JP2007277408A - ポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子及びその製造方法 - Google Patents

ポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】単離したポリメチルシルセスキオキサン微粒子の表面を処理することなく、また、フロロアルキル基を含有する化合物を使用することなく、高い撥水性を有し、各種材料への分散性、親和性に優れたポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子を提供する。
【解決手段】R1SiO3/2単位(ここで、R1は同一又は異種の炭素原子数1〜20の一価有機基である。)が70モル%以上であるポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子の表面で、Si(OR2)4(ここで、R2は水素原子、又は同一又は異種の炭素原子数1〜6のアルキル基である。)と、(CH3)3SiOR3及び/又は[(CH3)3Si]2NH(ここで、R3は水素原子、又は同一又は異種の炭素原子数1〜6のアルキル基である。)とを加水分解、縮合反応して得られ、融点が300℃以上又は融点をもたないポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子。
【選択図】 なし

Description

本発明は、表面改質したポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子及びその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、塗料、インキ、コーティング剤の表面滑り性、撥水性付与剤;化粧品、ワックスの伸展性、表面滑り性、撥水性付与剤;プラスチックフィルムのブロッキング防止剤;並びにプラスチック板やシートの光拡散剤として好適なポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子及びその製造方法に関するものである。
三官能性シロキサン単位から実質的に構成され、三次元網目状に架橋した構造をもつポリオルガノシルセスキオキサン微粒子の製造方法については、従来、種々の方法が提案されている。例えば、メチルトリクロロシランを水中で加水分解、縮合反応させる方法(特許文献1参照)、トリクロロオルガノシランを塩化水素飽和水溶液に添加し、加水分解、縮合反応させる方法(特許文献2参照)、メチルトリアルコキシシランをアルカリ金属水酸化物、アンモニア又は有機アミンの水溶液中で加水分解、縮合反応させる方法(特許文献3参照)、メチルトリアルコキシシランをアルカリ土類金属水酸化物又はアルカリ金属炭酸塩の水溶液中で加水分解、縮合反応させる方法(特許文献4参照)、オルガノトリアルコキシシランを有機カルボン酸水溶液に溶解させた後、アルカリ水溶液中で加水分解、縮合反応させる方法(特許文献5参照)、等が挙げられる。
これらの方法で得られたポリオルガノシルセスキオキサン微粒子は、合成樹脂、天然ゴム、合成ゴムの滑り性、耐摩耗性付与;塗料、インキ、コーティング剤の表面滑り性付与;化粧品、ワックスの伸展性、表面滑り性付与;プラスチックフィルムのブロッキング防止性付与;プラスチック板やシートの光拡散性付与等を目的として、各種材料に添加される。特に、塗料、コーティング剤、化粧品、ワックス等に添加するポリオルガノシルセスキオキサン微粒子は、その特性として、高い撥水性が要求される場合があるが、前述の従来方法によって得られるポリオルガノシルセスキオキサン微粒子は、撥水性の点で必ずしも充分ではない。また、前述の従来方法で調製した上記ポリオルガノシルセスキオキサン微粒子は、合成樹脂、天然ゴム、合成ゴムへの分散性に乏しいという問題がある。
そこで、ポリオルガノシルセスキオキサン微粒子の撥水性、分散性等を改善するために種々の方法が提案されており、例えば、単離したポリメチルシルセスキオキサン微粒子の表面をシリル化剤で処理する方法(特許文献6参照)、単離したポリメチルシルセスキオキサン微粒子の表面をオルガノシロキサンジオールで処理する方法(特許文献7参照)、単離したポリメチルシルセスキオキサン微粒子の表面をハイドロジェンメチルポリシロキサンで処理する方法(特許文献8参照)、オルガノトリアルコキシシランを有機カルボン酸水溶液に溶解させた後、アルカリ水溶液中で縮合反応させ、引き続いてジシラザンを添加し、液中においてポリオルガノシルセスキオキサン微粒子の表面をシリル化する方法(特許文献5参照)等が提案されている。
