JP2005181825A - 光拡散性樹脂板状物およびその製造方法 - Google Patents

光拡散性樹脂板状物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】吸湿性が低く、透過性および光拡散性の光学特性に優れた光拡散性樹脂板状物を提供すること。
【解決手段】芳香族ビニル単量体単位を主成分とする重合体(i)と、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を主成分とする重合体(ii)を含有する光拡散性樹脂板状物であって、前記重合体(i)における芳香族ビニル単量体単位の含有率をA質量%、前記重合体(ii)における芳香族ビニル単量体単位の含有率をB質量%としたとき、下記1)式および2)式を満たす光拡散性樹脂板状物である。
60≦A≦80 1)式
A−60≦B≦1.35×A−70 2)式
【選択図】図1

Description

本発明は、寸法安定性に優れ、また透過性および光拡散性の光学特性に優れた光拡散性樹脂板状物およびその製造方法に関する。例えば、液晶テレビ、液晶モニター等の液晶表示用装置および面照明装置等の光拡散板、特に直下型バックライト用光拡散板として有用である。
アクリル樹脂は、その優れた透明性、耐光性および機械特性等の特性から、多くの用途に用いられている。近年は、例えば、液晶表示装置等の背面光源装置(以下「バックライト」と記す)の導光板や光拡散板の材料としても使用されている。
特に直下型バックライトと呼ばれる光源装置は、複数本の冷陰極型ランプを並べた上部にアクリル樹脂製などの光拡散性樹脂板を配置することで、大型化および高輝度を得ることが容易であることから、大型の液晶テレビや液晶モニターの主流になりつつある。
この直下型バックライトに使用される光拡散板は、背面の冷陰極型ランプからの光線を透過する高透過性能、また背面の冷陰極型ランプのランプイメージによる輝度ムラを防止するための高拡散性能が求められている。また、光拡散板が吸湿による寸法変化を生じると、拡散板の変形(反り)による液晶パネルの損傷、および光拡散板と冷陰極型ランプ間距離の変化による輝度ムラが発生し問題となるため、吸湿性が低いことも求められる。
このような要求を満たす光拡散板を提供するために種々の検討が行われている。
その一例として、アクリル樹脂、MS樹脂等の透明樹脂中に透明樹脂の屈折率とは異なる屈折率を持つ微粒子を光拡散剤として含有させた光拡散板に関する検討例がある。このとき、高透過高拡散性能を得るためには、無機系微粒子よりも有機系微粒子が有用とされている。例えば、アクリル樹脂、MS樹脂等の透明樹脂中にシリコーン樹脂からなる球状微粒子を添加させた光拡散板が知られている(例えば、特許文献1および特許文献2)。あるいは、MS樹脂に光拡散剤として分子量、粒径を規定したアクリル樹脂製ビーズを配合した光拡散板が知られている(例えば、特許文献3)。しかしながら、光拡散剤として高価な有機系光拡散剤を比較的高濃度で含有させる必要があり、高コストになる。
そこで、光拡散剤を含有しない光拡散板として、相分離した不均一構造を形成させる方法が検討されている。例えば、メタクリル酸メチルとビニルベンゼンとの共重合体による光拡散板、又は、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)とP3FMA(ポリ(2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート))との相分離を利用した光拡散板がある(例えば、特許文献4)。しかしながら、その光拡散板の光学性能は十分ではなく、さらなる性能の向上が望まれている。
特公平5−16002号公報 特開2000−169721号公報 特開昭63−75053号公報 特開平6−161363号公報
本発明は、上述した各従来技術の課題を解決すべくなされたものである。すなわち、本発明の目的は、高価な光拡散剤を添加することなく、吸湿性が低く透過性および光拡散性の光学性能に優れた光拡散性樹脂板状物およびその製造方法を提供するものである。これにより、バックライト組み立て後の吸湿による光拡散板の寸法変化から発生する反り、および、ランプイメージによる輝度ムラを改善し面内輝度均一性に優れた直下型バックライト用光拡散性樹脂板状物を提供することにある。
本発明は、
芳香族ビニル単量体単位を主成分とする重合体(i)と、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を主成分とする重合体(ii)とを含有する光拡散性樹脂板状物であって、
前記重合体(i)における芳香族ビニル単量体単位の含有率をA質量%、前記重合体(ii)における芳香族ビニル単量体単位の含有率をB質量%としたとき、下記1)式および2)式を満たす光拡散性樹脂板状物である。
60≦A≦80 1)式
A−60≦B≦1.35×A−70 2)式
また、本発明は、
前記の光拡散性樹脂板状物を製造する方法であって、
(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体と、
該(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体を構成する単量体単位の組成とは異なる組成の単量体成分と
