JP3079666B2 - 超仕上研削盤用砥石振動装置 - Google Patents
超仕上研削盤用砥石振動装置Info
- Publication number
- JP3079666B2 JP3079666B2 JP20634591A JP20634591A JP3079666B2 JP 3079666 B2 JP3079666 B2 JP 3079666B2 JP 20634591 A JP20634591 A JP 20634591A JP 20634591 A JP20634591 A JP 20634591A JP 3079666 B2 JP3079666 B2 JP 3079666B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- eccentric shaft
- shaft
- grindstone
- vibrating
- grinding wheel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
- Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は超仕上研削盤に取り付け
られる砥石振動装置、特に玉軸受の外輪または内輪のボ
ール軌道面を超仕上研削加工する場合に超仕上砥石を該
ボール軌道面の円弧中心点で回転振動させるとともに該
ボール軌道面に対して圧接，退避可能に保持する超仕上
研削盤の砥石振動装置に関する。
られる砥石振動装置、特に玉軸受の外輪または内輪のボ
ール軌道面を超仕上研削加工する場合に超仕上砥石を該
ボール軌道面の円弧中心点で回転振動させるとともに該
ボール軌道面に対して圧接，退避可能に保持する超仕上
研削盤の砥石振動装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】玉軸受の外輪あるいは内輪のボール軌道
面を砥石にて超仕上加工する場合は、前記外輪あるいは
内輪となるワークの片端面を主軸台の主軸先端に保持し
て回転させるとともにスティック状砥石をワークの被加
工周面溝に半径方向から加圧接触させ、同時に前記ステ
ィック状砥石を前記ワークの縦断面上における前記被加
工周面溝の円弧中心線のまわりに回転振動（揺動）させ
る方法がとられる。この方法においては、主軸へのワー
ク着脱時に前記スティック状砥石をワークに対して上昇
させ、研削動作に入る時に下降させることが必要とな
る。従来は前記砥石の加圧接触機構および前述の上下動
機構として油（空）圧のシリンダ装置が採用され、ワー
クの垂直中心線上の真上に砥石ホルダ（アーム）の上下
動シリンダおよび加圧シリンダが互いに同軸となるよう
に配置するか、あるいは砥石ホルダをワーク主軸線の方
向に伸長させ、レバー等を介して砥石の加圧および上下
動シリンダを含んだ砥石ホルダ支持ユニットを設けてい
た。また前記スティック状砥石の回転振動時の低イナー
シャを図り、高速振動を可能にしたものとしては、ボー
ル軌道面の前記円弧中心線の延長線上に軸支された振動
軸に取り付け、砥石ホルダをスライド機構を介して前記
上下動シリンダ機構部により直線方向に上下動させ、砥
石加圧シリンダのみを前記砥石ホルダのワーク真上位置
に具備するようにした超仕上研削加工装置が開示されて
いる（特開平３−１２１７７１号公報および特開平３−
１２１７７２号公報）。
面を砥石にて超仕上加工する場合は、前記外輪あるいは
内輪となるワークの片端面を主軸台の主軸先端に保持し
て回転させるとともにスティック状砥石をワークの被加
工周面溝に半径方向から加圧接触させ、同時に前記ステ
ィック状砥石を前記ワークの縦断面上における前記被加
工周面溝の円弧中心線のまわりに回転振動（揺動）させ
る方法がとられる。この方法においては、主軸へのワー
ク着脱時に前記スティック状砥石をワークに対して上昇
させ、研削動作に入る時に下降させることが必要とな
る。従来は前記砥石の加圧接触機構および前述の上下動
機構として油（空）圧のシリンダ装置が採用され、ワー
クの垂直中心線上の真上に砥石ホルダ（アーム）の上下
動シリンダおよび加圧シリンダが互いに同軸となるよう
に配置するか、あるいは砥石ホルダをワーク主軸線の方
向に伸長させ、レバー等を介して砥石の加圧および上下
