JP2007277200A - α,β−不飽和カルボン酸の製造方法 - Google Patents

α,β−不飽和カルボン酸の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】α,β−不飽和カルボン酸を収率高く製造する。
【解決手段】α,β−不飽和カルボン酸と、α,β−不飽和カルボン酸無水物と、水とを含有し、前記α,β−不飽和カルボン酸無水物1モルに対して前記水が5モル以上かつ前記α,β−不飽和カルボン酸が2モル以上である混合物を30℃以上に加熱して、前記α,β−不飽和カルボン酸無水物の少なくとも一部を加水分解することでα,β−不飽和カルボン酸を製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、α,β−不飽和カルボン酸の製造方法に関する。詳しくは、α,β−不飽和カルボン酸無水物を蒸留塔底部で加水分解することでα,β−不飽和カルボン酸を製造する方法に関する。
特許文献1には、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを分子状酸素で液相中で酸化(液相酸化と称する)してα,β−不飽和カルボン酸を製造するためのα,β−不飽和カルボン酸製造用触媒およびその製造方法が開示されている。
国際公開第02/083299号パンフレット
ところが、例えば、プロピレンまたはイソブチレンを分子状酸素により液相酸化して、(メタ)アクリル酸を製造する場合、無水(メタ)アクリル酸が同時に生成することが本発明者らの検討により明らかになってきた。プロピレンまたはイソブチレンの酸化反応は、第1段反応でオレフィンが酸化されて(メタ)アクロレインを生成し、第2段反応で(メタ)アクロレインが酸化され(メタ)アクリル酸が生成する逐次反応である。反応過程において無水(メタ)アクリル酸がどのような経路で合成されるかは断定できないが、オレフィンの酸化反応がある程度進行し、(メタ)アクロレイン及び(メタ)アクリル酸の存在量が高くなってから無水(メタ)アクリル酸の存在が確認されることから、(メタ)アクロレイン、(メタ)アクリル酸、及び酸素の反応により生成するものと推定される。
特許文献1では、反応液の分析結果が記載されているが、無水(メタ)アクリル酸が生成することについては触れられていない。また、(メタ)アクリル酸の精製方法として蒸留を実施することが記載されているが、詳細条件については触れられていない。このように、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドから液相酸化によりα,β−不飽和カルボン酸を製造する場合、α,β−不飽和カルボン酸無水物に対する対策はこれまで採られていなく、α,β−不飽和カルボン酸の製造量にはいまだ改善の余地があった。
本発明は、α,β−不飽和カルボン酸を収率高く製造することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために、α,β−不飽和カルボン酸無水物を工業的スケールで経済的にα,β−不飽和カルボン酸に変換する方法を鋭意検討した結果、α,β−不飽和カルボン酸無水物、α,β−不飽和カルボン酸、水を含む混合物を、ある特定の条件下で処理することで、α,β−不飽和カルボン酸無水物が経済的にα,β−不飽和カルボン酸に変換されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、α,β−不飽和カルボン酸と、α,β−不飽和カルボン酸無水物と、水とを含有し、前記α,β−不飽和カルボン酸無水物1モルに対して前記水が5モル以上かつ前記α,β−不飽和カルボン酸が2モル以上である混合物を30℃以上に加熱して、前記α,β−不飽和カルボン酸無水物の少なくとも一部を加水分解することを特徴とするα,β−不飽和カルボン酸の製造方法である。
前記混合物の加熱温度は60℃以上150℃以下であることが好ましい。前記混合物の加熱時間は0.05時間以上であることが好ましい。
また、前記混合物が、前記α,β−不飽和カルボン酸、前記α,β−不飽和カルボン酸無水物、および前記水のいずれよりも低沸点の低沸物をさらに含有している場合でも、前記加水分解を蒸留塔内で行うことで該低沸物の少なくとも一部を蒸留塔塔頂から除去することができる。特に、前記混合物が、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを液相中で酸化することにより得られる反応液、または該反応液から調製されたものである場合に好適である。より具体的な実施形態としては、
オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを液相中で酸化した反応液を得る工程と、
前記反応液から、α,β−不飽和カルボン酸と、α,β−不飽和カルボン酸無水物と、水と、これらのいずれよりも低沸点の低沸物とを含有し、前記α,β−不飽和カルボン酸無水物1モルに対して前記水が5モル以上かつ前記α,β−不飽和カルボン酸が2モル以上、である混合物を得る工程と、
前記混合物を蒸留塔に供給し、前記混合物を前記蒸留塔の塔底の加熱部にて30℃以上に加熱して、前記低沸物の少なくとも一部を前記蒸留塔の塔頂から除去するとともに、前記α,β−不飽和カルボン酸無水物の少なくとも一部を加水分解する工程と、
を有することを特徴とするα,β−不飽和カルボン酸の製造方法である。
本発明の方法によれば、目的物質であるα,β−不飽和カルボン酸を収率高く製造できる。
本発明では、α,β−不飽和カルボン酸無水物を水により加水分解することで、α,β−不飽和カルボン酸を製造する。この際、α,β−不飽和カルボン酸を触媒として共存させ、これら3成分を含有する混合物の組成を特定の範囲に調整する。なお、α,β−不飽和カルボン酸無水物としては、例えば、メタクリル酸無水物、アクリル酸無水物、クロトン酸無水物(β−メチルアクリル酸無水物)、シンナム酸無水物(β−フェニルアクリル酸無水物)等が挙げられる。
