JP2007277375A - メタクリル系重合硬化物の製造方法及びメタクリル系重合硬化性組成物 - Google Patents
メタクリル系重合硬化物の製造方法及びメタクリル系重合硬化性組成物 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】溶解性に優れ、保存時においても溶解物の析出を抑制し均一性を保持することができるメタクリル系重合硬化性組成物を提供し、これを用いて、透明性に優れ外観欠陥のない重合硬化物を収率よく得ることができ、鋳型を用いた重合において鋳型の汚染を抑制することができ、重合硬化物の高温離型性に優れ、効率よくメタクリル系重合硬化物を製造することができるメタクリル系重合硬化物の製造方法を提供することにある。
【解決手段】メタクリル酸メチル60〜100質量%及びこれと共重合可能な単量体0〜40質量%を含有する単量体成分100質量部と、特定のリン酸エステル0.005〜0.5質量部と、特定の化合物0.005〜0.5質量部とを含むメタクリル系重合硬化性組成物を、ラジカル重合開始剤の存在下、鋳型内で重合硬化し、重合硬化物を70〜110℃の温度下で離型する。
【選択図】なし
【解決手段】メタクリル酸メチル60〜100質量%及びこれと共重合可能な単量体0〜40質量%を含有する単量体成分100質量部と、特定のリン酸エステル0.005〜0.5質量部と、特定の化合物0.005〜0.5質量部とを含むメタクリル系重合硬化性組成物を、ラジカル重合開始剤の存在下、鋳型内で重合硬化し、重合硬化物を70〜110℃の温度下で離型する。
【選択図】なし
Description
本発明は、透明性に優れ、外観欠陥が抑制されたメタクリル系重合硬化物の製造方法及びメタクリル系重合硬化性組成物に関する。
メタクリル系樹脂の成形体であるメタクリル系樹脂板の製造方法としては鋳型製板方法や押出製板方法等がある。溶融成形する押出製板方法で得られるメタクリル系樹脂板と比較して、鋳型製板方法で得られるメタクリル系樹脂板は光学歪が少なく、分子量の設定範囲も広いため、耐薬品性、加工性、機械的強度等を高めることが可能で多くの分野に使用されている。
従来のメタクリル系樹脂板の鋳型製板方法には、鋳型からの離型性向上のために様々な離型剤が用いられている。例えば、成形金型内での加圧・加熱条件下で炭素数が8〜13のアルキルリン酸エステルのモノエステルをメタクリル系樹脂に添加することによって樹脂の離型性が向上することが報告されている(特許文献1)。また、ガラスや金属からなる鋳型内での重合時に炭素数が8〜18の有機リン酸エステルのジエステルをメタクリル系樹脂に添加することによって樹脂の離型性が向上することが報告されている(特許文献2)。しかしながら、これらの方法では、鋳型を汚染することがあるという欠点がある。さらに、2−エチルヘキシルアシッドフォスフェートおよびスルホ琥珀酸エステル塩を添加することによって重合後の高温離型性に優れ、且つ、鋳型を繰り返し使用しても鋳型を汚染しないメタクリル系樹脂組成物が報告されている(特許文献3)。しかしながら、この方法では、アクリル系架橋重合体からなる層を被覆したメタクリル系樹脂組成物の離型性が良好でないことがあるという欠点がある。さらに、ポリエチレングリコールアルキルオキシエチレンエーテルを添加することによって重合後の高温離型性に優れ、且つ、鋳型を繰り返し使用しても鋳型を汚染しないメタクリル系樹脂組成物が報告されている(特許文献4)。しかしながら、この方法では、ポリエチレングリコールアルキルオキシエチレンエーテルのアルキル基の炭素数が12〜18の範囲では、離型性は良好であるが、メタクリル酸メチルまたは他の共重合可能な単量体に対する溶解性が低く、該単量体混合物との溶液を調製するにはポリエチレングリコールアルキルオキシエチレンエーテルを加熱溶融させて溶解させなければならず、さらに、該溶液を低温下で保管するとポリエチレングリコールアルキルオキシエチレンエーテルが析出し、不均一系になる場合がある。
特許第2571787号公報
特開昭58−84807号公報
特開2001−172462号公報
特開2005−162820号公報
本発明の目的は、溶解性に優れ、保存時においても溶解物の析出を抑制し均一性を保持することができるメタクリル系重合硬化性組成物を提供し、これを用いて、透明性に優れ外観欠陥のない、メタクリル系樹脂の特徴である優れた光学的性質や機械的性質を維持したまま、収率よく重合硬化物を得ることができ、鋳型を用いた重合において鋳型汚染物質の発生を抑制し、鋳型の汚染を反復使用しても抑制することができ、重合硬化物の高温離型性に優れ、効率よくメタクリル系重合硬化物を製造することができるメタクリル系重合硬化物の製造方法を提供することにある。
