JP2007277964A - アンカーボルト付基礎構造及びその施工方法 - Google Patents

アンカーボルト付基礎構造及びその施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 補強プレートを上部に埋設固定されるアンカーボルト付基礎構造において、生コンクリートを型枠間に流し込む前段階で補強プレートの上下レベルを調整可能にするとともに、建物の基礎への据付直前にアンカーボルトの位置を修正可能にすること。
【解決手段】 アンカーボルト付礎構造において、アンカーボルト25の中間部に補強プレート26を遊挿し、かつアンカーボルト25に螺着した上下のナット27a、27bにより補強プレート26を挟み、補強プレート26をコンクリート基礎24の上部に埋設固定してなるもの。
【選択図】 図1

Description

本発明はアンカーボルト付基礎構造及びその施工方法に関する。
従来、住宅等の建物の基礎構造では、コンクリート基礎の上端部にアンカーボルトの下部を埋設固定し、アンカーボルトをコンクリート基礎の上面から突出させている。
特許文献1には、アンカーボルトの中間部に補強プレートを螺着し、この補強プレートをコンクリート基礎の上端部に埋設固定するものが開示されている。これによれば、アンカーボルトに水平方向の外力が作用しても、この外力がアンカーボルトの部分からコンクリート基礎に直接入力されずに補強プレートを介して分散して入力されることになり、コンクリート基礎のアンカーボルトに対応する角部が破壊されるのを未然に防止できる。
特開2002-88775
特許文献1のアンカーボルト付基礎構造には以下の不都合がある。
(1)対向する型枠間の上部にアンカープレートを保持させ、このアンカープレートに保持させたアンカーボルトに補強プレートを固定した状態で、生コンクリートを型枠間に流し込む前段階で、補強プレートの上下レベルを調整することができない。これは、補強プレートがアンカーボルトに螺着されて固定されているため、補強ボルトのレベル調整のために、補強プレートとアンカーボルトを相対的に螺動させようとすると、補強プレートは型枠に対して回動しない一方において、アンカーボルトが型枠に対して回動するものになり、ひいては基礎内の所定位置に設定されるべきアンカーボルトのフックがその所定位置から偏心してしまうという不都合を招いて妥当でないことによる。
(2)基礎への建物の据付直前に、アンカーボルトの位置を修正するため、アンカーボルトの周辺のコンクリートを一部切開等したくても、アンカーボルトの周辺でコンクリートを覆っている補強プレートがアンカーボルトに螺着していて、アンカーボルトから外すことができない。従って、補強プレートをコンクリート基礎の上部から剥がずことができず、アンカーボルトの位置を修正できない。
本発明の課題は、補強プレートを上部に埋設固定されるアンカーボルト付基礎構造において、生コンクリートを型枠間に流し込む前段階で補強プレートの上下レベルを調整可能にするとともに、建物の基礎への据付直前にアンカーボルトの位置を修正可能にすることにある。
請求項1の発明は、コンクリート基礎の上端部にアンカーボルトの下部が埋設固定されて、前記アンカーボルトが前記コンクリート基礎の上面から突出させられたアンカーボルトを備えた基礎構造において、前記アンカーボルトの中間部に補強プレートを遊挿し、かつ前記アンカーボルトに螺着した上下のナットにより前記補強プレートを挟み、該補強プレートを前記コンクリート基礎の上部に埋設固定してなるようにしたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記補強プレートが、前記アンカーボルトが遊挿しかつ前記コンクリート基礎の上部に埋設された水平板部と、前記水平板部に下方に向けて突設されかつ少なくとも前記アンカーボルトに外力が作用する方向と反対側の側面に埋設係合する側板部を有するようにしたものである。
請求項3の発明は、対向する型枠間の上部にアンカープレートを保持させると共に、前記アンカープレートに上下に延びるアンカーボルトを保持させた状態で、前記型枠間に生コンクリートを前記アンカーボルトの下部が没入するまで流し込んだ後、前記生コンクリートを硬化させて前記型枠を取り外すアンカーボルト付基礎構造の施工方法において、前記アンカープレートの下方に位置させた補強プレートを前記アンカーボルトの中間部に遊挿し、かつ前記アンカーボルトに螺着した上下のナットにより前記補強プレートを挟み、前記生コンクリートを前記補強プレートの部分まで満たして硬化させるようにしたものである。