α,β−不飽和カルボン酸無水物は、加水分解することによりα,β−不飽和カルボン酸となる。したがって、原理的には混合物中に水が存在することによりα,β−不飽和カルボン酸無水物は加水分解されうるが、α,β−不飽和カルボン酸無水物1モルに対して水が5モル未満である場合は極端に加水分解速度が遅くなり、工業的に実施するためには不十分である。そこで、本発明では、α,β−不飽和カルボン酸無水物1モルに対する水の量は5モル以上とする。α,β−不飽和カルボン酸無水物1モルに対する水の量は、7モル以上が好ましく、10モル以上がより好ましく、15モル以上がさらに好ましい。水の量が多くても加水分解反応の進行には問題は生じないが、後述するα,β−不飽和カルボン酸を精製する工程における負荷削減の観点から、10000モル以下が好ましく7000モル以下がより好ましく、5000モル以下がさらに好ましい。
本発明者らの検討により、前記加水分解反応において、α,β−不飽和カルボン酸が触媒作用を及ぼすことが明らかとなった。酸触媒としては一般的に、硫酸、酸性イオン交換樹脂などが知られているが、本発明の方法では、加水分解生成物であるα,β−不飽和カルボン酸を、α,β−不飽和カルボン酸無水物に対して2モル以上存在させることにより、触媒効果を発現させている。これによりα,β−不飽和カルボン酸無水物を加水分解させるための特別な装置や、触媒の分離など特別な操作を実施する必要がなく、経済的に極めて有利である。α,β−不飽和カルボン酸無水物1モルに対するα,β−不飽和カルボン酸の量が2モル未満の場合には、十分な触媒効果が得られず、工業的に実施するには不十分である。α,β−不飽和カルボン酸としては、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸(β−メチルアクリル酸)、シンナム酸(β−フェニルアクリル酸)等が挙げられる。ここで選択するα,β−不飽和カルボン酸は、前記α,β−不飽和カルボン酸無水物が加水分解して生成するα,β−不飽和カルボン酸と同じでもよく、異なっていてもよい。α,β−不飽和カルボン酸無水物1モルに対するα,β−不飽和カルボン酸の量は、2モル以上が好ましく、3モル以上がより好ましく、4モル以上がさらに好ましい。α,β−不飽和カルボン酸の量が多くても触媒効果には問題は生じないが、精製負荷削減の観点から、1000モル以下が好ましく、200モル以下がより好ましく、150モル以下がさらに好ましい。
本発明では、以上の条件を満たす混合物を30℃以上に加熱することで、α,β−不飽和カルボン酸無水物の少なくとも一部を加水分解する。温度が30℃未満であると、α,β−不飽和カルボン酸無水物の加水分解の速度が極端に低くなり、工業的に実施するには不十分である。温度が高いほどα,β−不飽和カルボン酸無水物の加水分解反応は進行しやすくなるが、α,β−不飽和カルボン酸やα,β−不飽和カルボン酸無水物が重合しやすくなる。混合物の温度は、60〜150℃が好ましく、65〜130℃がより好ましく、70〜120℃がさらに好ましい。
混合物の加熱時間は、α,β−不飽和カルボン酸無水物の加水分解反応が十分進行する時間に適宜設定することができるが、0.05時間以上であることが好ましい。加熱時間が長いと、α,β−不飽和カルボン酸無水物の加水分解反応はより進行するが、α,β−不飽和カルボン酸やα,β−不飽和カルボン酸無水物が重合しやすくなる。混合物の加熱時間は、0.05〜10時間がより好ましく、0.08〜5時間がさらに好ましい。
α,β−不飽和カルボン酸やα,β−不飽和カルボン酸無水物の重合を防止するために、適宜重合防止剤を添加することができる。重合防止剤は特に限定されないが、例えばハイドロキノン、p−メトキシフェノール等のフェノール系化合物;p−フェニレンジアミン、N−N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン等のアミン系化合物;4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−[H−(OCH2CH2n−O]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル(ただしn=1〜18)等のN−オキシル系化合物;p−ニトロソフェノール、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン等のニトロソ化合物;フェノチアジン、ビス−(α−メチルベンジル)フェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン等のフェノチアジン化合物;等が挙げられる。これらは単独で使用しても良く、二種以上を任意の割合で混合して使用してもよい。
上記のような、α,β−不飽和カルボン酸と、α,β−不飽和カルボン酸無水物と、水とを含有する混合物は特に限定されないが、例えば、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを気相ないし液相中で酸化させること(以下、気相酸化反応または液相酸化反応と呼ぶ)により得られる反応液を用いることができる。また、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドの気相酸化反応または液相酸化反応により得られる反応液が前記の条件を満たしていない場合には、外部より水および/またはα,β−不飽和カルボン酸を適宜添加することができる。水および/またはα,β−不飽和カルボン酸は、後工程で分離されたものをリサイクルして再利用してもよい。特に、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを液相中で酸化することにより得られる反応液、または該反応液から調製されたものを用いる際に好適である。
混合物には、α,β−不飽和カルボン酸、α,β−不飽和カルボン酸無水物、および水のいずれよりも低沸点の低沸物が含まれていてもよい。例えば、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドの気相酸化反応または液相酸化反応により得られる反応液には、未反応のオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒド、アルコール類、ケトン類、有機酸類、有機酸エステル類、炭化水素等が含まれている場合があり、そのうちα,β−不飽和カルボン酸及びα,β−不飽和カルボン酸無水物よりも低沸点のものが挙げられる。
