JP2005162820A - メタクリル系樹脂組成物および重合硬化物の製法 - Google Patents

メタクリル系樹脂組成物および重合硬化物の製法 Download PDF

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Abstract

【課題】 鋳型からの剥離が容易で、透明性に優れ、外観欠陥のないメタクリル系重合硬化物を容易に得る。
【解決手段】 メタクリル酸メチル単位を主成分とする重合体100質量部に対して、下記一般式(1)で表される化合物Aを0.005〜0.5質量部、下記一般式(2)で表される化合物Bを0.005〜0.5質量部含有するメタクリル系樹脂組成物;(1)(RO)P=O(OH)3−m (式中、Rは炭素数2〜8の分岐していても良いアルキル基、mは1又は2の整数)、(2)RO(CO)H (式中、Rは炭素数12〜18のアルキル基、nは10〜30の整数)
【選択図】 図1

Description

本発明は、透明性に優れ、外観欠陥のないメタクリル系樹脂組成物および重合硬化物の製造方法に関する。
メタクリル系樹脂板の製造方法には鋳型製板方法や押出製板方法等がある。溶融成形する押出製板方法と比較して鋳型製板方法で得られたメタクリル系樹脂板は光学歪が少なく、分子量の設定範囲も広いため、耐薬品性、加工性、機械的強度等を高めることが可能で多くの分野で使用されている。
従来のメタクリル系樹脂板の鋳型製板方法には、鋳型からの離型性向上のために種々の離型剤が用いられてきた。例えば特許文献1には成型金型内での加圧・加熱条件下で炭素数が8〜13のアルキルリン酸エステルのモノエステルをメタクリル系樹脂に添加することによって樹脂の離型性が向上することが開示されている。また、特許文献2にはガラスや金属からなる鋳型内での重合時に炭素数が8〜18の有機リン酸エステルのジエステルをメタクリル系樹脂に添加することによって樹脂の離型性が向上することが開示されている。さらに、特許文献3には2−エチルヘキシルアシッドフォスフェートおよびスルホ琥珀酸エステル塩を添加することによって重合後の高温剥離性に優れ、且つ、鋳型を繰り返して使用しても鋳型を汚染しないメタクリル系樹脂組成物が開示されている。
しかしながら最近では、これらの特許文献に開示された技術よりも更に離型性に優れた技術の開発が要求されている。
特許第2571787号公報 特開昭58−84807号公報 特開2001―172462号公報
本発明の目的は、重合後の高温離型性に優れ、且つ、鋳型汚染物質を発生せず、鋳型を繰り返し使用しても鋳型を汚染しない、透明性に優れた、外観欠陥のないメタクリル系樹脂組成物を提供することにある。
本発明者等は鋭意検討を進めた結果、特定の化合物を併用することによって、高温での剥離が可能であり、表面欠陥が無く、メタクリル系樹脂の特徴である優れた光学的性質や機械的性質を維持したまま、収率良くメタクリル系重合硬化物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の要旨は、メタクリル酸メチル単位を主成分とする重合体100質量部に対して、下記一般式(1)で表される化合物Aを0.005〜0.5質量部、下記一般式(2)で表される化合物Bを0.005〜0.5質量部含有するメタクリル系樹脂組成物にある。
Figure 2005162820
(式中、Rは炭素数2〜8の分岐していても良いアルキル基、mは1又は2の整数)
Figure 2005162820
(式中、Rは炭素数12〜18のアルキル基、nは10〜30の整数)
また本発明の要旨は、メタクリル酸メチル60〜100質量%、他の共重合可能な単量体0〜40質量%からなる単量体または単量体混合物100質量部当たり、一般式(1)で表される化合物Aを0.005〜0.5質量部、一般式(2)で表される化合物Bを0.005〜0.5質量部添加し、ラジカル重合開始剤の存在下、鋳型内で重合し、重合硬化物を70〜110℃の温度下で鋳型から取り出すメタクリル系重合硬化物の製造方法にある。