本発明者等は鋭意検討を進めた結果、メタクリル酸メチルを主成分として含有する単量体成分と、またはこの単量体成分とメタクリル酸メチル単位を主成分とする重合体とを加えた重合性成分と、特定のリン酸エステルと、特定の化合物とを特定の割合で含有するメタクリル系重合硬化性組成物は溶解性に優れ、保存時においてもこれらの溶解物の析出を抑制することができ均一性を保持することができることの知見を得た。そして、均一性を有するメタクリル系重合硬化性組成物を用いて鋳型内で重合硬化することによって、透明性に優れ、表面欠陥が抑制され、メタクリル系樹脂の特徴である優れた光学的性質や機械的性質を維持したまま、収率よくメタクリル系重合硬化物を得ることができ、しかも、鋳型汚染物質の発生を抑制し、鋳型を反復使用しても汚染を抑制することができ、重合硬化物を高温で離型することが可能であって、効率よくメタクリル系重合硬化物を製造することができることを見い出した。これらの知見に基づき本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、メタクリル酸メチル60〜100質量%及びこれと共重合可能な単量体0〜40質量%を含有する単量体成分100質量部、一般式(1)で表されるリン酸エステル0.005〜0.5質量部、及び、一般式(2)で表される化合物0.005〜0.5質量部を含むメタクリル系重合硬化性組成物を、ラジカル重合開始剤の存在下、鋳型内で重合硬化し、重合硬化物を70〜110℃の温度下で鋳型から離型するメタクリル系重合硬化物の製造方法に関する。
(式中、R1は炭素数2〜8の分岐していてもよいアルキル基、kは1または2の整数を表す。)
(式中、l、m、n、oは2×(n+2)≦m+o+l≦50、1≦n≦18を満たす整数を表す。)
また、本発明は、メタクリル酸メチル60〜100質量%及びこれと共重合可能な単量体0〜40質量%を含有する単量体成分50〜99質量部と、メタクリル酸メチル単位を主成分とする重合体1〜50質量部とを含む重合性成分100質量部、一般式(1)で表されるリン酸エステル0.005〜0.5質量部、及び、一般式(2)で表される化合物0.005〜0.5質量部を含むメタクリル系重合硬化性組成物を、ラジカル重合開始剤の存在下、鋳型内で重合硬化し、重合硬化物を70〜110℃の温度下で鋳型から離型するメタクリル系重合硬化物の製造方法に関する。
また、本発明は、メタクリル酸メチル60〜100質量%及びこれと共重合可能な単量体0〜40質量%を含有する単量体成分50〜99質量部と、メタクリル酸メチル単位を主成分とする重合体1〜50質量部とを含む重合性成分100質量部、一般式(1)で表されるリン酸エステル0.005〜0.5質量部、及び、一般式(2)で表される化合物0.005〜0.5質量部を含むメタクリル系重合硬化性組成物を、ラジカル重合開始剤の存在下、鋳型内で重合硬化し、重合硬化物を70〜110℃の温度下で鋳型から離型するメタクリル系重合硬化物の製造方法に関する。
(式中、R1は炭素数2〜8の分岐していてもよいアルキル基、kは1または2の整数を表す。)
(式中、l、m、n、oは2×(n+2)≦m+o+l≦50、1≦n≦18を満たす整数を表す。)
さらに、本発明は、メタクリル酸メチル60〜100質量%及びこれと共重合可能な単量体0〜40質量%を含有する単量体成分50〜100質量部と、メタクリル酸メチル単位を主成分とする重合体0〜50質量部とを含む重合性成分100質量部、一般式(1)で表されるリン酸エステル0.005〜0.5質量部、及び、一般式(2)で表される化合物0.005〜0.5質量部を含むメタクリル系重合硬化性組成物に関する。
さらに、本発明は、メタクリル酸メチル60〜100質量%及びこれと共重合可能な単量体0〜40質量%を含有する単量体成分50〜100質量部と、メタクリル酸メチル単位を主成分とする重合体0〜50質量部とを含む重合性成分100質量部、一般式(1)で表されるリン酸エステル0.005〜0.5質量部、及び、一般式(2)で表される化合物0.005〜0.5質量部を含むメタクリル系重合硬化性組成物に関する。
(式中、R1は炭素数2〜8の分岐していてもよいアルキル基、kは1または2の整数を表す。)
(式中、l、m、n、oは2×(n+2)≦m+o+l≦50、1≦n≦18を満たす整数を表す。)
本発明のメタクリル系重合硬化性組成物は、単量体成分との溶解性に優れ、保存時においても溶解物の析出を抑制し均一性を保持することができる。また、本発明のメタクリル系重合硬化物の製造方法は、透明性に優れ、板外観が良好で、メタクリル系樹脂の特徴である優れた光学的性質や機械的性質を維持したまま、重合硬化物を得ることができ、鋳型を用いた重合において鋳型汚染物質の発生を抑制し、鋳型を反復使用しても汚染を抑制することができ、重合硬化物の高温離型性に優れ、効率よくメタクリル系重合硬化物を製造することができる。
本発明のメタクリル系重合硬化物の製造方法は、メタクリル酸メチル60〜100質量%及びこれと共重合可能な単量体0〜40質量%を含有する単量体成分100質量部、一般式(1)
(式中、R1は炭素数2〜8の分岐していてもよいアルキル基、kは1または2の整数を表す。)で表されるリン酸エステル0.005〜0.5質量部、及び、一般式(2)
(式中、l、m、n、oは2×(n+2)≦m+o+l≦50、1≦n≦18を満たす整数を表す。)で表される化合物0.005〜0.5質量部を含むメタクリル系重合硬化性組成物を、ラジカル重合開始剤の存在下、鋳型内で重合硬化し、重合硬化物を70〜110℃の温度下で鋳型から離型する方法である。