このとき、加水分解を蒸留塔内で行うことが好ましい。そうすることで、低沸物および水の少なくとも一部を前記蒸留塔の塔頂から除去するとともに、α,β−不飽和カルボン酸無水物の少なくとも一部を加水分解することができる。具体的には、混合物を蒸留塔に供給し、混合物を蒸留塔の塔底の加熱部にて30℃以上に加熱することで、低沸物および水の少なくとも一部を蒸留塔の塔頂から除去するとともに、α,β−不飽和カルボン酸無水物の少なくとも一部を加水分解することができる。蒸留塔形式としては特に限定されず、気液を十字流で接触させる形式の泡鐘トレイ、多孔板トレイ、バブルトレイ、ジェットトレイなど;気液を向流で接触させる形式のターボグリッドトレイ、リップルトレイ、デュアルフロートレイ、キッテルトレイなど;それ以外の方法で気液を接触させる形式のバッフルトレイ、ディスクドーナツトレイなど;の棚段塔、また、例えば、ラシヒリング、ポールリング、インターロックサドル、ディクソンパッキング、マクマホンパッキング等の不規則充填材及びスルーザーパッキングに代表される規則充填材が充填された充填塔など一般に用いられている蒸留塔を使用することができる。蒸留は連続式でも回分式でもよい。また、蒸留は、大気圧下、減圧下、加圧下のいずれで行ってもよい。
加水分解を蒸留塔内で行う場合、混合物の加熱時間は蒸留塔内の滞在時間とすればよい。例えば連続蒸留の場合には、蒸留塔塔底の加熱部の容積(m3)を蒸留塔に供給する混合物の平均流量(m3/Hr)で除すことで、混合物の滞在時間を算出することができる。また、例えば回分式蒸留の場合には、混合物の供給が終了し加熱が開始されてから、加熱が終了し混合物の抜き出しが終了するまでの期間のうち30℃以上の時間である。
この低沸物および水の分離並びに加水分解を行うための蒸留塔は複数存在してもよい。この場合、各蒸留塔における加熱部滞在時間の合計値が所定範囲になるよう調整することが好ましい。
純度の高いα,β−不飽和カルボン酸を得るためには、十分に水を除去することが好ましい。一般に、水はα,β−不飽和カルボン酸と共沸することが知られている。したがって、通常の蒸留では水とα,β−不飽和カルボン酸を分離することは困難である。そこで、共沸蒸留または溶剤抽出により水を除去することが好ましい。
共沸蒸留では、水とα,β−不飽和カルボン酸の共沸温度よりも低い温度で水と共沸する溶剤(以下、共沸溶剤)を共存させることにより、水とα,β−不飽和カルボン酸を効率よく分離することが可能となる。その際に前記の加水分解の条件を採ることで、残存する低沸物が存在する場合はその分離および残存するα,β−不飽和カルボン酸無水物が存在する場合はその加水分解を共沸蒸留の操作中に実施することも可能である。
共沸溶剤は、水とα,β−不飽和カルボン酸の共沸温度よりも低い温度で水と共沸する溶剤であれば特に限定されないが、水と層分離するものが好ましい。例えば、ベンゼン、トルエンなどを使用することができる。これにより共沸溶剤層のみを共沸蒸留塔に還流させることができるため、新たに系外から供給する共沸溶剤は水層および共沸蒸留塔缶出物への損失分のみを考慮すればよい。
共沸溶剤の供給量としては、除去すべき低沸点物(水)との共沸組成から算出される量が好ましい。共沸溶剤量が少ないと水の除去が不十分となり、α,β−不飽和カルボン酸が十分に精製されない。共沸溶剤量が多いと余剰の共沸溶剤がα,β−不飽和カルボン酸に混入してしまい、十分に精製されない。例えば、共沸溶剤としてトルエンを使用した場合、共沸組成(トルエン:水=80:20)から、除去すべき水の重量に対して約4倍量のトルエンを供給することが好ましい。
共沸蒸留の温度としては、30℃以上が好ましく、60℃以上150℃以下がより好ましい。蒸留温度を低くするためには減圧操作が必要となり、過度に低温で蒸留を実施することは経済的に問題がある。蒸留温度が高すぎると、α,β−不飽和カルボン酸の重合が起こりやすくなるという問題がある。蒸留圧力は上記蒸留温度とするために、必要に応じて減圧もしくは加圧する必要がある。
共沸蒸留中、α,β−不飽和カルボン酸の重合を防止するために、適宜前記重合防止剤を使用することができる。蒸留塔形式としては特に限定されず、前記形式のものを使用することができる。
以上のような方法により、α,β−不飽和カルボン酸無水物を加水分解してα,β−不飽和カルボン酸を製造した後には、必要に応じて更にα,β−不飽和カルボン酸を精製してもよい。その際の精製方法としては特に限定されず、必要とするα,β−不飽和カルボン酸の純度および除去すべき不純物の物性を勘案し、蒸留、膜分離、溶剤抽出などを実施することができる。中でも経済的な観点から蒸留および溶剤抽出が好ましい。
蒸留は前記の方法で実施することができる。また、溶剤抽出では、α,β−不飽和カルボン酸を含む層と水を含む層とに分離することが可能な抽出溶剤を用いることで、α,β−不飽和カルボン酸と水とを分離することが可能となる。併せて、不純物も分離することも可能である。
抽出溶剤は、α,β−不飽和カルボン酸を含む層と水を含む層とに分離することが可能であれば特に限定されない。例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチルなどのエステル類;メチルイソブチルケトンなどのケトン類;n−ブタノール、i−ブタノール、n−アミルアルコールなどのアルコール類;メチルターシャリブチルエーテルなどのエーテル類;が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、二種以上のものを混合して用いてもよい。中でも、α,β−不飽和カルボン酸の抽出効率の観点から、n−ヘプタン、ベンゼン、トルエン、メタクリル酸メチル、メタクリル酸t−ブチル、メチルターシャリブチルエーテル、またはこれらを組み合わせた混合物が好ましく、トルエン、メタクリル酸メチル、メタクリル酸t−ブチル、またはこれらを組み合わせた混合物がより好ましく、トルエンとメタクリル酸メチルの混合物、メタクリル酸メチルとメタクリル酸t−ブチルの混合物がさらに好ましい。二種以上の溶剤を混合して使用する場合の混合比は特に限定されないが、例えばトルエンとメタクリル酸メチルの混合物の場合、トルエン40〜90質量%、メタクリル酸メチル10〜60質量%が好ましい。