(請求項1)
(a)対向する型枠間の上部にアンカープレートを保持させ、このアンカープレートに保持させたアンカーボルトに補強プレートを固定した状態で、生コンクリートを型枠間に流し込む前段階で、補強プレートの上下レベルを調整できる。これは、補強プレートがアンカーボルトに遊挿され、かつ上下のナットにより挟まれて固定されているため、上下のナットを緩めれば、補強プレートは型枠に沿って平行移動されてレベル調整できる。アンカーボルトは型枠に沿って平行移動し、型枠に対して回動するものでないから、そのフックが基礎内の所定位置からずれて偏心することがなく、そのフックを基礎内の所定位置に設定できる。
(b)基礎への建物の据付直前に、アンカーボルトの位置を修正するため、アンカーボルトの周辺のコンクリートを一部切開等しようとするとき、アンカーボルトの周辺でコンクリートを覆っている補強プレートがアンカーボルトに遊挿されていて螺着等されていないから、補強プレートをアンカーボルトから外すことができる。従って、補強プレートをコンクリート基礎の上部から剥がしとり、アンカーボルトの位置を修正できる。
(請求項2)
(c)アンカーボルトに作用する外力はアンカーボルトからコンクリート基礎に直接入力されずに外力が作用する方向とは反対側の側板部で受けられる。この結果、アンカーボルトに大きな外力が入力されても、この入力によりコンクリート基礎のアンカーボルトに対応する角部が破壊されるようなことは回避される。
(請求項3)
(d)前記(a)の如くに、生コンクリートを型枠間に流し込む前段階で補強プレートの上下レベルを調整でき、補強プレートを簡易かつ確実にコンクリート基礎の上部に埋設固定できる。
図1はアンカーボルト付基礎構造を示す断面図、図2はアンカーボルト付基礎構造を示す模式斜視図、図3はアンカーボルト付基礎構造に建物構造体を据付けた例を示す断面図、図4は型枠にアンカープレートをセットした状態を示す断面図、図5はアンカーボルトに補強プレートを取着した状態を示す正面図、図6はアンカープレートにアンカーボルトをセットした状態を示す断面図、図7は補強プレートのレベル調整状態を示す断面図、図8は生コンクリートの流し込み状態を示す断面図である。
図1において、地面20には建物に沿わせる基礎溝21が形成され、基礎溝21の底部に割栗を投入して搗固た割栗層22が形成されている。この割栗層22上にはコンクリートを打って形成したフーチング層23が形成され、このフーチング層23上にはコンクリート基礎24が形成されている。このコンクリート基礎24の上端部にはアンカーボルト25の下部が埋設固定されて、アンカーボルト25の上端部がコンクリート基礎24の上面から突出させられている。このアンカーボルト25は、図1、図2において、コンクリート基礎24の幅方向中央から右側にずらして配置されているので、右側の角部24aがアンカーボルト25に外力が矢印B方向から作用したとき、アンカーボルト25からコンクリート基礎24に外力が直接入力された場合には、アンカーボルト25から受ける外力で角部24aが破壊されやすい傾向にある。
しかし、コンクリート基礎24の上端部には、図1、図2に示したように、アンカーボルト25に対応して補強プレート26が埋設固定されている。このとき、アンカーボルト25には補強プレート26が遊挿されるとともに、後に詳述する上下のナット27a、27bが螺着され、下ナット27bは補強プレート26の下面側にてコンクリート基礎24に埋設される。
補強プレート26は、コンクリート基礎24の上部に埋設された水平板部26aと、水平板部26aの左端と右端のそれぞれにおいて下方に向けて突設された側板部26b、26cを有する。側板部26cは必須とされない。側板部26bは、アンカーボルトに矢印Bで示した外力が作用する方向と反対側の側面において、コンクリート基礎24の上端部の側部に埋設係合している。この水平板部26aの上面はコンクリート基礎24の上面と面一に形成され、側板部26b、26cの外側面はコンクリート基礎24の側面と面一に形成されている。尚、この補強プレート26には金属プレートを用いることができるが、この場合にはコンクリート等に含まれる成分と化学反応をしない材質のものが用いられる。また、この補強プレート26には金属以外の合成樹脂材料やその他の材料を用いることもできる。要は、アンカーボルトBに作用する外力がアンカーボルト24からコンクリート基礎24に直接入力されて局部的に作用せず、この外力が分散されてコンクリート基礎24に入力されたコンクリート基礎24の部分的破損を防止できれば良い。