前述の単量体または単量体混合物100質量部の代わりに、メタクリル酸メチル60〜100質量%、他の共重合可能な単量体0〜40質量%からなる単量体または単量体混合物50〜99質量部とメタクリル酸メチル単位を主成分とする重合体1〜50質量部との合計100質量部を用いることもできる。
本発明によれば、高温での鋳型からの取り出しが可能で、透明性に優れ、外観欠陥のないメタクリル系重合硬化物が収率良く製造できる。また、繰り返し使用する製造用鋳型が汚染されることがない。
本発明の樹脂組成物は、MMA単位を主成分とする重合体100質量部に対して、0.005〜0.5質量部の一般式(1)で表される化合物A、および0.005〜0.5質量部の一般式(2)で表される化合物Bが含有されてなる。なお、「主成分とする」とは重合体中、MMA単位を60質量%以上含むことを意味する。MMA単位は90質量%含むことが好ましい。
本発明の樹脂組成物を構成する重合体におけるメタクリル酸メチル(以下、適宜「MMA」という)以外の単量体単位としては、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸s−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等のシクロアルキル基、ベンジル基を含むアルキル基の炭素数2〜12のメタクリル酸エステル類;メタクリル酸ボルニル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸フェンチル、メタクリル酸1−メンチル、メタクリル酸アダマンチル、メタクリル酸ジメチルアダマンチルなどの炭素数8〜20の脂環式炭化水素基を有するメタクリル酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸エステル類;スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、イソプロペニルスチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;メタクリル酸、アクリル酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン等の多不飽和化合物等からなる単量体単位が挙げられる。これらは併用することもできる。
一般式(1)で表される化合物Aとしては例えば、リン酸モノエチルエステル、リン酸ジエチルエステル、リン酸モノブチルエステル、リン酸ジブチルエステル、リン酸モノ2−エチルヘキシルエステル、リン酸ジ2−エチルヘキシルエステル等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を混合して使用できる。
が炭素数1のアルキル基の場合、鋳型を汚染することがある。炭素数が9以上のアルキル基の場合、離型性を悪化させることがある。
また、化合物Aの含有量は、重合体100質量部に対して0.005〜0.5質量部の範囲である。その含有量が0.005質量部以上であれば、樹脂組成物からなる重合硬化物を鋳型から高温剥離する際の離型性が良好となる。0.5質量部以下であれば得られる重合硬化物の吸水性や樹脂表面に悪影響を与えることがない。
一般式(2)で表される化合物Bとしては例えば、ポリエチレングリコール(10)モノドデシルエーテル、ポリエチレングリコール(20)モノドデシルエーテル、ポリエチレングリコール(30)モノドデシルエーテル、ポリエチレングリコール(10)モノテトラデシルエーテル、ポリエチレングリコール(10)モノヘキサデシルエーテル、ポリエチレングリコール(10)モノオクタデシルエーテル、ポリエチレングリコール(30)モノオクタデシルエーテル等が挙げられる。なお、ポリエチレングリコールの記載における括弧内の数字は、ポリエチレングリコールのエチレングリコール単位の数を表す。これらは、1種又は2種以上を混合して使用することもできる。
が炭素数11以下のアルキル基の場合、鋳型を汚染することがある。炭素数19以上のアルキル基の場合、離型性を悪化させることがある。nが9以下の場合、鋳型を汚染することがある。nが31以上の場合、離型性を悪化させることがある。
