JP2007277490A - タイヤインナーライナー用ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】環境に優しいトール油製のカーボンブラックを用いたタイヤインナーライナー用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】ブチルゴムを50〜100重量部含むジエン系ゴム100重量部に対し、アルカリ金属イオン濃度が1000ppm以下、かつロジン成分量が5〜90重量%のトール油を原料として得られるカーボンブラック45〜75重量部を配合してなるタイヤインナーライナー用ゴム組成物。
【選択図】なし
【解決手段】ブチルゴムを50〜100重量部含むジエン系ゴム100重量部に対し、アルカリ金属イオン濃度が1000ppm以下、かつロジン成分量が5〜90重量%のトール油を原料として得られるカーボンブラック45〜75重量部を配合してなるタイヤインナーライナー用ゴム組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、タイヤインナーライナー用ゴム組成物に関し、更に詳細には、環境に優しいカーボンブラックを使用したタイヤインナーライナー用ゴム組成物に関する。
従来、一般のタイヤ用ゴム組成物には、その各部材に石油資源などから得られる多くの原材料が使用されており、一部で地球環境上問題視されている。かかる観点から、石油以外の各種天然資源を原材料とするエコタイヤについて、例えば以下の特許文献1などが提案されている。
また、一般に、タイヤのゴム補強剤として使用されているカーボンブラックは、石油や石炭など化石燃料由来の原料油を用いて製造されているが、これも地球温暖化などによる環境負荷改善の観点から、その使用量を削減することが望まれている。
よって、本発明では、当該カーボンブラックの原料油としてトール油を用いることで、環境負荷が低く、かつ従来製法のカーボンブラックを配合した場合に匹敵する、あるいはそれより改善された特性のタイヤインナーライナー用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明によれば、アルカリ金属イオン濃度が1000ppm以下、かつロジン成分量が5〜90重量%のトール油を原料として得られるカーボンブラックを特定量配合してなるタイヤインナーライナー用ゴム組成物が提供される。
かかる本発明によれば、アルカリ金属イオン濃度が1000ppm以下、かつロジン成分量が5〜90重量%のトール油を原料として製造したカーボンブラックを、所定のブチルゴムを含むジエン系ゴムに配合することによって、従来方法で製造したカーボンブラックを配合したゴム組成物に匹敵する、あるいはそれ以上の特性を有するタイヤインナーライナー用ゴム組成物を得ることができる。
本発明に係るカーボンブラックは、原料としてトール油、特にアルカリ金属イオン濃度が1000ppm以下、好ましくは0.001ppm〜900ppm、更に好ましくは1ppm〜800ppmで、かつロジン成分量が5〜90重量%、好ましくは10〜85重量%のトール油を原料として用いて製造される。
当該トール油のアルカリ金属イオン濃度が1000ppmを超えて高過ぎると、コロイダル特性が制御できず、タイヤ用途に用いる所望のコロイダル特性を有するカーボンブラックを得ることができないので好ましくない。また、当該トール油のロジン成分量が5重量%未満で少な過ぎると、カーボンブラックの収率が低くなって実用的でなく、逆に90重量%を超えて高過ぎると低温で固化し、取り扱いが実用的でなくなるので好ましくない。
本発明に従うカーボンブラックの製造に用いるトール油は、一般的に市販のものを用いることができるが、前記したアルカリ金属イオン濃度及びロジン成分量を満足する必要がある。かかるトール油を得るためには、例えば粗トール油を水洗することや、蒸留することによって得ることができる。粗トール油は、例えばパルプ製造時の副産物として回収され、植物由来の再生可能な資源である。この粗トール油の蒸留により、トール油脂肪酸、トール油ロジン、蒸留トール油、トール油ヘッド、及びトール油ピッチの各留分が得られる。これらの処理によって得られたトール油を単独で又は任意の割合で配合し、カーボンブラックの原料として使用することができる。本発明に従ってトール油からカーボンブラックを製造する方法には特に限定はなく、従来の化石燃料油を用いる方法によることができる。