を含有する重合性原料を用いて、キャスト製板法で製造する光拡散性樹脂板状物の製造方法である。
本発明の光拡散性樹脂板状物は直下型バックライト用光拡散板に好適である。
本発明によれば、高価な光拡散剤を添加することなく、吸湿性が低く透過性および光拡散性の光学性能に優れた光拡散板を提供することができる。これにより、例えば、大型の液晶テレビ、液晶モニター等の液晶表示用装置、および面照明装置等において、光拡散板の吸湿による反りや、ランプイメージによる輝度ムラを改善することができる。
本発明における光拡散性樹脂板状物は、芳香族ビニル単量体単位を主成分とする重合体(i)と、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を主成分とする重合体(ii)とを含有するものである。
重合体(i)は、少なくとも芳香族ビニル単量体と他の単量体を含む単量体成分を重合して得られる共重合体である。具体的には、芳香族ビニル単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体との共重合体、芳香族ビニル単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体以外の共重合可能な単量体との共重合体、及び、芳香族ビニル単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体と他の共重合可能な単量体との共重合体などが挙げられる。好ましくは、芳香族ビニル単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体との共重合体、又は、芳香族ビニル単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体と他の共重合可能な単量体との共重合体である。
重合体(ii)は、少なくとも(メタ)アクリル酸エステル単量体を含む単量体成分を重合して得られる重合体である。具体的には、(メタ)アクリル酸エステル単量体の単独重合体、(メタ)アクリル酸エステル単量体と芳香族ビニル単量体との共重合体、(メタ)アクリル酸エステル単量体と芳香族ビニル単量体以外の共重合可能な単量体との共重合体、及び、(メタ)アクリル酸エステル単量体と芳香族ビニル単量体と他の共重合可能な単量体との共重合体などが挙げられる。好ましくは、(メタ)アクリル酸エステル単量体と芳香族ビニル単量体との共重合体、又は、(メタ)アクリル酸エステル単量体と芳香族ビニル単量体と他の共重合可能な単量体との共重合体である。
芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等を用いることができる。用いる芳香族ビニル単量体は、1種でも2種以上でも良い。スチレンを含有することが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の単官能(メタ)アクリレート;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)クリレート等の多官能(メタ)アクリレート等を用いることができる。用いる(メタ)アクリル酸エステル単量体は、1種でも2種以上でも良い。メタクリル酸メチルを含有することが好ましい。ここで「(メタ)アクリル」とは、アクリルとメタクリルの総称である(以下同様)。
その他の共重合可能な単量体としては、例えば、シアン化ビニル化合物、不飽和二塩基酸及びその誘導体、不飽和脂肪酸及びその誘導体等を用いることができる。シアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。飽和二塩基酸及びその誘導体としては、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−クロロフェニルマレイミド等のN−置換マレイミド、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。不飽和脂肪酸およびその誘導体としては、(メタ)アクリルアミド、N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類等が挙げられる。用いるその他の共重合可能な単量体は、1種でも2種以上でも良い。飽和二塩基酸及びその誘導体を含有することが好ましく、N−メチルマレイミドを含有することがより好ましい。
本発明における光拡散性樹脂板状物は、重合体(i)における芳香族ビニル単量体単位の含有率をA質量%、重合体(ii)における芳香族ビニル単量体単位の含有率をB質量%としたとき、下記1)式および2)式を満たすことが必要である。
60≦A≦80 1)式
A−60≦B≦1.35×A−70 2)式
1)式のように、重合体(i)における芳香族ビニル単量体単位の含有率(A質量%)が60質量%以上であれば未反応となる芳香族ビニル単量体の含有量が減少するため、キャスト重合時の未反応芳香族ビニル単量体による重合遅延を抑制でき、生産性が高くなる。また、80質量%以下であれば全光線透過率と光拡散率および機械的強度とのバランスが取れた光拡散板を得ることが容易となる。好ましくは、65質量%以上、75質量%以下である。