動シリンダを含んだ砥石ホルダ支持ユニットを設けてい
た。また前記スティック状砥石の回転振動時の低イナー
シャを図り、高速振動を可能にしたものとしては、ボー
ル軌道面の前記円弧中心線の延長線上に軸支された振動
軸に取り付け、砥石ホルダをスライド機構を介して前記
上下動シリンダ機構部により直線方向に上下動させ、砥
石加圧シリンダのみを前記砥石ホルダのワーク真上位置
に具備するようにした超仕上研削加工装置が開示されて
いる（特開平３−１２１７７１号公報および特開平３−
１２１７７２号公報）。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】上述した砥石加圧シリ
ンダおよび上下動シリンダをワーク中心の真上に配置し
たり、レバー外端部の砥石ホルダ支持ユニット上に砥石
加圧シリンダおよび上下動シリンダを互いに同軸配置し
た従来装置は砥石回転振動時の慣性重量が大きく、高速
回転振動を行うと砥石加圧力が周期的に変化し、要求さ
れる加工精度を維持できなくなるという問題がある。こ
れに対し前記砥石上下動シリンダ機構部を砥石加圧シリ
ンダから分離して振動軸に設けた前述の超仕上研削加工
装置は、砥石ホルダ側の低イナーシャ化が可能で砥石の
高速振動ひいては加工時間の短縮を図り得る点で優れて
いるが、上下動シリンダと砥石ホルダを連結するスライ
ド機構がダブテールを用いた直線移動機構のため完全に
防塵することが困難であり、また振動軸を直径方向から
上下動シリンダ機構部の一対のピストンが挟持して上下
動作するので、このピストンを動作させる油（空）圧ホ
ースも振動軸の回転振動動作でシリンダとともに揺動
し、ホースの寿命低下，破損を招き易いという問題があ
る。
ンダおよび上下動シリンダをワーク中心の真上に配置し
たり、レバー外端部の砥石ホルダ支持ユニット上に砥石
加圧シリンダおよび上下動シリンダを互いに同軸配置し
た従来装置は砥石回転振動時の慣性重量が大きく、高速
回転振動を行うと砥石加圧力が周期的に変化し、要求さ
れる加工精度を維持できなくなるという問題がある。こ
れに対し前記砥石上下動シリンダ機構部を砥石加圧シリ
ンダから分離して振動軸に設けた前述の超仕上研削加工
装置は、砥石ホルダ側の低イナーシャ化が可能で砥石の
高速振動ひいては加工時間の短縮を図り得る点で優れて
いるが、上下動シリンダと砥石ホルダを連結するスライ
ド機構がダブテールを用いた直線移動機構のため完全に
防塵することが困難であり、また振動軸を直径方向から
上下動シリンダ機構部の一対のピストンが挟持して上下
動作するので、このピストンを動作させる油（空）圧ホ
ースも振動軸の回転振動動作でシリンダとともに揺動
し、ホースの寿命低下，破損を招き易いという問題があ
る。
【０００４】そこで本発明は、ワーク中心の真上に砥石
加圧シリンダのみを配置して極低イナーシャによる高速
振動を確保するとともに、砥石が円弧運動でワークに接
離するように該砥石の作動を偏心軸の回転運動で行わ
せ、これによってワークに対する砥石の接離動作をスム
ーズにしかつ完全防塵を可能とし、またその駆動源とな
る上下動シリンダを固定側の砥石台に設置し、油（空）
圧ホースの揺動を排除した超仕上研削盤用砥石振動装置
を提供することにある。
加圧シリンダのみを配置して極低イナーシャによる高速
振動を確保するとともに、砥石が円弧運動でワークに接
離するように該砥石の作動を偏心軸の回転運動で行わ
せ、これによってワークに対する砥石の接離動作をスム
ーズにしかつ完全防塵を可能とし、またその駆動源とな
る上下動シリンダを固定側の砥石台に設置し、油（空）
圧ホースの揺動を排除した超仕上研削盤用砥石振動装置
を提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明による超仕上研削
盤用砥石振動装置は、砥石台に旋回可能に軸支された偏
心軸と、該偏心軸をその外周軸線のまわりに旋回させる
偏心軸旋回駆動機構と、前記偏心軸に該偏心軸の内周軸
線と同芯に回転可能に挿通されかつ先端に砥石ホルダが
固着された振動軸と、該振動軸に連結され該振動軸をそ
の軸線まわりに回転振動させる振動軸駆動機構とを有
し、前記振動軸はその軸線がワークの被加工周面溝の縦
断面上の円弧中心線と一致するように配置されている。
盤用砥石振動装置は、砥石台に旋回可能に軸支された偏
