JP3751267B2 - 超仕上げ盤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、環状被加工物、例えば、玉軸受などの内輪や外輪に形成された転走面を砥石にて超仕上げ加工する超仕上げ盤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、玉軸受の内輪の外周面または外輪の内周面には、断面略半円状の環状溝からなる転走面が形成されており、これらの転走面は、超仕上げ盤にて超仕上げ加工されている。すなわち、超仕上げ盤は、駆動ユニットにより支持回転されている内輪または外輪に形成された転走面の曲率中心と軸心を一致させて揺動軸を揺動させるとともに、揺動軸に設けたホルダーを下降させ、砥石を内輪または外輪の転走面に押し付けることにより、転走面の超仕上げ加工を行うものである(例えば、出願人の出願に係る特公昭63−5219号公報および特公昭63−5220号公報参照)。
【0003】
この場合、転走面に対する砥石の切削軌跡は、図5(b)に示すように、サインカーブとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、内輪や外輪などの環状被加工物を超仕上げ加工する場合、所定の粗さの砥石を所定の周期で揺動させて、すなわち、揺動軸を揺動させる揺動モーターの回転数を設定回転数で設定時間加工するようにしている。
【0005】
このような超仕上げ盤において、環状被加工物の回転数や、砥石の揺動数および揺動角度を大きくして加工時間の短縮を図ることが提案されているが、砥石に作用する周速および単位時間当たりの砥石の切削長さは、予め設定されており、環状被加工物の回転数を一定以上に大きくすることはできない。また、環状被加工物は、内径シューや外径シューによって支持されており、環状被加工物の回転数が大きくなると、シューが焼き付くため、シューの材質面からも環状被加工物の回転数は制約される。一方、砥石の揺動数および揺動角度を大きくすることも、機械の構造上、一定以上に大きくすることはできない。このように、環状被加工物の回転数や、砥石の揺動数および揺動角度を大きくして加工時間を短縮するには限界があった。
【0006】
また、超仕上げ盤においては、環状被加工物の加工幅に対応して砥石を交換する必要があった。すなわち、図10に示すように、環状被加工物Waの加工幅Lが、L1 からL2 へと大きくなったにも関わらず砥石Gを交換しなかった場合、加工面の一点に注目すると、加工幅L1 の場合には、ほぼ常時砥石Gによって加工されているのに対し、加工幅L2 の場合には、常時加工することはできず、その分、加工時間を余分に必要とするものである。したがって、加工時間を短縮するためには、砥石を交換する必要が生じ、その分、多くの治工具を必要とし、作業が煩雑になるという問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、超仕上げ加工の作業時間の短縮を図ることのできる超仕上げ盤を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、環状被加工物を、その軸心が水平な回転主軸の主軸心上に位置するように支持して回転させる駆動ユニットと、揺動軸心回りに揺動自在に軸支された揺動軸を有し、該揺動軸の揺動軸心が、回転主軸の主軸心を含む鉛直面において、駆動ユニットに支持された環状被加工物の外周加工面の曲率中心を通過する位置に配置された揺動ユニットと、駆動ユニットに支持された環状被加工物の外周加工面に臨む退避位置と加工位置との間で砥石を昇降させるとともに、砥石を環状被加工物の外周加工面に押圧可能な砥石ユニットと、から構成され、回転主軸の主軸心回りに回転する環状被加工物の外周加工面を、揺動軸の揺動軸心回りに揺動する砥石によって超仕上げ加工する超仕上げ盤において、前記揺動軸と同軸上に振幅軸を回転自在に軸支するとともに、振幅軸の先端に砥石ユニットを、その基端に連結部材をそれぞれ一体に連結し、また、揺動軸に、該揺動軸と連結部材を選択的に連結する連結シリンダおよび振幅モーターを設け、さらに、振幅モーターによって回転する回転軸を、その軸心が揺動軸心を含む鉛直面に対して左右方向にオフセットして連結部材に嵌合することを特徴とするものである。
【0009】
本発明によれば、環状被加工物を回転主軸の主軸心回りに回転させる一方、砥石を作業位置に下降させるとともに、回転する環状被加工物の外周加工面に押圧させ、さらに、揺動軸をその揺動軸心回りに揺動させる。ここで、連結シリンダを作動させ、連結部材を介して揺動軸を振幅軸に連結すれば、揺動軸の揺動に連動して振幅軸が揺動軸心回りに揺動し、振幅軸に設けられた砥石が環状被加工物の外周加工面を超仕上げ加工する。