本発明によるタイヤインナーライナー用ゴム組成物は、ブチルゴムを50〜100重量部含むジエン系ゴム100重量部に対し、前記したアルカリ金属イオン濃度が1000ppm以下、かつロジン成分量が5〜90重量%のトール油を原料として得られるカーボンブラックを45〜75重量部配合することによって得られる。当該ブチルゴムには、例えば臭素化ブチルゴム(Br−IIR)や塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)などのハロゲン化ブチルゴムが有効に用いられる。また、当該ブチルゴム以外のジエン系ゴムとしては、タイヤ用として一般的に使用することができる任意のジエン系ゴム、例えば、各種天然ゴム(NR)、各種ポリイソプレンゴム(IR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、各種ポリブタジエンゴム(BR)、各種アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム(EPDM),エポキシ化天然ゴム(ENR)などを挙げることができる。これらのジエン系ゴムは、単独で又は任意のブレンドとして配合使用することができる。
前記ジエン系ゴム中に含まれるブチルゴムの配合量は、50〜100重量部とすることができ、この配合量が50重量部未満で少な過ぎると、空気透過量が大きくなり、タイヤインナーライナー用ゴム組成物として好ましくない。また、当該ブチルゴムの配合量を100重量部、即ち全ゴム成分量とすることは、当該ブチルゴムはタイヤインナーライナー用ゴムとして好適なものであるが、本特許の目的である地球環境上優しくなるため、好ましい。
また、本発明によるタイヤインナーライナー用ゴム組成物に含まれる前記したトール油製カーボンブラックが、45重量部未満で少な過ぎると、当該ゴム組成物の空気透過性が低くなってしまい好ましくなく、逆に75重量部を超えて多くなり過ぎると、当該ゴム組成物の屈曲疲労性が悪化するので好ましくない。
本発明に係るタイヤインナーライナー用ゴム組成物には、前記した必須成分に加えて、他のカーボンブラック(但し、比較的少量)やシリカなどのその他の補強剤(フィラー)、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤などのタイヤ用ゴムに一般に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は、一般的な方法で混合して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
以下、実施例及び比較例によって本発明を更に説明するが、本発明の技術的範囲をこれらの実施例に限定するものでないことは言うまでもない。
トール油製カーボンブラック1〜3の製造
下記の表Iに示すアルカリ金属イオン濃度(ppm)及びロジン成分量(重量%)のトール油を原料として、トール油製カーボンブラック1及び2(実施例)、並びにトール油製カーボンブラック3(比較例)を以下のようにして製造した。
下記の表Iに示すアルカリ金属イオン濃度(ppm)及びロジン成分量(重量%)のトール油を原料として、トール油製カーボンブラック1及び2(実施例)、並びにトール油製カーボンブラック3(比較例)を以下のようにして製造した。
即ち、約2000℃までの高温に耐えるレンガで内張りされた特殊な反応部に燃料と空気を連続的に導入して完全燃焼させ、1400℃以上の高温雰囲気を形成した上で液状の所定の原料トール油を連続的に噴霧して熱分解させた。炉内後段で生成したカーボンブラックを含む高温ガスに、水を噴霧して反応を停止させ、次に、バグフィルターでカーボンブラックと排ガスとに分離した。分離されたカーボンブラックは、撹拌タンクで嵩密度を高めた後、造粒した。このようにして得られたカーボンブラックの収率、窒素吸着比表面積(N2SA)(m2/g)及びDBP吸油量(ml/100g)をJIS K6217にて測定し、結果を表Iに示した。なお、表Iには、参考として市販のカーボンブラックN660の値も示した。
試験サンプルの作製
以下の表IIに示す各配合において、加硫促進剤、硫黄及び酸化亜鉛を除く成分を1.8リットルの密閉型ミキサーで4〜5分間混練し、130±5℃に達したときに放出してマスターバッチを得た。このマスターバッチに加硫促進剤、硫黄及び酸化亜鉛をオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。次いで、得られたゴム組成物を15×15×0.2cmの金型中、180℃で10分間加硫して試験片(加硫ゴムシート)を作製し、以下に示す試験法で加硫ゴムの物性を測定した。
以下の表IIに示す各配合において、加硫促進剤、硫黄及び酸化亜鉛を除く成分を1.8リットルの密閉型ミキサーで4〜5分間混練し、130±5℃に達したときに放出してマスターバッチを得た。このマスターバッチに加硫促進剤、硫黄及び酸化亜鉛をオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。次いで、得られたゴム組成物を15×15×0.2cmの金型中、180℃で10分間加硫して試験片(加硫ゴムシート)を作製し、以下に示す試験法で加硫ゴムの物性を測定した。