本発明のメタクリル系重合硬化物の製造方法に用いるメタクリル系重合硬化性組成物は、メタクリル酸メチル60〜100質量%及び共重合可能な単量体0〜40質量%を含有する単量体成分100質量部と、一般式(1)で表されるリン酸エステル0.005〜0.5質量部と、一般式(2)で表される化合物0.005〜0.5質量部とを含む。
上記メタクリル系重合硬化性組成物に含有される単量体成分は、メタクリル酸メチル(以下、適宜「MMA」という。)と、必要に応じてこれと共重合可能な単量体(以下、「その他の単量体」という。)とを含む。
その他の単量体としては、具体的には、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸s−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等のシクロアルキル基、ベンジル基を含むアルキル基の炭素数2〜12のメタクリル酸エステル類;メタクリル酸ボルニル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸フェンチル、メタクリル酸1−メンチル、メタクリル酸アダマンチル、メタクリル酸ジメチルアダマンチルなどの炭素数8〜20の脂環式炭化水素基を有するメタクリル酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸エステル類;スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、イソプロペニルスチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;メタクリル酸、アクリル酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン等の多価不飽和化合物等を挙げることができる。これらは1種を単独で使用することも、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
これらのその他の単量体の、単量体成分中の含有量は、0〜40質量%以下である。単量体成分中のその他の単量体の含有量が40質量%以下であると、良好な耐候性、透明性を有する重合硬化物が得られる。更に、その他の単量体の単量体成分中の含有量は、10質量%以下であることが、重合硬化物においてメタクリル樹脂本来の物性を損なわないことから好ましく、また、単量体成分として、その他の単量体を含まないMMAの含有量が100質量%であるものも使用することができる。
上記メタクリル系重合硬化性組成物が含有する一般式(1)で表されるリン酸エステルは、式(1)中、R1は炭素数2〜8の分岐していてもよいアルキル基を表し、kは1または2の整数を表すものである。R1のアルキル基の炭素数が2以上であると鋳型を汚染する物質の生成が抑制される。また、R1のアルキル基の炭素数が8以下であると硬化物において高温においても優れた離型性を有する。
このような一般式(1)で表されるリン酸エステルとしては、例えば、リン酸モノエチルエステル、リン酸ジエチルエステル、リン酸モノブチルエステル、リン酸ジブチルエステル、リン酸モノ2−エチルヘキシルエステル、リン酸ジ2−エチルヘキシルエステル等を挙げることができる。これらは、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記一般式(1)で表されるリン酸エステルのメタクリル系重合硬化性組成物中の含有量は、MMAとその他の単量体とを含む単量体成分100質量部に対して、0.005〜0.5質量部の範囲である。上記リン酸エステルの含有量が0.005質量部以上であると、重合硬化物を鋳型から高温で離型する際の離型性が良好となる。0.5質量部以下であると、得られる重合硬化物において吸水性が上昇するのを抑制することができ、外観性に優れたものとなる。
上記メタクリル系重合硬化物用組成物が含有する一般式(2)で表される化合物は、式(2)中、l、m、n、oは2×(n+2)≦m+o+l≦50、1≦n≦18を満たす整数を表すものである。l、m、n、oが前記関係式を満たす場合、単量体成分への良好な溶解性を有し、得られる重合硬化物において良好な離型性を有する。
このような一般式(2)で表される化合物としては、例えば、ポリオキシエチレングリコール(8)グリセリルエーテル、ポリオキシエチレングリコール(15)グリセリルエーテル、ポリオキシエチレングリコール(20)グリセリルエーテル、ポリオキシエチレン(22)ソルビトールエーテル等を挙げることができる。上記化合物における括弧内の数字は、エチレングリコール単位の数を表す。これらは、1種または2種以上を組み合わせて使用することもできる。
一般式(2)で表される化合物のメタクリル系重合硬化性組成物中の含有量は、MMAとその他の単量体とを含む単量体成分100質量部に対して、0.005〜0.5質量部の範囲である。上記化合物の含有量が0.005質量部以上であると、得られる重合硬化物を鋳型から高温で離型する際の離型性が良好となる。使用量が0.5質量部以下であると、得られる重合硬化物において外観性に優れたものとなる。