尚、水平板部26aには、アンカーボルト25が遊挿されるボルト挿通穴28と確認穴29が形成されている。
このような構造において、アンカーボルト25に水平方向の外力が矢印B方向から作用すると、この外力がアンカーボルト25の部分からコンクリート基礎24に直接入力されずに補強プレート26を介して分散して入力されることになる。この際、アンカーボルト25に作用する外力は、外力が作用する方向とは反対側の側板部26bを介してコンクリート基礎25に入力される。この結果、アンカーボルト25に大きな外力が矢印B方向から入力されても、この入力によりコンクリート基礎24のアンカーボルト25に対応する角部24aが破壊されるようなことは回避される。このように、コンクリート基礎24のアンカーボルト25に対応する角部24aが破壊されるのを未然に防止できる。
尚、コンクリート基礎24の上面に据付けられる建物構造体の床梁1は、図3に示す如く、コンクリート基礎24の上面に突出しているアンカーボルト25に挿通され、アンカーボルト25に螺着される上ナット27Aによりコンクリート基礎24に締結される。
以下、コンクリート基礎24の施工手順について説明する。
(1)図4に示す如く、地面20に建物に沿わせる基礎溝21を形成し、基礎溝21の底部に割栗を投入して搗固て割栗層22を形成し、割栗層22上にコンクリートを打ったフーチング層23を形成する。次に、このフーチング層23上に型枠30、30を対向させると共に間隔を置いて配設し、この型枠30、30を図示しない支持部材で地面20に支持させる。型枠30の天端にスペーサ31を配置する。
(2)アンカープレート32の両端部を型枠30、30の上のスペーサ31に載せ、このアンカープレート32を浮き上がり防止金具33でスペーサ31とともに型枠30に保持させる。
(3)図5に示す如く、アンカーボルト25の中間部に補強プレート26のボルト挿通穴28を遊挿し、かつアンカーボルト25に螺着した上下のナット27a、27bにより補強プレート26を挟み、アンカーボルト25に補強プレート26を取着する。補強プレート26に対するアンカーボルト25の首出し長さを一定長さにセットする。
(4)図6に示す如く、補強プレート26を取着したアンカーボルト25の上端部をアンカープレート32に遊挿し、かつアンカーボルト25に螺着した2個のナット34a、34bによりアンカープレート32を挟み、アンカープレート32にアンカーボルト25を保持させる。アンカーボルト25のフック25aがコンクリート基礎24の内部の所定位置たる厚み中央部に設定され得るように、このフック25aを相対する型枠30、30の間隔の概ね中央部にセットする。
(5)補強プレート26の上下レベルを必要により調整する。図7に示す如く、アンカーボルト25に螺着してある上下のナット27a、27bを緩めることにより、補強プレート26は上下のナット27a、27bの間隔Lの範囲内で型枠30の内側面に沿って平行移動されてレベル調整できる。
(6)型枠30、30間に生コンクリート34を図8に示したように流し込む。この際、生コンクリート34はアンカーボルト25の下部が没入するまで流し込むと共に、生コンクリート34を補強プレート26の部分まで満たす。しかも、このときに生コンクリート34がコンクリート確認穴29から上方に溢れ出始めたのを確認して、この位置で生コンクリートの流し込みを停止する。このようにすることで、補強プレート26を目安に生コンクリート34の流し込み高さを容易に確認できる。このとき、下ナット27bは補強プレート26の下面側にて生コンクリートに埋設される。