一般式(2)で表される化合物Bの含有量は重合体100質量部に対して0.005〜0.5質量部の範囲である。その含有量が0.005質量部以上であれば、樹脂組成物からなる重合硬化物化物を鋳型から高温剥離する際の離型性が良好となる。また、含有量が0.5質量部以下であると、得られる重合硬化物の表面に悪影響を与えることがない。
本発明のメタクリル系樹脂組成物には、通常のメタクリル樹脂あるいはその変性樹脂を製造する際に用いられる種々の添加剤を加えることができる。添加剤としては、着色に用いられる染料、顔料;酸化防止剤、紫外線吸収剤等の安定剤;難燃剤、耐衝撃性改質剤等が挙げられる。
以下、本発明のメタクリル系樹脂組成物からなる重合硬化物の製法を例示する。
本発明において重合される原料はMMA60〜100質量%、他の共重合可能な単量体0〜40質量%からなる単量体または単量体混合物である。MMAと共重合可能な他の単量体としては、例えば前述の単量体が挙げられる。
共重合可能な単量体が40質量%以下であれば良好な耐候性、透明性を有する組成物が得られる。共重合可能な他の単量体の使用量は、重合して得られるメタクリル樹脂本来の物性を損なわない程度の使用量として10質量%以下にすることが好ましい。
また本発明においては原料として、上記単量体または単量体混合物にMMA単位を主成分とする重合体を混合したものも使用できる。その混合比は、MMA60〜100質量%、他の共重合可能な単量体0〜40質量%からなる単量体または単量体混合物50〜99質量部とMMA単位を主成分とする重合体1〜50質量部との合計100質量部である。「主成分とする」とは重合体中、MMA単位を60質量%以上含むことを意味する。MMA単位は90質量%含むことが好ましい。
MMA単位を主成分とする重合体が1質量部以上、50質量部以下含まれていると、重合される原料の粘度が扱いやすい粘度となって好ましい。MMA単位を主成分とする重合体を単量体または単量体混合物に混合する方法は、特に限定されない。例えば、MMA単位を主成分とする重合体を別途、懸濁重合、乳化重合、塊状重合等の方法で得て、その重合体を単量体または単量体混合物に溶解する方法、単量体または単量体混合物の一部を重合させる方法等が挙げられる。重合される原料として特に単量体、または単量体混合物の一部を重合させる方法を用いて得られた、単量体または単量体混合物の重合体と単量体または単量体混合物とからなる原料が好ましい。なお、重合体を含む原料を、適宜「シラップ」と称する。
単量体、単量体混合物、またはシラップに、一般式(1)で表される化合物Aを0.005〜0.5質量部、一般式(2)で表される化合物Bを0.005〜0.5質量部添加する。化合物Aや化合物Bとしては前述のものが挙げられる。
その原料にラジカル重合開始剤を添加する。ラジカル重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート等の有機過酸化物等が挙げられる。
また、必要に応じてn−ブチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン等のアルキルメルカプタン等を分子量調節剤として添加することもできる。
本発明のメタクリル系重合硬化物は、上記の単量体、単量体混合物またはシラップに、一般式(1)で表される化合物A、一般式(2)で表される化合物B、ラジカル重合開始剤等を添加混合した後、鋳型内で重合され、鋳型から取り出される。鋳型としては、例えば強化ガラス、クロムメッキ板、ステンレス板等の板状体と軟質塩化ビニル等のガスケットで構成したものや、相対して同一方向へ同一速度で走行する2枚のエンドレスベルトと、エンドレスベルトの相対する面側の両端部においてエンドレスベルトと同一速度で走行するガスケットとで構成され、2枚のエンドレスベルトの間隙があらかじめ設定された鋳型の中に注入して重合することにより製造することができる。本発明の製造方法は金属製の鋳型を用いた場合に効果が高く、特にエンドレスベルト装置による製造の場合に効果が高い。エンドレスベルト装置で製造する場合は、その2枚のエンドレスベルトは常圧〜0.1Mpaの圧力で加圧されていることが好ましい。