溶剤抽出の温度は特に限定されない。高温ではα,β−不飽和カルボン酸抽出効率が低下し、低温ではα,β−不飽和カルボン酸抽出効率が向上する。また、高温では抽出効率が低下しさらに加熱のためのエネルギーが必要となること、低温では抽出効率が向上するが冷却のためのエネルギーが必要となることから、抽出温度としては0〜60℃の範囲が好ましい。
溶剤抽出を行う圧力は特に限定されない。大気圧、加圧、減圧のいずれでも実施することが可能であるが、装置および操作が簡便であることから大気圧で実施することが好ましい。
溶剤抽出を行う装置としては、抽出操作が実施できれば良く、特に限定されない。ミキサーセトラー型抽出装置、回転円盤抽出塔、多孔板抽出塔、などを使用することができる。α,β−不飽和カルボン酸と抽出溶剤の接触により固形物が析出する場合には、事前にα,β−不飽和カルボン酸と抽出溶剤を接触させ、析出した固形物をろ過分離した後に液体成分のみを抽出装置に導入することが好ましい。
溶剤抽出により分離された有機層から抽出溶剤を分離することにより、純度の高いα,β−不飽和カルボン酸を取得することができる。抽出溶剤の分離方法としては特に限定されないが、経済的かつ簡便に実施する方法として蒸留分離が好ましい。蒸留を実施する際には、先述の蒸留操作条件を採ることが好ましい。
上記の操作により水が除去されたα,β−不飽和カルボン酸には、α,β−不飽和カルボン酸よりも高沸点の不純物が含まれている場合がある。そのような場合には、さらに蒸留や薄膜蒸発を実施することが好ましい。蒸留を実施する際には前記蒸留操作条件を採ることができる。薄膜蒸発とは、薄い液膜を形成させ、試料を瞬時に加熱蒸発させることが可能な薄膜蒸発器により実施するものであり、α,β−不飽和カルボン酸のような易重合性物質の精製に適している。
薄膜蒸発装置としては特に限定されないが、ポットスチル型分子蒸留器、薄膜降下式濃縮装置、スミス式薄膜蒸発器、ルーワ式薄膜蒸発器、Hickman型遠心式分子蒸留装置、Othmer式遠心式分子蒸留装置、ロータートレイ型遠心式分子蒸留装置が好ましく、中でもスミス式薄膜蒸発器、ルーワ式薄膜蒸発器、Hickman型遠心式分子蒸留装置がより好ましい。
薄膜蒸発の条件は、目的のα,β−不飽和カルボン酸の品質を損なわない範囲であればよい。薄膜蒸発の温度は30℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましい。蒸発温度が低すぎると十分な蒸発速度が得られず、α,β−不飽和カルボン酸の回収が不十分となる。蒸発温度の上限は150℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましい。蒸発温度が高すぎると、α,β−不飽和カルボン酸の品質低下および重合の危険性がある。薄膜蒸発を行う圧力は−0.101324MPa(0.01torr−絶対圧)以上が好ましく、−0.101312MPa(0.1torr−絶対圧)以上がより好ましい。蒸発圧力が低すぎると、特殊な真空発生装置が必要となるため経済的に問題がある。蒸発圧力は−0.074661MPa(200torr−絶対圧)以下が好ましく、−0.094659MPa(50torr−絶対圧)以下がより好ましく、−0.098659MPa(20torr−絶対圧)以下がさらに好ましい。蒸発圧力が高すぎると、十分な蒸発速度が得られずα,β−不飽和カルボン酸の回収が不十分となる。また、操作中の重合を防止するために前記重合防止剤を適宜使用することができる。なお、圧力表記は、特記した場合を除きゲージ圧表記である。
上記操作により精製されたα,β−不飽和カルボン酸は、α,β−不飽和カルボン酸無水物の分解を促進させるためにリサイクルして再利用してもよい。
前記のとおり、本発明は、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを液相中で酸化することにより得られる反応液、または該反応液から調製されたもの、である混合物を用いる場合に好適である。すなわち、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを液相中で酸化する反応後に、本発明の方法を実施することにより、目的生成物であるα,β−不飽和カルボン酸の収率を著しく高めることができる。以下に、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを液相中で酸化する方法の一例を説明する。
液相酸化の原料としては、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを使用する。原料として用いるオレフィンとしては、例えば、プロピレン、イソブチレン、2−ブテン等が挙げられる。また、原料として用いるα,β−不飽和アルデヒドとしては、例えば、アクロレイン、メタクロレイン、クロトンアルデヒド(β−メチルアクロレイン)、シンナムアルデヒド(β−フェニルアクロレイン)等が挙げられる。オレフィンの中ではプロピレンまたはイソブチレンを、α,β−不飽和アルデヒドの中ではアクロレインまたはメタクロレインを、原料として用いた液相酸化に好適である。原料として用いるオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドには、不純物として飽和炭化水素および/または低級飽和アルデヒド等が少々含まれていてもよい。
製造されるα,β−不飽和カルボン酸は、原料がオレフィンの場合、オレフィンと同一の炭素骨格を有するα,β−不飽和カルボン酸であり、原料がα,β−不飽和アルデヒドの場合、α,β−不飽和アルデヒドのアルデヒド基がカルボキシル基に変化したα,β−不飽和カルボン酸である。具体的には、原料がプロピレンまたはアクロレインの場合はアクリル酸が得られ、原料がイソブチレンまたはメタクロレインの場合はメタクリル酸が得られる。