これらの方法のうち、単離したポリメチルシルセスキオキサン微粒子の表面を処理する方法は、単離したポリメチルシルセスキオキサン微粒子を用意した後、その表面を処理する工程を行うことになるため、コスト高となり、また、これらの方法で得られたポリオルガノシルセスキオキサン微粒子の撥水性は、ある程度改良されているものの、まだ不充分であった。
そこで、さらに高い撥水性をポリオルガノシルセスキオキサン微粒子に付与する方法として、単離したポリメチルシルセスキオキサン微粒子の表面をフロロアルキル基含有のシリル化剤で処理する方法(特許文献9、10参照)、パーフロロアルキルシルセスキオキサン単位を含有するポリオルガノシルセスキオキサン微粒子とする方法(特許文献11参照)等が提案されている。
しかしながら、フロロアルキル基を含有する化合物を使用することは、近年、環境意識の高まりから、ハロゲンフリー化が求められているため、敬遠されている。
ベルギー特許第572412号公報 特開平6−179751号公報 特公昭40−16917号公報 特開昭54−72300号公報 特開平3−244636号公報 特開平1−185367号公報 特開平9−87532号公報 特開平11−255615号公報 特開平2−150426号公報 特開2003−13047号公報 特開平4−122731号公報
本発明が解決しようとする課題は、上記問題点を踏まえ、単離したポリメチルシルセスキオキサン微粒子の表面を処理することなく、また、フロロアルキル基を含有する化合物を使用することなく、高い撥水性を有し、各種材料への分散性、親和性に優れたポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子の表面で、Si(OR2)4と、(CH3)3SiOR3及び/又は[(CH3)3Si]2NHとを反応させることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、R1SiO3/2単位(ここで、R1は同一又は異種の炭素原子数1〜20の一価有機基である。)が70モル%以上であるポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子の表面で、Si(OR2)4(ここで、R2は水素原子、又は同一又は異種の炭素原子数1〜6のアルキル基である。)と、(CH3)3SiOR3及び/又は[(CH3)3Si]2NH(ここで、R3は水素原子、又は同一又は異種の炭素原子数1〜6のアルキル基である。)とを加水分解、縮合反応して得られ、融点が300℃以上又は融点をもたないことを特徴とするポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子である。
本発明の撥水性ポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子は、高い撥水性を有しており、また、各種材料への分散性、親和性等の点でも優れている。
本発明の上記効果は、ポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子の表面でSi(OR2)4(R2は前出)を反応させることにより、ポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子の表面にシラノール基及び/又はアルコキシシリル基(≡Si−OR2基)が形成され、これに(CH3)3SiOR3及び/又は[(CH3)3Si]2NH(R3は前出)が反応して、トリメチルシリル基が増加することにより得られるものと推測される。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
前記したように、本発明のポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子は、R1SiO3/2単位が70モル%以上であるポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子の表面において、Si(OR2)4と、(CH3)3SiOR3及び/又は[(CH3)3Si]2NHとを加水分解、縮合反応させることによって得られる。
R1SiO3/2単位が70モル%以上である上記ポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子は、他の単位として、R1 2SiO2/2単位、R1 3SiO1/2単位、又はSiO4/2単位を含むことができる。R1SiO3/2単位を70モル%以上とする理由は、該単位が70モル%未満であると、ポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子が軟らかくなり、表面滑り性が不十分となるおそれがあること、該微粒子の真比重が高いと、材料に配合したときに沈降を起こしやすくなるので、真比重は低い方が望ましいこと、また、有機溶剤を含む材料においては、表面滑り性、撥水性等の特性が不十分となるため、有機溶剤に対して不溶であることが必要であることによる。