上記メタクリル系重合硬化性組成物には、上記成分を阻害しない範囲において、必要に応じて、着色に用いられる染料、顔料;酸化防止剤、紫外線吸収剤等の安定剤;難燃剤、耐衝撃性改質剤等を含有させることができる。また、必要に応じてn−ブチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン等のアルキルメルカプタン等を分子量調節剤として含有させることもできる。
本発明のメタクリル系重合硬化物の製造方法に用いるラジカル重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート等の有機過酸化物等を挙げることができる。これらは1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらのラジカル重合開始剤の使用量としては、例えば、MMAとその他の単量体とを含む単量体成分100質量部に対して、0.001〜0.5質量部とすることができる。
本発明のメタクリル系重合硬化物の製造方法としては、上記メタクリル系重合硬化性組成物を調製し、これにラジカル重合開始剤を加え、減圧脱泡し、これを鋳型内に注ぐ方法を挙げることができる。
上記メタクリル系重合硬化性組成物を調製する方法として、MMA、必要に応じてその他の単量体、一般式(1)で表されるリン酸エステル、一般式(2)で表される化合物とを所定量計量し適宜容器内で混合攪拌する方法を挙げることができる。添加剤は、メタクリル系重合硬化性組成物にラジカル重合開始剤を添加し、鋳型に注入する直前までの間に添加混合することもできる。
上記メタクリル系重合硬化性組成物にラジカル重合開始剤を加えるには、適宜混合攪拌すればよい。ラジカル重合開始剤とメタクリル系重合硬化性組成物とを混合し、脱泡し、鋳型内に注入する。
本発明のメタクリル系重合硬化物の製造方法に用いる鋳型としては、例えば、一定間隔、具体的には、0.5〜15mmの範囲を有して対向して設けられる1対の板状体と、この一定間隔を閉塞するように設けられるガスケットで構成されたものを挙げることができ、これらを固定状態として、または移動状態として使用することができる。1対の板状体の材質としては、例えば、強化ガラス、クロムメッキ板、ステンレス板等を挙げることができ、これらのうち金属製が汚染物質の付着を抑制することができるため好ましい。ガスケットの材質としては、軟質塩化ビニル等を挙げることができる。
移動状態として用いる鋳型としては、ベルト面が一定間隔を保持して対向して配置され同一方向へ同一速度で走行する2枚のエンドレスベルトにおける1対のベルト面と、1対のベルト面の両側端部の一定間隔を閉塞するように配置される1対のガスケットとで構成されるものを挙げることができる。
上記鋳型を用いて注入した単量体成分を重合する温度は、使用するラジカル重合開始剤の種類により異なるが、例えば、40〜170℃とすることができ、第1段階を40〜90℃、第2段階を100〜140℃などの2段階とすることが好ましい。鋳型内の圧力としては、例えば、エンドレスベルトを用いた場合、0MPa(常圧)〜0.1MPaとすることが好ましい。硬化時間としては、使用するラジカル重合開始剤、温度、圧力、硬化物の形状などの条件によって適宜選択することができ、例えば、30分などとすることができる。
重合硬化後、重合硬化物を鋳型から取り出す際の温度(以下「離型温度」という)は、70℃以上であることが好ましく、より好ましくは、75℃以上、更に好ましくは、80℃以上である。離型温度が70℃以上であると、重合硬化物表面に小さなキズが発生するのを抑制することができる。また、離型温度が110℃以下であると、重合硬化物表面にスジ状の欠損の発生を抑制し、メタクリル系重合硬化物の優れた透明性、光学特性を保つことができる。
このようなメタクリル系重合硬化物の製造方法は、板状、フィルム状、塊状などいずれの形状の重合硬化物の製造にも適用することができるが、上記エンドレスベルトを用いた鋳型による場合は板状であることが好ましい。板状である場合、その厚さは0.5〜15mmの範囲内であることが好ましい。
本発明のメタクリル系重合硬化物の製造方法を適用することができるメタクリル系重合硬化物の製造装置の一例として、図1に示すメタクリル系樹脂板状体の製造装置を挙げることができる。図1に示すメタクリル系樹脂板状体の製造装置には、2枚のステンレス製エンドレスベルト10、10’、例えば、全長100m、厚さ1.5mm、幅1.5mのものが、プーリ11、12間、プーリ11’、12’間にそれぞれ懸架され、ベルト面が対向して設けられる。エンドレスベルト10、10’はそれぞれ主プーリ11、11’によって油圧で張力が与えられ、対向するベルト面間が一定間隔、例えば、2mmを有するように配置される。エンドレスベルトは主プーリ12、12’の回転により対向するベルト面が、それぞれ図において左から右方向へと一定速度、例えば、1.5m/min等で走行し、エンドレスに搬送されるようになっている。このようなエンドレスベルトの両側端部には、ポリ塩化ビニル製等の1対のガスケット13が供給される。1対のガスケット13は、ベルト面が保持する一定間隔を閉塞するように配置され、エンドレスベルト10、10’の対向する1対のベルト面と共に鋳型を形成する。