液相酸化反応に用いる反応溶媒は特に限定されないが、水、アルコール類、ケトン類、有機酸類、有機酸エステル類、炭化水素類等が使用できる。アルコール類としては、例えば、ターシャリーブタノール、シクロヘキサノール等が挙げられる。ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。有機酸類としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、iso−酪酸、n−吉草酸、iso−吉草酸等が挙げられる。有機酸エステル類としては、例えば、酢酸エチル、プロピオン酸メチル等が挙げられる。炭化水素類としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン等が挙げられる。中でも、炭素数2〜6の有機酸類、炭素数3〜6のケトン類、ターシャリーブタノールが好ましい。溶媒は単独でも、2種以上の混合溶媒でもよい。また、アルコール類、ケトン類、有機酸類および有機酸エステル類からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を溶媒として使用する場合は、この化合物と水との混合溶媒とすることが好ましい。混合溶媒中の水の量は特に限定されないが、混合溶媒の質量に対して、2質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。また、70質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。混合溶媒は、均一であることが望ましいが、不均一な状態で用いても差し支えない。
液相酸化反応を行う反応液中のオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドの量は、反応器内に存在する反応溶媒に対して0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましい。また、50質量%以下が好ましく、30質量部以下がより好ましい。
液相酸化反応を行うにあたっては、触媒を使用することが好ましい。触媒種としては特に限定されないが、貴金属含有触媒を使用することが好適である。貴金属とは、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、金、銀、レニウム、オスミウムを指す。中でもパラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、金が好ましく、パラジウムが特に好ましい。
触媒は、貴金属を担体に担持させた担持触媒でもよく、非担持触媒でもよい。担持触媒とする場合の担体としては、例えば、活性炭、カーボンブラック、シリカ、アルミナ、マグネシア、カルシア、チタニアおよびジルコニア等を挙げることができるが、中でも活性炭、シリカ、アルミナが好ましく用いられる。また、貴金属の担持率は、担持前の担体質量に対して0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上がさらに好ましく、4質量%以上が特に好ましい。また、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましく、15質量%以下が特に好ましい。
貴金属含有触媒は、貴金属化合物を溶媒に溶解し、還元剤を用いて還元することで調製できる。この還元により目的とする貴金属含有触媒が析出する。還元は気相で行うこともできるが、液相で行うことが好ましい。以下、液相中で貴金属化合物を還元する液相還元法について説明する。
まず、貴金属化合物を溶媒に溶解して貴金属化合物溶液とする。貴金属化合物は特に限定されないが、例えば、貴金属の、塩化物、酸化物、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、テトラアンミン錯体、アセチルアセトナト錯体等が好ましく、貴金属の、塩化物、酸化物、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩がより好ましく、貴金属の、塩化物、酢酸塩、硝酸塩が特に好ましい。溶媒としては、水、アルコール類、ケトン類、有機酸類および炭化水素類よりなる群から選ばれる1種または2種以上の溶媒を用いることができる。貴金属化合物溶液における貴金属化合物の濃度は、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が特に好ましい。また、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、7質量%以下が特に好ましい。
担持触媒を調製する場合は、この貴金属化合物溶液中の貴金属化合物を担体に担持させればよい。担持の方法としては、例えば貴金属化合物溶液中に担体を添加する方法、担体中に貴金属化合物溶液を含浸する方法などが挙げられる。
次いで、貴金属化合物溶液に還元剤を加えて貴金属化合物を還元して、貴金属含有触媒を得ることができる。用いる還元剤は特に限定されないが、例えば、ヒドラジン、ホルムアルデヒド、水素化ホウ素ナトリウム、水素、ギ酸、ギ酸の塩、エチレン、プロピレンおよびイソブチレン等が挙げられる。還元剤が気体の場合、溶液中への溶解度を上げるためにオートクレーブ等の加圧装置中で行うことが好ましい。その際、加圧装置の内部は還元剤で加圧することが好ましい。その圧力は0.1〜1MPaが好ましい。また、還元剤が液体の場合、貴金属の還元を行う装置に制限はなく、貴金属化合物溶液中に還元剤を添加することで行うことができる。このときの還元剤の使用量は特に限定されないが、貴金属化合物1モルに対して1〜100モル程度が好ましい。還元時の系の温度および還元時間は、還元方法、用いる貴金属化合物、溶媒および還元剤等により異なるので一概に言えないが、液相還元法の場合、還元温度は0〜100℃、還元時間は0.5〜24時間が好ましい。
貴金属含有触媒は、液相酸化を行う反応液に懸濁させた状態で使用することが好ましいが、固定床で使用してもよい。反応液中の貴金属含有触媒の量は、液相酸化を行う反応器内に存在する溶液100質量部に対して、その反応器内に存在する触媒として0.01質量部以上が好ましく、0.2質量部以上がより好ましい。また、50質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましい。