上記各単位を構成するR1は、炭素原子数1〜20よりなる一種あるいは二種以上の一価有機基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基等の不飽和アルキル基;ベンジル基、フェネチル基、β-フェニルプロピル基等のアラルキル基;及びこれら有機基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子に置換したトリフロロプロピル基、β-(パーフロロブチル)エチル基、β-(パーフロロオクチル)エチル基等のハロゲン化有機基;さらに、アミノ基、エポキシ基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、メルカプト基、シアノ基等の官能性基を一部含有する上記有機基の中から選択される。これらの中では、メチル基が好ましい。
R1SiO3/2単位が70モル%以上である上記ポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子は、アルカリ性物質の水溶液にアルコキシシランを添加し、加水分解、縮合反応させるか、又は中性あるいは酸性の水溶液にアルコキシシランを添加し、加水分解させた後、アルカリ性物質又はその水溶液を添加し、縮合反応させることにより、上記ポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子の水分散液として得ることができる。
上記水溶液に添加されるアルコキシシランは、一般式R1Si(OR4)3、R1 2Si(OR4)2、R1 3SiOR4及びSi(OR4)4で示され、その加水分解物及び/又はその部分加水分解縮合物を使用してもよい。上記一般式中、R1は前出と同じであり、R4は炭素原子数1〜6よりなる一種あるいは二種以上のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基であり、特にはメチル基が好ましい。
R1Si(OR4)3、R1 2Si(OR4)2、R1 3SiOR4及びSi(OR4)4の配合比は、希望とするポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子の構造になるように適宜決定すればよい。すなわち、モル比で、希望とするR1SiO3/2単位:R1 2SiO2/2単位:R1 3SiO1/2単位:SiO4/2単位=R1Si(OR4)3:R1 2Si(OR4)2:R1 3SiOR4:Si(OR4)4とすればよい。
前記アルカリ性物質は、前記アルコキシシランの加水分解、縮合反応(中性あるいは酸性の水溶液にアルコキシシランを添加した場合は縮合反応)の触媒となるものであり、触媒活性に優れ、また、製造物から揮発により容易に除去できることから、アンモニア、又はモノメチルアミン、モノエチルアミン等の低沸点のアミンが望ましい。また、該アルカリ性物質の水溶液には、界面活性剤、ポリビニルアルコール等の水溶性ポリマー、アルコール等の水溶性有機溶剤が配合されていてもよい。
同様に、中性あるいは酸性の前記水溶液には、界面活性剤、ポリビニルアルコール等の水溶性ポリマー、アルコール等の水溶性有機溶剤が配合されていてもよい。
本発明のポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子は、ポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子の表面で、Si(OR2)4を加水分解、縮合反応させ、さらに、(CH3)3SiOR3及び/又は[(CH3)3Si]2NHを加水分解、縮合反応させることによって製造することができる。具体的には、上記の方法で得られたポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子の水分散液に、撹拌下、Si(OR2)4と、(CH3)3SiOR3及び/又は[(CH3)3Si]2NHとを投入、又は徐々に滴下して添加し、それらを加水分解、縮合反応させる。
ここで、R2は水素原子、又は同一又は異種の炭素原子数1〜6のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられ、特にはメチル基が好ましい。また、R3は水素原子、又は同一又は異種の炭素原子数1〜6のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられ、特には水素原子又はメチル基が好ましい。