エンドレスベルトの図上の左端のベルト面が対向する直前の位置に、ポンプ14の作動によりメタクリル系重合硬化性組成物をエンドレスベルト10’上に供給するノズル15が設けられ、その下流のベルト面が対向する位置に加熱手段が設けられる。加熱手段には、例えば、80℃の温水スプレーによる加熱部16、16’、遠赤外線ヒータによる加熱部17、17’が設けられ、対向する1対のベルト面と1対のガスケット間においてメタクリル系重合硬化性組成物が重合硬化されるようになっている。
本発明のメタクリル系重合硬化物の製造方法の他の形態として、メタクリル酸メチル60〜100質量%及びこれと共重合可能な単量体0〜40質量%を含有する単量体成分50〜99質量部と、メタクリル酸メチル単位を主成分とする重合体1〜50質量部とを含む重合性成分100質量部、一般式(1)で表されるリン酸エステル0.005〜0.5質量部、及び、一般式(2)で表される化合物0.005〜0.5質量部を含むメタクリル系重合硬化性組成物を、ラジカル重合開始剤の存在下、鋳型内で重合硬化し、重合硬化物を70〜110℃の温度下で鋳型から離型する方法を挙げることができる。
この実施形態によるメタクリル系重合硬化物の製造方法において、使用するメタクリル系重合硬化物用組成物は、上記メタクリル酸メチル60〜100質量%及びこれと共重合可能な単量体0〜40質量%を含有する単量体成分と同様の単量体成分に加え、メタクリル酸メチル単位を主成分とする重合体を含む重合性成分を含む。重合性成分に含まれるメタクリル酸メチル単位を主成分とする重合体としては、重合体中にMMA単位を、例えば、60質量%以上含む共重合体を挙げることができ、MMA単位を90質量%以上含むことが好ましく、また、MMA単位を100質量%含むホモポリマーであってもよい。
MMAを主成分とする重合体中に含まれるMMA単位以外の単位としては、上記単量体成分を構成するMMAと共重合可能なその他の単量体として例示したものと同様の単量体の単位を、具体的に挙げることができる。
上記MMA単位を主成分とする重合体と単量体成分を含有する重合性成分としては溶解状態であることが好ましく、MMA単位を主成分とする重合体が単量体成分に溶解している状態であることが好ましい。このため、MMA単位を主成分とする重合体の重合性成分中の含有量は、MMAとその他の単量体を含む単量体成分50〜99質量部に対し1〜50質量部である。好ましくは5質量部以上、40質量部以下である。MMA単位を主成分とする重合体が1〜50質量部であると、重合性成分においてMMA単位を主成分とする重合体は単量体成分に均一な状態で溶解され、また、ベルト面とガスケットから構成される鋳型を用いて硬化物を製造する際、鋳型に注入した状態においてベルト面とガスケットとの間からの重合硬化物組成物の混合物の漏洩を抑制するような粘度を有するものとすることができる。
このような重合性成分の調製方法として、単量体成分を構成するMMAと、必要に応じてその他の共重合可能な単量体に、別途、予め、MMAと必要に応じてこれと共重合可能な単量体とを懸濁重合、乳化重合、塊状重合等の方法により重合して得られたMMA単位を主成分とする重合体を加えて混合する方法を挙げることができ、このとき必要に応じて、例えば懸濁重合であれば、50〜85℃に加温することができる。得られる重合性成分は、MMA単位を主成分とする重合体の存在により粘度のある液状物となり、シラップ状となる。
また、上記方法と別の重合性成分の調製方法として、単量体成分のMMAまたはMMAとその他の単量体の一部を重合させてMMA単位を主成分とする重合体を上記重合性成分中の含有量の範囲で含有するシラップとし、これを重合性成分として用いることもできる。単量体成分の一部を重合してシラップとするには、冷却管、温度計及び撹拌機を備えた反応機に、MMAまたはMMAとその他の共重合可能な単量体とを所定量計量し、撹拌しながら加熱し、ラジカル重合開始剤の一部を加え、所定の温度に保持した後冷却する方法によることができる。
この実施形態のメタクリル系重合硬化物の製造方法において、上記シラップを用いる他は、一般式(1)で表されるリン酸エステル、一般式(2)で表される化合物、ラジカル重合開始剤、鋳型は上記メタクリル系重合硬化物の製造方法において、具体的に例示したものと同様のものを用い、これらを上記シラップに添加して上記メタクリル系重合硬化物の製造方法と同様にしてメタクリル系重合硬化物を製造することができる。