心軸と、該偏心軸をその外周軸線のまわりに旋回させる
偏心軸旋回駆動機構と、前記偏心軸に該偏心軸の内周軸
線と同芯に回転可能に挿通されかつ先端に砥石ホルダが
固着された振動軸と、該振動軸に連結され該振動軸をそ
の軸線まわりに回転振動させる振動軸駆動機構とを有
し、前記振動軸はその軸線がワークの被加工周面溝の縦
断面上の円弧中心線と一致するように配置されている。
【０００６】
【作用】本発明においては、砥石台に軸支した中空の偏
心軸に振動軸を偏心して軸支し、砥石ホルダを前記振動
軸の軸端に固着し、前記偏心軸をクランプした状態で前
記振動軸をその軸線まわりに高速で回転振動させること
により、ワークの超仕上研削を行う。ワークの装填時あ
るいは排出時の砥石の逃げ（退避）動作は、前記偏心軸
のクランプを解除して該偏心軸を前記振動軸の軸線とは
異なる軸線まわりに、つまり該偏心軸の外周軸線まわり
に回転させる。これによって前記振動軸は前記偏心軸の
回転軸線を中心として旋回し、ホルダ先端の砥石は円弧
状に上昇あるいは下降してワークから離れ、あるいはワ
ークに接触する。このように砥石の上下動作は偏心軸の
回転で行うので該偏心軸および前記振動軸の軸支部のシ
ールのみで完全な防塵を図ることができる。砥石加圧シ
リンダはホルダのワーク真上に設けられ、前記偏心軸は
研削加工時の砥石の回転振動や砥石加圧とは関係なくな
るため、極低イナーシャで高速振動が可能となり、加工
能率が上がりコスト低減が図られる。前記偏心軸を回転
させるシリンダは砥石台に固定設置されるのでホースが
揺動せず、ホース切れが防止される。なお偏心軸は加工
動作時に油（空）圧クランプされるので偏心軸に組み込
まれる振動軸のころがり軸受のフレッティングも防止さ
れる。
心軸に振動軸を偏心して軸支し、砥石ホルダを前記振動
軸の軸端に固着し、前記偏心軸をクランプした状態で前
記振動軸をその軸線まわりに高速で回転振動させること
により、ワークの超仕上研削を行う。ワークの装填時あ
るいは排出時の砥石の逃げ（退避）動作は、前記偏心軸
のクランプを解除して該偏心軸を前記振動軸の軸線とは
異なる軸線まわりに、つまり該偏心軸の外周軸線まわり
に回転させる。これによって前記振動軸は前記偏心軸の
回転軸線を中心として旋回し、ホルダ先端の砥石は円弧
状に上昇あるいは下降してワークから離れ、あるいはワ
ークに接触する。このように砥石の上下動作は偏心軸の
回転で行うので該偏心軸および前記振動軸の軸支部のシ
ールのみで完全な防塵を図ることができる。砥石加圧シ
リンダはホルダのワーク真上に設けられ、前記偏心軸は
研削加工時の砥石の回転振動や砥石加圧とは関係なくな
るため、極低イナーシャで高速振動が可能となり、加工
能率が上がりコスト低減が図られる。前記偏心軸を回転
させるシリンダは砥石台に固定設置されるのでホースが
揺動せず、ホース切れが防止される。なお偏心軸は加工
動作時に油（空）圧クランプされるので偏心軸に組み込
まれる振動軸のころがり軸受のフレッティングも防止さ
れる。
【０００７】
【実施例】次に本発明を実施例について図面を参照して
説明する。図１および図２は本発明に係る超仕上研削盤
の砥石とワークの接触，離間状態を示した拡大縦断面図
である。図１の場合は玉軸受外輪１のボール軌道面１ａ
の超仕上加工、図２は玉軸受内輪２の軌道面２ａの超仕
上加工について示している。いずれもボール軌道面１
ａ，２ａは外輪，内輪（ワーク）の縦断面でみてＡ点を
中心とする円弧面で形成される。この円弧中心点Ａはま
たスティック状砥石３の研削時における回転振動の中心
点となっており、砥石３はこの点Ａを通りワークの軸線
方向に直角な水平円弧中心線のまわりに回転振動する。
なお後述するように研削時にはこの円弧中心線は振動軸
の軸線と一致している。Ｂ点はＡ点を通るワーク軸線と
平行な水平線上で該Ａ点よりｅだけ離れた点であり、こ
のＢ点を中心に砥石３が上方へ旋回することによりワー
クと干渉せずにボール軌道面１ａ，２ａから離れ、ワー
クの排出が可能となる。Ｃ点は砥石３の旋回上昇時のＡ
点の移行点である。なお後述するようにＢ点は偏心軸の
外周軸線上に位置する。
説明する。図１および図２は本発明に係る超仕上研削盤
の砥石とワークの接触，離間状態を示した拡大縦断面図
である。図１の場合は玉軸受外輪１のボール軌道面１ａ