また、2)式のように、重合体(ii)における芳香族ビニル単量体単位の含有率(B質量%)が(A−60)質量%以上であれば、光拡散率の高い光拡散板を得ることが容易となる。また、(1.35×A−70)質量%以下であれば全光線透過率の高い光拡散板を得ることができる。好ましくは、(A−56)質量%以上、(1.35×A−72)質量%以下であり、より好ましくは、(A−52)質量%以上、(1.35×A−72)質量%以下である。
ゆえに上記1)および2)式を満たすことで、全光線透過率と光拡散率のバランスの取れた光拡散性樹脂板状物を得ることができる。
本発明の光拡散性樹脂板状物における重合体(i)と重合体(ii)との質量比は、15/85〜60/40が好ましく、20/80〜50/50がより好ましい。
本発明の光拡散性樹脂板状物は、海島構造を形成していることが好ましい。具体的には、芳香族ビニル単量体単位の含有率の異なる成分(重合体(i)及び(ii))が相分離し不均一構造となった状態である。このような海島構造は光拡散因子となり、光拡散性樹脂板状物の光拡散性を高める効果を有する。また、島を形成する成分が非架橋であることが好ましい。なお、海を形成する成分は、架橋あるいは非架橋の何れでも構わない。
また、芳香族ビニル単量体単位の含有量が少ない又は含有しない重合体(ii)が連続相、即ち海となり、芳香族ビニル単量体単位の含有量が多い重合体(i)が非連続相、即ち島となることが好ましい。
本発明の光拡散性樹脂板状物に含まれる単量体単位が、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位50〜70質量部、芳香族ビニル単量体単位30〜50質量部、及び、その他の共重合可能な単量体単位0〜20質量部(合計100質量部)で構成されていることが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル単量体単位が、50質量部以上であれば、得られた光拡散性樹脂板状物は、より優れた耐光性、機械的特性が得られる。また、70質量部以下であれば、吸湿性のより低い光拡散性樹脂板状物が得られ、直下型バックライトに光拡散板を組み込んだ際に、吸湿が原因で発生する寸法変化による反りが抑制できる。より好ましくは、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位が60〜70質量部である。
芳香族ビニル単量体単位が、30質量部以上であれば、吸湿性のより低い光拡散性樹脂板状物が得られ、直下型バックライトに光拡散板を組み込んだ際に、吸湿が原因で発生する寸法変化による反りが抑制できる。また、50質量部以下であれば、得られた光拡散性樹脂板状物は、より優れた耐光性、機械的特性が得られる。より好ましくは、芳香族ビニル単量体単位が30〜40質量部である。
その他の共重合可能な単量体単位は、0〜10質量部がより好ましい。
このような本発明の光拡散性樹脂板状物は、吸湿性が低く、透過率および光拡散率の光学特性に優れたものとなる。また、本発明の光拡散性樹脂板状物は、光拡散剤が含有されていないため、光拡散剤の添加によるコスト増加がなく、低コストの光拡散性樹脂板状物を得ることができるメリットもある。
なお、本発明の光拡散性樹脂板状物は、飽和吸水率が1.0質量%以下であることが好ましい。飽和吸水率が1.0質量%以下であると、直下型バックライトに光拡散板を組み込んだ際に、吸湿による寸法変化が発生しにくく、拡散板の変形(反り)による液晶パネルの損傷、および光拡散板と冷陰極型ランプ間距離の変化による輝度ムラが発生しにくくなる。
また、本発明の光拡散性樹脂板状物のJIS−K7361における全光線透過率は、50%以上65%以下であることが好ましい。また、DIN5036における光拡散率は、80%以上であることが好ましい。これらの数値は光拡散性樹脂板状物の厚みにおいて測定した数値である。従来より、全光線透過率と拡散率は相反する関係にあり、高い全光線透過率の光拡散板を得るには、光拡散剤等の光拡散因子成分の添加量を低減する必要があるが、それとともに光拡散率が低下する。また逆に光拡散率を高くしようとすると光拡散因子成分の添加量を増加する必要があり、そのため全光線透過率が低下する傾向がある。ここで、全光線透過率が50%以上であれば、直下型バックライトに組み込んだ際に、高輝度のバックライトを得ることができる。また全光線透過率70%以下では、光拡散性能とのバランスが取れ、ランプイメージによる輝度ムラが発生しないバックライトを得ることができる。ゆえに、全光線透過率の範囲50%以上70%以下で、光拡散率が80%以上であれば、ランプイメージによる輝度ムラが発生しないバックライトを好適に得ることができる。
また、本発明の光拡散性樹脂板状物のJIS−K7105に準じて測定したYI(黄色度)が15以下であることが好ましい。YIが15以下であると、透過した光線に黄味が生じることなく、バックライトとしたときに液晶ディスプレイの表示色に黄味を生じることがない。
上記のような本発明の光拡散性樹脂板状物は、(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体と、該(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体を構成する単量体単位の組成とは異なる組成の単量体成分とを含有する重合性原料を用いて、キャスト製板法で製造する方法により好適に製造することができる。