Si(OR2)4と、(CH3)3SiOR3及び/又は[(CH3)3Si]2NHは、先に添加されたアルカリ性物質の触媒作用により、加水分解、縮合反応するが、ポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子の水分散液のpHが低い場合には、Si(OR2)4と、(CH3)3SiOR3及び/又は(CH3)3SiOR3の反応率が悪くなるため、Si(OR2)4と、(CH3)3SiOR3及び/又は[(CH3)3Si]2NHを添加する前、又は添加した後に、前述したアルカリ性物質を追加して添加してもよい。
本発明のポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子は、(CH3)3SiOR3及び/又は[(CH3)3Si]2NHの加水分解、縮合反応でポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子表面に導入されたトリメチルシリル基により、撥水性等の本発明の効果が付与されると考えられるが、本発明では、ポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子表面に多くのトリメチルシリル基を形成させるために、ポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子の表面で、Si(OR2)4を加水分解、縮合反応させている。すなわち、本発明では、ポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子表面で、Si(OR2)4を加水分解、縮合反応させることにより、(CH3)3SiOR3及び/又は[(CH3)3Si]2NHが反応しうるシラノール基及び/又はアルコキシシリル基を多く形成させ、それによってトリメチルシリル基を増加させている。
ポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子の水分散液に添加するSi(OR2)4の量は、該ポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子100重量部に対し、0.1重量部未満では撥水性が十分でなく、20重量部より多くしても撥水性は向上しないので、0.1〜20重量部が好ましく、より好ましくは1〜10重量部の範囲である。
ポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子の水分散液に添加する (CH3)3SiOR3 の量は、Si(OR2)4 1モルに対し、1モル未満では撥水性が低下し、4モルより多くしても撥水性は向上しないので、1〜4モルが好ましく、より好ましくは2〜3.5モルの範囲である。
ポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子の水分散液に添加する[(CH3)3Si]2NHの量は、Si(OR2)4 1モルに対し、0.5モル未満では撥水性が低下し、2モルより多くしても撥水性は向上しないので、0.5〜2モルが好ましく、より好ましくは1〜1.8モルの範囲である。
Si(OR2)4と、(CH3)3SiOR3及び/又は[(CH3)3Si]2NHをポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子の水分散液に添加する時の撹拌は、強い撹拌とすると該粒子同士の凝集が起こり撥水性を十分とすることができないことから、プロペラ翼、平板翼等を用いる緩い撹拌とすることがよいが、Si(OR2)4と、(CH3)3SiOR3及び/又は[(CH3)3Si]2NHがポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子の水分散液中に分散される撹拌強度は必要とされる。
Si(OR2)4と、(CH3)3SiOR3及び/又は[(CH3)3Si]2NHをポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子の水分散液に添加する時の温度は、0℃より低いと水分散液が凝固してしまい、60℃より高くすると該粒子が凝集を起こし撥水性を十分とすることができないことから、上記温度は0〜60℃であることが好ましく、より好ましくは0〜40℃である。
Si(OR2)4と、(CH3)3SiOR3及び/又は[(CH3)3Si]2NHは、ポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子の水分散液に同時添加するか、もしくはSi(OR2)4を先に添加し、その後、(CH3)3SiOR3及び/又は[(CH3)3Si]2NHを添加する。添加終了後、加水分解、縮合反応が完全に終了するまで、しばらく撹拌を続けておくことが好ましく、加水分解、縮合反応を完結させるために40〜100℃で加熱してもよい。その後必要であれば酸性物質を投入して中和してもよい。