の超仕上加工、図２は玉軸受内輪２の軌道面２ａの超仕
上加工について示している。いずれもボール軌道面１
ａ，２ａは外輪，内輪（ワーク）の縦断面でみてＡ点を
中心とする円弧面で形成される。この円弧中心点Ａはま
たスティック状砥石３の研削時における回転振動の中心
点となっており、砥石３はこの点Ａを通りワークの軸線
方向に直角な水平円弧中心線のまわりに回転振動する。
なお後述するように研削時にはこの円弧中心線は振動軸
の軸線と一致している。Ｂ点はＡ点を通るワーク軸線と
平行な水平線上で該Ａ点よりｅだけ離れた点であり、こ
のＢ点を中心に砥石３が上方へ旋回することによりワー
クと干渉せずにボール軌道面１ａ，２ａから離れ、ワー
クの排出が可能となる。Ｃ点は砥石３の旋回上昇時のＡ
点の移行点である。なお後述するようにＢ点は偏心軸の
外周軸線上に位置する。
【０００８】図３は本発明の実施例による超仕上研削盤
用砥石振動装置の縦断面図であり、図４は図３のＤ−Ｄ
線正面断面図である。研削盤の加工テーブル上に固定さ
れた砥石台２２に中空の偏心軸１０の外周面がテーパロ
ーラ軸受１２によって回転可能に軸支されている。偏心
軸１０の内周面は該軸１０の外周面に対してｅだけ偏心
しており、この内周偏心軸線と一致して振動軸４が偏心
軸１０にアンギュラボール軸受２３を介して挿通されて
いる。振動軸４の先端（ワーク側）には側面視コ字状と
なった砥石ホルダ５が取り付けられ、この砥石ホルダの
先端に図１，図２で説明したスティック状超仕上用砥石
が取り付けられる。ワークの真上位置の砥石ホルダ上部
には前記砥石をワークの被加工周溝（実施例ではボール
軌道面）に押し付ける砥石加圧シリンダ７が搭載され
る。振動軸４の後端部はクランクシャフト９を介して回
転モータ（図示省略）に連結され、該モータの一方向連
続回転により振動軸４はその軸線まわりに所定角度範囲
の高速回転振動を行うようになっている。
用砥石振動装置の縦断面図であり、図４は図３のＤ−Ｄ
線正面断面図である。研削盤の加工テーブル上に固定さ
れた砥石台２２に中空の偏心軸１０の外周面がテーパロ
ーラ軸受１２によって回転可能に軸支されている。偏心
軸１０の内周面は該軸１０の外周面に対してｅだけ偏心
しており、この内周偏心軸線と一致して振動軸４が偏心
軸１０にアンギュラボール軸受２３を介して挿通されて
いる。振動軸４の先端（ワーク側）には側面視コ字状と
なった砥石ホルダ５が取り付けられ、この砥石ホルダの
先端に図１，図２で説明したスティック状超仕上用砥石
が取り付けられる。ワークの真上位置の砥石ホルダ上部
には前記砥石をワークの被加工周溝（実施例ではボール
軌道面）に押し付ける砥石加圧シリンダ７が搭載され
る。振動軸４の後端部はクランクシャフト９を介して回
転モータ（図示省略）に連結され、該モータの一方向連
続回転により振動軸４はその軸線まわりに所定角度範囲
の高速回転振動を行うようになっている。
【０００９】図４に明示されるように偏心軸１０の下側
周部と砥石台２２の偏心軸挿入孔部との間に両部材の周
面と密着する偏心軸クランプ受台１３が設けられ、この
クランプ受台１３に対向するように砥石台２２の上部に
偏心軸クランプ装置２５が設けられている。偏心軸クラ
ンプ装置２５は砥石台２２上部に固定されたクランプシ
リンダ１５と、クランプシリンダ１５内を油圧力で上下
に移動するクランプピストン１６と、クランプピストン
１６の下端と偏心軸１０の上側周部との間に介在された
クランプスペーサ１４とを有し、シリンダ室２６内への
油圧力導入によりクランプスペーサ１４を介して偏心軸
１０がクランプ受台１３に押圧されて偏心軸１０のクラ
ンプがなされるようになっている。クランプスペーサ１
４の偏心軸軸方向両端部にはクランプスペーサ回り止め
用のピン２４が突出し、該ピン２４の先端が偏心軸１０
を軸支するテーパローラ軸受１２のシール装置２７と対
峙している（図３）。なおクランプシリンダ１５の上端
板とクランプピストン１６との間にはクランプピストン
１６を介して常時クランプスペーサ１４を偏心軸１０に
軽く押し付ける作用をする圧縮ばね１７が設けられてい
る。図３に示すように偏心軸１０と振動軸４との間およ
び偏心軸１０と砥石台２２との間にはシール装置２８，
２９が設けられ、これによって本砥石振動装置の回転部
は完全防塵構造とされている。