重合性原料における共重合体含有率は60質量%以下であることが好ましい。60質量%以下とすることで、重合性原料の粘度が低くでき、キャスト製板法における注入作業などのハンドリング性が良好となる。より好ましくは、50質量%以下である。また、光学的特性の観点から、15質量%以上が好ましい。より好ましくは、20質量%以上である。
また、(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体が、芳香族ビニル単量体単位を主成分とする重合体(i)であり、(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体を構成する単量体単位の組成とは異なる組成の単量体成分を重合することにより、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を主成分とする重合体(ii)を形成することが好ましい。
重合性原料は、例えば、予め合成した(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体を、その共重合体を構成する単量体単位の組成とは異なる組成の単量体成分に溶解させることで得ることができる。(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体は、従来より知られる懸濁重合等の技術を用いて得ることができる。例えば、(メタ)アクリル酸エステルと芳香族ビニル単量体との混合液に、重合開始剤および必要に応じて連鎖移動剤などの助剤を攪拌溶解し、得られた均一混合液を分散安定剤を存在させた分散媒(例えば、水等)に懸濁し、所定の重合温度で一定時間保持して重合させ、得られた重合物を濾過、水洗、乾燥することにより、所望の(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体が得られる。(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体における組成比としては(メタ)アクリル酸エステル単量体単位20質量%以上40質量%以下、芳香族ビニル単量体単位60質量%以上80質量%以下が好ましい。それを溶解させる異なる組成の単量体成分の組成としては(メタ)アクリル酸エステル単量体62質量%以上100質量%以下、芳香族ビニル単量体0質量%以上38質量%以下が好ましい。
重合性原料は、(メタ)アクリル酸エステル単量体と芳香族ビニル単量体との混合物を、ラジカル重合開始剤の存在下で予備重合して、(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体及び未反応の単量体成分を含有する予備重合性原料とする工程と、該予備重合性原料に(メタ)アクリル酸エステル単量体及び芳香族ビニル単量体の少なくとも一方を追加添加して重合性原料とする工程と、を含む方法により調製されることが好ましい。この方法によれば、(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体を予め製造しておく必要がなく、その共重合体を単量体成分に完全に溶解させる必要もなくなるため、工業的な製造の観点から好ましい。予備重合の重合率は、15〜60質量%が好ましく、20〜50質量%がより好ましい。
より具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸エステル単量体と芳香族ビニル単量体との混合物にラジカル重合開始剤および必要に応じて重合調節剤などの助剤を溶解し、20〜150℃の温度で所定の重合率(例えば15〜60質量%)まで重合することで、(メタ)アクリル酸エステル単量体と芳香族ビニル単量体と(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体との混合物〔予備重合性原料、以下、(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニルシラップと略す〕を合成し、その後、(メタ)アクリル酸エステル単量体又は芳香族ビニル単量体を追加添加することで、先に生成した(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体と未反応単量体成分における(メタ)アクリル酸エステル単量体単位と芳香族ビニル単量体単位との組成が異なる重合性原料を製造することができる。特に、メタクリル酸メチルを後で添加することが好ましい。例えば、(メタ)アクリル酸エステル単量体と芳香族ビニル単量体との混合比率が40/60〜20/80の混合物100質量部を15〜60質量%まで重合して、それにメタクリル酸メチル単量体を60〜160質量部添加することが好ましい。
ここで、(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニルシラップの製造に用いるラジカル重合開始剤としては、(メタ)アクリル酸エステル単量体および芳香族ビニル単量体に溶解するものが好ましい。例えば、アゾ系重合開始剤や過酸化物系重合開始剤を用いることができる。
キャスト製板法においても、通常、重合開始剤を用いる。重合開始剤としては、重合性原料に添加した場合に溶解するものが好ましい。例えば、アゾ系重合開始剤や過酸化物系重合開始剤を用いることができる。