【0010】
一方、振幅モーターを回転駆動すると、その出力軸に連結された回転軸も回転する。この場合、回転軸は、その軸心が揺動軸心を含む平面に対して左右方向にオフセットした位置にあって、連結部材の嵌合部に嵌合されているため、オフセット量の2倍の範囲で連結部材、すなわち、振幅軸を揺動軸心回りに揺動させる。このため、振幅軸、すなわち、砥石は、揺動軸の揺動と、振幅モーターの回転による微小な揺動とを同時に行って、環状被加工物の外周加工面を超仕上げ加工する。このような環状被加工物の外周加工面に対する砥石の切削軌跡は、揺動軸の揺動のみによる環状被加工物の外周加工面に対する砥石の切削軌跡に比較して、切削長さが大きくなる。
【0011】
この結果、砥石による単位時間あたりの切削量が大きくなることから、作業時間を短縮することができる。
【0012】
本発明は、環状被加工物を、その軸心が水平な回転主軸の主軸心上に位置するように支持して回転させる駆動ユニットと、揺動軸心回りに揺動自在に軸支された揺動軸を有し、該揺動軸の揺動軸心が、回転主軸の主軸心を含む鉛直面において、駆動ユニットに支持された環状被加工物の内周加工面の曲率中心を通過する位置と、駆動ユニットの主軸心方向に移動した離隔位置との間で水平方向に移動可能な揺動ユニットと、駆動ユニットに支持された環状被加工物の内周加工面に臨む退避位置と加工位置との間で砥石を昇降させるとともに、砥石を環状被加工物の内周加工面に押圧可能な砥石ユニットと、から構成され、回転主軸の主軸心回りに回転する環状被加工物の内周加工面を、揺動軸の揺動軸心回りに揺動する砥石によって超仕上げ加工する超仕上げ盤において、前記揺動軸と同軸上に振幅軸を回転自在に軸支するとともに、振幅軸の先端に砥石ユニットを、その基端に連結部材をそれぞれ一体に連結し、また、揺動軸に、該揺動軸と連結部材を選択的に連結する連結シリンダおよび振幅モーターを設け、さらに、振幅モーターによって回転する回転軸を、その軸心が揺動軸心を含む鉛直面に対して左右方向にオフセットして連結部材に嵌合することを特徴とするものである。
【0013】
本発明によれば、環状被加工物を回転主軸の主軸心回りに回転させる一方、揺動軸をその揺動軸心が環状被加工物の内周加工面の曲率中心を通過する位置に移動させた後、砥石を作業位置に下降させるとともに、回転する環状被加工物の内周加工面に押圧させ、さらに、揺動軸をその揺動軸心回りに揺動させる。ここで、連結シリンダを作動させ、連結部材を介して揺動軸を振幅軸に連結すれば、揺動軸の揺動に連動して振幅軸が揺動軸心回りに揺動し、振幅軸に設けられた砥石が環状被加工物の内周加工面を超仕上げ加工する。
【0014】
一方、振幅モーターを回転駆動すると、その出力軸に連結された回転軸も回転する。この場合、回転軸は、その軸心が揺動軸心を含む平面に対して左右方向にオフセットした位置にあって、連結部材の嵌合部に嵌合されているため、オフセット量の2倍の範囲で連結部材、すなわち、振幅軸を揺動軸心回りに揺動させる。このため、振幅軸、すなわち、砥石は、揺動軸の揺動と、振幅モーターの回転による微小な揺動とを同時に行って、環状被加工物の内周加工面を超仕上げ加工する。このような環状被加工物の内周加工面に対する砥石の切削軌跡は、揺動軸の揺動のみによる環状被加工物の内周加工面に対する砥石の切削軌跡に比較して、切削長さが大きくなる。
【0015】
この結果、砥石による単位時間あたりの切削量が大きくなることから、作業時間を短縮することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0017】
図1乃至図3には、本発明の超仕上げ盤1の一実施形態が示されている。
【0018】
この超仕上げ盤1は、環状被加工物W、具体的には、内輪Waの外周面に形成された転走面(以下、外周加工面という。)W1 を超仕上げ加工するものであり、基台2に設けられた内輪Waの駆動ユニット3と、基台2に摺動自在に設けられた揺動ユニット4と、砥石ユニット5と、揺動ユニット4に設けられた振幅ユニット6と、から構成されている。
【0019】
駆動ユニット3は、図3に示すように、水平な主軸心xを有する回転主軸31の先端にパッキングプレート32が固定された駆動ユニット本体33と、駆動ユニット本体33の前方に配置され、摺動部材34の先端に内径シュー35および回転自在な一対の押圧ローラ36を設けた押圧支持体37と、からなり、押圧支持体37の摺動部材34は、図示しないシリンダを介して駆動ユニット本体33の回転主軸31の主軸心xに沿って水平方向に摺動自在となっている。
【0020】