周部と砥石台２２の偏心軸挿入孔部との間に両部材の周
面と密着する偏心軸クランプ受台１３が設けられ、この
クランプ受台１３に対向するように砥石台２２の上部に
偏心軸クランプ装置２５が設けられている。偏心軸クラ
ンプ装置２５は砥石台２２上部に固定されたクランプシ
リンダ１５と、クランプシリンダ１５内を油圧力で上下
に移動するクランプピストン１６と、クランプピストン
１６の下端と偏心軸１０の上側周部との間に介在された
クランプスペーサ１４とを有し、シリンダ室２６内への
油圧力導入によりクランプスペーサ１４を介して偏心軸
１０がクランプ受台１３に押圧されて偏心軸１０のクラ
ンプがなされるようになっている。クランプスペーサ１
４の偏心軸軸方向両端部にはクランプスペーサ回り止め
用のピン２４が突出し、該ピン２４の先端が偏心軸１０
を軸支するテーパローラ軸受１２のシール装置２７と対
峙している（図３）。なおクランプシリンダ１５の上端
板とクランプピストン１６との間にはクランプピストン
１６を介して常時クランプスペーサ１４を偏心軸１０に
軽く押し付ける作用をする圧縮ばね１７が設けられてい
る。図３に示すように偏心軸１０と振動軸４との間およ
び偏心軸１０と砥石台２２との間にはシール装置２８，
２９が設けられ、これによって本砥石振動装置の回転部
は完全防塵構造とされている。
【００１０】図３および図５を参照すれぼ、偏心軸１０
の後端部に環状の偏心軸旋回用平歯車１１がボルトによ
って固着され、またこの平歯車１１の両側の砥石台部分
に一対の偏心軸旋回用シリンダ３０，３１（図３には図
示されず）が設けられている。前記平歯車１１はその両
側部が部分的に各シリンダ３０，３１内に入り込み，各
シリンダ３０，３１内のラックピストン１８，１９と噛
み合うようになっている。ラックピストン１８と１９は
それらのシリンダ３０，３１にもたらされる油（空）圧
力により互いに反対方向に同時移動し、これによって平
歯車１１，したがって偏心軸１０は時計方向あるいは反
時計方向に偏心軸外周軸線まわりに旋回する。偏心軸１
０のこのような旋回動により該偏心軸１０に偏心保持さ
れた振動軸４および砥石ホルダ５は図１，図２で既に説
明したように偏心軸外周軸線のまわりに、つまり図１，
図２のＢ点のまわりに円弧状の上下動作を行う。例えば
振動軸４を上昇旋回させるときはシリンダ３０のポート
Ｆおよびシリンダ３１のポートＧに油（空）圧を送り、
この状態から下降旋回させるときはシリンダ３０のポー
トＥ，シリンダ３１のポートＨに油（空）圧を導入す
る。なお偏心軸１０の０点調整はシリンダ３０の上端に
設けた０点調整用ボルト２０で行い、旋回角度の調整は
他方のシリンダ３１の上端の旋回角度調整ボルト２１で
行うようになっている。
の後端部に環状の偏心軸旋回用平歯車１１がボルトによ
って固着され、またこの平歯車１１の両側の砥石台部分
に一対の偏心軸旋回用シリンダ３０，３１（図３には図
示されず）が設けられている。前記平歯車１１はその両
側部が部分的に各シリンダ３０，３１内に入り込み，各
シリンダ３０，３１内のラックピストン１８，１９と噛
み合うようになっている。ラックピストン１８と１９は
それらのシリンダ３０，３１にもたらされる油（空）圧
力により互いに反対方向に同時移動し、これによって平
歯車１１，したがって偏心軸１０は時計方向あるいは反
時計方向に偏心軸外周軸線まわりに旋回する。偏心軸１
０のこのような旋回動により該偏心軸１０に偏心保持さ
れた振動軸４および砥石ホルダ５は図１，図２で既に説
明したように偏心軸外周軸線のまわりに、つまり図１，
図２のＢ点のまわりに円弧状の上下動作を行う。例えば
振動軸４を上昇旋回させるときはシリンダ３０のポート
Ｆおよびシリンダ３１のポートＧに油（空）圧を送り、
この状態から下降旋回させるときはシリンダ３０のポー
トＥ，シリンダ３１のポートＨに油（空）圧を導入す
る。なお偏心軸１０の０点調整はシリンダ３０の上端に
設けた０点調整用ボルト２０で行い、旋回角度の調整は
他方のシリンダ３１の上端の旋回角度調整ボルト２１で
行うようになっている。
【００１１】軸受外輪あるいは内輪のボール軌道面の超
仕上加工を行うときは偏心軸１０をクランプ装置２５の
油（空）圧力によって砥石台２２にクランプするととも
に振動軸４を前記Ａ点上で回転振動させ、かつ主軸に保
持したワークの外輪または内輪を軸芯まわりに回転させ