アゾ系化合物(アゾ系重合開始剤)としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチルニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)等が挙げられる。
過酸化物系化合物(過酸化物系重合開始剤)としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;イソブチリルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等のジアルキルパーオキサイド類;1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール類;1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等のアルキルパーエステル類;ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート等のパーオキシカーボネート類;などが挙げられる。
これらの重合開始剤は単独で、あるいは二種以上を混合して用いてもよい。その使用量は、重合温度等の重合条件に応じて適宜設定されるが、通常、(メタ)アクリル酸エステル単量体と芳香族ビニル単量体との混合物100質量部に対して0.0001〜3質量部、重合性原料100質量部に対して0.0001〜3質量部である。
また、必要に応じて連鎖移動剤を使用することもできる。重合調節剤(連鎖移動剤)は、重合速度を遅延する作用を有する化合物であればよく、従来より知られる各種のものを使用できる。例えば、n−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタンなどのメルカプタン化合物、リモネン、ミルセン、α−テルピネン、β−テルピネン、γ−テルピネン、テルピノレン、β−ピネン、α−ピネンなどのテルペノイド系化合物、α−メチルスチレンダイマーなどが挙げられる。これら重合調節剤は単独で用いても、2種以上を混合して用いても良い。重合調節剤の添加量は、通常、(メタ)アクリル酸エステル単量体と芳香族ビニル単量体との混合物100質量部に対して0.001〜1.0質量部、重合性原料100質量部に対して、0.001〜1.0質量部である。
それ以外にも、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の安定剤、難燃剤、帯電防止剤、樹脂板の鋳型との剥離を容易にする離型剤等の従来より知られる各種の添加剤を添加してもよい。
キャスト製板法はバッチ式でも連続式でも良いが、連続式が好ましい。キャスト製板法に用いる鋳型としては、例えば、ガラス板や鏡面研磨されたステンレス鋼板から構成される鋳型、さらには連続ステンレス鋼板等から成るエンドレスベルトを用いた鋳型等が挙げられる。
ガラス板や鏡面研磨されたステンレス鋼板を用いたバッチ式のキャスト製板法としては、例えば、2枚のガラス板あるいは鏡面研磨されたステンレス鋼板と、ポリ塩化ビニル製の無端ガスケットとからなる鋳型の空間部に、重合開始剤を溶解させた重合性原料を注入し、この重合性原料を重合硬化させ、形成された板状重合体を鋳型から剥離して取り出す方法が挙げられる。
連続ステンレス鋼板等から成るエンドレスベルトを用いた連続式のキャスト製板法としては、所定の間隔をもって対向して走行する一対のエンドレスベルトの対向面と、このエンドレスベルトの走行に追随して走行する二つのガスケットとから形成される空間部に、重合開始剤を溶解させた重合性原料を注入し、この重合性原料を重合硬化させ、形成された板状重合体をエンドレスベルトから剥離して取り出す方法が挙げられる。
この連続式のキャスト製板法に使用する、所定の間隔をもって対向して走行する一対のエンドレスベルトを有する重合装置としては、例えば、特公昭46−41602号公報に記載の装置等が使用できる。図1は、そのようなベルト式連続キャスト製板装置を例示する模式的断面図である。この図1に示す装置において、上下に配置した一対のエンドレスベルト1及び2は、それぞれ主プーリ3、4、5及び6で張力が与えられ、同一速度で走行する。上下対になったキャリアロール7は、走行するエンドレスベルト1及び2を水平に支持し、ベルトの走行方向と直角かつベルト面の垂直方向からベルト面に対して線荷重をかける。
重合開始剤を溶解させた重合性原料は、注入装置14からエンドレスベルト1及び2の間に供給される。エンドレスベルト1及び2の両側端部付近は弾力性のある二個のガスケット12でシールされ、これにより鋳型の空間部が形成されている。エンドレスベルト1及び2の間に供給された重合性原料は、エンドレスベルト1及び2の走行に伴い、第一重合ゾーン8において温水スプレー9による加熱によって重合を開始し、次いで第二重合ゾーン10において遠赤外線ヒーターで加熱されて重合を完結し、冷却ゾーン11で冷却された後、矢印13方向にアクリル系樹脂シート状物が取り出される。
初期の重合温度は30℃〜90℃が好ましく、重合時間は0.2〜20時間程度とすることが好ましい。ただし、この範囲の温度や時間に限定されるものではない。例えば、始めは低温で重合を行い、次いで温度を上昇させて重合を継続させる方法等も用いることができる。その後、100℃〜130℃程度の高温条件で0.1時間〜5時間加熱して重合を完結させることも好ましい。