液相酸化反応は、酸化剤として分子状酸素を含有するガスを用いて実施することが好ましい。分子状酸素を含有するガスとしては、空気がその酸素濃度及び経済性から好ましいが、より高い酸素濃度で製造する場合など、必要であれば、純酸素、または、純酸素と、空気、窒素、二酸化炭素、水蒸気等との混合ガスを用いることもできる。分子状酸素の量は、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒド1モルに対して、0.1モル以上が好ましく、0.3モル以上がより好ましく、0.5モル以上がさらに好ましい。また、30モル以下が好ましく、25モル以下がより好ましく、20モル以下がさらに好ましい。
分子状酸素を含有するガスは、ガス分散器を用い液相中に微細な泡状で供給するのが好ましい。ガス分散器としては、例えば、多孔板、ノズル、多孔質板などが挙げられる。分子状酸素を含有するガスの空塔速度としては、0.2cm/s以上が好ましく、0.5cm/s以上がより好ましい。また、30cm/s以下が好ましく、25cm/s以下がより好ましい。
液相酸化反応を行う温度および圧力は、用いる反応溶媒および原料によって適宜選択される。反応温度は、60℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましい。また、200℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましい。反応圧力は、反応液が反応温度において液化する圧力以上の圧力であることが好ましく、具体的には、0.05MPa以上が好ましく、0.1MPa以上がより好ましい。反応圧力は高いほうが酸化反応が速やかに進行するため、高い値に設定することが好ましいが、経済的な観点から、10MPa以下が好ましく、8MPa以下がより好ましい。
液相酸化反応時における高温での原料や生成物の重合を防止するために、重合防止剤を使用することが好ましい。重合防止剤としては、例えば、前記の重合防止剤を使用することができる。
液相酸化反応は、回分式、連続式いずれの方法おいても実施することができるが、工業的には連続式が好ましい。連続式の場合、気液固反応が実施できれば制約はないが、例えば、充填塔型反応器、気泡塔型反応器、撹拌槽型反応器、スプレー塔型反応器、段塔型反応器等が用いられる。中でも、貴金属含有触媒を反応液中に懸濁させて液相酸化反応をする場合には、気泡塔型反応器、撹拌槽型反応器が好ましく用いられる。反応器は必要に応じて、2段以上の多段直列に配置し、反応液が各槽を順次流通するようにして液相酸化反応を実施することもできる。反応液の反応器内における滞留時間は、貴金属含有触媒の量、反応温度、圧力等により適宜選択できるが、0.1hr以上が好ましく、より好ましくは0.2hr以上であり、10hr以下が好ましく、より好ましくは8hr以下である。
液相酸化反応において、反応器内の液相部を通過した分子状酸素を含有するガス(以下未反応酸素ガスと呼ぶ)は、気相部において爆鳴気を形成する恐れがあるため、気相部、場合によっては液相部に窒素、二酸化炭素、水蒸気等の不活性ガスを供給し爆鳴気形成を回避することが好ましい。未反応酸素ガスまたは未反応酸素ガスを前記不活性ガスで希釈したガスには低濃度の原料や反応溶媒が存在しているため、大気汚染防止またはコストの観点から、通常、原料や反応溶媒を回収後、インシネエーター等で処理してから大気中に放散される。回収法としては、吸収法、吸着法などを挙げることができる。
以上のような液相酸化反応により、α,β−不飽和カルボン酸及びα,β−不飽和カルボン酸無水物を含有する反応混合物が得られることになる。
本発明のα,β−不飽和カルボン酸の製造方法は、上述のような方法で実施することにより、α,β−不飽和カルボン酸の収率を高めることを可能とするものである。以下、図面を使用して本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
図1は、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを原料としてα,β−不飽和カルボン酸を製造する装置の構成を示す系統図である。酸化反応器(A)には、原料であるオレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドおよび酸素含有ガス(1)が供給され、貴金属含有触媒存在下で液相酸化反応が行われる。酸化反応器(A)は複数設置してもよく、その場合は直列に配置されていても良く、並列に配置されていてもよい。
液相酸化反応終了後、触媒を含んだ状態の反応液である混合物i(2)は、触媒分離器(B)に供給され、貴金属含有触媒(4)が分離される。分離された貴金属含有触媒(4)は再び酸化反応器(A)にリサイクルして再利用することが好ましい。
触媒の分離は、減圧、常圧、加圧いずれの圧力においても実施することができる。オレフィンを原料とする場合、特に本発明で好ましく用いられるオレフィンであるプロピレン、イソブチレン、2−ブテン等がいずれも低沸点であるため、上記分離は加圧下で実施することが好ましい。α,β−不飽和アルデヒドを原料とする場合は、常圧で実施することも可能であるが、加圧下で行っても差し支えない。
触媒の粒径が大きく比重が大きい場合は、上記分離として重力による沈降分離を実施できるが、触媒の粒径が小さい場合又は比重が小さい場合は、重力の代わりに遠心力を利用した遠心分離、重力、加圧または減圧を利用してろ材と称する隔壁によってろ過ケーキとろ液とに分離するろ過を用いることが好ましい。
遠心分離の際、遠心沈降機として、例えば、円筒型遠心分離機、固体排出式分離機、垂直型デカンター、垂直型多段デカンター、自動回分式水平型デカンター、連続排出式水平型デカンター、ソントリフュージを、遠心ろ過機として、例えば、回分式遠心ろ過機、自動回分式遠心ろ過機、自動排出型遠心脱水機、スクリュー排出型遠心脱水機、振動排出型遠心脱水機、押出板型遠心脱水機、押出板型多段式遠心脱水機、スクリュー排出型(横型)遠心脱水機等を用いることができる。