て研削する。研削後ワークを排出するときは偏心軸１０
のクランプを解除し、上述した偏心軸旋回用シリンダ３
０，３１により偏心軸１０を例えば１０゜〜１５゜旋回
させることで砥石３が上昇旋回してボール軌道面から逃
げ、これによってワークの排出あるいは次のワークの装
填が可能となる。ワーク装填後は砥石は逆に下降旋回し
てボール軌道面に接触し、次の加工動作に入る。ここで
偏心軸外周軸線に対する振動軸４の偏心量および偏心軸
の外周軸芯位置は、偏心軸１０が旋回したとき砥石とボ
ール軌道面が干渉しない偏心量および軸芯位置であれば
特に限定されない。図示実施例のワークの場合は、偏心
軸１０の外周軸芯位置がワークのボール軌道面の縦断面
上における円弧中心点Ａを含む水平平面Ｌ上またはこれ
より高い位置にあるとき砥石と前記ボール軌道面とが干
渉せずに砥石を逃がすことができる。
仕上加工を行うときは偏心軸１０をクランプ装置２５の
油（空）圧力によって砥石台２２にクランプするととも
に振動軸４を前記Ａ点上で回転振動させ、かつ主軸に保
持したワークの外輪または内輪を軸芯まわりに回転させ
て研削する。研削後ワークを排出するときは偏心軸１０
のクランプを解除し、上述した偏心軸旋回用シリンダ３
０，３１により偏心軸１０を例えば１０゜〜１５゜旋回
させることで砥石３が上昇旋回してボール軌道面から逃
げ、これによってワークの排出あるいは次のワークの装
填が可能となる。ワーク装填後は砥石は逆に下降旋回し
てボール軌道面に接触し、次の加工動作に入る。ここで
偏心軸外周軸線に対する振動軸４の偏心量および偏心軸
の外周軸芯位置は、偏心軸１０が旋回したとき砥石とボ
ール軌道面が干渉しない偏心量および軸芯位置であれば
特に限定されない。図示実施例のワークの場合は、偏心
軸１０の外周軸芯位置がワークのボール軌道面の縦断面
上における円弧中心点Ａを含む水平平面Ｌ上またはこれ
より高い位置にあるとき砥石と前記ボール軌道面とが干
渉せずに砥石を逃がすことができる。
【００１２】上述の実施例では偏心軸１０をころがり軸
受で砥石台２２に軸支するようにしたが、これ以外に例
えば偏心軸１０を静圧軸受でスラスト，ラジアル方向に
ついて支持し、該偏心軸の回転で振動軸４を円弧で上
昇，下降させるようにしてもよい。
受で砥石台２２に軸支するようにしたが、これ以外に例
えば偏心軸１０を静圧軸受でスラスト，ラジアル方向に
ついて支持し、該偏心軸の回転で振動軸４を円弧で上
昇，下降させるようにしてもよい。
【００１３】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、振
動軸のみに砥石加圧シリンダを取り付け、砥石をワーク
から離すための砥石上下動シリンダを砥石台の固定側に
設置したので、振動軸の回転振動は極低イナーシャとな
り、したがって高速振動が可能となり、加工能率を格段
に上げることができる。振動軸先端の砥石ホルダ，砥石
および砥石加圧シリンダ等は軽量にすることが容易で極
低イナーシャ化の支障とはならない。スティック状砥石
を上下動させる機構は偏心軸を中心とした旋回動作であ
るため、その軸支部のシールが容易であり、完全防塵を
達成できる。また砥石の上下動シリンダは固定設置であ
るため該シリンダに連結される油（空）圧ホースは揺動
せず寿命低下や破損をもたらさず、場合によっては剛体
管としてもよく、メンテナンスフリーとすることも可能
である。装置全体もきわめてコンパクトとなり、加工サ
イクルタイムの短縮とともに低コスト化を達成できる等
の効果がある。なお、加工動作時には偏心軸は油（空）
圧力でクランプするので偏心軸に組み込まれる振動軸の
ころがり軸受のフレッティングは起らない。
動軸のみに砥石加圧シリンダを取り付け、砥石をワーク
から離すための砥石上下動シリンダを砥石台の固定側に
設置したので、振動軸の回転振動は極低イナーシャとな
り、したがって高速振動が可能となり、加工能率を格段
に上げることができる。振動軸先端の砥石ホルダ，砥石
および砥石加圧シリンダ等は軽量にすることが容易で極
低イナーシャ化の支障とはならない。スティック状砥石
を上下動させる機構は偏心軸を中心とした旋回動作であ
るため、その軸支部のシールが容易であり、完全防塵を
達成できる。また砥石の上下動シリンダは固定設置であ