したがって、図示しないシリンダを介して摺動部材34が回転主軸31の主軸心xに沿ってパッキングプレート32に近接する位置に摺動した際、図示しない供給装置を介して駆動ユニット本体33のパッキングプレート32の前方に供給された内輪Waの内周面に内径シュー35が嵌挿されるとともに、内輪Waの端面に押圧ローラ36が当接される。この結果、内径シュー35によって内輪Waを支持するとともに、押圧ローラ36によって内輪Waをパッキングプレート32との間で押圧した状態で、回転主軸31を回転させることにより、その主軸心x回りに内輪Waを回転させることができる。
【0021】
ここで、内径シュー35に支持された内輪Waの中心と、回転主軸31の主軸心xの間には、適宜な大きさの偏心が形成されており、内輪Waは、その回転中、常に内径シュー35に対して押し付けられた状態となる、いわゆるシューセンタレス方式で支持回転される。
【0022】
揺動ユニット4は、前述した駆動ユニット3の側方に設けられ、基台2に対して水平方向に摺動自在な摺動体41と、摺動体41に設けられた揺動モーター42と、摺動体41に回転自在に軸支された回転軸43と、回転軸43の軸心と平行な揺動軸心yを有して摺動体41に回転自在に軸支された揺動軸44と、回転軸43の基端部および揺動軸44の基端部にわたって設けられたクランク機構45と、基台2と摺動体41間に配設された摺動シリンダ46と、からなり、摺動シリンダ46を伸縮作動させることにより、摺動体41を駆動ユニット3の回転主軸31の主軸心x方向に摺動させることができる。
【0023】
ここで、揺動軸44の揺動軸心yを含む水平面は、駆動ユニット3の回転主軸31の主軸心xを含む鉛直面において、回転主軸31の主軸心x回りに回転する内輪Waの外周加工面W1 の曲率中心O1 を含んでいる。
【0024】
この実施形態においては、予め摺動シリンダ46が伸長作動されて、摺動体41は基台2に対して駆動ユニット3の主軸心x方向に摺動させられており、この状態において、揺動軸44の揺動軸心yは、内輪Waの外周加工面W1 の曲率中心O1 を通過している。
【0025】
なお、クランク機構45は、回転軸43の基端部に固定された回転盤451と、揺動軸44の基端部に固定されたアーム452と、回転盤451の回転中心とオフセットした位置およびアーム452の先端部に各端部がそれぞれ回転自在に軸支された連結ロッド453と、からなり、回転軸43を揺動モーター42によって回転させることにより、回転盤451が回転し、回転盤451に連結された連結ロッド453を介してアーム452、すなわち、揺動軸44をその揺動軸心y回りに設定範囲にわたって揺動させることができる。
【0026】
この場合、回転軸43の回転軸心と、回転盤451に対する連結ロッド453の回転軸心とを含む平面が鉛直面となるとき、揺動軸44の揺動軸心yと、アーム452に対する連結ロッド453の回転軸心を含む平面が鉛直面となり、揺動軸44が揺動角度0に位置するように設定されている。
【0027】
砥石ユニット5は、図3に示すように、後述する振幅軸61と一体に連結されたホルダー51と、ホルダー51に固定された外筒52と、外筒52内に摺動自在に嵌挿された内筒53と、内筒53内に摺動自在に嵌挿されたピストン54と、外筒52と内筒53のピストン531間に配設されて、内筒53を上昇する方向に付勢するスプリング55と、からなり、内筒53に設けたガイド56に砥石Gが摺動自在に嵌挿されている。そして、外筒52には、内筒53のピストン531の背圧側に臨んでポート52aが形成され、内筒53にも、ピストン54の背圧側に臨んでポート53aが形成されている。
【0028】
したがって、外筒52のポート52aに作動流体、例えば、圧縮空気を供給することにより、内筒53をスプリング55の付勢力に抗して押し下げることができ、このとき、砥石Gは、内輪Waの外周加工面W1 を超仕上げ加工する作業位置に下降する。また、外筒52のポート52aを大気に開放することにより、スプリング55の付勢力により内筒53を押し上げることができ、このとき、砥石Gは、作業位置から上方の退避位置に上昇する。
【0029】
一方、砥石Gを作業位置に下降させた状態において、内筒53のポート53aに圧縮空気を供給することにより、ピストン54を介して砥石Gを内輪Waの外周加工面W1 に向けて設定圧力で押圧することができる。そして、砥石Gは、ピストン54を介して設定圧力で押圧されているために、超仕上げ加工によって磨耗したとしても、ガイド56に対して常に一定量だけ突出されている。
【0030】