ろ過の際、加圧ろ過器としては、例えば、加圧ヌッチェ、板枠型圧ろ器、凹板型圧ろ器、Eimco−Burwell圧ろ器、可逆圧ろ器、Kelly型ろ過器、Sweetland型ろ過器、Vallez型ろ過器、水平板型加圧ろ過器、垂直円筒型加圧葉状ろ過器、連続式クロスフロー型ろ過器、連続式回転円筒型加圧ろ過器、連続式二重円筒型加圧ろ過器、連続式ドラムベルト型加圧ろ過器、連続式ロータリーフィルタープレス、連続式加圧葉状ろ過器などが、真空ろ過器としては、真空ヌッチェ、真空葉状ろ過器、連続式多室円筒型真空ろ過器、連続式単室円筒型真空ろ過器、連続式垂直円板型真空ろ過器、連続式水平型真空ろ過器などが用いられ、連続的にスラリー状の触媒を分離する場合には、クロスフロー型ろ過器が好ましく用いられる。
また、酸化反応器(A)を複数設置した場合、各反応器の出口に触媒分離器(B)を設置することが好ましい。
上記のように触媒を分離した後の混合物ii(3)から、まず未反応原料を分離することが好ましい。原料としてオレフィンを用いた場合は、第1段反応まで進行した生成物であるα,β−不飽和アルデヒドも分離することが好ましい。オレフィン及びα,β−不飽和アルデヒドは、可能であれば同時に分離してもよいが、通常は沸点の関係から、オレフィンの分離のみを先に実施することができる。
本発明で好ましく用いられる原料であるオレフィンは低沸点であるため、フラッシュドラム(C)による平衡フラッシュ蒸留が好ましい。平衡フラッシュ蒸留とは、原料を(必要に応じて加熱し)減圧弁を経て分離器内にフラッシュ(噴射)させることで温度、圧力に対応したガスと液体に分離する操作のことである。フラッシュさせる前の反応液の温度は、反応温度もしくは反応温度±15℃の範囲から、また圧力は、反応圧力もしくは反応圧力±反応圧力×0.3の範囲の中から設定することが好ましいが、反応温度、反応圧力の反応液をそのままフラッシュさせることがより好ましい。カラム内の圧力は、0MPa〜反応圧力×0.95の範囲とすることが好ましい。上記操作により、主にオレフィンを主成分とする蒸気とそれ以外の液体に分離される。平衡フラッシュ蒸留は、分離塔1段の分離操作であるため、該蒸気には通常若干量ではあるがα,β−不飽和アルデヒド、溶媒成分、溶存ガス等が含まれる。より高度な分離を必要とする場合、棚段塔、充填塔など通常の蒸留塔を用いることもできる。未反応オレフィン(5)の蒸気は、圧縮または冷却操作により液化した後、酸化反応器(A)にリサイクルして再利用することが好ましい。
原料としてα,β−不飽和アルデヒドを用いた場合は、混合物ii(3)をフラッシュドラム(C)ではなく、次工程である加水分解・低沸除去塔(D)に直接供給することもできる。
上記操作により未反応オレフィン(5)を分離した後の混合物iii(6)は、次いで加水分解・低沸除去塔(D)に供給され、本発明の方法によりα,β−不飽和カルボン酸の加水分解を実施する。同時に、混合物iii(6)に含まれる低沸物を蒸留分離する。例えば、原料としてオレフィンを用いた場合は、第1段反応まで進行した生成物であるα,β−不飽和アルデヒドが低沸物として含まれている。原料としてα,β−不飽和アルデヒドを用いた場合は、その原料が低沸物として含まれている。また、液相酸化反応時に、α,β−不飽和カルボン酸よりも低沸点であり、α,β−不飽和アルデヒドよりも高沸点である反応溶媒を使用した場合は、その反応溶媒が低沸物として含まれている。
この際、混合物iii(6)における、α,β−不飽和カルボン酸無水物に対する水およびα,β−不飽和カルボン酸のモル比が本発明の条件を満たさない場合には、水および/またはα,β−不飽和カルボン酸(7)を適宜追加することができる。これにより加水分解・低沸除去塔(D)において、α,β−不飽和カルボン酸無水物をα,β−不飽和カルボン酸に変換できるとともに、低沸物(8)を前記加熱による加水分解と同時に留去することができる。
加水分解・低沸除去塔(D)は複数設置してもよい。例えば、液相酸化反応時にα,β−不飽和カルボン酸よりも低沸点であり、α,β−不飽和アルデヒドよりも高沸点である反応溶媒を使用した場合は、まずα,β−不飽和アルデヒドを主とする低沸物を分離し、次いで反応溶媒を分離することができる。加水分解・低沸除去塔(D)は複数設置する場合、少なくとも一つの塔においてα,β−不飽和カルボン酸の加水分解を実施すればよい。分離されたα,β−不飽和アルデヒドおよび反応溶媒等の低沸物(8)は、酸化反応器(A)にリサイクルして使用することが好ましい。
低沸物を除去した後の混合物iv(9)は共沸蒸留塔(E)に供給される。この塔の塔頂からは水と共沸溶剤の混合蒸気(10)が得られ、これは凝縮された後層分離器(図示せず)にて水と共沸溶剤とに分離される。分離された共沸溶剤は共沸蒸留塔に還流することが好ましい。分離された水は、必要に応じて水中の溶剤除去処理(図示せず)を行った後廃棄することが好ましい。溶剤分離方法としては特に限定されないが、経済的な観点から蒸留分離が好ましい。
水を除去した後の混合物v(11)は精製塔(F)に供給され、α,β−不飽和カルボン酸(12)と、その他の混合物vi(13)とに分離される。その後、混合物vi(13)を薄膜蒸発器(G)に供給することで、さらにα,β−不飽和カルボン酸(12)と高沸残渣(14)に分離される。
図1の装置では共沸蒸留により水を分離したが、溶剤抽出により水を分離することもできる。図2は溶剤抽出により水を分離する装置の構成を示す系統図である。溶剤抽出によりα,β−不飽和カルボン酸と水とを分離する好ましい例である。図1の装置と同様に処理して得られた混合物iv(9)は溶剤抽出塔(H)にて水層(15)とα,β−不飽和カルボン酸および抽出溶剤を含む有機層(16)とに分離される。水層(15)中には若干量の抽出溶剤が含まれている場合があるため、必要に応じて水中の溶剤除去処理(図示せず)を行った後廃棄することが好ましい。溶剤分離方法としては特に限定されないが、経済的な観点から蒸留分離が好ましい。
有機層(16)は溶剤回収塔(I)に導入され、抽出溶剤(17)が分離される。分離された溶剤は再びは溶剤抽出塔(H)にリサイクルして再利用することが好ましい。抽出溶剤を分離した後の液である混合物vii(18)は、精製塔(F)に供給され、図1と同様に精製塔(F)および薄膜蒸発器(G)を経てα,β−不飽和カルボン酸(10)が回収される。
以下に、本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明する。実施例中の成分分析にはガスクロマトグラフィーを使用した。