本発明における光拡散性樹脂板状物は、直下型バックライト用光拡散板として使用することが好適なものである。
本発明の光拡散性樹脂板状物を直下型バックライト用光拡散板として用いた液晶表示装置の例示を図2に示し、以下に説明する。
ランプリフレクター20内に冷陰極管21を並列に複数本並べられており、冷陰極管21上に光拡散性樹脂板状物22が配置されている。また、光拡散性樹脂板状物22上には、更にITOフィルム23、光拡散フィルム24、および、プリズムシート25が配置されて、直下型バックライトとなる。なお、これら構成部材の配置は一例であり、これに限定されるものではない。液晶表示装置は、上述の直下型バックライト上に液晶表示パネル26を配置して構成される。
本発明による光拡散性樹脂板状物を直下型バックライト用拡散板に使用することで、高輝度で輝度ムラが少なく、さらに吸湿による寸法変化が原因で生じる拡散板の変形(反り)による液晶パネルの損傷、および光拡散板と冷陰極型ランプ間距離の変化による輝度ムラを抑制できる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。以下の記載において「部」は質量基準である。また各評価は、以下の方法に従い実施した。
・重量平均分子量の測定
得られた(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体(I)の一定量をテトラヒドロフラン(和光純薬製1級試薬)に溶解したサンプルを用いて、島津(株)製液体クロマトグラフィLC−6A型(商品名)、カラム:昭和電工(株)製KF−805L(商品名)によって、ポリスチレン換算による重量平均分子量を計測した。
・プレポリマー含有量の測定
得られた(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニルシラップの一定量をクロロホルムに溶解し、n−ヘキサン中に滴下、攪拌して共重合ポリマーを再析出させた。その後、ガラスフィルターNO.2G3(孔径40μm〜100μm)にてろ過処理してプレポリマーを得た。さらに、このプレポリマーを80℃真空乾燥機中にて一昼夜溶剤を揮発および乾燥させ、その後プレポリマーの質量を計測し、初期に溶解した(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニルシラップに含まれるプレポリマーの比率を算出し、プレポリマー含有量の値とした。
・シラップ中の未反応単量体およびプレポリマーの組成比測定
得られた(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニルシラップの一定量を酢酸n−ブチルを内部標準液として含むアセトン溶液に溶解し、HEWLETT PACKARD社製ガスクロマトグラフHP−6890+型(商品名)、カラム:HEWLETT PACKARD社製HP−5(商品名、0.32mmφ×30m×0.25μm膜厚)により未反応(メタ)アクリル酸エステル単量体量(質量%)および未反応芳香族ビニル単量体量(質量%)を計測した。プレポリマーの組成比は、前述の未反応単量体量および原料仕込み量より逆算して算出した。
・透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察方法
得られた光拡散性樹脂板状物を適当な大きさに切断後、切片を四酸化ルテニウム水溶液を用いて染色を行い、ミクロトームを用いて約70nmの厚みの薄片にし、日本電子(株)製JEM100S透過型電子顕微鏡(商品名)により観察した。
・全光線透過率及び黄色度(YI)の測定
全光線透過率は、JIS−K7361に準じて、(株)村上色彩技術研究所製RT−100(商品名)を使用して測定した。測定光源は標準光C光源を使用した。また、黄色度(YI)は、JIS−K7105に準じて、サカタインクス(株)製マクベスCE−7000(商品名)を使用して測定した。測定光源は標準光C光源を使用した。
・光拡散率の測定
DIN5036に準じ、(株)村上色彩技術研究所製GP−200(商品名)を使用し、受光角度5度、20度及び70度の輝度値を測定し、下式3)より光拡散率を算出した。
光拡散率(%)
=(20度の輝度値+70度の輝度値)×100/(5度の輝度値×2) 3)式
・飽和吸水率の測定
板厚2mmの板状サンプルを縦50mm、横50mmに切断して試験片を得た。予め試験片の質量を計測し、50℃温水に浸漬し、水分を飽和させた後、試験片の質量を計測した。吸水率は、下記4)式により算出した。(ここで、浸漬試験後の質量をW、浸漬前の質量をW0とする。)
飽和吸水率(質量%)=(W−W0)×100/W0 4)式
<実施例1〜6、比較例1〜5>
(メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(I−A)〜(I−D)の製造)
まず、分散剤として使用するアニオン系高分子化合物水溶液(P1)を、以下のようにして製造した。メタクリル酸2−スルホエチルナトリウム58部、メタクリル酸カリウム水溶液(メタクリル酸カリウム分30質量%)31部、および、メタクリル酸メチル11部からなる混合物に対して、脱イオン水900部を加えて攪拌溶解させた。次いで、この混合物を窒素雰囲気下で攪拌しながら60℃まで昇温し、6時間攪拌保持して、アニオン系高分子化合物水溶液(P1)を得た。この際、混合物の温度が50℃に到達した時に重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.1部を添加し、さらに別に計量したメタクリル酸メチル11部を75分間かけて連続的に滴下した。