振幅ユニット6は、揺動軸44の揺動軸心yと同一軸心上に位置して、揺動軸44に回転自在に軸支された振幅軸61と、前述したクランク機構45のアーム452の内方において、振幅軸61の基端に一体に連結され、直径方向に連結穴62aおよび嵌合部62bが形成された連結部材62(図4参照)と、揺動軸44に設けられた連結シリンダ63および振幅モーター64と、振幅モーター64の出力軸に連結された回転軸65と、からなり、振幅軸61の先端に砥石ユニット5のホルダー51が連結されている。そして、連結シリンダ63は、そのピストンロッド631が連結部材62の連結穴62aに対向して配置され、また、回転軸65が連結部材62の嵌合部62bに嵌合されている。
【0031】
ここで、回転軸65の回転軸心は、揺動軸心yを含む鉛直面に対して左右方向にc(図4参照)だけオフセットした位置に設けられている。
【0032】
したがって、連結シリンダ63を伸長作動させることにより、ピストンロッド631が連結部材62の連結穴62aに嵌挿し、連結部材62を介して揺動軸44と振幅軸61とを一体に連結することができる。また、連結シリンダ63を縮小作動させることより、ピストンロッド631が連結部材62の連結穴62aから離脱し、揺動軸44と振幅軸61とを切り離すことができる。この状態では、回転軸65が連結部材62の嵌合部62bに嵌合されていることにより、連結部材62を介して揺動軸44と振幅軸61とが連動される。
【0033】
一方、振幅モーター64を回転駆動させることにより、その出力軸を介して回転軸65を回転させることができる。この場合、回転軸65の回転軸心が揺動軸心yを含む鉛直面に対して左右方向にcだけオフセットした位置に設けられていることにより、オフセット量の2倍の距離(2c)だけ嵌合部62b、すなわち、連結部材62を介して振幅軸61を、その軸心(揺動軸心y)回りに揺動させるものである。
【0034】
次に、このように構成された超仕上げ盤1の作動について説明する。
【0035】
初期状態においては、摺動シリンダ46は伸長作動しており、摺動体41は、駆動ユニット3の主軸心x方向に移動しており、揺動軸44の揺動軸心yは、内輪Waの外周加工面W1 の曲率中心O1 を通過する位置にある。この際、砥石ユニット5の砥石Gは、内輪Waの外周加工面W1 を臨んで上方に退避している。
【0036】
この状態で、図示しない始動スイッチを操作すれば、図示しない供給装置から内輪Waが駆動ユニット3のパッキングプレート32に供給される。この際、摺動部材34が図示しないシリンダを介して前進し、内径シュー35が内輪Waの内周面に嵌入されて内輪Waを支持するとともに、押圧ローラ36がパッキングプレート32との間で内輪Waを押圧して挟み込む。そして、駆動ユニット3の回転主軸31が回転駆動すれば、内輪Waは、押圧支持体37の内径シュー35および押圧ローラ36に支持押圧されて、主軸心x回りに回転する。
【0037】
一方、連結シリンダ63を伸長作動させ、そのピストンロッド631を連結部材62の連結穴62aに嵌挿させることにより、連結部材62を介して揺動軸44と振幅軸61とを一体に連結する。この後、揺動モーター42を回転駆動させて、回転軸43を回転させれば、クランク機構45の回転盤451が回転し、連結ロッド453を介してアーム452、すなわち、揺動軸44をその揺動軸心y回りに設定範囲にわたって揺動させる。この際、揺動軸44は、連結シリンダ63および連結部材63を介して振幅軸61と一体に連結されていることにより、揺動軸44の揺動は、そのまま振幅軸61を揺動させる。
【0038】
また、振幅モーター64を回転させれば、その出力軸を介して回転軸65を回転させる。この場合、回転軸65は、その軸心が揺動軸44の揺動軸心yを含む鉛直面から距離cだけオフセットしていることにより、回転軸65が回転するとき、距離cの2倍の範囲で連結部材63を介して振幅軸61を揺動させることになる。このため、振幅軸61は、振幅モーター64の回転による微小な揺動を行いながら、揺動モーター42の回転による揺動を行うことになる。
【0039】
また、揺動軸44の揺動軸心yは、内輪Waの外周加工面W1 の曲率中心O1 を通過する位置にあることから、この状態で、ポート52aを通して圧縮流体を供給すれば、内筒53をスプリング55の付勢力に抗して押し下げることにより、砥石Gを内輪Waの外周加工面W1 を超仕上げ加工する作業位置に下降させることができる。さらに、内筒53のポート53aを通して圧縮空気を供給すれば、砥石Gをピストン54を介して内輪Waの外周加工面W1 に設定圧力で押圧することができる。
【0040】
ここで、砥石ユニット5のホルダー51が振幅軸61に連結されていることにより、前述した振幅軸61の揺動を砥石Gが行うことになる。すなわち、砥石Gは、揺動モーター42の回転により、内輪Waの外周加工面W1 の曲率中心O1 回りに揺動するとともに、その揺動の際、振幅モーター64の回転により、微小に揺動して、内輪Waの外周加工面W1 を超仕上げ加工(粗加工)することになる。
【0041】