上記のようにして得られたポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子は水性分散液であるから、本発明のポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子とするには、これから水及び副生成物であるメタノールを除去する必要がある。それらの除去は、加熱又は減圧下に加熱すればよいが、そのためには、分散液を静置して行う方法、分散液を撹拌流動させながら行う方法、スプレードライヤーのように熱風気流中に分散液を噴霧、分散させる方法、流動熱媒体を利用する方法等で行えばよい。なお、この際、前処理として、加熱脱水、濾過分離、遠心分離、デカンテーション等の方法で分散液を濃縮してもよいし、必要ならば水洗浄を行ってもよい。そして、これらの方法で水及びメタノールを除去することにより、本発明のポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子を得ることができる。
また、取り出したポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子が凝集している場合には、ジェットミル、ボールミル、ハンマーミル等の粉砕機で解砕することも必要とされる。
本発明のポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子の形状は、球状、不定形、鱗片状、針状、板状等、特に限定されないが、基材に対する良好な分散性、親和性を得る上で、球状であることが望ましい。
また、本発明のポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子の平均粒径は、0.1〜50μm、特に1〜30μmの範囲とすることが、良好な表面滑り性、ブロッキング防止性、光拡散性、分散性等の特性を得る上で望ましい。
上記製造方法によって得られる本発明のポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子の融点は、300℃以上であるか、明確な融点を示さないものであることを必要とする。ポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子の融点が300℃未満であると、熱により粒子内部が粒子表面に露出し、撥水性、分散性等が低下するし、分子量が小さいため、有機溶剤に溶解してしまう。
本発明のポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子は、各種材料に対して、撥水性、伸展性、表面滑り性、ブロッキング防止性等を付与するために使用することができ、具体的には、塗料、インキ、コーティング剤の表面滑り性、撥水性付与剤;化粧品、ワックスの伸展性、表面滑り性、撥水性付与剤;プラスチックフィルムのブロッキング防止剤;並びにプラスチック板やシートの光拡散剤として好適である。
次に実施例を示して、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによってのみ限定されるものではない。
<撥水性の評価方法>
メタノール濃度を20%から2%刻みで増量した各濃度のメタノール水を用意した。そして、これらのメタノール水100gにポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子を添加してガラス棒で10秒間撹拌し、ポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子がメタノール水に浮くことなく全量分散し始めるときのメタノール濃度を求め、この濃度の値から、ポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子の撥水性の評価を行った。すなわち、上記メタノール濃度が高い程、ポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子の撥水性が高いと評価した。
(実施例1)
5リットルのガラスフラスコにイオン交換水3,657g及びアンモニア水(濃度28%)86gを仕込み、水温を20℃とした。翼回転数150rpmの条件で錨型撹拌翼により撹拌を行い、メチルトリメトキシシラン743gを3時間かけて滴下し、この間液温を15〜25℃に保った。滴下終了後15〜25℃で15分間撹拌を行った後、テトラメトキシシラン5g及びトリメチルシラノール9g(テトラメトキシシラン/トリメチルシラノール(モル比)=1.0/3.0、トリメチルシラノールはポリメチルシルセスキオキサン系微粒子100重量部に対し2.5重量部となる量。)を投入し、さらに15〜25℃に保ち1時間撹拌した後、55〜60℃まで加熱し、引き続き1時間撹拌を行った。得られた液を、加圧濾過器を用いて脱液してケーキ状物とし、このケーキ状物を熱風循環乾燥機中で105℃の温度で乾燥し、乾燥物をジェットミルで解砕して、ポリメチルシルセスキオキサン系微粒子(融点:なし)を得た。