この分散剤としてのアニオン系高分子化合物水溶液(P1)0.4部を、脱イオン水150部を満たした容器に加え、さらに分散助剤として硫酸ナトリウム0.5部を加えて攪拌溶解して、脱イオン水混合物を得た。
また、別の容器である耐圧反応容器内に、表1に示す単量体(メタクリル酸メチルおよびスチレン)、さらには重合開始剤、連鎖移動剤を所定量加え、攪拌溶解した。
次いで、先に調製した脱イオン水混合物を全量投入し、窒素置換しながら攪拌速度500rpmで15分間攪拌し、その後75℃に加温して重合させた。重合発熱による系内の温度が極大値を示す重合ピークが発現した後、95℃、60分間の熱処理を行い重合を完結させた。得られた重合物を、濾過、水洗、乾燥することにより、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(I−A)〜(I−D)を得た。得られたメタクリル酸メチル−スチレン共重合体(I−A)〜(I−D)の重量平均分子量MWは、表1に示す。
(重合性原料の製造)
重合体(i)である、上記で得られたメタクリル酸メチル−スチレン共重合体(I−A)〜(I−D)又は市販ポリスチレン樹脂G440K(商品名、日本ポリスチレン(株)製品、重量平均分子量220000、便宜上「I−E」と表記する)と、重合体(ii)を形成する単量体成分である、メタクリル酸メチル、スチレンおよびN−メチルマレイミドとを表2記載の割合で配合し、攪拌溶解して重合性原料(Q)を得た。
(光拡散性樹脂板状物の製造)
重合性原料(Q)に重合開始剤としてt−ヘキシルパーオキシピバレート0.4部、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート0.4部を添加し、更に紫外線吸収剤として2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール0.03部を添加して、30分間攪拌した。その後、減圧下にて脱気を行い、重合性原料組成物(Q−1)を得た。
実施例1〜2、実施例5〜6および比較例1〜5においては、続いて、縦300mm、横300mm、厚み6mmの強化ガラス板2枚をその周囲のポリ塩化ビニル製の無端チューブを介して配設した構成の鋳型の中に、重合性原料組成物(Q−1)を注入した。そして、この鋳型を80℃温水浴にて1時間加熱することにより重合させ、次いで130℃の空気浴にて1時間かけて重合を完結させて、サイズ250mm×250mm、厚さ2mmの光拡散性樹脂板状物Pを得た。
一方、実施例3〜4においては、図1に示した連続キャスト製板装置を使用した。すなわち、所定の間隔をもって対向して走行する一対のエンドレスベルトの対向面と、エンドレスベルトの走行に追随して走行する二つのガスケットとから形成される空間部に、重合性原料組成物(Q−1)を供給し、第一重合ゾーン8において80℃温水スプレー9による加熱により1時間重合を行い、続いて第二重合ゾーン10において遠赤外線ヒーターで130℃に1時間加熱して重合を完結させ、厚さ2mmの光拡散性樹脂板状物Pを得た。
得られた光拡散性樹脂板状物の飽和吸水率および全光線透過率、光拡散率、YIは、表3に示す。
実施例1〜6で得られた光拡散性樹脂板状物は、飽和吸水率が小さく、更に全光線透過率と光拡散率およびYIが良好であった。
また、実施例1で得られた光拡散性樹脂板状物断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、海島構造が確認された。海を形成していたのは重合体(ii)成分で、島を形成していたのは重合体(i)成分であった。
比較例1〜4で得られた光拡散性樹脂板状物は、全光線透過率と光拡散率およびYIが実施例に比較して劣るものであり、また比較例5で得られた光拡散性樹脂板状物は、飽和吸水率が大きく実施例に比較して劣るものであった。
<実施例7>
(重合性原料の製造)
冷却管、温度計および撹拌機を備えた重合釜に、メタクリル酸メチル30部とスチレン70部およびn−ドデシルメルカプタン0.2部を供給し、撹拌しながら−90kPa(ゲージ圧表記)で10分間減圧した。次いで、窒素ガスで大気圧に戻し、加熱を開始し、内温が60℃になった時点で、重合開始剤2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2部を添加し、更に内温100℃まで加熱して60分間保持した。その後、減圧冷却により室温まで冷却して、メタクリル酸メチル−スチレン系のシラップ状重合性原料(R)を得た。このメタクリル酸メチル−スチレン系のシラップ状重合性原料(R)のプレポリマー含有量は約50質量%であった。また、メタクリル酸メチル−スチレン系のシラップ状重合性原料(R)におけるプレポリマー中の組成比は、メタクリル酸メチル単量体単位31質量%、スチレン単量体単位(芳香族ビニル単量体含有率A)69質量%であった。
(光拡散性樹脂板状物の製造方法)
得られたシラップ状重合性原料(R)43質量部にメタクリル酸メチル57質量部を混合した。シラップ状重合性原料(R)中に含有される未反応単量体成分100質量%に対するスチレン(芳香族ビニル単量体の含有率B)は19.4質量%、メタクリル酸メチル含有率は80.6質量%であった。