また、本発明のメタクリル系重合硬化性組成物は、メタクリル酸メチル60〜100質量%及びこれと共重合可能な単量体0〜40質量%を含有する単量体成分50〜100質量部と、メタクリル酸メチル単位を主成分とする重合体0〜50質量部とを含む重合性成分100質量部、一般式(1)で表されるリン酸エステル0.005〜0.5質量部、及び、一般式(2)で表される化合物0.005〜0.5質量部を含むものである。具体的には、上記メタクリル系重合硬化物の製造方法において用いるメタクリル系重合硬化性組成物と同様のものを挙げることができる。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。ここで、実施例、比較例で使用した化合物の略号は以下の通りである。なお、ポリエチレングリコールの記載における括弧内の数字は、ポリエチレングリコールのエチレングリコール単位の数を表す。
[化合物A(一般式(1)で表されるリン酸エステル)]
JP−502:リン酸ジエチルエステルとリン酸モノエチルエステルの55:45の混合物(城北化学社製)
JP−504:リン酸ジブチルエステルとリン酸モノブチルエステルの60:40の混合物(城北化学社製)
[化合物B(一般式(2)で表される化合物)]
ユニオックスG−450:ポリオキシエチレングリコール(8)グリセリルエーテル(日本油脂社製、l+m+o=8、n=1)
ユニオックスG−750:ポリオキシエチレングリコール(15)グリセリルエーテル(日本油脂社製、l=5、m=5、o=5、n=1)
ブラウノンGL−20:ポリオキシエチレングリコール(20)グリセリルエーテル(青木油脂社製、l+m+o=20、n=1)
ブラウノン240:ポリオキシエチレングリコール(22)ソルビトールエーテル(青木油脂社製、l+m+o=22、n=4)
[その他]
ノニオンK−230:ポリエチレングリコール(20)モノドデシルエーテル(日本油脂社製)
A−OT:スルホ琥珀酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム(三井サイテック社製)。
[化合物A(一般式(1)で表されるリン酸エステル)]
JP−502:リン酸ジエチルエステルとリン酸モノエチルエステルの55:45の混合物(城北化学社製)
JP−504:リン酸ジブチルエステルとリン酸モノブチルエステルの60:40の混合物(城北化学社製)
[化合物B(一般式(2)で表される化合物)]
ユニオックスG−450:ポリオキシエチレングリコール(8)グリセリルエーテル(日本油脂社製、l+m+o=8、n=1)
ユニオックスG−750:ポリオキシエチレングリコール(15)グリセリルエーテル(日本油脂社製、l=5、m=5、o=5、n=1)
ブラウノンGL−20:ポリオキシエチレングリコール(20)グリセリルエーテル(青木油脂社製、l+m+o=20、n=1)
ブラウノン240:ポリオキシエチレングリコール(22)ソルビトールエーテル(青木油脂社製、l+m+o=22、n=4)
[その他]
ノニオンK−230:ポリエチレングリコール(20)モノドデシルエーテル(日本油脂社製)
A−OT:スルホ琥珀酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム(三井サイテック社製)。
実施例における各物性の測定は以下の方法により行い、以下の基準に基づいて評価を行った。
[高温離型性]
板状のメタクリル系重合硬化物を重合した後、鋳型から各実施例記載の温度で重合硬化物を離型した。離型性を下記の基準により評価した。
○:鋳型から板状物を離型する際、なめらかに離型できる。
×:鋳型から板状物を離型する際、途中に引っ掛かりがあり、表面欠陥を生ずる。
[高温離型性]
板状のメタクリル系重合硬化物を重合した後、鋳型から各実施例記載の温度で重合硬化物を離型した。離型性を下記の基準により評価した。
○:鋳型から板状物を離型する際、なめらかに離型できる。
×:鋳型から板状物を離型する際、途中に引っ掛かりがあり、表面欠陥を生ずる。
[板状物外観]
鋳型から取り出した板状のメタクリル系重合硬化物の外観を、暗所の照明下で観察した。外観を以下の基準により評価した。
○:外観欠陥がない。
×:板表面に、離型時、または重合時についた線状の模様が見られる。
鋳型から取り出した板状のメタクリル系重合硬化物の外観を、暗所の照明下で観察した。外観を以下の基準により評価した。
○:外観欠陥がない。
×:板表面に、離型時、または重合時についた線状の模様が見られる。
[鋳型汚染性]
板状のメタクリル系重合硬化物の重合を、途中で鋳型を洗浄することなく同一鋳型で繰り返し10回重合した後に、暗所の照明下で鋳型表面の汚染状況を観察した。鋳型の汚染を以下の基準により評価した。
○:汚染なし。
×:汚染有り。
板状のメタクリル系重合硬化物の重合を、途中で鋳型を洗浄することなく同一鋳型で繰り返し10回重合した後に、暗所の照明下で鋳型表面の汚染状況を観察した。鋳型の汚染を以下の基準により評価した。
○:汚染なし。
×:汚染有り。
[メタクリル系重合硬化性組成物の溶解性]
化合物A、化合物B、またはその他の離型剤を、表1に記載した添加量にしたがってMMA単量体に添加した後、該単量体を25℃に調整し、30分攪拌した後の溶解性を観察した。
○:溶液が透明で、不溶物が見られない。
×:不溶物が見られる。