このポリメチルシルセスキオキサン系シリコーン微粒子の平均粒径をマルチサイザーII(粒度分布測定装置、ベックマン・コールター社製、商品名)を用いて測定したところ、2.3μmであった。
また、該ポリメチルシルセスキオキサン系微粒子の形状を光学顕微鏡にて観察したところ、球状であった。
さらに、前記方法にて、該ポリメチルシルセスキオキサン系微粒子の撥水性を評価したところ、メタノール水に全量分散し始めるときのメタノール濃度は44%であった。
(実施例2)
5リットルのガラスフラスコにイオン交換水3,643g及びアンモニア水(濃度28%)86gを仕込み、水温を20℃とした。翼回転数150rpmの条件で錨型撹拌翼により撹拌を行い、メチルトリメトキシシラン743gを3時間かけて滴下し、この間液温を15〜25℃に保った。滴下終了後15〜25℃で15分間撹拌を行った後、テトラメトキシシラン10g及びトリメチルシラノール18g(テトラメトキシシラン/トリメチルシラノール(モル比)=1.0/3.0、トリメチルシラノールはポリメチルシルセスキオキサン系微粒子100重量部に対し4.9重量部となる量。)を投入し、さらに15〜25℃に保ち1時間撹拌した後、55〜60℃まで加熱し、引き続き1時間撹拌を行った。得られた液を、加圧濾過器を用いて脱液してケーキ状物とし、このケーキ状物を熱風循環乾燥機中で105℃の温度で乾燥し、乾燥物をジェットミルで解砕して、ポリメチルシルセスキオキサン系微粒子(融点:なし)を得た。
このポリメチルシルセスキオキサン系微粒子の平均粒径をマルチサイザーII(粒度分布測定装置、ベックマン・コールター社製、商品名)を用いて測定したところ、2.2μmであった。
また、該ポリメチルシルセスキオキサン系微粒子の形状を光学顕微鏡にて観察したところ、球状であった。
さらに、前記方法にて、該ポリメチルシルセスキオキサン系微粒子の撥水性を評価したところ、メタノール水に全量分散し始めるときのメタノール濃度は68%であった。
(実施例3)
5リットルのガラスフラスコにイオン交換水3,642g及びアンモニア水(濃度28%)86gを仕込み、水温を20℃とした。翼回転数150rpmの条件で錨型撹拌翼により撹拌を行い、メチルトリメトキシシラン743gを3時間かけて滴下し、この間液温を15〜25℃に保った。滴下終了後15〜25℃で15分間撹拌を行った後、テトラメトキシシラン10gを投入し、次いで15分間撹拌後トリメチルメトキシシラン20g(テトラメトキシシラン/トリメチルメトキシシラン(モル比)=1.0/2.9、トリメチルメトキシシランはポリメチルシルセスキオキサン系微粒子100重量部に対し5.5重量部となる量。)を投入し、さらに15〜25℃に保ち1時間撹拌した後、55〜60℃まで加熱し、引き続き1時間撹拌を行った。得られた液を、加圧濾過器を用いて脱液しケーキ状物とし、このケーキ状物を熱風循環乾燥機中で105℃の温度で乾燥し、乾燥物をジェットミルで解砕して、ポリメチルシルセスキオキサン系微粉末(融点:なし)を得た。
このポリメチルシルセスキオキサン系微粒子の平均粒径をマルチサイザーII(粒度分布測定装置、ベックマン・コールター社製、商品名)を用いて測定したところ、2.3μmであった。
また、該ポリメチルシルセスキオキサン系微粒子の形状を光学顕微鏡にて観察したところ、球状であった。
さらに、前記方法にて、該ポリメチルシルセスキオキサン系微粒子の撥水性を評価したところ、メタノール水に全量分散し始めるときのメタノール濃度は64%であった。
(実施例4)
5リットルのガラスフラスコにイオン交換水3,645g及びアンモニア水(濃度28%)86gを仕込み、水温を20℃とした。翼回転数150rpmの条件で錨型撹拌翼により撹拌を行い、メチルトリメトキシシラン743gを3時間かけて滴下し、この間液温を15〜25℃に保った。滴下終了後15〜25℃で15分間撹拌を行った後、テトラメトキシシラン10gを投入し、次いで15分間撹拌後ヘキサメチルジシラザン16g(テトラメトキシシラン/ヘキサメチルジシラザン(モル比)=1.0/1.5、ヘキサメチルジシラザンはポリメチルシルセスキオキサン系微粒子100重量部に対し4.3重量部となる量。)を投入し、さらに15〜25℃に保ち1時間撹拌した後、55〜60℃まで加熱し、引き続き1時間撹拌を行った。得られた液を、加圧濾過器を用いて脱液してケーキ状物とし、このケーキ状物を熱風循環乾燥機中で105℃の温度で乾燥し、乾燥物をジェットミルで解砕して、ポリメチルシルセスキオキサン系微粒子(融点:なし)を得た。
このポリメチルシルセスキオキサン系微粒子の平均粒径をマルチサイザーII(粒度分布測定装置、ベックマン・コールター社製、商品名)を用いて測定したところ、2.3μmであった。