(7)生コンクリート34を硬化した後、型枠30、30を取外して形成したコンクリート基礎24の周囲に土盛りすることで、コンクリート基礎24にアンカーボルト25及び補強プレート26が取付けられた基礎構造の施工が完了し、図1に示したような基礎構造が得られる。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)対向する型枠30間の上部にアンカープレート32を保持させ、このアンカープレート32に保持させたアンカーボルト25に補強プレート26を固定した状態で、生コンクリート34を型枠30間に流し込む前段階で、補強プレート26の上下レベルを調整できる。これは、補強プレート26がアンカーボルト25に遊挿され、かつ上下のナット27a、27bにより挟まれて固定されているため、上下のナット27a、27bを緩めれば、補強プレート26は型枠30に沿って平行移動されてレベル調整できる。アンカーボルト25は型枠30に沿って平行移動し、型枠30に対して回動するものでないから、そのフック25aが基礎24内の所定位置からずれて偏心することがなく、そのフック25aを基礎24内の所定位置に設定できる。
(b)基礎24への建物の据付直前に、アンカーボルト25の位置を修正するため、アンカーボルト25の周辺のコンクリートを一部切開等しようとするとき、アンカーボルト25の周辺でコンクリートを覆っている補強プレート26がアンカーボルト25に遊挿されていて螺着等されていないから、補強プレート26をアンカーボルト25から外すことができる。従って、補強プレート26をコンクリート基礎24の上部から剥がしとり、アンカーボルト25の位置を修正できる。
(c)アンカーボルト25に作用する外力はアンカーボルト25からコンクリート基礎24に直接入力されずに外力が作用する方向とは反対側の側板部で受けられる。この結果、アンカーボルト25に大きな外力が入力されても、この入力によりコンクリート基礎24のアンカーボルト25に対応する角部24aが破壊されるようなことは回避される。
(d)前記(a)の如くに、生コンクリート34を型枠30間に流し込む前段階で、補強プレート26の上下レベルを調整でき、補強プレート26を簡易かつ確実にコンクリート基礎24の上部に埋設固定できる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
図1はアンカーボルト付基礎構造を示す断面図である。 図2はアンカーボルト付基礎構造を示す模式斜視図である。 図3はアンカーボルト付基礎構造に建物構造体を据付けた例を示す断面図である。 図4は型枠にアンカープレートをセットした状態を示す断面図である。 図5はアンカーボルトに補強プレートを取着した状態を示す正面図である。 図6はアンカープレートにアンカーボルトをセットした状態を示す断面図である。 図7は補強プレートのレベル調整状態を示す断面図である。 図8は生コンクリートの流し込み状態を示す断面図である。
符号の説明
24 コンクリート基礎
25 アンカーボルト
26 補強プレート
26a 水平板部
26b 側板部
27a、27b ナット
30 型枠
32 アンカープレート

Claims (3)

  1. コンクリート基礎の上端部にアンカーボルトの下部が埋設固定されて、前記アンカーボルトが前記コンクリート基礎の上面から突出させられたアンカーボルトを備えた基礎構造において、
    前記アンカーボルトの中間部に補強プレートを遊挿し、かつ前記アンカーボルトに螺着した上下のナットにより前記補強プレートを挟み、該補強プレートを前記コンクリート基礎の上部に埋設固定してなることを特徴とするアンカーボルト付基礎構造。
  2. 前記補強プレートが、前記アンカーボルトが遊挿しかつ前記コンクリート基礎の上部に埋設された水平板部と、前記水平板部に下方に向けて突設されかつ少なくとも前記アンカーボルトに外力が作用する方向と反対側の側面に埋設係合する側板部を有する請求項1に記載のアンカーボルト付基礎構造。
  3. 対向する型枠間の上部にアンカープレートを保持させると共に、前記アンカープレートに上下に延びるアンカーボルトを保持させた状態で、前記型枠間に生コンクリートを前記アンカーボルトの下部が没入するまで流し込んだ後、前記生コンクリートを硬化させて前記型枠を取り外すアンカーボルト付基礎構造の施工方法において、
    前記アンカープレートの下方に位置させた補強プレートを前記アンカーボルトの中間部に遊挿し、かつ前記アンカーボルトに螺着した上下のナットにより前記補強プレートを挟み、前記生コンクリートを前記補強プレートの部分まで満たして硬化させることを特徴とするアンカーボルト付基礎構造の施工方法。
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