重合性原料(Q)を重合性原料(R)に変えた以外は、実施例1と同様にして、サイズ250mm×250mm、厚さ2mmの光拡散性樹脂板状物を得た。
得られた光拡散性樹脂板状物中に含有されているスチレン単量体単位は30質量%、メタクリル酸メチル単量体単位は70質量%であり、飽和吸水率は、0.85質量%であった。また、全光線透過率は54%、光拡散率は91.9%、YIは11.2であった。
得られた光拡散性樹脂板状物は、飽和吸水率が小さく、更に全光線透過率と光拡散率およびYIが良好であった。
Figure 2005181825
Figure 2005181825
Figure 2005181825
表1〜表3中の略号は、以下の通りである。
※1:日本ポリスチレン(株)製品G440K(商品名)
「MMA」:メタクリル酸メチル
「St」:スチレン
「MMI」:N−メチルマレイミド
「AIBN」:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル
「n−DM」:n−ドデシルメルカプタン
A:重合体(i)における芳香族ビニル単量体単位の含有率(質量%)
B:重合体(ii)となる単量体成分における芳香族ビニル単量体の含有率(質量%)
Tt:全光線透過率(%)
DF:光拡散率(%)
YI:黄色度
本発明の光拡散性樹脂板状物は、液晶表示用装置および面照明装置等の光拡散板として有用である。
本発明の方法に使用可能なベルト式連続キャスト製板装置を例示する模式的断面図である。 本発明の光拡散性樹脂板状物を直下型バックライト光拡散板として用いた液晶表示装置を例示する模式的断面図である。
符号の説明
1、2 エンドレスベルト
3、4、5、6 主プーリ
7 キャリアロール
8 第一重合ゾーン
9 温水スプレー
10 第二重合ゾーン
11 冷却ゾーン
12 ガスケット
13 アクリル樹脂板の取り出し方向
14 注入装置
20 ランプリフレクター
21 冷陰極管
22 光拡散性樹脂板状物
23 ITOフィルム
24 光拡散フィルム
25 プリズムシート
26 液晶表示パネル

Claims (10)

  1. 芳香族ビニル単量体単位を主成分とする重合体(i)と、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を主成分とする重合体(ii)とを含有する光拡散性樹脂板状物であって、
    前記重合体(i)における芳香族ビニル単量体単位の含有率をA質量%、前記重合体(ii)における芳香族ビニル単量体単位の含有率をB質量%としたとき、下記1)式および2)式を満たす光拡散性樹脂板状物。
    60≦A≦80 1)式
    A−60≦B≦1.35×A−70 2)式
  2. 海島構造を形成している請求項1記載の光拡散性樹脂板状物。
  3. 前記海島構造における島を形成する成分が非架橋である請求項2記載の光拡散性樹脂板状物。
  4. 請求項1〜3いずれか記載の光拡散性樹脂板状物において、該光拡散性樹脂板状物に含まれる単量体単位が、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位50〜70質量部、芳香族ビニル単量体単位30〜50質量部、及び、その他の共重合可能な単量体単位0〜20質量部(合計100質量部)で構成されている光拡散性樹脂板状物。
  5. 前記(メタ)アクリル酸エステル単量体単位が、メタクリル酸メチル単位を含有する請求項1〜4いずれか記載の光拡散性樹脂板状物。
  6. 請求項1〜5いずれか記載の光拡散性樹脂板状物を製造する方法であって、
    (メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体と、
    該(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体を構成する単量体単位の組成とは異なる組成の単量体成分と
    を含有する重合性原料を用いて、キャスト製板法で製造する光拡散性樹脂板状物の製造方法。
  7. 前記重合性原料が、
    (メタ)アクリル酸エステル単量体と芳香族ビニル単量体との混合物を、ラジカル重合開始剤の存在下で予備重合して、(メタ)アクリル酸エステル−芳香族ビニル共重合体及び未反応の単量体成分を含有する予備重合性原料とする工程と、
    該予備重合性原料に(メタ)アクリル酸エステル単量体及び芳香族ビニル単量体の少なくとも一方を追加添加して重合性原料とする工程と
    を含む方法により調製される請求項6記載の光拡散性樹脂板状物の製造方法。
  8. 前記キャスト製板法が、連続式のキャスト製板法である請求項6又は7記載の光拡散性樹脂板状物の製造方法。
  9. 所定の間隔をもって対向して走行する一対のエンドレスベルトの対向面と、該エンドレスベルトの走行に追随して走行する二つのガスケットとから形成される空間部に前記重合性原料を注入し、前記重合性原料を重合硬化させ、形成された板状重合体を該エンドレスベルトから剥離して取り出す請求項8記載の光拡散性樹脂板状物の製造方法。
  10. 直下型バックライト用光拡散板である請求項1〜5いずれか記載の光拡散性樹脂板状物。
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