また、該ポリメチルシルセスキオキサン系微粒子の形状を光学顕微鏡にて観察したところ、球状であった。
さらに、前記方法にて、該ポリメチルシルセスキオキサン系微粒子の撥水性を評価したところ、メタノール水に全量分散し始めるときのメタノール濃度は64%であった。
(実施例5)
5リットルのガラスフラスコにイオン交換水3,738gを仕込み、水温を20℃とした。翼回転数150rpmの条件で錨型撹拌翼により撹拌を行い、メチルトリメトキシシラン720gを投入したところ、発熱が起こり15分後には32℃まで昇温し、透明な状態になった。25〜35℃に保ち1時間撹拌した後、70%エチルアミン水溶液を3.6g投入し、1分撹拌した後、撹拌を停止した。撹拌停止40秒後に白濁が起こり、15分後撹拌を再開し、テトラメトキシシラン10g及びトリメチルシラノール18g(テトラメトキシシラン/トリメチルシラノール(モル比)=1.0/3.0、トリメチルシラノールはポリメチルシルセスキオキサン系微粒子100重量部に対し5.1重量部となる量。)を投入し、さらに25〜35℃に保ち1時間撹拌した後、70%エチルアミン水溶液を10g投入し、55〜60℃まで加熱し、引き続き1時間撹拌を行った。得られた液を、加圧濾過器を用いて脱液しケーキ状物とし、このケーキ状物を熱風循環乾燥機中で105℃の温度で乾燥し、乾燥物をジェットミルで解砕して、ポリメチルシルセスキオキサン系微粒子(融点:なし)を得た。
このポリメチルシルセスキオキサン系微粒子の平均粒径をマルチサイザーII(粒度分布測定装置、ベックマン・コールター社製、商品名)を用いて測定したところ、2.2μmであった。
また、該ポリメチルシルセスキオキサン系微粒子の形状を光学顕微鏡にて観察したところ、球状であった。
さらに、前記方法にて、該ポリメチルシルセスキオキサン系微粒子の撥水性を評価したところ、メタノール水に全量分散し始めるときのメタノール濃度は62%であった。
(比較例1)
5リットルのガラスフラスコにイオン交換水3,671g及びアンモニア水(濃度28%)86gを仕込み、水温を20℃とした。翼回転数150rpmの条件で錨型撹拌翼により撹拌を行い、メチルトリメトキシシラン743gを3時間かけて滴下し、この間液温を15〜25℃に保った。滴下終了後15〜25℃に保ち1時間撹拌した後、55〜60℃まで加熱し、引き続き1時間撹拌を行った。得られた液を、加圧濾過器を用いて脱液しケーキ状物とし、このケーキ状物を熱風循環乾燥機中で105℃の温度で乾燥し、乾燥物をジェットミルで解砕して、ポリメチルシルセスキオキサン系微粒子(融点:なし)を得た。
このポリメチルシルセスキオキサン系微粒子の平均粒径をマルチサイザーII(粒度分布測定装置、ベックマン・コールター社製、商品名)を用いて測定したところ、2.3μmであった。
また、該ポリメチルシルセスキオキサン系微粒子の形状を光学顕微鏡にて観察したところ、球状であった。
さらに、前記方法にて、該ポリメチルシルセスキオキサン系微粒子の撥水性を評価したところ、メタノール水に全量分散し始めるときのメタノール濃度は22%であり、表面改質しない場合には撥水性は低いものであった。
(比較例2)
5リットルのガラスフラスコにイオン交換水3,662g及びアンモニア水(濃度28%)86gを仕込み、水温を20℃とした。翼回転数150rpmの条件で錨型撹拌翼により撹拌を行い、メチルトリメトキシシラン743gを3時間かけて滴下し、この間液温を15〜25℃に保った。滴下終了後15〜25℃で15分間撹拌を行った後、トリメチルシラノール9g(トリメチルシラノールはポリメチルシルセスキオキサン系微粒子100重量部に対し2.5重量部となる量。)を投入し、さらに15〜25℃に保ち1時間撹拌した後、55〜60℃まで加熱し、引き続き1時間撹拌を行った。得られた液を、加圧濾過器を用いて脱液しケーキ状物とし、このケーキ状物を熱風循環乾燥機中で105℃の温度で乾燥し、乾燥物をジェットミルで解砕して、ポリメチルシルセスキオキサン系微粒子(融点:なし)を得た。
このポリメチルシルセスキオキサン系微粒子の平均粒径をマルチサイザーII(粒度分布測定装置、ベックマン・コールター社製、商品名)を用いて測定したところ、2.2μmであった。
また、該ポリメチルシルセスキオキサン系微粒子の形状を光学顕微鏡にて観察したところ、球状であった。
さらに、前記方法にて、該ポリメチルシルセスキオキサン系微粒子の撥水性を評価したところ、メタノール水に全量分散し始めるときのメタノール濃度は38%であり、トリメチルシラノールのみの反応では撥水性は低いものであった。
(比較例3)