この場合、砥石Gは、内輪Waの外周加工面W1 に対して、図5(a)に示す切削軌跡を描くことになる。
【0042】
粗加工が終了すれば、振幅モーター61の回転のみを停止させるとともに、揺動モーター42の回転数を大きくすれば、揺動軸44が粗加工時よりも短縮された周期で揺動し、その揺動を連結部材62および振幅軸61を介して砥石ユニット5の砥石Gに伝動する。したがって、砥石Gは、揺動軸心y、すなわち、内輪Waの外周加工面W1 の曲率中心O1 回りに揺動して、内輪Waの外周加工面W1 を超仕上げ加工(精加工)する。
【0043】
この場合、砥石Gは、内輪Waの外周加工面W1 に対して、図5(b)に示す切削軌跡を描くことになる。
【0044】
ここで、粗加工時の砥石Gの切削軌跡(図5(a)参照)と、精加工時の砥石Gの切削軌跡(図5(b)参照)とを比較すれば、粗加工時の砥石Gの切削長さが増大していることが明らかでる。
【0045】
この結果、揺動モーター42の回転による揺動と、振幅モーター64の回転による微小な揺動とを併用して内輪Waの外周加工面W1 を砥石Gによって超仕上げ加工することができ、従来の揺動軸心y回りの砥石Gの揺動による超仕上げ加工に比較して、単位時間当たりの切削長さを増大させることができ、その分加工時間を短縮することができる。したがって、精加工に要する作業時間が同一であるとしても、全体の作業時間は、粗加工の作業時間が短縮した分、短縮することになる。
【0046】
また、図10に示すように、内輪Waの幅が大きくなったとしても、砥石Gを交換する必要はない。すなわち、前述したように、砥石Gは、揺動モーター42の回転による揺動と、振幅モーター64の回転による微小な揺動とを併用した運動を行って内輪Waの外周加工面W1 を超仕上げ加工することができることから、従来の揺動モーター42の回転のみによる砥石Gの揺動による超仕上げ加工に比較して、切削長さが増大し、その分同一作業時間で多くの切削量を確保することができる。したがって、砥石Gを交換しなくても、内輪Waの幅に対応した大きな砥石Gを用いて超仕上げ加工した場合と同等の切削量を確保することができる。
【0047】
内輪Waの外周加工面W1 の超仕上げ加工が終了すれば、ポート52a,53aへの圧縮空気の供給を停止して、大気に開放すれば、スプリング55の付勢力により、砥石Gを内輪Waの外周加工面W1 の加工位置から上方の退避位置に上昇させることができる。この後、揺動モーター42の回転駆動を停止させるとともに、振幅モータ64の回転駆動を停止させれば、揺動軸44、すなわち、振幅軸61の揺動が停止するとともに、回転軸65の回転が停止する。次いで、駆動ユニット3の回転主軸31の回転を停止させるとともに、押圧支持体37の摺動部材34を後退させることにより、内輪Waから内径シュー35および押圧ローラ36が離脱する。このため、外周加工面W1 が砥石Gによって超仕上げ加工された内輪Waを、図示しない搬出装置を介して搬出することができる。
【0048】
以下、このような作動を繰り返して順次内輪Waの外周加工面W1 の超仕上げ加工が行われる。
【0049】
なお、本実施形態においては、基台2に対して摺動シリンダ46を介して摺動体41を駆動ユニット3の主軸心x方向に摺動させる場合を例示したが、揺動軸44の揺動軸心yを予め内輪Waの曲率中心O1 を通過する位置に配置することにより、摺動シリンダ46は、必ずしも設ける必要はない。
【0050】
ところで、前述した実施形態では、内輪Waの転走面である外周加工面W1 を砥石Gにて超仕上げ加工する超仕上げ盤1について説明したが、外輪の転走面である内周加工面を砥石Gにて超仕上げ加工する超仕上げ盤1に適用することもできる。
【0051】
以下、図6乃至図9に基づいて、外輪Wbの内周加工面W2 を砥石Gにて超仕上げ加工する超仕上げ盤1について説明する。
【0052】
なお、前述した実施形態と同一部材については、同一符号を用いるものとし、相違する点についてのみ説明する。
【0053】
この実施形態の超仕上げ盤1においても、基台2に設けられた外輪Wbの駆動ユニット3と、基台2に摺動自在に設けられた揺動ユニット4と、砥石ユニット5と、揺動ユニット4に設けられた振幅ユニット6と、から構成されている。
【0054】
駆動ユニット3は、図8および図9に示すように、外輪Wbを支持する外径シュー35Aが駆動ユニット本体33に設けられ、また、駆動ユニット本体33の前方において、回転自在な一対の押圧ローラ36を設けた図示しない押圧部材がシリンダの伸縮作動によって進退されるように構成されている。
【0055】