鋳型内で重合する温度は、使用する重合開始剤の種類により異なるが、一般に40〜170℃であり、第1段目を40〜90℃、第2段目を100〜140℃とする2段階の重合温度で重合することが好ましい。
重合して得られた重合硬化物を鋳型から取り出す際の温度(以下「剥離温度」という)は、70〜110℃の範囲である。剥離温度が70℃未満では重合硬化物表面に小さなキズを生じる場合がある。剥離温度は75℃以上であることがより好ましく、80℃以上であることがさらに好ましい。また、110℃を超えると重合硬化物表面にスジ状の欠陥が生じるので、メタクリル系重合硬化物の優れた透明性、光学特性を失う場合がある。
メタクリル系重合硬化物が板状物である場合、その厚みは0.5 〜15mmの範囲内であることが好ましい。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。ここで、実施例、比較例で使用した化合物の略号は以下の通りである。なお、ポリエチレングリコールの記載における括弧内の数字は、ポリエチレングリコールのエチレングリコール単位の数を表す。
化合物A
JP−502:リン酸ジエチルエステルとリン酸モノエチルエステルの55:45の混合物(城北化学社製)
JP−504:リン酸ジブチルエステルとリン酸モノブチルエステルの50:40の混合物(城北化学社製)
化合物B
ノニオンK−220:ポリエチレングリコール(20)モノドデシルエーテル(日本油脂製)
ノニオンK−230:ポリエチレングリコール(30)モノドデシルエーテル(日本油脂製)
ノニオンS−220:ポリエチレングリコール(30)モノオクタデシルエーテル(日本油脂製)
その他
JP−518:リン酸ジオクタデシルエステルとリン酸モノオクタデシルエステルの53:47の混合物(城北化学社製)
A−OT:スルホ琥珀酸ジ(2−エチルヘキシル)ナトリウム(三井サイテック製)
なお、実施例における物性評価は下記の方法に基づいて行った。
1)高温離型性
板状のメタクリル系重合硬化物を重合した後、鋳型から各実施例記載の温度で重合硬化物を剥離させた際の離型性を下記の基準により評価した。
良好:鋳型から板状物を剥離する際、なめらかに剥離できる。
不良:鋳型から板状物を剥離する際、途中に引っ掛かりがあり、表面欠陥を生ずる。
2)板状物外観
鋳型から取り出した板状のメタクリル系重合硬化物の外観を、暗所の照明下で観察した。
良好:外観欠陥がない。
不良:板表面に、剥離時、または重合時に付いた線状の模様が見られる。
3)鋳型汚染性
板状のメタクリル系重合硬化物の重合を、途中で鋳型を洗浄することなく同一鋳型で繰り返し10回重合した後に、暗所の照明下で鋳型表面の汚染状況を観察した。
[実施例1]
MMA100質量部を供給し、攪拌しながら化合物AとしてJP−502;0.05質量部、化合物BとしてノニオンK−230;0.05質量部、重合開始剤としてt−ヘキシルパーオキシピバレート;0.22質量部、酸化防止剤として2,4−ジメチル−6−ターシャリーブチルフェノール;0.005質量部を添加した後、ポリ塩化ビニル製ガスケットを介して2.5mmの間隔で相対する2枚のSUS304板で形成した鋳型に注入した。82℃の温水中に30分間浸漬し重合硬化させた後、130℃の空気加熱炉中で30分間熱処理し、100℃に冷却した後、型枠を脱枠して板厚約2mmの板状のメタクリル系重合硬化物を得た。この板状物の製造を、鋳型を洗浄せず10回繰り返したところ、毎回の高温剥離性は良好、得られた樹脂板の外観も良好、鋳型の汚染も無かった。
[実施例2]
冷却管、温度計及び撹拌機を備えた反応機に、メタクリル酸メチル100質量部を供給し、撹拌しながら加熱し内温が80℃になった時点で2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.05質量部を添加し、更に内温90℃まで加熱し13分間保持した後、室温まで冷却して重合率約26質量%、20℃における粘度2Pa・sのシラップを得た。
次いで、このシラップ90質量部に、メタクリル酸メチル10質量部を混合した後、実施例1のMMA100質量部の代わりに使用し、実施例1と同様に板状のメタクリル系重合硬化物の製造を行ったが、毎回の高温剥離性は良好、得られた板状物の外観も良好、鋳型の汚染も無かった。
