、位置決め装置の回転軸の周囲にこの回転軸へ接近又は離反する方向に移動自在に、かつ回転自在に配設されると共に、外周面に所定勾配角度のテーパ面を有する複数のローラとを備え、位置決め装置により凹球面部(12)及び凸球面部(14)を位置決めした状態で、回転する複数のローラによりピストン(11)の凹球面部(12)の外縁部を押し付けてかしめ、ピストン(11)とシュー(13)とを摺動自在に結合してなるシュー付ピストン(10)を製造するシュー付ピストンの製造装置において、
複数のローラ(30a,30b,30c) は、外周面にそれぞれ異なる勾配角度のテーパ面(31a,31b,31c)
を有し、かつそのうちの少なくとも1つのローラは、外周面に勾配角度が異なる複数のテーパ面 (31a,31b,31c) を軸方向の異なる位置に有する
ことを特徴とするシュー付ピストンの製造装置。 - 請求項2記載のシュー付ピストンの製造装置において、
複数のローラ(30a,30b,30c) はそれぞれ、最大勾配角度のテーパ面(31a)
とこれよりも小さい勾配角度のテーパ面(31b,31c) とを軸方向の異なる位置に有する
ことを特徴とするシュー付ピストンの製造装置。 - 請求項2記載のシュー付ピストンの製造装置において、
前記位置決め装置は、ピストン(11)の凹球面部(12)及びシュー(13)の凸球面部(14)を互いに嵌挿した状態で、かつ凹球面部(12)を上方に向けて配置したピストン(11)の凹球面部(12)と反対側の端面を水平方向に摺動自在に載置する基準台(21)と、シュー(13)の摺動面(15)側を上方から押し付ける押し付け手段(22)とを備え、
複数のローラ(30a,30b,30c) はそれぞれ、同一勾配角度のテーパ面(31a)
を軸方向の同一位置に有する
ことを特徴とするシュー付ピストンの製造装置。 - 請求項4記載のシュー付ピストンの製造装置において、
位置決め装置の押し付け手段(22)は緩衝部材(26)を有し、緩衝部材(26)を介してシュー(13)の摺動面(15)側を押し付ける
ことを特徴とするシュー付ピストンの製造装置。 - 斜板型液圧回転機のピストン(11)及びシュー(13)のそれぞれに設けられた凹球面部(12)及び凸球面部(14)を互いに嵌挿した状態でピストン(11)の凹球面部(12)の外縁部をかしめ、ピストン(11)とシュー(13)とを摺動自在に結合してなるシュー付ピストン(10)において、
ピストン(11)の凹球面部(12)の球面中心近傍を通り、かつピストン(11)の軸心に直交する平面上のピストン(11)の外周面に所定幅で所定深さの環状溝(17)を設け、この環状溝(17)よりも軸心方向先端側をかしめた
ことを特徴とするシュー付ピストン。
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JP13517299A JP4007438B2 (ja) | 1999-05-17 | 1999-05-17 | シュー付ピストン並びにその製造方法及びその製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP13517299A JP4007438B2 (ja) | 1999-05-17 | 1999-05-17 | シュー付ピストン並びにその製造方法及びその製造装置 |
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