このため、図示しないシリンダおよび押圧部材を介して押圧ローラ36を外径シュー35Aに近接するように移動させることにより、図示しない供給装置を介して駆動ユニット本体33のパッキングプレート32の前方に供給され、外周面が外径シュー35Aに支持された外輪Wbの端面に押圧ローラ36を当接させることができる。したがって、外径シュー35Aによって外輪Wbを支持するとともに、押圧ローラ36によって外輪Wbをパッキングプレート32との間で押圧した状態で、回転主軸31を回転させることにより、その主軸心x回りに外輪Wbを回転させることができる。
【0056】
ここで、外径シュー35Aに支持された外輪Wbの中心と、回転主軸31の主軸心xの間には、適宜な大きさの偏心が形成されており、外輪Wbは、その回転中、常に外径シュー35Aに対して押し付けられた状態となる、いわゆるシューセンタレス方式で支持回転される。
【0057】
揺動ユニット4は、前述した実施形態と同一であり、その詳細な説明を省略する。
【0058】
この揺動ユニット4においても、揺動軸44の揺動軸心yを含む水平面は、駆動ユニット3の回転主軸31の主軸心xを含む鉛直面において、回転主軸31の主軸心x回りに回転する外輪Wbの内周加工面W2 の曲率中心O2 を含んでいる。
【0059】
砥石ユニット5は、図8に示すように、振幅軸61と一体に連結されたホルダー51と、ホルーダー51に固定された外筒52と、外筒52内に摺動自在に嵌挿された内筒53と、内筒53内に摺動自在に嵌挿されたピストンロッド54Aと、内筒53とピストンロッド54Aとの間に配設されて、ピストンロッド54Aを上昇する方向に付勢するスプリング55Aと、内筒53に連結されて、回転主軸31の主軸心x方向に沿って延設されたレバー57と、ピストンロッド54Aに連結されて、回転主軸31の主軸心x方向に沿って延設された押圧アーム58と、からなり、レバー57に設けたガイド56に砥石Gが摺動自在に嵌挿され、また、押圧アーム58の先端が砥石Gの上端に当接されている。そして、外筒52には、内筒53のピストン531の背圧側および正圧側に臨んでそれぞれポート52a,52bが形成され、内筒53にも、ピストンロッド54Aの背圧側に臨んでポート53aが形成されている。
【0060】
したがって、外筒52のポート52aに圧縮空気を供給することにより、内筒53を押し下げることができ、このとき、砥石Gは、内筒53に連結されたレバー57を介して外輪Wbの内周加工面W2 を超仕上げ加工する作業位置に下降する。また、外筒52のポート52bに圧縮空気を供給することにより、内筒53を押し上げることができ、このとき、砥石Gは、内筒53に連結されたレバー57を介して外輪Wbの内周加工面W2 を臨む上方の退避位置に上昇する。
【0061】
一方、砥石Gを作業位置に下降させた状態において、内筒53のポート53aに圧縮空気を供給することにより、スプリング55Aの付勢力に抗してピストンロッド54Aを下方に向けて伸長作動させることができる。このとき、ピストンロッド54Aに連結された押圧アーム58を介して砥石Gを外輪Wbの内周加工面W2 に向けて設定圧力で押圧することができる。そして、砥石Gは、ピストンロッド54Aが設定圧力で押圧されているために、超仕上げ加工によって磨耗したとしても、ピストンロッド54Aに連結された押圧アーム58を介してガイド56に対し、常に一定量だけ突出されている。また、内筒53のポート53aを大気に開放することにより、スプリング55Aの付勢力によりピストンロッド54Aを上方に向けて縮小作動させることができ、このとき、ピストンロッド54Aに連結された押圧アーム58を介して砥石Gの押圧状態を解除することができる。
【0062】
なお、砥石Gは、その長さが外輪Wbの内径よりも十分に小さく設定されている。
【0063】
振幅ユニット6も、前述した実施形態と同一であり、その詳細な説明を省略する。
【0064】
次に、このように構成された超仕上げ盤1の作動について説明する。
【0065】
初期状態においては、摺動シリンダ46が縮小作動することにより、砥石Gは、駆動ユニット3に支持される外輪Wbから離隔する位置に退避している。また、内筒53は、外筒52のポート52bに圧縮空気が供給されて、押し上げられており、このため、砥石Gは、内筒53に連結されたレバー57を介して外輪Wbの内周加工面W2 から上方の退避位置に上昇している。
【0066】
ここで、始動スイッチを操作すれば、外輪Wbが駆動ユニット3のパッキングプレート32に供給され、外径シュー35Aに支持されるとともに、図示しない押圧シリンダおよび押圧部材を介して押圧ローラ36がパッキングプレート32との間で外輪Wbを押圧して挟み込む。そして、駆動ユニット3の回転主軸31が回転駆動すれば、外輪Wbは、外径シュー35Aに支持されるとともに、押圧ローラ36に押圧されて、主軸心x回りに回転する。
【0067】