化合物A、化合物B、またはその他の離型剤を、表1に記載した添加量にしたがってMMA単量体に添加した後、該単量体を25℃に調整し、30分攪拌した後の溶解性を観察した。
○:溶液が透明で、不溶物が見られない。
×:不溶物が見られる。
[実施例1]
MMA100質量部を供給し、攪拌しながら化合物AとしてJP−502;0.02質量部、化合物BとしてユニオックスG−450;0.02質量部、ラジカル重合開始剤としてt−ヘキシルパーオキシピバレート;0.22質量部、酸化防止剤として2,4−ジメチル−6−ターシャリーブチルフェノール;0.005質量部を添加したところ、ユニオックスG−450は速やかに溶解した。その後、ポリ塩化ビニル製ガスケットを介して2.5mmの間隔で相対する2枚のSUS304板で形成した鋳型に注入した。82℃の温水中に30分間浸漬し重合硬化させた後、130℃の空気加熱炉中で30分間熱処理し、100℃に冷却した後、鋳型から離型して板厚約2mmの板状のメタクリル系重合硬化物を得た。この板状物の製造を、鋳型を洗浄せず10回繰り返したところ、毎回の高温離型性は良好であり、得られた樹脂板の外観は良好であった。鋳型の汚染も確認されなかった。
MMA100質量部を供給し、攪拌しながら化合物AとしてJP−502;0.02質量部、化合物BとしてユニオックスG−450;0.02質量部、ラジカル重合開始剤としてt−ヘキシルパーオキシピバレート;0.22質量部、酸化防止剤として2,4−ジメチル−6−ターシャリーブチルフェノール;0.005質量部を添加したところ、ユニオックスG−450は速やかに溶解した。その後、ポリ塩化ビニル製ガスケットを介して2.5mmの間隔で相対する2枚のSUS304板で形成した鋳型に注入した。82℃の温水中に30分間浸漬し重合硬化させた後、130℃の空気加熱炉中で30分間熱処理し、100℃に冷却した後、鋳型から離型して板厚約2mmの板状のメタクリル系重合硬化物を得た。この板状物の製造を、鋳型を洗浄せず10回繰り返したところ、毎回の高温離型性は良好であり、得られた樹脂板の外観は良好であった。鋳型の汚染も確認されなかった。
[実施例2]
冷却管、温度計及び撹拌機を備えた反応機に、MMA100質量部を供給し、撹拌しながら加熱し内温が80℃になった時点で2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.05質量部を添加し、更に内温90℃まで加熱し13分間保持した後、室温まで冷却して重合率約26質量%、20℃における粘度2Pa・sのシラップを得た。
冷却管、温度計及び撹拌機を備えた反応機に、MMA100質量部を供給し、撹拌しながら加熱し内温が80℃になった時点で2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.05質量部を添加し、更に内温90℃まで加熱し13分間保持した後、室温まで冷却して重合率約26質量%、20℃における粘度2Pa・sのシラップを得た。
次いで、このシラップ90質量部に、MMA10質量部を混合して重合性成分100質量部を調製した。この重合性成分を実施例1のMMA100質量部の代わりに使用した他は、実施例1と同様にして、板状のメタクリル系重合硬化物の製造を行った。ユニオックスG−450は速やかに溶解し、さらに毎回の高温離型性は良好であり、得られた板状物の外観は良好であった。鋳型の汚染も確認されなかった。
[実施例3]
図1に示すメタクリル系樹脂板状体の製造装置を使用した。ベルト面が対向して同一方向へ同一速度で走行する幅1200mm、厚さ1mmの鏡面仕上げしたSUS304製エンドレスベルトと、その対向する面の両側端部に配置されるポリ塩化ビニル製ガスケットとで構成され、2枚のエンドレスベルトの間隙が予め3.8mmの厚みになるように設定された鋳型を用い、これに定量ポンプを用いて、実施例2で用いたメタクリル系重合硬化性組成物と重合開始剤との混合物と同様の混合物を一定流量で注入した。ベルトの移動と共に78℃の温水シャワーで30分間重合硬化させた後、遠赤外線ヒーターで135℃の熱処理を20分間行い、送風により10分間かけて100℃に冷却後、ベルトから重合硬化物を離型して板厚約3mmの板状のメタクリル系重合硬化物を得た。この製造操作の途中にベルトの洗浄を行うことなく10周繰り返したところ、毎回の高温離型性は良好であり、得られた板状物の外観は良好であった。鋳型であるエンドレスベルトの汚染も確認されなかった。
図1に示すメタクリル系樹脂板状体の製造装置を使用した。ベルト面が対向して同一方向へ同一速度で走行する幅1200mm、厚さ1mmの鏡面仕上げしたSUS304製エンドレスベルトと、その対向する面の両側端部に配置されるポリ塩化ビニル製ガスケットとで構成され、2枚のエンドレスベルトの間隙が予め3.8mmの厚みになるように設定された鋳型を用い、これに定量ポンプを用いて、実施例2で用いたメタクリル系重合硬化性組成物と重合開始剤との混合物と同様の混合物を一定流量で注入した。ベルトの移動と共に78℃の温水シャワーで30分間重合硬化させた後、遠赤外線ヒーターで135℃の熱処理を20分間行い、送風により10分間かけて100℃に冷却後、ベルトから重合硬化物を離型して板厚約3mmの板状のメタクリル系重合硬化物を得た。この製造操作の途中にベルトの洗浄を行うことなく10周繰り返したところ、毎回の高温離型性は良好であり、得られた板状物の外観は良好であった。鋳型であるエンドレスベルトの汚染も確認されなかった。