(実施例1)
(イソブチレンの液相酸化反応)
液相酸化反応を行う反応器としては、内径126mm、容量4リットルのジャケット付きステンレス製撹拌槽式反応器を用いた。反応器に予めパラジウム金属含有シリカ担持触媒約150gと75質量%ターシャリーブタノール水溶液を投入し、全液容積が約3リットルになるように調整した。なお、パラジウム金属含有シリカ担持触媒は、硝酸パラジウムを水に溶解し、そこにシリカ担体を添加して、硝酸パラジウムをシリカ担体に担持させた後、ホルムアルデヒドを用いて還元する方法で調製したものを使用した。
次いで、窒素ガスを反応器上部から供給し、気相部圧力が4.8MPaとなった時点で供給を停止した。液相温度を90℃まで昇温させた後、液化イソブチレンを約237g/hr、及び溶媒を約2135g/hrで反応器へ連続的に供給した。溶媒としては、75質量%ターシャリーブタノール水溶液に、重合防止剤としてp−メトキシフェノール200ppmを含有させて調製した溶媒を使用した。次に、気相部圧力を保ったまま反応器液相部に、圧縮空気ボンベから空気をスパージャーを通して約800g/hrで連続的に供給することで、液相酸化反応を実施した。
液相酸化反応を行った反応液を反応器から連続的に抜き出し、加圧下のろ過によりパラジウム金属含有担持触媒を連続的に分離した。ろ過された反応液は、大気圧下フラッシュドラム内にフラッシュされ、未反応のイソブチレンを分離した。
(メタクリル酸無水物の加水分解)
上記操作により得られた混合物を使用し、メタクリル酸無水物の加水分解を実施した。混合物組成を表1に示す。具体的には、この混合物を加熱用オイルバスを備えた3Lガラス製フラスコに導入し、ガラス製オールダーショウ式蒸留塔(内径35mm、20段)を接続した後、圧力0MPaで回分蒸留を実施した。蒸留時間、混合物温度、および混合物中に存在するメタクリル酸無水物の量の分析値を表2に示す。なお、回分蒸留における加熱時間(蒸留塔塔底液の温度が30℃以上の時間)は4.2時間であった。
(実施例2)
(イソブチレンの液相酸化反応)
液化イソブチレン、溶媒および空気の供給量を実施例1の1.174倍にした以外は、実施例1と同様の方法で行った。
(メタクリル酸無水物の加水分解)
上記操作により得られた混合物を使用し、フラスコ内温度が60℃以下となるよう圧力を調整した以外は実施例1と同様の方法で実施した。混合物組成を表3に示す。蒸留時間、混合物温度、蒸留圧力、および混合物中に存在するメタクリル酸無水物の分析値を表4に示す。なお、回分蒸留における加熱時間(蒸留塔塔底液の温度が30℃以上の時間)は9.1時間であった。
Figure 2007277200
Figure 2007277200
Figure 2007277200
Figure 2007277200
表中の略号
TBA:ターシャリブチルアルコール
2O:水
MAA:メタクリル酸
ANH:メタクリル酸無水物
本発明の一実施形態を実施可能な、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを原料としてα,β−不飽和カルボン酸を製造する装置の構成を示す系統図である。 本発明の一実施形態を実施可能な、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを原料としてα,β−不飽和カルボン酸を製造する装置の構成を示す系統図である。
符号の説明
1 オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドおよび酸素含有ガス
2 混合物i
3 混合物ii
4 貴金属含有触媒
5 未反応オレフィン
6 混合物iii
7 水および/またはα,β−不飽和カルボン酸
8 低沸物
9 混合物iv
10 水と共沸溶剤の混合蒸気
11 混合物v
12 α,β−不飽和カルボン酸
13 混合物vi
14 高沸残渣
15 水層
16 有機層
17 抽出溶剤
18 混合物vii
A 酸化反応器
B 触媒分離器
C フラッシュドラム
D 加水分解・低沸除去塔
E 共沸蒸留塔
F 精製塔
G 薄膜蒸発器
H 溶剤抽出塔
I 溶剤回収塔

Claims (4)

  1. α,β−不飽和カルボン酸と、α,β−不飽和カルボン酸無水物と、水とを含有し、前記α,β−不飽和カルボン酸無水物1モルに対して前記水が5モル以上かつ前記α,β−不飽和カルボン酸が2モル以上である混合物を30℃以上に加熱して、前記α,β−不飽和カルボン酸無水物の少なくとも一部を加水分解することを特徴とするα,β−不飽和カルボン酸の製造方法。
  2. 前記混合物が、前記α,β−不飽和カルボン酸、前記α,β−不飽和カルボン酸無水物、および前記水のいずれよりも低沸点の低沸物をさらに含有しており、前記加水分解を蒸留塔内で行うことで該低沸物の少なくとも一部を蒸留塔塔頂から除去することを特徴とする請求項1に記載のα,β−不飽和カルボン酸の製造方法。
  3. 前記混合物が、オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを液相中で酸化することにより得られる反応液、または該反応液から調製されたものであることを特徴とする請求項2記載のα,β−不飽和カルボン酸の製造方法。
  4. オレフィンまたはα,β−不飽和アルデヒドを液相中で酸化した反応液を得る工程と、
    前記反応液から、α,β−不飽和カルボン酸と、α,β−不飽和カルボン酸無水物と、水と、これらのいずれよりも低沸点の低沸物とを含有し、前記α,β−不飽和カルボン酸無水物1モルに対して前記水が5モル以上かつ前記α,β−不飽和カルボン酸が2モル以上、である混合物を得る工程と、
    前記混合物を蒸留塔に供給し、前記混合物を前記蒸留塔の塔底の加熱部にて30℃以上に加熱して、前記低沸物の少なくとも一部を前記蒸留塔の塔頂から除去するとともに、前記α,β−不飽和カルボン酸無水物の少なくとも一部を加水分解する工程と、
    を有することを特徴とする請求項3記載のα,β−不飽和カルボン酸の製造方法。
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