この間、摺動シリンダ46が伸長作動することにより、摺動体41を駆動ユニット3の主軸心x方向に移動させ、揺動軸44の揺動軸心yを、外輪Wbの内周加工面W2 曲率中心O2 を通過する位置に合致させる。このとき、砥石ユニット5の砥石Gは、外輪Wbから離隔した位置から外輪Wbの内周加工面W2 に臨む退避位置に移動する。
【0068】
一方、連結シリンダ63を伸長作動させ、そのピストンロッド631を連結部材62の連結穴62aに嵌挿させることにより、連結部材62を介して揺動軸44と振幅軸61とを一体に連結する。この後、揺動モーター42を回転駆動させて、回転軸43を回転させれば、クランク機構45の回転盤451が回転し、連結ロッド453を介してアーム452、すなわち、揺動軸44をその揺動軸心y回りに設定範囲にわたって揺動させる。この際、揺動軸44は、連結シリンダ63および連結部材63を介して振幅軸61と一体に連結されていることにより、揺動軸44の揺動は、そのまま振幅軸61を揺動させる。
【0069】
また、振幅モーター64を回転させれば、その出力軸を介して回転軸65を回転させる。この場合、回転軸65は、その軸心が揺動軸44の揺動軸心yを含む鉛直面から距離cだけオフセットしていることにより、回転軸65が回転するとき、距離cの2倍の範囲で連結部材63を介して振幅軸61を揺動させることになる。このため、振幅軸61は、振幅モーター64の回転による微小な揺動を行いながら、揺動モーター42の回転による揺動を行うことになる。
【0070】
また、揺動軸44の揺動軸心yは、外輪Wbの外周加工面W2 の曲率中心O2 を通過する位置にあることから、この状態で、ポート52aを通して圧縮流体を供給すれば、内筒53を押し下げることにより、砥石Gをレバー57を介して外輪Wbの内周加工面W2 を超仕上げ加工する作業位置に下降させることができる。内筒53のポート53aを通して圧縮空気を供給すれば、ピストンロッド54Aを下方に向けて伸長作動させることにより、砥石Gを押圧アーム58を介して外輪Wbの内周加工面W2 に設定圧力で押圧することができる。
【0071】
ここで、砥石ユニット5のホルダー51が振幅軸61に連結されていることにより、前述した振幅軸61の揺動を砥石Gが行うことになる。すなわち、砥石Gは、揺動モーター42の回転により、外輪Wbの内周加工面W2 の曲率中心O2 回りに揺動するとともに、その揺動の際、振幅モーター64の回転により、微小に揺動して、外輪Wbの内周加工面W2 を超仕上げ加工(粗加工)することになる。
【0072】
粗加工が終了すれば、振幅モーター61の回転のみを停止させるとともに、揺動モーター42の回転数を大きくすれば、揺動軸44が粗加工時よりも短縮された周期で揺動し、その揺動を連結部材62および振幅軸61を介して砥石ユニット5の砥石Gに伝動する。したがって、砥石Gは、揺動軸心y、すなわち、外輪Wbの外周加工面W2 の曲率中心O2 回りに揺動して、内輪Wbの内周加工面W2 を超仕上げ加工(精加工)する。
【0073】
ここで、粗加工時の砥石Gの切削軌跡(図5(a)参照)と、精加工時の砥石Gの切削軌跡(図5(b)参照)とを比較すれば、粗加工時の砥石Gの切削長さが増大していることが明らかでる。
【0074】
この結果、揺動モーター42の回転による揺動と、振幅モーター64の回転による微小な揺動とを併用して外輪Wbの外周加工面W2 を砥石Gによって超仕上げ加工することができ、従来の揺動軸心y回りの砥石Gの揺動による超仕上げ加工に比較して、単位時間当たりの切削長さを増大させることができ、その分加工時間を短縮することができる。したがって、精加工に要する作業が同一であるとしても、全体の作業時間は、粗加工の作業時間が短縮した分、短縮することになる。
【0075】
外輪Wbの内周加工面W2 の超仕上げ加工が終了すれば、ポート52bを通して圧縮空気を供給するとともに、ポート53aへの圧縮空気の供給を停止して、大気に開放すれば、砥石Gを外輪Wbの内周加工面W2 の加工位置から上方の退避位置に上昇させることができる。この後、揺動モーター42の回転駆動を停止させるとともに、振幅モータ64の回転駆動を停止させれば、揺動軸44、すなわち、振幅軸61の揺動が停止するとともに、回転軸65の回転が停止する。次いで、摺動シリンダ46を縮小作動させ、砥石Gを外輪Wbの内方に臨む位置から駆動ユニット3の主軸心x方向に沿って離隔する位置まで移動させる。この後、回転主軸31の回転を停止させるとともに、押圧シリンダおよび押圧部材を介して押圧ローラ36を外輪Waから離脱させる。このため、内周加工面W2 が砥石Gによって超仕上げ加工され、外径シュー35Aに支持された外輪Wbを、図示しない搬出装置を介して搬出することができる。
【0076】