[実施例3]
実施例2と同様のシラップ90質量部に、MMA10質量部を混合し、攪拌しながらJP−502;0.05質量部とノニオンK−230;0.05質量部、t−ヘキシルパーオキシピバレート;0.22質量部、2,4−ジメチル−6−ターシャリーブチルフェノール;0.005質量部を添加した後、相対して同一方向へ同一速度で走行する幅1200mm、厚さ1mmの鏡面仕上げしたSUS304製エンドレスベルトと、その相対する面側の両端部において両エンドレスベルトと同一速度で走行するポリ塩化ビニル製ガスケットとで構成され、2枚のエンドレスベルトの間隙があらかじめ3.8mmの厚みになるように設定された鋳型に定量ポンプを用いて一定流量で注入した。ベルトの移動と共に78℃の温水シャワーで30分間重合硬化させた後、遠赤外線ヒーターで135℃の熱処理を20分間行い、送風により10分間かけて100℃に冷却後、ベルトから重合硬化物を剥離して板厚約3mmの板状のメタクリル系重合硬化物を得た。この製造操作の途中にベルトの洗浄を行うことなく10周繰り返したところ、毎回の高温離型性は良好、得られた樹脂板の外観も良好、また鋳型であるエンドレスベルトの汚染も無かった。
[実施例4〜9、比較例1〜4]
一般式(1)で表される化合物A、一般式(2)で表される化合物Bの種類、添加量を表1に示すように変えたこと以外は実施例2と同様に板状の重合硬化物の製造を行った。結果を表1に示す。
Figure 2005162820
鋳型からの剥離が容易で、透明性に優れ、外観欠陥のないメタクリル系重合硬化物が容易に得られる。
本発明の方法に使用可能なベルト式連続キャスト製板装置を例示する模式的断面図である。
符号の説明
1、2 エンドレスベルト
3、4、5、6 主プーリ
7 キャリアロール
8 第一重合ゾーン
9 温水スプレー
10 第二重合ゾーン
11 冷却ゾーン
12 ガスケット
13 板状の重合硬化物の取り出し方向
14 重合性原料注入装置

Claims (4)

  1. メタクリル酸メチル単位を主成分とする重合体100質量部に対して、下記一般式(1)で表される化合物Aを0.005〜0.5質量部、下記一般式(2)で表される化合物Bを0.005〜0.5質量部含有するメタクリル系樹脂組成物。
    Figure 2005162820
    (式中、Rは炭素数2〜8の分岐していても良いアルキル基、mは1又は2の整数)
    Figure 2005162820
    (式中、Rは炭素数12〜18のアルキル基、nは10〜30の整数)
  2. メタクリル酸メチル60〜100質量%、他の共重合可能な単量体0〜40質量%からなる単量体または単量体混合物100質量部当たり、下記一般式(1)で表される化合物Aを0.005〜0.5質量部、下記一般式(2)で表される化合物Bを0.005〜0.5質量部添加し、ラジカル重合開始剤の存在下、鋳型内で重合し、重合硬化物を70〜110℃の温度下で鋳型から取り出すメタクリル系重合硬化物の製造方法。
    Figure 2005162820
    (式中、Rは炭素数2〜8の分岐していても良いアルキル基、mは1又は2の整数)
    Figure 2005162820
    (式中、Rは炭素数12〜18のアルキル基、nは10〜30の整数)
  3. 請求項2における単量体または単量体混合物100質量部の代わりに、メタクリル酸メチル60〜100質量%、他の共重合可能な単量体0〜40質量%からなる単量体または単量体混合物50〜99質量部とメタクリル酸メチル単位を主成分とする重合体1〜50質量部との合計100質量部を用いるメタクリル系重合硬化物の製造方法。
  4. 鋳型が、相対して同一方向へ同一速度で走行する2枚のエンドレスベルトと、エンドレスベルトの相対する面側の両端部においてエンドレスベルトと同一速度で走行するガスケットとで構成され、2枚のエンドレスベルトの間隙があらかじめ設定されたものである請求項2または請求項3に記載のメタクリル系重合硬化物の製造方法。
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