5リットルのガラスフラスコにイオン交換水3,663g及びアンモニア水(濃度28%)86gを仕込み、水温を20℃とした。翼回転数150rpmの条件で錨型撹拌翼により撹拌を行い、メチルトリメトキシシラン743gを3時間かけて滴下し、この間液温を15〜25℃に保った。滴下終了後15〜25℃で15分間撹拌を行った後、ヘキサメチルジシラザン8gを投入し、さらに15〜25℃に保ち1時間撹拌した後、55〜60℃まで加熱し、引き続き1時間撹拌を行った。得られた液を加圧濾過器を用いて脱液しケーキ状物とし、このケーキ状物を熱風循環乾燥機中で105℃の温度で乾燥し、乾燥物をジェットミルで解砕して、ポリメチルシルセスキオキサン系微粒子(融点:なし)を得た。
このポリメチルシルセスキオキサン系微粒子の平均粒径をマルチサイザーII(粒度分布測定装置、ベックマン・コールター社製、商品名)を用いて測定したところ、2.2μmであった。
また、該ポリメチルシルセスキオキサン系微粒子の形状を光学顕微鏡にて観察したところ、球状であった。
さらに、前記方法にて、該ポリメチルシルセスキオキサン系微粒子の撥水性を評価したところ、メタノール水に全量分散し始めるときのメタノール濃度は34%であり、ヘキサメチルジシラザンのみの反応では撥水性は低いものであった。
(比較例4)
比較例1で得られたポリメチルシルセスキオキサン系微粒子200gを2リットルのプラネタリーミキサーに仕込み、撹拌しながら水4gを添加し、密閉後さらに60℃で10時間撹拌した。室温まで冷却した後、ヘキサメチルジシラザン4.4gを撹拌下添加し、密閉後さらに24時間撹拌し、その後120℃に昇温し、窒素ガスを通気しながら、残存ヘキサメチルジシラザン及び副生成物のアンモニアを除去した。得られた乾燥物をジェットミルで解砕して、ポリメチルシルセスキオキサン系微粒子(融点:なし)を得た。
このポリメチルシルセスキオキサン系微粒子の平均粒径をマルチサイザーII(粒度分布測定装置、ベックマン・コールター社製、商品名)を用いて測定したところ、2.3μmであった。
また、該ポリメチルシルセスキオキサン系微粒子の形状を光学顕微鏡にて観察したところ、球状であった。
さらに、前記方法にて、該ポリメチルシルセスキオキサン系微粒子の撥水性を評価したところ、メタノール水に全量分散し始めるときのメタノール濃度は36%であり、単離されたポリメチルシルセスキオキサン系微粒子に乾式でヘキサメチルジシラザンを反応させた場合には、撥水性は低いものであった。
Figure 2007277408
(評価)
実施例及び比較例の結果を表1に示した。この表1からわかるように、実施例のポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子は、比較例のものに比べて、メタノール水に全量分散し始めるときのメタノール濃度が高いことから、撥水性に優れていることが確認された。また、実施例のポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子は、撥水性が高いことから、粒子表面に多くのトリメチルシリル基を含有しており、各種材料への分散性、親和性の点でも良好であることが期待される。

Claims (3)

  1. R1SiO3/2単位(ここで、R1は同一又は異種の炭素原子数1〜20の一価有機基である。)が70モル%以上であるポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子の表面で、Si(OR2)4(ここで、R2は水素原子、又は同一又は異種の炭素原子数1〜6のアルキル基である。)と、(CH3)3SiOR3及び/又は[(CH3)3Si]2NH(ここで、R3は水素原子、又は同一又は異種の炭素原子数1〜6のアルキル基である。)とを加水分解、縮合反応して得られ、融点が300℃以上又は融点をもたないことを特徴とするポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子。
  2. R1がメチル基である請求項1に記載のポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子。
  3. アルカリ性物質の水溶液にアルコキシシランを添加し、加水分解、縮合反応させるか、又は中性あるいは酸性の水溶液にアルコキシシランを添加し、加水分解させた後、アルカリ性物質又はその水溶液を添加し、縮合反応させて、ポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子の水分散液を得た後、撹拌下、該水分散液にSi(OR2)4(ここで、R2は水素原子、又は同一又は異種の炭素原子数1〜6のアルキル基である。)と、(CH3)3SiOR3及び/又は[(CH3)3Si]2NH(ここで、R3は水素原子、又は同一又は異種の炭素原子数1〜6のアルキル基である。)とを添加し、加水分解、縮合反応させることを特徴とする請求項1に記載のポリオルガノシルセスキオキサン系微粒子の製造方法。

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