以下、このような作動を繰り返して順次外輪Wbの内周加工面W2 の超仕上げ加工が行われる。
【0077】
なお、前述した実施形態においては、玉軸受の内輪や外輪に形成された転走面を砥石にて超仕上げ加工する場合を説明したが、ゴジックアーク溝の超仕上げ加工にも適用することができる。
【0078】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、揺動モーターの回転による揺動と、振幅モーターの回転による微小な揺動とを併用して内輪の外周加工面あるいは外輪の内周加工面を超仕上げ加工することができることから、従来の揺動軸心回りの揺動による超仕上げ加工に比較して、単位時間当たりの切削長さを増大させることができ、その分加工時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超仕上げ盤の一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1のB−B線断面図である。
【図4】図1のC−C線断面図である。
【図5】図1の超仕上げ盤による切削加工面に対する砥石の切削軌跡を示す説明図である。
【図6】本発明の超仕上げ盤の他の実施形態を示す平面図である。
【図7】図6のD−D線断面図である。
【図8】図6のE−E線断面図である。
【図9】図6の駆動ユニットを一部省略して示す正面図である。
【図10】加工幅の異なる環状被加工物を同一の砥石で超仕上げ加工する状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 超仕上げ盤
2 基台
3 駆動ユニット
31 回転主軸
35 内径シュー
35A 外径シュー
36 押圧ローラ
4 揺動ユニット
41 摺動体
42 揺動モーター
44 揺動軸
45 クランク機構
5 砥石ユニット
51 ホルダー
52 外筒
53 内筒
6 振幅ユニット
61 振幅軸
62 連結部材
63 連結シリンダ
64 振幅モーター
65 回転軸
G 砥石
Wa 内輪(環状被加工物)
W1 外周加工面
O1 外周加工面の曲率中心
Wb 外輪(環状被加工物)
W2 内周加工面
O2 内周加工面の曲率中心
x 主軸心
y 揺動軸心
Claims (2)
- 環状被加工物を、その軸心が水平な回転主軸の主軸心上に位置するように支持して回転させる駆動ユニットと、揺動軸心回りに揺動自在に軸支された揺動軸を有し、該揺動軸の揺動軸心が、回転主軸の主軸心を含む鉛直面において、駆動ユニットに支持された環状被加工物の外周加工面の曲率中心を通過する位置に配置された揺動ユニットと、駆動ユニットに支持された環状被加工物の外周加工面に臨む退避位置と加工位置との間で砥石を昇降させるとともに、砥石を環状被加工物の外周加工面に押圧可能な砥石ユニットと、から構成され、回転主軸の主軸心回りに回転する環状被加工物の外周加工面を、揺動軸の揺動軸心回りに揺動する砥石によって超仕上げ加工する超仕上げ盤において、前記揺動軸と同軸上に振幅軸を回転自在に軸支するとともに、振幅軸の先端に砥石ユニットを、その基端に連結部材をそれぞれ一体に連結し、また、揺動軸に、該揺動軸と連結部材を選択的に連結する連結シリンダおよび振幅モーターを設け、さらに、振幅モーターによって回転する回転軸を、その軸心が揺動軸心を含む鉛直面に対して左右方向にオフセットして連結部材に嵌合することを特徴とする超仕上げ盤。
- 環状被加工物を、その軸心が水平な回転主軸の主軸心上に位置するように支持して回転させる駆動ユニットと、揺動軸心回りに揺動自在に軸支された揺動軸を有し、該揺動軸の揺動軸心が、回転主軸の主軸心を含む鉛直面において、駆動ユニットに支持された環状被加工物の内周加工面の曲率中心を通過する位置と、駆動ユニットの主軸心方向に移動した離隔位置との間で水平方向に移動可能な揺動ユニットと、駆動ユニットに支持された環状被加工物の内周加工面に臨む退避位置と加工位置との間で砥石を昇降させるとともに、砥石を環状被加工物の内周加工面に押圧可能な砥石ユニットと、から構成され、回転主軸の主軸心回りに回転する環状被加工物の内周加工面を、揺動軸の揺動軸心回りに揺動する砥石によって超仕上げ加工する超仕上げ盤において、前記揺動軸と同軸上に振幅軸を回転自在に軸支するとともに、振幅軸の先端に砥石ユニットを、その基端に連結部材をそれぞれ一体に連結し、また、揺動軸に、該揺動軸と連結部材を選択的に連結する連結シリンダおよび振幅モーターを設け、さらに、振幅モーターによって回転する回転軸を、その軸心が揺動軸心を含む鉛直面に対して左右方向にオフセットして連結部材に嵌合することを特徴とする超仕上げ盤。
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