[実施例4〜9、比較例1〜4]
化合物A、化合物Bの種類、添加量を、表1に示すように変えたこと以外は実施例2と同様に板状物を製造し、物性の評価を行った。結果を表1に示す。
化合物A、化合物Bの種類、添加量を、表1に示すように変えたこと以外は実施例2と同様に板状物を製造し、物性の評価を行った。結果を表1に示す。
鋳型からの離型が容易で、透明性に優れ、外観欠陥のないメタクリル系重合硬化物が容
易に得られる。
易に得られる。
10、10’ エンドレスベルト
11、11’、12、12’ プーリ
13 ガスケット
14 ポンプ
15 ノズル
16、16’、17、17’ 加熱部
11、11’、12、12’ プーリ
13 ガスケット
14 ポンプ
15 ノズル
16、16’、17、17’ 加熱部
Claims (4)
- メタクリル酸メチル60〜100質量%及びこれと共重合可能な単量体0〜40質量%を含有する単量体成分50〜99質量部と、メタクリル酸メチル単位を主成分とする重合体1〜50質量部とを含む重合性成分100質量部、一般式(1)で表されるリン酸エステル0.005〜0.5質量部、及び、一般式(2)で表される化合物0.005〜0.5質量部を含むメタクリル系重合硬化性組成物を、ラジカル重合開始剤の存在下、鋳型内で重合硬化し、重合硬化物を70〜110℃の温度下で鋳型から離型するメタクリル系重合硬化物の製造方法。
- 鋳型が、ベルト面が一定間隔を保持して対向して配置され同一方向へ同一速度で走行する2枚のエンドレスベルトにおける1対のベルト面と、1対のベルト面の両側端部の一定間隔を閉塞するように配置される1対のガスケットとで構成されたものである請求項1または請求項2に記載のメタクリル系重合硬化物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006104411A JP2007277375A (ja) | 2006-04-05 | 2006-04-05 | メタクリル系重合硬化物の製造方法及びメタクリル系重合硬化性組成物 |
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JP2006104411A JP2007277375A (ja) | 2006-04-05 | 2006-04-05 | メタクリル系重合硬化物の製造方法及びメタクリル系重合硬化性組成物 |
Publications (1)
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JP2007277375A true JP2007277375A (ja) | 2007-10-25 |
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ID=38679159
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JP2006104411A Pending JP2007277375A (ja) | 2006-04-05 | 2006-04-05 | メタクリル系重合硬化物の製造方法及びメタクリル系重合硬化性組成物 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2007277375A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012105539A1 (ja) * | 2011-01-31 | 2012-08-09 | 三菱レイヨン株式会社 | 活性エネルギー線硬化性組成物、および微細凹凸構造を表面に有する透明フィルムの製造方法 |
-
2006
- 2006-04-05 JP JP2006104411A patent/JP2007277375A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2012105539A1 (ja) * | 2011-01-31 | 2012-08-09 | 三菱レイヨン株式会社 | 活性エネルギー線硬化性組成物、および微細凹凸構造を表面に有する透明フィルムの製造方法 |
JP5128719B1 (ja) * | 2011-01-31 | 2013-01-23 | 三菱レイヨン株式会社 | 活性エネルギー線硬化性組成物、および微細凹凸構造を表面に有する透明フィルムの製造方法 |
CN103261329A (zh) * | 2011-01-31 | 2013-08-21 | 三菱丽阳株式会社 | 活化能射线固化性组合物、以及表面具有微细凹凸结构的透明薄膜的制造方法 |
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