試験法
1)耐空気透過性: 日本ゴム協会発行「ゴム試験法」に記載の空気透過法−圧力法に基づき空気の透過量を求め、比較例1を100として指数で示した。値が大きい程、耐空気透過性が良好であることを示す。
2)切断時伸び: JIS K6251に準拠して、3号ダンベルにて2mm厚のゴムシートを打ち抜き、500mm/分の引張速度の条件下で切断時伸び(EB)を測定した。比較例1を100として指数で示した。値が大きい程、引張強さが良好であることを示す。
3)耐屈曲疲労性: JIS K6270に準拠し、JIS3号ダンベル状サンプルを用いて歪率80%にて繰返し歪を与え、破断に至るまでの回数を測定した。結果は、比較例1の値を100として指数で示した。この数値が大きい程、耐屈曲疲労性が高いことを示す。
1)耐空気透過性: 日本ゴム協会発行「ゴム試験法」に記載の空気透過法−圧力法に基づき空気の透過量を求め、比較例1を100として指数で示した。値が大きい程、耐空気透過性が良好であることを示す。
2)切断時伸び: JIS K6251に準拠して、3号ダンベルにて2mm厚のゴムシートを打ち抜き、500mm/分の引張速度の条件下で切断時伸び(EB)を測定した。比較例1を100として指数で示した。値が大きい程、引張強さが良好であることを示す。
3)耐屈曲疲労性: JIS K6270に準拠し、JIS3号ダンベル状サンプルを用いて歪率80%にて繰返し歪を与え、破断に至るまでの回数を測定した。結果は、比較例1の値を100として指数で示した。この数値が大きい程、耐屈曲疲労性が高いことを示す。
表IIの結果によれば、本発明に係るトール油製カーボンブラック1及び2を使用すると、環境に優しくて、しかも従来のカーボンブラックを配合したゴム組成物に比してその耐空気透過性並びに必要な機械的特性の点で遜色のないタイヤインナーライナー用ゴム組成物が得られることが判る。
Claims (2)
- ブチルゴムを50〜100重量部含むジエン系ゴム100重量部に対し、アルカリ金属イオン濃度が1000ppm以下、かつロジン成分量が5〜90重量%のトール油を原料として得られるカーボンブラック45〜75重量部を配合してなるタイヤインナーライナー用ゴム組成物。
- 前記ブチルゴムがハロゲン化ブチルゴムである、請求項1に記載のタイヤインナーライナー用ゴム組成物。
Priority Applications (1)
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JP2006109410A JP2007277490A (ja) | 2006-04-12 | 2006-04-12 | タイヤインナーライナー用ゴム組成物 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010031110A (ja) * | 2008-07-28 | 2010-02-12 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | タイヤ用ゴム組成物 |
JP2015000919A (ja) * | 2013-06-14 | 2015-01-05 | 三菱化学株式会社 | カーボンブラックの製造方法 |
WO2015057981A1 (en) * | 2013-10-17 | 2015-04-23 | Bridgestone Americas Tire Operations, Llc | Tire innerliner with carbon black blend |
-
2006
- 2006-04-12 JP JP2006109410A patent/JP2007277490A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015000919A (ja) * | 2013-06-14 | 2015-01-05 | 三菱化学株式会社 | カーボンブラックの製造方法 |
WO2015057981A1 (en) * | 2013-10-17 | 2015-04-23 | Bridgestone Americas Tire Operations, Llc | Tire innerliner with carbon black blend |
US10730347B2 (en) | 2013-10-17 | 2020-08-04 | Bridgestone Americas Tire Operations, Llc | Tire innerliner with carbon black blend |
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