るため該シリンダに連結される油（空）圧ホースは揺動
せず寿命低下や破損をもたらさず、場合によっては剛体
管としてもよく、メンテナンスフリーとすることも可能
である。装置全体もきわめてコンパクトとなり、加工サ
イクルタイムの短縮とともに低コスト化を達成できる等
の効果がある。なお、加工動作時には偏心軸は油（空）
圧力でクランプするので偏心軸に組み込まれる振動軸の
ころがり軸受のフレッティングは起らない。
【図１】軸受外輪の超仕上加工におけるボール軌道面と
砥石との接離状態を示した縦断面図である。
砥石との接離状態を示した縦断面図である。
【図２】軸受内輪の超仕上加工におけるボール軌道面と
砥石との接離状態を示した縦断面図である。
砥石との接離状態を示した縦断面図である。
【図３】本発明の実施例による超仕上研削盤用砥石振動
装置の縦断面図である。
装置の縦断面図である。
【図４】図３のＤ−Ｄ線に沿った正面断面図である。
【図５】本発明の実施例による偏心軸旋回駆動機構の縦
断面図である。
断面図である。
１ 軸受外輪 ２ 軸受内輪 ３ スティック状砥石 ４ 振動軸 ５ 砥石ホルダ ７ 砥石加圧シリンダ １０ 偏心軸 １１ 偏心軸旋回用平歯車 １３ 偏心軸クランプ受台 １４ クランプスペーサ １５ クランプシリンダ １６ クランプピストン １８，１９ ラックピストン ２２ 砥石台 ３０，３１ 偏心軸旋回用シリンダ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−78286（ＪＰ，Ａ) 特開 昭49−92695（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−121771（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−121772（ＪＰ，Ａ) 実開 昭58−143104（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭50−43022（ＪＰ，Ｙ１) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B24B 35/00 B24B 41/04
Claims (4)
- 【請求項１】砥石台に旋回可能に軸支された偏心軸と、
該偏心軸をその外周軸線のまわりに旋回させる偏心軸旋
回駆動機構と、前記偏心軸に該偏心軸の内周軸線と同芯
に回転可能に挿通されかつ先端に砥石ホルダが固着され
た振動軸と、該振動軸に連結され該振動軸をその軸線ま
わりに回転振動させる振動軸駆動機構とを有し、前記振
動軸はその軸線がワークの被加工周面溝の縦断面上の円
弧中心線と一致するように配置されることを特徴とする
超仕上研削盤用砥石振動装置。 - 【請求項２】ワークの垂直中心線上で前記振動軸の砥石
ホルダ上に砥石加圧シリンダが保持されることを特徴と
する請求項第１項記載の超仕上研削盤用砥石振動装置。 - 【請求項３】前記砥石台に保持されかつ前記偏心軸の周
部を径方向に押圧するクランプシリンダを有することを
特徴とする請求項第１項または第２項記載の超仕上研削
盤用砥石振動装置。 - 【請求項４】前記偏心軸はその外周軸線が前記被加工周
面溝の前記円弧中心線を含む水平面上またはそれより上
方位置に存するように配置されることを特徴とする請求
項第１項ないし第３項記載の超仕上研削盤用砥石振動装
置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20634591A JP3079666B2 (ja) | 1991-07-23 | 1991-07-23 | 超仕上研削盤用砥石振動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20634591A JP3079666B2 (ja) | 1991-07-23 | 1991-07-23 | 超仕上研削盤用砥石振動装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0531665A JPH0531665A (ja) | 1993-02-09 |
| JP3079666B2 true JP3079666B2 (ja) | 2000-08-21 |
Family
ID=16521768
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20634591A Expired - Lifetime JP3079666B2 (ja) | 1991-07-23 | 1991-07-23 | 超仕上研削盤用砥石振動装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3079666B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002233940A (ja) * | 2001-02-02 | 2002-08-20 | Koyo Seiko Co Ltd | 超仕上げ装置 |
| CN107378746A (zh) * | 2017-08-14 | 2017-11-24 | 瓦房店远东轴承股份有限公司 | 一种推力调心滚子轴承内滚道超精机 |
| CN107363657A (zh) * | 2017-08-17 | 2017-11-21 | 宜兴市鼎锋模具制造有限公司 | 一种内孔精密研磨用机头 |
-
1991
- 1991-07-23 JP JP20634591A patent/JP3079666B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0531665A (ja) | 1993-02-09 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP2000513280A (ja) | 外面研磨機 | |
| JP3079666B2 (ja) | 超仕上研削盤用砥石振動装置 | |
| KR20030007125A (ko) | 봉형상 공작물의 센터리스연삭방법 및 센터리스연삭장치 | |
| CA1054374A (en) | Cylindrical grinder | |
| JP2767926B2 (ja) | 軸受内輪軌道面の超仕上研削加工装置 | |
| JPS61288971A (ja) | 精密仕上ホ−ニング盤 | |
| JP3751267B2 (ja) | 超仕上げ盤 | |
| GB1575251A (en) | Machine tools | |
| JP2767925B2 (ja) | 軸受外輪軌道面の超仕上研削加工装置 | |
| CN112959185A (zh) | 带有通孔的球型零件专用的砂带抛光设备 | |
| JPH03196936A (ja) | アンローディング装置 | |
| JP4060043B2 (ja) | 研磨装置 | |
| US5187900A (en) | Auxiliary device for a machine tool | |
| JPS635220B2 (ja) | ||
| CN218856456U (zh) | 磨球机 | |
| JP4245987B2 (ja) | 研削加工装置 | |
| JP3081293B2 (ja) | 転走面超仕上加工機における砥石揺動装置 | |
| JP2002137153A (ja) | 棒状工作物のセンタレス研削方法およびセンタレス研削装置 | |
| CN216830171U (zh) | 一种轴承滚子超精机 | |
| JPS59115152A (ja) | 研削機 | |
| JPS6315000Y2 (ja) | ||
| JPS62213954A (ja) | 硬脆材の外周面研削方法およびその装置 | |
| JPS6218363Y2 (ja) | ||
| JPH09300193A (ja) | カム研削盤用工作物位相決め駆動装置 | |
| JP2589681Y2 (ja) | プラトー表面加工用砥石工具 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080623 Year of fee payment: 8 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090623 Year of fee payment: 9 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100623 Year of fee payment: 10 |